【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、ポリマー対基体接合、例えば、エラストマー対基体接合、例えば、ゴム対金属接合で使用されるようなエラストマー対金属接合で使用するのに適した組成物を提供する。天然および合成ゴムは、本明細書で用いる場合、用語「ゴム」に含まれる。ゴムは混合された材料であってよい。
【0017】
1つの態様では、本発明は、少なくとも1種のカプセル化された芳香族ニトロソ化合物を含む接合組成物を提供する。本発明はさらに、少なくとも1種のカプセル化された芳香族ニトロソ化合物前駆体を含む接合組成物を提供する。
【0018】
さらなる態様では、本発明は、少なくとも1種の芳香族ニトロソ化合物前駆体およびこの芳香族ニトロソ化合物前駆体に対する少なくとも1種の酸化剤を含む接合組成物を提供し、ここで前駆体および酸化剤の少なくとも1つはカプセル化されている。酸化剤はカプセル化されていてよい。あるいは、前駆体および酸化剤の両方がカプセル化されていてよい。
【0019】
当業者によって理解されるように、本発明の組成物はさらに接着促進剤を含んでもよい。接着促進剤はカプセル化されていてよい。接着促進剤は、芳香族ニトロソ化合物とエラストマー基体間の架橋を促進することができ、または改善された基体への接着を提供することができる。例えば、接着促進剤はシランであってよい。
【0020】
本明細書で用いる場合、芳香族ニトロソ化合物という用語は、少なくとも1つのニトロソ基を有する芳香族化合物を意味する。同様に、芳香族ニトロソ化合物前駆体という用語は、少なくとも1つのニトロソ基を有する芳香族ニトロソ化合物に転換できる任意の化合物を意味する。芳香族ニトロソ化合物前駆体は、任意の芳香族オキシム、芳香族ジオキシム、およびそれらの組み合わせを含むことができる。芳香族ニトロソ化合物前駆体は:
【0021】
【化1】
からなる群より選択される化合物のモノ−またはジオキシムであってよい。
【0022】
当業者によって理解されるように、上で開示されたジケトン構造は、例えば、C
1〜C
20アルキル、C
1〜C
20シクロアルキル、C
1〜C
20アルコキシ、C
6〜C
20アラルキル、C
6〜C
20アルカリール、C
6〜C
20アリールアミン、C
6〜C
20アリールニトロソ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、およびそれらの組み合わせの少なくとも1種で任意に1回以上置換されてよい。そのような置換は、組成物の効果的な接合または硬化を妨害しないという条件において可能である。例えば、芳香族ニトロソ化合物のイン−サイチュでの生成を妨害しない条件において可能である。
【0023】
芳香族ニトロソ化合物前駆体は、p−ベンゾキノンジオキシム(QDO)、ナフトキノンジオキシム、トルキノンジオキシム、ジフェノキノンジオキシム、ジキノイルジオキシム、ジベンゾイルジオキシム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されることが望ましい。上のリストは、ただ一般化された例としてのみ機能し、他のアリールオキシムおよびジオキシムは可能であり、本発明に包含される。
【0024】
本発明の組成物の芳香族ニトロソ化合物は、ニトロソベンゼン化合物を含んでもよい。ニトロソベンゼン化合物は、モノニトロソベンゼン化合物、ジニトロソベンゼン化合物、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0025】
同様に、本発明の組成物の芳香族ニトロソ化合物前駆体は、ニトロソベンゼン前駆体を含んでもよい。ニトロソベンゼン前駆体は、モノニトロソベンゼン前駆体、ジニトロソベンゼン前駆体、またはそれらの組み合わせであってよい。ニトロソベンゼン前駆体は、酸化によってイン−サイチュでニトロソベンゼンまたはジニトロソベンゼン構造を形成できることが理解されよう。
【0026】
当業者によって理解されるように、ニトロソベンゼンおよびニトロソベンゼン前駆体の参照例としては、C
1〜C
20アルキル、C
1〜C
20シクロアルキル、C
1〜C
20アルコキシ、C
6〜C
20アラルキル、C
6〜C
20アルカリール、C
6〜C
20アリールアミン、C
6〜C
