(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力部は、前記ゲート電圧を出力するゲート電圧出力端子と、クロック信号が入力されるクロック入力端子と、前記第1ノードとの間に接続されて、前記第1ノードの電圧に従ってゲート電圧を出力することを特徴とする請求項6に記載の表示パネル。
前記伝達信号生成部は、前記伝達信号を出力する伝達信号出力端子と、前記クロック入力端子と、前記第1ノードとの間に接続されて、前記第1ノードの電圧に従って伝達信号を出力することを特徴とする請求項8に記載の表示パネル。
前記伝達信号出力端子をプルダウンさせる構成要素は、前記第2ノードの電圧に従って前記伝達信号出力端子の電圧を前記第2低電圧に下げることを特徴とする請求項12に記載の表示パネル。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る表示パネルを実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0014】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるという時、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の“すぐ上”にあるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示パネルの平面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る表示パネル100は、画像を表示する表示領域300、及び表示領域300のゲート線にゲート電圧を印加するゲート駆動部500を含む。
また、表示領域300のデータ線は、表示パネル100に付着されたフレキシブル印刷回路フィルム(FPC;flexible printed circuit film)450の上に形成されたデータドライバIC460からデータ電圧の印加を受ける。一方、ゲート駆動部500及びデータドライバIC460は信号制御部600によって制御される。
【0016】
フレキシブル印刷回路フィルム450の外側には印刷回路基板400(PCB;printed circuit board)が形成されて、信号制御部600からの信号をデータドライバIC460及びゲート駆動部500に伝達する。信号制御部600から提供される信号としては、第1クロック信号(CKV)、第2クロック信号(CKVB)、及びスキャン開示信号(STVP)などの信号と、特定レベルの低電圧(Vss1、Vss2)を提供する信号を含む。
【0017】
表示領域300は、液晶表示パネルの場合には、薄膜トランジスタ(Trsw)、液晶キャパシタ(Clc)、及び維持キャパシタ(Cst)などを含み、
図1では液晶表示パネルを例に挙げて示している。一方、有機発光表示パネルでは薄膜トランジスタ及び有機発光ダイオードを含み、その他の表示パネルでは薄膜トランジスタなどの素子を含んで、表示領域300を形成する。以下には、液晶表示パネルを例に挙げて説明する。
【0018】
表示領域300は、複数のゲート線(G1〜Gn)及び複数のデータ線(D1〜Dm)を含み、複数のゲート線(G1〜Gn)及び複数のデータ線(D1〜Dm)は互いに絶縁されて交差している。
各画素(PX)には、薄膜トランジスタ(Trsw)、液晶キャパシタ(Clc)、及び維持キャパシタ(Cst)を含む。
【0019】
薄膜トランジスタ(Trsw)の制御端子は一つのゲート線に接続され、薄膜トランジスタ(Trsw)の入力端子は一つのデータ線に接続され、薄膜トランジスタ(Trsw)の出力端子は液晶キャパシタ(Clc)の一側端子及び維持キャパシタ(Cst)の一側端子に接続される。液晶キャパシタ(Clc)の他側端子は共通電極に接続され、維持キャパシタ(Cst)の他側端子は信号制御部600から印加される維持電圧(Vcst)の印加を受ける。
【0020】
複数のデータ線(D1〜Dm)は、データドライバIC460からデータ電圧の印加を受け、複数のゲート線(G1〜Gn)は、ゲート駆動部500からゲート電圧の印加を受ける。
データドライバIC460は、表示パネル100の上側または下側に形成されて、縦方向に延長されたデータ線(D1〜Dm)と接続するが、
図1の実施形態ではデータドライバIC460が表示パネル100の上側に位置する実施形態を示している。
【0021】
ゲート駆動部500は、クロック信号(CKV、CKVB)、スキャン開示信号(STVP)及びゲートオフ電圧に相当する第1低電圧(Vss1)と、ゲートオフ電圧より低い第2低電圧(Vss2)の印加を受けて、ゲート電圧(ゲートオン電圧及びゲートオフ電圧)を生成し、ゲート線(G1〜Gn)に順次にゲートオン電圧を印加する。
【0022】
ゲート駆動部500に印加されるクロック信号(CKV、CKVB)、スキャン開示信号(STVP)、第1低電圧(Vss1)、及び第2低電圧(Vss2)は、
図1に示すように最外角側にあり、ゲート駆動部500側に位置するフレキシブル印刷回路フィルム450を通じてゲート駆動部500に印加される。このような信号は、外部または信号制御部600から印刷回路基板400を通じてフレキシブル印刷回路フィルム450に伝達される。
以上では、表示パネルの全体的な構造について説明した。
以下、本発明と係るゲート駆動部500及びゲート線(G1〜Gn)を中心に説明する。
【0023】
図2は、
図1のゲート駆動部及びゲート線をさらに詳細に示したブロック図である。
図2では、ゲート駆動部500をブロック化して詳細に説明する。
図2において、表示領域300を抵抗(Rp)とキャパシタ(Cp)に示した。
【0024】
これは、ゲート線(G1〜Gn)、液晶キャパシタ(Clc)、及び維持キャパシタ(Cst)は、それぞれ抵抗値及びキャパシタンスを有し、これらを全て合わせて、一つの抵抗(Rp)及び一つのキャパシタ(Cp)に表したものである。ステージ(SRn)から出力されたゲート電圧はゲート線を通じて伝達される。ゲート線は、
図2に示すように、回路的には抵抗(Rp)とキャパシタンス(Cp)を有するものと表すことができる。これらの値は、一つのゲート線が全体的に有する値であり、表示領域300の構造及び特性によって他の値を有することができる。
以下、ゲート駆動部500について説明する。
【0025】
ゲート駆動部500は、互いに従属的に接続された複数のステージ(SR1、SR2、SR3、SR4、・・・)を含む。各ステージ(SR1、SR2、SR3、SR4、・・・)は、三つの入力端子(IN1、IN2、IN3)、一つのクロック入力端子(CK)、二つの電圧入力端子(Vin1、Vin2)、ゲート電圧を出力するゲート電圧出力端子(OUT)、及び伝達信号出力端子(CRout)を含む。
【0026】
まず、第1入力端子(IN1)は前段ステージの伝達信号出力端子(CRout)と接続して、前段ステージの伝達信号(CR)の印加を受けるが、最初のステージは前段ステージが存在しないので、第1入力端子(IN1)にスキャン開示信号(STVP)の印加を受ける。
【0027】
