(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
[1.情報処理装置のハードウェア構成]
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づき詳細に説明する。本発明に係る情報処理装置は、例えば、ゲーム装置(例えば、携帯型ゲーム装置又は据置型ゲーム装置)、携帯電話機等の携帯端末(例えば、スマートフォンやタブレット型端末)、又はパーソナルコンピュータ等の各種コンピュータを用いて実現される。ここでは、本発明に係る情報処理装置が、ゲーム装置により実現される場合について説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
図1に示すように、ゲーム装置10は、CPU等を含む制御部11と、フラッシュメモリやRAM等を含む記憶部12と、タッチパネルや各種ボタン等を含む操作部13と、メモリカードスロット等を含む入力部14と、液晶パネル等を含む表示部15と、無線通信又は有線通信を行うためのネットワークカード等を含む通信部16と、を含んで構成される。
【0021】
制御部11は、例えば、記憶部12に記憶された各種プログラムを実行する。制御部11は、リアルタイムクロック等を含み、現在の時刻に関する情報を取得する。記憶部12は、制御部11がプログラムを実行するために必要な各種データ等を記憶する。操作部13は、各種操作信号を制御部11に入力する。入力部14は、各種記憶媒体からプログラムやデータを読み込む。表示部15は、液晶モニタ等であり、制御部11の指示に従い各種画面を表示する。通信部16は、ネットワークを介して他の端末と通信を行う。
【0022】
なお、本実施形態では、記憶部12にプログラムやデータが記憶される場合を説明するが、光ディスクなどの他の情報記憶媒体が用いられるようにしてもよい。他にも、ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータが、ゲーム装置10に供給されるようにしてもよい。あるいは、赤外線通信などの各種データ通信を利用してプログラムやデータがゲーム装置10に供給されるようにしてもよい。
【0023】
[2.ゲーム装置により実行されるゲームの概要]
本実施形態では、架空の世界に配置された架空の店舗を利用するゲームが実行される場合を説明する。架空の店舗では、複数種類の架空の商品(ゲームアイテム)又は複数種類の架空のサービスが提供されている。ユーザが操作するキャラクタは、架空の店舗において洋服等の架空の商品を購入したり、食事等の架空のサービスを受けたりする。
【0024】
図2は、表示部15に表示されるゲーム画面の一例である。
図2に示すように、ゲーム画面20には、架空の店舗の様子が表示され、ユーザの操作対象を表す操作対象キャラクタ22と、架空の店舗の店員キャラクタ24と、架空の店舗で扱う架空の商品又は架空のサービスの一覧26と、が表示される。
【0025】
一覧26には、架空の店舗で提供される架空の商品又は架空のサービスの名称と、価格(ゲーム内通貨の額)と、が表示される。ユーザは、一覧26に表示された架空の商品又は架空のサービスのうちから購入するものを選択する。そして、ユーザが購入ボタン28を選択すると、ゲームにおいて、架空の商品を購入したり架空のサービスを受けたりすることができる。
【0026】
例えば、ユーザが架空の店舗で架空の商品を購入したり架空のサービスを受けたりすると、操作対象キャラクタ22の外見やゲームパラメータが変化する。ユーザが戻るボタン30を選択すると、操作対象キャラクタ22が架空の店舗から退店し、ゲーム画面20が他の画面に切り替わる。
【0027】
本実施形態では、所与の条件のもとで、ユーザは、架空の商品又は架空のサービスの価格を値切ることができる。例えば、ユーザが値切りボタン32を選択すると、所与の確率に基づいて、値切り交渉の成否が決定される。
【0028】
図3は、値切り交渉が成功した場合のゲーム画面の一例を示す図である。
図3に示すように、ユーザが値切りに成功すると、所与のメッセージ34が表示され、架空の商品又は架空のサービスの価格が安くなる。値切り交渉が成功した場合には、一覧26に表示された架空の商品又は架空のサービスのうち、ユーザが選択した架空の商品又は架空のサービスの価格のみが安くなってもよいし、全部の架空の商品又は全部の架空のサービスの価格が安くなってもよい。一方、ユーザが値切りに失敗した場合には、架空の商品又は架空のサービスの価格は変化しない。
【0029】
更に、ゲームにおいて架空の商品又は架空のサービスの値切りに成功すると、現実世界の店舗における現実の商品又は現実のサービスを割り引くためのクーポン画面が、表示部15に表示される。