20アリールニトロソ、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、およびそれらの組み合わせの少なくとも1種で任意に1回以上置換されてよいニトロソベンゼンおよびニトロソベンゼン前駆体が挙げられる。そのような置換は、組成物の効果的な接合または硬化を妨害しないという条件において可能である。例えば、ニトロソベンゼンのイン−サイチュでの生成を妨害しないという条件において可能である。
【0027】
望ましくは、ニトロソベンゼン前駆体は、p−ベンゾキノンオキシムまたはp−ベンゾキノンジオキシム(QDO)を含む。そのような構造は、望ましい接合を形成するのに役立つことが見いだされている。例えば、ニトロソベンゼン前駆体は:
【0028】
【化2】
およびそれらの組み合わせからなる群より選択されてよい。
【0029】
QDOは一般に、耐熱性を改善する目的でEPDM(エチレン−プロピレンジエンモノマー)のための加硫剤として使用される。また、それはゴム対金属接着促進剤、および硬化剤としても使用される。
【0030】
本発明の組成物の芳香族ニトロソ化合物は、少なくとも1つのシラン部分構造を含んでいてよい(芳香族ニトロソシラン)。そのシラン部分構造はアルコキシシランであってよい。本発明の組成物の芳香族ニトロソ化合物前駆体は、少なくとも1つのシラン部分構造を含んでもよい(芳香族ニトロソシラン前駆体)。そのシラン部分構造はアルコキシシランであってよい。有利には、アルコキシシランは特定の表面(例えば、金属表面)への接着を増大させることができる。例えば、芳香族ニトロソシラン(前駆体)は、一般式:
【0031】
【化3】
で表されるものの1つであってよく、
ここで、「a」は1〜3であってよく、「b」は0〜2であってよいが、a=3である場合b=0であり、a=2である場合bは=1であり、それによって少なくとも1つのアルコキシ基が存在し;
R
1は、H、C
1〜C
24アルキル、C
3〜C
24アシルから選択されてよく、好ましくはC
1〜C
4アルキルから選択されてよく、ただし、a≧1の場合は少なくとも1つのR
1は水素ではなく;
R
2は、C
1〜C
24アルキルおよびC
3〜C
24アシルから、好ましくはC
1〜C
4アルキルから選択されてよく;
nは、1〜5であってよく;
Xは、OまたはSであってよく;
Yは、−O、−S、または−NH
x(ここで、x=1または2である)であってよく;
R
3は、ニトロソ芳香族またはニトロソ芳香族前駆体を含む部分構造であってよい。
【0032】
R
3は、ニトロソベンゼンまたはニトロソベンゼン前駆体を含む部分構造であってよい。例えば、キノンジオキシムまたはキノンオキシムであってよい。
【0033】
R
1は、C
1〜C
24アルキル、C
3〜C
24アシルから選択されてよい。R
1は、C
1〜C
24アルキル、C
3〜C
24アシルからなる群より選択されてよく、および「a」は3であってよい。Xは、Oであってよい。Yは、Oまたは−NH
x(ここでx=1である)であってよい。R
1は、C
1〜C
4アルキルから選択されてよく、Xは、Oであってよく、および「a」は、3である。R
1は、C
1〜C
4アルキルから選択されてよく、Xは、Oであってよく、Yは、Oであってよく、および「a」は、3であってよい。R
1は、C
1〜C
4アルキルから選択されてよく、Xは、Oであってよく、Yは、−NH
x(ここで、x=1である)、および「a」は、3であってよい。R
1は、C
1〜C
4アルキルから選択されてよく、Xは、Oであってよく、Yは、Oであってよく、「a」は、3であってよく、およびR
3は、ニトロソベンゼンを含む部分構造であってよい。他の適したニトロソシランは、米国特許出願第12/055908号に開示され、ここでその開示は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0034】
カプセル化芳香族ニトロソ化合物は、全組成物の1〜20重量%の量で存在してよい。カプセル化芳香族ニトロソ化合物は、適切には1〜10重量%、例えば、1〜6重量%の量で存在してよい。カプセル化芳香族ニトロソ化合物は、全組成物の2重量%で存在してよい。
【0035】
カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の1〜20重量%の量で存在してよい。カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、適切には1〜10重量%、例えば、1〜6重量%の量で存在してよい。カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の2重量%で存在してよい。
