(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような苗箱の収納棚に対する出し入れ作業にあっては、高さの高い収納棚を使用する場合に、これが軽トラックの荷台上に搭載されることから、その全高が一層高くなって、地面上にいる作業者の手が収納棚の上部まで届かない場合がある。このような場合、作業者が荷台に乗って苗箱を出し入れする必要があり、作業の安全性の面で好ましくなく、また、荷台に乗っての作業の場合、収納棚に出し入れする苗箱を受け取ったり受け渡しするもう一人の作業者が必要になる等、複数人による取り出し作業となって、収納棚に対する苗箱の出し入れ作業の効率が劣る。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、トラックの荷台外面側に足場を簡単に設置できて、荷台上の収納棚に対する苗箱等の出し入れ作業や作業者の荷台への乗降を簡単かつ安全に行うことができ、その作業の効率化を図ることが可能なトラック用引っ掛け足場を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、
アルミニウム製の角パイプで形成されて、足場板載置部を有する水平支柱、該水平支柱の後端部に下端が固着され上端に後方に突出し
トラックの荷台に係止可能な断面コ字状の支柱係止部を有する垂直支柱、
前記水平支柱の前端部に下方に垂直状態で延設された脚支柱、及び前記水平支柱と前記垂直支柱との間に固着された傾斜支柱を
有する左右一対の足場支柱と、
アルミニウム製の板体で形成されて、長手方向両端部に固着され前記水平支柱の足場板載置部の長手方向全域に上方から三面で係止可能な断面コ字状の足場板係止部、及び表面の前後端縁全域に突出形成されたリブと表面の中央部分に上方に所定形状で突出形成され側面が開口した多数の突起部からなる滑り止めを有する足場板と、を備え、前記左右一対の足場支柱の前記支柱係止部を
前記トラックの荷台に着脱可能に係止させて取り付けることにより、前記足場板が前記荷台の外面側
に水平状態で
かつ前記脚支柱の下端が地面と所定の隙間を有した状態で設置されると共に、この設置状態で作業者が前記足場板に乗った際に、前記脚支柱の下端が地面に接触可能に形成されていることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記
脚支柱が、その高さが調節可能に構成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記垂直支柱の高さ方向の所定位置に、前記トラックの荷台のあおりを倒した状態で前記足場支柱を荷台に係止可能な第2の支柱係止部が設けられていることを特徴とする。さらに、請求項4に記載の発明は、前記第2の支柱係止部が、前記垂直支柱に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、一対の足場支柱の支柱係止部をトラックの荷台に係止させることにより、水平支柱の足場板載置部に足場板係止部が載置係止された足場板が、荷台外面側に略水平状態で設置されるため、トラックの荷台外面側に足場を簡単に設置できて、荷台上への作業者の乗降や、荷台の収納棚に対する苗箱等の出し入れ作業を一人の作業者でも簡単かつ安全に行うことができると共に、足場板係止部により脱着可能な足場支柱と足場板とで足場の組み立てや分解を簡単に行うことができて、出し入れ作業等の作業の効率化を図ることが可能になる。
【0010】
また、水平支柱の前端部に下方に略垂直状態で延設された脚支柱を有するため、足場支柱をトラックの荷台に取り付けて足場板上に作業者が乗った場合に、脚支柱の下端が地面に当接(接触)することで足場支柱の前方への傾動を防止でき、トラックの荷台の外面側に安定した足場を設置することができる。
【0011】
さらに、左右一対の足場支柱がアルミニウム製の角パイプで形成されると共に、垂直支柱の支柱係止部が荷台のあおり上端に係止可能な断面コ字状に形成されているため、足場支柱の軽量化を図ることができると共に、支柱係止部の形状を簡略化して、荷台への着脱を容易に行うことができる。