第2入力端子(IN2)は、次段ステージの伝達信号出力端子(CRout)と接続して、次段ステージの伝達信号(CR)の印加を受ける。また、第3入力端子(IN3)は次段ステージの次の段のステージの伝達信号出力端子(CRout)と接続して、次段ステージの次の段のステージの伝達信号(CR)の印加を受ける。
【0028】
n番目ゲート線(Gn)に接続されたステージ(SRn;図示せず)は、次段ステージ及び次段ステージの次の段のステージから伝達信号(CR)を受信するためにダミーステージを二つ形成する。ダミーステージ(SRn+1、SRn+2;図示せず)は、他のステージ(SR1〜SRn)と異なり、ダミーゲート電圧を生成して出力するステージである。
つまり、他のステージ(SR1〜SRn)から出力されたゲート電圧は、ゲート線を通じて伝達しながら、画素にデータ電圧が印加されて、画像を表示するようにするが、ダミーステージ(SRn+1、SRn+2)はゲート線に接続しない構成とすることもでき、ゲート線と接続しても、画像を表示しないダミー画素(図示せず)のゲート線と接続していて、画像を表示するのに使用しないことも可能である。
【0029】
クロック端子(CK)にはクロック信号が印加されるが、複数のステージのうちの奇数番目ステージのクロック端子(CK)には第1クロック(CKV)が印加され、偶数番目ステージのクロック端子(CK)には第2クロック(CKVB)が印加される。第1クロック(CKV)と第2クロック(CKVB)は、互いに位相が反対になるクロック信号である。
【0030】
第1電圧入力端子(Vin1)にはゲートオフ電圧に相当する第1低電圧(Vss1)が印加され、第2電圧入力端子(Vin2)には第1低電圧(Vss1)より低い第2低電圧(Vss2)が印加される。第1低電圧(Vss1)及び第2低電圧(Vss2)の電圧値は、実施形態によって多様なものがあり得、本実施形態においては、第1低電圧(Vss1)値として−5Vを使用し、第2低電圧(Vss2)値として−10Vを使用する。
【0031】
次に、ゲート駆動部500の動作について説明する。
まず、第1ステージ(SR1)は、クロック入力端子(CK)を通じて外部から提供される第1クロック信号(CKV)を、第1入力端子(IN1)を通じてスキャン開示信号(STVP)を、第1及び第2電圧入力端子(Vin1、Vin2)には第1及び第2低電圧(Vss1、Vss2)を、そして第2及び第3入力端子(IN2、IN3)を通じて第2ステージ(SR2)及び第3ステージ(SR3)からそれぞれ提供される伝達信号(CR)を受信して、最初のゲートラインにゲート電圧出力端子(OUT)を通じてゲートオン電圧を出力する。また、伝達信号出力端子(CRout)では伝達信号(CR)を出力して第2ステージ(SR2)の第1入力端子(IN1)に伝達する。
【0032】
第2ステージ(SR2)は、クロック入力端子(CK)を通じて外部から提供される第2クロック信号(CKVB)を、第1入力端子(IN1)を通じて第1ステージ(SR1)の伝達信号(CR)を、第1及び第2電圧入力端子(Vin1、Vin2)には第1及び第2低電圧(Vss1、Vss2)を、そして第2及び第3入力端子(IN2、IN3)を通じて第3ステージ(SR3)及び第4ステージ(SR4)からそれぞれ提供される伝達信号(CR)を受信して、二番目ゲートラインにゲート電圧出力端子(OUT)を通じてゲートオン電圧を出力する。また、伝達信号出力端子(CRout)では伝達信号(CR)を出力して、第3ステージ(SR3)の第1入力端子(IN1)及び第1ステージ(SR1)の第2入力端子(IN2)に伝達する。
【0033】
また、第3ステージ(SR3)は、クロック入力端子(CK)を通じて外部から提供される第1クロック信号(CKV)を受信し、第1入力端子(IN1)を通じて第2ステージ(SR2)の伝達信号(CR)を、第1及び第2電圧入力端子(Vin1、Vin2)には第1及び第2低電圧(Vss1、Vss2)を、そして第2及び第3入力端子(IN2、IN3)を通じて第4ステージ(SR4)及び第5ステージ(SR5)からそれぞれ提供される伝達信号(CR)を受信して、三番目ゲートラインにゲート電圧出力端子(OUT)を通じてゲートオン電圧を出力する。また、伝達信号出力端子(CRout)では伝達信号(CR)を出力して、第4ステージ(SR4)の第1入力端子(IN1)、第1ステージ(SR1)の第3入力端子(IN3)、及び第2ステージ(SR2)の第2入力端子(IN2)に伝達する。
【0034】
上記と同様の方法により、n番目ステージ(SRn)は、クロック入力端子(CK)を通じて外部から提供される第2クロック信号(CKVB)を受信し、第1入力端子(IN1を通じて第(n−1)ステージ(SR2)の伝達信号(CR)を、第1及び第2電圧入力端子(Vin1、Vin2)には第1及び第2低電圧(Vss1、Vss2)を、そして第2及び第3入力端子(IN2、IN3)を通じて第(n+1)ステージ(SRn+1;ダミーステージ)及び第(n+2)ステージ(SRn+2;ダミーステージ)からそれぞれ提供される伝達信号(CR)を受信して、n番目ゲートラインにゲート電圧出力端子(OUT)を通じてゲートオン電圧を出力する。また、伝達信号出力端子(CRout)では伝達信号(CR)を出力して、第(n+1)ステージ(SRn+1;ダミーステージ)の第1入力端子(IN1)、第(n−2)ステージ(SRn−2)の第3入力端子(IN3)、及び第(n−1)ステージ(SRn−1)の第2入力端子(IN2)に伝達する。
【0035】
図2を参照して全体的なゲート駆動部500のステージ(SR)の接続構造について説明した。
以下、
図3を参照して、一つのゲート線に接続されたゲート駆動部のステージ(SR)の構造についてさらに詳細に説明する。
図3は、
図2における一つのゲート線に接続されている一つのステージ(SR)を拡大して示した回路図である。
【0036】
図3に示すように、本実施形態に係るゲート駆動部500の各ステージ(SR)は、入力部511、プルアップ駆動部512、伝達信号生成部513、出力部514、及びプルダウン駆動部515を含む。
【0037】
入力部511は、一つのトランジスタ(第4トランジスタ(Tr4))を含み、第4トランジスタ(Tr4)の入力端子及び制御端子は第1入力端子(IN1)に共通接続(ダイオード接続)されており、出力端子は第1ノード(以下、Q接続点)と接続されている。入力部511は、第1入力端子(IN1)にハイ電圧が印加される場合、これをQ接続点に伝達する役割を果たす。
【0038】
プルアップ駆動部512は、二つのトランジスタ(第7トランジスタ(Tr7)、第12トランジスタ(Tr12))を含む。まず、第12トランジスタ(Tr12)の制御端子と入力端子は共通接続され、クロック端子(CK)を通じて第1クロック信号(CKV)または第2クロック信号(CKVB)を受信し、出力端子が第7トランジスタ(Tr7)の制御端子及びプルダウン駆動部515に接続されている。
【0039】
