【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社タカラトミーアーツが、平成26年3月13日、自社ウェブサイトにて公開、ウェブサイトのアドレス:http://www.takaratomy−arts.co.jp/company/pdf/puritike.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
映像出力部と、音声出力部と、操作入力部と、前記操作入力部からの操作入力情報に基づき前記映像出力部及び音声出力部を制御してゲームを展開する制御部と、前記制御部からの指令に従い所定の分割ラインに沿って分割容易にする加工又は当該分割ラインを明示する印刷が施された印刷物を作製する印刷部と、前記印刷物からコードを光学的に読み取る読取部と、を備え、
前記制御部は、
(1)ゲームを展開し、そのゲーム結果を反映したゲーム条件を決定し、当該ゲーム条件を特定する情報と同一性識別情報とを含むコードを前記印刷部により印刷させた前記印刷物をゲームプレイヤに発行し、
さらに前記制御部は、
(2)前記読取部により前記コードを読み取った場合は、当該コードによって特定される前記ゲーム条件に従いゲームを展開し、そのゲーム結果を反映したゲーム条件を決定し、当該ゲーム条件を特定する情報と読取った前記同一性識別情報とを含むコードを前記印刷部により印刷させた前記印刷物をゲームプレイヤに発行し、
前記制御部は、
(3)上記(1)(2)の発行に際し、前記印刷物の前記分割ラインで分割される複数の部分それぞれに、共通の前記同一性識別情報を含むとともに前記ゲーム条件を特定する情報として共通のキャラクターの情報を含んだ前記コードと、前記共通のキャラクターの情報により特定される共通のキャラクター像とを印刷させ、
(4)前記複数の部分に印刷されたコードのうち少なくとも一つを、前記印刷物のコードに依るゲームを開始するための必須条件を特定する情報を含んだメインコードとし、他の少なくとも一つを、前記メインコードの必須条件に依るゲームに対し付加的な条件を与えるための情報を含み前記必須条件を特定する情報を含まないサブコードとし、
(5)前記メインコードの必須条件に依るゲームにおいて当該必須条件とこれに対する付加的な条件を設定するにあたり、当該メインコードに含まれる前記キャラクターの情報により特定されるキャラクターをメインキャラクターに設定する一方で、当該メインコードと前記同一性識別情報が不一致の前記サブコードによって特定される付加的な条件を適用可能としてこれに含まれる前記キャラクターの情報により特定されるキャラクターをサブキャラクターに設定可能とし、当該メインコードと前記同一性識別情報が一致する前記サブコードによって特定される付加的な条件を不適用とし、
(6)上記(2)において前記メインコードの必須条件に依るゲームを展開し、そのゲーム結果を反映したゲーム条件を決定し、当該ゲーム条件及び当該メインコードの前記同一性識別情報を付与したメインコードとサブコードを前記印刷部により印刷させた前記印刷物をゲームプレイヤに発行することを特徴とするゲーム装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0023】
〔ゲーム装置の構成〕
図1に、本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図を示す。
本実施形態のゲーム装置100は、制御部1と、映像出力部2と、音声出力部3と、操作入力部4と、第一読取部5と、第二読取部6、撮像部7と、通信部8と、印刷部9と、コイン検出部10と、記憶部11とを備える。
第一読取部5と、第二読取部6は、カメラを備え印刷物からコードを光学的に読み取る。
【0024】
制御部1は、コイン検出部10からの検出信号、操作入力部4からの操作入力信号、第一読取部5により読み取られたコード、第二読取部6により読み取られたコード等に基づき、音声出力部3、映像出力部2等を制御してゲームを展開する。
また、制御部1は、映像出力部2に出力する画像や、撮像部7を制御して撮影させた画像、記憶部11に記憶されている画像を、適宜に加工、合成して印刷部9により印刷させる。
【0025】
図2にゲーム装置の外観の一例を示す。
図2に示すゲーム装置100の筐体外装に、映像出力部2の表示画面21、操作入力部4の操作ボタンなどが配置された操作パネル22、第一読取部5のカード挿入口23、第二読取部6のプラテンガラス24、撮像部7のレンズ部25及照明部26、印刷部9の取り出し口27、コイン検出部10へのコイン投入口28などが配設されている。このようなゲーム装置の筐体の形状、構造、外装の形状、レイアウトなどは一例であり、これに拘泥されるものではない。
【0026】
〔ゲームの形態とゲーム条件特定用印刷物(第1ゲーム形態)〕
本実施形態のゲーム装置を理解するためのゲーム形態の例につき説明する。
第1ゲーム形態は、パーティによってモンスター狩りに挑みその戦績で競うゲームである。第1ゲーム形態におけるゲーム条件特定用印刷物の表面模式図を
図3に示す。
図3(a)は通常版を
図3(b)は大判を示す。
パーティは、メインキャラクター(リーダー格)とサブキャラクター(他のメンバー)により構成される。但し、メインキャラクター単独でもゲームを実行できる。メインキャラクター無くてはゲームを実行できない。すなわち、メインキャラクターを設定することは、ゲームを展開する上で必須条件となる。ゲームのプレイ内容としては、ゲームプレイヤが、映像出力部2、音声出力部3から出力される映像や音声に反応して操作パネル22を用いて所定の操作をすることにより、攻撃箇所や攻撃タイミングを指定してモンスターに攻撃を行うことを概要とする。
ゲームプレイヤは、パーティを俯瞰で運営する立場に想定されている。
キャラクターの設定条件として、名、ビジュアル、声、使用武器、ランク、ライフ(HP)、攻撃力(ATK)、防御力(DEF)などがある。
図3に示すようにゲーム条件特定用印刷物(以下「カード」という。)は、メインカード31とサブカード32とが分割ラインCLに沿って分割容易に繋がった状態で構成され、取り出し口27に排出される。
【0027】
メインカード31には、メインコード33が印刷されている。
メインコード33には、カードのコードに依るゲームを開始するための必須条件を特定する情報が書き込まれている。ここで、「カードのコードに依るゲーム」とは、カードに印刷されたコードをゲーム装置100に読み取らせて当該コードによって特定されるゲーム条件に従ったゲームをいう。
【0028】
第1ゲーム形態では、メインコード33に書き込まれている必須条件を特定する情報は、カード種識別情報(ここではメインカードに割り振られた識別情報)、同一性識別情報(以下「ID」という。)、ゲームプレイヤ名及びキャラクターの情報で構成される。キャラクターの情報は、キャラクター名、キャラクター指定情報、ランク指定情報、使用武器指定情報、ライフ(HP)数値、攻撃力(ATK)数値、防御力(DEF)数値により構成される。
以上の情報に対応して、
図3に示すようにメインカード31には、ゲームプレイヤ名の表記34、キャラクター名の表記35、キャラクター像36、ランクの表記37、武器像38、その武器名の表記37(武器でランク付けされているためランクと共通)、その武器を用いた技の表記37a、ライフ(HP)数値の表記39、攻撃力(ATK)数値の表記40、防御力(DEF)数値の表記41、日付(不図示)が印刷されている。
さらにメインカード31には、カード印刷時のゲームで倒したモンスター像42とその全長数値の表記43が印刷されている。
【0029】
サブカード32には、サブコード44が印刷されている。
サブコード44には、メインコードの必須条件に依るゲームに対し付加的な条件を与えるための情報が書き込まれている。
サブコード44に書き込まれている付加的な条件を与えるための情報には、主に、ゲームの成績(スコア)に影響するアイテムを特定する情報が該当する。例えば、合成武器要素、HP回復アイテム、攻撃力アップアイテム、防御力アップアイテムなどである。
さらに、サブコード44には、このサブコード44が印刷されたサブカード32と分割前に繋がっているメインカード31に印刷されたメインコード33と共通のIDが書き込まれている。さらに、サブコード44には、カード種識別情報(ここではサブカードに割り振られた識別情報)が書き込まれている。
