特許第5728670号(P5728670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5728670
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】基体へのエラストマーの接合
(51)【国際特許分類】
   C09J 201/00 20060101AFI20150514BHJP
   C09J 115/02 20060101ALI20150514BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20150514BHJP
   C09J 5/00 20060101ALI20150514BHJP
   C08K 5/32 20060101ALI20150514BHJP
   C08K 9/10 20060101ALI20150514BHJP
   B32B 15/06 20060101ALI20150514BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   C09J201/00
   C09J115/02
   C09J11/06
   C09J5/00
   C08K5/32
   C08K9/10
   B32B15/06 Z
   B32B27/00 D
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-500210(P2012-500210)
(86)(22)【出願日】2010年3月15日
(65)【公表番号】特表2012-520387(P2012-520387A)
(43)【公表日】2012年9月6日
(86)【国際出願番号】EP2010053316
(87)【国際公開番号】WO2010106029
(87)【国際公開日】20100923
【審査請求日】2013年3月14日
(31)【優先権主張番号】61/160,510
(32)【優先日】2009年3月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(74)【代理人】
【識別番号】100129610
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 暁子
(72)【発明者】
【氏名】フェイ、 ナイジェル
(72)【発明者】
【氏名】ニーフセイ、 ブレンダン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ノーラン、 ダレン
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン、 スーザン
【審査官】 松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−170492(JP,A)
【文献】 特開2008−174707(JP,A)
【文献】 国際公開第09/008448(WO,A1)
【文献】 特開平06−025634(JP,A)
【文献】 特開2001−260235(JP,A)
【文献】 特表平08−507560(JP,A)
【文献】 特開昭61−250079(JP,A)
【文献】 特開2002−235069(JP,A)
【文献】 特開平02−160849(JP,A)
【文献】 特開昭53−106735(JP,A)
【文献】 特開平02−063726(JP,A)
【文献】 特表2005−514490(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/008448(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族オキシム、芳香族ジオキシムおよびそれらの組み合わせから選ばれる少なくとも1種の芳香族ニトロソ化合物前駆体、および酸化剤としてカプセル化されたベンゾイルペルオキシドを含む接合組成物であって、ここで前記前駆体および前記酸化剤は担体賦形剤中に配されており、前記酸化物のカプセル化剤としてゼラチン/尿素−ホルムアルデヒドまたはアルギン酸銅が使用されている、組成物。
【請求項2】
さらに、接着促進剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記芳香族ニトロソ化合物前駆体が:
【化1】
からなる群より選択される化合物のモノ−またはジオキシムである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
ニトロソベンゼン、ジニトロソベンゼンまたはパラ−ニトロソフェノールが、イン−サイチュで芳香族ニトロソ化合物前駆体から生成される、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の組成物を少なくとも1つの基体に塗布して、前記基体を一緒にすることを含む、2つの基体を共に接合するための方法。
【請求項6】