一方、第7トランジスタ(Tr7)の入力端子もクロック端子(CK)に接続されており、出力端子が第2ノード(以下、Q’接続点)に接続されており、Q’接続点を通過してプルダウン駆動部515に接続されている。第7トランジスタ(Tr7)の制御端子は、第12トランジスタ(Tr12)の出力端子及びプルダウン駆動部515に接続されている。ここで、第7トランジスタ(Tr7)の入力端子と制御端子との間、及び制御端子と出力端子との間にはそれぞれ寄生キャパシタ(図示せず)が形成される。
【0040】
このようなプルアップ駆動部512は、クロック端子(CK)からハイ(high)信号が印加されると、ハイ(high)信号が、第12トランジスタ(Tr12)を通じて第7トランジスタ(Tr7)の制御端子及びプルダウン駆動部515に伝達される。第7トランジスタ(Tr7)に伝達されたハイ(high)信号は、第7トランジスタ(Tr7)をターンオンさせ、その結果、クロック端子(CK)から印加されたハイ(high)信号をQ’接続点に印加する。
【0041】
伝達信号生成部513は、一つのトランジスタ(第15トランジスタ(Tr15))を含む。第15トランジスタ(Tr15)の入力端子にはクロック端子(CK)が接続され、第1クロック信号(CKV)または第2クロック信号(CKVB)が入力され、制御端子は、入力部511の出力、つまり、Q接続点に接続され、出力端子は伝達信号(CR)を出力する伝達信号出力端子(CRout)と接続している。
【0042】
ここで、制御端子と出力端子との間には寄生キャパシタ(図示せず)が形成される。第15トランジスタ(Tr15)の出力端子は、伝達信号出力端子(CRout)だけでなく、プルダウン駆動部515と接続して、第2低電圧(Vss2)の印加を受ける。その結果、伝達信号(CR)のロー(low)の時の電圧値は第2低電圧(Vss2)値を有する。
【0043】
出力部514は、一つのトランジスタ(第1トランジスタ(Tr1))、及び一つのキャパシタ(第1キャパシタ(C1))を含む。第1トランジスタ(Tr1)の制御端子はQ接続点と接続され、入力端子はクロック端子(CK)を通じて第1クロック信号(CKV)または第2クロック信号(CKVB)を受信し、制御端子と出力端子との間には第1キャパシタ(C1)が形成され、出力端子はゲート電圧出力端子(OUT)と接続されている。また、出力端子はプルダウン駆動部515と接続され、第1低電圧(Vss1)の印加を受ける。その結果、ゲートオフ電圧の電圧値は第1低電圧(Vss1)値を有する。このような出力部514は、Q接続点での電圧及び第1クロック信号(CKV)によってゲート電圧を出力する。
【0044】
プルダウン駆動部515は、ステージ(SR)上に存在する電荷を除去して、ゲートオフ電圧及び伝達信号(CR)のロー(low)電圧が円滑に出力されるようにするための部分で、Q接続点の電位を低くする役割、Q’接続点の電位を低くする役割、伝達信号(CR)に出力される電圧を下げる役割、及びゲート線に出力される電圧を下げる役割を果たす。
プルダウン駆動部515は、10個のトランジスタ(第2トランジスタ(Tr2)、第3トランジスタ(Tr3)、第5トランジスタ(Tr5)、第6トランジスタ(Tr6)、第8トランジスタ〜第11トランジスタ(Tr8〜Tr11)、第13トランジスタ(Tr13)、及び第16トランジスタ(Tr16)を含む。
【0045】
まず、Q接続点をプルダウンさせるトランジスタについて説明する。
Q接続点をプルダウンさせるトランジスタは、第6トランジスタ(Tr6)、第9トランジスタ(Tr9)、第10トランジスタ(Tr10)、及び第16トランジスタ(Tr16)である。
第6トランジスタ(Tr6)は、第3入力端子(IN3)と制御端子が接続され、出力端子は第2電圧入力端子(Vin2)と接続され、入力端子はQ接続点と接続されている。したがって、第6トランジスタ(Tr6)は次段ステージの次の段のステージから印加される伝達信号(CR)によってターンオンされて、Q接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げる役割を果たす。
【0046】
第9トランジスタ(Tr9)及び第16トランジスタ(Tr16)は共に動作してQ接続点をプルダウンさせ、第9トランジスタ(Tr9)の制御端子は第2入力端子(IN2)と接続され、入力端子はQ接続点と接続され、出力端子は第16トランジスタ(Tr16)の入力端子及び制御端子と接続されている。第16トランジスタ(Tr16)は、制御端子及び入力端子が第9トランジスタ(Tr9)の出力端子と接続(ダイオード接続)されており、出力端子は第2電圧入力端子(Vin2)と接続されている。したがって、第9トランジスタ(Tr9)及び第16トランジスタ(Tr16)は次段ステージから印加される伝達信号(CR)によってターンオンされて、Q接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げる役割を果たす。
【0047】
第10トランジスタ(Tr10)の入力端子はQ接続点と接続され、出力端子は第2電圧入力端子(Vin2)と接続され、制御端子はQ’接続点(Q接続点の電圧と反対位相を有して、反転端ともいう)と接続されている。したがって、第10トランジスタ(Tr10)は、Q’接続点がハイ電圧を有する一般的な区間では、続けてQ接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げており、Q’接続点の電圧がロー(low)の時に限ってQ接続点の電圧を下げない役割を果たす。Q接続点の電圧が低くなれない時に、当該ステージはゲートオン電圧及び伝達信号(CR)を出力する。
【0048】
プルダウン駆動部515において、Q’接続点をプルダウンさせるトランジスタについて説明する。Q’接続点をプルダウンさせるトランジスタは、第5トランジスタ(Tr5)、第8トランジスタ(Tr8)、及び第13トランジスタ(Tr13)である。
第5トランジスタ(Tr5)の制御端子は第1入力端子(IN1)と接続され、入力端子はQ’接続点と接続され、出力端子は第2電圧入力端子(Vin2)と接続されている。その結果、前段ステージの伝達信号(CR)によってQ’接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げる役割を果たす。
【0049】
また、第8トランジスタ(Tr8)は、当該ステージの伝達信号出力端子(CRout)と接続された制御端子、Q’接続点に接続された入力端子、及び第2電圧入力端子(Vin2)と接続された出力端子を有する。その結果、当該ステージの伝達信号(CR)によってQ接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げる役割を果たす。
【0050】
第13トランジスタ(Tr13)は、当該ステージの伝達信号出力端子(CRout)と接続された制御端子、プルアップ駆動部512の第12トランジスタ(Tr12)の出力端子と接続された入力端子、及び第2電圧入力端子(Vin2)と接続された出力端子を有する。その結果、当該ステージの伝達信号(CR)によってプルアップ駆動部512の内部の電位を第2低電圧(Vss2)に下げ、プルアップ駆動部512と接続されたQ’接続点の電圧も第2低電圧(Vss2)に下げる役割を果たす。