【0030】
図4は、表示部15に表示されるクーポン画面の一例を示す図である。
図4に示すように、クーポン画面40には、現実世界の店舗に関する基本情報(店舗名、住所、連絡先等)と、割引対象の商品又はサービス名と、割引価格に関する情報(価格自体を示す数値、又は、割引の程度を示す数値)と、クーポンの使用期限と、が表示される。例えば、ユーザが現実世界の店舗を訪れた場合に、当該店舗の店員にクーポン画面40を見せることによって、割引価格で商品を購入したりサービスを受けたりすることができる。
【0031】
このように、本実施形態のゲーム装置10は、ゲームにおいて架空の商品又は架空のサービスの値切りに成功すると、現実世界の店舗で使用可能なクーポン画面40を表示部15に表示させる構成になっている。以降、当該技術について詳細に説明する。
【0032】
[3.ゲーム装置において実現される機能]
図5は、ゲーム装置10で実現される機能を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、ゲーム装置10は、ゲームデータ記憶部50と、価格データ取得部52と、ゲーム実行部54と、クリア判定部56と、決定部58と、情報出力部60と、を含む。これら各機能は、例えば、制御部11が記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。また、ここでは、ゲームデータ記憶部50が記憶部12を主として実現され、他の各機能が制御部11を主として実現される。
【0033】
[3−1.ゲームデータ記憶部]
ゲームデータ記憶部50は、架空の店舗に関する各種データを記憶する。例えば、ゲームデータ記憶部50は、架空の店舗で扱う架空の商品又は架空のサービスに関する画像データ及びテキストデータを記憶する。また、ここでは、ゲームデータ記憶部50は、架空の商品又は架空のサービスの価格を示す価格データを記憶する。
【0034】
図6は、価格データのデータ格納例を示す図である。
図6に示すように、価格データには、架空の商品又は架空のサービスの名称と、架空の店舗における価格と、が関連付けられている。価格データに格納される価格は、ゲームにおける標準価格であり、ユーザが値引きに成功する前の価格(安くなる前の価格)である。
【0035】
ここでは、架空の店舗において、複数種類の現実の商品の各々に対応する架空の商品、又は、複数種類の現実のサービスの各々に対応する架空のサービスが提供されている。現実の商品に対応する架空の商品とは、現実の商品を模した商品である。現実のサービスに対応する架空のサービスとは、現実のサービスを模したサービスである。架空の商品又は架空のサービスの価格は、現実の商品又は現実のサービスの価格に基づいて設定されている。
【0036】
また、本実施形態では、ゲームデータ記憶部50は、クーポン画面40に関するデータを記憶する。当該データは、クーポン画面40の表示内容を含み、例えば、現実世界の店舗の基本情報に関する画像データ又はテキストデータ、画像現実の商品又はサービスの名称に関する画像データ又はテキストデータ、及び、現実の商品又はサービスの価格又は割引具合(割引額又は割引率)を示すデータ、を含む。
【0037】
なお、ゲームデータ記憶部50に記憶される内容は、上記の例に限られない。クーポン画面40を表示させるために必要なデータが、ゲームデータ記憶部50に記憶されているようにすればよい。他にも例えば、実行中のゲームの状況を示すデータ(例えば、仮想世界の現在の状態を示すデータや、ユーザが保有するゲーム内通貨又は架空の商品を示すデータ、ユーザが受けた架空のサービスを示すデータ)がゲームデータ記憶部50に記憶されているようにしてもよい。また、ゲーム実行部54は、ゲームデータ記憶部50の記憶内容を取得する手段及び更新する手段として機能する。
【0038】
[3−2.価格データ取得部]
価格データ取得部52は、現実世界の施設(例えば、店舗)を模した架空の施設で提供される架空の商品又は架空のサービスの価格を示す価格データを記憶する手段(例えば、ゲームデータ記憶部50に記憶される価格データ)に記憶される当該価格データを取得する。価格データ取得部52は、ゲームデータ記憶部50の記憶内容を取得する。なお、現実世界の店舗を模した架空の店舗とは、現実世界の店舗の外観を模した店舗、又は、現実世界の店舗で扱う商品又はサービスを模した商品又はサービスを扱う店舗である。
【0039】
[3−3.ゲーム実行部]
ゲーム実行部54は、架空の施設(例えば、架空の店舗)に係るゲームを実行する。架空の店舗に係るゲームとは、架空の店舗において架空の商品又は架空のサービスを利用するゲームを実行する。本実施形態では、ゲーム実行部54は、架空の施設における架空の商品又は架空のサービスの価格を交渉する(値切る)ゲームを実行する。