第1の基体が、もう一方の基体に接合されるエラストマーを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記エラストマーが天然または合成ゴムである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第1の基体が、第2の基体に接合される天然または合成ゴムを含み、前記第2の基体は金属基体である、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記芳香族ニトロソ化合物前駆体は、芳香族ニトロソ化合物へ酸化され、前記ゴムと反応する、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の基体であるゴム基体を、金属表面に接合されるのに先立って加硫するか、または架橋する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ゴムを、金属表面への接合と同時に加硫するか、または架橋する、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、ポリマー対基体接合、例えば、エラストマー対基体接合、例えば、ポリマー対金属接合、例えば、ゴム対金属接合用途を含むエラストマー対金属接合の用途において使用するのに適した、接着剤組成物でのカプセル化種の利用に関する。本発明の1つの態様は、そのような接合用途、特に、ゴム対金属接合の用途で使用するのに適した新規の組成物を提供することである。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の簡単な説明)
ポリマー対金属接合、特にゴム対金属接合は長年実施されてきた。ポリマー対金属接合またはゴム対金属接合を達成する配合物に対しての応用は多くある。ゴム対金属接合は、天然または合成ゴムへ種々の金属を接合するために広範に使用されている。ポリマー対金属接合は多くの理由で実施されている。
【0003】
ゴム対金属接合の1つの態様は、金属の構造的強度をゴムの弾性的特性と組み合わせることである。従って、金属とゴムのようなポリマーは、特に、衝撃吸収用途、例えば、ベアリング、車輪、衝撃吸収材、移動アームなどで相互に接合されることが多い。そのような部品は、例えば、PC構成部品において非常に小さなスケールで、または例えば、橋梁および建物のような建造物において非常に大きなスケールで利用することができる。また、騒音低減も金属対ゴム接合を利用することによって達成することができる。共に接合された金属およびゴムを含むあらゆる部品が、途方もない力を受けることができると認められている。従って、金属またはゴムを相互に分離させることなく、衝撃を含む圧縮力または伸長力のような顕著な力に耐えることができる金属対ゴム接合を提供することが望ましい。ゴム対金属接合が望まれている他の多くの用途があり、例えば、タイヤ用の内部ワイヤー強化材がタイヤのゴムに接合されるタイヤ製造での用途がある。
【0004】
一般に、接着剤配合物は、選択された金属基体へ選択されたゴムを接合するために提供される。従来のゴム対金属接合技術はプライマー層、およびまた接着剤層からなり、全体として2被膜システムを形成する。プライマーシステムは一般に、反応性基を含む塩素化ゴムおよびフェノール樹脂、およびまた二酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラックなどのような顔料との溶液または懸濁液からなる。プライマーは一般に、処理されたスチール部品(例えば、グリットブラスト仕上げまたは化学的に処理された部品)のような、処理(洗浄)された金属部品の表面に薄層として塗布される。
【0005】
接着剤層は、ゴム材料のような広い範囲の弾性材料および架橋剤からなることができる。これらとしては、塩素化ゴムおよび臭素塩素化ゴム、架橋剤として芳香族ジニトロソベンゼン化合物およびビスマレイミド、溶媒としてキシレン、パークロロエチレンおよびエチルベンゼン、ならびにある種の無機鉛または亜鉛塩も挙げられるが、それらに限定されない。
【0006】
ゴム対金属接合技術において採用されてきた最も一般的な架橋剤は、p−ジニトロソベンゼンのような芳香族ニトロソ化合物である。ゴム中のジエンまたはアリル部分構造のようなアルケン基への架橋機構は、ペリ環状反応によるものである。
【0007】
ゴム対金属接合が採用される多くの用途において、いくつかのタイプの問題に対処するための数々の機会があり、その数例を挙げると、接合強度および耐久性、試料調製、接着剤の塗布の容易さ、1被膜対2被膜システム、毒性の低下および環境に対する改善された特性などの問題がある。
【0008】
ジニトロソ化合物、オキシム化合物、ポリイソシアネート化合物、および酸化剤は、過去において使用されてきた。これらジニトロソ化合物における高い毒性は、特に、重大な取り扱い上のおよび安全性の問題をもたらす。ジニトロソ化合物は、モールド汚染の問題をより悪くする昇温での発煙を示す可能性がある。
【0009】
