(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0023】
[第一実施形態]
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、本実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠70(
図3参照)が、外枠51に対し開閉可能に保持される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠70に保持された遊技盤1(
図2)が設けられている。
【0024】
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより実行される本発明の通常演出や特別演出に対応した遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。
すなわち、スピーカ66は、本発明の各種演出手段の一つとして構成され、スピーカ66を用いて出力される音声により、本発明の音声演出が実行される。
【0025】
また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。
なお、枠側装飾ランプ65は、後述する枠用各種LED、ランプ31aを構成し、本発明の各種演出手段の一つである。該枠用各種LED、ランプ31aを用いることで、本発明の通常演出や特別演出に対応した枠ランプ表示演出が実行される。
【0026】
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0027】
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
演出ボタン67及びジョグダイヤル68は、本発明の操作手段を構成する。後で詳述するが(
図15及び
図16参照)、演出ボタン67及びジョグダイヤル68の所定の操作によって、本発明の通常演出又は特別演出の何れかを優位演出として決定、或いは既に優位演出として決定されている通常演出又は特別演出を任意に変更可能とする手段として構成されている。
【0028】
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,精算表示装置59が設けられている。
【0029】
なお、
図1の39は、前枠52及び前記内枠70を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠39に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠70が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
【0030】
また、
図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって左横には、普通図柄作動ゲート17が設置されている。普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行なわれる。
【0031】
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1始動口11及び第2始動口12が、上下に並んで配設されている。本パチンコ機50は、第1始動口11への入球により変動する第1特別図柄(第1特図)と、第2始動口12への入球により変動する第2特別図柄(第2特図)との2種類の特別図柄を備える。第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。
【0032】
第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶として記憶されると共に、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。
【0033】
普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定時間の開放が行われる。
第2始動口12の下方には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3における向かって左下の領域には、複数の一般入賞口31〜34が配設されている。
【0034】
遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置18及び第2特図保留数表示装置19と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
【0035】
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。
【0036】
また、本実施形態の演出図柄表示装置6は、上述した図柄演出の他に、大当り遊技状態を盛り上げる大当り演出といった実行時期が不定な本発明の通常演出に係る表示演出(画像表示演出)や、予め定められた時期の到来により実行される本発明の特別演出に係る表示演出(画像表示演出)を実行する本発明の各種演出手段の一つとして構成される。
【0037】
本実施形態の演出図柄表示装置6について補足説明する。演出図柄表示装置6に配設されるLCDパネルの画面(
図15を参照)は、メイン表示領域6aと、該メイン表示領域6aの左下隅部に配設されると共にメイン表示領域6aよりも小さな面積で形成されるサブ表示領域6bと、を区分して備える。
メイン表示領域6aは、その表示領域の面積の大きさにおいて、サブ表示領域6bより演出機能が優るようになっている。通常演出と特別演出のうち、遊技者により優位と選択された演出に係る画像表示演出は、メイン表示領域6aにて表示され、一方、劣位と選択された側の画像表示演出は、サブ表示領域6bに表示されるように構成されている。
【0038】
したがって、本実施形態では、通常演出と特別演出の実行時期が重複してしまった場合、優位と選択されなかった、すなわち劣位と選択された演出であっても、その画像表示演出はサブ表示領域6bにて表示されるようになっている。
【0039】
また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
【0040】
さらに、図示しないが、遊技盤1には随所に本発明の盤ランプ表示演出を実行する発光部材(例えば、LEDやランプ等)として、後述する盤用各種LED、ランプ31b(
図4参照)が設けられている。盤用各種LED、ランプ31bは、本発明の各種演出手段の一つとして構成され、該盤用各種LED、ランプ31bを用いることで、本発明の通常演出や特別演出に対応した盤ランプ表示演出が実行される。
【0041】
すなわち、上述したように本実施形態では、本発明の通常演出や特別演出を、各種演出手段としてのスピーカ66、盤用各種LED、ランプ31b、枠用各種LED、ランプ31a、および演出図柄表示装置6を用いて、音声演出および表示演出を実行する。また、本発明の各種演出手段は、各々が個別に通常演出または特別演出の何れかに対応して作動可能に構成されている。例えば、スピーカ66および枠用各種LED、ランプ31aが特別演出に対応し、一方盤用各種LED、ランプ31bおよび演出図柄表示装置6が通常演出に対応した演出を実行可能な構成となっている。
