特許第5728566号(P5728566)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5728566イオン注入を用いて基板のパターン化特徴を変更するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5728566
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】イオン注入を用いて基板のパターン化特徴を変更するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20150514BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20150514BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20150514BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20150514BHJP
【FI】
   H01L21/30 570
   H01L21/302 105A
   H01L21/265 F
   !H05H1/46 A
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-500167(P2013-500167)
(86)(22)【出願日】2011年3月16日
(65)【公表番号】特表2013-527595(P2013-527595A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】US2011028583
(87)【国際公開番号】WO2011116039
(87)【国際公開日】20110922
【審査請求日】2014年3月11日
(31)【優先権主張番号】13/046,136
(32)【優先日】2011年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500239188
【氏名又は名称】ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100147692
【弁理士】
【氏名又は名称】下地 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】ルドヴィック ゴデ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック エム マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ジェイ ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクラム シング
【審査官】 赤尾 隼人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/022635(WO,A2)
【文献】 国際公開第2010/114961(WO,A2)
【文献】 特開2001−358061(JP,A)
【文献】 特開2008−198988(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0263751(US,A1)
【文献】 特開2003−347734(JP,A)
【文献】 特開2009−267352(JP,A)
【文献】 特開2010−010417(JP,A)
【文献】 特開2010−040571(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027;21/26−21/268;21/302;
21/322−21/326;21/42−21/428;
21/477−21/479;29/66
H05G 1/00−1/54
G03F 7/00;7/26−7/42
H01J 37/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をパターニングする方法であって、
第1組のパターン化レジスト特徴を前記基板上に提供するステップと、
前記基板に対して、ある入射角度範囲にわたり前記基板に入射するイオンを供給するように操作可能なプラズマシース調整器から引き出されるイオンの第1の照射に、前記第1組のパターン化レジスト特徴をさらすステップと、
第2組のパターン化レジスト特徴を形成するように、前記基板にリソグラフィーパターニングプロセスを行うステップと、
を含
前記プラズマシース調整器は、第1の絶縁体部分と第2の絶縁体部分とを備え、これらの絶縁体部分間に画定されるギャップに近接するプラズマの境界の形状が、前記基板の平面に対し凸形状となるようにする、基板をパターニングする方法。
【請求項2】
ダブルパターニングリソグラフィープロセスを用いて、前記第1及び第2組のパターン化レジスト特徴を形成する、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記イオンの第1の照射は、前記第1組のパターン化レジスト特徴を硬化させて、前記第2組のパターン化レジスト特徴を形成するために用いられる前記リソグラフィーパターニングプロセスの間に、前記第1組のパターン化レジスト特徴を無傷のまま残すように操作可能である、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記イオンの第1の照射は、不活性ガスイオンの暴露を含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記イオンの第1の照射のイオンエネルギーは、20keV未満である、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1組のパターン化レジスト特徴のライン幅ラフネス(LWR)は、前記イオンの第1の照射後に実質的に低減される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1及び第2組のパターン化レジスト特徴を、広い角度範囲にわたり前記基板に入射する第2の照射からのイオンを供給するように操作可能な前記プラズマシース調整器から取り出されるイオンの第2の照射にさらすステップをさらに含み、