【0040】
ゲームにおいては、ユーザがクリアすべきゲーム課題(ミッション)が設定されている。ゲーム課題は、所与のゲームイベントを発生させることであり、例えば、所与の画像を表示部15に表示させること、操作対象キャラクタ22を所与の位置まで移動させること、又は、操作対象キャラクタ22に所与の物体を発見させることである。本実施形態においては、架空の商品又は架空のサービスの価格を交渉して、当該価格の値引きに成功するゲームイベントを発生させることが、ゲーム課題に相当する。
【0041】
[3−4.クリア判定部]
クリア判定部56は、架空の施設(例えば、架空の店舗)に係るゲームにおいて、所与のゲーム課題をユーザがクリアしたか否かを判定する。クリア判定部56は、実行中のゲームの状況に基づいて、ユーザがゲーム課題をクリアしたか否かを判定する。例えば、ゲーム課題にはクリア条件が定められており、クリア判定部56は、実行中のゲームの状況が所与の状況になったか否かを判定することによって、当該クリア条件が満たされるか否かを判定する。
【0042】
例えば、クリア判定部56は、ゲームにおいて所与のゲームイベントが発生したか否かを判定することによって、ユーザがゲーム課題をクリアしたか否かを判定する。より具体的には、クリア判定部56は、所与の画像が表示部15に表示されたか否かを判定したり、ユーザの操作対象キャラクタ22が所与の位置まで移動したか否かを判定したり、操作対象キャラクタ22が所与の物体を発見したか否かを判定したりする。
【0043】
ここでは、クリア判定部56は、ユーザが架空の商品又は架空のサービスの価格の値引きに成功したか否かを判定する。クリア判定部56は、所与の確率のもとで、ユーザが値引きに成功したか否かを判定する。例えば、クリア判定部56は、乱数に基づいて、ユーザが値引きに成功したか否かを判定する。クリア判定部56は、乱数自体の値、又は、乱数を所与の数式に代入して得られる値が、所与の条件を満たすか否かを判定することによって、ユーザが値引きに成功したか否かを判定することになる。
【0044】
[3−5.決定部]
決定部58は、架空の施設(例えば、架空の店舗)において架空の商品又は架空のサービスの価格を安くするか否かを決定する。ここでは、決定部58は、ゲーム課題をユーザがクリアしたと判定された場合、架空の商品又は架空のサービスの価格を安くすると決定し、ゲーム課題をユーザがクリアしていないと判定された場合、架空の商品又は架空のサービスの価格を安くしないと決定する。
【0045】
即ち、決定部58は、架空の店舗における架空の商品又は架空のサービスの価格を交渉するゲームにおけるユーザの交渉結果に基づいて、架空の店舗において架空の商品又は架空のサービスの価格を安くするか否かを決定する。決定部58は、架空の商品又は架空のサービスの価格の値引きに成功したと判定された場合、架空の店舗において架空の商品又は架空のサービスの価格を安くすると決定し、架空の商品又は架空のサービスの価格の値引きに失敗したと判定された場合、架空の店舗において架空の商品又は架空のサービスの価格を安くしないと決定する。
【0046】
[3−6.情報出力部]
情報出力部60は、架空の施設(例えば、架空の店舗)において架空の商品又は架空のサービスの価格が安くなった場合、現実世界の施設で提供される現実の商品又は現実のサービスの価格を安くするための情報を出力する。ここでは、当該情報は、表示部15に表示される所与の画像であり、クーポン画面40である。クーポン画面40に表示される商品又はサービス(即ち、価格が安くなる現実の商品又はサービス)は、ゲームにおいて安くなった(値切りに成功した)架空の商品又は架空のサービスと同じであってもよいし、異なる種類の商品又はサービスであってもよい。
【0047】
クーポン画面40は、所与の記号列(数字列又は文字列)、又は、所与のコード情報(バーコード又は二次元コード)を含む。情報出力部60は、現実の商品又は現実のサービスの価格を安くするためのクーポン画面40を、表示部15に表示させることになる。なお、情報出力部60は、他のコンピュータ(例えば、ユーザが使用するスマートフォン等)にクーポン画面40の画像データを出力するようにしてもよい。
【0048】
[4.ゲーム装置において実行される処理]
次に、ゲーム装置10が実行する処理について説明する。
図7は、ゲーム装置10が実行する処理のうちの、本発明に関連する処理を示すフロー図である。例えば、制御部11は、記憶部12に記憶されるプログラムに従って、
図7に示す処理を実行する。なお、