【0042】
ここで、本発明の表示演出と、上述した実施形態の構成との対応関係を説明する。本発明の表示演出は、少なくとも、画像表示演出とランプ表示演出を備える。さらに、ランプ表示演出は、盤ランプ表示演出と枠ランプ表示演出を備える。そして、画像表示演出は、演出図柄表示装置6を用いて実行される。盤ランプ表示演出は盤用各種LED、ランプ31bを用いて実行される。枠ランプ表示演出は枠用各種LED、ランプ31aを用いて実行される。
【0043】
また、
図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(
図3に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71、タンクレール72、払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、本実施形態では、払出装置は、球貸ボタン57の操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
【0044】
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84(
図4参照)、電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置84,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、
図3では発射制御装置84が記載されていないが、発射制御装置84は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。
【0045】
なお、電源基板85には、コンデンサ等から構成され、主制御装置80のRAMのバックアップを行う周知のバックアップ装置(バックアップ電源)が設けられており、パチンコ機50への電源供給が停止した後も、一定時間にわたり主制御装置80のRAMの内容を保持する構成となっている。
【0046】
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータ87(
図4参照)へ送られる。
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0047】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントSW14a、一般入賞口31乃至34に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW13等からの検出信号が入力される。
【0048】
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
主制御装置80は、遊技の進行を統括制御する本発明の主制御手段を構成する。
【0049】
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板42を介して接続されている第1特図表示装置9,第2特図表示装置10,第1特図保留数表示装置18,第2特図保留数表示装置19,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
【0050】
さらに、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド15を制御することで大入賞口の開閉を制御し、普電役物ソレノイド16を制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板46に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
【0051】
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ21を稼働させて賞球を払い出させる。第一実施形態においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW22の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW22の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成も考えられる。
【0052】
なお、払出制御装置81は、ガラス枠閉鎖SW90,内枠閉鎖SW91,球切れSW20,払出SW22,満杯SW23からの信号が入力され、満杯SW23により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW20により球タンク71に遊技球が少ない或いは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ21を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW23,球切れSW20も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ21の駆動を再開させる。
【0053】
また、払出制御装置81は、CRユニット端子板43を介してCRユニット(プリペードカードユニット)56と交信することで払出モータ21を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW22に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板43は、精算表示装置59とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置59には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。
【0054】
また、払出制御装置81は、外部接続端子板46を介して、賞球に関する情報、枠(内枠,前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
【0055】
なお、本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は、発射モータ29を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
【0056】
なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW28からのタッチ信号、発射停止SW27から発射停止信号が入力される。
【0057】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW27を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0058】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
【0059】
