【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決策は、液体の存在を検出するための検出器に関するものであり、この検出器は、
接触した液体の存在を感知するプローブと、
プローブを包囲するケーシングであって、
a) ケーシング内に液体を受容するための開口(4a)であって、ケーシング内においてプローブと液体とを接触するようにもたらすことが、液体の存在の検出を引き起こす、開口(4a)と;
b) 試験液をケーシング内に流入させてプローブと接触させるための、開口(4a)とは別の流入部(5a)であって、ケーシング内でプローブと接触するよう液体をもたらすことは、プローブが正しく作動した場合には試験液の存在が検出されるようにし、かつプローブが正しく作動しない場合には検出を引き起こさないようにする、流入部(5a)と;
c) 試験液がプローブと接触されるようもたらされた後、ケーシングから試験液の一部を排出するための流出部(5b)であって、この排出は、プローブがケーシング内に残留する試験液を検出しないように十分になされるようになっている、流出部(5b)と;
を有するケーシングと、
を備える。
【0009】
試験される液体は、さまざまなタイプのものであってもよい。特にこの液体は、−50℃以下の温度の液化ガスであってもよい。例えば液体は液化天然ガス(LNG)であってもよい。例えば窒素または酸素などの他の液化産業ガスとすることもできる。
【0010】
当該プローブは、さまざまなタイプのものとすることができる。特に当該プローブは、浮遊体、レーダー、キャパシタ、または連動浮遊ゲージ、もしくは温度プローブを備えていてもよい。あるいはプローブは、これら要素のいくつかを組み合わせたものであってもよい。
【0011】
ケーシングは、液体がこのプローブの周囲に保持されるようにプローブを包囲している。このケーシングは少なくとも1つの開口を備え、この開口は、ケーシングが存在するかどうかに対してプローブが反応するように、この開口に到達してプローブに至るまでケーシング内に流入する液体の検出を可能にする。この開口がない場合、ケーシングは、液体の存在の検出の妨げとして機能し得る。
【0012】
このケーシングは、試験液の流入のための流入部をさらに有する。試験液は、その存在が試験されることが望まれる液体同様に、プローブが反応することを引き起こす能力のある液体である。試験の代表制および汚染の防止に関して有利なことに、当該試験液は、その存在が試験されることが望まれている液体のように、いくつかのタイプのものとすることができる。試験液の流入のための流入部は、試験液と接触するようにプローブを意図的に配置できるようにする。
【0013】
ケーシングは、試験液の排出のための流出部をさらに備えている。特に試験後に、プローブを通常の作動状態に、つまりプローブの周囲に液体がない状態に復元できるようにすることが必要である。
【0014】
特定の状態において、試験液の排出は自動的に行われる。例えばそれは、検出器が適所にある場合に、前記プローブの下方に設定される高さにおいてケーシング内に配置された1つ以上のオリフィスを伴っている。それにより、プローブが検出状態にないように、試験液は重力によって自然に排出可能となる。これらオリフィスは、試験液がすぐに排出されないように、あまり大きなものにしてはならない。特に試験液流入部は、試験液が流入するとすぐに排出されるとしても、検出をシミュレートできるものでなければならない。
【0015】
試験液の排出後、ケーシング内に残留した試験液の存在が検出を引き起こさない場合には、所定の量の試験液がケーシング内に残留してもよい。
【0016】
特定の状態によれば、液体の受容するための開口および志権液を排出するための流出部は、区別できないもの(例えばまったく同じオリフィスである)であってもよいが、あるいは部分的に区別できないもの(両方の機能を有する少なくとも1つのオリフィス)であってもよい。
【0017】
このケーシングおよびその流入部/流出部は、試験液の流入が現実的に液体の存在の検出をシミュレートするよう構成されていることが好ましい。ケーシングは、好ましくは、大量の試験液を使用することを必要とせずに現実的な状況で検出を実現するよう、プローブに近接しておりかつ適度な広がりを有している。
【0018】
特定の流入部/流出部を備えるケーシングの存在によって、存在する液体内にプローブをもたらすことにより、現実的な状態でそのままの位置で検出器が試験できることが明白である。この試験は、(検出後にプローブ自体が元に戻されない限りは)元に戻すことが可能であり、かつ必要に応じて何度でも実施可能である。
【0019】
一実施形態において、試験液の流入のための流入部は、試験液を所定の流量で流入させるために形成されている。試験液の排出のための流出部は、重力によって、試験液を総体的に所定の流量以下の流量で流出させることを可能にする1つ以上のオリフィスを備えている。それゆえ試験液の排出は自動的に行われる。この排出は、試験液が流入されるとすぐに開始されてもよい。流出流量が流入流量よりも小さいため、所定の容積の試験液がケーシング内に溜まるようになっている。試験液の流入流量が止められるとケーシングは空になる。特定の実施形態によれば、オリフィスは、プローブの下方において、検出器のケーシングの下部に配置されている。
【0020】
