【実施例】
【0042】
本発明を、実施例を参照してさらに具体的に説明する。しかし、本発明の範囲は下記の実施例に限定されない。実施例における化合物番号は、上記の表の化合物番号に対応する。
【0043】
調製例
参考例1:
2−メルカプト−3−メチル−6−(4−ピリミジル)−3H−ピリミジン−4−オンの合成
エチル3−オキソ−3−(4−ピリミジル)プロピオネート(34.1g、176mmol)、N−メチルチオ尿素(47.5g、527mmol)および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(26.3ml、176mmol)のエタノール(340ml)溶液を2時間環流させ、氷冷水によって冷却した後、メタンスルホン酸(16.9g、176mmol)の水(70ml)溶液を加えた。沈殿物を水で洗浄し、濾過し、乾燥させ、表題化合物(30.2g、78%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d
6)δ: 3.56(s, 3H), 6.88(s, 1H), 8.24(dd, J=1.2, 5.4 Hz, 2H), 9.05 (dd, J=5.4 Hz, 1H), 11.94(s, 1H).
【0044】
参考例2:
2−クロロ−3−メチル−6−(4−ピリミジル)−3H−ピリミジン−4−オンの合成
オキシ塩化リン(4.60g、30mmol)をジメチルホルムアミド(32ml)に加え、0℃で20分間撹拌した。2−メルカプト−3−メチル−6−(4−ピリミジル)−3H−ピリミジン−4−オン(4.40g、20mmol)を溶液に加え、5分間撹拌し、次いで70℃で2時間撹拌した。反応混合物を氷冷水に注ぎ、固体炭酸カリウムで中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル)による残渣の精製によって、表題化合物を得た(1.20g、27%)。
1H-NMR (CDCl
3) δ: 3.74(s, 3H), 7.56(s, 1H), 8.18(d, J=5.1 Hz, 1H), 8.92(d, J=5.1 Hz, 1H), 9.30(s, 1H).
MS[M+H]
+: 223.
【0045】
実施例1:2−(5−メチル−[1,4]−オキサゼパン−4−イル)−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(A070)
【0046】
【化5】
【0047】
3−アミノ−酪酸エチルエステル(5.00g、34.3mmol)、ベンズアルデヒド(4.1mL、40mmol)および酢酸(1.9mL、34mmol)の1,2−ジクロロエタン(120mL)溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(17g、80mmol)を室温で加え、混合物を20時間撹拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液中に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。このように得られた残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてクロロホルム/メタノール=10/1)によって精製し、3−ベンジルアミノ−酪酸エチルエステル(2.1g、9.5mmol、28%)を無色の油として得た。
【0048】
水素化アルミニウムリチウム(0.76g、20mmol)のシクロペンチルメチルエーテル(20mL)懸濁液に、3−ベンジルアミノ−酪酸エチルエステル(2.10g、9.5mmol)のシクロペンチルメチルエーテル(10mL)溶液を0℃で窒素雰囲気下にて滴下で添加した。このように得られた混合物を室温に温め、3時間撹拌した。次いで、少量の硫酸ナトリウム飽和水溶液を滴下で添加し、反応物を0℃でクエンチし、1時間撹拌した。このように得られた固体物質を濾過によって除去し、有機溶液を濃縮し、3−ベンジルアミノ−ブタン−1−オール(1.49g、8.3mmol、87%)を無色の油として得た。この油を、以降の工程においてそれ以上精製することなく使用した。
【0049】
3−ベンジルアミノ−ブタン−1−オール(0.50g、2.8mmol)およびトリエチルアミン(0.84mL、6.0mmol)のジクロロメタン溶液に、塩化クロロアセチル(0.26mL、3.3mmol)を0℃で加え、1時間撹拌した。反応混合物を1Nの塩酸水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。このように得られた残渣を2−プロパノール(20mL)に溶解し、水酸化カリウム(0.66g、10mmol)を混合物に室温で加えた。18時間撹拌した後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物質をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=100/0〜1/1)によって精製し、4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパン−3−オン(0.32g、1.4mmol、52%)を黄色の粘性油として得た。
【0050】
4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパン−3−オン(0.32g、1.4mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に、ボラン−テトラヒドロフラン錯体のテトラヒドロフラン溶液(1M)(5mL、5.0mmol)を0℃で窒素雰囲気下にて滴下で添加した。混合物を室温に温め、3時間撹拌した。次いで、メタノールを加えることによって反応物をクエンチし、溶液を濃縮した。残留油をメタノール(10mL)に溶解し、1Mの水酸化ナトリウム水溶液を室温で加えた。混合物を3時間還流し、水で希釈した。酢酸エチルによる抽出を行い、有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒の留去後、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパン(0.30g、1.4mmol、100%)を無色の油として得た。
【0051】
4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパン(0.30g、1.4mmol)の1,2−ジクロロエタン(3mL)溶液に、クロロギ酸クロロエチル(0.56mL、7mmol)を室温で加えた。混合物を10時間還流し、濃縮した。このように得られた残渣をメタノール(5mL)に溶解し、溶液を1時間還流させた。濃縮後、残留物質を粉砕し、酢酸エチルで洗浄し、濾過によって集め、5−メチル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩(0.16g、1.1mmol、76%)を白色の固体として得た。
【0052】
密封したチューブ中の5−メチル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩(0.08g、0.50mmol)および2−クロロ−3−メチル−6−(ピリミジン−4−イル)−3H−ピリミジン−4−オン(0.09g、0.40mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)懸濁液に、トリエチルアミン(0.14mL)を室温で加えた。混合物をマイクロ波照射下で150℃に加熱し、30分間撹拌した。室温に冷却した後に、反応混合物を水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてクロロホルム/メタノール=10/1)によって精製し、2−(5−メチル−[1,4]オキサゼパン−4−イル)−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(0.03g、0.09mmol、22%)を白色の固体として得た。
【0053】
実施例2:2−(5−フェニル−[1,4]オキサゼパン−4−イル)−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(A071)
【0054】
【化6】
【0055】
トルエン(100mL)中の3−オキソ−3−フェニル−プロピオン酸エチルエステル(5.0g、26mmol)、ベンジルアミン(2.9mL、26mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.50g、2.6mmol)の混合物を3時間環流させ、濃縮した。残留物質をシクロペンチルメチルエーテル(150mL)に溶解し、水素化アルミニウムリチウム(3.0g、78mmol)を0℃で窒素雰囲気下にて少しずつ加えた。3時間撹拌した後、少量の硫酸ナトリウム飽和水溶液を滴下で添加し、1時間撹拌した。このように得られた混合物を濾過し、固体物質を除去し、濃縮した。次いで、このように得られた残渣をジクロロメタン(30mL)に溶解した。混合物に、トリエチルアミン(1.4mL、10mmol)および塩化クロロアセチル(0.56g、7.0mmol)を0℃で加え、このように得られた混合物を1時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物質を2−プロパノール(30mL)に溶解し、水酸化カリウム(1.3g、20mmol)を室温で加えた。18時間撹拌した後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物質をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=100/0〜1/1)によって精製し、4−ベンジル−5−フェニル−[1,4]オキサゼパン−3−オン(0.77g、2.7mmol、エチルベンゾイルアセテートから10%)を黄色の油として得た。
【0056】
4−ベンジル−5−フェニル−[1,4]オキサゼパンは、4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパン−3−オンの代わりに4−ベンジル−5−フェニル−[1,4]オキサゼパン−3−オンを用いた以外は、4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパンの手順と同じ手順によって調製した。4−ベンジル−5−フェニル−[1,4]オキサゼパンを、無色の油として得た(0.28g、1.0mmol、39%)。
【0057】
5−フェニル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩は、4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパンの代わりに4−ベンジル−5−フェニル−[1,4]オキサゼパンを用いた以外は、5−メチル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩の手順と同じ手順によって調製した。それで、5−フェニル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩を、白色の固体として得た(0.14g、0.65mmol、73%)。
【0058】
密封したチューブ中、5−フェニル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩(0.07g、0.33mmol)および2−クロロ−3−メチル−6−(ピリミジン−4−イル)−3H−ピリミジン−4−オン(0.07g、0.30mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)懸濁液に、トリエチルアミン(0.14mL)を室温で加えた。混合物をマイクロ波照射下で150℃に加熱し、15分間撹拌した。室温に冷却した後に、反応混合物を水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてクロロホルム/メタノール=10/1)によって精製し、2−(5−フェニル−[1,4]オキサゼパン−4−イル)−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(A071)(0.07g、0.20mmol、66%)を白色の固体として得た。
【0059】
実施例3:1−メチル−2−(6−メチル−[1,4]オキサゼパン−4−イル)−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A087)