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって枠用各種LED、ランプ(図には、枠用LED、ランプと記載)31a、及び盤用各種LED、ランプ(図には、盤用LED、ランプと記載)31bを制御する。
【0060】
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67,ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67,ジョグダイヤル68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0061】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄の変動表示(図柄演出)、大当り遊技状態の演出表示、演出用の保留表示、及び演出用の先読み保留表示等の演出画像(画面)を表示させる。
【0062】
サブ統合制御装置83は、このような遊技の進行に従って不定期に発生する事象に関する演出、すなわち本発明の通常演出の内の表示演出(画像表示演出)を、演出手段としての演出図柄表示装置6を用いて実行するよう構成されている。
【0063】
更に本実施形態のサブ統合制御装置83は、後述する優先演出選択制御処理1(
図14参照)にて特別演出実行カウンタを備え、該カウンタの値が所定値となることによって、本発明の特別演出としての定時実行演出(ライヴ演出)や、カウントダウン演出を、演出手段としての演出図柄表示装置6を用いて実行するよう構成されている。
【0064】
特別演出実行カウンタは、電源投入時および特別演出終了時に初期設定値に設定され、該設定後は定時割り込み処理毎にカウンタ値を1ずつ減算するように構成されている。サブ統合制御装置83は、カウンタ値が所定値となることでカウントダウン演出を実行開始し、0となることで特別演出を実行開始する。したがって、特別演出は、特別演出実行カウンタに設定される初期設定値によって、電源投入から予め定められたタイミングで実行され、該特別演出の終了後は一定の間隔で、反復継続して実行される。
カウントダウン演出に関しても、特別演出実行カウンタが所定値と合致する都度、反復継続して実行される。
【0065】
ここで、本発明の特別演出が複数のパチンコ機にて実行された際の、各種演出手段の演出効果に係る違いについて説明する。
先ず、音声演出を実行するスピーカ66は、当該パチンコ機50にて遊技を行う遊技者に向けて音声演出を行う。但し、現状の遊技店では個々のパチンコ機に対応して遊技空間が遮蔽されてはいないので、その音声は、無論、当該パチンコ機50に対向位置にある遊技者のみならず、周囲の空間にも届く。さらに、昨今の遊技機は、高性能のスピーカを搭載する傾向にあり、当該パチンコ機50が発生する音声は、遊技機島設備の他のパチンコ機にも著しい影響を及ぼす可能性がある。特別演出は、複数のパチンコ機にて一斉に実行することで、この音声演出の効果を最大限に引き出すことができる。
【0066】
詳述すると、パチンコ遊技は、通常、一台毎に遊技の進行が異なることから、他のパチンコ機と音声が同期することは極稀にしか起こり得ない。そのため通常、遊技店(ホール)における音声演出では、自己が遊技しているパチンコ機から発生する音声、換言すれば当該遊技者の前方から発生される音声によってのみ体感せざるを得ず、左右に隣接するパチンコ機からは異なる音声が発生されるのが実状である。
この点、本発明の特別演出が複数のパチンコ機にて実行されると、特別演出に係る音声演出を、同じ島に設置された複数のパチンコ機で一斉に実行することになる。それにより、左右(当該遊技者の背後に位置する島のパチンコ機も同期している場合は前後も)からも同じ音声が同期して発生されるとともに、不協和音となる他の異なる音声がない状況になるため、音量の増加および雑音の低減(排除)が実現され、発生される音声を非常に聞き取りやすくなる、という効果を奏し得る。
このことから、各種演出手段の中でも、音声演出は最も高い演出効果を奏し、他の遊技機への影響も極めて高い演出といえる。
【0067】
次いで、枠ランプ表示演出を実行する枠用各種LED、ランプ31aについて説明する。昨今の遊技機の枠用各種LED、ランプは、実行される演出に個別に対応した発光態様を備えるものが多く、遊技者の興趣を効果的に盛り上げる重要な手段となっている。加えて、枠用各種LED、ランプ31aは、前方に向かって大きく膨出した枠部材に設けられることにより、遊技機島設備の島端近傍からでも当該パチンコ機50が、どのような遊技状態にあるかを一目瞭然に判断可能である。本発明の特別演出が複数の遊技機で実行された際には、何れのパチンコ機も同じ枠ランプ表示を実行し、一糸乱れること無い演出態様が実現され、上述した音声演出との相乗効果が期待できる。したがって、枠ランプ表示演出は、音声演出に次いで、演出効果および他の遊技機への影響力の高い演出である。
【0068】
次に、盤ランプ表示演出を実行する盤用各種LED、ランプ31bについて説明する。盤用各種LED、ランプ31bは、遊技盤1に備えられる。したがって、上記前方に向かって大きく膨出した枠部材よりも後方の奥まった箇所に配設される。これにより、枠用各種LED、ランプ31aと同様に、実行される演出に個別に対応した発光態様を備えるものの、島端からは枠部材に遮蔽されて発光態様が視認し難い。このことから、枠用各種LED、ランプ31aよりも演出効果および他の遊技機への影響力の低い演出である。
【0069】
さらに、画像表示演出を実行する演出図柄表示装置6について説明する。演出図柄表示装置6は、盤用各種LED、ランプ31bが設けられた遊技盤1のセンターケース5に設けられている。通常、センターケース5は、前方にせり出したセンター枠飾り部により周囲を縁取りされ、該センター枠飾り部より一段、後方に退行した位置に演出図柄表示装置6のLCDパネルが配設されている。演出図柄表示装置6は、演出内容に対応して極めて具体的で興趣溢れる画像を表示することにより、著しく高い演出効果を奏する。しかし、遊技盤1より後方に位置し且つセンター枠飾り部により遮蔽されることで、島端からはその演出内容を明確に視認することは困難である。したがって、演出図柄表示装置6が実行する画像表示演出は、当該パチンコ機50で遊技する遊技者に限って大きな演出効果を与えるが、他の遊技機への影響力においては、他の演出と比較して非常に低い演出である。
このように、本発明の各種演出手段を用いた演出は、演出効果や他の遊技機への影響力において、各々格差が生じ、上述した優劣関係に位置付けることができる。
【0070】
さらに、上述した計時手段(例えば、特別演出実行カウンタ)が計時する所定の実行時期の到来により実行される特別演出を備えた遊技機について触れておく。このような遊技機を遊技店が遊技機島設備に複数設置し、且つ遊技機島設備単位で一括して電源投入した場合、当該複数の遊技機で特別演出が時期を同じくして実行可能となる。このような状態は、当該複数の遊技機の何れかで遊技する遊技者や、当該遊技機島設備の近傍にいる者に、極めて強いインパクトを与えることが出来るものである。
【0071】