以上の情報に対応して、
図3に示すようにサブカード32には、ゲームプレイヤ名34、アイテム像45、そのアイテム名の表記46、そのアイテムの効能の表記47が印刷されている。
【0030】
〔ゲームの制御フロー(第1ゲーム形態)〕
次に、ゲーム装置100により第1ゲーム形態を実施するための制御フローに沿って説明する。
図4〜
図7に、第1ゲーム形態を採用するゲーム装置100において制御部1によって実行される基幹的な制御フローを示す。
【0031】
〈新規ゲーム〉
まず、
図4及び
図5を参照して新規ゲームの制御フローにつき説明する。新規ゲームとは、上述した「カードのコードに依るゲーム」に相対する概念である。すなわち、新規ゲームとは、「カードのコードに依らないゲーム」ということであり、カードに印刷されたコードをゲーム装置100に読み取らせることなく行えるゲームである。「カードのコードに依るゲーム」では、読み取ったコードのIDを継承して新たなカードを発行する。これに対し新規ゲームでは、新規IDを付与してカードを発行する。したがって、新規ゲームは、本ゲームを始めるために必須の最初の手順である。また、同一人が新規ゲームを複数回行うことで、IDの異なるカードを所有することもできる。
【0032】
制御部1は、コイン検出部10からの検出信号を受けると、映像出力部2及び音声出力部3にガイダンスを出力させ、操作入力部4を介してそのガイダンスに応じた入力を受けゲーム条件を設定していく。
まず制御部1は、「新規ゲーム」と「カードのコードに依るゲーム」とのいずれを選択するかのガイダンスを出力させ、これに応じた入力によりその選択を判断する。ここでは、「新規ゲーム」が選択されたとする(ステップS01)。
次に、制御部1は、ゲームプレイヤ名の入力ガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11に記憶する(ステップS02)。
次に、制御部1は、キャラクター設定のガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11にその設定を記憶する(ステップS03)。キャラクター設定のガイダンスでは、少なくとも1つのキャラクターを提供し、好ましくはキャラクターの全体又は/及びパーツごとの選択肢を提供する。制御部1は、このキャラクターをリーダーとして設定する。なお、キャラクターを選択させない場合は、このステップは飛ばされ、制御部1は、新規ゲームが選択された時点でデフォルトで用意されたキャラクターをリーダーとして設定する。
次に、制御部1は、ステップS03で設定したキャラクターのキャラクター名の入力ガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11に記憶する(ステップS04)。
【0033】
次に、制御部1は、ステップS03で設定したキャラクターが使用する武器を設定するガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11にその設定を記憶する(ステップS05)。武器設定のガイダンスでは、少なくとも1つの武器を提供し、好ましくは武器の全体又は/及びパーツごとの選択肢を提供する。なお、武器を選択させない場合は、このステップは飛ばされ、制御部1は、新規ゲームが選択された時点でデフォルトで用意された武器を使用武器として設定する。なお、各武器の名称、当該武器を用いた技の内容及び名称等のデータベースを記憶部11に有する。
次に、制御部1は、サブキャラクター設定のガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11にその設定を記憶する(ステップS06)。所定人数のサブキャラクターごとに設定を行う。サブキャラクター設定のガイダンスでは、少なくとも人数分のキャラクターを提供し、好ましくはキャラクターの選択肢を提供する。なお、サブキャラクターを選択させない場合は、このステップは飛ばされ、制御部1は、新規ゲームが選択された時点でデフォルトで用意されたキャラクターをサブキャラクターとして設定する。サブキャラクターはリーダーが率いる他のメンバーである。
【0034】
次に、制御部1は、パーティが挑むクエスト(モンスター狩り)を選択するガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、その選択を設定する(ステップS07)。
以上で、ゲーム条件が整ったので、制御部1は、ゲーム展開処理を実行する(ステップS08)。ゲーム展開処理の概要は以下の通りである。
制御部1が実行するゲーム展開処理としては、映像出力部2及び音声出力部3を制御して所定の映像及び音声を出力させるとともに、操作入力部4からの操作入力信号を受けて、操作内容(操作ボタンが適切かなど)と、映像とのタイミングマッチングに基づき、モンスターの受けるダメージ数値、キャラクターの受けるダメージ数値などを演算する。
ゲームのプレイ時間には制限時間が設けられている。制御部1は、当該制限時間の経過時点又はモンスターのダメージ数値が設定値に達した時点のうち早く到来した時点でゲーム展開処理を終了する。
【0035】
図5に示すようにゲームが終了したら、制御部1はスコア集計処理を実行する(ステップS09)。スコア集計は、クエストの成否(モンスターを倒したか否か)、残り時間、各攻撃の評価などに基づき演算される。制御部1はスコア集計後、メインキャラクター(リーダー)のランクを決定する(ステップS10)。
次に制御部1は、今回のゲームの結果を反映したメインキャラクター(リーダー)のライフ(HP)、攻撃力(ATK)、防御力(DEF)を算出する(ステップS11)。
【0036】
以上の演算結果に基づき制御部1は、印刷画像を合成する(ステップS12)。印刷画像のメインカード31の部分には、ステップS02で入力を受けたゲームプレイヤ名の表記34、ステップS04で入力を受けたキャラクター名の表記35、ステップS03で設定され本ゲームでリーダーとして使用されたキャラクター像36、ステップS10で決定したランクの表記37、ステップS05で設定され本ゲームでリーダーが使用した武器像38、その武器名の表記37、その武器を用いた技の表記37a、ステップS11で算出したライフ(HP)数値の表記39、ステップS11で算出した攻撃力(ATK)数値の表記40、ステップS11で算出した防御力(DEF)数値の表記41、日付(不図示)が表示されている。
また印刷画像のメインカード31の部分には、メインコード33が表示される。当該メインコード33に書き込まれる情報は、カード種識別情報(ここではメインカードに割り振られた識別情報)、新規に割り振ったID、ステップS02で入力を受けたゲームプレイヤ名及びキャラクターの情報で構成される。当該キャラクターの情報は、ステップS04で入力を受けたキャラクター名、ステップS03で設定されたキャラクター指定情報、ステップS10で決定したランク指定情報、ステップS05で設定された使用武器指定情報、ステップS11で算出したライフ(HP)数値、ステップS11で算出した攻撃力(ATK)数値、ステップS11で算出した防御力(DEF)数値により構成される。
また印刷画像のサブカード32の部分には、サブコード44、ゲームプレイヤ名34、アイテム像45、そのアイテム名の表記46、そのアイテムの効能の表記47が表示される。制御部1は当該サブコードに係るアイテムを予め定められたルールに従って選択する。当該サブコード44に書き込まれる情報は、メインコード33と共通のID、カード種識別情報(ここではサブカードに割り振られた識別情報)、アイテムを特定する情報により構成される。
なお、制御部1は印刷画像を映像出力部2により表示させる。
【0037】
次に、制御部1はステップS12で合成した印刷画像の印刷指令を印刷部9に出す。印刷部9は、所定の基材シートに印刷し、
図3(a)に示すような通常版のカードを取り出し口27に排出する(ステップS13)。
以上のようにして制御部1はゲームを展開し、そのゲーム結果を反映したゲーム条件を決定し、当該ゲーム条件を特定するコードを印刷部9により印刷させた印刷物(カード)をゲームプレイヤに発行して新規ゲームに係る処理を終了する。
【0038】
〈カードのコードに依るゲーム〉
次に、
図6及び
図7を参照して「カードのコードに依るゲーム」につき説明する。