つまり、第13トランジスタ(Tr13)は、厳密には、プルアップ駆動部512の内部電荷を第2低電圧(Vss2)側に排出させる役割を果たすが、プルアップ駆動部512がQ’接続点とも接続しているので、Q’接続点の電圧がプルアップされないように、間接的にQ’接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げることに役立つ。
【0051】
次に、プルダウン駆動部515から伝達信号(CR)に出力される電圧を下げる役割を果たすトランジスタについて説明する。伝達信号(CR)に出力される電圧を下げる役割を果たすトランジスタは第11トランジスタ(Tr11)である。
第11トランジスタ(Tr11)は、Q’接続点と接続された制御端子、伝達信号出力端子(CRout)と接続された入力端子、及び第2電圧入力端子(Vin2)と接続された出力端子を有する。その結果、Q’接続点の電圧がハイ(high)の場合、伝達信号出力端子(CRout)の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げ、その結果、伝達信号(CR)がロー(low)レベルに変わる。
【0052】
次に、プルダウン駆動部515からゲート線に出力される電圧を下げる役割を果たすトランジスタについて説明する。ゲート線に出力される電圧を下げる役割を果たすトランジスタは、第2トランジスタ(Tr2)及び第3トランジスタ(Tr3)である。
第2トランジスタ(Tr2)は、第2入力端子(IN2)に接続する制御端子、ゲート電圧出力端子(OUT)と接続される入力端子、及び第1電圧入力端子(Vin1)と接続する出力端子を有する。その結果、次段ステージの伝達信号(CR)が出力されると、出力されるゲート電圧を第1低電圧(Vss1)に変える。
第3トランジスタ(Tr3)は、Q’接続点に接続する制御端子、ゲート電圧出力端子(OUT)と接続する入力端子、及び第1電圧入力端子(Vin1)と接続する出力端子を有する。その結果、Q’接続点の電圧がハイ(high)の場合、出力されるゲート電圧を第1低電圧(Vss1)に変える。
【0053】
プルダウン駆動部515では、ゲート電圧出力端子(OUT)だけを第1低電圧(Vss1)に下げ、Q接続点、Q’接続点、及び伝達信号出力端子(CRout)は、第1低電圧(Vss1)より低い第2低電圧(Vss2)に下げる。
その結果、ゲートオン電圧と伝達信号(CR)のハイ(high)での電圧は同一の電圧を有することができるが、ゲートオフ電圧と伝達信号(CR)のロー(low)での電圧は互いに異なる電圧値を有する。つまり、ゲートオフ電圧は第1低電圧(Vss1)値を有し、伝達信号(CR)のロー(low)電圧値は第2低電圧(Vss2)値を有する。
【0054】
ゲート電圧及び伝達信号(CR)は多様な電圧値を有することができ、本実施形態においては、ゲートオン電圧は25V、ゲートオフ電圧及び第1低電圧(Vss1)は−5Vを有し、伝達信号(CR)のハイ(high)電圧は25V、ロー(low)電圧及び第2低電圧(Vss2)は−10Vを有する。
【0055】
総合して述べると、一つのステージ(SR)は、Q接続点での電圧によって、伝達信号生成部513、出力部514が動作して、伝達信号(CR)のハイ(high)電圧及びゲートオン電圧を出力し、前段、次段、及び次段の次の段の伝達信号(CR)によって、伝達信号(CR)はハイ(high)電圧から第2低電圧(Vss2)に下がり、ゲートオン電圧は第1低電圧(Vss1)に下がって、ゲートオフ電圧になる。
【0056】
ここで、一つのステージ(SR)は、低消費電力で駆動されるため、次段だけでなく、その次の段の伝達信号(CR)によってもQ接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げ、第2低電圧(Vss2)がゲートオフ電圧である第1低電圧(Vss1)より低くて、他のステージから印加された伝達信号(CR)がリップル(ripple)またはノイズを含んで、電圧が変わっても第2低電圧(Vss2)値が十分に低くて、ステージに含まれているトランジスタが漏洩電流を流すことがなく、電力消費量が減少するという長所がある。
【0057】
図4は、
図3に示す本発明の実施形態に係るゲート駆動部を用いた場合の消費電力を従来技術に係る消費電力と比較したグラフである。
図4において、Aは
図3に示す本発明の実施形態に係るゲート駆動部を用いた場合の消費電力であり、Bは従来技術に係る消費電力である。
【0058】
Aは、複数の棒グラフで表現されており、これは複数の実施形態を通じて実験した結果であるという点を示し、189mWというのは、
図3に示す本発明の実施形態に係るゲート駆動部を用いた場合の平均消費電力である。一方、従来技術に係るゲート駆動部の消費電力は、一般に、430mWと知られている。これによって半分以上の消費電力を減少させることができることが分かる。
【0059】
ステージ(SR)に形成されているトランジスタ(Tr1〜Tr13、Tr15、Tr16)はNMOSトランジスタとすることができ、トランジスタ(Tr1〜Tr13、Tr15、Tr16)がPMOSで形成される場合、制御端子に印加される電圧がロー(low)の時にトランジスタ(Tr1〜Tr13、Tr15、Tr16)がオンになり得る。
【0060】
以下、
図5〜
図7を参照して、本発明の他の実施形態に係る表示パネルについて説明する。
まず、
図5においては、
図1と異なり、データドライバIC460は表示パネル100の下側に形成されている実施形態を示している。
これは、
図6及び
図7に示す本発明の実施形態が
図5に示す本発明の実施形態に限定されるという意味ではなく、
図1及び
図5に示す本発明の実施形態の全てにおいて使用可能であるが、
図1と異なる
図5に示す本発明の実施形態もあることを示すために、別途の
図5を用いたものである。
【0061】
図5は、本発明の他の実施形態に係る表示パネルの平面図である。
図5は、
図1とほぼ同一であるが、但し、データドライバIC460が表示パネル100の下側に形成されている点だけが異なる。これに反し、
図1に示す本発明の実施形態ではデータドライバIC460が表示パネル100の上側に位置する実施形態を示している。
図2及び
図3のゲート駆動部と、
図6及び
図7のゲート駆動部とは、
図1及び
図5の表示パネルの構造の全てにおいて使用可能である。
【0062】
図6は、
図5のゲート駆動部及びゲート線をさらに詳細に示したブロック図で、
図2と同一の信号特性を有する。つまり、ゲート駆動部500に形成された各ステージ(SR)に入力される信号及び出力される信号は同一である。
図6は、ゲート駆動部500の全体的な接続関係及び動作を示すので、もう一度説明すれば、下記と通りである。
【0063】
ゲート駆動部500は、互いに従属的に接続された複数のステージ(SR1、SR2、SR3、SR4、…)を含む。各ステージ(SR1、SR2、SR3、SR4、…)は三個の入力端子(IN1、IN2、IN3)、一つのクロック入力端子(CK)、二つの電圧入力端子(Vin1、Vin2)、ゲート電圧を出力するゲート電圧出力端子(OUT)、及び伝達信号出力端子(CRout)を含む。
