【実施例】
【0009】
<1>全体の構成
本発明の管理装置は基本的には、コンクリートプラントに設置した装置と、現場の現場事務所1に設置した装置と、締固め装置の操作部に設置した装置とによって構成する。
【0010】
<2>プラントに設置する装置
コンクリートを製造するプラント3には、混練したコンクリートのデータを入力し、それを現場事務所1へ発信する装置を設置する。
同時にコンクリートの運搬車両に搭載した受信装置へ、コンクリートのデータを発信することもできる。
【0011】
<3>現場事務所に設置する装置
現場の現場事務所1には、プラント3からのデータ、事前の試験施工データを記録し、プラント3からのデータと比較できる装置を設置する。
この装置からは、配合にしたがって比較して選択した、最適の締固め時間、バイブレータの挿入深度などを締固め装置に発信することができる。
【0012】
<4>運搬車両に搭載する装置
コンクリート運搬車両4には、プラント3から出荷された生コンクリートのデータを入力し、記録し、表示できる装置を搭載する。
この装置から現場事務所1に対して、あるいは打設現場2の締固め装置に対して、現在運搬しているコンクリートの情報を送信することができる。
【0013】
<5>締固め装置
締固め装置には深度計を搭載する。
深度計としては超音波距離計を使用することができる。
この深度計によって締固め装置のバイブレータのコンクリート中への挿入深度を検知できる。
さらに締固め装置の操作部には、現場事務所1からの信号を受信して指示された挿入深さと時間だけコンクリートに加振できる受信装置を搭載する。
【0014】
<6>管理方法
次に上記の装置を使用したコンクリートの締固めの管理方法について説明する。
【0015】
<7>試験施工
現場での打設に先立って、各種の配合に基づいてテストピースを作成し、配合に応じた適切な締固め時間とバイブレータの挿入深度を決定する。
そして各種の配合ごとの適切な締固め時間の時間表とバイブレータの挿入深度の表を作成する。
【0016】
<8>現場事務所
打設現場2付近の現場事務所1にはパソコンを設置する。
このパソコンには先行して試験施工に基づく配合ごとの締固め時間の時間表とその時間におけるバイブレータの挿入深度を取り込んで記録する。
さらにコンクリートプラント3からのバッチごとの情報を取り込んで記録する。
プラント3からの情報と、締固め時間表とを比較して、プラント3から出荷した生コンクリートごとに、最適な締固め時間と、その際のバイブレータの挿入深度を選択する。
こうして選択した締固め時間、バイブレータの挿入深度、およびコンクリート運搬車両4の番号などを打設現場2に配置した締固め装置の受信装置に送信する。
【0017】
<9>運搬車両からの情報
現場事務所1へはプラント3からバッチごとの情報を発信することができるが、場合によってはコンクリートを運搬する運搬車両4にもパソコンなどを搭載して現場事務所1に発信できる。
すなわち運搬車両4に積み込んだコンクリートの配合を入力して記録し、さらにこの情報を現場事務所1に送信する。
このように、現場事務所1へのコンクリート情報は、プラント3から直接送信することも、あるいは運搬車両4から間接的に送信することもできる。
運搬車両4ごとに配合が異なる場合もあるから、現場へ到達してコンクリートを排出する段階で、その車両の番号、あるいはその車両が運搬してきたコンクリートが特定できる信号を締固め装置に送信することができる。
【0018】
<10>現場での締固め
打設現場2に配置した締固め装置に上記の信号が受信されると、運搬車両4や運搬されたコンクリートの特定、そのコンクリートに対して選択された締固め時間と、バイブレータの挿入深度をいったん記録する。
そしてその配合のコンクリートを運搬した車両が現場に到着し、打設現場2でコンクリートを排出したときに、その配合に応じて最適時間、最適深度での加振を自動的に行うことができる。
【0019】
<11>記録の保存
上記したように、コンクリートの出荷から締固めの時間、バイブレータの挿入深度などの情報はすべて記録として保存でき、ネットワークとして現場事務所1で収集できる。
したがって客観的で信頼性の高い締固め管理を行うことができる。