制御部1は、コイン検出部10からの検出信号を受けると、映像出力部2及び音声出力部3にガイダンスを出力させ、操作入力部4を介してそのガイダンスに応じた入力を受けゲーム条件を設定していく。
まず制御部1は、「新規ゲーム」と「カードのコードに依るゲーム」とのいずれを選択するかのガイダンスを出力させ、これに応じた入力によりその選択を判断する。ここでは、「カードのコードに依るゲーム」が選択されたとする(ステップT01)。
【0039】
次に、制御部1は、メインカードのスキャン入力ガイダンスを出力させ、これに応じて第1読取部5からのコードの入力を受けると、読み取った情報に含まれるカード種識別情報に基づきメインコードか否かを判断する(ステップT02)。メインコードでない場合(ステップT02でNo)、制御部1は、エラーメッセージ(ステップT03)を表示させてさらにメインカードのスキャン入力ガイダンスを出力させる。
メインコードである場合(ステップT02でYes)、制御部1は、読み取ったメインコードに基づきメインキャラクターを設定する(ステップT04)。制御部1は、このキャラクターをリーダーとして設定する。
【0040】
次に、制御部1は、異なるIDのメインカードのスキャン入力ガイダンスを出力させ、これに応じて第1読取部5からのコードの入力を受けると、読み取った情報に含まれるカード種識別情報及びID並びにステップT02で読み取ったIDに基づき異なるIDのメインコードか否かを判断する(ステップT05)。異なるIDのメインコードでない場合(ステップT05でNo)、制御部1は、エラーメッセージ(ステップT06)を表示させてさらに異なるIDのメインカードのスキャン入力ガイダンスを出力させる。
異なるIDのメインコードである場合(ステップT05でYes)、制御部1は、読み取ったメインコードに基づきサブキャラクターを設定する(ステップT07)。制御部1は、このキャラクターをリーダーが率いる他のメンバーとして設定する。なお、当ステップT05‐T07は、サブキャラクターの設定人数上限値を限度に繰り返し得る。また、サブキャラクターの設定は任意であり、制御部1は設定終了のガイダンスを含めて出力させており、これに応じた操作入力部4から設定終了の入力に基づき設定を終了する。したがって、設定されるサブキャラクターの人数は0から設定人数上限値までの間となる。
なお、以上のステップT05‐T07の実施形態とは別に、同じIDのメインコードである場合のみに、サブキャラクターを設定するルールで実施してもよい。
【0041】
次に、制御部1は、同じIDのサブカードのスキャン入力ガイダンスを出力させ、これに応じて第1読取部5からのコードの入力を受けると、読み取った情報に含まれるカード種識別情報及びID並びにステップT02で読み取ったIDに基づき同じIDのサブコードか否かを判断する(ステップT08)。同じIDのサブコードでない場合(ステップT08でNo)、制御部1は、エラーメッセージ(ステップT09)を表示させてさらにサブカードのスキャン入力ガイダンスを出力させる。
同じIDのサブコードである場合(ステップT08でYes)、制御部1は、読み取ったサブコードに基づきアイテムを設定する(ステップT10)。制御部1は、このアイテムをゲームに適用してゲーム展開処理を実行する。なお、当ステップT08‐T10は、1ゲームに適用できるアイテムが複数ある場合、繰り返し得る。また、当アイテムの設定は任意であり、制御部1は設定終了のガイダンスを含めて出力させており、これに応じた操作入力部4から設定終了の入力に基づき設定を終了する。
以上のように制御部1は、メインコードの必須条件に依るゲームにおいて、当該メインコードとIDが一致するサブコードによって特定される付加的な条件を適用可能とし、当該メインコードとIDが不一致のサブコードによって特定される付加的な条件を不適用とするゲーム条件項目を設けて制御する。これにより、アイテムの第三者による使用を防止することができる。
【0042】
制御部1は、クエスト選択ステップS07、続いてゲーム展開処理ステップS08を新規ゲームの場合と同様に実行する。
図7に示すようにゲームが終了したら、新規ゲームの場合と同様に、スコア集計ステップS09、ランク決定ステップS10、結果反映ステップS11、印刷画像合成ステップT13、印刷ステップS13を実行する。但し、印刷画像合成ステップT13は、ステップT02で読み取ったIDを引き続きメインコード及びサブコードに書き込むIDとする点で、新規ゲーム時とは異なる。
【0043】
また、
図7に示すように武器合成ステップT11が入り得る。武器合成ステップT11が入るのは、合成武器要素をアイテムとするサブカードがステップT08で読み取られた場合、もしくはメインキャラクターの武器とサブキャラクターの武器とが合成可能な場合、もしくはサブキャラクター同士の武器が合成可能な場合である。武器合成ステップT11では、制御部1は、それらの武器と、合成武器要素とを合成し新規な武器を作成する。当該新規な武器の像は、ステップT13で合成されステップS13で印刷される印刷画像に含まれ、当該新規な武器を特定する情報は、ステップT13で合成されステップS13で印刷されるメインコード33に含まれる。なお、武器合成ステップT11をゲーム展開処理ステップS08の前に入れて、本ゲーム回で合成した武器を使用できるようにする変形形態を実施してもよい。
【0044】
また、
図7に示すようにカードサイズ選択処理ステップT12が入る。カードサイズ選択処理ステップT12では、制御部1は、印刷するカードを
図3(a)に示すような通常版とするか、
図3(b)に示すような大判とするかを選択する。例えば、大判が所定当選率の抽選処理によって選択される。また、本ゲーム回におけるゲームの内容に応じて選択するようにしてもよい(例えば、特定のモンスターを倒した場合に大判、残りタイムが所定値以下で大判など)。ステップT12で大判が選択された場合は、ステップT13で合成されステップS13で印刷される印刷画像は大判のものになる。
【0045】
制御部1はステップT13で合成した印刷画像の印刷指令を印刷部9に出し、印刷部9は、所定の基材シートに印刷し、通常版又は大判のカードを取り出し口27に排出する(ステップS13)。
以上のようにして制御部1は、第1読取部5によりコードを読み取った場合は、当該コードによって特定されるゲーム条件に従いゲームを展開し、そのゲーム結果を反映したゲーム条件を決定し、当該ゲーム条件を特定するコードを印刷部9により印刷させた印刷物(カード)をゲームプレイヤに発行して本ゲーム回に係る処理を終了する。
【0046】
なお、以上の第1ゲーム形態においては、メインカード31とサブカード32とに、メインカードであるかサブカードであるかを識別するためのカード種識別情報をコード33,44に含ませたが、カード種識別情報をコードに含まれる情報から排して実施することも可能である。その場合、第1ゲーム形態では、メインコード33にキャラクターの情報が書き込まれアイテムの情報が書き込まれず、サブコード44にはアイテムの情報が書き込まれキャラクターの情報が書き込まれないから、これらのゲーム条件を特定する情報によって各ゲーム条件項目に適合するゲーム条件を判別して実施する。
【0047】
〔ゲームの形態とゲーム条件特定用印刷物(第2ゲーム形態)〕
本実施形態のゲーム装置を理解するためのゲーム形態の他の例につき説明する。
第2ゲーム形態は、アイドルユニットによってライブパフォーマンスを展開しその評価を獲得するゲームである。
第2ゲーム形態におけるカードの表面模式図を
図8に示す。
図8(a)は通常版を
図8(b)は大判を示す。
アイドルユニットは、メインキャラクター(エース格)とサブキャラクター(他のメンバー)により構成される。但し、メインキャラクター一人でもゲームを実行できる。メインキャラクター無くてはゲームを実行できない。すなわち、メインキャラクターを設定することは、ゲームを展開する上で必須条件となる。ゲームのプレイ内容としては、ゲームプレイヤが、映像出力部2、音声出力部3から出力される映像や音声に反応して操作パネル22を用いて所定の操作をすることにより、音楽のリズムや映像にあわせたタイミングの入力を適切に行って評価を獲得すること、構成メンバーのキャラクター及びファッションによって評価を獲得することを概要とする。
ゲームプレイヤは、メインキャラクターに自己を投影した立場に想定されている。
