(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5728501
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】タービンエンジンのための、突起を有する、柔軟性のある後部ベアリングマウント
(51)【国際特許分類】
F01D 25/24 20060101AFI20150514BHJP
F01D 9/04 20060101ALI20150514BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
F01D25/24 J
F01D9/04
F02C7/00 E
F02C7/00 F
F01D25/24 D
F01D25/24 T
F01D25/24 G
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-554400(P2012-554400)
(86)(22)【出願日】2011年2月24日
(65)【公表番号】特表2013-520609(P2013-520609A)
(43)【公表日】2013年6月6日
(86)【国際出願番号】FR2011050390
(87)【国際公開番号】WO2011107694
(87)【国際公開日】20110909
【審査請求日】2014年2月10日
(31)【優先権主張番号】1051358
(32)【優先日】2010年2月25日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501107994
【氏名又は名称】ターボメカ
【氏名又は名称原語表記】TURBOMECA
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デイジユ,マルク・モーリス
(72)【発明者】
【氏名】サオール,ジヤン−リユツク・ピエール
(72)【発明者】
【氏名】カソー−ビツク,ジヤン−モーリス
【審査官】
寺町 健司
(56)【参考文献】
【文献】
英国特許出願公告第00744920(GB,A)
【文献】
英国特許出願公告第00952774(GB,A)
【文献】
米国特許第05181827(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/16,24−30
F02C 7/00
Thomson Innovation
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械の軸の少なくとも1つのベアリング(7、8)をマウントするためのマウント構成部品であって、前記ターボ機械が、その可動部分を包囲する外側構造(10)と前記ベアリングを支持するケーシングとを備え、これらの二つの要素が、前記マウント構成部品によって互いに接続されるようにされている、マウント構成部品からなると共に、ターボ機械の外側構造(10)に接続され、かつ、前記マウント構成部品のための突起を形成するように構成された支持構成部品(11、21)からなるアセンブリにして、前記マウント構成部品が、ターボ機械からのガスが通過する少なくとも1つのダクト(2)と、前記ダクトを、第一に、ターボ機械の外側構造(10)に接続し、かつ、第二に、前記ケーシングに接続するように構成された複数の接続構成部品(3、4)とを備え、前記接続構成部品の少なくとも1つが、前記ダクト(2)の径方向移動を許容するように柔軟であり、前記径方向移動の振幅が、マウント構成部品の要素(2、3、4)の少なくとも1つが前記支持構成部品(11)によって支持された突起(12)と当接することによって制限されている、アセンブリであって、前記支持構成部品(11)が、ターボ機械のタービンホイール(6)のためのタービンシュラウドとして機能することのできる環状体を形成するように、ターボ機械の回転軸の方向に対して、前記ダクトの長手延在部を過ぎて長手方向下流に延びる後部延長部(11b)を備えている、ことを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
外側構造への接続のための接続構成部品(3)と、支持構成部品(11)とが、双方とも、ターボ機械の外側構造の同じフランジ(10)に固定されるように構成されている、請求項1に記載されたアセンブリ。
【請求項3】
