特許第5728618号(P5728618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5728618チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜及びその製造方法、並びにその応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5728618
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜及びその製造方法、並びにその応用
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/06 20060101AFI20150514BHJP
   C23C 14/34 20060101ALI20150514BHJP
   C01B 33/24 20060101ALI20150514BHJP
   C04B 35/22 20060101ALI20150514BHJP
   H01J 29/20 20060101ALI20150514BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   C23C14/06 L
   C23C14/34 A
   C01B33/24 101
   C04B35/22
   H01J29/20
   H05B33/14 Z
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-517372(P2014-517372)
(86)(22)【出願日】2011年6月27日
(65)【公表番号】特表2014-527574(P2014-527574A)
(43)【公表日】2014年10月16日
(86)【国際出願番号】CN2011076446
(87)【国際公開番号】WO2013000111
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2013年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】512226860
【氏名又は名称】▲海▼洋王照明科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】周明杰
(72)【発明者】
【氏名】王平
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼吉星
(72)【発明者】
【氏名】▲鍾▼▲鉄▼涛
【審査官】 若土 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−191588(JP,A)
【文献】 特開2001−064638(JP,A)
【文献】 特表2006−514887(JP,A)
【文献】 特開昭55−023106(JP,A)
【文献】 特開平01−095450(JP,A)
【文献】 特開平09−087618(JP,A)
【文献】 特開2001−234162(JP,A)
【文献】 特開2001−234161(JP,A)
【文献】 特開2004−277549(JP,A)
【文献】 特開2006−040556(JP,A)
【文献】 米国特許第5688438(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
C01B 33/00−33/193
C04B 35/22
H01J 29/20
H05B 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜であって、
前記チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜は、一般式のCa2−xMgSi:xTi4+で示され、その中、xが0.00017〜0.0256であることを特徴とする、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜。
【請求項2】
前記xは0.001〜0.008であることを特徴とする、請求項1に記載のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜。
【請求項3】
CaO粉体、MgO粉体、SiO粉体、及びTiO粉体を、(2−x):1:2:xのモル比(その中で、xが0.00017〜0.0256である)で混合し、焼結してターゲット材を形成する工程と、
前記ターゲット材をマグネトロンスパッタリング・チャンバー内に入れ、真空引きし、作動圧力を0.2Pa〜4Paと設置し、不活性ガスと水素ガスとの混合ガスを15sccm〜35sccmの流量で流し込み、基板温度を250℃〜750℃と設置し、スパッタ出力を30W〜200Wとして、スパッタリングを行って、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を得る工程と、
を備えることを特徴とする、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法。
【請求項4】
得られたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜に対して、さらにアニール処理を行うことを特徴とする、請求項3に記載のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法。
【請求項5】
前記アニール処理のアニール温度は500℃〜800℃であり、前記アニールの保温時間は1h〜3hであることを特徴とする、請求項4に記載のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法。
【請求項6】
前記xは0.001〜0.008であることを特徴とする、請求項3に記載のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法。
【請求項7】
前記混合ガスにおける水素ガスの含有量は体積百分率で1%〜15%であることを特徴とする、請求項3に記載のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法。