キャラクターの設定条件として、名、ビジュアル、声、ファッションコーディネイト、ランク、累計の評価値などがある。第2ゲーム形態では、評価値がゲームの成績(スコア)に相当する。
図8に示すようにカードは、メインカード51とサブカード52とが分割ラインCLに沿って分割容易に繋がった状態で構成され、取り出し口27に排出される。
【0048】
メインカード51には、メインコード53が印刷されている。
メインコード53には、カードのコードに依るゲームを開始するための必須条件を特定する情報が書き込まれている。「カードのコードに依るゲーム」の意義は上述した通りである。
【0049】
第2ゲーム形態でも、メインコード53に書き込まれている必須条件を特定する情報は、カード種識別情報(ここではメインカードに割り振られた識別情報)、ID、キャラクターの情報で構成される。但し、キャラクターの情報は、キャラクター名(ゲームプレイヤ名と共通扱い)、キャラクター指定情報、ファッションコーディネイト指定情報、ランク指定情報、累計の評価値により構成される。
以上の情報に対応して、
図8に示すようにメインカード51には、キャラクター名の表記54、キャラクター像55、ランクの表記56、累計の評価値の表記57が印刷されている。なお、
図8(b)の大判において、文字による表記部分の図示を省略する。もっともカード面上の表記の全部又は一部を適宜に省略して実施することは可能である。
さらにメインカード51には、カード印刷時のゲームでパフォーマンスしたライブでユニットを組んだサブキャラクター(他のメンバー)の像58、そのサブキャラクター名の表記59、日付(不図示)が印刷されている。
【0050】
サブカード52には、サブコード60が印刷されている。
サブコード60には、メインコード53の必須条件に依るゲームに対し付加的な条件を与えるための情報が書き込まれている。
サブコード60に書き込まれている付加的な条件を与えるための情報の一つには、サブキャラクターとして適用できるキャラクターの情報がある。この場合のサブコード、サブカードを「第1種サブコード」「第1種サブカード」と呼ぶ。
また、第1種サブコードには、カード種識別情報(ここでは第1種サブカードに割り振られた識別情報)が書き込まれている。さらに第1種サブコードには、このサブコードが印刷されたサブカードと分割前に繋がっているメインカードに印刷されたメインコードと共通のIDが書き込まれている。第1種サブコードに書き込まれているキャラクターの情報は、このサブコードが印刷されたサブカードと分割前に繋がっているメインカードに印刷されたメインコードに書き込まれたキャラクターの情報と共通である。
以上の情報に対応して、
図8に示すように第1種サブカード52には、キャラクター名の表記54、キャラクター像55、ランクの表記56、累計の評価値57の表記が印刷されている。
【0051】
サブコードに書き込まれている付加的な条件を与えるための情報の他の一つには、評価値に影響するアイテムを特定する情報が該当する。この場合のサブコード、サブカードを「第2種サブコード」「第2種サブカード」と呼ぶ。例えば、ライブの演出を派手にし、評価値の獲得率を向上するアイテムが挙げられる。
また第2種サブコードには、カード種識別情報(ここでは第2種サブカードに割り振られた識別情報)が書き込まれている。なお、本実施形態においては、アイテムを特定する情報によって第2種サブカード(第2種サブカード)であることが判別可能であるので、第2種サブコードにカード種識別情報を含ませることは省略してもよい。
以上の情報に対応して、図示しないが第2種サブカードには、アイテム像、そのアイテム名の表記、そのアイテムの効能の表記等が印刷される。
【0052】
〔ゲームの制御フロー(第2ゲーム形態)〕
次に、ゲーム装置100により第2ゲーム形態を実施するための制御フローに沿って説明する。
図9〜
図12に、第2ゲーム形態を採用するゲーム装置100において制御部1によって実行される基幹的な制御フローを示す。
【0053】
〈新規ゲーム〉
まず、
図9及び
図10を参照して新規ゲームの制御フローにつき説明する。新規ゲームの意義は上述した通りである。
【0054】
制御部1は、コイン検出部10からの検出信号を受けると、映像出力部2及び音声出力部3にガイダンスを出力させ、操作入力部4を介してそのガイダンスに応じた入力を受けゲーム条件を設定していく。
まず制御部1は、「新規ゲーム」と「カードのコードに依るゲーム」とのいずれを選択するかのガイダンスを出力させ、これに応じた入力によりその選択を判断する。ここでは、「新規ゲーム」が選択されたとする(ステップS21)。
次に、制御部1は、キャラクター設定のガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11にその設定を記憶する(ステップS22)。キャラクター設定のガイダンスでは、少なくとも1つのキャラクターを提供し、好ましくはキャラクターの全体又は/及びパーツごとの選択肢を提供する。制御部1は、このキャラクターをエースとして設定する。なお、キャラクターを選択させない場合は、このステップは飛ばされ、制御部1は、新規ゲームが選択された時点でデフォルトで用意されたキャラクターをエースとして設定する。
【0055】
次に、制御部1は、ゲームプレイヤを撮影するガイダンスを出力させ、撮像部7を制御してゲームプレイヤを撮影し、その撮影画像を記憶部11に記憶する(ステップS23)。
次に、制御部1は、ライブ会場を選択するガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、その選択を設定する(ステップS24)。
次に、制御部1は、ステップS22で設定したキャラクターが使用(着用等)するファッションアイテムを設定する、すなわち、コーディネイトするガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11にその設定を記憶する(ステップS25)。コーディネイト設定のガイダンスでは、少なくとも1つのコーディネイトを提供し、好ましくはコーディネイトの全体又は/及びパーツごとの選択肢を提供する。なお、コーディネイトを選択させない場合は、このステップは飛ばされ、制御部1は、新規ゲームが選択された時点でデフォルトで用意されたコーディネイトをステップS22で設定したキャラクターに設定する。なお、各ファッションアイテムの名称等のデータベースを記憶部11に有する。
次に、制御部1は、サブキャラクター設定のガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11にその設定を記憶する(ステップS26)。所定人数のサブキャラクターごとに設定を行う。サブキャラクター設定のガイダンスでは、少なくとも人数分のキャラクター(ファッションコーディナイトも含まれる)を提供し、好ましくはキャラクターの選択肢を提供する。なお、サブキャラクターを選択させない場合は、このステップは飛ばされ、制御部1は、新規ゲームが選択された時点でデフォルトで用意されたキャラクターをサブキャラクターとして設定する。サブキャラクターはエースとともにアイドルユニットを構成する他のメンバーである。
次に、制御部1は、ライブに使用する楽曲を選択するガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、その選択を設定する(ステップS27)。
【0056】
以上で、ゲーム条件が整ったので、制御部1は、ゲーム展開処理を実行する(ステップS28)。ゲーム展開処理の概要は以下の通りである。
制御部1が実行するゲーム展開処理としては、映像出力部2及び音声出力部3を制御して所定の映像及び音声を出力させるとともに、操作入力部4からの操作入力信号を受けて、操作内容(操作ボタンが適切かなど)と、音楽のリズムや映像にあわせたタイミングマッチングに基づき、評価の獲得の成否などを演算する。
ゲームのプレイは所定時間で終了する。制御部1は、当該所定時間の経過時点でゲーム展開処理を終了する。
【0057】
図10に示すようにゲームが終了したら、制御部1はスコア集計処理を実行する(ステップS29)。ここではスコア集計は、ゲーム展開処理S28で獲得された評価値、構成メンバーのキャラクター、そのファッションコーディネイト、ファッションコーディネイトとライブとのマッチングなど所定のルールに従って加算される評価値などの累計計算である。制御部1はスコア集計後、メインキャラクター(エース)のランクを決定する(ステップS30)。