前記第2組のパターン化レジスト特徴のライン幅ラフネス(LWR)が、前記イオンの第2の照射後に低減される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記入射角度範囲は、0°を中心に、+60°と−60°との間である、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の照射は、ライン幅ラフネス(LWR実質的に低減するのに十分である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1及び第2組のパターン化レジスト特徴は、シリコンベースの特徴である、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施態様は、デバイス製造の分野に関する。特に、本発明は、デバイスを製造するために、基板をパターニングし、基板にイオンを注入する、方法、システム及び構造に関する。
【背景技術】
【0002】
光リソグラフィーは、電子デバイスの製造に用いられることがよくある。それは、基板をパターニングして、そのパターンにしたがって回路を基板に形成し得る、プロセスである。図1a〜1eを参照するに、光リソグラフィープロセスの簡易化した例示が示される。一般に、基板112は、光硬化性のポリマーフォトレジスト114でコーティングされる(図1a)。次いで、所望のアパーチャパターンを有するマスク142が、基板112と光源(図示せず)との間に配置される。光源からの光10は、マスク142のアパーチャを経て、基板112を照らし、マスク142のアパーチャ(すなわち、パターン像)を透過した光は、フォトレジスト114上に投影される。フォトレジストの一部114aは、光10をさらされて硬化するのに対し、フォトレジストの残りの部分114bは、未硬化のままである(図1b)。結果として、マスクのアパーチャの像は、フォトレジストの硬化部分114aにより、形成する。
【0003】
図1cに例示するように、フォトレジストの未硬化部分114bは、はがされ、マスクのアパーチャパターンに対応する三次元フォトレジストの特徴、すなわちレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aが基板112に残る。次いで、基板112をエッチングして、マスクのアパーチャパターンのネガの像に対応するトレンチ116を形成することができる(図1d)。残存するフォトレジスト114aを除去して、パターニングされた基板を形成することができる(図1e)。金属層をトレンチに堆積すれば、所望のパターンを有する回路を基板112に形成することができる。
【0004】
図2を参照するに、マスクのアパーチャパターンの像を基板に投影するための従来の光リソグラフィーシステム200が示される。光リソグラフィーシステム200は、光源222、光結合器232及び集光レンズ234を備える。さらに、光リソグラフィーシステム200は、所望のアパーチャパターンを有するマスク142及び投影レンズ252を備えることができる。図に例示するように、所望の波長を有する光は、光源222から、照明器230として知られている、光結合器232及び集光レンズ234に放射される。照明器230では、光10は、拡大され、均一化され、集光され、または、さもなければ調整される。次いで、光10は、基板112上に投影すべき所望のアパーチャパターンを有しているマスク142を照射する。マスク142のアパーチャを透過した光10は、マスク142のアパーチャパターンの情報を含むことができる。次いで、光10は、投影レンズ252により捕捉され、投影レンズ252は、光10、すなわち、マスクのアパーチャパターン像を、基板112上に堆積したフォトレジストに投影する。パターン像を投影する際に、投影レンズ252は、パターン像を1/4又は1/5に縮小させることができる。
【0005】
より小さい特徴サイズ(例えば、トレンチの幅)を有する回路パターンを生成するために、いくつかの変更手段がプロセスに実装されている。当技術分野で周知のように、小さい特徴の鮮明な像を投影する能力は、とりわけ、プロセスで用いられる光の波長に依存する。現在は、365nm、248nm及び193nmの波長のUV光が用いられている。特に、13.5nmの幅の回路を生成するために、波長が193nmのフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザーが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光リソグラフィーは、高スループットの効率的なプロセスであるけれども、そのプロセスは欠点がないわけではない。1つの欠点は、ライン幅ラフネス(LWR)又はラインエッジラフネス(LER)を含むことである。当技術分野で周知のように、LWRは、フォトレジストの未硬化部分114bを基板からはがした後に形成される、フォトレジスト特徴の幅の過度なバラツキである。バラツキがフォトレジストのレリーフ、すなわち特徴の側面に生じる場合に、そのバラツキはLERとして周知である。バラツキはエッチングの間にトレンチに受け渡され、最終的に回路に受け渡されるので、LWR又はLERに起因するラフネス又はバラツキは不都合である。バラツキは、フォトレジストのレリーフ又はトレンチの特徴サイズの縮小に伴って、一層深刻になる。例えば、13.5nmの特徴サイズを生成する193nmの波長光でのリソグラフィープロセスでは、4nm以上のバラツキが観察されている。LWR及びLERのようなラインラフネス効果を含むパターン化レジスト特徴の幾何学的形状は、下位層のパターニング中に、レジスト層からデバイスの下位常在層へと転写されるため、LWR及びLERは、約100nm未満の寸法に対して容認できる品質のデバイスを形成する能力を制限することになる。このようなバラツキは、不均一な回路をもたらし、結局は、デバイスの悪化又は不良につながる。さらに、設計基準に応じて、デバイス性能は、短いか、中位か、又は長い範囲のラフネスのうちのどちらかにより、もっと影響を受けたりする。
【0007】