図7に示す処理は、架空の商品又は架空のサービスが利用されるゲームイベントが発生する場合(例えば、操作対象キャラクタ22が架空の店舗に入店した場合)に実行される。
【0049】
図7に示すように、まず、制御部11は、ゲーム画面20を表示部15に表示させる(S1)。S1においては、制御部11は、価格データを参照し、架空の商品又は架空のサービスの価格を示す一覧26を含むゲーム画面20を表示部15に表示させる。即ち、S1において表示される各商品又は各サービスの価格は、ユーザによる値引き前(割引前)の価格である。
【0050】
制御部11は、値切りボタン32が選択されたか否かを判定する(S2)。値切りボタン32が選択されたと判定された場合(S2;Y)、制御部11は、所与の確率のもとで、値切りを成功させるか否かを決定する(S3)。S3においては、制御部11は、乱数に基づいて、値切りを成功させるか否かを決定する。例えば、制御部11は、S3において発生させた乱数が所定の条件を満たした場合(例えば、乱数が偶数であった場合)には、値切りを成功させると決定し、所定の条件を満たさなかった場合(例えば、乱数が奇数であった場合)には、値切りが失敗したと決定する。
【0051】
値切りを成功させると決定された場合(S3;Y)、制御部11は、値切りが成功したことを示すフラグをオンにする(S4)。当該フラグは、記憶部12に記憶される。当該フラグがオンである場合には、値切りが成功したことを示し、当該フラグがオフである場合には、値切りが失敗したことを示す。なお、フラグの値は、所定タイミング(例えば、一定時間が経過した場合や所与の日時が到来した場合)においてリセットされるようにしてもよい。
【0052】
制御部11は、架空の商品又は架空のサービスの価格を安くする(S5)。S5においては、制御部11は、価格データが示す標準価格から、所定価格だけ安くするようにしてもよいし、所与の方法に基づいて算出される額(例えば、S3において発生させた乱数の値に基づいて定まる額)だけ安くするようにしてもよい。
【0053】
制御部11は、購入ボタン28が選択されたか否かを判定する(S6)。購入ボタン28が選択されたと判定された場合(S6;Y)、制御部11は、ユーザが選択した架空の商品又は架空のサービスの購入処理を実行する(S7)。S7においては、制御部11は、ユーザが購入した架空の商品又は架空のサービスの現在の価格だけ、ユーザが保有するゲーム内通貨を減額する。そして、制御部11は、ユーザが購入した架空の商品をゲームにおいて付与したり、架空のサービスをゲームにおいて与えたりする。
【0054】
制御部11は、戻るボタン30が選択されたか否かを判定する(S8)。戻るボタン30が選択されない場合(S8;N)、処理はS2に戻る。
【0055】
一方、戻るボタン30が選択されたと判定された場合(S8;Y)、制御部11は、ゲーム画面20を表示部15から消去する(S9)。
【0056】
制御部11は、クーポン画面40を表示させるための所与の操作が行われたか否かを判定する(S10)。所与の操作が行われたと判定された場合(S10;Y)、制御部11は、記憶部12に記憶されたフラグがオンであるか否かを判定する(S11)。
【0057】
フラグがオンであると判定された場合(S11;Y)、制御部11は、記憶部12に記憶されたクーポン画面40に関するデータを参照し、クーポン画面40を表示部15に表示させ(S12)、本処理は終了する。クーポン画面40の画像データが記憶部12に記憶されているようにしてもよいし、クーポン画面40の表示内容を示すデータが記憶部12に記憶されており、当該データに基づいて画像データが生成されるようにしてもよい。
【0058】
フラグがオンであると判定されない場合(S11;N)、制御部11は、エラーメッセージを表示部15に表示させ(S13)、本処理は終了する。
【0059】
以上説明したゲーム装置10によれば、架空の商品又は架空のサービスの価格が安くなった場合に、現実世界の店舗で使用可能なクーポン画面40が表示されるので、現実世界の店舗への集客効果を高めることができる。また、ゲーム装置10は、ゲームにおいてユーザが架空の商品又は架空のサービスの価格の値切りに成功した場合に、クーポン画面40が表示部15に表示されるため、ゲームの興趣性を利用して、現実世界の店舗への集客効果をより効果的に高めることができる。
【0060】
[5.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0061】