次に、制御部1は、キャラクター名の入力ガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11に記憶する(ステップS31)。この名はステップS22で設定したキャラクターの名として適用される。
次に、制御部1は、キャラクターの髪型などのビジュアル変更ガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11にその設定を記憶する(ステップS32)。
次に、制御部1は、次回以降のゲームで使用できるファッションアイテムを獲得させるガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11にその設定を記憶する(ステップS33)。例えば、当ガイダンスでは、ファッションアイテムの選択肢を提供し、ゲームプレイヤに選択させる。
【0058】
以上の演算結果に基づき制御部1は、印刷画像を合成する(ステップS34)。印刷画像のメインカード51の部分には、ステップS31で入力を受けた名の表記54、ステップS22及びステップS32で設定されたキャラクター像55、ステップS30で決定したランクの表記56、ステップS25で設定され本ゲームでエースが使用したファッションアイテムの像(着用等した状態)61、ゲーム展開処理S28でパフォーマンスしたライブでユニットを組んだサブキャラクター(他のメンバー)の像58、そのサブキャラクター名の表記59、ステップS33で獲得したファッションアイテムの像62、その名称63及びこれを使用した場合の評価値64、日付(不図示)が表示されている。
また印刷画像のメインカード51の部分には、メインコード53が表示される。当該メインコード53に書き込まれる情報は、カード種識別情報(ここではメインカードに割り振られた識別情報)、新規に割り振ったID、ステップS33で獲得したファッションアイテムを特定する情報及びキャラクターの情報で構成される。当該キャラクターの情報は、ステップS31で入力を受けたキャラクター名、ステップS22及びステップS32で設定されたキャラクター指定情報、ステップS30で決定したランク指定情報、ステップS25で設定されたファッションコーディネイト指定情報、ステップS29で算出した累計の評価値により構成される。
また印刷画像の第1種サブカード52の部分には、第1種サブコード60、キャラクター名の表記54、ステップS25で設定されたコーディネイトを適用したキャラクター像55、ランクの表記56、累計の評価値の表記57、ステップS23で撮影した画像65が表示される。当該第1種サブコード60に書き込まれる情報は、メインコードと共通のID、カード種識別情報(ここでは第1種サブカードに割り振られた識別情報)、メインコードと共通のキャラクターの情報により構成される。
なお、制御部1は印刷画像を映像出力部2により表示させる。
【0059】
また、図示しないが印刷画像のサブカード部分が第2種サブカードである場合、その第2種サブカードには、第2種サブコード、アイテム像、そのアイテム名の表記、そのアイテムの効能の表記が表示される。制御部1は当該第2種サブコードに係るアイテムを予め定められたルールに従って選択する。当該サブコードに書き込まれる情報は、カード種識別情報(ここでは第2種サブカードに割り振られた識別情報)、アイテムを特定する情報により構成される。第1種サブカードとするか第2種サブカードとするかの選択は、制御部1が抽選処理により選択してもよいし、選択ガイダンスを出力させゲームプレイヤに選択させてもよい。
なお、第2種サブカードの印刷はゲーム装置100では実施せずに、ゲーム運営者等が頒布してもよい。
【0060】
次に、制御部1はステップS34で合成した印刷画像の印刷指令を印刷部9に出す。印刷部9は、所定の基材シートに印刷し、
図8(a)に示すような通常版のカードを取り出し口27に排出する(ステップS35)。
以上のようにして制御部1はゲームを展開し、そのゲーム結果を反映したゲーム条件を決定し、当該ゲーム条件を特定するコードを印刷部9により印刷させた印刷物(カード)をゲームプレイヤに発行して新規ゲームに係る処理を終了する。
【0061】
〈カードのコードに依るゲーム〉
次に、
図11及び
図12を参照して「カードのコードに依るゲーム」につき説明する。
制御部1は、コイン検出部10からの検出信号を受けると、映像出力部2及び音声出力部3にガイダンスを出力させ、操作入力部4を介してそのガイダンスに応じた入力を受けゲーム条件を設定していく。
まず制御部1は、「新規ゲーム」と「カードのコードに依るゲーム」とのいずれを選択するかのガイダンスを出力させ、これに応じた入力によりその選択を判断する。ここでは、「カードのコードに依るゲーム」が選択されたとする(ステップT21)。
【0062】
次に、制御部1は、メインカードのスキャン入力ガイダンスを出力させ、これに応じて第1読取部5からのコードの入力を受けると、読み取った情報に含まれるカード種識別情報に基づきメインコードか否かを判断する(ステップT22)。メインコードでない場合(ステップT22でNo)、制御部1は、エラーメッセージ(ステップT23)を表示させてさらにメインカードのスキャン入力ガイダンスを出力させる。
メインコードである場合(ステップT22でYes)、制御部1は、読み取ったメインコードに基づきメインキャラクターを設定する(ステップT24)。制御部1は、このキャラクターをエースとして設定する。
【0063】
次に、制御部1は、新規ゲームと同様にゲームプレイヤ撮影ステップS23、ライブ会場選択ステップS24を実行する。
【0064】
ライブ会場選択ステップS24の後、制御部1は、第2種サブカードのスキャン入力ガイダンスを出力させ、これに応じて第1読取部5からのコードの入力を受けると、読み取った情報に含まれるカード種識別情報に基づき第2種サブコードか否かを判断する(ステップT25)。第2種サブコードでない場合(ステップT25でNo)、制御部1は、エラーメッセージ(ステップT26)を表示させてさらに第2種サブカードのスキャン入力ガイダンスを出力させる。
第2種サブコードである場合(ステップT25でYes)、制御部1は、読み取った第2種サブコードに基づきアイテムを設定する(ステップT27)。制御部1は、このアイテムをゲームに適用してゲーム展開処理等を実行する。なお、当ステップT25‐T27は、1ゲームに適用できるアイテムが複数ある場合、繰り返し得る。また、当アイテムの設定は任意であり、制御部1は設定終了のガイダンスを含めて出力させており、これに応じた操作入力部4から設定終了の入力に基づき設定を終了する。
以上のように制御部1は、メインコードの必須条件に依るゲームにおいて、当該メインコードと共通のIDが書き込まれているか否かを問わず第2種サブコードによって特定される付加的な条件を適用可能とするゲーム条件項目を設けて制御する。したがって、第2種サブコードにもIDを書き込んでおき、制御部1によりIDを問わず適用するように処理して実施してよい。これにより、ゲームプレイヤ同士での第2種サブカードの交換を許容することができ、ゲームプレイヤ同士の交流を促進し、第1種サブカード等の他のカードの交換の機会を増やすことができる。
【0065】
次に、制御部1は、ステップT24で設定したキャラクターが使用(着用等)するファッションアイテムを、次の追加設定されるファッションアイテムがある場合はそれを選択肢に含めて設定する、すなわち、コーディネイトするガイダンスを出力させ、これに応じた入力を受け、記憶部11にその設定を記憶する(ステップT31)。
すなわち、制御部1は、ファッションアイテムを有する同じIDのメインカードのスキャン入力ガイダンスを出力させ、これに応じて第1読取部5からのコードの入力を受けると、読み取った情報に含まれるカード種識別情報、ID及びファッションアイテムを特定する情報並びにステップT22で読み取ったIDに基づき同じIDのメインコードでファッションアイテムを有するか否かを判断する(ステップT28)。「同じIDのメインコードでファッションアイテムを有するもの」でない場合(ステップT28でNo)、制御部1は、エラーメッセージ(ステップT29)を表示させてさらにファッションアイテムを有する同じIDのメインカードのスキャン入力ガイダンスを出力させる。