いくつかのアプローチが、LWR及びLER効果に対処するために、試みられた。一例では、ドライ化学エッチングプロセスが用いられ、そのプロセスは、レジストを除去する能力はあるも、概して、分離した特徴とは対照的に、密にパターン化された領域ではレジストの除去が異なる、パターン依存のローディング効果を受ける。このようなドライ化学エッチングプロセスは、好ましくない欠陥をレジストパターンにも与え、歩留まり損失をもたらす。さらに、レジストにおけるLWR/LER効果に対処するために用いられるプロセスは、パターン化すべき下層の特徴の限界寸法(CD)の厳格な制御を維持するために、レジストの高さ、幅及びプロファイルといったようなレジスト本来の特性をそのまま残すことが重要である。
【0008】
LWR及びLER効果に対処するために用いられる別のアプローチは、ラフパターンに紫外線ランプを当てることによる深紫外線(DUV)硬化を用いることであり、ラフ線を滑らかにするために放射露光による加熱を用いる。このアプローチは、線分の隅部でパターンをプルバックさせる好ましくない副作用をもたらし、デバイスを役に立たなくするように、線を変形させる。
【0009】
線又は他のパターンが照射光の回折限界以下の限界寸法(CD)特徴サイズを有している、レジストの紫外線リソグラフィー処理の回折限界に対処するために、ダブルパターニングリソグラフィー(DPL)が開発された。自己整合のダブルパターニングリソグラフィー及び化学凍結(chemical freeze)リソグラフィーを含む複数のアプローチが、DPLを首尾良く行なうのに用いられた。しかしながら、これらのプロセスの各々は、コスト及び/又は歩留まりについて、利点及び欠点いずれも有する。
【0010】
レジストパターニングの制御に関する前述の課題に加えて、形成後のパターン化基板の特徴のサイズ及び形状の制御が課題として残る。ポリシリコンもしくは金属のゲート、又は、シリコンフィンのようなデバイスを形成するのに用いられるパターニング基板の特徴のためのエッチング条件の制御が、エッチング後のそのような特徴の最終的な形状及びサイズを定めるのに重大であることは周知である。さらに、イオン注入のような処理ステップは、そのような基板の特徴、特に、約100nm以下の大きさを有する特徴の形状及びサイズに影響を及ぼし得る。例えば、シリコンフィンを有するデバイスにドーピングをするための基板へのイオン注入は、不注意にフィンのエッチング/スパッタリングを引き起こし得る。場合によっては、シリコンフィンは、形成すべきフィンベースデバイスのデバイス特性を実質的に変更し得る顕著なファセッティングを生じさせ得る。
【0011】
上記を考慮すると、レジストリソグラフィープロセス及びデバイスドーピングプロセスのようなデバイス特徴のパターニングに影響を及ぼすプロセスを改善する必要があり、100nm未満の限界寸法(CD)デバイスのような非常に小さい特徴サイズを必要とする技術は特に改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施態様は、特に、パターン化レジスト特徴又は永続的なパターン化基板の特徴のようなレリーフ特徴を処理することにより、基板をパターニングすることを改善するための方法及びシステムに関する。一例では、レジスト特徴を処理する方法は、基板の第1の面に1組のパターン化レジスト特徴を有する基板を、プロセスチャンバー内に位置付けるステップと、基板の第1の面に隣接するプラズマシースを有するプロセスチャンバー内にプラズマを生成するステップと、を含む。その方法は、さらに、プラズマとプラズマシースとの間の境界の形状の一部が、プラズマに面する基板の前面により規定される平面に対して平行にならないように、境界の形状をプラズマシース調整器で調整するステップを含み、プラズマからのイオンは、最初のイオン照射の間に広い角度範囲にわたりパターン化レジスト特徴に衝突する。
【0013】
別の実施態様では、基板をパターニングする方法は、第1組のパターン化レジスト特徴を基板に提供するステップを含む。その方法は、さらに、広い角度範囲にわたり基板に入射するイオンを供給するように動作可能なプラズマシース調整器から引き出される最初のイオン照射に、第1組のパターン化レジスト特徴をさらすステップと、第2組のパターン化レジスト特徴を形成するように、基板にリソグラフィーパターニングプロセスを行うステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1a】従来の光リソグラフィープロセスのステップを例示する基板の概略断面図である。
図1b】従来の光リソグラフィープロセスのステップを例示する基板の概略断面図である。
図1c】従来の光リソグラフィープロセスのステップを例示する基板の概略断面図である。
図1d】従来の光リソグラフィープロセスのステップを例示する基板の概略断面図である。
図1e】従来の光リソグラフィープロセスのステップを例示する基板の概略断面図である。
図2】マスクのアパーチャパターンの像を基板に投影するための従来の光リソグラフィーシステムの概略図である。
図3a】本発明の一実施形態による基板処理システムの概略図である。
図3b】本発明の実施形態により提供されるような基板に入射するイオン粒子の例示的な角度分布を示す図である。
図4】本発明の例示的特徴を示すプラズマシース調整器及びレジスト特徴の概略断面図である。
図5】a〜dは、三次元レジストパターンを処理する実施形態の例示的な結果を示す図である。
図6】既知のイオン注入にさらした後のパターン化シリコン特徴を示す図である。
図7】例示の広角度範囲のイオンフラックスにさらした後のパターン化シリコン特徴を表わす図である。
図8a一実施形態による三次元処理の断面図である。
図8b一実施形態による三次元処理の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を、以下に、本発明の望ましい実施形態を示す添付図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全となり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。図面において、同様の番号は全体にわたって同様の要素を示す。