(1)例えば、実施形態においては、ユーザが値引きに成功すれば、架空の商品又は架空のサービスを購入したか否かに関らずクーポン画面40を表示させる場合を説明したが、値引きに成功した架空の商品又は架空のサービスをユーザが購入(利用)した場合にのみ、クーポン画面40が表示されるようにしてもよい。即ち、ユーザが値引きに成功したとしても、値引きに成功した架空の商品又は架空のサービスを購入しなかった場合には、クーポン画面40が表示されないようにしてもよい。
【0062】
図8は、変形例(1)の機能ブロック図である。
図8に示すように、変形例(1)では、実施形態で説明した機能に加えて購入判定部62が実現される。購入判定部62は、制御部11を主として実現される。購入判定部62は、架空の施設(例えば、架空の店舗)において、決定部58により価格が安くなった架空の商品又は架空のサービスをユーザ(即ち、ユーザが操作するキャラクタ)が購入したか否かを判定する。
【0063】
購入判定部62は、ユーザの操作内容に基づいて、価格が安くなった(値切りに成功した)架空の商品又は架空のサービスが、ゲームにおいて購入されたか否かを判定する。例えば、購入判定部62は、価格が安くなった架空の商品又は架空のサービスが一覧26から選択され、購入ボタン28が選択されたか否かを判定する。更に、購入判定部62は、ユーザが保有するゲーム内通貨が、架空の商品又は架空のサービスの価格(即ち、決定部58により安くなった価格)よりも多いか否かを判定することになる。
【0064】
情報出力部60は、決定部58により価格が安くなった架空の商品又は架空のサービスをユーザが購入したと判定された場合、現実世界の施設で提供される現実の商品又は現実のサービスの価格を安くするための情報を出力する。即ち、情報出力部60は、決定58により価格が安くなった架空の商品又は架空のサービスをユーザが購入していないと判定された場合、クーポン画面40を表示(出力)させないように、クーポン画面40の表示(出力)を制限する。
【0065】
また、実施形態においては、ユーザが値切りに成功した場合に、S4においてフラグがオンになったが、変形例(1)においては、値切りに成功した架空の商品又は架空のサービスを、ゲームにおいてユーザが購入したと判定された場合に、当該フラグがオンになる。即ち、値切りに成功した架空の商品又は架空のサービスを、ゲームにおいてユーザが購入していないと判定された場合には、フラグがオフのままとなる。
【0066】
変形例(1)によれば、ゲームにおいて、値引きした架空の商品又は架空のサービスをユーザが購入したか否かを、現実の商品又はサービスを割引くか否かの条件とすることができる。このため、ゲーム内の世界における購入行為と現実世界における購入行為とを更に連動させることができる。
【0067】
(2)また例えば、実施形態においては、ユーザが値引きに成功しさえすれば、当該成功したタイミングに係らずクーポン画面40が表示される場合を説明したが、現実の店舗におけるセール期間が始まるまでに値引きに成功した場合にのみクーポン画面40を表示させるようにしてもよい。即ち、現実世界におけるセール期間までにゲーム内での値引きに成功した場合にのみ、クーポン画面40を表示させるようにしてもよい。
【0068】
変形例(2)の情報出力部60は、現実世界の施設(例えば、店舗)のセール期間に対応する基準時点までに、架空の施設において架空の商品又は架空のサービスの価格が安くなった場合、現実世界の施設で提供される現実の商品又は現実のサービスの価格を安くするための情報を出力する。
【0069】
セール期間に対応する基準時点とは、セール期間に基づいて定まる時点であり、例えば、セール期間の開始日時である。当該基準時点を示す情報は、記憶部12に記憶されているようにしてもよいし、入力部14又は通信部16を介して外部記憶媒体又は外部コンピュータから取得されるようにしてもよい。
【0070】
クリア判定部56は、ユーザがゲーム課題を基準時点までにクリアしたか否かを判定する。例えば、クリア判定部56は、ユーザがゲーム課題をクリアした場合に、現時点が基準時点よりも前か否かを判定することになる。情報出力部60は、ユーザがゲーム課題を基準時点までにクリアしたと判定された場合、クーポン画面40を表示部15に表示させる。
【0071】
別の言い方をすれば、情報出力部60は、ユーザがゲーム課題を基準時点までにクリアしていないと判定された場合、クーポン画面40が表示部15に表示されることを制限するともいえる。クーポン画面40が表示部15に表示されることを制限するとは、現実世界の店舗において利用可能なクーポン情報を出力しないように抑止することであり、例えば、クーポン画面40が表示部15に表示されないように抑止することである。
【0072】
変形例(2)によれば、現実世界のセール期間までにゲームでの値引きに成功した場合にクーポン画面40が表示されるので、現実世界と仮想世界とを連動させてゲームの興趣性を向上させることにより、店舗への集客効果を更に高めることができる。
