特許第5728627号(P5728627)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5728627
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】ボウル
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/28 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
   A47J43/28
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-1913(P2015-1913)
(22)【出願日】2015年1月7日
(62)【分割の表示】特願2014-187127(P2014-187127)の分割
【原出願日】2014年9月13日
【審査請求日】2015年1月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514234698
【氏名又は名称】伊藤 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100160990
【弁理士】
【氏名又は名称】亀崎 伸宏
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 克幸
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−39859(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/053598(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/28
B65D 30/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料で孔を有するように椀状に構成されたボウル本体と、
前記ボウル本体に対する外力の付与又は除去を行うことで、前記ボウル本体の変形により前記孔を開閉させる開閉手段と、を備えている
ボウル。
【請求項2】
弾性材料で前記ボウル本体と一体に構成され、前記開閉手段を覆う被覆部材を備えている
請求項1に記載のボウル。
【請求項3】
前記開閉手段は、
前記ボウル本体に設けられたボタンと、
前記ボタンと前記ボウル本体とを繋ぎ、前記ボタンの操作によって押し引きされて前記ボウル本体に対する外力の付与又は除去を行う紐状部材と、を備えている
請求項1又は2に記載のボウル。
【請求項4】
前記開閉手段は、
前記ボウル本体の外縁に沿って設けられた枠と、
前記枠に対して不動となるように前記ボウル本体に埋め込まれている固定部材と、
前記ボウル本体に埋め込まれ、かつ前記紐状部材に繋がれて、前記ボタンの操作によって前記紐状部材と共に押し引きされて前記固定部材に対して相対移動する可動部材と、を備えている
請求項3に記載のボウル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボウルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、汁物を掬う御玉杓子と、汁気を切って食材等を掬う穴杓子と、の双方の機能を兼ね備えた杓子が知られている(例えば、特許文献1〜7参照)。
【0003】
特許文献1及び2に記載されている杓子は、柄の先端に、孔の開いた有孔掬い部材と、孔の開いていない無孔掬い部材と、が分離可能に設けられている。この杓子は、有孔掬い部材と無孔掬い部材とを重ねることで御玉杓子として機能すると共に、有孔掬い部材と無孔掬い部材とを分離させることで有孔掬い部材が穴杓子として機能する。
【0004】
特許文献3及び4に記載されている杓子は、柄の先端に重なるように設けられた2枚の有孔掬い部材が相対回転する。この杓子は、2枚の有孔掬い部材の孔の位置を互いにずらすことで孔が塞がり御玉杓子として機能すると共に、2枚の有孔掬い部材の孔の位置を互いに一致させることで孔が貫通して穴杓子として機能する。
【0005】
特許文献5及び6に記載されている杓子は、柄の先端に設けられた有孔掬い部材に、孔を開閉するプレートがスライド可能に取り付けられている。この杓子は、プレートで孔を塞ぐことで御玉杓子として機能すると共に、プレートを孔から退去させることで孔が貫通して穴杓子として機能する。
【0006】
特許文献7に記載されている杓子は、柄の先端に設けられた有孔掬い部材に、孔の開いたプレートがスライド可能に取り付けられている。この杓子は、プレートの孔の位置を有孔掬い部材の孔の位置からずらすことで御玉杓子として機能すると共に、プレートの孔の位置を有孔掬い部材の孔の位置に一致させることで穴杓子として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3024274号公報
【特許文献2】実用新案登録第3120220号公報
【特許文献3】実開昭63−025939号公報
【特許文献4】実開平01−101455号公報
【特許文献5】実用新案登録第3015371号公報
【特許文献6】特開2003−199678号公報