【0064】
まず、第1入力端子(IN1)は前段ステージの伝達信号出力端子(CRout)に接続され、前段ステージの伝達信号(CR)の印加を受けるが、最初のステージは前段ステージが存在しないので、第1入力端子(IN1)にスキャン開示信号(STVP)の印加を受ける。
第2入力端子(IN2)は、次段ステージの伝達信号出力端子(CRout)に接続され、次段ステージの伝達信号(CR)の印加を受ける。また、第3入力端子(IN3)は、次段ステージの次の段のステージの伝達信号出力端子(CRout)に接続され、次段ステージの次の段のステージの伝達信号(CR)の印加を受ける。
【0065】
n番目ゲート線(Gn)に接続されたステージ(SRn;図示せず)は、次段ステージ及び次段ステージの次の段のステージから伝達信号(CR)を受信するために、ダミーステージを二つ形成する。ダミーステージ(SRn+1、SRn+2;図示せず)は、他のステージ(SR1〜SRn)と異なり、ダミーゲート電圧を生成して出力するステージである。つまり、他のステージ(SR1〜SRn)から出力されたゲート電圧はゲート線を通じて伝達しながら、画素にデータ電圧が印加されて、画像を表示するようにするが、ダミーステージ(SRn+1、SRn+2)はゲート線に接続しないことができ、ゲート線と接続しても、画像を表示しないダミー画素(図示せず)のゲート線と接続していて、画像を表示するのに使用しないことも可能である。
【0066】
クロック端子(CK)にはクロック信号が印加されるが、複数のステージのうちの奇数番目ステージのクロック端子(CK)には第1クロック(CKV)が印加され、偶数番目ステージのクロック端子(CK)には第2クロック(CKVB)が印加される。第1クロック(CKV)と第2クロック(CKVB)は、互いに位相が反対になるクロック信号である。
【0067】
第1電圧入力端子(Vin1)にはゲートオフ電圧に相当する第1低電圧(Vss1)が印加され、第2電圧入力端子(Vin2)には第1低電圧(Vss1)より低い第2低電圧(Vss2)が印加される。第1低電圧(Vss1)及び第2低電圧(Vss2)の電圧値は、実施形態によって多様なものがあり得、本実施形態においては、第1低電圧(Vss1)値として−5Vを使用し、第2低電圧(Vss2)値として−10Vを使用する。
【0068】
次に、ゲート駆動部500の動作について説明する。
まず、第1ステージ(SR1)は、クロック入力端子(CK)を通じて外部から提供される第1クロック信号(CKV)を、第1入力端子(IN1)を通じてスキャン開示信号(STVP)を、第1及び第2電圧入力端子(Vin1、Vin2)には第1及び第2低電圧(Vss1、Vss2)を、そして第2及び第3入力端子(IN2、IN3)を通じて第2ステージ(SR2)及び第3ステージ(SR3)からそれぞれ提供される伝達信号(CR)を受信して、最初のゲートラインにゲート電圧出力端子(OUT)を通じてゲートオン電圧を出力する。また、伝達信号出力端子(CRout)では伝達信号(CR)を出力して、第2ステージ(SR2)の第1入力端子(IN1)に伝達する。
【0069】
第2ステージ(SR2)は、クロック入力端子(CK)を通じて外部から提供される第2クロック信号(CKVB)を、第1入力端子(IN1)を通じて第1ステージ(SR1)の伝達信号(CR)を、第1及び第2電圧入力端子(Vin1、Vin2)には第1及び第2低電圧(Vss1、Vss2)を、そして第2及び第3入力端子(IN2、IN3)を通じて第3ステージ(SR3)及び第4ステージ(SR4)からそれぞれ提供される伝達信号(CR)を受信して、二番目ゲートラインにゲート電圧出力端子(OUT)を通じてゲートオン電圧を出力する。また、伝達信号出力端子(CRout)では伝達信号(CR)を出力して、第3ステージ(SR3)の第1入力端子(IN1)及び第1ステージ(SR1)の第2入力端子(IN2)に伝達する。
【0070】
また、第3ステージ(SR3)は、クロック入力端子(CK)を通じて外部から提供される第1クロック信号(CKV)を受信し、第1入力端子(IN1)を通じて第2ステージ(SR2)の伝達信号(CR)を、第1及び第2電圧入力端子(Vin1、Vin2)には第1及び第2低電圧(Vss1、Vss2)を、そして第2及び第3入力端子(IN2、IN3)を通じて第4ステージ(SR4)及び第5ステージ(SR5)からそれぞれ提供される伝達信号(CR)を受信して、三番目ゲートラインにゲート電圧出力端子(OUT)を通じてゲートオン電圧を出力する。また、伝達信号出力端子(CRout)では伝達信号(CR)を出力して、第4ステージ(SR4)の第1入力端子(IN1)、第1ステージ(SR1)の第3入力端子(IN3)、及び第2ステージ(SR2)の第2入力端子(IN2)に伝達する。
【0071】
上記と同様の方法により、n番目ステージ(SRn)は、クロック入力端子(CK)を通じて外部から提供される第2クロック信号(CKVB)を受信し、第1入力端子(IN1を通じて第(n−1)ステージ(SR2)の伝達信号(CR)を、第1及び第2電圧入力端子(Vin1、Vin2)には第1及び第2低電圧(Vss1、Vss2)を、そして第2及び第3入力端子(IN2、IN3)を通じて第(n+1)ステージ(SRn+1;ダミーステージ)及び第(n+2)ステージ(SRn+2;ダミーステージ)からそれぞれ提供される伝達信号(CR)を受信して、n番目ゲートラインにゲート電圧出力端子(OUT)を通じてゲートオン電圧を出力する。また、伝達信号出力端子(CRout)では伝達信号(CR)を出力して、第(n+1)ステージ(SRn+1;ダミーステージ)の第1入力端子(IN1)、第(n−2)ステージ(SRn−2)の第3入力端子(IN3)、及び第(n−1)ステージ(SRn−1)の第2入力端子(IN2)に伝達する。
【0072】
図6を参照して全体的なゲート駆動部500のステージ(SR)の接続構造について説明した。
以下、
図7を参照して、一つのゲート線に接続されたゲート駆動部のステージ(SR)の構造についてさらに詳細に説明する。
図7は、
図6における一つのゲート線に接続されている一つのステージ(SR)を拡大して示した回路図である。
【0073】
図7に示すように、本実施形態に係るゲート駆動部500の各ステージ(SR)は、入力部511、プルアップ駆動部512、伝達信号生成部513、出力部514、及びプルダウン駆動部515を含む。
【0074】
入力部511は、一つのトランジスタ(第4トランジスタ(Tr4))を含み、第4トランジスタ(Tr4)の入力端子及び制御端子は第1入力端子(IN1)に共通接続(ダイオード接続)されており、出力端子は第1ノード(以下、Q接続点)と接続されている。入力部511は、第1入力端子(IN1)にハイ電圧が印加される場合、これをQ接続点に伝達する役割を果たす。
【0075】