【0060】
【化7】
【0061】
テトラヒドロフラン(107ml)および1Nの水酸化ナトリウム(107ml、107mmol)中の3−アミノ−2−メチル−プロピオン酸(5.00g、48.4mmol)の溶液に、4−メトキシベンゾイルクロリド(8.69g、50.9mmol)を0℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、水および酢酸エチルに分配した。水相を酢酸エチルで洗浄し、1Nの塩酸で酸性化した。生成物を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。テトラヒドロフラン(20ml)に溶解した残渣に、1Mのボラン−テトラヒドロフラン錯体(6.40ml、6.40mmol)を0℃で加えた。混合物を室温で撹拌した。30分後、混合物を5時間還流し、3Nの塩酸で酸性化した。酸性水溶液を60℃で2時間撹拌した。有機溶媒を減圧下で留去し、次いで残渣を水および酢酸エチルに分配した。水相を酢酸エチルで洗浄し、3Nの水酸化ナトリウムで塩基性化した。生成物をクロロホルムで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、3−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オールを無色の油として得た(8.28g、82%)。
【0062】
3−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−2−メチル−プロパン−1−オール(4.14g、19.8mmol)のジクロロメタン(60ml)溶液に、トリエチルアミン(2.20g、21.8mmol)および塩化クロロアセチル(2.46g、21.8mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、0.5N−HClおよびジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を2−プロパノール(66.7ml)に溶解し、次いで水酸化カリウム(2.22g、39.6mmol)を0℃で加えた。混合物を16時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液および酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/3)によって精製し、4−(4−メトキシ−ベンジル)−6−メチル−[1,4]オキサゼパン−3−オンを白色の固体として得た(4.35g、88%)。
【0063】
4−(4−メトキシ−ベンジル)−6−メチル−[1,4]オキサゼパン−3−オン(4.35g、17.5mmol)のテトラヒドロフラン(10.0ml)溶液に、テトラヒドロフラン中の1Mのボラン−テトラヒドロフラン錯体(52.3ml、52.3mmol)を0℃で加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。0℃に冷却した後、メタノール(20ml)および6Nの水酸化ナトリウム水溶液(30ml)を注意深く加えた。混合物を2時間還流し、室温に冷却した。有機溶媒を減圧下で除去した。残渣を飽和塩化アンモニウム溶液および酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)によって精製し、4−(4−メトキシ−ベンジル)−6−メチル−[1,4]オキサゼパンを無色の油として得た(3.24g、79%)。
4−(4−メトキシ−ベンジル)−6−メチル−[1,4]オキサゼパン(3.24g、13.8mmol)の1,2−ジクロロエタン(23ml)溶液に、クロロギ酸(1−クロロエチル)(4.93g、34.5mmol)を室温で加えた。混合物を7時間還流させた。反応混合物を室温に冷却し、次いでメタノール(30ml)を加えた。混合物を5時間還流し、真空中で濃縮した。この粗生成物をヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥させ、6−メチル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩を白色の固体として得た(1.73g、83%)。
【0064】
2−クロロ−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(113mg、0.507mmol)および6−メチル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩(100mg、0.660mmol)のテトラヒドロフラン(1.1mL)スラリーに、トリエチルアミン(154mg、1.52mmol)を室温で加えた。混合物を15時間撹拌し、水および酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥させ、1−メチル−2−(6−メチル−[1,4]オキサゼパン−4−イル)−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A087)を白色の固体として得た(92.2mg、60%)。
【0065】
実施例4:2−[(6S)−6−(4−ブロモフェニル)−1,4−オキサゼパン−4−イル]−3−メチル−6−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン(A074)
【0066】
【化8】
【0067】
60重量%−水素化ナトリウム(2.47g、61.7mmol)の1,4−ジオキサン(103ml)およびヘキサメチルホスホルアミド(7.70ml)溶液に、マロン酸ジエチル(9.88g、61.7mmol)を室温で窒素雰囲気下にて加えた。このように得られた混合物を室温で1時間撹拌し、臭化銅(I)(10.6g、74.0mmol)および1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(19.2g、67.9mmol)を加えた。混合物を5時間還流し、室温に冷却した。固体物質をセライトのパッドを通して濾過した。濃縮後、残渣を水および酢酸エチルに分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=24/1)によって精製し、2−(4−ブロモフェニル)マロン酸ジエチルを無色の油として得た(8.82g、41%)。
【0068】
2−(4−ブロモフェニル)マロン酸ジエチル(18.1g、57.5mmol)のエーテル(285ml)溶液に、ヘキサン中の0.98M−ジイソブチルアルミニウムヒドリド(259ml、254mmol)を0℃で窒素雰囲気下にて加えた。このように得られた混合物を0℃で4時間撹拌した。アルミニウム試薬をクエンチするために酒石酸カリウムナトリウム水溶液(0.57M、500ml)を反応混合物に加え、混合物を14時間撹拌した。有機層を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=40/60から酢酸エチルのみ)によって精製し、2−(4−ブロモフェニル)プロパン−1,3−ジオールを白色の固体として得た(4.97g、37%)。
【0069】
2−(4−ブロモフェニル)プロパン−1,3−ジオール(9.01g、39.0mmol)の酢酸ビニル(100ml)溶液に、リパーゼAKアマノ(和光ケミカルから購入、12.0g)を室温で加えた。混合物を室温で11時間撹拌し、セライトのパッドを通して濾過し、固体物質を除去した。濃縮後、エタノール(35ml)およびジイソプロピルエーテル(200ml)に溶解した残渣に、ブタ膵臓からのリパーゼ(II型、SIGMAから購入、22.2g)を加えた。混合物を室温で107時間撹拌し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液を真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)によって精製し、(−)−2−(4−ブロモフェニル)−3−ヒドロキシプロピルアセテートを無色の油として得た(6.88g、65%)。[α]
D=−11.2(C=0.5、CHCl
3)。
【0070】
(−)−2−(4−ブロモフェニル)−3−ヒドロキシプロピルアセテート(5.88g、21.5mmol)のジクロロメタン(100ml)溶液に、トリエチルアミン(5.45g、53.8mmol)、p−トルエンスルホニルクロリド(4.93g、25.8mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(0.263g、2.15mmol)を0℃で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液およびジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)によって精製し、(+)−3−アセトキシ−2−(4−ブロモフェニル)プロピル4−メチル−ベンゼンスルホネートを無色の油として得た(8.32g、90%)。[α]
D=+1.63(C=0.5、CHCl
3)。
【0071】
(+)−3−アセトキシ−2−(4−ブロモフェニル)プロピル4−メチルベンゼン−スルホネート(8.00g、18.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(94.0ml)溶液に、(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン(11.3g、93.2mmol)を室温で加えた。混合物を120℃で7時間撹拌し、真空中で濃縮した。残渣を水および酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)によって精製し、ジアステレオマー純粋な3−((R)−1−フェニルエチルアミノ)−2−(4−ブロモフェニル)プロピルアセテートを淡黄色の油として得た(2.85g、40%)。
【0072】
1H- NMR(400 MHz, CDCl
3) δ:1.27(3H, d, J=7.0 Hz), 1.32-1.40(1H, brs), 1.93(3H, s), 2.72(2H, d, J=7.0 Hz), 3.02-3.09(1H, m), 3.70(1H, q, J=7.0 Hz), 4.23(2H, d, J=7.0 Hz), 7.06(2H, d, J=8.6 Hz), 7.21-7.33(5H, m), 7.43(2H, d, J=8.6 Hz)
【0073】
ジアステレオマー純粋な3−((R)−1−フェニルエチルアミノ)−2−(4−ブロモフェニル)プロピルアセテート(2.85g、7.57mmol)のメタノール(30.3ml)溶液に、1.0N−水酸化ナトリウム(30.3ml、30.3mmol)を0℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム溶液およびクロロホルムに分配し、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下で留去し、ジアステレオマー純粋な3−((R)−1−フェニルエチルアミノ)−2−(4−ブロモフェニル)プロパン−1−オールを白色の固体として得た(2.40g、95%)。
【0074】
ジアステレオマー純粋な3−((R)−1−フェニルエチルアミノ)−2−(4−ブロモフェニル)プロパン−1−オール(2.40g、7.18mmol)のジクロロメタン(22.0ml)溶液に、トリエチルアミン(0.799g、7.90mmol)および塩化クロロアセチル(0.892g、7.90mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を0.5N−HClおよびジクロロメタンに分配し、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。2−プロパノール(48ml)に溶解した残渣に、水酸化カリウム(805mg、14.4mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で3時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液および酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)によって精製し、(S)−6−(4−ブロモフェニル)−4−((R)−1−フェニルエチル)−1,4−オキサゼパン−3−オンを白色の固体として得た(2.42g、90%)。X線のための分析試料をジクロロメタン−ヘキサンからの結晶化によって得て、6位の絶対配置が(S)配置であることが見出された。