「同じIDのメインコードでファッションアイテムを有するもの」である場合(ステップT28でYes)、制御部1は、読み取ったファッションアイテムも使用可能なものとして設定する(ステップT30)。なお、当ステップT28‐T30は、ファッションアイテムの追加設定上限値又は制限時間を限度に繰り返し得る。また、カードによるファッションアイテムの追加設定は任意であり、制御部1は追加設定終了のガイダンスを含めて出力させており、これに応じた操作入力部4から追加設定終了の入力に基づき追加設定を終了する。
【0066】
次に、制御部1は、異なるIDの第1種サブカードのスキャン入力ガイダンスを出力させ、これに応じて第1読取部5からのコードの入力を受けると、読み取った情報に含まれるカード種識別情報及びID並びにステップT22で読み取ったIDに基づき異なるIDの第1種サブコードか否かを判断する(ステップT32)。異なるIDの第1種サブコードでない場合(ステップT32でNo)、制御部1は、エラーメッセージ(ステップT33)を表示させてさらに異なるIDの第1種サブカードのスキャン入力ガイダンスを出力させる。
異なるIDの第1種サブコードである場合(ステップT32でYes)、制御部1は、読み取った第1種サブコードに基づきサブキャラクターを設定する(ステップT34)。制御部1は、このキャラクターをエースとともにアイドルユニットを構成する他のメンバーとして設定する。なお、当ステップT32‐T34は、サブキャラクターの設定人数上限値を限度に繰り返し得る。また、サブキャラクターの設定は任意であり、制御部1は設定終了のガイダンスを含めて出力させており、これに応じた操作入力部4から設定終了の入力に基づき設定を終了する。したがって、設定されるサブキャラクターの人数は0から設定人数上限値までの間となる。
以上のように制御部1は、メインコードの必須条件に依るゲームにおいて、当該メインコードとIDが不一致の第1種サブコードによって特定される付加的な条件を適用可能とし、当該メインコードとIDが一致する第1種サブコードによって特定される付加的な条件を不適用とするゲーム条件項目を設けて制御する。これにより、ゲームプレイヤ同士での第1種サブカードの交換を促すことができ、アイドルユニットの組み合わせが豊かになり、ゲームの興趣を高めることができる。
【0067】
制御部1は、楽曲選択ステップS27、続いてゲーム展開処理ステップS28を新規ゲームの場合と同様に実行する。
図12に示すようにゲームが終了したら、新規ゲームの場合と同様に、スコア集計ステップS29、ランク決定ステップS30、ビジュアル変更設定ステップS32、ファッションアイテム獲得ステップS33、印刷画像合成ステップT36、印刷ステップS35を実行する。但し、印刷画像合成ステップT36は、ステップT22で読み取ったIDを引き続きメインコード及びサブコードに書き込むIDとする点で、新規ゲーム時とは異なる。
【0068】
また、
図12に示すようにカードサイズ選択処理ステップT35が入る。カードサイズ選択処理ステップT35では、制御部1は、印刷するカードを
図8(a)に示すような通常版とするか、
図8(b)に示すような大判とするかを選択する。例えば、大判が所定当選率の抽選処理によって選択される。また、本ゲーム回におけるゲームの内容に応じて選択するようにしてもよい。特に、アイドルユニットが所定人数を超える場合に大判にするルールを導入するとよい。メンバー数の多いアイドルユニットを無理なくカード面に描写することができる。ステップT35で大判が選択された場合は、ステップT36で合成されステップS35で印刷される印刷画像は大判のものになる。
【0069】
制御部1はステップT36で合成した印刷画像の印刷指令を印刷部9に出し、印刷部9は、所定の基材シートに印刷し、通常版又は大判のカードを取り出し口27に排出する(ステップS35)。
以上のようにして制御部1は、第1読取部5によりコードを読み取った場合は、当該コードによって特定されるゲーム条件に従いゲームを展開し、そのゲーム結果を反映したゲーム条件を決定し、当該ゲーム条件を特定するコードを印刷部9により印刷させた印刷物(カード)をゲームプレイヤに発行して本ゲーム回に係る処理を終了する。
なお、以上の第2ゲーム形態の制御フローにおいては、ゲームプレイヤ撮影ステップS23をゲーム展開処理ステップS28の前に置いたが、ゲームプレイヤ撮影ステップS23は遅くとも印刷画像合成ステップS34,T36の前までに実行すればよい。その他、第1、2ゲーム形態の制御フローにおいてステップの順序は適宜に変更して実施してもよい。
【0070】
以上のメインカードとサブカードは、ユーザーにおける両者の区別の容易のために、大きさを異ならしめることが好ましく、メインカードにキャラクター等の印刷領域を確保するため、またメインカードを紛失するとコードに依る継続したゲームが行えなくなるので、メインカードをサブカードより大きくすることが好ましい。
以上の説明で参照した
図3及び
図8のカード表面の絵柄は一例であるとともに、カード表面の絵柄はゲーム内容に応じて変化するものである。
以上の実施形態においては、ゲームプレイヤ名、キャラクター名などのゲームプレイヤから入力された情報とは別に、同一性識別情報(ID)を設けたが、当該同一性識別情報に代えてゲームプレイヤ名、キャラクター名などとしてゲームプレイヤから入力された識別情報を用いて一致、不一致の判断を実施してもよい。その場合に、すでに登録されている識別情報との二重登録(同名登録)を禁止するシステムに構成して実施してもよいし、二重使用(同名使用)を許容するシステムに構成して実施してもよい。
【0071】
〔読取部〕
以下に開示するカード読取装置が、上記の第1読取部5として適用される。
本実施形態のカード読取装置R01は、カードQ01に固定されたコードQ10を読み取る装置である。
図13に示すようにカードQ01には、カードの面に平行な1次元方向又は2次元方向に展開されたコードQ10が印刷により固定されている。本実施形態では、2次元方向に展開されたコードQ10を図示する。
【0072】
図13及び
図14によって示すようにカード読取装置R01は、カードQ01を所定の配置に保持するカード保持部R02と、カード保持部R02に保持されたカードQ01に固定されているコードQ10を撮像する撮像部R03と、撮像部R03により撮像された画像に基づきコードQ10を読み取る図示しない読取処理部と、を備える。
撮像部R03としてはデジタルカメラが適用される。読取処理部は集積回路で実現され、撮像部R03から出力された画像データを画像処理してコードを複合化する。
【0073】
さらに補足的に
図15を参照する。なお、
図13に示すカードQ01の外形は、
図15において4点Q11‐Q13‐Q27‐Q25を結んだ四辺形に相当する。
カード保持部R02は、カードQ01の面に接することで撮像部R03の光学軸Zの方向についてカードQ01の位置を規制する第1規制部R04と、カードQ01の縁(Q11‐Q13)に接することで光学軸Zに直交する第2軸Xの方向についてカードの位置を規制する第2規制部R05と、カードQ01の縁(Q11‐Q25)に接することで光学軸Z及び第2軸Xに直交する第3軸Yの方向についてカードQ01の位置を規制する第3規制部R06と、第2軸Xの第2規制部R05に相対する方向(
図15の座標でXの負の方向)及び第3軸Yの第3規制部R06に相対する方向(
図15の座標でYの負の方向)についてカードQ01を移動可能に開放する開放部と、を有する。
開放部は本実施形態では、カード挿入口R07である。すなわち、カード保持部R02は、光学軸Zに沿って第1規制部R04に相対する範囲に、カードQ01が挿入される間隔を隔てて設けられた第4規制部R08と、開放部としてのカード挿入口R07と、を有する。カード挿入口R07が第2軸X及び第3軸Yに対して略45度で傾斜している。
なお、第4規制部R08は、カード保持空間と撮像部R03との間に介在するので、透明部材により構成される。
【0074】
カードQ01を、そのコードQ10に近い角を先にしてカード挿入口R07に挿入すると、カードQ01の縁(Q11‐Q13)が第2規制部R05に当接するとともに、カードQ01の縁(Q11‐Q25)が第3規制部R06に当接して、カードQ01はカード保持部R02に所定の配置に保持される。