一実施形態において、プローブは、液化天然ガスの存在を検出することができ、かつケーシングは、試験液として液化天然ガスの流入および流出を可能にするよう構成されている。プローブは、LNGなどの低温の液体の存在を検出するためのプローブである。ケーシングおよびその流入部/流出部は、そうした液体に、特に使用される材料に対して適合可能となるように構成されている。
【0021】
一実施形態において、プローブは、試験液の少なくとも一部が存在しかつその液体がケーシング内でプローブと接触とすることに基づいて温度変化を検出するための温度センサを備えている。温度変化の検出は、液体または試験液の存在に基づく温度変化は、熱伝導によってプローブに自動的に伝達されるため、検出の有利な形態となる。さらに、温度検出器は、低温の液体に対して適合されている。この場合において、液体が存在することは、プローブによって測定される温度の低下によって認識される。
【0022】
一実施形態において、温度センサは1つ以上のサーミスタを備える。これらサーミスタはプラチナワイヤであってもよい。検出器は熱電対であってもよい。信頼性の高い検出を確実なものとするために重複性(複数のワイヤ)のあるものとすることができる。
【0023】
一実施形態において、検出器は、ケーシング内に液体が存在していない状態で温度センサを所定の温度で維持するために、調整されたホットガス流入部を備える温度維持システムをさらに備えている。この温度維持システムは、プローブを、検出される液体の温度および試験液の温度よりも高い温度に維持するものである。このシステムは、ケーシングからの低温の液体の低温蒸気がプローブと接触することにより、プローブの周囲に液体または試験液の存在に対応していない不適切な作動が引き起こされることを防止できる。一方で、温度維持システムは、当該液体が効率的にプローブと接触する場合に液体または試験液の検出を妨げてはならない。この温度維持システムは、熱電対のために存在し得る温度補償と意味的に混同されてはならないことに留意されたい。ホットガスの流入は、温度センサを所定の温度に維持するために、バルブ、制御バルブ、流量または他の調整バルブによって調整されてもよい。
【0024】
一実施形態において、温度維持システムは、所定の温度で維持するためにプローブの周囲でガスが循環するように構成されている。このシステムは、低温蒸気の存在によるプローブの冷却を特に阻止するために熱を提供することができる。温度補償システムのこの実施形態は、温度維持の観点からも効果的であり、液体の存在が原因となる温度変化の検出を阻止しないように十分に「弱い」ものである。特に、検出される液体が、温度維持システムによって提供されるガスよりも著しく大きな熱容量を有しているため、この維持システムの降下は液体の存在によって迅速に抑制される。
【0025】
また本発明は、上記検出器を備える液体を貯蔵するための貯蔵容器に関するものである。この検出器は、貯蔵容器に固定されていても移動可能なものであってもよい。特に、検出器を、検出器がそのポジションに基づいて貯蔵容器の所定の高さにおいて貯蔵された液体の存在を検出するよう使用される位置に固定することができる。
【0026】
一実施形態において、貯蔵容器はルーフをさらに備えており、検出器は、液体の高さのレベルを検出するために、貯蔵容器における検出器のポジションによって規定される閾(境界部)を越えてルーフに配置されている。したがって検出器の機能は、高さレベル、あるいはそのポジションに基づく非常に高いレベルを検出することである。それは、特にそのケーシングにより、そのままの位置で試験可能なままとなる。
【0027】
一実施形態において貯蔵容器は、液体を抽出するための、かつ試験液として使用するためにケーシングの流入部へ液体の少なくとも一部を移送するための抽出パイプをさらに備える。このパイプによって、貯蔵容器内に貯蔵された液体は試験液として使用されてもよい。一変形例によれば、試験液は他の貯蔵容器から供給されてもよい。この他の貯蔵容器は、当該貯蔵容器と同様のものであってもよい。他の貯蔵容器は、異なるタイプのものであってもよい。このとき、貯蔵容器が収容する液体を、第1の貯蔵容器のプローブのための試験液として使用できるようにする必要がある。
【0028】
最終的に、本発明は、上記貯蔵容器を使用する試験方法に関するものであり、
a) 試験液をケーシングに流入させるステップと、
b) 試験液の存在がプローブによって検出されたか非検出であるかを認識するステップと、
c) ステップa)においてケーシング内に流入された試験液の少なくとも一部を排出するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0029】
具体的にこの試験を実施するために、試験液は、ケーシングへの供給のために設けられた流入部を介してケーシング内に供給される。続いて、試験液が存在する状態下に置かれたプローブが反応したかどうかを認識することが可能となる。反応した場合、試験は終了となるが、そうでない場合には非検出の原因を調査する必要がある。原因は、たいていプローブの故障である。試験液は、どんな場合でも検出を停止させるのに十分なほど、試験後に必ず排出されなければならない。
【0030】
本発明に基づく検出器または貯蔵容器に関する関連付けられたすべての特定の形態は、変更すべきところは変更した上で本発明に基づく試験方法に適用される。
【0031】
1つの特定の実施形態によれば、使用される貯蔵容器において、貯蔵された液体は試験液として使用される。これは、上述したように、試験の確実な代表例を形成するという利点を有する。
【0032】
本発明の他の特徴部および利点は、添付された図面を参照した非限定的の例示的な実施形態の以下の説明から明らかとなる。