なお、繰り返すが、本実施形態では計時手段として特別演出実行カウンタを備え、複数の遊技機に一括して電源投入することにより、前記複数の遊技機が同時期に特別演出を開始することができる。また、後述するが、本実施形態の特別演出実行カウンタは電源投入に基づいて初期設定値(例えば1時間に相当するカウント値)が設定される。このように構成することで、遊技店が任意の時刻に特別演出を実行開始することができる。つまり、遊技店は或る特定の時刻に特別演出(初回)を開始したいとするならば、その特定の時刻から初期設定値に相当する時間だけ遡った時刻に一括電源投入を実行すれば良い。また、2回目以降の特別演出を特定の時刻に実行したいならば、特定の時刻から、前記初期設定値に相当する時間と特別演出の所要時間に基づいて算出した時間だけ、遡った時刻に一括電源投入すれば良い。
【0072】
[動作の説明]
次に、第一実施形態におけるパチンコ機50の動作について説明する。
パチンコ機50は、遊技状態として、通常状態と、通常状態よりも大当り抽選での当選確率が上昇する確変状態と、通常状態に比べ、普通図柄の変動時間が短縮されると共に、普通図柄抽選での当選確率が上昇し、さらに、普通図柄抽選での当選時の普通電動役物(第2始動口12)の開放時間が長くなる時短状態を有している。
【0073】
そして、特定の特図で大当り抽選に当選すると、大当り遊技の終了後に、予め定められた継続回数の大当り抽選が行われるまでの間、確変状態や時短状態に移行する。なお、確変状態と時短状態とに同時に移行する場合もある。また、特定の特図で大当り抽選に当選した場合、新たに大当り抽選で当選するまでの間、確変状態や時短状態に移行する構成としても良いし、大当り抽選に当選した際の特図の種類に関らず、一定期間にわたり確変状態や時短状態に移行する構成としても良い。
【0074】
以下では、第一実施形態におけるパチンコ機50の動作について詳しく説明する。
(1)メインルーチンについて
まず、パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンについて、
図5に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
【0075】
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
【0076】
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S80に処理を移行する。
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
【0077】
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50)、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、大当り抽選で当選した際に、遊技者に所定の遊技価値を付与する大当り遊技を行うための大当り遊技処理(S60)を行う。また、遊技球の普通図柄作動ゲート17の通過に起因して普通図柄抽選等を行う普図当否判定処理と(S65)、普通電動役物(第2始動口12)を開放することで普図遊技を行う普図遊技処理と(S67)、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S70)、サブ統合制御装置83等にデータ及びコマンドを送信し、また、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S75)を行う。
【0078】
また、S80では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
(2)始動入賞確認処理について
次に、第1,第2始動口への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶等を行う始動入賞確認処理について、
図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。
【0079】
S100では、主制御装置80は、第1始動口SW11aの検出信号と、第2始動口SW12aの検出信号とに基づき、第1始動口11或いは第2始動口12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、本処理を終了する。
【0080】
S105では、主制御装置80は、入賞が生じた始動口に対応する特図についての保留記憶の数が、最大値(一例として4)未満か否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S105:Yes)、S110に処理を移行し、否定判定の場合は(S105:No)、本処理を終了する。
【0081】
S110では、主制御装置80は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、図柄演出でリーチとなるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を、入賞が生じた始動口に対応する特図についての保留記憶として記憶し、S115に処理を移行する。
【0082】
S115では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数が特定値(大当り抽選で当りとなる値)であるか否かと、該保留記憶に係るリーチ判定用乱数等が特定値(図柄演出でリーチとなる値)であるか否かを判定する先読み判定を行う。そして、先読み判定の結果と、先読み判定が行われた保留記憶に対応する特図の種類(第1特図であるか第2特図であるか)を示す先読みコマンドを生成し、サブ統合制御装置83に送信する(S120)。
【0083】
なお、先読みコマンドを受信したサブ統合制御装置83は、該先読みコマンドに対応する保留記憶が消化されるまで、該先読みコマンドが示す先読み判定結果を保存する。
続くS125では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に対応する特図について、何個の保留記憶が生じているかを示す保留数コマンドを生成し、サブ統合制御装置83に送信し、本処理を終了する。
【0084】
なお、各特図に対応する保留記憶の数と、該保留記憶についての先読み判定の結果とを示す一つのコマンドを生成し、該コマンドを、先読みコマンドや保留数コマンドに替えて用いても良い。
【0085】
(3)当否判定処理について
次に、保留記憶に係る大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、
図7〜
図10のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンのモジュール(S55)として実行される。
【0086】
まず、
図7に関して、S200では、主制御装置80は、特別電動役物の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S200:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S200:No)、S205に処理を移行する。