【0012】
また、足場板がアルミニウム製の板体で形成され、足場板係止部が支柱の角パイプ形状に対応した略コ字状に形成されると共に、表面に滑り止めが一体形成されているため、足場板の軽量化を図ることができると共に、足場支柱と足場板を三面で係止できて確実な組み立て状態が得られ、かつ滑り止めで作業者の足の滑りを防止できて、出し入れ作業等の安全性を一層向上させることができる。
【0013】
またさらに、足場板の滑り止めが、前後端縁に上方に突出形成されたリブと、中央部分に上方に所定形状で突出形成された多数の突起部を有するため、リブで前後端部での滑りを防止できると共に突起部で中央部分の滑りを防止でき、作業者の足の滑りを確実に防止して、出し入れ作業等の安全性をより一層向上させることができる。
【0014】
また、
請求項2に記載の発明によれば、
請求項1に記載の発明の効果に加え、
脚支柱の高さが調節可能に構成されているため、トラックの荷台の高さに応じて脚支柱の高さを予め調節しておくことで、荷台の沈み等に的確に対応できて、足場使用時の足場板等の傾動を防止できると共に、足場支柱と荷台の係止部分に過度な負荷が加わるのを防止することができる。
【0015】
また、
請求項3に記載の発明によれば、
請求項1または2に記載の発明の効果に加え、垂直支柱の高さ方向の所定位置に、トラックの荷台のあおりを倒した状態で足場支柱を荷台に係止可能な第2の支柱係止部が設けられているため、第2の支柱係止部を荷台に直接係止することで、作業者が垂直支柱の上部を手摺りとして使用しつつ、足場板を介して荷台への乗降を行うことができて、トラックの荷台に対する各種作業を安全かつスムーズに行うことができる。
【0016】
また、
請求項4に記載の発明によれば、
請求項3に記載の発明の効果に加え、第2の支柱係止部が垂直支柱に対して着脱可能に取り付けられているため、第2の支柱係止部を取り外すことで、垂直支柱の上部の支柱係止部をあおりの上端に確実かつ安定した状態で係止できると共に、2つの支柱係止部の選択使用により足場自体の使い勝手等を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜
図8は、本発明に係わるトラック用引っ掛け足場の一実施形態を示している。
図1及び
図2に示すように、引っ掛け足場1(以下、単に足場1という)は、左右一対の足場支柱2と、この一対の足場支柱2、2間に掛け渡し状態で着脱可能に係止される足場板3とを備えている。
【0019】
前記左右一対の足場支柱2は、それぞれ同一形状に形成され、所定幅(長さ)W1(例えばW1=390mm)の水平支柱2aと、この水平支柱2aの後端部に上方に略直角状態で溶接固定された所定高さH(例えばH=690mm)の垂直支柱2bと、垂直支柱2bの高さ方向の略中間部と水平支柱2aの前端部間に溶接固定された補強用の傾斜支柱2cと、前記水平支柱2aの前端部に下方に略直角状態で溶接固定された脚支柱2dを有している。そして、これらの各支柱2a〜2dは、同一外形(断面正方形状)のアルミニウム製の角パイプで形成され、水平支柱2aと垂直支柱2b等の開口端部には、
図6に示すように、支柱2内への水や塵埃等の進入防止及び安全性を高めるための樹脂製キャップ4が嵌合固定されている。
【0020】
また、前記水平支柱2aの垂直支柱2b側には、後述する足場板3の長手方向の両端部の係止金具6が載置される足場板載置部2a1が設けられ、また、垂直支柱2bの上端部の後面には、支柱係止部としての断面コ字状の例えばアルミニウム製の係止金具5が溶接固定されている。また、各足場支柱2の垂直支柱2bの高さ方向後面の所定位置(例えば略中間位置)には、ゴム等の緩衝材8が固着されており、この緩衝材8の板厚は、例えば
図7に示すように、足場1を軽トラック10の荷台11の外側面に取り付けた作業者が足場板3上の乗った際に荷台11の外面に当接して、足場板3が略水平状態(すなわち垂直支柱2bが略垂直状態)となる適宜寸法に設定されている。
【0021】