【0073】
(3)また例えば、ゲームでの値引き率に応じて、現実の商品又は現実のサービスの価格の割引率が変わるようにしてもよい。例えば、ゲームにおいて高額の値引きに成功した場合に、現実の商品又はサービスの割引額が大きくなるようにしてもよい。
【0074】
変形例(3)の決定部58は、架空の商品又は架空のサービスの価格を安くすると決定した場合に当該価格を決定する。決定部58は、所与の確率のもとで、架空の商品又は架空のサービスの価格を決定する。この場合、ゲームデータ記憶部50には、確率と、架空の商品又は架空のサービスの価格と、の関連付けが記憶されている。決定部58は、当該関連付けに基づいて、架空の商品又は架空のサービスの価格を決定することになる。なお、決定部58は、乱数自体の数値、又は、乱数を所与の数式に代入して得られる数値に基づいて、架空の商品又は架空のサービスの価格を決定するようにしてもよい。
【0075】
変形例(3)の情報出力部60は、架空の施設(例えば、店舗)における架空の商品又は架空のサービスの価格の割引結果に基づいて、現実世界の施設で提供される現実の商品又は現実のサービスの価格を決定する。
【0076】
例えば、ゲームデータ記憶部50に、架空の商品又は架空のサービスの価格と、現実の商品又は現実のサービスの価格と、が関連付けられて記憶されているようにしてもよい。当該関連付けは、数式形式であってもよいし、テーブル形式であってもよい。当該関連付けは、例えば、架空の商品又は架空のサービスの価格が安くなるほど、現実の商品又は現実のサービスの価格が安くなるように設定されている。情報出力部60は、架空の商品又は架空のサービスの価格に関連付けられた価格に基づいて、現実の商品又は現実のサービスの価格を決定することになる。
【0077】
情報出力部60は、上記決定された価格に基づいて、現実世界の施設で提供される現実の商品又は現実のサービスの価格を安くするための情報(例えば、クーポン画面40)を出力する。ここでは、情報出力部60は、決定部58により決定された価格を含むクーポン画面40を表示部15に表示させる。例えば、情報出力部60は、架空の商品又は架空のサービスの価格が安くなるほど(割引具合が大きくなるほど)、現実の商品又は現実のサービスの価格を安くする(割引具合が大きくなる)クーポン画面40を表示させる。
【0078】
変形例(3)によれば、ゲームでの架空の商品又は架空のサービスの値引き率に応じて、現実世界での商品又はサービスの割引率が決まり、価格決定の際の興趣性が向上するので、店舗への集客効果を更に高めることができる。
【0079】
(4)また例えば、ユーザが値引きに成功した商品の種類又はサービスの種類に応じて、現実世界で割引される商品又はサービスの種類が変わるようにしてもよい。
【0080】
変形例(4)の決定部58は、複数種類の架空の商品又は複数種類の架空のサービスの少なくとも一つの価格を安くするか否かを決定する。例えば、決定部58は、架空の商品又は架空のサービスのうち、ユーザにより選択された架空の商品又は架空のサービスの価格について、安くするか否かを決定する。
【0081】
情報出力部60は、複数種類の現実の商品又は複数種類の現実のサービスのうち、架空の施設(例えば、架空の店舗)において価格が安くなった架空の商品又は架空のサービスに対応する現実の商品又は現実のサービスの価格を安くするための情報を出力する。
【0082】
変形例(4)のゲームデータ記憶部50は、架空の商品又は架空のサービスと、現実の商品又は現実のサービスと、の関連付けを記憶する。当該関連付けは、テーブル形式である。情報出力部60は、架空の施設において価格が安くなった架空の商品又は架空のサービスに関連付けられた種類の商品又はサービスを安くするためのクーポン画面40を表示部15に表示させることになる。
【0083】
変形例(4)によれば、ゲームにおいて値引きに成功した商品又はサービスに係る現実の商品又は現実のサービスを安くするためのクーポン画面40を表示させるため、現実世界と架空の世界との連動を持たせることにより興趣性を向上し、集客効果を更に高めることができる。
【0084】
(5)また例えば、ユーザが現実の店舗を訪れた場合にのみ、クーポン画面40を表示させるようにしてもよい。例えば、現実世界の店舗付近に無線LANアクセスポイントを配置しておき、ゲーム装置10と当該無線LANアクセスポイントとが接続された場合にのみ、クーポン画面40が表示されるようにしてもよい。
【0085】