【0087】
S205では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S205:Yes)、
図9のS285に処理を移行し、否定判定の場合には(S205:No)、S210に処理を移行する。
【0088】
S210では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S210:Yes)、
図10のS295に処理を移行し、否定判定の場合には(S210:No)、
図8のS215に処理を移行する。
【0089】
続いて
図8に関して、S215では、主制御装置80は、第2保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S215:No)、S225に処理を移行する。
【0090】
S220では、主制御装置80は、第2保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第2保留記憶を選択し、S235に処理を移行する。
S225では、主制御装置80は、第1保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S225:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S225:No)、本処理を終了する。
【0091】
S230では、主制御装置80は、第1保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第1保留記憶を選択し、S235に処理を移行する。
S235では、主制御装置80は、確変状態であることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S235:Yes)、S240に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S235:No)、S245に処理を移行する。
【0092】
S240では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態に対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S250に処理を移行する。
【0093】
一方、S245では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態でない場合に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S250に処理を移行する。
【0094】
S250では、主制御装置80は、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S250:Yes)、S255に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S250:No)、S270に処理を移行する。
【0095】
S255では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定する。そして、S260に処理を移行する。
S260では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S265に処理を移行する。
【0096】
S265では、主制御装置80は、大当り図柄に応じて、大当り遊技のラウンド数や、大当り遊技後に確変状態や時短状態となるか否かを設定し、S280に処理を移行する。
一方、S250で否定判定が得られた場合に移行する(すなわち、大当り抽選で外れた際に移行する)S270では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S275に処理を移行する。なお、この特別図柄の変動時間に応じて、大当り抽選で外れる場合の図柄演出の態様(リーチとなるかノーマル外れ(リーチとなることなく外れる図柄演出)となるか)が決定される。
【0097】
S275では、主制御装置80は、確変状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)や、時短状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を示すカウンタの更新等を行い、S280に処理を移行する。
【0098】
S280では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り抽選後の第1保留記憶及び第2保留記憶の数を示す保留数コマンドを送信する。
また、消化した保留記憶に対応する特図の変動表示を開始すると共に、サブ統合制御装置83に対し特別図柄の変動時間等を示す(換言すれば、演出図柄の変動時間を示す)変動開始コマンドを送信することで図柄演出を開始させる。さらに、サブ統合制御装置83に対し、停止表示させる演出図柄を指定する(大当りになる場合であれば、S255で決定された当り図柄に対応する演出図柄が指定される)図柄指定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0099】
なお、図柄指定コマンドは、換言すれば、大当り抽選の結果を示すと共に、大当りとなった場合には、大当りの種類(確変状態や時短状態への移行を伴うかや、何ラウンドの大当り遊技が行われるか)を示すコマンドであることを付言しておく。
【0100】
続いて
図9に関して、第1特図或いは第2特図の変動表示中に移行するS285では、主制御装置80は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S285:Yes)、S290に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S285:No)、本処理を終了する。
【0101】
S290では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0102】
続いて
図10に関して、特図の確定表示中に移行するS295では、主制御装置80は、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S295:Yes)、S300に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S295:No)、本処理を終了する。
【0103】
S300では、主制御装置80は、特図の確定表示を終了し、S305に処理を移行する。
S305では、主制御装置80は、確定表示されていた特図が大当り時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には(S305:Yes)、S315に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S305:No)、S350に処理を移行する。
【0104】