プルアップ駆動部512は、二つのトランジスタ(第7トランジスタ(Tr7)、第12トランジスタ(Tr12))を含む。まず、第12トランジスタ(Tr12)の制御端子と入力端子は共通接続され、クロック端子(CK)を通じて第1クロック信号(CKV)または第2クロック信号(CKVB)を受信し、出力端子が第7トランジスタ(Tr7)の制御端子及びプルダウン駆動部515に接続されている。
【0076】
一方、第7トランジスタ(Tr7)の入力端子もクロック端子(CK)に接続されており、出力端子が第2ノード(以下、Q’接続点)に接続されており、Q’接続点を通過してプルダウン駆動部515に接続されている。第7トランジスタ(Tr7)の制御端子は、第12トランジスタ(Tr12)の出力端子及びプルダウン駆動部515に接続されている。ここで、第7トランジスタ(Tr7)の入力端子と制御端子との間、及び制御端子と出力端子との間には、それぞれ寄生キャパシタ(図示せず)が形成される。
【0077】
このようなプルアップ駆動部512は、クロック端子(CK)からハイ(high)信号が印加されると、ハイ(high)信号が第12トランジスタ(Tr12)を通じて第7トランジスタ(Tr7)の制御端子及びプルダウン駆動部515に伝達される。第7トランジスタ(Tr7)に伝達されたハイ(high)信号は第7トランジスタ(Tr7)をターンオンさせ、その結果、クロック端子(CK)から印加されたハイ(high)信号をQ’接続点に印加する。
【0078】
伝達信号生成部513は、一つのトランジスタ(第15トランジスタ(Tr15))を含む。第15トランジスタ(Tr15)の入力端子にはクロック端子(CK)が接続され、第1クロック信号(CKV)または第2クロック信号(CKVB)が入力され、制御端子は、入力部511の出力、つまり、Q接続点と接続され、出力端子は伝達信号(CR)を出力する伝達信号出力端子(CRout)と接続している。
【0079】
ここで、制御端子と出力端子との間には寄生キャパシタ(図示せず)が形成される。第15トランジスタ(Tr15)の出力端子は、伝達信号出力端子(CRout)だけでなく、プルダウン駆動部515と接続して、第2低電圧(Vss2)の印加を受ける。その結果、伝達信号(CR)のロー(low)の時の電圧値は、第2低電圧(Vss2)値を有する。
【0080】
出力部514は、一つのトランジスタ(第1トランジスタ(Tr1))及び、一つのキャパシタ(第1キャパシタ(C1))を含む。第1トランジスタ(Tr1)の制御端子はQ接続点と接続され、入力端子はクロック端子(CK)を通じて第1クロック信号(CKV)または第2クロック信号(CKVB)を受信し、制御端子と出力端子との間には第1キャパシタ(C1)が形成され、出力端子はゲート電圧出力端子(OUT)と接続されている。また、出力端子はプルダウン駆動部515と接続され、第1低電圧(Vss1)の印加を受ける。その結果、ゲートオフ電圧の電圧値は、第1低電圧(Vss1)値を有する。このような出力部514は、Q接続点での電圧及び第1クロック信号(CKV)により、ゲート電圧を出力する。
【0081】
プルダウン駆動部515は、ステージ(SR)上に存在する電荷を除去して、ゲートオフ電圧及び伝達信号(CR)のロー(low)電圧が円滑に出力されるようにするための部分で、Q接続点の電位を低くする役割、Q’接続点の電位を低くする役割、伝達信号(CR)に出力される電圧を下げる役割、及びゲート線に出力される電圧を下げる役割を果たす。
【0082】
プルダウン駆動部515は、11個のトランジスタ(第2トランジスタ(Tr2)、第3トランジスタ(Tr3)、第5トランジスタ(Tr5)、第6トランジスタ(Tr6)、第8トランジスタ〜第11トランジスタ(Tr8〜Tr11)、第13トランジスタ(Tr13)、第16トランジスタ(Tr16)、及び第17トランジスタ(Tr17))を含む。
【0083】
まず、Q接続点をプルダウンさせるトランジスタについて説明する。
Q接続点をプルダウンさせるトランジスタは、第6トランジスタ(Tr6)、第9トランジスタ(Tr9)、第10トランジスタ(Tr10)、及び第16トランジスタ(Tr16)である。
第6トランジスタ(Tr6)は、第3入力端子(IN3)と制御端子が接続され、出力端子は第2電圧入力端子(Vin2)と接続され、入力端子はQ接続点と接続されている。したがって、第6トランジスタ(Tr6)は次段ステージの次の段のステージから印加される伝達信号(CR)によってターンオンされて、Q接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げる役割を果たす。
【0084】
第9トランジスタ(Tr9)及び第16トランジスタ(Tr16)は共に動作して、Q接続点をプルダウンさせ、第9トランジスタ(Tr9)の制御端子は第2入力端子(IN2)と接続され、入力端子はQ接続点と接続され、出力端子は第16トランジスタ(Tr16)の入力端子及び制御端子と接続されている。第16トランジスタ(Tr16)は、制御端子及び入力端子が第9トランジスタ(Tr9)の出力端子と接続(ダイオード接続)しており、出力端子は第2電圧入力端子(Vin2)と接続されている。したがって、第9トランジスタ(Tr9)及び第16トランジスタ(Tr16)は、次段ステージから印加される伝達信号(CR)によってターンオンされて、Q接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げる役割を果たす。
【0085】
第10トランジスタ(Tr10)の入力端子はQ接続点と接続され、出力端子は第2電圧入力端子(Vin2)と接続され、制御端子はQ’接続点(Q接続点の電圧と反対位相を有して反転端ともいう)と接続されている。したがって、第10トランジスタ(Tr10)は、Q’接続点がハイ電圧を有する一般的な区間では、続けてQ接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げており、Q’接続点の電圧がロー(low)の時に限ってQ接続点の電圧を下げない役割を果たす。Q接続点の電圧が低くなれない時に、当該ステージはゲートオン電圧及び伝達信号(CR)を出力する。
【0086】
プルダウン駆動部515において、Q’接続点をプルダウンさせるトランジスタについて説明する。Q’接続点をプルダウンさせるトランジスタは、第5トランジスタ(Tr5)、第8トランジスタ(Tr8)、及び第13トランジスタ(Tr13)である。
第5トランジスタ(Tr5)の制御端子は第1入力端子(IN1)と接続され、入力端子はQ’接続点と接続され、出力端子は第2電圧入力端子(Vin2)と接続されている。その結果、前段ステージの伝達信号(CR)により、Q’接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げる役割を果たす。
【0087】
また、第8トランジスタ(Tr8)は、当該ステージの伝達信号出力端子(CRout)と接続された制御端子、Q’接続点に接続された入力端子、及び第1電圧入力端子(Vin1)と接続された出力端子を有する。その結果、当該ステージの伝達信号(CR)により、Q接続点の電圧を第1低電圧(Vss1)に下げる役割を果たす。
【0088】