ゴム対金属接合のための種々の配合物は、多くの特許公報の主題となっている。Lord Corporationは、オキシムおよびジオキシム材料を使用する分野で研究を実施してきた。例えば、欧州特許公開第0287190号公報で提示されたように、任意の芳香族ジオキシム(キノンジオキシムが好ましい)およびポリイソシアネート(トルエンジイソシアネートが好ましい)の付加物を2:1より大きい比で形成して、ゴム対金属接合を形成する。
【0010】
米国特許第4,581,092号公報は、ブチルゴム、ポリイソシアネート化合物、ならびにニトロソ化合物およびオキシム化合物の少なくとも1種を含む接着剤システムを開示しており、そのオキシム化合物は、Pb、PbO、MnOおよびVなどの追加的な酸化剤の存在が必要である。酸化剤はアリールジオキシム化合物の1部当たり2〜3部のレベルで存在する。
【0011】
米国特許第3,824,217号公報は、全てのオキシム基がイソシアネートと反応するように、オキシム化合物と過剰量のポリイソシアネート化合物とを組み合わせることを開示している。得られた化合物は、下塗りされた金属基体にゴムを接合するための組成物として使用できるであろう。また、米国特許第3,859,258号公報も、ゴム対金属技術で使用するためのオキシム−イソシアネート生成物を報告している。
【0012】
米国特許第4,994,519号公報は、塩素化ゴム、臭素化ポリブタジエン、カーボンブラックおよび5〜25重量%の粉砕硫黄が存在する場合、酸化剤を使用せずに金属へのゴム接合性能を有するキノンジオキシムシステムを意図している。しかしながら、遊離硫黄の使用は当該産業では広範には受け入れられていない。
【0013】
米国特許第4,031,120号公報は、ポリイソシアネートおよび芳香族ニトロソ化合物を組み合わせたイソシアネート官能性有機シランを含む組成物を記載している。得られたシステムは、金属および他の基体へ様々な弾性材料を接合するための単一被膜接着剤として記載されている。この特許では、イソシアネートをアミノ、ヒドロキシ、またはメルカプトのような官能性アルコキシシランと反応させる。
【0014】
米国特許第5,976,402号公報では、ジニトロソベンゼン化合物を含有する組成物を、室温で固体である化学的に不活性な材料でできた担体へ堆積することについて開示された。親水性および疎水性シリカ、疎水化されたゼオライト、カーボンブラックおよび層状ケイ酸塩が固体担体として使用された。
【0015】
当該技術分野での最新技術にもかかわらず、上で提起された問題に対処する代替のエラストマー接合組成物を提供することは望ましく、それによって消費者の選択が改善されることになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、ポリマー対基体接合、例えば、エラストマー対基体接合、例えば、ゴム対金属接合で使用されるようなエラストマー対金属接合で使用するのに適した組成物を提供する。天然および合成ゴムは、本明細書で用いる場合、用語「ゴム」に含まれる。ゴムは混合された材料であってよい。
【0017】
1つの態様では、本発明は、少なくとも1種のカプセル化された芳香族ニトロソ化合物を含む接合組成物を提供する。本発明はさらに、少なくとも1種のカプセル化された芳香族ニトロソ化合物前駆体を含む接合組成物を提供する。
【0018】
さらなる態様では、本発明は、少なくとも1種の芳香族ニトロソ化合物前駆体およびこの芳香族ニトロソ化合物前駆体に対する少なくとも1種の酸化剤を含む接合組成物を提供し、ここで前駆体および酸化剤の少なくとも1つはカプセル化されている。酸化剤はカプセル化されていてよい。あるいは、前駆体および酸化剤の両方がカプセル化されていてよい。
【0019】
当業者によって理解されるように、本発明の組成物はさらに接着促進剤を含んでもよい。接着促進剤はカプセル化されていてよい。接着促進剤は、芳香族ニトロソ化合物とエラストマー基体間の架橋を促進することができ、または改善された基体への接着を提供することができる。例えば、接着促進剤はシランであってよい。
【0020】
本明細書で用いる場合、芳香族ニトロソ化合物という用語は、少なくとも1つのニトロソ基を有する芳香族化合物を意味する。同様に、芳香族ニトロソ化合物前駆体という用語は、少なくとも1つのニトロソ基を有する芳香族ニトロソ化合物に転換できる任意の化合物を意味する。芳香族ニトロソ化合物前駆体は、任意の芳香族オキシム、芳香族ジオキシム、およびそれらの組み合わせを含むことができる。芳香族ニトロソ化合物前駆体は:
【0021】
【化1】
からなる群より選択される化合物のモノ−またはジオキシムであってよい。
【0022】
当業者によって理解されるように、上で開示されたジケトン構造は、例えば、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20アルコキシ、C〜C20アラルキル、C〜C20アルカリール、C〜C20アリールアミン、C〜C20アリールニトロソ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、およびそれらの組み合わせの少なくとも1種で任意に1回以上置換されてよい。そのような置換は、組成物の効果的な接合または硬化を妨害しないという条件において可能である。例えば、芳香族ニトロソ化合物のイン−サイチュでの生成を妨害しない条件において可能である。