【0016】
前述した方法に関連する欠陥を解決するために、基板をパターニングするための新規性及び進歩性のある技術及びシステムを紹介する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、パターン化されたフォトレジストの特徴のような、最終的に除去すべき一時的な基板の特徴を処理することを含むことができる。他の実施形態では、本発明の方法は、半導体の構造のような永久的なデバイスの特徴を処理することを含むことができる。特に、本発明は、レジスト特徴におけるLWR及びLERを改善すると云ったような、レジスト特徴の品質を改善するためにイオン注入プロセスを伴う技術に焦点を当てる。本明細書に開示するプロセスは、非常に小さいピッチ、例えば、約250nm未満のピッチを有するアレイに組み込まれる特徴を含む、狭い特徴を形成するためのプロセスとともに用いることができる。そのようなプロセスは、従来の、深紫外線(DUV)リソグラフィー、ダブルパターニングリソグラフィー、自己整合のダブルパターニングリソグラフィー及び他のリソグラフィープロセスを含む。しかしながら、当業者は、本明細書に開示した技術が、任意の特定のリソグラフィー又は任意範囲の大きさのレジスト特徴とともに用いることに限定されないことを認識するであろう。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態は、非常に小さい大きさのレジスト特徴を処理するのにプラズマ浸漬注入プロセスを用いる。三次元(3D)構造を処理する新技術を含むいくつかの実施形態を開示する。明瞭性及び簡潔性のために、実施形態を、多くの角度に配向された面を有するフォトレジストを処理する技術として説明する。しかしながら、当業者は、本発明がそれらに限定されないことを認識するであろう。その構造は、異なる角度に配向された面を有する任意タイプの構造であってもよい。
【0018】
実施形態を、プラズマベースの基板を処理するシステムを用いる技術としても説明する。しかしながら、当業者は、プラズマスパッタリングの他に、ビームラインイオン注入システムも含む、他のタイプの原子より小さな素粒子、原子の粒子又は分子の粒子ベースの基板処理システムが、本発明の範囲内であることを認識するであろう。
【0019】
図3aを参照するに、本発明の一実施形態による三次元構造を処理する基板処理システム300が示される。図3bは、フォトレジストを処理する粒子の角度分布を例示している。図面は必ずしも正確な縮尺ではない。
【0020】
図3aに例示するように、システム300は、基板112及び基板112を支持するプラテン304がその中に配置されるプロセスチャンバー302を含むことができる。本発明では、基板112は、金属、半導体、又は絶縁材料ベースの基板とすることができる。本発明では、パターン化されたフォトレジストを基板上に配置することができる。パターン化フォトレジストは、未硬化部分をはがした後に、基板に残存しているフォトレジストの硬化部分とすることができる。
【0021】
システム300は、プロセスチャンバー302内に含まれるプラズマ306を生成するプラズマ源(図示せず)も含むことができる。プラズマ源は、その場の又は遠隔地の、誘導結合プラズマ源、容量結合プラズマ源、ヘリコンプラズマ源、マイクロ波プラズマ源又は任意の他のタイプのプラズマ源とすることができる。
【0022】
プラズマ306と基板112との間に、1つ以上のプラズマシース調整器(plasma sheath modifiers)312を配置することができる。本実施形態では、プラズマシース調整器312は、互いにギャップ「y」だけ相隔たる一対の調整器パーツ312a及び312bを備えることができる。別の実施形態では、プラズマシース調整器312は、単一の調整器パーツを備えることができる。さらに他の実施形態では、プラズマシース調整器312は、ギャップを規定する互いに相隔たる3つ以上の調整器のパーツを備えることができる。
【0023】
プラズマシース調整器312は、プラズマシースの電界を調整することができる。いくつかの実施形態では、プラズマシース調整器312を正に又は負に帯電させることができる。プラズマシース調整器312は、電気的絶縁材料(例えば、ガラス)又は導電材料(例えば、金属)又はその組合せで作ることができる。システム300が2つ以上の調整器パーツを含む場合、これらのパーツは同じ又は異なる材料で作ることができる。例えば、システム300はプラズマシース調整器312を含むことができ、プラズマシース調整器312は2つの調整器パーツ312a及び312bを備えることができる。調整器パーツ312a及び312bは、同じ又は異なる材料で作ることができる。
【0024】
プラズマシース調整器312が2つ以上のパーツを備える場合、これらのパーツは同じ平面又は異なる平面に配置することができる。例えば、処理システム300内に含まれるプラズマシース調整器312は、2つの調整器パーツ312a及び312bを備えることができる。調整器パーツ312a及び312bは、基板112と各調整器パーツとの間の垂直間隔「z」が同じとなるように、同一平面内に配置することができる。別の実施形態では、プラズマシース調整器312は、2つの調整器パーツ312a及び312bを備えることができ、各調整器パーツ312a及び312bは、基板112から異なる垂直間隔「z」だけ相隔てることができる。プラズマシース調整器を備える処理システムの追加の説明は、米国特許同時係属出願第12/418,120号、2009年4月3日に出願し米国特許番号7,767,977として発行された米国特許同時係属出願第12/417,929号、及び米国特許同時係属出願第12/644,103号に見いだすことができ、各々は、本明細書にその全体が参照用として組み込まれるものとする。
【0025】