【0075】
(S)−6−(4−ブロモフェニル)−4−((R)−1−フェニルエチル)−1,4−オキサゼパン−3−オン(1.09g、2.91mmol)のテトラヒドロフラン(14.0ml)溶液に、テトラヒドロフラン中の1.0M−ボラン−テトラヒドロフラン錯体(6.40ml、6.40mmol)を0℃で加えた。混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却した後、メタノール(15ml)および6.0N−水酸化ナトリウム(10ml)を注意深く加えた。このように得られた混合物を2時間還流し、室温に冷却した。有機溶媒を減圧下で除去した。残渣を飽和塩化アンモニウム溶液および酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=7/3)によって精製し、(S)−6−(4−ブロモフェニル)−4−((R)−1−フェニルエチル)−[1,4]オキサゼパンを白色の固体として得た(1.00g、95%)。
【0076】
(S)−6−(4−ブロモフェニル)−4−((R)−1−フェニルエチル)−[1,4]オキサゼパン(0.610g、1.69mmol)の1,2−ジクロロエタン(2.83ml)溶液に、クロロギ酸(1−クロロエチル)(0.605g、4.23mmol)を室温で加えた。混合物を4時間還流し、室温に冷却した。メタノール(5.0ml)を加えた後、混合物を3時間還流し、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥させ、(S)−6−(4−ブロモフェニル)−1,4−オキサゼパン塩酸塩を白色の固体として得た(0.424g、86%)。
【0077】
2−クロロ−3−メチル−6−(ピリミジン−4−イル)−3H−ピリミジン−4−オン(43.5mg、0.195mmol)および(S)−6−(4−ブロモフェニル)−1,4−オキサゼパン塩酸塩(60.0mg、0.205mmol)のスラリーに、トリエチルアミン(59.2mg、0.586mmol)を室温で加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、水およびクロロホルムに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=98/2)によって精製し、(S)−2−(6−(4−ブロモフェニル)−[1,4−オキサゼパン−4−イル)−3−メチル−6−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン(A074)を白色の固体として得た(41.7mg、48%)。
【0078】
実施例5:(S)−4−(4−(1,6−ジヒドロ−1−メチル−6−オキソ−4−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−2−イル)−[1,4]オキサゼパン−6−イル)ベンゾニトリル(A076)
【0079】
【化9】
【0080】
(S)−6−(4−ブロモフェニル)−4−((R)−1−フェニルエチル)−[1,4]オキサゼパン(1.48g、4.11mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(6.9ml)溶液に、炭酸ナトリウム(0.436g、4.11mmol)、酢酸パラジウム(18.4mg、0.082mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(78.4mg、0.164mmol)、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物(0.521g、1.23mmol)を室温で窒素雰囲気下にて加えた。混合物を120℃に加熱した。さらなる酢酸パラジウム(18.4mg、0.082mmol)および2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(78.4mg、0.164mmol)を反応混合物に1時間おきに2度加えた。触媒を最後に加えた1時間後、混合物をセライトのパッドを通して濾過し、固体物質を除去し、水および酢酸エチルに分配した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)によって精製し、(S)−4−(4−((R)−1−フェニルエチル)−[1,4]オキサゼパン−6−イル)ベンゾニトリルを淡黄色の固体として得た(662mg、53%)。
【0081】
(S)−4−(4−((R)−1−フェニルエチル)−[1,4]オキサゼパン−6−イル)ベンゾニトリル(0.662g、2.16mmol)の1,2−ジクロロエタン(3.60ml)溶液に、クロロギ酸(1−クロロエチル)(0.772g、5.40mmol)を室温で加えた。混合物を8時間還流させた。メタノール(15ml)を、室温に冷却した混合物に加えた。混合物を再び2時間環流させた。混合物を真空中で濃縮した。残渣を炭酸水素ナトリウム水溶液およびクロロホルムに分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=96/4)によって精製し、(S)−4−([1,4]オキサゼパン−6−イル)ベンゾニトリルを淡黄色の固体として得た(312mg、70%)。
【0082】
2−クロロ−3−メチル−6−(ピリミジン−4−イル)−3H−ピリミジン−4−オン(73.4mg、0.330mmol)および(S)−4−([1,4]オキサゼパン−6−イル)ベンゾニトリル(70.0mg、0.346mmol)の溶液に、トリエチルアミン(100mg、0.989mmol)を室温で加えた。混合物を室温で5時間撹拌し、水および酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/9)によって精製し、(S)−4−(4−(1,6−ジヒドロ−1−メチル−6−オキソ−4−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−2−イル)−[1,4]オキサゼパン−6−イル)ベンゾニトリル(A076)を白色の固体として得た(93.8mg、70%)。
【0083】
実施例6:(S)−3−メチル−2−(6−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル)−6−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン(A085)
【0084】
【化10】
【0085】
(S)−4−(4−(1,6−ジヒドロ−1−メチル−6−オキソ−4−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−2−イル)−[1,4]オキサゼパン−6−イル)ベンゾニトリル(183mg、0.471mmol)のエタノール(0.95ml)溶液に、50重量%−ヒドロキシルアミン水溶液(96.4mg、1.46mmol)を室温で加えた。混合物を80℃で2時間撹拌し、濃縮した。残渣を水および酢酸エチルに分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。N,N−ジメチルホルムアミド(0.95ml)、トリエチルアミン(143mg、1.41mmol)および無水酢酸(62.5mg、0.612mmol)を、残渣に0℃で加えた。混合物を室温で撹拌した。2時間後、混合物を135℃に加熱し、2時間撹拌した。室温に冷却したこのように得られた混合物を、水およびクロロホルムに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=97/3)によって精製し、(S)−3−メチル−2−(6−(4−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル)−6−(ピリミジン−4−イル)ピリミジン−4(3H)−オン(A085)を白色の固体として得た(126mg、60%)。
【0086】
実施例7:1−メチル−2−[6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A086)
【0087】
【化11】
【0088】
プロピオール酸メチル(10g、119mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.7g、2.4mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)溶液に、室温で窒素雰囲気下にてn−トリブチルスズヒドリド(20g、69mmol)を滴下で添加し、一晩撹拌した。このように得られた混合物を濃縮した。残留油をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=95/5)によって精製し、メチル2−トリブチルスタンナニルアクリレート(15.6g、41.7mmol、60%)を無色の油として得た。
【0089】
丸底フラスコ中、N,N’−ジメチルホルムアミド(170mL)中のメチル2−トリブチルスタナニルアクリレート(15.6g、41.7mmol)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(4.7g、16.70mmol)、ヨウ化銅(I)(2.4g、12.8mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2g、1.7mmol)の混合物を、窒素雰囲気下にて室温で調製し、一晩撹拌した。このように得られた反応混合物をジイソプロピルエーテルで希釈し、濾過し、固体物質を除去した。有機溶液をブラインおよび水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濃縮後、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=90/10)に通過させ、メチル2−(4−ブロモフェニル)アクリレート(4.0g、16.7mmol、100%)を無色の油として得た。
【0090】
メチル2−(4−ブロモフェニル)アクリレート(8.2g、34mmol)のメタノール(100mL)溶液に、室温でベンジルアミン(3.7mL、34mmol)を加えた。このように得られた混合物を2日間撹拌し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてクロロホルム/メタノール=90/10)によって精製し、メチル3−ベンジルアミノ−2−(4−ブロモフェニル)プロピオネート(7.1g、20.5mmol、60%)を無色の油として得た。
【0091】
メチル3−ベンジルアミノ−2−(4−ブロモフェニル)プロピオネート(7.1g、20.5mmol)のトルエン(40mL)溶液に、0℃で窒素雰囲気下にてジイソブチルアルミニウム水素化物(DIBAH)のトルエン溶液(1M)(65mL、65mmol)を加え、このように得られた混合物を3時間撹拌した。0℃に冷却した後、フッ化ナトリウム(10.9g、260mmol)および水(3.5mL、195mmol)を加え、アルミニウム試薬をクエンチした。白色のスラリーを30分間撹拌し、濾過し、固体物質を除去した。有機溶液を濃縮した。このように得られた残渣をジクロロメタン(80mL)で希釈し、0℃に冷却した。溶液に、トリエチルアミン(4.2mL、30mmol)および塩化クロロアセチル(1.6mL、20mmol)を加え、1時間撹拌した。反応混合物を1Nの塩酸水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。粘性の残留油を2−プロパノール(50mL)に溶解し、次いで水酸化カリウムペレット(2g、30mmol)を室温で加えた。一晩激しく撹拌した後、反応溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残留物質をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=3/1)によって精製し、4−ベンジル−6−(4−ブロモ−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−3−オン(3.0g、8.3mmol、41%)を茶色の油として得た。
【0092】