【請求項8】
前記混合ガスにおける水素ガスの含有量は体積百分率で3%〜8%であることを特徴とする、請求項3に記載のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法。
【請求項9】
前記チャンバーの作動圧力が1.5Pa〜2.5Paであり、前記基板温度が400℃〜600℃であり、前記スパッタ出力が100W〜140Wであることを特徴とする、請求項3〜8のいずれか1項に記載のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法。
【請求項10】
電界放出素子、ブラウン管、及び/又は電界発光デバイスにおける、請求項1又は2に記載のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体光電材料技術分野に属し、具体的には、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜及びその製造方法、並びにその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜電界発光ディスプレイ(TFELD)は、自発光性、全体固体性、耐衝撃性、高速応答性、広視野角、適用温度範囲が広く、プロセスが簡単である等の利点を有するため、広く注目されており、急速に発展している。ZnS:Mnを発光層とする単色のTFELDは、既に成熟に発展し、且つ既に商業化を実現した。現在、TFELDの研究は、青色光の輝度を向上させ、マルチカラーないしはフルカラーのTFELDを実現することにその重点がある。
【0003】
発光材料において、希土類イオンをドーブしたケイ酸塩系蛍光粉は、既に深く研究され、優れた赤色光から青色光の励起を得ることができる。しかしながら、希土類はその値段が高く、且つケイ酸塩から薄膜電界発光材料を製造した場合、一般的に薄膜の質量が低く、性能が劣ることで、更なる応用が制限された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の欠陥を解決することにあり、本発明はチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜及びその製造方法、並びにその応用を提供する。
【0005】
また、本発明の実施形態のもう1つの目的は、上記のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法を提供することにある。
【0006】
また、本発明の実施形態の他の1つの目的は、上記のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜が電界放出素子、ブラウン管、及び/又は電界発光デバイスにおける応用を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、下記のような形態により実現する。第1の形態は、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を提供するものであり、前記のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の一般式は、Ca2−xMgSi:xTi4+であり、式において、xが0.00017〜0.0256である。
【0008】
また、本発明の実施形態は、上記チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法を提供するものであり、当該方法は、
CaO粉体、MgO粉体、SiO粉体、及びTiO粉体を、(2−x):1:2:xのモル比(その中で、xが0.00017〜0.0256である)で混合し、焼結してターゲット材を形成する工程と、
前記のターゲット材をマグネトロンスパッタリング・チャンバー内に入れ、真空引きし、作動圧力を0.2Pa〜4Paとし、不活性ガスと水素ガスとの混合ガスを、15sccm〜35sccmの流量で流し込み、基板温度を250℃〜750℃とし、スパッタ出力を30W〜200Wとすることでスパッタリングを行って、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を得る工程と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態におけるチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜は、チタン(Ti)をドープした三元系ケイ酸塩により、発光強度が高く、熱安定性及び化学的安定性に優れた薄膜を得るものである。上記の製造方法には、マグネトロンスパッタリング法が用いられ、それは、堆積速度が高く、薄膜の付着性が良く、制御し易く、且つ大面積の堆積が実現できるなどの利点がある。さらに、当該薄膜は、光電半導体の応用において、高安定性や長寿命の長所を示している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態におけるチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法のフロー図である。
図2】本発明の実施形態に係るチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を発光層とする電界発光デバイスの構成を模式的に示す図である。
図3】本発明の実施例1で製造されたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の電界発光ペクトル図である。
図4】本発明の実施例1で製造されたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜のXRDスペクトルの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の目的、技術的手段及び利点を更に明らかにするために、図面及び実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、ここで具体的に記載された実施例は、本発明の解釈のみに用いられ、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0012】