【0023】
芳香族ニトロソ化合物前駆体は、p−ベンゾキノンジオキシム(QDO)、ナフトキノンジオキシム、トルキノンジオキシム、ジフェノキノンジオキシム、ジキノイルジオキシム、ジベンゾイルジオキシム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されることが望ましい。上のリストは、ただ一般化された例としてのみ機能し、他のアリールオキシムおよびジオキシムは可能であり、本発明に包含される。
【0024】
本発明の組成物の芳香族ニトロソ化合物は、ニトロソベンゼン化合物を含んでもよい。ニトロソベンゼン化合物は、モノニトロソベンゼン化合物、ジニトロソベンゼン化合物、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0025】
同様に、本発明の組成物の芳香族ニトロソ化合物前駆体は、ニトロソベンゼン前駆体を含んでもよい。ニトロソベンゼン前駆体は、モノニトロソベンゼン前駆体、ジニトロソベンゼン前駆体、またはそれらの組み合わせであってよい。ニトロソベンゼン前駆体は、酸化によってイン−サイチュでニトロソベンゼンまたはジニトロソベンゼン構造を形成できることが理解されよう。
【0026】
当業者によって理解されるように、ニトロソベンゼンおよびニトロソベンゼン前駆体の参照例としては、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20アルコキシ、C〜C20アラルキル、C〜C20アルカリール、C〜C20アリールアミン、C〜C20アリールニトロソ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、およびそれらの組み合わせの少なくとも1種で任意に1回以上置換されてよいニトロソベンゼンおよびニトロソベンゼン前駆体が挙げられる。そのような置換は、組成物の効果的な接合または硬化を妨害しないという条件において可能である。例えば、ニトロソベンゼンのイン−サイチュでの生成を妨害しないという条件において可能である。
【0027】
望ましくは、ニトロソベンゼン前駆体は、p−ベンゾキノンオキシムまたはp−ベンゾキノンジオキシム(QDO)を含む。そのような構造は、望ましい接合を形成するのに役立つことが見いだされている。例えば、ニトロソベンゼン前駆体は:
【0028】
【化2】
およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0029】
QDOは一般に、耐熱性を改善する目的でEPDM(エチレン−プロピレンジエンモノマー)のための加硫剤として使用される。また、それはゴム対金属接着促進剤、および硬化剤としても使用される。
【0030】
本発明の組成物の芳香族ニトロソ化合物は、少なくとも1つのシラン部分構造を含んでいてよい(芳香族ニトロソシラン)。そのシラン部分構造はアルコキシシランであってよい。本発明の組成物の芳香族ニトロソ化合物前駆体は、少なくとも1つのシラン部分構造を含んでもよい(芳香族ニトロソシラン前駆体)。そのシラン部分構造はアルコキシシランであってよい。有利には、アルコキシシランは特定の表面(例えば、金属表面)への接着を増大させることができる。例えば、芳香族ニトロソシラン(前駆体)は、一般式:
【0031】
【化3】
で表されるものの1つであってよく、
ここで、「a」は1〜3であってよく、「b」は0〜2であってよいが、a=3である場合b=0であり、a=2である場合bは=1であり、それによって少なくとも1つのアルコキシ基が存在し;
は、H、C〜C24アルキル、C〜C24アシルから選択されてよく、好ましくはC〜Cアルキルから選択されてよく、ただし、a≧1の場合は少なくとも1つのRは水素ではなく;
は、C〜C24アルキルおよびC〜C24アシルから、好ましくはC〜Cアルキルから選択されてよく;
nは、1〜5であってよく;
Xは、OまたはSであってよく;
Yは、−O、−S、または−NH(ここで、x=1または2である)であってよく;
は、ニトロソ芳香族またはニトロソ芳香族前駆体を含む部分構造であってよい。
【0032】
は、ニトロソベンゼンまたはニトロソベンゼン前駆体を含む部分構造であってよい。例えば、キノンジオキシムまたはキノンオキシムであってよい。
【0033】
は、C〜C24アルキル、C〜C24アシルから選択されてよい。Rは、C〜C24アルキル、C〜C24アシルからなる群より選択されてよく、および「a」は3であってよい。Xは、Oであってよい。Yは、Oまたは−NH(ここでx=1である)であってよい。Rは、C〜Cアルキルから選択されてよく、Xは、Oであってよく、および「a」は、3である。Rは、C〜Cアルキルから選択されてよく、Xは、Oであってよく、Yは、Oであってよく、および「a」は、3であってよい。Rは、C〜Cアルキルから選択されてよく、Xは、Oであってよく、Yは、−NH(ここで、x=1である)、および「a」は、3であってよい。Rは、C〜Cアルキルから選択されてよく、Xは、Oであってよく、Yは、Oであってよく、「a」は、3であってよく、およびRは、ニトロソベンゼンを含む部分構造であってよい。他の適したニトロソシランは、米国特許出願第12/055908号に開示され、ここでその開示は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0034】