4−ベンジル−6−(4−ブロモ−フェニル)−[1,4]オキサゼパンの調製は、4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパン−3−オンの代わりに4−ベンジル−6−(4−ブロモ−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−3−オンを用いた以外は、4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパンの手順と同じ手順によって行った。4−ベンジル−6−(4−ブロモ−フェニル)−[1,4]オキサゼパンを無色の油として得た(2.4g、6.9mmol、83%)。
【0093】
N−メチルピロリドン(NMP)(7mL)中の4−ベンジル−6−(4−ブロモ−フェニル)−[1,4]オキサゼパン(2.4g、6.9mmol)、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物(1.48g、3.5mmol)、酢酸パラジウム(II)(1.6mg、0.007mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(7.8mg、0.014mmol)および炭酸ナトリウム(0.74g、7.0mmol)の混合物を、丸底フラスコ中、室温で窒素雰囲気下にて調製し、混合物を120℃に加熱した。10時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、水に注いだ。有機物質を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濃縮後、残留油をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=90/10〜50/50)に通過させ、純粋な4−(4−ベンジル−[1,4]オキサゼパン−6−イル)−ベンゾニトリル(1.6g、5.5mmol、79%)を淡黄色の油として得た。
【0094】
4−ベンジル−6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパンの調製は、4−[4−(1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−7−イル]−ベンゾニトリルの代わりに4−(4−ベンジル−[1,4]オキサゼパン−6−イル)−ベンゾニトリルを用いた以外は、7−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−4−(1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパンの手順と同じ手順で行った。4−ベンジル−6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパンを、無色の油として得た(0.18g、0.53mmol、53%)。
【0095】
6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパンの調製は、4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパンの代わりに4−ベンジル−6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパンを用いた以外は、5−メチル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩の手順と同じ手順によって行った。6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパン塩酸塩を白色の固体として得た(0.13g、0.45mmol、86%)。
【0096】
1−メチル−2−[6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オンは、7−[4−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン塩酸塩の代わりに6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパン塩酸塩を用いた以外は、2−{7−[4−(3−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル)フェニル]−[1,4]−オキサゼパン−4−イル}−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オンの手順と同じ手順で調製した。1−メチル−2−[6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A086)を、白色の固体として得た(0.05g、0.12mmol、59%)。
【0097】
実施例8:1−メチル−2−[6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A080)
【0098】
【化12】
【0099】
tert−ブチルアルコール(10mL)中の4−(4−ベンジル−[1,4]オキサゼパン−6−イル)−ベンゾニトリル(1.0g、3.4mmol)の混合物に、室温で微粉状の水酸化カリウム(2.0g、30mmol)を加え、このように得られた混合物を激しく撹拌しながら3時間還流させた。室温に冷却した後に、反応混合物を水で希釈し、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。このように得られた残渣を、室温でジメチルホルムアミドジメチルアセタール(3mL)に溶解した。溶液を110℃に加熱し、1時間撹拌した。過剰なジメチルホルムアミドジメチルアセタールを減圧下で除去した後、残留油を1,4−ジオキサン(3mL)に溶解した。このように得られた混合物に、室温でヒドロキシルアミン塩酸塩(0.09g、1.3mmol)、酢酸(3mL)および水酸化ナトリウム1M水溶液(1.5mL)を加え、混合物を2時間還流させた。室温に冷却した後に、反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=80/20〜50/50)による残渣の精製を行い、4−ベンジル−6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパンを無色の油として得た(0.03g、0.11mmol、8%)。
【0100】
6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパン塩酸塩は、7−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−4−(1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパンの代わりに4−ベンジル−6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパンを用いた以外は、7−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン塩酸塩の手順と同じ手順によって調製した。6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパン塩酸塩を、白色の固体として得た(0.03g、0.09mmol、90%)。
【0101】
1−メチル−2−[6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オンは、7−[4−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン塩酸塩の代わりに6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパン塩酸塩を用いた以外は、2−{7−[4−(3−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル)フェニル]−[1,4]−オキサゼパン−4−イル}−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オンの手順と同じ手順によって調製した。1−メチル−2−[6−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A080)を、白色の固体として得た(0.02g、0.04mmol、50%)。
【0102】
実施例9:(+)−2−[7−(4−ブロモフェニル)−[1,4]−オキサゼパン−4−イル]−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(A096)
【0103】
【化13】
【0104】
水素化ホウ素ナトリウム(3.8g、100mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、1−(4−ブロモ−フェニル)−3−クロロ−プロパン−1−オン(25g、100mmol)の溶液を0℃で窒素雰囲気下にて滴下で添加した。混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応混合物を約50mLに減圧下で濃縮し、水で希釈した。酢酸エチルによる抽出処理を行い、抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濃縮後、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=3/1)によって精製し、1−(4−ブロモ−フェニル)−3−クロロ−プロパン−1−オール(25g、100mmol、100%)を黄色の油として得た。
【0105】
アセトニトリル(600mL)中の1−(4−ブロモ−フェニル)−3−クロロ−プロパン−1−オール(25g、100mmol)、(R)−1−フェニルエチルアミン(25mL、200mmol)、ヨウ化カリウム(33g、200mmol)および炭酸カリウム(27.6g、200mmol)の混合物を室温で調製し、75℃に温めた。40時間撹拌した後、溶媒を留去した。次いで過剰な(R)−1−フェニルエチルアミンの蒸留による除去を120℃で減圧下行った。得られた残渣をジクロロメタン(200mL)に溶解し、このように得られた溶液に、トリエチルアミン(16.7mL、120mmol)および塩化クロロアセチル(10mL、120mmol)を0℃で加えた。1時間撹拌した後、反応溶液を1Nの塩酸水溶液中に注ぎ、クロロホルムで抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。このように得られた残渣を2−プロパノール(100mL)で希釈し、混合物に、水酸化カリウム(9.9g、150mmol)を室温で加えた。5時間撹拌した後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を無水水酸化ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣の精製および各ジアステレオマーの分離をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/1)によって行い、7−(4−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−3−オン(ジアステレオマーA;13.1g、35mmol、3ステップにおいて35%)を茶色の油として、および7−(4−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−3−オン(ジアステレオマーB;11.0g、29.4mmol、3ステップにおいて29%)を白色の固体として得た。
【0106】
7−(4−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−3−オン(ジアステレオマーA):
Rf値=0.25(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)、1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δppm 1.49-1.57 (3H, m), 1.75-1.86 (1H, m), 1.96-2.04 (1H, m), 3.10-3.19 (1H, m), 3.30 (1H, ddd, J=15.1, 7.5, 2.0Hz), 4.35 (1H, d, J=15.2 Hz), 4.51 (1H, dd, J=9.4, 3.9 Hz), 4.59 (1H, d, J=15.2 Hz), 6.05 (1H, q, J=7.3 Hz), 7.18 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.28-7.37 (5H, m), 7.44-7.48 (2H, m).