このとき、コードQ10が読取範囲R09に入り、撮像部R03が撮像する。すなわち、第1、第2及び第3規制部R04,R05,R06、さらに第4規制部R08によって規制され、開放部であるカード挿入口R07によって開放された状態でカード保持部R02に保持されたカードQ01のコードQ10を撮像部R03が撮像する。
読取処理部は、撮像部R03の撮像した画像に基づきコードQ10を読み取る、すなわち、復号化する。
また、カードQ01の挿入方向後端は、カード挿入口R07から延出された状態である。したがって、使用者はカードQ01の挿入から抜き去りまでを始終カードQ01を把持した状態で行うことできる。カード読取装置R01が発する読取成功音などの報知により、使用者はカードQ01を抜き去る。
【0075】
以上のコードQ10が読取範囲R09に配置される点、及びカードの挿入方向後端がカード挿入口R07から延出された状態でカード保持部R02に保持される点は、カードサイズによらず実現される。
例えば
図15に示す、4点Q11‐Q13‐Q27‐Q25を結んだ四辺形に相当するカードQ01(
図13、
図3(a)のメインカード31に相当)のほか、4点Q11‐Q13‐Q18‐Q16を結んだ四辺形に相当するカード(
図8(a)のサブカード52に相当)、4点Q11‐Q15‐Q29‐Q25を結んだ四辺形に相当するカード、4点Q11‐Q15‐Q20‐Q16を結んだ四辺形に相当するカード(
図8(b)のサブカード52に相当)を適用することができる。
さらに、4点Q11‐Q14‐Q24‐Q21を結んだ四辺形に相当するカード(
図8(a)のメインカード51に相当)、4点Q11‐Q12‐Q22‐Q21を結んだ四辺形に相当するカード(
図3(a)のサブカード32に相当)、4点Q11‐Q14‐Q32‐Q30を結んだ四辺形に相当するカード(
図3(b)のメインカード31及び
図8(b)のメインカード51に相当)、4点Q11‐Q12‐Q31‐Q30を結んだ四辺形に相当するカード(
図3(b)のサブカード32に相当)その他を適用することができる。
適用されるカードのなかで一番小さなカードでもカード挿入口R07の中に全部が入らないように設定される。すなわち、カード保持部R02は、カードのサイズによらず、カード挿入口R07に挿入されたカードの挿入方向後端部がカード挿入口R07から延出された状態でカードを保持する。
【0076】
図15に示すように第2軸Xの第2規制部R05に相対する方向について開放すべき範囲R10は、Y座標において第3規制部R06によって規制される位置まで確保し、Y座標の負の方向については特に制限する必要はないがカードサイズを超えることが必要である。同様に、
図15に示すように第3軸Yの第3規制部R06に相対する方向について開放すべき範囲R11は、X座標において第2規制部R05によって規制される位置まで確保し、X座標の負の方向については特に制限する必要はないがカードサイズを超えることが必要である。特に、適用する最大サイズのカードの挿入の妨げにならないように構成し、同カードの挿入の妨げにならないカード保持部R02からの遠方位置の構成は不問である。
適用されるカードは、そのサイズによらず、第2規制部R05に規制される縁(Q11‐Q15側)及び第3規制部R06に規制される縁(Q11‐Q30側)を基準にしたカード読取装置R01による読取範囲R09にコードQ10が固定されている。
以上により、どんなサイズのカードも読み取ることが可能である。
また。同じサイズのカードでも、カード挿入口R07に向かって左側に長く延出するカードと、右側に長く延出するカードとを使用することができる。このことは、カードデザインにおいて、コードQ10を左寄りに配置するか又は右寄りに配置するかの選択性をもたらし、カードのデザインの自由度、カードの多品種化に寄与する。
【0077】
なお、以上の実施形態にあっては第4規制部R08を設けたが、これを設けず、第1規制部R04の対向範囲を開放してもよい。この場合、第1規制部R04を透明部材として第1規制部R04の裏に撮像部を配置しコードQ10を第1規制部R04側に向けて配置させるようにするか、第1規制部R04の対向方向に距離を離して撮像部を設置することで実施する。撮像部の光学軸の方向についてカードの位置規制は、第1規制部R04にカード面が接することで十分に成し得る。
【0078】
〔印刷部〕
以下に開示する転写式印刷装置が、上記の印刷部9として適用される。
以下の説明における基材シートP10に、分割ラインCLに沿って分割容易にする分割ライン加工を施すことにより、その印刷物として
図3及び
図8に示したカードが得られえる。基材シートP10に分割ライン加工を施すタイミングは、予め分割ライン加工が施された基材シートP10を本体P02にセットするか、基材シートP10に分割ライン加工を施す装置を本体P02に搭載して、遅くとも取り出し口27に印刷物が排出されるまでとする。分割ライン加工は、ミシン目、筋目などの加工のいずれでもよい。また、分割ライン加工に代えて分割ラインCLを明示する分割ライン印刷を実施する場合は、基材シートP10に分割ライン加工を施すことなく、基材シートP10には、本転写式印刷装置により分割ラインCLに沿って破線、実線などの線を印刷するか、又は分割ラインCLの両側領域の色彩の不連続により分割ラインCLを明示する印刷を施す。
また、制御部1のステップS13、S35での印刷指令を下記の印刷制御部P15が受信して印刷作業を処理する。
【0079】
〈装置概要〉
本実施形態の転写式印刷装置P01は昇華型熱転写方式であり、
図16に示すように本体P02に、基材シートP10を巻いた基材シートロールP03及び4種のインクが保持されたインクリボンP30がセットされて稼働する。なお、基材シートP10としては紙等が適用される。
図17に示すようにインクリボンP30は、イエローP04、マゼンダP05、シアンP06、オーバーコートP07の順で、長手方向に分割されて繰り返し保持されている。この順序は転写順序に相等しい。また、インクリボンP30は、初期に巻出し軸P08に巻かれており、使用に従って巻き取り軸P09に巻き取られる。
【0080】
図18に、基材シートロールP03及びインクリボンP30がセットされた転写式印刷装置P01を模式的に示す。転写式印刷装置P01の機能ブロック図を
図19に示す。
転写式印刷装置P01は、インクリボンP30からインクを原画像に基づき基材シートP10に転写する転写ヘッドP11を有する。
さらに転写式印刷装置P01は、基材シート送り部P12、インクリボン送り部P13、切断部P14、印刷制御部P15、その他データ入力部等を備える。
基材シート送り部P12は、転写ヘッドP11の作用領域P16に基材シートP10を送る搬送装置である。
図18等において搬送ローラ、プラテン、駆動部など機構の図示を省略する。
インクリボン送り部P13は、転写ヘッドP11の作用領域P16であって転写ヘッドP11と基材シートP10の間にインクリボンP30を送る搬送装置である。
図18等において駆動部などの機構の図示を省略する。
【0081】
切断部P14は、可動刃P17を駆動して、基材シートP10を、その送り方向P31に交わる方向に切断分離する切断装置である。
図18等において駆動部などの機構の図示を省略する。
印刷制御部P15は、転写ヘッドP11、基材シート送り部P12、インクリボン送り部P13、及び切断部P14を制御して、以下に説明する一単位印刷物作製制御と、複数単位印刷物作製制御とを実行する。
【0082】
〈一単位印刷物作製制御〉
一単位印刷物作製制御につき説明する。
図20(a)→(b)→(c)→(d)で示すように印刷制御部P15は、転写ヘッドP11により基材シートP10の同一面に4種のインクP04,P05,P06,P07を順次転写する。すなわち、基材シート送り部P12を制御し基材シートP10を作用領域P16に停止した状態で、インクリボン送り部P13及び転写ヘッドP11を制御し4種のインクP04,P05,P06,P07を一巡させつつ転写ヘッドP11の転写により転写像を形成する。この転写像を一転写単位とする。
【0083】
転写過程を詳しく述べると、まず、
図20(a)では、基材シートP10にイエロー像P04aを転写し、次のマゼンダP05が作用領域P16に配置されるようにインクリボンP30を送る。
次に
図20(b)では、基材シートP10にマゼンダ像P05aを転写し、次のシアンP06が作用領域P16に配置されるようにインクリボンP30を送る。