【特許文献7】実用新案登録第3146043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1及び2に記載されている杓子は、一つの器具であるが、御玉杓子として機能する無孔杓子と、穴杓子として機能する有孔掬い部材と、が別々に存在ものであり、穴杓子として機能させる際、有孔掬い部材から分離させた無孔掬い部材が無用に存在することとなり、使い勝手が悪い。
【0009】
そして、特許文献3〜7に記載されている杓子は、2枚の部材が重ねられた構造であり、その隙間に食材等が無駄に引っ掛かり、使い勝手が悪い。また、その隙間に汚れが溜まり易く、衛生面にも問題がある。
【0010】
このような問題は、杓子の場合に限定されず、同様の構造を匙、散蓮華等の掬い具や、ボウル等の容器に応用した場合に、共通して存在すると予想される。
【0011】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、使い勝手を向上させたボウルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)本発明は、弾性材料で孔を有するように椀状に構成されたボウル本体と、前記ボウル本体に対する外力の付与又は除去を行うことで、前記ボウル本体の変形により前記孔を開閉させる開閉手段と、を備えているボウルである。
【0013】
(2)本発明はまた、弾性材料で前記ボウル本体と一体に構成され、前記開閉手段を覆う被覆部材を備えている上記(1)に記載のボウルである。
【0014】
(3)本発明はまた、前記開閉手段は、前記ボウル本体に設けられたボタンと、前記ボタンと前記ボウル本体とを繋ぎ、前記ボタンの操作によって押し引きされて前記ボウル本体に対する外力の付与又は除去を行う紐状部材と、を備えている上記(1)又は(2)に記載のボウルである。
【0015】
(4)本発明はまた、前記開閉手段は、前記ボウル本体の外縁に沿って設けられた枠と、前記枠に対して不動となるように前記ボウル本体に埋め込まれている固定部材と、前記ボウル本体に埋め込まれ、かつ前記紐状部材に繋がれて、前記ボタンの操作によって前記紐状部材と共に押し引きされて前記固定部材に対して相対移動する可動部材と、を備えている上記(3)に記載のボウルである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の上記(1)〜(4)に記載のボウルによれば、使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係る杓子の側面図である。
図2図1に示す杓子の要部を示す上面図であり、孔が開いた状態を示す。
図3図1に示す杓子の要部を示す上面図であり、孔が閉じた状態を示す。
図4】操作部材を示す概略図であり、(A)はボタンが押し込まれていない状態を示し、(B)はボタンが押し込まれた状態を示す。
図5】本発明の第2実施形態に係るボウルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る杓子1、及び第2実施形態に係るボウル2について詳細に説明する。
【0019】
[第1実施形態]まず、図1図4を用いて、第1実施形態に係る杓子1について説明する。なお、各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。また、部材の厚み等を適宜誇張して表現する。
【0020】
図1図4に示す杓子1は、汁物を掬う御玉杓子と、汁気を切って食材等を掬う穴杓子と、の双方の機能を兼ね備えたものであり、各機能を切り替えて使用することができる。具体的に、杓子1は、柄10と、掬い部材11と、開閉手段12と、被覆部材13と、を備えている。
【0021】
柄10は、鉄やステンレス等の金属、又はプラスチック等の樹脂からなる中空の芯である。この柄10は、外面が露出しないよう、被覆部材13で覆われている。柄10の先端には、掬い部材11が設けられている。柄10の基端には、開閉手段12を構成する操作部材14が設けられている。柄10の内部には、開閉手段12を構成する動力伝達部材15が通されている。
【0022】
掬い部材11は、シリコーン樹脂等の弾性材料で、水切り用の複数の孔11aを有するように、底面が平らな椀状に構成されている。この掬い部材11は、食材等を掬うために、柄10の先端に設けられている。孔11aは、開閉手段12によって外力が付与されることで閉じる一方で、開閉手段12によって付与された外力が除去されることで開く。この孔11aは、開閉手段12によって外力が付与された場合に閉じ易いように、上面視で楕円形、雫形(涙形)、バナナ形に形成されていることが好ましい。掬い部材11の内部には、開閉手段12を構成する動力付与部材16が埋め込まれている。
【0023】
開閉手段12は、掬い部材11に対する外力の付与又は除去を行うことで、掬い部材11の変形により孔11aを開閉させる手段である。具体的に、開閉手段12は、操作部材14と、動力伝達部材15と、動力付与部材16と、を備えている。
【0024】
操作部材14は、掬い部材11の孔11aを開閉するために操作される部材であり、柄10の基端に設けられている。この操作部材14は、柄10を握りながら親指で押すことで、片手で簡単に操作することができる周知のオルタネイト方式(ノック方式)を採用している。すなわち、操作部材14は、プッシュスイッチである。具体的に、操作部材14は、ボタン17と、回転子18と、カムリング19と、を備えている。
【0025】