【0107】
7−(4−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−3−オン(ジアステレオマーB):
Rf値=0.10(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)、1H NMR (400 MHz, CDCl3) δppm 1.44-1.51 (1H, m), 1.53 (3H, d, J=7.0 Hz), 1.84-1.92 (1H, m), 3.19-3.26 (1H, m), 3.29-3.37 (1H, m), 4.33 (1H, d, J=15.2 Hz), 4.50 (1H, dd, J=10.0, 3.7 Hz), 4.58 (1H, d, J=15.2 Hz), 6.00 (1H, q, J=7.0 Hz), 7.12 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.24-7.29 (1H, m), 7.32-7.37 (4H, m), 7.41 - 7.45 (2H, m).
【0108】
7−(4−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン(ジアステレオマータイプA)は、4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパン−3−オンの代わりに7−(4−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−3−オン(ジアステレオマータイプA)を用いた以外は、4−ベンジル−5−メチル−[1,4]オキサゼパンの手順と同じ手順で調製した。7−(4−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン(ジアステレオマータイプA)を無色の油として得た(9.5g、26.4mmol、75%)。
【0109】
7−(4−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン((ジアステレオマータイプA)(0.50g、1.4mmol)およびクロロギ酸クロロエチル(0.54mL、5.0mmol)の1,2−ジクロロエタン(3mL)溶液を、密封したチューブ中で室温にて調製した。混合物を130℃に加熱し、5時間撹拌した。室温に冷却した後に、ジイソプロピルエチルアミン(0.10mL、0.57mmol)を加え、このように得られた溶液を130℃に再び加熱し、さらに3時間撹拌した。次いで反応混合物を減圧下で濃縮し、メタノール(5mL)に溶解した。茶色の溶液を1時間還流し、濃縮した。残留物質を粉砕し、酢酸エチルで洗浄し、濾過によって集め、光学活性な7−(4−ブロモ−フェニル)−[1,4]オキサゼパン塩酸塩(0.32g、1.1mmol、79%)を白色の固体として得た。この固体を、以降の工程においてそれ以上精製することなく使用した。
【0110】
光学活性な7−(4−ブロモ−フェニル)−[1,4]オキサゼパン塩酸塩(0.10g、0.34mmol)および2−クロロ−3−メチル−6−(ピリミジン−4−イル)−3H−ピリミジン−4−オン(0.07g、0.30mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)懸濁液に、トリエチルアミン(0.08mL)、0.60mmol)を室温で加えた。このように得られた混合物を一晩撹拌し、水に注いだ。クロロホルムによる抽出処理を行い、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルからの再結晶によって精製し、(+)−2−[7−(4−ブロモフェニル)−[1,4]−オキサゼパン−4−イル]−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(A096)(0.10g、0.23mmol、75%)を白色の固体として得た。
【0111】
実施例10:(+)−2−{7−[4−(5−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−[1,4]−オキサゼパン−4−イル}−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(A100)
【0112】
【化14】
【0113】
ジメチルホルムアミド(10mL)中のジアステレオマー純粋な7−(4−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン(ジアステレオマータイプA)(2.0g、5.6mmol)、シアン化亜鉛(II)(0.40g、3.4mmol)、トリス(ジベンジリデンアセタン)ジパラジウム(0.46g、0.50mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(0.67g、1.2mmol)および水(0.02mL、1.0mmol)の混合物を、室温で窒素雰囲気下にて調製した。混合物を120℃に加熱し、8時間撹拌した。室温に冷却した後に、2Nのアンモニア水溶液を加えることによって反応物をクエンチし、酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶液の濃縮、続いてシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=90/10〜60/40)による残渣の精製によって、4−[4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−7−イル]−ベンゾニトリル(ジアステレオマータイプA)(0.68g、2.2mmol、40%)を茶色の油として得た。
【0114】
エタノール(5mL)および水(3mL)中の4−[4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−7−イル]−ベンゾニトリル(ジアステレオマータイプA)(0.68g、2.2mmol)の混合物に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.46g、6.6mmol)および炭酸水素ナトリウム(1.20g、11mmol)を室温で加え、このように得られた混合物を80℃に加熱した。2時間撹拌した後、エタノールを除去するために反応混合物から溶媒を留去し、水およびクロロホルムで希釈した。有機相を水相から分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濃縮後、残渣の半分(0.39g)をキシレン(3mL)に溶解し、ジメチルアセトアミドジメチルアセタールを室温で加えた。混合物を3時間還流し、濃縮した。残留物質をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、7−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン(ジアステレオマータイプA)(0.33g、0.92mmol、83%)を得た。
【0115】
7−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン(ジアステレオマータイプA)(0.33g、0.92mmol)およびクロロギ酸クロロエチル(0.32mL、3.0mmol)の1,2−ジクロロエタン(3mL)溶液を、密封したチューブ中で室温にて調製した。混合物を4時間還流させた。室温に冷却した後に、ジイソプロピルエチルアミン(0.17mL、1.0mmol)を加え、このように得られた溶液をさらに3時間還流させた。次いで、反応混合物を減圧下で濃縮し、メタノール(5mL)に溶解した。茶色の溶液を1時間還流し、濃縮した。残留物質を粉砕し、酢酸エチルで洗浄し、濾過によって集め、7−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン塩酸塩(23a)(0.25g、0.83mmol、91%)を白色の固体として得た。この固体を、以降の工程においてそれ以上精製することなく使用した。
【0116】
光学活性な7−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン塩酸塩(0.12g、0.41mmol)および2−クロロ−3−メチル−6−(ピリミジン−4−イル)−3H−ピリミジン−4−オン(0.09g、0.38mmol)のスラリーに、トリエチルアミン(0.21mL、1.5mmol)を室温で加えた。混合物を20時間撹拌し、水に注いだ。クロロホルムによる抽出処理を行い、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濃縮、続いてシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてクロロホルム/メタノール=100/0〜90/10)による残渣の精製によって、(+)−2−{7−[4−(5−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−[1,4]−オキサゼパン−4−イル}−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(A100)(0.09g、0.19mmol、50%)を黄色がかった固体として得た。
【0117】
実施例11:(+)−2−{7−[4−(3−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル)フェニル]−[1,4]−オキサゼパン−4−イル}−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(A103)
【0118】
【化15】
【0119】
7−(4−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン(ジアステレオマータイプA)(2.0g、5.6mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、n−ブチルリチウム(4.2mL、6.7mmol)のヘキサン(1.60mol/L)溶液を−78℃で窒素雰囲気下にて加え、混合物を15分間撹拌した。次いで、二酸化炭素ガスを反応混合物に30分間吹き込み、室温に温めた。混合物を3時間撹拌した後、水を加えることによって反応物をクエンチした。水相を酢酸エチルで洗浄し、1Nの塩酸水溶液によって酸性化した。酸性水相からの有機物質の抽出をテトラヒドロフランによって行い、抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濃縮後、4−[4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−7−イル]−安息香酸(ジアステレオマータイプA)(0.96g、2.9mmol、53%)を無色のアモルファスとして単離した。このアモルファスを、以降の工程においてそれ以上精製することなく使用した。
【0120】
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の4−[4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−7−イル]−安息香酸(ジアステレオマータイプA)(0.96g、2.9mmol)およびアンモニアの7mol/Lのメタノール溶液(2mL、14mmol)に、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(1.25g、4.5mmol)を室温で加え、混合物を1日撹拌した。反応混合物を水に注いだ。このように得られた白色の固体物質を濾過によって集め、減圧下で50℃にて5時間乾燥させ、4−[4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−7−イル]−ベンズアミド(ジアステレオマータイプA)(0.58g、1.78mmol、61%)を得た。