突起(12)が、外側構造への接続のための接続構成部品(3)と相互作用する、請求項1および2のいずれか一項に記載されたアセンブリ。
【請求項4】
突起(12)が、前記ダクト(2)の半径方向外側壁と直接相互作用する、請求項1および2のいずれか一項に記載されたアセンブリ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載されたアセンブリを少なくとも1つ備えたターボ機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、航空用ターボ機械の分野、より詳しくは、回転軸のベアリングの取り付けに寄与する、航空用ターボ機械の構成部品の分野である。
【背景技術】
【0002】
航空用ターボ機械は、シングルスプールであれ、マルチスプールであれ、これらスプールの回転軸の回転を受ける単数または複数のベアリングを支える、ベアリングマウントとして知られている1つ以上の構成部品を通常備えている。そのような構成部品は、ターボシャフトエンジンの場合、フリータービンによって駆動される動力軸も支える。後部ベアリングのベアリングマウントの場合、これらは、低温域に置かれたフランジによってエンジンの外側ケースに取り付けられている一方で、その中心部はダクトの形態でエンジンからの通過ガスを有するので極高温域に置かれるため、比較的高い熱応力を受けざるを得ない。それらは、回転軸をマウントするためのベアリングが内部に配されるケースを形成する一連の構成部品に、エンジンの内部に向けて取り付けられる。これらのケースは、エンジン冷却空気やベアリング潤滑油によってぬぐわれるので、同様に比較的低温域に置かれる。したがって、このマウントを構成する様々な部品間のこれらの温度差の結果として作動中に生じるであろう径方向変位の差は、考慮されなくてはならない。
【0003】
この目的のため、後部ベアリングのためのマウントは、通常、ガスが通過すると共に構造腕材が横切る環状ダクトの形態をとり、このダクトは、ヘアピンとして知られる複雑な形状を伴う2つの部品によって外側および内側に延設される。これらのヘアピンは、ベアリングを支える中央の剛体部を外側部品に取り付ける一方、同時に、温度差によって生じる径方向変位を許容する。当該技術分野の現在の状況では、これらのヘアピンは、ベアリングが十分な剛性を確保しつつ、同時に、それら自体の柔軟性を増すために軸対称であるか、部分的に孔が開けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】英国特許第952774号明細書
【特許文献2】仏国特許第1346653号明細書
【特許文献3】米国特許第5161940号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
後部ベアリングマウントの組込設計という特別な場合には、このベアリングマウントの設計時に達成すべき相反する2つの目的があり、第一に、シャフトの回転の大きさを促進すると共に、(ターボ機械が回転軸に対して横に加速度を受けざるを得ないときを意味する)負荷要因のもとではロータが変位する程度を規制するために、十分な剛性を有することが必要となり、第二に、下側および外側ヘアピンの大きさを通して、ベアリングマウントが、構成部品の寿命を伸ばすという観点において十分な柔軟性を有することを確実にする必要がある。
【0006】
鋳造または総溶接構造のこの構成部品は、複雑であり、そのため製造コストが高く、さらには、稼働中のその機械的信頼性によっては、取るに足らない程度ではない付加的コストを生じさせることや、何回もの修理や早期寿命のせいでその構成部品の廃棄が必要となることもあるであろう。その耐久性を向上させるためには、そのような構成部品は、そのヘアピンでの可能な限りの柔軟性を有する設計にすることが重要である一方で、同時に、アセンブリ全体が、支えているシャフトの回転の位置合わせを維持するように、十分な剛性があることを保証しなければならない。
【0007】
そのような構成部品の実施形態は、英国特許第952774号明細書や仏国特許第1346653号明細書の特許出願によって与えられているが、これらの構成部品は、所望の柔軟性を確保するという単一の機能を有する特別な目的の構成部品を組み合わせることによって製造される。それらは、タービン可動部品への高度な組み込みを満たすものではない。
【0008】