カプセル化芳香族ニトロソ化合物は、全組成物の1〜20重量%の量で存在してよい。カプセル化芳香族ニトロソ化合物は、適切には1〜10重量%、例えば、1〜6重量%の量で存在してよい。カプセル化芳香族ニトロソ化合物は、全組成物の2重量%で存在してよい。
【0035】
カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の1〜20重量%の量で存在してよい。カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、適切には1〜10重量%、例えば、1〜6重量%の量で存在してよい。カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の2重量%で存在してよい。
【0036】
非カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の1〜20重量%の量で存在してよい。非カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、適切には1〜10重量%、例えば、1〜6重量%の量で存在してよい。非カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の2重量%で存在してよい。
【0037】
本発明の組成物では、酸化剤はペルオキシドであってよい。例えば、酸化剤はベンゾイルペルオキシドであってよい。酸化剤は金属塩、例えば、銅塩であってもよい。
【0038】
酸化剤、例えば、ベンゾイルペルオキシド(BPO)を使用する、キノンジオキシムのジニトロソベンゼン種への酸化についての一般的なスキームは、下に示されている:
【0039】
【化4】
【0040】
金属をゴムに接合するのに適した組成物は、適切な量の本発明のカプセル化酸化剤を利用して配合されてよい。
【0041】
カプセル化酸化剤化合物は、全組成物の1〜20重量%の量で存在してよい。カプセル化酸化剤は、適切には1〜10重量%、例えば、3〜8重量%の量で存在してよい。カプセル化酸化剤は4重量%で存在してよい。カプセル化酸化剤は8重量%で存在してよい。
【0042】
非カプセル化酸化剤化合物は、全組成物の1〜20重量%の量で存在してよい。非カプセル化酸化剤は、適切には1〜10重量%、例えば、3〜8重量%の量で存在してよい。非カプセル化酸化剤は4重量%で存在してよい。非カプセル化酸化剤は8重量%で存在してよい。
【0043】
望ましくは、本発明の組成物中のカプセル材料は、熱的または機械的手段による破壊の際に活性型のコア材料を放出できる、安定なカプセルを含む。カプセル化材料は、芳香族ニトロソ化合物、または芳香族ニトロソ化合物前駆体の1種であってよい。カプセル化材料は、イン−サイチュで芳香族ニトロソ化合物前駆体を芳香族ニトロソ化合物に酸化するのに充分な量で存在する酸化剤であってよい。カプセル化材料は、ニトロソ芳香族化合物とポリマー基体(例えば、エラストマー)中に存在するジエン部分構造、またはアリル部分構造との反応速度を増大させるための触媒であってよい。
【0044】
カプセル材料は、硬質の重合された材料、ゼラチン、または樹脂からなる群より選択されてよい。例えば、適した樹脂は尿素/ホルムアルデヒド樹脂を含んでもよい。カプセル/カプセル材料は構造的に堅固なものでなければならず、カプセルは周囲媒体と反応してはならず、カプセル化された材料はカプセル材料から浸出してはならず、およびカプセル材料は、カプセル化しないと自然に酸化されうるコア材料または吸湿性を有する可能性があるコア材料をカプセル化することができなければならない。また、カプセル壁は、カプセル中に含まれている材料による化学的な攻撃に対して耐性を有していなければならない。適したカプセル/カプセル材料は当業者によって選択されてもよく、カプセルを製造する従来の方法が採用されてよい。
【0045】
カプセル/マイクロカプセルは、20〜100マイクロメーターの範囲の平均径を有する。マイクロカプセルは約1.0kg/cmより大きい、好ましくは2.0kg/cmより大きい荷重で破壊可能である壁を有することが好ましい。適切には、カプセルは3〜5kg/cmの間の荷重で破壊できる。
【0046】
本発明の組成物はさらに、カプセル化芳香族ニトロソ化合物、(カプセル化)芳香族ニトロソ化合物前駆体、および/または(カプセル化)酸化剤の1つのための適した担体賦形剤を含んでいてよい。任意の適した担体賦形剤が使用されてよいことが理解されよう。担体賦形剤は環境的に優しいことが望ましい。例えば、担体賦形剤は水性の賦形剤であってよい。そのような本発明の組成物は、金属基体のような基体をポリマー基体、例えば、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムに接合するのに適している。