【0121】
4−[4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−7−イル]−ベンズアミド(ジアステレオマータイプA)(0.28g、0.86mmol)をN,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール(1mL)に溶解し、溶液を110℃で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、次いで残渣を1,4−ジオキサン(2mL)に溶解した。その溶液に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液(1mL)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.06g、0.86mmol)および酢酸(2mL)を加え、混合物を1時間還流させた。室温に冷却した後に、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。このように得られた残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=5/1〜1/1)によって精製し、7−[4−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−フェニル]−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン(ジアステレオマータイプA)(0.27g、0.75mmol、88%)を白色の固体として得た。
【0122】
光学活性な7−[4−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン塩酸塩は、7−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−4−(1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパンの代わりに7−[4−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−フェニル]−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパンを用いた以外は、光学活性な7−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン塩酸塩の手順と同じ手順によって調製した。光学活性な7−[4−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン塩酸塩を、白色の固体として得た(0.16g、0.54mmol、72%)。
【0123】
(+)−2−{7−[4−(3−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル)フェニル]−[1,4]−オキサゼパン−4−イル}−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(A121)は、光学活性な7−[4−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン塩酸塩の代わりに光学活性な7−[4−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン塩酸塩を用いた以外は、2−{7−[4−(5−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−[1,4]−オキサゼパン−4−イル}−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(A100)の手順と同じ手順によって調製した。(+)−2−{7−[4−(3−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル)フェニル]−[1,4]−オキサゼパン−4−イル}−3−メチル−6−ピリミジン−4−イル−3H−ピリミジン−4−オン(A103)を、白色の固体として得た(0.07g、0.16mmol、63%)。
【0124】
実施例12:1−メチル−2−(2−メチル−[1,4]オキサゼパン−4−イル)−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A051)
【0125】
【化16】
【0126】
3−アミノ−プロパン−1−オール(15.0g、200mmol)のメタノール(300ml)溶液に、パラ−メトキシベンズアルデヒド(28.6g、210mmol)および数滴の酢酸を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(11.4g、300mmol)を加えた後、混合物を室温でさらに2時間撹拌し、3Nの塩酸で酸性化した。二相性混合物を室温で10分間撹拌した。有機溶媒を減圧下で留去し、残渣を水および酢酸エチルに分配した。水相を酢酸エチルで洗浄し、6Nの水酸化ナトリウムで塩基性化した。クロロホルムによる抽出を行い、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、続いて真空濃縮によって、3−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−プロパン−1−オールを淡黄色の油として得た(16.4g、42%)。
【0127】
3−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−プロパン−1−オール(2.00g、10.2mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液に、トリエチルアミン(1.09g、10.8mmol)および2−クロロプロピオニルクロリド(1.37g、10.8mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、0.5Nの塩酸およびジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を2−プロパノール(50ml)に溶解し、水酸化カリウム(1.15g、20.5mmol)を0℃で加えた。このように得られた混合物を0℃で4時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液および酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)によって精製し、4−(4−メトキシベンジル)−2−メチル−[1,4]オキサゼパン−3−オンを無色の油として得た(2.00g、78%)。
【0128】
4−(4−メトキシ−ベンジル−2−メチル−[1,4]オキサゼパン−3−オン(2.00g、8.02mmol)のテトラヒドロフラン(24ml)溶液に、テトラヒドロフラン中の1Mのボラン−テトラヒドロフラン錯体(27.3ml、27.3mmol)を0℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。0℃に冷却した後、メタノール(20ml)および6Nの水酸化ナトリウム(20ml)を注意深く加えた。このように得られた混合物を2時間還流し、室温に冷却した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を飽和塩化アンモニウム溶液および酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)によって精製し、4−(4−メトキシベンジル)−2−メチル−[1,4]オキサゼパンを無色の油として得た(1.66g、88%)。
【0129】
4−(4−メトキシ−ベンジル−2−メチル−[1,4]オキサゼパン(1.66g、7.05mmol)の1,2−ジクロロエタン(12ml)溶液に、クロロギ酸(1−クロロエチル)(2.52g、17.6mmol)を室温で加えた。混合物を5時間還流し、室温に冷却した。メタノール(15ml)を加えた後、混合物を3時間還流し、真空中で濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をエーテルおよび1Nの塩酸に分配し、エーテルで洗浄した。水相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性化した。生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で、生成物の蒸発を回避するように注意深く除去した。このように得られた溶液に、酢酸エチル中の4Nの塩酸を加えた。溶液を真空中で濃縮し、2−メチル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩を淡黄色の油として得た(964mg、90%)。
【0130】
2−クロロ−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(126mg、0.565mmol)および2−メチル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩(100mg、0.660mmol)のスラリーに、トリエチルアミン(172mg、1.70mmol)を室温で加えた。このように得られた混合物を室温で10時間撹拌し、水および酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;酢酸エチル)によって精製し、1−メチル−2−(2−メチル−[1,4]オキサゼパン−4−イル)−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オンを白色の固体として得た(A051)(103mg、61%)。
【0131】
実施例13:(R)−2−[2−(3−ブロモ−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A079)
【0132】
【化17】
【0133】
(R)−1−フェニルエタンアミン(364g、3.00mol)の水(43.7ml)溶液に、3−クロロプロパン−1−オール(142g、1.50mol)を室温で加えた。混合物を100℃で5時間撹拌した。このように得られた混合物を0℃に冷却し、飽和炭酸カリウム水溶液で塩基性化した。有機層をジクロロメタンで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物を減圧下で蒸留し、過剰な(R)−1−フェニルエタンアミンを除去した。残渣をクロロホルムで希釈し、活性炭を溶液に加えた。混合物を1時間還流し、セライトのパッドを通して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、(R)−3−(1−フェニルエチルアミノ)プロパン−1−オールを淡黄色の油として得た(224g、83%)。
【0134】
【化18】
【0135】
3−ブロモフェニル酢酸(25.0g、116mmol)の四塩化炭素(200ml)溶液に、N−ブロモスクシンイミド(22.8g、128mmol)を室温で加えた。混合物を3時間還流し、室温に冷却した。このように得られた沈殿物を濾過した。濾液を真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)によって精製し、ブロモ−(3−ブロモ−フェニル)−酢酸を黄色の液体として得た(27.8g、81%)。