ボタン17は、柄10の基端から突出するように、当該柄10から離脱不能、かつ、当該柄10に対して進退可能に設けられている。ボタン17の付け根には、回転子18の回転を案内するために、環状にギザギザとなる端面17aが形成されている。ボタン17は、押されることで回転子18を押し込む。また、ボタン17は、押し込まれた回転子18が元に戻る際に当該回転子18と共に初期位置に戻る。
【0026】
回転子18は、柄10の内部でボタン17の付け根に隣接するように、進退可能、かつ、回転可能に設けられている。この回転子18は、動力伝達部材15又は図示を省略するコイルスプリング等により、ボタン17の側に常時付勢されている。回転子18の外周には、進退及び回転を案内するための複数の羽根18aが、周方向に等間隔となるように設けられている。羽根18aのボタン17の端面17aに面する側には、当該端面17aに一致する傾斜面18bが形成されている。
【0027】
このような回転子18は、初期位置の状態(図4(A)参照)から、カムリング19のレール19aに案内されながらボタン17に押し込まれる。そして、回転子18は、所定の位置まで押し込まれると、ボタン17の端面17a及びカムリング19の端面19bに案内されながら回転し、カムリング19の端面19bに引っ掛けられる。これにより、回転子18は、押し込まれた状態で保たれる(図4(B)参照)。
【0028】
一方、回転子18は、押し込まれた状態(図4(B)参照)から更に押し込まれると、カムリング19の端面19bへの引っ掛けが解除され、ボタン17の端面17a及びカムリング19の端面19bに案内されながら回転する。そして、回転子18は、所定の位置まで回転すると、動力伝達部材15又は図示を省略するコイルスプリング等の付勢力により、カムリング19のレール19aに案内されながら初期位置の状態に戻される(図4(A)参照)。
【0029】
カムリング19は、柄10の基端の内側に嵌め込まれる態様で固定されている。カムリング19の内側には、ボタン17及び回転子18が進退可能に嵌め込まれている。このカムリング19の内側には、回転子18の羽根18aを案内するレール19aが、周方向に等間隔となるように、かつ回転子18の進退方向に沿って設けられている。カムリング19のレール19aにおける柄10の先端側には、回転子18の回転を案内すると共に回転子18を引っ掛けておくために、周方向にギザギザとなる端面19bが形成されている。
【0030】
動力伝達部材15は、操作部材14による動力を動力付与部材16に伝達する部材であり、柄10の内部に通されている。具体的に、動力伝達部材15は、一対の定滑車20と、紐状部材21と、を備えている。
【0031】
一対の定滑車20は、柄10の基端に回転可能に設けられている。
【0032】
紐状部材21は、鉄やステンレス等の金属、又はプラスチック等の樹脂からなる可動式ワイヤーである。この紐状部材21は、柄10に沿って配置されてボタン17と掬い部材11とを繋ぎ、ボタン17の操作によって押し引きされて掬い部材11に対する外力の付与又は除去を行う。具体的に、紐状部材21は、その一端側が動力付与部材16を構成する可動部材24に固定されている。そして、紐状部材21は、柄10の内部を通され、一対の定滑車20で折り返されると共に、再び柄10の内部を通され、他端側が可動部材24に再び固定されている。
【0033】
このような紐状部材21は、一対の定滑車20の間の部分が、初期位置の状態(図4(A)参照)から回転子18に押し込まれることで、一対の定滑車20で折り返した両側が、柄10の先端側から基端側に移動する(図4(B)参照)。
【0034】
一方、紐状部材21は、一対の定滑車20で折り返した両側が、柄10の先端側から基端側に移動した状態(図4(B)参照)から、回転子18による押込みが解除されると、当該両側は、掬い部材11の復元力によって動力付与部材16に引っ張られ、柄10の基端側から先端側に移動する(図4(A)参照)。
【0035】
動力付与部材16は、鉄やステンレス等の金属、又はプラスチック等の樹脂からなり、掬い部材11に埋め込まれている。この動力付与部材16は、操作部材14による動力が動力伝達部材15によって伝達されることで、掬い部材11に外力を付与する。具体的に、動力付与部材16は、枠22と、複数の固定部材23と、複数の可動部材24と、を備えている。
【0036】
枠22は、柄10の先端に固定された環状の部材であり、掬い部材11の外縁に沿って設けられている。
【0037】
複数の固定部材23は、互いに所定の間隔を空けて、枠22を横切るように当該枠22に固定されている。すなわち、固定部材23は、柄10に対して不動となるように掬い部材11に埋め込まれている。各固定部材23は、紐状部材21を通す孔(図示省略)を有しており、紐状部材21のガイドとして機能する。
【0038】
複数の可動部材24は、枠22を横切るように固定部材23と交互に設けられている。各可動部材24は、紐状部材21に繋がれており、紐状部材21に押し引きされる。すなわち、可動部材24は、ボタン17の操作によって紐状部材21と共に押し引きされて固定部材23に対して相対移動する。
【0039】
このような可動部材24は、初期位置の状態(図2参照)から、ボタン17が押されることで紐状部材21に引かれると、固定部材23に近付く方向に移動して、固定部材23との間隔を詰める。これにより、掬い部材11に外力が付与され、可動部材24と固定部材23との間に位置する孔11aが閉じられる(図3参照)。
【0040】