動作中、その場で又は遠隔地で生成されたプラズマは、プロセスチャンバー302内に含めることができる。プラズマ306は、所望の種の電子、陽子、原子イオン又は分子イオン、中性イオン及びラジカルイオンを含むフラグメントを含むことができる。本発明では、プラズマ306は、基板112上の材料をドープしたり、エッチングしたり、又は堆積したりするのに用いることができる。プラズマ306中に含まれる種は、1つ以上の特定の種に限定されない。種は、I族及び3A〜8A族からの1つ以上の元素を含むことができる。プラズマ306に含まれる種の例は、水素(H)、ヘリウム(He)又は他の希ガス、炭素(C)、酸素(O)、窒素(N)、ヒ素(As)、ホウ素(B)、リン(P)、アンチモン、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、カルボランC2B10H12又は他の分子化合物を含むことができる。図3aに例示するように、プラズマ306は、その周辺付近にプラズマシース308も含み得る。本実施形態では、プラズマシース308は、正に帯電したイオン310を含み得る。
【0026】
図に示すように、プラズマシース308は、プラズマ306との境界により表される。しかしながら、プラズマシース308は、プラズマ306のエッジから、プラズマ306の周りの物体の表面まで、例えば、チャンバー302の壁及び基板112の表面までの有限距離を伸びることは理解されるであろう。
【0027】
基板112は、DC又はRFバイアス電源(図示せず)により、バイアスをかけられるので、プラズマシース308又はプラズマ306内のイオン310は、基板112の方へと向けられる。基板112に印加するバイアス信号は、DCであろうと、RFであろうと、連続的又はパルス状にすることができる。
【0028】
プラズマシース調整器312は、イオン310の入射角度分布を制御するために、プラズマシース308の形状を変えることができる。例えば、プラズマシース調整器312は、プラズマシース308の電界を調整することができ、プラズマシース308の形状を変えることができる。本実施形態では、プラズマシース調整器312は、少なくともプラズマシース308の一部を、バルクプラズマ306に対して凹形のプラズマシース(調整済みシース308b)、又は、バルクプラズマに対してドーム形の(凸形の)プラズマに変えることができる。基板112にバイアスがかけられている場合、基板112の方に引き付けられるイオン310は、調整器パーツ312aと312bとの間のギャップ「y」にわたり広範囲の入射角度で進むことができる。従来のプラズマベースの処理システムでは、基板に最も近いプラズマシースは、基板に対して平行である。基板にバイアスがかけられている場合、イオンは、プラズマシースにほぼ垂直、従って、基板にほぼ垂直な経路で進む。結果的に、従来のプラズマ処理システムにおけるイオンの入射角度範囲は、−3°〜+3°である。しかしながら、本実施形態では、イオン310の入射角度は、変更した調整済みのシース308bで変更され得る。図3aに例示するように、調整シース308bは、基板に対し多様な角度を成している。そのため、調整シース308bに垂直に進むイオン310は、多様な角度で進むことになる。調整シース308bの異なる部分から基板112に進むイオン310は、異なる入射角度を有することができ、従って、イオン310は広範囲の入射角度を有する。図3bに例示するように、イオン310の入射角度の範囲は、約0°を中心に、約+60°と約−60°との間の範囲になり得る。いくつかの実施形態では、イオン310の入射角度は、プラズマシース調整器312により生成される電界により、さらに調整することもできる。
【0029】
これらに限定はされないが、プラズマシース調整器312の構成及び特性を含む多くの要因に応じて、イオンの入射角度はさらに調整することができる。そのような要因の例は、調整器パーツ312aと312bとの間の水平間隔(Y)、プラズマシース調整器312と基板112との間の垂直間隔(Z)、基板112と各調整器パーツ312a及び312bとの間の垂直間隔の差(z)(図示せず)、及びプラズマシース調整器312の電気特性を含むことができる。イオンの入射角度及び/又は入射角度分布を調整するように、他のプラズマプロセスパラメータを調整することもできる。追加の説明は、米国特許同時係属出願第12/418,120号、第12/417,929号、及び第12/644,103号に見いだすことができ、これらの各々は、本明細書にその全体が参照用により援用される。
【0030】
プラズマシース308を調整することにより、種々の角度に配向された面を有する三次元構造を、等角的に又は等方的に処理することができる。以下に述べるように、例えば、三次元のフォトレジストレリーフのような三次元構造の多表面を同時に等方的に処理するのに、調整済みプラズマシース308bを用いることができる。
【0031】
図4を参照するに、本発明の一実施形態による三次元構造を処理する技術が示される。本実施形態では、この技術は三次元のフォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aに含まれるLER及びLWRを低減するのに用いることができる。前述したように、LER及びLWRは、光リソグラフィーの間で、フォトレジストの未硬化部分を除去した後に得られる三次元のフォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aに、生じ得る。本実施形態では、フォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aに含まれるLER及びLWRは、レリーフ(フォトレジストの硬化部分114aの種々の面上に、プラズマシース調整器312を用いて、プラズマ支援ドーピング(PLAD)又はプラズマ浸漬イオン注入(PIII)プロセスを実施することにより、低減することができる。図面は必ずしも正確な縮尺ではないことを、当業者は認識するであろう。
【0032】
図4に例示するように、側面114a−1及び頂面114a−2を有する三次元のフォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aは、基板112上に配置される。基板112及びフォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aは、プラズマシース調整器312を含むプラズマ処理システム内に配置し、プラズマは基板112の近くに配置する。その後、プラズマ内のイオン310は、プラズマシース調整器のパーツ312aと312bとの間のギャップを通って、フォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aの表面へ向かわせることができる。図に例示するように、イオン310は、多様な入射角度で向かわせることができる。