本発明の目的は、寿命を改善する後部ベアリングマウントを提案することでそのような目標を達成することであり、該マウントは、支えている回転軸のベアリングを安定して保持すると共に、タービンモジュール内に存在する構成部品数を大きく低減して製造され得る。タービンモジュールは、独立したターボ機械サブアセンブリを構成するように互いに組み合わされる、少なくとも1つのタービンホイールを備えた複数の構成部品のアセンブリであり、このサブアセンブリは、そのため、機械的に独立した単一の要素として、他のモジュールとアセンブリされることができ、また、ターボ機械から取り外されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの主題は、ターボ機械の軸の少なくとも1つのベアリングをマウントするためのマウント構成部品からなると共に、前記マウント構成部品のための突起を形成する支持構成部品からなるアセンブリにして、前記マウント構成部品が、エンジンからのガスが通過する少なくとも1つのダクトと、前記ダクトを、第一に、エンジンの外側構造に接続可能で、かつ、第二に、前記ベアリングを支持するケーシングに接続可能な複数の接続構成部品とを備え、接続構成部品の少なくとも1つが、前記軸の回転軸の向きに対する、前記ダクトの径方向移動を許容するように柔軟であり、前記径方向移動の振幅が、前記支持構成部品によって支持された突起と当接する、マウント構成部品の要素の少なくとも1つによって制限されている、アセンブリであって、前記支持構成部品が、ターボ機械のタービンホイールに対向するように配置されたタービンシュラウドを形成するように、ターボ機械の回転軸の方向に対して長手方向に延在されている、ことを特徴とするアセンブリである。
【0010】
したがってこれによって、突起と接触しているか否かに応じて、構成部品の径方向の剛性が変化し、また、突起と相互作用していないときは良好な柔軟性を生じさせる。構成部品が突起と接触していなときには熱機械的疲労負荷のほとんどが生じるので、内部での応力成長が低く、増加された寿命を与える構成部品を得られる。突起と接触していないときに得られる増強された柔軟性は、熱膨張差を受ける構成部品全体の挙動を向上させる。ターボ機械の構造体に接続された径方向の突起は、ベアリングマウントの要素のうちの1つがこの突起と接触されることで、航空機の操縦負荷やジャイロ負荷形式に関連する非軸対称の付加的な動きを制限するために追加される。
【0011】
これらの接続構成部品、または、ヘアピンは、前記ダクトに接続され、構成部品全体として統合された部品を形成する。
【0012】
しかしながら、突起がベアリングマウントの一部(ダクトまたは構造的ヘアピン)と接触したままとなった場合でも、それらの構造部品は互いに剛接続ではない(摺動接触)ので、熱膨張差に関連する負荷のもとでの構造的ヘアピンの寿命を最適化することができる。そして、腐食や摩耗現象が見られるであろうが、それらは、様々な構成部品の機能や、特に、径方向剛性への効果の永続性には重大な影響は与えない。
【0013】
使用されなくてはならない構成部品数を減らし、タービンモジュールの製造を簡素化するためには、突起は、エンジンの外側構造のフランジに取り付けられた、ターボ機械のタービンホイールと対向して配置されたタービンシュラウドの長手方向の延長部を構成する支持構成部品の端部に位置される。
【0014】
有利には、外側構造への接続のための接続構成部品と、支持構成部品とは、双方とも、ターボ機械の外側構造の同じフランジに固定されるように構成される。
【0015】
1つの特別な形態では、突起は、外側構造への接続のための接続構成部品の1つと相互作用する。
【0016】
他の特別な形態では、突起は、ダクトの壁と直接相互作用する。
【0017】
他の特別な形態では、突起は、前記ベアリングを支持するケーシングへの接続のための接続構成部品と相互作用する。
【0018】
さらに他の特別な形態では、マウント構成部品は、外側構造への接続のための接続構成部品と相互作用する突起と、前記ベアリングを支持するケーシングへの接続のための接続構成部品と相互作用する突起とを備えている。
【0019】
本発明はまた、上に記載したような、回転軸のベアリングのうちの1つをマウントするための少なくとも1つのマウント構成部品を備えたターボ機械に関する。
【0020】