さらに、前記脚支柱2dの下端には、該支柱2dの外形より大きな平板状の接地板2d1が溶接固定されている。この脚支柱2dの高さH1は、足場1を後述するように軽トラック10の荷台11に取り付けた際に、接地板2d1が地面と所定の隙間(例えば20mm程度の隙間)を有する如く設定されており、足場板3上に作業者が乗りその体重で脚支柱2dの接地板2d1が地面に接触することで、足場支柱2の
図2の矢印イに示す前方への所定寸法以上の傾動が規制されるようになっている。
【0022】
前記足場板3は、
図3〜
図5に示すように、所定長さL(例えばL=756mm)で、所定幅W2(例えばW2=185mm)程度の平面視長方形状のアルミニウム製の板体3aを有し、この板体3aの表面には、滑り止めとしてのリブ3bと突起部3cがプレス加工等によって一体形成されている。
【0023】
すなわち、板体3aの幅方向の両端部である前後端縁に上方に所定寸法(例えば5mm程度)突出したリブ3bが一体形成され、また、板体3aの表面の中央部分には、上方に所定寸法(例えば3mm程度)突出し側面が開口した略半球状の突起部3cが列状に多数一体形成されている。この滑り止めのうちリブ3bにより足場板3の前後端部での足の滑りが防止され、突起部3cにより中央部分での足の滑りが防止されるようになっている。なお、滑り止めとしてのリブ3bや突起部3cは、その形状により板体3aの補強も兼ねている。
【0024】
また、板体3aの長手方向両端部の裏面の幅方向全域には、足場板係止部としての断面コ字状のアルミニウム製の係止金具6が溶接固定されている。この係止金具6は、その内形の寸法が前記水平支柱2aの足場板載置部2a1の外形寸法と略同一に設定されて、足場板載置部2a1上に上方から載置されることにより、該載置部2d1に三面の嵌め込み状態で着脱可能に係止されるようになっている。なお、足場板3は、水平支柱2aの足場板載置部2a1上に載置して組み立てた際に、その前端部のリブ3b上端が傾斜支柱2cの裏面に略当接可能とすることで、水平支柱2aに対して前後の移動が規制されるようになっている。
【0025】
次に、このように構成された足場1の使用方法の一例について説明する。先ず、
図7に示すように、軽トラック10の荷台11上に搭載される収納棚12は、例えばアルミニウム製の6本の垂直支柱12aと、この垂直支柱12a間を連結する多数本の水平支柱12bを溶接することで多段式(例えば8段式)に形成され、水平支柱12b上に幅方向の左右両側から、苗箱がその収納方向の前方側が低くなるように傾斜状態で収納されるように構成されている。
【0026】
そして、田植えの際には、苗箱を保管する場所で足場1が組み立てられる。この組み立ては、足場1が一対の足場支柱2と1枚の足場板3の3つの部材で形成されていることから、これらの部材を準備し、立てた状態の一方の足場支柱2の足場板載置部2a1上に足場板3の一方の係止金具6を係止させ、次に、この足場板3の他方の係止金具6を立てた状態の他方の足場支柱2の足場板載置部2a1に係止させる。このとき、足場板3と各足場支柱2の水平支柱2aは、コ字状の係止金具6が正方形状の足場板載置部2a1の三面に上方から嵌め込まれる状態で係止され、3つの部材2、2、3が足場1として組み立てられる。
【0027】
そして、この組み立てられた足場1の一対の垂直支柱2を手で持ち、
図7及び
図8(a)に示すように、各垂直支柱2bの係止金具5を軽トラック10の荷台11の一方のあおり11aの上端に上方からそれぞれ係止させる。このとき、係止金具5は、荷台11のあおり11aの表面に固着されているゴム等からなる緩衝材11b上に当接状態とされる。これにより、足場1が
図7に示すように、軽トラック10の荷台11の外面側に取り付けられて、足場1の足場板3が地面から所定高さ位置に設置される。
【0028】
なお、荷台11に取り付けられた足場1は、その各垂直支柱2bの中間部分が前記緩衝材8を介して荷台11のあおり11aの外面下部に例えば当接すると共に、各足場支柱2の脚支柱2dの接地板2d1が地面と所定の隙間を有した状態となる。この状態で、軽トラック10に取り付けられた足場1の足場板3に作業者が乗ると、作業者の体重で脚支柱2dの接地板2d1が下方に移動して地面に接触し、各足場支柱2が前方に大きく傾くこともなく、収納棚12の上部にも作業者の手が届くことになり、収納棚12の上部への苗箱の収納作業が一人でも簡単かつ安全に行えることになる。