本発明の実施形態は、下記のような技術的手段により実現される。第1の形態は、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を提供するものであり、前記のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の一般式は、Ca2−xMgSi:xTi4+であり、その中、xが0.00017〜0.0256である。xが0.001〜0.008であることが好ましい。
【0013】
ケイ酸塩基質は、比較的に高い化学的安定性及び熱安定性を有し、且つ純度が高い二酸化ケイ素の原料が安価で入手しやすく、理想的な基質材料である。希土類に対して、Tiは安価であり、基質材料のCaMgSiに少量でドーピングされた場合、高強度の発光を得ることができる。
【0014】
また、本発明の実施形態の他の目的は、本発明の実施形態に係るチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法を提供することにあり、当該方法は、図1に示すように、以下の工程を含む。
S01: CaO粉体、MgO粉体、SiO粉体、及びTiO粉体を、(2−x):1:2:xのモル比で混合し、焼結してターゲット材を形成し、その中で、xが0.00017〜0.0256である。
S02: 前記のターゲット材をマグネトロンスパッタリング・チャンバー内に入れ、真空引きし、作動圧力を0.2Pa〜4Paとし、不活性ガスと水素ガスとの混合ガスを、15sccm〜35sccmの流量で流し込み、基板温度を250℃〜750℃とし、スパッタ出力を30W〜200Wとすることでスパッタリングを行い、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を得る。
【0015】
上記の工程S01において、CaO粉体、MgO粉体、SiO粉体、及びTiO粉体を秤量し、且つ均一に混合し、焼結してターゲット材とする。例えば、900℃〜1300℃の温度で焼結させ、約Ф50×2mmのセラミックターゲット材を作製した。焼結温度は、1250℃であることが好ましい。上記の粉体の純度は、99.99%よりも大きいであることが好ましい。混合物における各成分のモル比は、CaO:MgO:SiO:TiOが(2−x):1:2:xであり、式中、xが0.00017〜0.0256である。基体の成分及びドーピング元素の含有量は、薄膜の性能及び構造に影響を与える重要な要素である。ドーピングされた金属イオンが材料の構造に影響を与えることにより、外来の金属イオンが結晶格子に入り込んで結晶の構造の一部に歪みを発生させる。このため、ドーピング量が多すぎると、格子歪みが大きくなりすぎ、結晶格子におけるイオンの秩序化を乱したり、材料に不純物相を生成させることになり、従って材料の性能がひどく弱化される。ドーピング量が少なすぎると、その発光性能が低下する。前記のxは、0.001〜0.008であることが好ましい。
【0016】
工程S02において、基板は、サファイア、石英ガラス、シリコンウェハー等の硬質基板である。使用する前に、アセトン、無水エタノール、及び脱イオン水を用いて超音波で洗浄する。更なる応用により、基板、例えば、ITOガラス基板を選んで用いてもよい。ターゲット材と基板との距離は、45mm〜95mmであることが好ましい。ターゲット材と基板との距離は、60mmであるのがより好ましい。ターゲット材をスパッタリング・チャンバー内に入れた後、機械ポンプや分子ポンプを用い、チャンバー内の真空度が1.0×10−3Pa〜1.0×10−5Pa以上、好ましくは6.0×10−4Paになるように、チャンバーを真空引きした。性能が優れるチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を得るために、プロセス条件の設計は非常に重要である。スパッタリング・チャンバー内での作動ガスは、不活性ガスと水素ガスとの混合ガスであり、その中で、水素ガスの体積百分率が1%〜15%であり、3%〜8%であることが好ましい。混合ガスの流量が20sccm〜30sccmで、作動圧力が1.5Pa〜2.5Paであり、基板温度が400℃〜600℃であり、スパッタ出力が100W〜140Wであることが好ましい。さらに、得られたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜に対してアニール処理を行い、薄膜の性能を高めることができる。上記の特定のプロセス条件下で得られたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜に対し、アニール処理を行う。アニール処理は、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を、アニール温度までに昇温して保温する過程を含む。アニール温度は、500℃〜800℃である。好ましくは、アニール温度が550℃〜650℃であり、アニールの雰囲気が不活性ガス、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの雰囲気であり、又は真空アニールである。本発明の1つの好ましい実施例において、アニール処理が0.01Paの真空炉でアニールすることである。アニールの昇温は、速すぎたり、遅すぎたりしては良くなく、昇温速度が1℃/min〜10℃/minであり、好ましくは5℃/min〜8℃/minである。アニール温度までに昇温した後、1h〜3hを維持し、2hを維持することが好ましい。アニールは、薄膜の結晶品質を向上させ、薄膜を増加させ、且つ薄膜の発光効率を向上させる。
【0017】