【0047】
本発明の組成物は、エラストマー対基体接合、例えば、エラストマー対金属接合を提供する。本発明の組成物は、少なくとも1種のカプセル化成分、例えば、カプセル化酸化剤、カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体、またはニトロソ芳香族およびジニトロソ芳香族材料とエラストマーとの架橋を促進するためのカプセル化接着促進剤を含む。また、本発明は上記カプセル化された材料の組み合わせも提供する。
【0048】
本発明の組成物は、良好なゴム対金属接合の形成を補助することができる。そのような組成物は、ゴムと金属基体との間の界面に塗布してもよく、ゴム硬化工程の間に、強力で耐性のある接合を生じさせることにおいて補助することができる。
【0049】
カプセル化酸化剤と共に芳香族ニトロソまたはジニトロソ化合物前駆体を含む、または非カプセル化酸化剤と共にカプセル化芳香族ニトロソまたはジニトロソ化合物前駆体を含む組成物は、上で考察した先行技術に付随する問題を克服することができる。さらに、本発明の組成物は毒性をより少なくできる。このことは加硫に先立って特に重要である。
【0050】
本発明の組成物は、芳香族ニトロソ化合物(例えば、ニトロソベンゼン部分構造)をイン−サイチュで形成することが望ましい任意の用途で有用性を見いだすことができる。同様にして、本発明の組成物は、芳香族ジニトロソ化合物(例えば、ジニトロソベンゼン部分構造)をイン−サイチュで形成することが望ましい任意の用途で有用性を見いだすことができる。
【0051】
本発明の組成物は1成分組成物であってよい。本発明の組成物は2成分組成物であってもよい。
【0052】
本発明の組成物は、基体を天然または合成ゴムへ接合することにおいて有用性を見いだすことができる。例えば、本組成物は、金属を天然または合成ゴムへ接合することが必要な用途において使用することができる。特に、本発明の組成物は、ニトロソベンゼン部分構造またはジニトロソベンゼン部分構造をイン−サイチュで生成することを提供することができる。
【0053】
例えば、良好な接合を達成するためには、化合物がイン−サイチュで反応してヒドロキシ基を含むニトロソ芳香族部分構造を形成することが望ましい場合がある。ヒドロキシ基を含むニトロソ芳香族部分構造は、パラ−ニトロソフェノール部分構造であってよい。存在するフェノール部分構造は、金属表面にパラ−ニトロソフェノール部分構造を固定するのに役立つことができる。パラ−ニトロソフェノールは以下に示されるように、キノンモノ−オキシムの酸化によってイン−サイチュで生成することができる。
【0054】
【化5】
【0055】
構成成分をカプセル化することによって、本発明の組成物は、接着剤組成物中で遊離ニトロソ基を含む化合物を配合するという望ましくない必要性を取り除く。酸化剤をカプセル化することによって、カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体、またはそれらの組み合わせは、接合形成が起こる段階である加硫工程の際に前駆体の酸化によってのみニトロソ基が形成されることを確実にする。
【0056】
本発明の組成物は多くの利点を有する。例えば、ジニトロソベンゼンを有していない接着剤組成物は、配合して保存することができる。そのような配合物は標準的方法で、容易に、都合よく基体に塗布される。また、都合の良い塗布技術(例えば、吹き付け塗りまたは浸漬塗り)も使用することができる。また、本発明の組成物は、従来のジニトロソベンゼン配合物に比べて毒性も低減されている。
【0057】
加えて、本発明の組成物は、硬化して卓越した接合強度を提供することができる。例えば、本発明の組成物の接合強度を決定するためのゴム対金属接合試験では、80〜100%のゴム破壊が観察された。さらに、得られた接合は耐熱水性を有する。
【0058】
さらなる態様では、本発明は、基体の少なくとも1つに本発明の組成物を塗布すること、および組成物で接合を形成するように基体を一緒にすることを含む、2つの基体を共に接合するための方法にまで及ぶ。
【0059】
少なくとも1つの基体は、もう一方の基体に接合されるべきポリマー、例えば、エラストマーを含んでよい。少なくとも1つの基体は、もう一方の基体に接合されるべき天然または合成ゴムを含んでよい。第1の基体は、ポリマー、例えば、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムを含んでよく、第2の基体は、金属基体を含んでよい。第1の基体は、本発明の組成物が塗布される金属基体を含んでよく、第2の基体は、ポリマー、例えば、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムを含んでよい。
【0060】
本発明の組成物のニトロソ芳香族化合物は、ゴム基体に固定されるようにしてもよい。
【0061】
ゴム基体は、第2の基体に接合するのに先立って、加硫または架橋されてもよい。あるいは、ゴム基体は、第2の基体に接合すると同時に、加硫または架橋されてもよい。第2の基体は金属であってもよい。