【0029】
次に、収納棚12に所定枚数の苗箱が収納されたら、足場1を荷台11から取り外す。この取り外しは、足場1を上方に持ち上げ各垂直支柱2bの係止金具5を荷台11のあおり11aからそれぞれ外すことで行われ、この取り外した足場1は、3つの部材に分解されて、軽トラック10の荷台11上に搭載される。このときの分解は、足場板3の係止金具6を各足場支柱2の足場板載置部2a1から取り外すことで行われる。
【0030】
そして、足場1は軽トラック10で収納棚12と共に圃場に運搬され、圃場で前述したと同様に再び組み立てられて、軽トラック10の荷台11のあおり11aに再び取り付けられる。この軽トラック10の荷台11に取り付けられた足場1の足場板3を利用して、作業者により収納棚12に収納されている苗箱が取り出されて田植機にセットされる。また、田植えが終了して足場1を使用しなくなった場合(例えばシーズンオフ等)は、足場1が3つの部材に分解され、各部材が例えば収納棚12に収納されて保管される。
【0031】
つまり、組み立て及び分解可能な一対の足場支柱2と1枚の足場板3の3つの部材で足場1が構成され、この足場1を軽トラック10の荷台11の所定のあおり11aに取り付けもしくは取り外し可能に構成することで、この足場1を利用して、高さの高い荷台11上の収納棚12に対する苗箱の出し入れ作業が一人の作業者でも行えることになる。
【0032】
なお、足場1の組み立て方法や運搬方法は、以上の例に限定されず、例えば足場1を組み立てる際に、一方の足場支柱2を荷台10のあおり11aに予め係止させた状態で、この足場支柱2に足場板3を組み立て、次に、この足場板3に他方の足場支柱2を組み立てつつ該支柱2の係止金具5をあおり11aに係止させるようにしても良い。また、足場1の圃場への運搬も、軽トラック10の荷台11上にスペースがある場合は、組み立てたままの状態で荷台11上に搭載して運搬することも可能である。
【0033】
このように、前記足場1によれば、各足場支柱2の垂直支柱2bの係止金具5を軽トラック10の荷台11にそれぞれ係止させることにより、各足場支柱2の水平支柱2aの足場板載置部2a1に足場板3の両端部の係止金具6がそれぞれ載置係止された足場1が、荷台11の外面側に略水平状態で取り付けられるため、軽トラック10の荷台11外面側に足場1を簡単に設置できて、荷台11上の収納棚12に対する苗箱の出し入れ作業を、例えば農家の主婦等の女性一人の作業者でも簡単かつ安全に行うことができる。
【0034】
また、足場1が組み立て及び分解可能な3つの部材で構成されているため、足場1自体の組み立て作業や分解作業を容易に行うことができると共に、足場支柱2の係止金具5の荷台11のあおり11aへの着脱で足場1の取り付けや取り外しができるため、足場1の軽トラック10に対する着脱作業を簡単に行うことができる。特に、左右一対の足場支柱2がアルミニウム製の角パイプで形成されると共に、垂直支柱2bの係止金具5があおり11aの上端に係止可能なコ字状に形成されていることから、足場支柱2の軽量化を図ることができると共に、係止金具5の形状を簡略化して、荷台11への着脱作業を一層容易に行うことができる。
【0035】
さらに、足場板3がアルミニウム製の板体3aで形成され、足場支柱2への係止金具6が該支柱2の角パイプ形状に対応したコ字状に形成されているため、足場板3の軽量化を図ることができると共に、足場板3を各足場支柱2に三面で係止できて安定した係止状態が得られる等、足場板3と各足場支柱2の組み立てを確実かつ簡単に行うことができる。
【0036】
また、各足場支柱2の水平支柱2aの前端部に下方に略垂直状態で延設(連結)された脚支柱2dを有するため、足場支柱2をトラック10の荷台11に取り付け足場板3上に作業者が乗った場合に、脚支柱2dの下端の接地板2d1を地面に当接させることができ、各足場支柱2の前方への傾動を防止できて、軽トラック10の荷台11のあおり11aの外面側に安定した足場1を設置することができる。これらにより、この足場1を利用することで、収納棚12に対する苗箱の出し入れ作業の効率化と安全性の向上を図ることが可能になる。