また、本発明の実施形態は、上記のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜が電界放出素子、ブラウン管、及び/又は電界発光デバイスにおける応用を提供する。電界発光デバイスを例として、図2に示すように、上記の実施例におけるチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を用いた電界発光デバイスを示し、当該デバイスは、順に積層されたガラス基層21、陽極22、発光層23、及び陰極24を備える。陽極22は、酸化インジウム錫(ITOと略称する)を用いてもよい。発光層23は、本発明実施例におけるチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を含む。陰極24は、金属Agであってもよいが、これのみに限定されたものではない。したがって、1つの具体的な実施例において、薄膜電界発光デバイスの構成は、ガラス/ITO/チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜/Agで示される。各層は、従来の方法で形成されてもよく、例えば、ITO層を有するガラス基板を用い、マグネトロンスパッタリング法により上記のチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜をスパッタリングさせ、さらにAg層を蒸着するという方法で形成されてもよい。
【0018】
本発明の実施形態は、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を提供する。少量のチタンをドープすることにより、結晶化度が高いチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜が得られる。当該チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の製造方法は、マグネトロンスパッタリング法により、薄膜の発光強度が高く、性能が安定であるとともに、より良い使用寿命を維持することを実現することができる。さらに、スパッタリングで得られたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜に対して、不活性ガスと水素ガスとの混合ガスを用いてアニール処理を行うことにより、薄膜の発光効率を高めることができるともに、比較的に少量のドーパントでも性能の優れる薄膜を得ることができ、青色光区域においてより強い発射を有する。
【0019】
以下、具体的な実施例に基づき、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
【0020】
実施例1
純度が99.99%であるCaO粉体、MgO粉体、SiO粉体、及びTiO粉体を選んで混合させる。当該混合物において、各成分のモル比はCaO:MgO:SiO:TiOが1.994:1:2:0.006であり、CaO粉体の質量が111.6gで、MgO粉体の質量が40gで、SiO粉体の質量が120gで、TiO粉体の質量が0.48gである。当該混合物を、均一に混合した後、1250℃の高温でФ50×2mmのセラミックターゲット材となるように焼結させ、当該ターゲット材を真空チャンバーに入れる。アセトン、無水エタノール、及び脱イオン水を順に用いて、ITOを有するガラス基板に対して超音波洗浄を行い、且つ酸素プラズマ処理を行って真空チャンバーに入れる。ターゲット材と基板との距離を60mmとする。機械ポンプや分子ポンプを用い、チャンバーの真空度を5.0×10−4Paに真空引きして真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスとの混合ガスを流し込み、この場合に、混合ガスにおける水素ガスの含有量が5%(体積百分率)であり、ガス流量が25sccmであり、圧力を2.0Paに調整し、基板温度を500℃とし、スパッタ出力を120Wに調整する。スパッタリングにより、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を得る。また、得られたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜に対して、0.01Paの真空炉内でアニール処理を行い、この場合に、アニール温度が600℃であり、昇温速度が6℃/minであり、保温時間が2hである。得られた薄膜の試料の化学式がCa1.994MgSi:0.006Ti4+である。
【0021】
実施例2
純度が99.99%であるCaO粉体、MgO粉体、SiO粉体、及びTiO粉体を選んで混合させる。当該混合物において、各成分のモル比はCaO:MgO:SiO:TiOが1.9997:1:2:0.0003であり、CaO粉体の質量が111.98gで、MgO粉体の質量が40gで、SiO粉体の質量が120gで、TiO粉体の質量が0.024gである。当該混合物を、均一に混合した後、900℃の高温でФ50×2mmのセラミックターゲット材となるように焼結させ、当該ターゲット材を真空チャンバー内に入れる。アセトン、無水エタノール、及び脱イオン水を順に用いて、サファイア基板に対して超音波洗浄を行ってから、脱イオン水で洗い流し、最後に高温の窒素ガスを吹き付けることで乾燥させ、真空チャンバーに入れる。ターゲット材と基板との距離を45mmとする。機械ポンプや分子ポンプを用い、チャンバーの真空度を1.0×10−3Paに真空引きして真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスとの混合ガスを流し込み、この場合に、混合ガスにおける水素ガスの含有量が1%(体積百分率)であり、ガス流量が10sccmであり、圧力を0.2Paに調整し、基板温度を250℃とし、スパッタ出力を30Wに調整する。スパッタリングにより、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を得る。また、得られたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜に対して、0.01Paの真空炉内でアニール処理を行い、この場合に、アニール温度が500℃であり、昇温速度が10℃/minであり、保温時間が1hである。得られた薄膜の試料の化学式がCa1.9997MgSi:0.0003Ti4+である。
【0022】
実施例3