【0062】
本発明は、ニトロソ基がポリマー、特にジエンまたはアリル官能基をポリマー鎖中に有するポリマーと反応できるため、ポリマー、例えば、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムを金属のような他の基体へ接合することを可能にしている。ポリマー上でのニトロソ基およびアリル基の反応は、アルダーエン(alder−ene)反応を介して起こる。そのような反応によって、様々な架橋(例えば、ニトロソ基とゴム材料との間の架橋)が生成される。
【0063】
本発明は、弾性材料、例えば、ゴム組成物と金属との間での非常に良好な接着を提供する。先行技術による他の従来の2被覆の例と同様に、本発明の組成物は10〜60μmの範囲、より好ましくは20〜30μmの範囲で被覆される。
【0064】
多くの種々の金属は、本発明で記載された組成物で処理することができ、およびポリマー、例えば、弾性材料へ接合することができる。これらの金属としては、亜鉛ならびに亜鉛−ニッケルおよび亜鉛−コバルト合金のような亜鉛合金;亜鉛含有被膜を有する金属基体;鋼鉄、特に常温圧延鋼および炭素鋼;アルミニウムおよびアルミニウム合金;銅および真鍮のような銅合金;ならびに、錫および錫含有被膜を有する金属基体などの錫合金が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
さらなる態様では、本発明は、本発明の組成物によって共に接合された第1の基体および第2の基体を含む組立体に関する。それらの基体の1つは、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムであることが望ましい。第2の基体は金属であってよい。本発明はさらに、ポリマー、例えば、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムおよび本発明の組成物を含む硬化生成物に及ぶ。
【0066】
一般に、加硫工程の間に接合が達成されることが望ましい。適した加硫方法としては、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、および(例えば、スチームまたは高温空気を用いた)オートクレーブ加熱が挙げられる。例えば、半固体状ゴムは、モールドに注入することができる。次いで、半固体状ゴムは架橋して完全に硬化したゴムとなり、同時に基体との接合が形成される。
【0067】
製造環境で成功裏に用いられることができるように、硬化システムは、一定の要件を満たす必要がある。例えば、硬化システムは加工が容易でなければならない。これは、硬化システムが、使用するにおいて安定でなければならないことを意味する。従来の組成物に関する問題としては、沈降する傾向が挙げられてきた。従って、硬化システムは沈降する傾向が低いことが望ましい。
【0068】
さらに、硬化システムは塗布が容易でなければならない。例えば、任意の適したディスペンシングシステムによって塗布するのに都合が良くなければならない。また、塗布材料が流出したり、および/または製造機器を汚染することなく部品が扱うことができるように、迅速に乾燥することも望ましい。また、硬化システムは、例えば、塗布および伸展が容易であるために、良好な濡れ特性を示すことが望ましい。
【0069】
また、良好な硬化強度を有することも望ましい。この硬化は、用いられるエラストマー(ゴム)のタイプとは無関係に、また基体のタイプとも無関係に達成されなければならない。いくつかのゴムは混合された材料であり、従って、良好な硬化はそのように混合された材料で達成されることが望ましいことは理解されるであろう。適切には、一定な硬化は様々な加工パラメータにおいて達成される。
【0070】
接合、特にゴム/金属接合は、高い圧力下で、および例え攻撃的な雰囲気(例えば、オイルのような高温の液体)に曝されたとしても耐性を有することが望ましい。接合は比較的に高い機械的応力に対しても耐久性を有しなければならない。
【0071】
好適である場合、本発明の1つの実施形態における全ての任意の特徴、および/または好ましい特徴は、本発明のもう一方の/他の実施形態(単数または複数)における任意の特徴、および/または好ましい特徴と組み合わせてもよいことが理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0072】
(発明の詳細な説明)
当業者であれば、本明細書の以下で開示される例は、ただ一般化された例のみを表し、本発明を再現できる他の構成および方法は可能であり、それらは本発明に包含されることは直ちに明らかであろう。
【0073】
本発明の組成物は、好適には芳香族ニトロソ化合物(例えば、ニトロソベンゼンまたはジニトロソベンゼン)のイン−サイチュでの形成に拮抗せず、またはそれを阻害しない、一般的なゴム配合物で従来使用されている任意の添加物を含んでよい。そのような添加物の代表例は、強化カーボンブラック;炭酸カルシウム、白墨、タルク、または金属酸化物のような不活性フィラー;促進剤システム;加硫遅延剤;酸化亜鉛またはステアリン酸のような促進剤;芳香族、パラフィン系、ナフテン系および合成鉱油のような可塑剤;老化、光保護、オゾン保護、疲労、着色、および加工補助剤、ならびに硫黄である。通常、これらの添加物は、ゴム組成物の100重量部当たり約0.1重量部〜約80重量部の量で存在してよい。