【0033】
本実施形態では、イオン310は、フォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aの側面114a−1及び頂面114a−2に注入することができる。様々なイオン種を注入することができるけれども、本発明では、ヘリウム(He)イオン又はアルゴン(Ar)イオンを注入することができる。レジストへのイオンの照射時間は、広範囲をカバーするけれども、本発明の実施形態では、照射時間は、約1秒から数分に変えることができる。
【0034】
本発明に従って配置したプラズマ処理システム(PSMシステム)のLERに対する効果を調べるために、実験を行った。以下において、用語「PSMシステム」又は「PSMプラズマシステム」とは、広範囲の角度分布のイオンをプラズマの一部に隣接して位置付けた基板の方に供給するために、プラズマシース調整器を用いる、プラズマ処理システムのことを言う。イオン入射角度に関連して用いる用語「広い」、「広範囲」又は「広角度範囲」は、約5度以上の全範囲にわたる一組の角度のことを言う。図3bに例示するような、広角度範囲にわたり分布するイオンのドーズを含む照射を与えるために、プラズマシース調整器を用いた。いくつかの例では、用語「引き出しプレート」とは、プラズマシース調整器のことを言うために用い、これは、調整プラズマシース(要素308bを参照)の形成を誘導し、また、イオンが広角度範囲にわたり基板に衝突するようにプラズマからイオンを引き出すアパーチャを有するプレートを備えることができる。
【0035】
図4を再び参照するに、約40nmの公称限界寸法(CD)を有する一組のレジストラインに、例示の引き出しプレートを用いて3kVのHeプラズマを照射した。Heイオン310をフォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aの頂面114a−2及び側面114a−1の両方に3〜4kVで注入することにより、LERは5.6nmから3.2nmに改善され、LER及びLWRで約40%の改善が観察された。プラズマシース調整器312を用いてHeイオンを注入することにより、改善がフォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aの複数の面(側面114a−1及び頂面114a−2に同時に、等方的に生じた。
【0036】
さらに、フォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aのごく僅かの限界寸法の収縮が観察された。特に、レジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aにHeイオン310を多様な入射角度で注入した場合、処理前の39.1nmの測定限界寸法(CD)は、処理後に37.6nmに収縮しただけで、僅か4%の収縮に相当した。最小限のファセッティング形成又はスパッタリングも観察された。PLAD又はPIIIプロセスは低エネルギープロセスであるので、イオン310が注入される深さは非常に浅い。そのため、例えば、レジストの収縮及び/又はスパッタリングのような、イオン注入により生じるフォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aに対する変化は最小であり得る。
【0037】
様々な実施形態で、パターン化レジスト特徴に対する最適ラインのラフネスは、パターン化レジストを用いて下層基板に作成すべきデバイスの性質に依存し得る。従って、本発明の実施形態では、所望のラフネス特徴に最適に低減させるために、一組のパラメータを調整することができる。これらのパラメータは、とりわけ、イオンタイプ、イオンエネルギー、レジストタイプ、レジスト特徴のサイズの他に、プラズマシース調整器に関連する幾何学的特徴を含むことができる。再び図3aを参照するに、幾何学的特徴は、水平間隔Y、垂直間隔Z及び他の要因を含み、これらは、米国特許同時係属出願第12/418,120号、第12/417,929号、及び第12/644,103号に詳細に開示されている。
【0038】
前述の例示のシステム、方法及び構成は、一般に、LWR/LERの低減、高周波、低周波及び中周波のラフネスのバラツキの低減、並びに類似のパターン化レジスト属性のような、改善されたラフネスの結果を提供するために、任意の組合せで用いることができる。
【0039】
ライン幅ラフネスを低減することに加えて、いくつかの実施形態により、フォトレジスト特徴の多数表面の同時等方的硬化を誘発することができる。再び図4を参照するに、広角度範囲のイオンフラックスにさらした後、フォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aとして概略的に表わすパターン化レジスト特徴に等方的な硬化が観察された。ダブルパターニングリソグラフィー(DPL)プロセス又は自己整合のダブルパターニングリソグラフィー(SADPL)プロセスを達成するために、追加の光リソグラフィープロセスを実施する場合、フォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aの同時等方的硬化は有利であり得る。DPL又はSADPLでは、第1のリソグラフィープロセス中に形成された2つの元のフォトレジストレリーフの間に、追加のフォトレジストレリーフを生成するために、第2のリソグラフィープロセスを実施する。追加のフォトレジストレリーフの形成により、それらの間の距離が減少することになり、基板112に、さらにより短い幅のトレンチをもたらすことができる。第2のリソグラフィープロセスの間に、化学的処理を行なうことができる。この実施時に、第1のリソグラフィープロセスの間に形成されたフォトレジストレリーフの構造は、悪影響を受け得る。本実施形態では、等方的に硬化したフォトレジストレリーフ(フォトレジストの硬化部分114aは、第2のリソグラフィープロセスに関連する化学的処理に耐えることができる。そのため、DPL又はSADPLを達成するための追加のリソグラフィープロセスが可能である。