S315では、主制御装置80は、確変状態であることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグが1である場合には確変フラグをクリアし(S320)、その後、S325に処理を移行する。
【0105】
S325では、主制御装置80は、時短状態であることを示す時短フラグを参照すると共に、時短フラグが1である場合には時短フラグをクリアし(S330)、その後、S335に処理を移行する。
【0106】
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S335),役物連続作動装置作動開始処理(S340),大当り開始演出処理(S345)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、本処理を終了する。
【0107】
一方、S305にて否定判定が得られた場合に移行するS350では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S350:Yes)、確変状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S355)。そして、該残り回数が0である場合には(S355:Yes)、確変フラグをクリアし(S360)、S365に処理を移行する。
【0108】
S365では、主制御装置80は、時短フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S365:Yes)、時短状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を参照する(S370)。そして、該残り回数が0である場合には(S370:Yes)、時短フラグをクリアし(S375)、S380に処理を移行する。
【0109】
S380では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、現在の遊技状態を通知する状態指定コマンドを送信する状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
【0110】
(4)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技の進行を制御する大当り遊技処理について、
図11〜
図13のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンのモジュール(S60)として実行される。
【0111】
S400では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S400:Yes)、S405に処理を移行し、否定判定の場合には(S400:No)、本処理を終了する。
【0112】
S405では、主制御装置80は、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S405:Yes)、
図12のS450に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S405:No)、S410に処理を移行する。
【0113】
S410では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S410:Yes)、
図12のS470に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S410:No)、S415に処理を移行する。
【0114】
S415では、主制御装置80は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S415:Yes)、
図13のS500に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S415:No)、S420に処理を移行する。
【0115】
S420では、主制御装置80は、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S420:Yes)、S425に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S420:No)、本処理を終了する。
【0116】
S425では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて
図12に関して、大入賞口14の開放中に移行するS450では、主制御装置80は、大入賞口14に入賞した遊技球の数が所定の個数(例えば10個)となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S450:Yes)、S460に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S450:No)、S455に処理を移行する。
【0117】
S455では、主制御装置80は、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S455:Yes)、S460に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S455:No)、本処理を終了する。
【0118】
S460では、主制御装置80は、大入賞口14を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S465に処理を移行する。
S465では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
【0119】
一方、各ラウンドのインターバル中に移行するS470では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S470:Yes)、S475に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S470:No)、本処理を終了する。
【0120】
S475では、主制御装置80は、大当り遊技の最終ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S475:Yes)、S480に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S475:No)、S485に処理を移行する。
【0121】
S480では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S485では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
【0122】
続いて
図13に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS500では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S500:No)、本処理を終了する。
【0123】
続くS505,S510では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S515に処理を移行する。