次に
図20(c)では、基材シートP10にシアン像P06aを転写し、次のオーバーコートP07が作用領域P16に配置されるようにインクリボンP30を送る。
次に
図20(d)では、基材シートP10にオーバーコート膜P07aを全面転写し、その後の印刷のために次のイエローP04が作用領域P16に配置されるようにインクリボンP30を送る。
【0084】
以上により基材シートP10にイエロー像P04a、マゼンダ像P05a、シアン像P06a、オーバーコート膜P07aが転写形成される。なお、図においてイエロー像P04a、マゼンダ像P05a、シアン像P06aを積層状に描いているが、これらは融合しカラー像を形成する。そのカラー像がオーバーコート膜P07aによって被覆保護された状態に仕上がる。
【0085】
次に
図21に示すように印刷制御部P15は、基材シート送り部P12及び切断部P14を制御して、一転写単位部分を一枚として印刷物P18を切断部P14により切り出す。
以上により、一転写単位部分を一枚とした印刷物P18(
図3(a)及び
図8(a)の通常版に相当)が作製される。
なお、以上の技術事項、及び次の複数単位印刷物作製制御において以上の事項との共通の事項とは、従来の技術によって実施可能である。
【0086】
〈複数単位印刷物作製制御〉
次に、複数単位印刷物作製制御につき説明する。
まず、印刷制御部P15は
図20を参照して説明したように一転写単位を形成する。
図22にも同様にイエロー像P04a、マゼンダ像P05a、シアン像P06a、オーバーコート膜P07aを示した。
その後、印刷制御部P15は、
図22に示すように基材シートP10を一転写単位分P19送って、
図23に示すように先の一転写単位部分P20に連続して後の一転写単位部分P21を形成する(これを「拡張工程」と呼ぶ)。印刷制御部P15は、この拡張工程を1回又は2回以上繰り返し実行する。ここでは、1回実行したとする。これに伴いインクリボンP30はさらに一巡する。
【0087】
拡張工程における転写過程を詳しく述べると、まず、
図23(a)では、基材シートP10にイエロー像P04bを転写し、次のマゼンダP05が作用領域P16に配置されるようにインクリボンP30を送る。
次に
図23(b)では、基材シートP10にマゼンダ像P05bを転写し、次のシアンP06が作用領域P16に配置されるようにインクリボンP30を送る。
次に
図23(c)では、基材シートP10にシアン像P06bを転写し、次のオーバーコートP07が作用領域P16に配置されるようにインクリボンP30を送る。
次に
図23(d)では、基材シートP10にオーバーコート膜P07bを全面転写し、その後の印刷のために次のイエローP04が作用領域P16に配置されるようにインクリボンP30を送る。
【0088】
次に
図24に示すように印刷制御部P15は、基材シート送り部P12及び切断部P14を制御して、最先の一転写単位部分P20と後の一転写単位部分P21とで構成される二転写単位部分P22を一枚として印刷物P23を切断部P14により切り出す。
以上により、二転写単位部分を一枚とした印刷物P23(
図3(b)及び
図8(b)の大判に相当)が作製される。
拡張工程を2回以上繰り返し実行することにより、三転写単位以上の部分を一枚とした印刷物が作製されることは言うまでもない。
【0089】
〈原画像の割り当て〉
上述したように最先の一転写単位部分P20と後の一転写単位部分P21とは、連続するので、一転写単位に相当する面積の複数倍の面積に亘って原画像を印刷することができる。
それには、
図25に示すように原画像P24を、最先の一転写単位部分P20に割り当てる画像領域P25と、後の一転写単位部分P21に割り当てる画像領域P26とに分割し、それぞれ最先の一転写単位部分P20と後の一転写単位部分P21とに割り当て、上述の複数単位印刷物作製制御を実行する。
したがって、印刷制御部P15は、入力された原画像データに対し以上の分割に係る処理を実行し、最先の一転写単位部分P20を形成するためのイエロー像、マゼンダ像、シアン像を指定する印刷データ、及び後の一転写単位部分P21を形成するためのイエロー像、マゼンダ像、シアン像を指定する印刷データを準備処理した上で、転写ヘッドP11、基材シート送り部P12、インクリボン送り部P13、及び切断部P14を制御して複数単位印刷物作製制御を実行する。
以上により、人物、その他の一体の物体の像P27を複数転写単位分の大面積に跨って印刷した印刷物を作製可能である。
【0090】
ここで、以上の転写式印刷装置の技術に込められる以下の発明を開示する。
(A1)
複数種のインクが長手方向に分割されて転写順序に従って繰り返し保持されたインクリボンからインクを原画像に基づき基材シートに転写する転写ヘッドを有し、該転写ヘッドにより前記基材シートの同一面に前記複数種のインクを順次転写して印刷物を作製する転写式印刷装置であって、
前記転写ヘッドの作用領域に前記基材シートを送る基材シート送り部と、
前記転写ヘッドの作用領域であって前記転写ヘッドと前記基材シートの間に前記インクリボンを送るインクリボン送り部と、
前記基材シートを、その送り方向に交わる方向に切断分離する切断部と、
前記転写ヘッド、前記基材シート送り部、前記インクリボン送り部、及び前記切断部を制御する印刷制御部と、を備え、
前記印刷制御部は、前記基材シートを前記作用領域に停止した状態で、前記複数種のインクを一巡させつつ前記転写ヘッドの転写により形成される転写像を一転写単位として、
一転写単位部分を一枚として前記切断部により切り出す一単位印刷物作製制御と、
一転写単位を形成後、前記基材シートを一転写単位分送って、先の一転写単位部分に連続して後の一転写単位部分を形成することを1回又は2回以上繰り返し実行した後、最先の一転写単位部分と後の一又は二以上の転写単位部分とで構成される複数転写単位部分を一枚として前記切断部により切り出す複数単位印刷物作製制御と、
を実行可能に構成された転写式印刷装置である。
(A2)
前記印刷制御部は、前記複数単位印刷物作製制御にあたり、一の原画像を一転写単位領域ごとに分割して割り当てる(A1)に記載の転写式印刷装置である。
【0091】
〈境界線の処理〉
転写式印刷装置P01によって、
図3(b)又は
図8(b)に示す大判のカードを作製する場合、一転写単位部分P20と後の一転写単位部分P21との境界に境界線BLがかすかに視認可能に生じることがある。その場合、
図3(b)に示すように、境界線BLを目立たなくすることを解決しようとする課題とした以下の発明を開示する。
【0092】
(A3)
(A1)又は(A2)のうちいずれか一に記載の転写式印刷装置と、
ゲームを展開し、前記一単位印刷物作製制御又は前記二単位印刷物作製制御を選択するゲーム制御部(1)と、を備え、
前記一単位印刷物作製制御が選択された場合は一転写単位部分で一枚となる印刷物を、前記二単位印刷物作製制御が選択された場合は二転写単位部分で一枚となる印刷物を排出するゲーム装置(100)であって、
二転写単位分の原画像データとして、隣接する一転写単位部分同士の境界線BLを中心に両側所定幅内の領域を境界線BLに沿って色調が不変又はグラデーション変化とした境界線カバー像BIを有した原画像データを記憶した記憶部(11)を備えるゲーム装置(100)である。境界線BLに直交する方向についての色調変化は問わない。
【0093】
境界線カバー像BIの実施形態としては、印刷物に表示された境界線カバー像BI以外の像に関連したものが好ましいい。例えば、
図3(b)に示すように、発光物又は反射物等の光を放射する物品の像BHを、境界線BLを跨ぐように配置する。像BHの例としては、ライト、鏡、宝石等の物品の像が挙げられる。そのような物品の像BHから放射される光の像を境界線カバー像BIとする。
【解決手段】ゲーム装置は、制御部からの指令に従い所定の分割ラインCLに沿って分割容易にする加工等が施された印刷物を作製する印刷部を備える。印刷物は、特にゲーム条件特定用印刷物とされ、分割ラインCLで分割される複数の部分31,32のそれぞれに光学的に読み取られるコード33,44が印刷され、コード33,34には、ゲーム装置における互いに異なるゲーム条件を特定する情報と共通の識別情報が記録されている。ゲーム条件項目や識別情報の一致、不一致等によりゲーム装置での扱いが異なるようにした。