【0037】
また、足場板3の板体3a表面に滑り止めが一体形成されているため、作業者の足の滑りを防止できて、苗箱の出し入れ作業の安全性を一層向上させることができる。特に、足場板3の滑り止めが、前後端縁に上方に突出形成されたリブ3bと、中央部分に上方に所定形状で突出形成された多数の突起部3cを有することから、リブ3bで前後端部での足の滑りを防止できると共に、突起部3cで中央部分での足の滑りを防止できて、作業者の足の滑りをより確実に防止し、例えば足場板3が雨等で濡れている場合でも、苗箱の出し入れ作業の安全性をより一層高めることができる。なお、足場板3上の雨水は、板体3aの長手方向両端部及び突起部3bの側面に設けた前記開口から下方に排水される。
【0038】
またさらに、足場支柱2にアルミニウム製の角パイプを使用し、足場板3にアルミニウム製の板体3aを使用すると共に、足場板3の前端部のリブ3bを傾斜支柱2cに当接させることにより、足場板3の移動を規制しているため、移動防止用の部材を別途設ける必要がなく、足場1の構成を簡略化することができる等、コスト安価な足場1を提供することができて、田植え作業の能率向上に寄与することが可能になる。また、長さLの異なる複数の足場板3を準備するようにすれば、足場1の使い勝手を一層向上させることもできる。
【0039】
ところで、前記実施形態において、
図8(b)に示すように、足場支柱2の係止金具5の内面にゴム等の緩衝材7を固着して、軽トラック10の荷台11のあおり11aに緩衝材11bが固着されていない場合であっても、足場1の取り付けや取り外しによるあおり11aへの傷付きを防止しても良い。
【0040】
図9、
図10、
図11及び
図14は、本発明に係わる足場1のそれぞれ他の実施形態
等を示している。以下、上記実施形態と同一部位には同一符号を付して説明する。
図9に示す足場1は、各足場支柱2の垂直支柱2bの高さHを低くし、垂直支柱2bの上端部と水平支柱2aの前端部間に傾斜支柱2cを溶接固定したものである。この形態の足場1は、トラック10の荷台11のあおり11aの高さが比較的低い場合や足場1をトラック10の荷台11面に直接取り付ける場合等に好適に使用される。また、
図10に示す
参考例の足場1は、上記実施形態の足場1において、脚支柱2dを省略したものであり、この足場1は、トラック10の荷台11のあおり11aの高さが高く(あおり幅が大きく)、垂直支柱2bで各足場支柱2の前方への傾動が規制される場合等に好適に使用される。これらの各足場1においても、上記実施形態の足場1と略同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
また、
図11に示す足場1は、前記脚支柱2dを高さ調節可能に構成したものである。すなわち、
図12に示すように、脚支柱2dの下端内部に高さ調節用脚支柱2d2を
図11の矢印ロの如く移動可能に嵌挿し、この高さ調節用脚支柱2d2と脚支柱2dをピン15と止め輪15aにより係止させる。このとき、脚支柱2dの下端部の対向する側面には上下方向に一定間隔(例えば10mm程度)で複数個(図では4個)の孔16が形成され、また高さ調節用脚支柱2d2の上部の対向する側面には、1個の孔17が形成されている。そして、脚支柱2dの所定の孔16と高さ調節用脚支柱2d2の孔17間にピン15を挿通し、このピン15先端の係止孔に止め輪15aを係止させることで、ピン15により脚支柱2dと高さ調節用脚支柱2d2が連結されて、使用する孔16に応じて脚支柱2dの高さH1が所定に調節される。なお、高さ調節用脚支柱2d2の下端には、例えば樹脂製の接地板2d1が嵌合固定されている。
【0042】
この実施形態の足場1においても、上記実施形態の足場1と略同様の作用効果が得られる他に、孔16の選択により脚支柱2dの高さH1を所定に設定することで、例えば足場1を軽トラック10の荷台11に取り付け、足場板3上に作業者が乗り作業者の体重で荷台10が沈んだ場合に、脚支柱2dの接地板2d1が地面に当接する状態となって足場板3が水平状態に維持される等、足場1に一層安定した設置状態が得られることになる。なお、脚支柱2dと高さ調節用脚支柱2d2の連結構造は、