純度が99.99%であるCaO粉体、MgO粉体、SiO粉体、及びTiO粉体を選んで混合させる。当該混合物において、各成分のモル比はCaO:MgO:SiO:TiOが1.995:1:2:0.005であり、CaO粉体の質量が111.72gで、MgO粉体の質量が40gで、SiO粉体の質量が120gで、TiO粉体の質量が0.4gである。当該混合物を、均一に混合した後、1300℃の高温でФ50×2mmのセラミックターゲット材となるように焼結させ、そして当該ターゲット材を真空チャンバー内に入れる。アセトン、無水エタノール、及び脱イオン水を順に用いて、サファイア基板に対して超音波洗浄を行ってから、脱イオン水で洗い流し、最後に高温の窒素ガスを吹き付けることで乾燥させ、真空チャンバーに入れる。ターゲット材と基板との距離を95mmとする。機械ポンプや分子ポンプを用い、チャンバーの真空度を1.0×10−5Paに真空引きして真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスとの混合ガスを流し込み、この場合に、混合ガスにおける水素ガスの含有量が1%(体積百分率)であり、ガス流量が35sccmであり、圧力を4.0Paに調整し、基板温度を750℃とし、スパッタ出力を200Wに調整する。スパッタリングにより、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を得る。また、得られたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜に対して、0.01Paの真空炉内でアニール処理を行い、この場合に、アニール温度が800℃であり、昇温速度が1℃/minであり、保温時間が3hである。得られた薄膜の試料の化学式がCa1.95MgSi:0.05Ti4+である。
【0023】
実施例4
純度が99.99%であるCaO粉体、MgO粉体、SiO粉体、及びTiO粉体を選んで混合させる。当該混合物において、各成分のモル比はCaO:MgO:SiO:TiOが1.99983:1:2:0.00017であり、CaO粉体の質量が111.99gで、MgO粉体の質量が40gで、SiO粉体の質量が120gで、TiO粉体の質量が0.0136gである。当該混合物を、均一に混合した後、1200℃の高温でФ50×2mmのセラミックターゲット材となるように焼結させ、そして当該ターゲット材を真空チャンバー内に入れる。アセトン、無水エタノール、及び脱イオン水を順に用いて、サファイア基板に対して超音波洗浄を行ってから、脱イオン水で洗い流し、最後に高温の窒素ガスを吹き付けることで乾燥させ、真空チャンバーに入れる。ターゲット材と基板との距離を50mmとする。機械ポンプや分子ポンプを用い、チャンバーの真空度を8.0×10−4Paに真空引きして真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスとの混合ガスを流し込み、この場合に、混合ガスにおける水素ガスの含有量が3%(体積百分率)であり、ガス流量が15sccmであり、圧力を2.5Paに調整し、基板温度を400℃とし、スパッタ出力を100Wに調整する。スパッタリングにより、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を得る。また、得られたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜に対して、アルゴンガスにおいてアニール処理を行い、この場合に、アニール温度が650℃であり、昇温速度が4℃/minであり、保温時間が2.5hである。得られた薄膜の試料の化学式がCa1.99983MgSi:0.00017Ti4+である。
【0024】
実施例5
純度が99.99%であるCaO粉体、MgO粉体、SiO粉体、及びTiO粉体を選んで混合させる。当該混合物において、各成分のモル比はCaO:MgO:SiO:TiOが1.9744:1:2:0.0256であり、CaO粉体の質量が110.57gで、MgO粉体の質量が40gで、SiO粉体の質量が120gで、TiO粉体の質量が2.048gである。当該混合物を、均一に混合した後、1200℃の高温でФ50×2mmのセラミックターゲット材となるように焼結させ、そして当該ターゲット材を真空チャンバー内に入れる。アセトン、無水エタノール、及び脱イオン水を順に用いて、サファイア基板に対して超音波洗浄を行ってから、脱イオン水で洗い流し、最後に高温の窒素ガスを吹き付けることで乾燥させ、真空チャンバーに入れる。ターゲット材と基板との距離を70mmとする。機械ポンプや分子ポンプを用い、チャンバーの真空度を7.0×10−4Paに真空引きして真空チャンバーにアルゴンガスと水素ガスとの混合ガスを流し込み、この場合に、混合ガスにおける水素ガスの含有量が8%(体積百分率)であり、ガス流量が30sccmであり、圧力を1.5Paに調整し、基板温度を600℃とし、スパッタ出力を140Wに調整する。スパッタリングにより、チタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜を得る。また、得られたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜に対して、アルゴンガスにおいてアニール処理を行い、この場合に、アニール温度が550℃であり、昇温速度が8℃/minであり、保温時間が1.5hである。得られた薄膜の試料の化学式がCa1.9744MgSi:0.0256Ti4+である。
【0025】
図3は、本発明の実施例1で製造されたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜の発光スペクトルの図である。このスペクトルは、480nmにおいて非常に強い青色光の発射ピークを有し、チタンをドープした三元系ケイ酸塩が性能に優れた青色光材料であることを明らかにした。
【0026】
図4は、本発明の実施例1で製造されたチタンをドープした三元系ケイ酸塩薄膜のXRDスペクトルの図である。標準とJCPDS標準カードを対照すると分かるように、図における特性ピークは基質のケイ酸塩の結晶化ピークであり、ドーピング元素及びその他の不純物の回折ピークは、現れていない。
【0027】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で行なった任意の変更・同等の入替・改良などは、すべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4