変形例(5)のゲーム実行部54は、通信部16の通信結果に基づいて、ユーザが現実の店舗を訪れたか否かを判定する。例えば、ゲーム実行部54は、通信部16と現実世界の店舗付近に配置された通信手段(例えば、無線LANアクセスポイント)とが接続されたか否かを判定する。この場合、ゲームデータ記憶部50に無線LANアクセスポイントを識別する情報(例えば、MACアドレス)を記憶させておき、ゲーム実行部54は、当該情報と、通信部16の通信結果と、に基づいて、現実世界の店舗付近の無線LANアクセスポイントに接続されたか否かを判定することになる。ゲーム実行部54は、通信部16と上記通信手段とが接続されたと判定された場合、ユーザが現実の店舗を訪れたと判定することになる。
【0086】
変形例(5)の情報出力部60は、架空の施設(例えば、店舗)において架空の商品又は架空のサービスの価格が安くなった場合、かつ、ユーザが現実世界の施設を訪れた場合に、現実世界の施設で提供される現実の商品又は現実のサービスの価格を安くするための情報を出力する。即ち、情報出力部60は、架空の商品又は架空のサービスの価格が安くなっていない場合、又は、ユーザが現実世界の施設を訪れていない場合に、クーポン画面40が表示されることを制限する。
【0087】
変形例(5)によれば、ユーザが現実の店舗を訪れた場合にのみ、クーポン画面40が表示されるので、現実の店舗への集客効果を更に高めることができる。
【0088】
なお、上記においては、ユーザが現実店舗を訪れたか否かを、アクセスポイントを利用して判定する方法を説明したが、ユーザが現実店舗を訪れたか否かを判定する方法は、これに限られない。他にも例えば、アクセスポイントではなく、ゲーム装置10と直接的に通信可能なコンピュータ(例えば、他のゲーム機)を現実店舗に配置しておき、当該コンピュータとゲーム装置10とが接続された場合に、ユーザが現実店舗を訪れたと判定されるようにしてもよい。
【0089】
また例えば、GPS(Global Positioning System)センサを用いて検出されるゲーム装置10の位置に基づいて、ユーザが現実店舗を訪れたか否かが判定されるようにしてもよい。この場合、ゲーム装置10は、現実世界における位置情報を取得するGPSセンサを含む。GPSセンサは、GPS衛星から発する信号を受信することによって、現実世界における位置情報を取得する。現実世界におけるゲーム装置10の位置が現実店舗に対応する領域内(例えば、現実店舗の敷地内)に含まれる場合に、ユーザが現実の店舗を訪れたことになる。
【0090】
ゲーム実行部54は、GPSセンサが取得した位置情報が示す位置が、現実店舗に対応する領域内に含まれるか否かを判定する。現実店舗に対応する領域は、現実店舗を含む周辺領域であり、当該領域を示す情報(例えば、現実世界の地図を表す情報)は、記憶部12に記憶されている。ゲーム実行部54は、GPSセンサが取得した位置情報が示す位置が現実店舗に対応する領域内に含まれる場合、ユーザが現実店舗を訪れたと判定し、GPSセンサが取得した位置情報が示す位置が現実店舗に対応する領域内に含まれない場合、ユーザが現実店舗を訪れていないと判定することになる。
【0091】
また例えば、現実店舗において配布されたチケットに記載されているキーワードやコード情報を、ゲーム装置10においてユーザが入力したか否かが判定されることによって、ユーザが現実店舗を訪れたか否かが判定されるようにしてもよい。この場合、現実施設を訪れると提供される情報がユーザにより入力された場合に、ユーザが現実店舗を訪れたことになる。
【0092】
現実店舗を訪れると提供される情報(以降、単に提供情報という。)とは、現実店舗において掲示された情報、又は、現実店舗においてユーザに配布される情報である。提供情報は、例えば、記号列(数字列又は文字列)、又は、コード情報(バーコード又は二次元コード)等であり、用紙等の記録媒体に記録されている。
【0093】
本変形例のゲームデータ記憶部50は、提供情報を記憶する。例えば、ゲーム装置10の入力部14を介して情報記憶媒体から提供情報が取得されるようにしてもよいし、通信部16を介して他のコンピュータから提供情報が取得されるようにしてもよい。ユーザは、ゲーム装置10の操作部13やカメラ等を用いて提供情報を入力する。ゲーム実行部54は、ユーザにより入力された提供情報と、ゲームデータ記憶部50に記憶された提供情報と、を比較して正当性を判定する。ゲーム実行部54は、ユーザにより入力された提供情報とゲームデータ記憶部50に記憶された提供情報とが一致していた場合、ユーザが現実店舗を訪れたと判定することになる。
【0094】
(6)また例えば、上記実施形態と変形例とを組み合わせてもよい。
【0095】