図12に示すピン15と止め輪15aを使用した構成に限らず、例えば
図13に示すように、脚支柱2dの孔16の外面側にナット19を溶接固定し、このナット19に蝶ボルト20をねじ込むことで脚支柱2dと高さ調節用脚支柱2d2を高さ調節可能に連結することもできる。
【0043】
また、
図14に示す足場1は、足場支柱2の垂直支柱2bの高さ方向の略中間位置に第2の支柱係止部としての係止金具20を前記係止金具5と同方向に向けて取り付けたものである。係止金具20は断面コ字状で前記係止金具5と略同一形状に形成され、該係止金具20の取付部20aが垂直支柱2bに設けた取付孔23を利用して、ボルト21とナット22により垂直支柱2bに着脱可能に取り付けられている。このとき、係止金具20は、取り付けや取り外しのために、垂直支柱2bの傾斜支柱2cの端部が溶接される部位より所定寸法下方(もしくは上方)に取り付けられている。
【0044】
この実施形態の足場1は、例えば
図15に示すようにして軽トラック10の荷台11に取り付けられる。すなわち、軽トラック10の荷台11の後面にヒンジ25により回動可能に取り付けられている後面あおり11a1(もしくは側面あおり)を倒して下方に垂らした状態とし、この状態で後面あおり11a1と荷台11の後端との間に形成される間隙24に足場1の垂直支柱2bの前記係止金具20を上方から挿入して係止させる。このとき、支柱2bはその上部(係止金具5部分)が荷台11の上方に延設された状態となっている。そして、この足場1の荷台11への取付状態で、足場板3を介して作業者が荷台11に乗ったり荷台11から降りることができ、この作業者の荷台11への乗降の際に、垂直支柱2bの上部を手摺りとして使用することができる。
【0045】
ところで、以上の説明では、係止金具20を荷台11の間隙24に係止させることで足場1を荷台11に直接取り付けたが、足場1の垂直支柱2bの上下に係止金具5、20がそれぞれ設けられていることから、例えば係止金具5を軽トラック10の荷台11の前面(運転席の後面)に設けられている水平なガードバーに係止させて、足場板3を荷物の載置板等として使用する等、足場1の2つの係止金具5、20を選択して荷台11の適宜位置に取り付けて使用することができる。
【0046】
この実施形態の足場1においても、前記実施形態の足場1と略同様の作用効果が得られる他に、係止金具20を荷台11に直接係止することで、垂直支柱2bの上部を手摺りとして使用しつつ、足場板3を介して荷台11への乗降を行うことができ、足場1をステップとしてトラック10の荷台11に対する各種作業を行うことができる。その結果、前述した苗箱の出し入れ作業以外の、例えば荷台11への荷物の搭載や降ろし作業等の各種作業を、例えば高齢者であっても足場1を利用して安全かつスムーズに行うこと等ができる。また、係止金具20が垂直支柱2bに対して着脱可能に取り付けられているため、係止金具20を取り外すことで、垂直支柱2bの上部の係止金具5をあおり11aの上端に確実かつ安定した状態で係止できると共に、2つの係止金具5、20の選択使用により足場1自体の使い勝手等を向上させることが可能になる。
【0047】
なお、本発明は、前記した各実施形態のそれぞれに限定されるものではなく、各実施形態の全部もしくは一部を適宜に組み合わせた構成としても良い。また、前記各実施形態においては、足場板3の前端部のリブ3bが傾斜支柱2cに当接することで足場板3の移動を規制したが、例えば水平支柱2aに足場板3の移動を規制するためのストッパを別途設ける構成としても良い。さらに、前記各実施形態における、各足場支柱2や足場板3の各寸法等の形状、足場板3の滑り止めの形態等は一例であって、例えば足場板3を長さ調節可能に構成したり、足場板3の調節リブ3bを板体3aの外周略全域に設けたり、あるいは足場板3の係止金具6を板体3aの両端部裏面ではなく両端部側面に設ける等、同等の作用効果が得られる適宜の構成を採用することができる。