【0074】
プライマー層および接着剤層の塗布に先立って、被覆されるべき金属表面は、より良好な接着を可能にするために洗浄されてもよい。例えば、溶媒またはアルカリ材料を使用して洗浄する。次いで、塗布は金属上に溶液を、浸漬塗り、吹き付け塗り、はけ塗り、または拭き塗りするなど、様々な方法で実施されうる。
【0075】
プライマーは、処理されたスチール部品のような金属部品の処理(洗浄)された表面上に薄層として塗布される。接着層は、乾燥プライマー層の頂部に薄層として塗布される。本発明に包含される組成物を、以下で説明する。
【実施例】
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
85%のゴム破壊が観察された。
【0078】
【表3】
100%のゴム破壊が観察された。
【0079】
【表4】
80%のゴム破壊が観察された。
【0080】
【表5】
80%のゴム破壊が観察された。
【0081】
【表6】
【0082】
銅カプセルおよび酸化銅マイクロカプセルを以下のように製造した:Brace Technology(Brace GmbH)を用いて、共押出し法によってカプセルを自社で製造した。固体状カプセル材料をアルギン酸中で乳化し、ノズルの振動周波数は液体流によってカプセルが形成できるように変化させた。カプセルは、水溶性硫酸銅溶液中に滴下することによって化学的に硬化した。次いで、形成したカプセルは濾過分離し、洗浄して、40℃で4〜6時間乾燥した。
【0083】
(試験方法)
金属表面に対するゴムの接合における本発明の記載した接着剤システムの有効性を評価するために、角度45°に調節されたASTM 429−B標準に従って一連の試験を実施した。金属基体[2.54cm(1インチ)幅、10.16cm(4インチ)長パネルまたは試験片]を接着剤で被覆し、加硫工程で天然ゴムに接着した。天然ゴム組成物は、配合物表に説明するように硫黄で硬化した組成物であった。
【0084】
金属基体を自動水溶性アルカリ洗浄機中で超音波洗浄し、脱イオン化水ですすぎ、高温の空気でブロー乾燥した。また、基体は適した研磨剤を使用してグリットブラスト処理してもよい。
【0085】
接着剤を塗布する前に、金属試験片の両末端上の2.54cm(1インチ)の長さで2.54cm(1インチ)幅をマスクした。その領域がゴムへの接合に利用できなくし、2.54cm(1インチ)幅で5.08cm(2インチ)長の中心領域をゴムへの接合に利用できるようにした。
【0086】
本発明の接合操作では、均一な被覆を確かなものにするために、好ましくは基体を洗浄した後に、浸漬塗り、吹き付け塗りまたはブラシをかける方法のいずれかによって組成物を金属基体に塗布した。
【0087】
乾燥は環境条件下、すなわち室温で実施することができる。溶媒の蒸発速度は、加熱、強制空気、またはその両方によって高めることができる。
【0088】
次いで、未硬化ゴム層を各試験片上に配置し、ゴムの硬化プロファイルによって指定された時間、標準的な水圧加硫プレス中で硬化した。本発明の接合方法で使用した天然ゴムの場合は、接合する表面と接着剤との密接な接触を確実にするのに充分な圧力下、150℃で20分間ゴムを硬化した。
【0089】
硬化後、接合試料は室温で24時間老化させ、その後試験にかけて引裂きパターンを記録した。各々の試料は、インストロン試験装置(Instron試験機、モデル番号5500R)を使用し、角度45°の改変したASTM 429−B標準によって、分離が完結するまで毎分50mmの定常荷重速度で試験した。
【0090】
「ゴム被覆率」とは、剥離試験後に接合した金属基体上に残るゴムの百分率のことである。100%のゴム破壊とは、金属の表面から剥離したゴム部分がまったくなくゴムが完全に破壊すること(そして、これは100%のゴム破壊とみなす)を意味する。
【0091】
一般に、金属対ゴム接合が破壊する前に、ゴム基体が破壊することが望ましい。上に提示された特定の配合物で、その結果が達成される。
【0092】
本発明に関して本明細書で使用される場合、用語「を含む/含んでいる(comprises/comprising)」および用語「有する/含む(having/including)」は、記載された特徴、整数、工程または成分を特定するために使用されるが、1つ以上の他の特徴、整数、段階、成分またはそれらの群の存在もしくは追加を除外するものではない。
【0093】
本発明のある特徴は、明確にする目的で別々の実施形態の文脈で記載されているが、また単一の実施形態中、組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、本発明の様々な特徴は、簡潔にする目的で単一の実施形態の文脈で記載されているが、また、別々にまたは任意の適した部分的組み合わせで提供されてもよい。