第13トランジスタ(Tr13)は、当該ステージの伝達信号出力端子(CRout)と接続された制御端子、プルアップ駆動部512の第12トランジスタ(Tr12)の出力端子と接続された入力端子、及び第1電圧入力端子(Vin1)と接続された出力端子を有する。その結果、当該ステージの伝達信号(CR)により、プルアップ駆動部512の内部の電位を第1低電圧(Vss1)に下げ、プルアップ駆動部512と接続されたQ’接続点の電圧も第1低電圧(Vss1)に下げる役割を果たす。
【0089】
つまり、第13トランジスタ(Tr13)は、厳密には、プルアップ駆動部512の内部電荷を第1低電圧(Vss1)側に排出させる役割を果たすが、プルアップ駆動部512がQ’接続点とも接続しているので、Q’接続点の電圧がプルアップされないように、間接的にQ’接続点の電圧を第1低電圧(Vss1)に下げることに役立つ。
【0090】
図7を参照すると、第8トランジスタ(Tr8)及び第13トランジスタ(Tr13)の出力端子は、
図3に示した実施形態とは異なって、
図7の実施形態では第1低電圧(Vss1)が印加される第1電圧入力端子(Vin1)と接続されている。
【0091】
次に、プルダウン駆動部515において、伝達信号(CR)に出力される電圧を下げる役割を果たすトランジスタについて説明する。伝達信号(CR)に出力される電圧を下げる役割を果たすトランジスタは、第11トランジスタ(Tr11)及び第17トランジスタ(Tr17)である。
【0092】
第11トランジスタ(Tr11)は、Q’接続点と接続された制御端子、伝達信号出力端子(CRout)と接続された入力端子、及び第2電圧入力端子(Vin2)と接続された出力端子を有する。その結果、Q’接続点の電圧がハイ(high)の場合、伝達信号出力端子(CRout)の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げ、その結果、伝達信号(CR)がロー(low)レベルに変わる。
【0093】
第17トランジスタ(Tr17)は、
図3に示した実施形態では含まれていないトランジスタで、第2入力端子(IN2)に接続された制御端子、伝達信号出力端子(CRout)と接続された入力端子、及び第2電圧入力端子(Vin2)と接続された出力端子を有する。その結果、次段ステージの伝達信号(CR)により、伝達信号出力端子(CRout)の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げる役割を果たす。第17トランジスタ(Tr17)は、第11トランジスタ(Tr11)の動作を補助する役割を果たすために、次段ステージの伝達信号(CR)に基づいて動作するように構成されている。
【0094】
次に、プルダウン駆動部515からゲート線に出力される電圧を下げる役割を果たすトランジスタについて説明する。ゲート線に出力される電圧を下げる役割を果たすトランジスタは、第2トランジスタ(Tr2)及び第3トランジスタ(Tr3)である。
第2トランジスタ(Tr2)は、第2入力端子(IN2)と接続される制御端子、ゲート電圧出力端子(OUT)と接続される入力端子、及び第1電圧入力端子(Vin1)と接続される出力端子を有する。その結果、次段ステージの伝達信号(CR)が出力されると、出力されるゲート電圧を第1低電圧(Vss1)に変える。
第3トランジスタ(Tr3)は、Q’接続点と接続される制御端子、ゲート電圧出力端子(OUT)と接続される入力端子、及び第1電圧入力端子(Vin1)と接続される出力端子を有する。その結果、Q’接続点の電圧がハイ(high)の場合、出力されるゲート電圧を第1低電圧(Vss1)に変える。
【0095】
プルダウン駆動部515から伝達信号(CR)に出力される電圧を下げる動作、及びゲート線に出力される電圧を下げる動作は、それぞれ二つのトランジスタによって行われ、第2入力端子(IN2)に接続して、次段ステージの伝達信号(CR)によって動作するか、または、Q接続点の電圧によって動作して、同一のタイミングで動作する。しかしながら、伝達信号(CR)に出力される電圧は第2低電圧(Vss2)に下げ、ゲートオフ電圧は第1低電圧(Vss1)に下げて、伝達信号(CR)のロー(low)の時の電圧がゲートオフ電圧より低くなる。
【0096】
プルダウン駆動部515においては、ゲート電圧出力端子(OUT)だけを第1低電圧(Vss1)に下げ、Q接続点及び伝達信号出力端子(CRout)は第1低電圧(Vss1)より低い第2低電圧(Vss2)に下げる。その結果、ゲートオン電圧と伝達信号(CR)のハイ(high)での電圧は同一の電圧を有することができるが、ゲートオフ電圧と伝達信号(CR)のロー(low)での電圧は互いに異なる電圧値を有する。
つまり、ゲートオフ電圧は第1低電圧(Vss1)値を有し、伝達信号(CR)のロー(low)電圧値は第2低電圧(Vss2値)を有する。一方、Q’接続点の場合には、第8トランジスタ(Tr8)及び第13トランジスタ(Tr13)によって第1低電圧(Vss1)に下がり、第5トランジスタ(Tr5)によって第2低電圧(Vss2)に下がる。
【0097】
ゲート電圧及び伝達信号(CR)は多様な電圧値を有することができ、本実施形態においては、ゲートオン電圧は25V、ゲートオフ電圧及び第1低電圧(Vss1)は−5Vを有して、伝達信号(CR)のハイ(high)電圧は25V、ロー(low)電圧及び第2低電圧(Vss2)は−10Vを有する。
【0098】
総合して述べると、一つのステージ(SR)は、Q接続点での電圧により、伝達信号生成部513、及び出力部514が動作して、伝達信号(CR)のハイ(high)電圧及びゲートオン電圧を出力し、前段、次段、及び次段の次の段の伝達信号(CR)により、伝達信号(CR)はハイ(high)電圧から第2低電圧(Vss2)に下がり、ゲートオン電圧は第1低電圧(Vss1)に下がってゲートオフ電圧になる。
【0099】
ここで、一つのステージ(SR)は低消費電力で駆動されるために、次段だけでなく、その次の段の伝達信号(CR)によってもQ接続点の電圧を第2低電圧(Vss2)に下げ、第2低電圧(Vss2)がゲートオフ電圧である第1低電圧(Vss1)より低いので、他のステージから印加された伝達信号(CR)がリップル(ripple)またはノイズを含んで電圧が変わっても、第2低電圧(Vss2)値が十分に低くて、ステージに含まれているトランジスタが漏洩電流を流すことがなく、電力消費量が減少するという長所がある。
【0100】
図8は、
図7に示す本発明の実施形態に係るゲート駆動部を用いた場合の消費電力を従来技術に係る消費電力と比較したグラフである。
図8において、A’は
図7に示す本発明の実施形態に係るゲート駆動部を用いた場合の消費電力であり、Bは従来技術に係る消費電力である。
【0101】
A’は複数の棒グラフで表現されており、これは複数の実施形態を通じて実験した結果であるという点を示し、183.5mWは
図7に示す本発明の実施形態に係るゲート駆動部を用いた場合の平均消費電力である。一方、従来技術に係るゲート駆動部の消費電力は、一般に、430mWと知られている。これによって半分以上の消費電力を減少させることができることが分かる。