【0136】
【化19】
【0137】
ブロモ−(3−ブロモ−フェニル)−酢酸(27.8g、94.6mmol)のジクロロメタン(200ml)溶液に、塩化オキサリル(19.8g、156mmol)および数滴のN,N−ジメチルホルムアミドを室温で加えた。混合物を40℃で1時間撹拌した後、溶媒を減圧下で除去した。残渣をジクロロメタン(30ml)に溶解し、溶液を(R)−3−(1−フェニルエチルアミノ)プロパン−1−オール(18.6g、104mmol)およびトリエチルアミン(11.6g、114mmol)のジクロロメタン(312ml)溶液に0℃で加えた。混合物を0℃で1.5時間撹拌し、0.5Nの塩酸およびジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣を2−プロパノール(312ml)に溶解し、次いで水酸化カリウム(11.7g、208mmol)を0℃で加えた。混合物を0℃で3時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液およびジクロロメタンに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗混合物をエーテルで粉砕した。このように得られた固体物質を濾過によって集め、減圧下で乾燥させ、ジアステレオマー的に純粋な2−(3−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−3−オン(ジアステレオマー1)を白色の固体として得た(9.71g、25%)。
【0138】
Rf値=0.43(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)
1H- NMR(400 MHz, CDCl
3) δ:1.26-1.35(1H, m), 1.50(3H, d, J=7.0 Hz), 1.73-1.84(1H, m), 3.13(1H, ddd, J= 3.9, 6.3, 14.9 Hz), 3.48(1H, ddd, J=3.1, 10.2, 14.9 Hz), 3.67(1H, ddd, J=4.7, 11.0, 15.7 Hz), 4.15(1H, ddd, J=2.4, 7.0, 12.5 Hz), 5.26(1H, s), 6.06(1H, q, J=7.0 Hz), 7.23-7.33(2H, m), 7.35-7.37(4H, m), 7.39-7.42(1H, m), 7.44-7.46(1H, m), 7.63-7.64(1H, m)
【0139】
母液を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)によって精製し、2−(3−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−3−オンのさらなるジアステレオマー(ジアステレオマー2)を無色の油として得た(10.3g、27%)。
【0140】
Rf値=0.35(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)
1H- NMR(400 MHz, CDCl
3) δ: 1.54(3H, d, J=7.0 Hz), 1.63-1.79(2H, m), 3.17(1H, ddd, J= 3.9, 6.3, 14.9 Hz), 3.42(1H, ddd, J=3.9, 9.4, 14.9 Hz), 3.74(1H, ddd, J=5.5, 11.0, 15.7 Hz), 4.18(1H, ddd, J=2.4, 6.3, 12.5 Hz), 5.28(1H, s), 6.06(1H, q, J=7.0 Hz), 7.22-7.29(4H, m), 7.31-7.35(2H, m), 7.39-7.42(1H, m), 7.44-7.46(1H, m), 7.63-7.64(1H, m)
【0141】
【化20】
【0142】
2−(3−ブロモ−フェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパン−3−オン(ジアステレオマー1)(9.39g、25.1mmol)のテトラヒドロフラン(75ml)溶液に、テトラヒドロフラン中の1.0M−ボラン−テトラヒドロフラン錯体(75.0ml、75.0mmol)を0℃で加えた。混合物を4時間還流させた。混合物を0℃に冷却し、メタノール(100ml)および6.0Nの水酸化ナトリウム水溶液(100ml)を注意深く加えた。混合物を2時間還流し、室温に冷却した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を水およびクロロホルムに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=4/1)によって精製し、ジアステレオマー的に純粋な2−(3−ブロモフェニル)−4−((R)−1−フェニル−エチル)−[1,4]オキサゼパンを無色の油として得た(8.92g、99%)。
【0143】
ジアステレオマー的に純粋な2−(3−ブロモフェニル)−4−((R)−1−フェニルエチル)−[1,4]オキサゼパン(8.92g、24.8mmol)の1,2−ジクロロエタン(42ml)溶液に、クロロギ酸(1−クロロエチル)(8.85g、61.9mmol)を室温で加えた。混合物を5時間還流し、室温に冷却した。メタノール(20ml)を加えた後、溶液をさらに5時間還流させた。混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物をエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥させ、2−(3−ブロモフェニル)−[1,4]オキサゼパンを白色の固体として得た(7.05g、97%)。X線のための分析試料をエタノールからの結晶化によって得て、この化合物の絶対配置は、Flackパラメーターを使用した方法によって(R)配置であることが見出された。絶対配置は、エタノールから結晶化した試料のX線結晶構造解析によって決定した。
【0144】
2−クロロ−3−メチル−6−(ピリミジン−4−イル)−3H−ピリミジン−4−オン(1.00g、4.49mmol)および(R)−2−(3−ブロモフェニル)−[1,4]オキサゼパン(1.58g、5.39mmol)の溶液に、トリエチルアミン(1.36g、13.5mmol)を室温で加えた。混合物を室温で9時間撹拌した。混合物を水およびクロロホルムに分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)によって精製し、(R)−2−[2−(3−ブロモ−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A079)を白色の固体として得た(1.65g、83%)。
【0145】
実施例14:(S)−2−[2−(3−シアノフェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A039)
【0146】
【化21】
【0147】
(S)−2−[2−(3−ブロモフェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A079)(1.0g、2.26mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(7.5ml)溶液に、シアン化亜鉛(0.292g、2.49mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(523mg、0.452mmol)を室温で窒素雰囲気下にて加えた。混合物を110℃で8時間撹拌した。このように得られた混合物をセライトのパッドを通して濾過し、炭酸水素ナトリウム水溶液およびクロロホルムに分配した。有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/アセトン=4/1)によって精製し、(S)−2−[2−(3−シアノフェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A039)を淡黄色の固体として得た(745mg、85%)。
【0148】
実施例15:(S)−1−メチル−2−{2−[3−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン−4−イル}−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A030)
【0149】
【化22】
【0150】
(S)−2−[2−(3−シアノ−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A039)(250mg、0.644mmol)のエタノール(1.29ml)溶液に、50重量%−ヒドロキシルアミン水溶液(128mg、1.93mmol)を室温で加えた。混合物を80℃で2時間撹拌し、濃縮した。残渣を水およびクロロホルムに分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣に、トルエン(1.29ml)およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(190mg、1.29mmol)を室温で加えた。混合物を2時間還流した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール=98/2)によって精製し、(S)−1−メチル−2−{2−[3−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)フェニル]−[1,4]オキサゼパン−4−イル}−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A030)を白色の固体として得た(254mg、89%)。
【0151】
実施例16:(S)−3−[4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−[4,4’]ビピリミジニル−2−イル)−[1,4]オキサゼパン−2−イル]−ベンズアミド(A015)
【0152】
【化23】
【0153】
(S)−2−[2−(3−シアノ−フェニル)−[1,4]オキサゼパン−4−イル]−1−メチル−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A039)(300mg、0.772mmol)、テトラヒドロフラン(1.90ml)および3.0N−炭酸ナトリウム(1.90ml)のエタノール(1.90ml)溶液に、30%過酸化水素(1.90ml)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、水およびクロロホルムに分配した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をジエチルエーテルで洗浄し、(S)−3−[4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−[4,4’]ビピリミジニル−2−イル)−[1,4]オキサゼパン−2−イル]−ベンズアミド(A015)を淡黄色の固体として得た(293mg、93%)。
【0154】
実施例17:(S)−1−メチル−2−{2−[3−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン−4−イル}−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A045)