【0036】
非カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の1〜20重量%の量で存在してよい。非カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、適切には1〜10重量%、例えば、1〜6重量%の量で存在してよい。非カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体は、全組成物の2重量%で存在してよい。
【0037】
本発明の組成物では、酸化剤はペルオキシドであってよい。例えば、酸化剤はベンゾイルペルオキシドであってよい。酸化剤は金属塩、例えば、銅塩であってもよい。
【0038】
酸化剤、例えば、ベンゾイルペルオキシド(BPO)を使用する、キノンジオキシムのジニトロソベンゼン種への酸化についての一般的なスキームは、下に示されている:
【0039】
【化4】
【0040】
金属をゴムに接合するのに適した組成物は、適切な量の本発明のカプセル化酸化剤を利用して配合されてよい。
【0041】
カプセル化酸化剤化合物は、全組成物の1〜20重量%の量で存在してよい。カプセル化酸化剤は、適切には1〜10重量%、例えば、3〜8重量%の量で存在してよい。カプセル化酸化剤は4重量%で存在してよい。カプセル化酸化剤は8重量%で存在してよい。
【0042】
非カプセル化酸化剤化合物は、全組成物の1〜20重量%の量で存在してよい。非カプセル化酸化剤は、適切には1〜10重量%、例えば、3〜8重量%の量で存在してよい。非カプセル化酸化剤は4重量%で存在してよい。非カプセル化酸化剤は8重量%で存在してよい。
【0043】
望ましくは、本発明の組成物中のカプセル材料は、熱的または機械的手段による破壊の際に活性型のコア材料を放出できる、安定なカプセルを含む。カプセル化材料は、芳香族ニトロソ化合物、または芳香族ニトロソ化合物前駆体の1種であってよい。カプセル化材料は、イン−サイチュで芳香族ニトロソ化合物前駆体を芳香族ニトロソ化合物に酸化するのに充分な量で存在する酸化剤であってよい。カプセル化材料は、ニトロソ芳香族化合物とポリマー基体(例えば、エラストマー)中に存在するジエン部分構造、またはアリル部分構造との反応速度を増大させるための触媒であってよい。
【0044】
カプセル材料は、硬質の重合された材料、ゼラチン、または樹脂からなる群より選択されてよい。例えば、適した樹脂は尿素/ホルムアルデヒド樹脂を含んでもよい。カプセル/カプセル材料は構造的に堅固なものでなければならず、カプセルは周囲媒体と反応してはならず、カプセル化された材料はカプセル材料から浸出してはならず、およびカプセル材料は、カプセル化しないと自然に酸化されうるコア材料または吸湿性を有する可能性があるコア材料をカプセル化することができなければならない。また、カプセル壁は、カプセル中に含まれている材料による化学的な攻撃に対して耐性を有していなければならない。適したカプセル/カプセル材料は当業者によって選択されてもよく、カプセルを製造する従来の方法が採用されてよい。
【0045】
カプセル/マイクロカプセルは、20〜100マイクロメーターの範囲の平均径を有する。マイクロカプセルは約1.0kg/cm
2より大きい、好ましくは2.0kg/cm
2より大きい荷重で破壊可能である壁を有することが好ましい。適切には、カプセルは3〜5kg/cm
2の間の荷重で破壊できる。
【0046】
本発明の組成物はさらに、カプセル化芳香族ニトロソ化合物、(カプセル化)芳香族ニトロソ化合物前駆体、および/または(カプセル化)酸化剤の1つのための適した担体賦形剤を含んでいてよい。任意の適した担体賦形剤が使用されてよいことが理解されよう。担体賦形剤は環境的に優しいことが望ましい。例えば、担体賦形剤は水性の賦形剤であってよい。そのような本発明の組成物は、金属基体のような基体をポリマー基体、例えば、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムに接合するのに適している。
【0047】
本発明の組成物は、エラストマー対基体接合、例えば、エラストマー対金属接合を提供する。本発明の組成物は、少なくとも1種のカプセル化成分、例えば、カプセル化酸化剤、カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体、またはニトロソ芳香族およびジニトロソ芳香族材料とエラストマーとの架橋を促進するためのカプセル化接着促進剤を含む。また、本発明は上記カプセル化された材料の組み合わせも提供する。