純粋に説明的で限定することのない例によって与えられた本発明の1つ以上の実施形態の、説明用添付図面を参照しての以下の詳細な説明的記載を通して、本発明は、より理解されるであろうし、また、本発明の他の主題、詳細、特徴および効果が、より明確に明白となるであろう。
【0021】
その記載において、半径の、軸の、長手方向の、のという用語は、ターボ機械の回転軸に関連しており、上流および下流のという用語は、この同じターボ機械を通って流れるガスにおける方向を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、従来技術の実施形態による、ヘアピンを伴う後部ベアリングマウントの斜視図である。
【
図2】
図2は、ヘアピンを伴うベアリングマウントを備えたタービンエンジンの断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態によるタービンエンジンの断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第2実施形態によるタービンエンジンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、米国特許第5161940号明細書に記載されたベアリングマウントを示している。その特許の例においては、フレキシブルケージの技術は、記載されたベアリングマウントのみに適用され、流路ダクトの部分を組み込んでいるベアリングマウントにまで拡張されていない。これは、これらの構成部品が、設計およびエンジニアリング、すなわち、熱負荷およびエアロダイナミクス性能のもとでの寿命に関する最適化、に関してさらなる技術的困難を示していたからである。
【0024】
ヘアピンタイプのベアリングマウントを備えたタービンエンジンのガスジェネレータの高圧タービンの下流に置かれた部分を示す
図2を参照する。このベアリングマウントは、通常の動作中および操縦負荷のもとでのシャフトの回転の保持に必要となる径方向の目標剛性によって許容される程度だけの孔が開けられている構造的ヘアピンを有している。ガスジェネレータからのガスは、外側ヘアピン3によってエンジンの外側構造に接続されると共に内側ヘアピン4によってベアリングケーシングに接続されたタービンの間で、ダクト2を通過する。タービンと2つのヘアピン3および4との間のダクト2からなるアセンブリは、エンジンの後部ベアリングマウント1を構成する。この後部ベアリングマウントの下流で、ガスは、フリータービン5のノズルガイドベーンを通過した後、そのエネルギーを伝えるフリータービンホイール6を通過する。フリータービンホイールは、2つのベアリング7および8を介して構造体に対して回転すると共にエンジンからのパワーを回収するドライブシャフト9に機械的に接続されている。これらの2つのベアリングは、後部ベアリングマウント1によってそれらが接続されているエンジン構造体によって、それら自体、支持されている。
【0025】
従来技術のこの構成では、ベアリングマウントに若干の柔軟性を与えるために、しかしながら、構成部品の半径方向の剛性やベアリングの保持を悪化させないために厳しい限度内に、上側ヘアピンは、その周囲に少しだけ孔が開けられている。したがって、ベアリングマウントのヘアピンの柔軟性は、相対的に制限されており、その結果、その移動自由度は、熱機械的な原因としての径方向荷重に対して十分ではなく、したがって、ベアリングマウントは十分な耐久性を有していない。
【0026】
今度は、本発明の第1実施形態を示す
図3を参照する。上側ヘアピン3は、外側で、エンジンの構造体であるフランジ10に取り付けられ、フリータービンのタービンシュラウド11もフランジに取り付けられており、タービンシュラウドは、後部延長部11bによって、タービンホイール6でのガス流路の外側への径方向の密閉を提供する構成部材である。第1実施形態では、タービンシュラウド11は、フランジ10からエンジン前方へと延在する、円環形状の前部延長部11aも有しており、その前端は、ヘアピン3が変形されてエンジンの回転軸方向に移動するときにヘアピン3を規制する径方向突起12を形成する外方延出部を有している。突起12を付加することは、ヘアピン3の柔軟性およびダクトと外側フランジとの間の熱膨張差の吸収能力を増加させるために、柵を備えたかごのように、ヘアピン3に孔をさらに開けることができるということを意味する。
【0027】
本発明の第2実施形態を示す