【0040】
図5a〜dは、三次元のレジストパターンを処理する実施形態の例示的な結果を表わす。本例では、例示的なレジスト硬化プロセスの動作を明確にするために、いくつかの異なるタイプのレジスト特徴には、広角度範囲のイオンを与えるため、例示の引き出しプレート(プラズマシース調整器)を用いて、イオンを照射した。図5aを参照するに、基板500は、プレートのような例示のプラズマシース調整器312を用いて、広角度分布のイオンに例示的に照射される一部502を含む。図5aの例では、y方向に沿って基板500に対してスキャンすることができるアパーチャ314を通ってイオンが基板500に衝突するように、アパーチャ314を有するプラズマシース調整器312を基板500の上に配置することができる。図4も参照するに、図4に示すプラズマシース調整器312の図は、図5に例示するy方向に沿っている。図5bは、パターン化された垂直のレジストライン504(y方向に対して平行な長軸)、水平に配置されたレジストライン506(x方向に対して平行な長軸)及びブランケット部分508を含む一部502のより詳細な図を表す。基板の一部502は、レジスト特徴に例示の広角度イオンフラックス530を照射後、レジスト現像プロセスを模倣するために用いるエッチング液にさらされる部分を示す。図に示すレジスト特徴の構造は、イオン照射の終了後、エッチング液にさらした後に得られる構造に対応しているけれども、図にはイオンフラックス530を示してある。
【0041】
本例で図に例示するように、イオンフラックス530は、(図4及び図5に規定するように)y方向に概して平行に、さらに図5dに例示するように、入射角度のある範囲にわたって、基板の一部502に衝突する。図5dにおいては、各レジストライン506には、イオンフラックス530が、レジストラインの頂部と、側壁518に沿って衝突する。様々なレジスト特徴のエッチング結果を、図5bに上面平面図で示し、図5c及びdそれぞれにラインA−A′及びB−B′に沿った断面図を示す。明らかなように、レジスト特徴の部分の優先エッチングが生じ、パターン化レジスト特徴のエッチ耐性に及ぼす例示の広角度イオン照射の効果を例示する。
【0042】
特に、イオン照射にさらされないレジスト特徴のそれらの部分は、非常にエッチングされやすい。例えば、ブランケット部分508は、イオンフラックス530にさらされる水平エッジ516と、イオンフラックス530に対して平行に配置され、それ故、イオンフラックス530からの直接のイオン照射を受けない垂直エッジ514とを有する。図5bに示すように、かなりのレジストのエッチングが、保護されない(即ち、イオン照射されない)垂直エッジ514から内側に延びる長さLにわたって生じる。同様に、各々が一対の保護されていない垂直エッジ514を有する垂直のレジストライン504は、その距離がエッチング長さLより短い個々の幅Wにわたって、かなりエッチングされる。従って、レジストライン504の全体の幅は、エッチングにより、かなり浸食される。他方、全体の側壁518に沿ってイオン照射にさらされる水平のレジストライン506は、イオン照射を受けない小さい垂直ノッチ520のすぐ近くの領域540を除いて、エッチングから十分に保護される。
【0043】
従って、本発明の実施形態は、後続の処理に対し、パターン化レジスト特徴を硬化するために、パターン化レジストラインを広角度イオンフラックスにさらすように、例示のプラズマシース調整器を用いることができる。そのような後続の処理は、例えば、未硬化レジストに直ちに作用するエッチング液を含むことができる。いくつかの実施形態では、パターン化レジスト特徴は、それらの側壁及び頂部が例示の引き出しプレートから広角度のイオン照射を受けるべく配向されるように、配置することができる。
【0044】
ダブルパターニングリソグラフィープロセスの一実施形態では、第1のステップで、第1のリソグラフィープロセスシーケンスを用いて、第1組のパターン化レジスト特徴(レリーフ)を形成する。その後のステップでは、第1組のパターン化レジスト特徴を、広角度イオン照射を含む第1の照射にさらす。レジスト特徴は、レジスト特徴の側壁及び頂部の両方ともイオンフラックスにさらすように配置するのがよい。このようにして、後続のエッチング液にさらされるいくつかの又は全てのレジスト表面を、エッチング液の攻撃に耐えるように、硬化させることができる。広角度イオン照射は、レジスト特徴の側壁及び頂部を同時にイオンにさらすように配置したプラズマシース調整器を用いて、実施することができる。さらなるステップでは、第2の組のパターン化レジスト特徴を規定するように、第2のリソグラフィープロセスシーケンスを行う。様々な実施形態では、化学処理によりエッチングされ、又は、第2のリソグラフィープロセスシーケンスの間に溶融されるといったような、レジスト特徴が劣化されるのを、低減させるか又は防止するように、第1の照射によって第1組のレジスト特徴を硬化させる。
【0045】
様々な他の実施形態では、最終処理の後に基板に残る永続的な特徴のような基板の追加のレリーフ特徴を、広角度イオンフラックスにさらすことができる。いくつかの実施形態では、半導体基板の特徴は、プラズマシース調整器を有する引き出しプレートを用いて、広角度イオンフラックス照射でイオン注入することができる。半導体基板の特徴は、Si、SiGe合金又は類似の材料を含むシリコンベースの材料のような、小さい半導体レリーフ特徴とすることができる。これは、既知のFINFETダブルゲートデバイスにおけるような、単結晶半導体の特徴を用いるデバイスの形成に有用である。例えば、いくつかのプロセスシーケンスでは、FINFETのチャネル領域のようなシリコン構造を、イオン注入プロセスにさらすことができる。従来のイオン注入手順では、そのようなシリコンフィンの外部形状は、イオン注入により実質的に変えられてしまい、これは、FINFETプロセスを用いて形成される最終的なトランジスタによるデバイスの性能に悪影響を及ぼすことになる。
【0046】