【0048】
本発明の組成物は、良好なゴム対金属接合の形成を補助することができる。そのような組成物は、ゴムと金属基体との間の界面に塗布してもよく、ゴム硬化工程の間に、強力で耐性のある接合を生じさせることにおいて補助することができる。
【0049】
カプセル化酸化剤と共に芳香族ニトロソまたはジニトロソ化合物前駆体を含む、または非カプセル化酸化剤と共にカプセル化芳香族ニトロソまたはジニトロソ化合物前駆体を含む組成物は、上で考察した先行技術に付随する問題を克服することができる。さらに、本発明の組成物は毒性をより少なくできる。このことは加硫に先立って特に重要である。
【0050】
本発明の組成物は、芳香族ニトロソ化合物(例えば、ニトロソベンゼン部分構造)をイン−サイチュで形成することが望ましい任意の用途で有用性を見いだすことができる。同様にして、本発明の組成物は、芳香族ジニトロソ化合物(例えば、ジニトロソベンゼン部分構造)をイン−サイチュで形成することが望ましい任意の用途で有用性を見いだすことができる。
【0051】
本発明の組成物は1成分組成物であってよい。本発明の組成物は2成分組成物であってもよい。
【0052】
本発明の組成物は、基体を天然または合成ゴムへ接合することにおいて有用性を見いだすことができる。例えば、本組成物は、金属を天然または合成ゴムへ接合することが必要な用途において使用することができる。特に、本発明の組成物は、ニトロソベンゼン部分構造またはジニトロソベンゼン部分構造をイン−サイチュで生成することを提供することができる。
【0053】
例えば、良好な接合を達成するためには、化合物がイン−サイチュで反応してヒドロキシ基を含むニトロソ芳香族部分構造を形成することが望ましい場合がある。ヒドロキシ基を含むニトロソ芳香族部分構造は、パラ−ニトロソフェノール部分構造であってよい。存在するフェノール部分構造は、金属表面にパラ−ニトロソフェノール部分構造を固定するのに役立つことができる。パラ−ニトロソフェノールは以下に示されるように、キノンモノ−オキシムの酸化によってイン−サイチュで生成することができる。
【0054】
【化5】
【0055】
構成成分をカプセル化することによって、本発明の組成物は、接着剤組成物中で遊離ニトロソ基を含む化合物を配合するという望ましくない必要性を取り除く。酸化剤をカプセル化することによって、カプセル化芳香族ニトロソ化合物前駆体、またはそれらの組み合わせは、接合形成が起こる段階である加硫工程の際に前駆体の酸化によってのみニトロソ基が形成されることを確実にする。
【0056】
本発明の組成物は多くの利点を有する。例えば、ジニトロソベンゼンを有していない接着剤組成物は、配合して保存することができる。そのような配合物は標準的方法で、容易に、都合よく基体に塗布される。また、都合の良い塗布技術(例えば、吹き付け塗りまたは浸漬塗り)も使用することができる。また、本発明の組成物は、従来のジニトロソベンゼン配合物に比べて毒性も低減されている。
【0057】
加えて、本発明の組成物は、硬化して卓越した接合強度を提供することができる。例えば、本発明の組成物の接合強度を決定するためのゴム対金属接合試験では、80〜100%のゴム破壊が観察された。さらに、得られた接合は耐熱水性を有する。
【0058】
さらなる態様では、本発明は、基体の少なくとも1つに本発明の組成物を塗布すること、および組成物で接合を形成するように基体を一緒にすることを含む、2つの基体を共に接合するための方法にまで及ぶ。
【0059】
少なくとも1つの基体は、もう一方の基体に接合されるべきポリマー、例えば、エラストマーを含んでよい。少なくとも1つの基体は、もう一方の基体に接合されるべき天然または合成ゴムを含んでよい。第1の基体は、ポリマー、例えば、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムを含んでよく、第2の基体は、金属基体を含んでよい。第1の基体は、本発明の組成物が塗布される金属基体を含んでよく、第2の基体は、ポリマー、例えば、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムを含んでよい。
【0060】
本発明の組成物のニトロソ芳香族化合物は、ゴム基体に固定されるようにしてもよい。