図4を参照する。ベアリングマウントの第1実施形態と同一の要素には同一の参照符号が付されており、再度の説明はされない。ヘアピン3は、同じようにフランジ10に取り付けられており、タービンシュラウド11もフランジに取り付けられている。この構成では、このシュラウドがただ1つの延長部11bを有しており、タービンホイール6の領域における延長部11aは省略されている。しかしながら、フランジ10に取り付けられ、エンジン前方方向に延出している、円環形状の支持構成部品21が付加されている。前実施形態と同様に、これは、径方向突起22で終わっているが、今度は、外側ヘアピン3と対向するのではなく、ベアリングマウント1のダクト2の後端の領域に位置されている。それは、ダクト2がエンジンの外方へと移動するのを防止するように示されているが、いずれの実施形態においても、突起は円環状とされており、同じように機能し、図に見られるような突起の部分を用いるか、径方向に反対側の部分を用いて、ベアリングマウントをブロックすることで、ベアリングマウントの移動を制限する。
【0028】
第1実施形態とするか第2実施形態とするかが考えられるが、突起12や22は、エンジンが稼働しておらず、この構成が必須でなければ、対向する上側ヘアピン3やダクト2の部分に対して若干セットバックされても良い(これは図示されていない)。このセットバックは、ヘアピン3および4の柔軟性の結果として、熱機械的負荷のもとでのベアリングマウント1の径方向移動を許容する。この移動は、第1実施形態における上側ヘアピン3、または、第2実施形態におけるダクト2が対応する突起と接触しない限り可能である。その上、航空機の操縦負荷に関連する、ベアリングマウントのどのような横移動も、対応する突起によって制限され、ヘアピンによって可能となったベアリングマウントの径方向移動における柔軟性は、突起と当接することによって無効化される。
【0029】
タービンシュラウド11の延長部11aであれ、支持構成部品21の延長部であれ、前方延長部の剛性は、対応する突起12または22との当接時にベアリングマウント1の横移動を防止するのに十分に高いことは言うまでもない。
【0030】
第1実施形態による本発明の動作の仕方をここに説明する。第2実施形態による動作も全く同一である。
【0031】
作動中、ベアリングマウント1は、熱機械的負荷の影響のもと、または、航空機に作用する負荷要因の影響のもとで動かされ得る。この移動は、応力がベアリングマウントの周囲に均等に分配されるときに環状の形で(熱機械的変形の場合)、または、非軸対称の形で(負荷要因の場合)生じる。ヘアピン3および4は、本発明では柔軟なかごの形であり、それらをより柔軟にするために、従来技術のものよりもより多くの長孔が開けられている。その結果、ベアリングマウント1は、突起12に当たらない限り、応力に応えてより自由に移動する。このように、応力はヘアピンにおいて発達せず、したがって、ヘアピンはより良好な疲労耐性と延長された寿命とを有する。
【0032】
この増強された柔軟性によって許容された第1の変形に続いて、ヘアピン3は、突起12と、さらなる負荷があるとき、特に航空機の操縦時には、その扇型セクタの少なくとも1つと当接する。突起とベアリングマウントとの間のセットバックは、これら2つの構成部品が熱機械的負荷のみのもとで互いに接触しないように最適化される。このダクト2の移動制限は、ベアリングマウント全体の剛性の維持と、軸をエンジン対称軸に出来るだけ近い位置に維持する必要性とによって、必要なものとされる。
【0033】
しかしながら、この制限に到達しない限りは、ベアリングマウントは、ヘアピン3および4の柔軟性の結果としてより自由に変形し得る。従来技術では、ヘアピンの柔軟性は低く、疲労寿命を縮める応力はより速く高いレベルに達するが、本発明におけるこの発達はより遅い段階で生じる。結果として、ベアリングマウント2の寿命を非常に顕著に向上させる。
【0034】
この向上されたベアリングマウントの動作は、エンジンの全周囲にわたって延在する突起12または22と共に説明された。本発明は、この周囲に均等に分配された複数の突起と共に好適に達成され得る。環状形状に示された突起12および22は、軸対称構成部品である必要性はなく、それらの熱機械的挙動を最適化するために軸対称ではなくてもよい(孔や長孔)。
【0035】
本発明は、多くの特定の実施形態と共に説明されたが、本発明の範囲内において、説明された手段と技術的に等しいすべてのものや、その組み合わせを含むことは、極めて自明である。