一方、可動部材24は、固定部材23との間隔が詰められた状態(図3参照)から、再びボタン17が押されることで紐状部材21に押されると、固定部材23から遠退く方向に移動して、固定部材23との間隔を広げる。これにより、掬い部材11に付与されていた外力が除去され、可動部材24と固定部材23との間に位置する孔11aが開かれる(図2参照)。
【0041】
被覆部材13は、シリコーン樹脂等の弾性材料からなり、柄10及び開閉手段12を覆う。この被覆部材13は、掬い部材11と一体に構成されている。
【0042】
このような杓子1によれば、掬い部材11の孔11aを閉じることで御玉杓子として機能させることができ、また、掬い部材11の孔11aを開くことで穴杓子として機能させることができる。例えば、鍋料理、おでん、湯豆腐などの取分けを、この杓子1一つで可能にする。そして、御玉杓子として機能させる場合も、穴杓子として機能させる場合も、掬い部材で食材等を掬うことになる。よって、いずれとして機能させる場合も無用な部材は存在せず、今までに広く流通している一般的な御玉杓子又は穴杓子と同じように使用することができる。このため、使い勝手が良い。
【0043】
また、御玉杓子と穴杓子との双方の機能を兼ね備えた従来の杓子とは異なり、2枚の部材が重ねられた構造を採用しておらず、食材等が引っ掛かる隙間は存在しない。このため、汚れが溜まることもなく、衛生面で優れている。
【0044】
そして、弾性材料で杓子1の全体が覆われているので、各部材の間等に汚れが溜まることもなく、衛生面でより優れている。
【0045】
また、開閉手段12を備えているので、簡単な構造で孔11aの開閉を実現することができる。
【0046】
さらに、掬い部材11の底面が平らになっているので、小皿の上などに転がらずに置くことができ、使い勝手が更に良い。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。すなわち、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質などは適宜変更できる。
【0048】
あるいは、上記実施形態では、掬い具として杓子の場合を例に説明したが、本発明は、匙、散蓮華等の掬い具にも適用できる。また、次に説明するように、本発明は、ボウル等の容器にも適用できる。さらには、本発明は、タンブラーの蓋に適用できる。すなわち、本発明は、タンブラーの飲み口を開閉する機構に適用できる。
【0049】
[第2実施形態]次に、図5を用いて、第2実施形態に係るボウル2について説明する。なお、ここでは、ボウル2の特徴部分のみを説明し、杓子1と同様の構成、作用及び効果についての説明は適宜省略する。
【0050】
図5に示すボウル2は、ボウルと、水切りボウルと、の双方の機能を兼ね備えたものであり、各機能を切り替えて使用することができる。このボウル2は、第1実施形態の杓子1と比較して、柄10を備えていない点等で異なるが、基本的な構造は同様である。具体的に、ボウル2は、ボウル本体(容器本体)31と、開閉手段32と、被覆部材33と、を備えている。
【0051】
ボウル本体31は、シリコーン樹脂等の弾性材料で、水切り用の複数の孔(図示省略)を有するように、底面が平らな椀状に構成されている。孔は、第1実施形態の杓子1における孔11aと同様であり、開閉手段32によって外力が付与されることで閉じる一方で、開閉手段32によって付与された外力が除去されることで開く。ボウル本体31の内部には、開閉手段32が埋め込まれている。
【0052】
開閉手段32は、ボウル本体31に対する外力の付与又は除去を行うことで、ボウル本体31の変形により孔を開閉させる手段である。この開閉手段32は、第1実施形態の杓子1における開閉手段12と比較して、柄10と関係する構造が異なるが、基本的な構造は開閉手段12と同様であり、その説明を省略する。
【0053】
被覆部材33は、シリコーン樹脂等の弾性材料からなり、開閉手段32を覆う。この被覆部材33は、ボウル本体31と一体に構成されている。
【0054】
このようなボウル2によれば、ボウル本体31の孔を閉じることで通常のボウルとして機能させることができ、また、ボウル本体31の孔を開くことで水切りボウルとして機能させることができる。このため、通常のボウルとして機能させる場合も、水切りボウルとして機能させる場合も、ボウル本体31で食材等を収容することになる。よって、いずれとして機能させる場合も無用な部材は存在せず、広く流通している一般的な通常のボウル又は水切りボウルと同じように使用することができる。このため、使い勝手が良い。
【符号の説明】
【0055】
1 杓子(掬い具)
2 ボウル(容器)
10 柄
11 掬い部材
11a 孔
12 開閉手段
13 被覆部材
17 ボタン
21 紐状部材
23 固定部材
24 可動部材
31 ボウル本体(容器本体)
32 開閉手段

【要約】
【課題】使い勝手を向上させる。
【解決手段】杓子1は、汁物を掬う御玉杓子と、汁気を切って食材等を掬う穴杓子と、の双方の機能を兼ね備えたものであり、各機能を切り替えて使用することができる。具体的に、杓子1は、柄10と、弾性材料で孔11aを有するように構成され、柄10の先端に設けられた掬い部材11と、この掬い部材11に対する外力の付与又は除去を行うことで、掬い部材11の変形により孔11aを開閉させる開閉手段12と、を備えている。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5