【0061】
ゴム基体は、第2の基体に接合するのに先立って、加硫または架橋されてもよい。あるいは、ゴム基体は、第2の基体に接合すると同時に、加硫または架橋されてもよい。第2の基体は金属であってもよい。
【0062】
本発明は、ニトロソ基がポリマー、特にジエンまたはアリル官能基をポリマー鎖中に有するポリマーと反応できるため、ポリマー、例えば、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムを金属のような他の基体へ接合することを可能にしている。ポリマー上でのニトロソ基およびアリル基の反応は、アルダーエン(alder−ene)反応を介して起こる。そのような反応によって、様々な架橋(例えば、ニトロソ基とゴム材料との間の架橋)が生成される。
【0063】
本発明は、弾性材料、例えば、ゴム組成物と金属との間での非常に良好な接着を提供する。先行技術による他の従来の2被覆の例と同様に、本発明の組成物は10〜60μmの範囲、より好ましくは20〜30μmの範囲で被覆される。
【0064】
多くの種々の金属は、本発明で記載された組成物で処理することができ、およびポリマー、例えば、弾性材料へ接合することができる。これらの金属としては、亜鉛ならびに亜鉛−ニッケルおよび亜鉛−コバルト合金のような亜鉛合金;亜鉛含有被膜を有する金属基体;鋼鉄、特に常温圧延鋼および炭素鋼;アルミニウムおよびアルミニウム合金;銅および真鍮のような銅合金;ならびに、錫および錫含有被膜を有する金属基体などの錫合金が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
さらなる態様では、本発明は、本発明の組成物によって共に接合された第1の基体および第2の基体を含む組立体に関する。それらの基体の1つは、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムであることが望ましい。第2の基体は金属であってよい。本発明はさらに、ポリマー、例えば、エラストマー、例えば、天然または合成ゴムおよび本発明の組成物を含む硬化生成物に及ぶ。
【0066】
一般に、加硫工程の間に接合が達成されることが望ましい。適した加硫方法としては、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、および(例えば、スチームまたは高温空気を用いた)オートクレーブ加熱が挙げられる。例えば、半固体状ゴムは、モールドに注入することができる。次いで、半固体状ゴムは架橋して完全に硬化したゴムとなり、同時に基体との接合が形成される。
【0067】
製造環境で成功裏に用いられることができるように、硬化システムは、一定の要件を満たす必要がある。例えば、硬化システムは加工が容易でなければならない。これは、硬化システムが、使用するにおいて安定でなければならないことを意味する。従来の組成物に関する問題としては、沈降する傾向が挙げられてきた。従って、硬化システムは沈降する傾向が低いことが望ましい。
【0068】
さらに、硬化システムは塗布が容易でなければならない。例えば、任意の適したディスペンシングシステムによって塗布するのに都合が良くなければならない。また、塗布材料が流出したり、および/または製造機器を汚染することなく部品が扱うことができるように、迅速に乾燥することも望ましい。また、硬化システムは、例えば、塗布および伸展が容易であるために、良好な濡れ特性を示すことが望ましい。
【0069】
また、良好な硬化強度を有することも望ましい。この硬化は、用いられるエラストマー(ゴム)のタイプとは無関係に、また基体のタイプとも無関係に達成されなければならない。いくつかのゴムは混合された材料であり、従って、良好な硬化はそのように混合された材料で達成されることが望ましいことは理解されるであろう。適切には、一定な硬化は様々な加工パラメータにおいて達成される。
【0070】
接合、特にゴム/金属接合は、高い圧力下で、および例え攻撃的な雰囲気(例えば、オイルのような高温の液体)に曝されたとしても耐性を有することが望ましい。接合は比較的に高い機械的応力に対しても耐久性を有しなければならない。
【0071】
好適である場合、本発明の1つの実施形態における全ての任意の特徴、および/または好ましい特徴は、本発明のもう一方の/他の実施形態(単数または複数)における任意の特徴、および/または好ましい特徴と組み合わせてもよいことが理解されよう。