また例えば、実施形態においては、ゲーム課題の一例として、架空の商品又は架空のサービスの価格を値切ることを例に挙げたが、ゲーム課題は、これに限られない。ゲーム課題は、ユーザのゲームプレイに応じてクリアしたか否かを判定する課題であればよい。他にも例えば、架空の施設に配置されたチラシを表示部15に表示させることがゲーム課題に相当してもよいし、架空の施設で配布されるチラシを操作対象キャラクタ22が受け取ることがゲーム課題に相当するようにしてもよいし、操作対象キャラクタ22が架空の店舗において安くなっている商品又はサービスを見つけ出すことがゲーム課題に相当するようにしてもよい。
【0096】
また例えば、ゲームにおいて値引きに失敗した場合には、一定期間の間は値切りボタン32を選択できないようにしてもよい。即ち、ユーザがゲーム課題のクリアに失敗した場合には、一定期間の間は、クリア判定部56による判定処理が実行されないようにしてもよい。
【0097】
また例えば、現実施設及び仮想施設の一例として店舗を例に挙げたが、現実施設及び仮想施設は、店舗に限られない。他にも例えば、競技場(例えば、野球場やサッカー場)やイベント会場(例えば、コンサート会場)が、現実施設及び仮想施設に相当するようにしてもよい。例えば、架空の競技場又は架空のイベント会場で提供される架空の商品又は架空のサービスの価格が安くなった場合に、現実の競技場又は架空のイベント会場で提供される現実の商品又は現実のサービスの価格が安くなるための情報が出力されるようにしてもよい。
【0098】
また例えば、クーポン画面40の画像データがゲーム装置10に記憶されている場合を説明したが、当該画像データは、ゲーム装置10に接続された外部コンピュータから取得されるようにしてもよい。この場合、ゲーム装置10は、架空の商品又は架空のサービスの価格が安くなったことを示す情報(例えば、ゲーム課題をユーザがクリアしたことを示す情報)を、上記外部コンピュータに送信する。外部コンピュータは、当該情報を受信すると、クーポン画面40の画像データをゲーム装置10に送信することになる。
【0099】
また例えば、現実の商品又は現実のサービスを安くするための情報としてクーポン画面40を例に挙げて説明したが、当該情報は、クーポン画面40に限られない。他にも例えば、ゲーム装置10から外部コンピュータに所与のデータが出力(送信)されるようにしてもよい。この場合、外部コンピュータには、当該データと、ユーザを識別する情報(例えば、ユーザを一意に識別するコード情報)と、が関連付けられて記憶される。
【0100】
ユーザが現実世界の店舗を訪れた場合には、当該店舗に設置されたコンピュータ等により、当該ユーザに関連付けられた上記データの有無を確認することによって、安い価格で商品又はサービスを購入する権利があるユーザか否かを特定することになる。なお、ユーザを識別する情報は、ユーザが口頭で現実世界の店舗の店員に伝えるようにしてもよいし、ユーザを識別する情報をカード等(情報記憶媒体)に記録させておき、現実世界の店舗の読取装置により当該カードに記録された情報が読み取られるようにしてもよい。
【0101】
また例えば、上記においては、1台のゲーム装置において本発明に係る処理が実行される場合を説明したが、ゲーム装置とサーバ装置とを含む情報処理システムに、本発明を適用するようにしてもよい。
【0102】
図9は、情報処理システムの一例を示す図である。
図9に示すように、情報処理システム100においては、ゲーム装置10とサーバ装置110とがネットワークを介してデータ送受信可能に接続される。サーバ装置110は、制御部111、記憶部112、及び通信部113を含む。これら制御部111、記憶部112、及び通信部113のハードウェア構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部16と同様である。
【0103】
例えば、ゲームに関する各種処理が、サーバ装置110(情報処理装置)において実行されるようにしてもよい。即ち、
図5に示す機能のうち、ゲームデータ記憶部50が記憶部12を主として実現され、他の各機能が制御部11を主として実現されるようにしてもよい。
【0104】
この場合、ゲーム装置10は、ユーザの操作を受け付けたり、各種画面を表示させたりするのみで、ゲームに関する処理は、サーバ装置110により実行されることになる。サーバ装置110は、ユーザの操作内容をネットワーク及び通信部16を介して取得することにより、ゲーム処理を実行する。一方、ゲーム装置10は、サーバ装置110から画像データを取得することにより、ゲーム画面20やクーポン画面40を表示させることになる。
【0105】
また例えば、本発明は、実施形態や変形例において説明したゲーム装置以外のコンピュータにも適用することができる。他にも例えば、据え置き型ゲーム機やパーソナルコンピュータ等の各種情報処理装置に、本発明を適用するようにしてもよい。