【0102】
図4と比較すると、
図7に示す本発明の実施形態は、平均消費電力が183.5mWであるので、
図3の実施形態(平均消費電力は189mW)より平均消費電力が小さいことが確認できる。これは、第17トランジスタ(Tr17)を追加形成して、ゲート電圧出力端子(Out)と同一のタイミングに伝達信号出力端子(CRout)も低電圧に変えて、回路の内部における漏洩電流をより減少できるためであると判断される。
【0103】
ステージ(SR)に形成されるトランジスタ(Tr1〜Tr13、Tr15〜Tr17)はNMOSトランジスタとすることができる。トランジスタ(Tr1〜Tr13、Tr15〜Tr17)がPMOSに形成される場合、制御端子に印加される電圧がロー(low)の時にトランジスタ(Tr1〜Tr13、Tr15〜Tr17)がオンされ得る。
【0104】
上述したように、
図3に示す実施形態は、
図1に示す実施形態(データ駆動部がパネルの上部に位置する場合)や
図5に示す実施形態(データ駆動部がパネルの下部に位置する場合)で全て実施可能であるという点と、
図7に示す実施形態も
図1に示す実施形態や
図5に示す実施形態で全て実施可能であるという点を言及した。
【0105】
但し、
図5に示す実施形態のような構造においては、フレキシブル印刷回路フィルム(FPC)に沿って印加される信号(第1クロック信号(CKV)、第2クロック信号(CKVB)、スキャン開示信号(STVP)、第1低電圧(Vss1)、及び第2低電圧(Vss2))が、下部から上部に移動するようになり、上部に位置する第1ゲート線(G1)からゲートオン電圧が印加されることによって、高温で長期間使用する場合、ノイズが発生する可能性が高い。
【0106】
このような環境で
図3に示す実施形態と
図5に示す実施形態をそれぞれ使用する場合、
図5に示す実施形態に比べて
図3に示す実施形態は相対的に高温でノイズが発生する恐れがある。これは、第17トランジスタ(Tr17)のように伝達信号(CR)を一度さらに第2低電圧(Vss2)に変えないため、伝達信号(CR)にリップルが発生する可能性が高いためである。しかし、
図3に示す実施形態が、高温でノイズが発生する可能性は既存のゲート駆動部に比べて顕著に少ない。
【0107】
以下、
図7に示す本発明の実施形態を中心に消費電力、高温特性、低温特性、及び寿命に対して、従来技術と比較して説明する。
図9は、従来技術に係るゲート駆動部において、ゲート電圧を出力する第1トランジスタに流れる電流をクロック信号(CKV)を基準として示すグラフであり、
図10は、
図7に示す実施形態に係るゲート駆動部において、第1トランジスタに流れる電流をクロック信号(CKV)を基準として示すグラフである。
【0108】
図9から分かるように、従来技術に係るゲート駆動部の第1トランジスタ(Tr1)においては、クロック信号(CKV)が変わる時に−45μmまで変動するが、
図10に示すように、
図7のゲート駆動部の第1トランジスタ(Tr1)は−15μmまでの変動に済む。その結果、各ステージ(SR)で使用される電流が、本発明に係る実施形態では著しく少ないことが分かり、その結果、消費電力も半分以上減少することが分かる。消費電力が半分以上減少することは、
図4及び
図8に既に示した。
【0109】
一方、以下には、高温での特性、低温での特性、及び寿命に対する特性について説明する。
まず、
図11は、従来のゲート駆動部と
図7に示す本発明の実施形態の高温特性を比較したグラフである。
図11において、横軸は電圧×温度値を標準化(normalization)して示しており、縦軸はノイズが含まれる比率を示す。
図11でα値は、一般に、ゲート駆動部として使用可能な基準を示す。
【0110】
図11から分かるように、従来技術及び本発明に係る実施形態は、全て一般的な基準(α)ではノイズがないことが分かる。しかし、従来技術に係るゲート駆動部は、高温及び使用する電圧値が基準(α)を少しでも越せば、ノイズが急増することを確認することができる。
これに反し、
図7に示す本発明の実施形態のゲート駆動部は、一定範囲の間では依然としてノイズが含まれないことが分かる。
図3の実施形態も
図7の実施形態に準ずる特性を有する。したがって、本発明に係るゲート駆動部は、高温特性が画期的に向上することが確認できる。
【0111】
図12は、従来のゲート駆動部と
図7に示す本発明の実施形態のゲート駆動部の低温特性を比較したグラフである。
図12において、横軸は温度を示し、縦軸はゲートオン電圧(Von)のマージンを示す。つまり、グラフに表示された地点以下の電圧では、ゲート駆動部が動作しないことを示す。
【0112】
図12から分かるように、従来のゲート駆動部及び
図7に示す本発明の実施形態のゲート駆動部は常温では同一のゲートオン電圧(Von)マージンを有する。しかし、低温に向かうほどゲートオン電圧(Von)のマージンでは差が発生して、
図7に示す本発明の実施形態においては低温でも低い電圧だけで駆動が可能であるが、従来のゲート駆動部は相対的に高い電圧を印加することによって駆動が可能であることが分かる。
図3の実施形態も
図7の実施形態に準ずる特性を有する。したがって、本発明によるゲート駆動部は、低温特性も従来技術に比べて向上することが確認できる。
【0113】
図13は、従来のゲート駆動部と
図7に示す本発明の実施形態のゲート駆動部の寿命を比較したグラフである。
図13において、横軸は使用した時間(aging time)であり、縦軸はゲートオン電圧(Von)マージンを示す。また、
図13でVonセッティングは、一般に、ゲート駆動部で使用する電圧セッティング値を示す。
図13において、グラフの電圧値がVonセッティング値より高まれば、一般に印加する電圧によってはゲート駆動部を駆動できず、その結果、ゲート駆動部の寿命が終わる。
【0114】
図13のグラフを得るための実験においては、より簡単に寿命が終わるようにするために、一般に印加する電圧よりも高い電圧をゲート駆動部に印加(約130%程度の電圧値を印加)し、高温で実験した。その結果、より短時間で長期間実験した結果を得ることができるためである。
【0115】
図13においては、従来のゲート駆動部及び
図7に示す本発明の実施形態のいずれにおいても、時間が経過するほど、ゲートオン電圧(Von)がVonセッティング値に向かって増加することが確認できる。しかし、時間が経過しても従来技術に係るゲート駆動部が高い値を有するため、より早く寿命が終わるということが予測できる。特に、
図13において、200時間以上経過した後のセッティング値と比較した結果、
図7に示す本発明の実施形態がセッティング値が低いにもかかわらず、約10%程度の多くの差を有している。その結果、従来技術に係るゲート駆動部に比べ、本発明の方が画期的に寿命が長いことが確認できる。
【0116】
図13には示していないが、現在、
図3及び
図7に係る本発明のゲート駆動部は5000時間以上の寿命テストを通過した状態である。
【0117】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。