【0155】
【化24】
【0156】
(S)−3−[4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−[4,4’]ビピリミジニル−2−イル)−[1,4]オキサゼパン−2−イル]−ベンズアミド(A015)(200mg、0.492mmol)のN,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール(0.760ml)溶液を、110℃で1時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、次いで1,4−ジオキサン(0.820ml)、酢酸(0.820ml)、1N水酸化ナトリウム(0.490ml)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(43.1mg、0.491mmol)を加えた。混合物を100℃で3時間撹拌し、水およびクロロホルムに分配した。有機層をブラインおよび炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム/メタノール=98/2)によって精製し、(S)−1−メチル−2−{2−[3−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−フェニル]−[1,4]オキサゼパン−4−イル}−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A045)を淡黄色の固体として得た(116mg、53%)。
【0157】
実施例18:(R)−1−メチル−2−(3−メチル−[1,4]オキサゼパン−4−イル)−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A064)
【0158】
【化25】
【0159】
(R)−2−アミノ−1−プロパノール(5g、67mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(50mL)溶液に、1Mの水酸化ナトリウム水溶液(150mL、150mmol)、およびジ−tert−ブチルジカーボネート(14.5g、67mmol)のTHF(50mL)溶液を0℃で加え、15時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した。有機相を水相から分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去した後、粗物質をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=1/1)によって精製し、(R)−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(9.0g、51.4mmol、77%)を無色の油として得た。
【0160】
(R)−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(4.0g、22.8mmol)を50%水酸化ナトリウム水溶液(15mL)に0℃で溶解し、このように得られた溶液に、臭化アリル(2.2mL、25mmol)および触媒量のテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(0.85g、2.5mmol)を室温で加え、4時間撹拌した。このように得られた溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。このように得られた粗アリルエーテルをTHF(75mL)に室温で溶解し、このように得られた溶液に、9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナンのTHF溶液(0.5M、100mL、50mmol)を加えた。5時間撹拌した後、このように得られた溶液に、水(8mL)、3Nの水酸化ナトリウム水溶液(8.1mL)および30%過酸化水素水溶液(8.2mL)を室温で加え、40℃に温め、続いて30分間撹拌した。有機溶媒を減圧下で除去し、残渣をブラインで希釈した。酢酸エチルによって抽出を行い、抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濃縮後、残留物質をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、(R)−[2−(3−ヒドロキシプロポキシ)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.0g、12.9mmol、56%)を無色の油として得た。
【0161】
(R)−[2−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、室温で塩化水素の酢酸エチル溶液(4N)(20mL、80mmol)に溶解した。3時間撹拌した後、このように得られた混合物を濃縮した。粘性油をジクロロメタン(50mL)と混合し、このように得られた混合物に、トリエチルアミン(5.0mL、36mmol)および2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(2.7g、12mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間撹拌し、水で希釈した。クロロホルムによる抽出処理を行い、有機溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濃縮、続いてシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液として酢酸エチルのみ)による精製によって、(R)−N−[2−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−1−メチル−エチル]−2−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド(1.3g、4.1mmol、34%)を黄色の固体として得た。
【0162】
(R)−N−[2−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−1−メチル−エチル]−2−ニトロベンゼンスルホンアミド(1.3g、4.1mmol)のTHF(50mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(1.7g、6.6mmol)、およびアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)のトルエン溶液(40%wt)(3mL、6.6mmol)を室温で加えた。このように得られた混合物を18時間撹拌し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=1/1)に通過させ、トリフェニルホスフィンオキシドを除去した。(R)−3−メチル−4−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−[1,4]オキサゼパンを含有するこのように得られた茶色の粘稠物質をジメチルホルムアミド(DMF)(10mL)に溶解し、チオグリコール酸(0.72mL、10mmol)および水酸化リチウム一水和物(1g、24mmol)を混合物に室温で加えた。18時間撹拌した後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をTHF(10mL)および1Mの水酸化ナトリウム水溶液(10mL)に溶解し、ジ−tert−ブチルジカーボネート(1.0g、4.5mmol)を室温で溶液に加えた。5時間撹拌した後、反応混合物を留去して有機溶媒を除去し、酢酸エチルで抽出した。有機溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/酢酸エチル=3/1)によって精製し、(R)−3−メチル−[1,4]オキサゼパン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.48g、2.2mmol、56%)を無色の油として得た。
【0163】
(R)−3−メチル−[1,4]オキサゼパン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.48g、2.2mmol)を、塩化水素の酢酸エチル(5mL)溶液(4N)に室温で溶解し、混合物を3時間撹拌した。反応混合物の濃縮後、残渣をジイソプロピルエーテルによって粉砕し、濾過し、(R)−3−メチル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩(0.23g、1.5mmol、67%)を白色の固体として集めた。
【0164】
N−メチルピロリドン(3mL)中の(R)−3−メチル−[1,4]オキサゼパン塩酸塩(0.10g、0.66mmol)および2−クロロ−3−メチル−6−(ピリミジン−4−イル)−3H−ピリミジン−4−オン(0.13g、0.6mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.25mL、1.8mmol)を室温で加え、このように得られた混合物を80℃に温めた。4時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、水で処理した。このように得られた有機物質をクロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。有機溶液の濃縮、およびシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーによる残渣の精製、それに続くエタノール/ヘキサンからの結晶化によって、(R)−1−メチル−2−(3−メチル−[1,4]オキサゼパン−4−イル)−1H−[4,4’]ビピリミジニル−6−オン(A064)(0.06g、0.19mmol、31%)を無色の結晶として得た。
【0165】
下記の表の化合物を、上記の方法と同じ方法で調製した。下記の表における化合物番号は、好ましい化合物の上記の表において記載した番号に対応する。
【0166】
【表2】
【0167】
実験:ウシ大脳TPK1によるP−GS1リン酸化に対する本発明の医薬の阻害活性
100mMのHEPES−水酸化ナトリウム(pH7.2)、1mMの酢酸マグネシウム、1mMのEGTA、1mMのジチオスレイトール(DTT)、0.02%Tween20、7.5μMのP−GS1、10μMのATP、ヒト組換えTPK1、および表に示す化合物を含有する混合物(最終混合物は、10%DMSOの存在下で調製した試験化合物の溶液に由来する1%DMSOを含有した)を、反応系として使用した。ATPを加えることによってリン酸化を開始させ、25℃で16時間反応させた。次いで、等容量のKinase Glo試薬(Promega)を混合物に加え、混合物からの発光シグナルを測定した。酵素を有さない混合物のデータを0%活性として設定し、化合物を有さない混合物のデータを100%活性として設定することによって、各化合物のIC
50を計算した。
【0168】
【表3】
【0169】
製剤例
(1)錠剤
下記の成分を、常法によって混合し、通常の装置を使用することによって圧縮した。
本発明の化合物 30mg
(調製例において調製)
結晶セルロース 60mg
トウモロコシデンプン 100mg
ラクトース 200mg
ステアリン酸マグネシウム 4mg
【0170】
(2)軟質カプセル剤
下記の成分を、常法によって混合し、軟質カプセル剤中に充填した。
本発明の化合物 30mg
(調製例において調製)
オリーブ油 300mg
レシチン 20mg