図6は、従来の1.4kVのArイオン注入プロセスにさらした後のシリコンレリーフ特徴602のプロファイルを示す。本例では、そのような特徴の幅は、約100nmである。図示のように、頂部604は強いファセッティングを呈し、側壁は概して傾斜している。さらに、そのような特徴の頂部は、部分的にエッチングされ、そのような特徴の全体の高さが低くなり得る。
【0047】
それにひきかえ、例示の広角度の4kVでのArイオン注入プロセスにさらした類似のシリコンレリーフ特徴702は、図7に示すように、頂部領域704で最小のファセッティングを示し、概して真っすぐな側壁を呈する。従って、例示の広角度のイオン注入は、シリコンレリーフ特徴702から作られるデバイス用のもっと理想的な構造をもたらすことになる。これは、その結果、デバイスの性能をより良くするのに役立つ。
【0048】
前述の本発明の実施形態は、概して、表面特徴のラフネスを低減するための他に、そのような平滑プロセスで生じ得る限界寸法のロスを少なくするために、イオン照射を用いるシステム及びプロセスに向いているけれども、他の実施形態は、表面パターン化特徴に材料を加えるためにイオン照射を用いるメカニズムを提供する。図8a及び8bを参照するに、ここには、本発明の別の実施形態による、三次元構造を処理するための技術の簡略化例示が示される。本実施形態では、ホールの面積を低減させる技術を示す。本実施形態では、基板800は、金属基板、半導体基板又は誘電体基板とすることができる。基板800は、ホール812を備えることができる。本実施形態を、本明細書では、第1の直径R1のホールを有する基板の処理に対し説明するけれども、本発明はそれに限定されない。前の実施形態のフォトレジストと同様に、本実施形態の基板800は、単に、1つ以上の垂直に延在する表面を有する構造とすることができる。
【0049】
本実施形態では、イオン310を多様な入射角度でホール812の側壁表面814に向ける。図示のように、側壁表面814は、基板800の頂面816に対し、いくつかの実施形態では約90度とし得る角度を成す。イオンが望ましいけれども、本発明はラジカル粒子又は中性粒子を含む他の粒子を除外しない。ホール812の表面に向けられるイオン310は、この場合、ホール812の表面に堆積され、それにより、第2の直径Rを有する境界層822を形成する。プラズマシース調整器312を用いることにより、イオン310を多様な入射角度でホール812の表面に向けることができる。その結果、等角で等方性の堆積が生じ、均一な厚さの境界層822を形成することができる。さらに、基板800の元のホールの直径は、RからRに等角的に、且つ等方的に減少する。
【0050】
本明細書で説明した方法は、例えば、命令を実行することができる機械により読み取り可能なコンピュータ可読記憶媒体に命令のプログラムを具体化することにより、自動化することができる。汎用コンピュータは、そのような機械の一例である。周知の適切な記憶媒体の限定されない例示リストは、読み取り可能な又は書き込み可能なCD、フラッシュメモリチップ(例えば、サムドライブ)、様々な磁気記憶媒体などのようなデバイスを含む。
【0051】
要するに、本発明は、フォトレジスト又は永続的な、基板のレリーフ構造のようなパターン化特徴を処理するための新規で進歩性のある方法及びシステムを提供する。本発明は、パターン化特徴に浅い深さで浸入するだけのイオン及び他の種を提供できるようにするプラズマ浸漬システムのような、比較的低イオンエネルギーを用いるシステムで、展開することができる。これは、プロファイル及び限界寸法(CD)のようなレジストパターンの属性に実質的に影響を及ぼすことなく、表面を平滑化する能力を促進する。垂線から懸け離れた角度でかなりのイオンフラックスを供給することにより、本発明のPSMアーキテクチュアは、表面ラフネスにより最も直接に影響を受ける領域、即ち、レジスト側壁のレジスト特徴をアタックするのに特に有効である。不活性ガスプラズマを用いるもののような本発明の実施形態は、RIEのようなドライ化学プロセスを用いてよく見られるパターン依存効果の影響を受けやすくはない。さらに、浸漬注入システムのようなプラズマ処理システムとともにプラズマシース調整器を用いることにより、本発明は、レジスト処理プロセスを調整するために、大きな柔軟性を提供する。これは、ガス組成、イオンエネルギー、イオンドーズ及びイオンの入射角度の範囲のような都合よく、かつ独立に調整することができる様々なプラズマパラメータによるものである。
【0052】
本発明は、本明細書に記載した特定の実施形態による範囲に限定すべきではない。実際に、本明細書に記載した実施形態に加えて、本発明の他の様々な実施形態及び変更は、前述の記載及び添付図面から当業者には明らかであろう。本発明は、低エネルギーイオンを用いるプラズマ浸漬イオン注入システムで展開することができるけれども、イオン注入以外の、又は、イオン注入に加えての、イオン照射効果は、レジストの平滑化に寄与することができ、本発明は、低エネルギーイオンを供給することができる他のプラズマシステムで展開することができる。
【0053】
さらに、注入又は堆積に加えて、本発明で開示した技術は、フォトレジスト構造又はフォトレジスト構造以外の構造にエッチングを行うために用いることができる。例えば、本発明で開示した技術は、トランジスタのゲートの限界寸法を小さくするように、フォトレジストのトリムプロセスを行うために用いることができる。トリムプロセスをO2+HBrプラズマにより用いて1回に1つの表面で行う、従来のトリムプロセスとは対照的に、本発明の技術は、エッチング剤(例えば、イオン)を多様な角度に向け、トリムプロセスを同時に多数の表面で等方的に行うために用いることができる。そういうわけで、トリムプロセスをもっと効率的に、かつ、もっと均一に行うことができる。従って、そのような他の実施形態及び変更は、本発明の範囲内に入ることを意図している。さらに、本発明は、特定の目的のため、特定の環境で、特定の実施のコンテキストで、本明細書に記載したけれども、当業者は、その有用性がそれらに限定されず、本発明が、任意の数の目的のため、任意の数の環境で、有用に実施することができることを理解するであろう。従って、本発明の主題は、本明細書に記載されているように、本発明の全容及び精神に鑑みて解釈すべきである。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b