S515では、主制御装置80は、大当り遊技後に確変状態に移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S515:Yes)、確変状態中に実行可能な大当り抽選の回数(確変回数)を設定すると共に(S520)、確変フラグをセットし(S525)、S530に処理を移行する。
【0124】
S530では、主制御装置80は、大当り遊技後に時短状態に移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S530:Yes)、時短状態中に実行可能な大当り抽選の回数(時短回数)を設定すると共に(S535)、時短フラグをセットし(S540)、S545に処理を移行する。
【0125】
S545,S550では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、大当り遊技終了後の遊技状態を通知する状態指定コマンドを送信する状態指定コマンド送信処理とを実行し、本処理を終了する。
【0126】
(5)優先演出選択制御処理1について
本実施形態のサブ統合制御装置83は、上述した主制御装置80から受信した各種制御コマンドや各種データに基づいて、上述した本発明の各種演出手段を用いて演出制御を実行する。より具体的には、遊技の進行に伴って不定な時期で実行される通常演出(図柄変動表示演出や大当り遊技演出)や、所定の実行時期の到来により、すなわち前記通常演出の実行中であるか否かに拘わらず実行される特別演出を実行する。このような通常演出と特別演出の実行時期が重複してしまった場合の制御処理として、以下に説明する優先演出選択制御処理1を備えている。
以下に、本発明の要部である優先演出選択制御処理1について、
図14を参照して説明する。
【0127】
図14は、本実施形態のサブ統合制御装置83が実行する優先演出選択制御処理1についてのフローチャートである。
サブ統合制御装置83は、優先演出選択制御処理1を開始すると、先ずS600において、特別演出実行カウンタから1減算する処理を実行して、S605に処理を移行する。
なお、上述したように特別演出実行カウンタには、電源投入時(図示しない)および特別演出の終了後に初期設定値(例えば1時間に相当するカウント値)が設定されることで、予め定められたタイミングで特別演出およびカウントダウン演出を実行可能に構成されている。
【0128】
サブ統合制御装置83は、S605で特別演出実行カウンタのカウンタ値が所定値となったか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S605:yes)、S610に処理を移行し、否定判定であれば(S605:no)、S600に処理を移行し、肯定判定(S605:yes)が得られるまでS600およびS605をループする。
【0129】
なお、本実施形態の所定値は、特別演出実行開始までの残り時間として、例えば10秒(
図16(b)参照)に相当するカウンタ値が設定されている。さらに、カウントダウン演出の実行時間に相当する時間となっており、S605にて肯定判定となることがカウントダウン演出実行の契機となる。
【0130】
サブ統合制御装置83は、S610でカウントダウン演出の実行処理を開始し、S615に処理を移行する。カウントダウン演出は、特別演出の実行開始に先立って、特別演出の開始までの残り時間を報知する演出である。
【0131】
サブ統合制御装置83は、S615で優先演出変更促進処理を開始し、S620に処理を移行する。優先演出変更促進処理は、通常演出と特別演出の内、遊技者の任意により何れを優位または劣位とするか、の変更を促す演出を実行する処理である。
【0132】
なお、本実施形態では、予め通常演出と特別演出の実行時期が重複する場合には、特別演出が優位、すなわち優先演出となるように設定されている。したがって、優先演出変更促進処理は、通常演出を優位な演出として設定したい嗜好の遊技者に、優先演出(優位演出)を特別演出から通常演出に変更可能である旨を報知して促す作用を為す処理である。また、当該処理による演出は、上記カウントダウン演出中に併せて実行されるようになっている。これにより、優先演出の変更を無期限に許容するのではなく、一定の期限に基づいて許容することで、円滑な制御処理を実現可能となっている。
【0133】
サブ統合制御装置83は、S620で遊技者により通常演出が選択されたか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S620:yes)、S625に処理を移行し、否定判定であれば(S620:no)、S630に処理を移行する。
【0134】
なお、S620の判定処理は、遊技者による操作手段としての演出ボタン67およびジョグダイヤル68の操作結果に基づいて判定が行われる。判定対象となる操作内容について詳述すると、優位演出を予め設定された特別演出から通常演出に変更する場合(
図15(b)参照)、先ずジョグダイヤル68を時計回りに所定角度だけ回転させ、次いで演出ボタン67を押下する。当該処理内容が実行されたか否かを基準として、S620の判定処理は実行される。
【0135】
サブ統合制御装置83は、S625で、通常演出優先フラグに1を設定し、またS630で、通常演出優先フラグに0を設定して、S635に処理を移行する。
通常演出優先フラグは、通常演出と特別演出が同時期に実行される場合、該フラグに1が設定されることにより通常演出を優位な演出として遊技者に選択された旨を示唆し、0が設定されることにより通常演出を劣位な演出として、換言すれば特別演出を優位な演出として遊技者が選択した旨を示唆するフラグである。
そして、一旦S625またはS630で設定された値は、S635で特別演出実行カウンタが0と判定されるまでの間に、S620で現在選択されている演出とは異なる演出を優位演出として変更する操作が為されたと判定するまでは、当該値を維持するよう構成されている。これにより、特別演出が実行開始されるまでの間は、優位演出の変更が可能となる。
【0136】
サブ統合制御装置83は、S635で、特別演出実行カウンタが0になったか否かを判定する判定処理を実行し、肯定判定であれば(S635:yes)、S645に処理を移行し、否定判定であれば(S635:no)、S640に処理を移行する。
【0137】
サブ統合制御装置83は、S640で、特別演出実行カウンタから1減算する処理を実行し、S610に処理を移行する。これにより、S635で、特別演出実行カウンタが0になるまで、すなわち、特別演出の実行開始時期が到来するまで、S610乃至S640の処理をループするよう構成されている。
【0138】
通常演出優先フラグについて、さらに詳述すると、後述するS660にて特別演出終了後に0が設定されるようになっている。しかし、S615にて優先演出変更促進処理が実行されても何ら操作手段による変更操作が行われなければ、すなわちS620で否定判定されれば、S635にて特別演出実行カウンタが0となるまで、0が維持される。
但し、一旦通常演出が選択され(S620:yes)、通常演出優先フラグに1が設定(S625)されても、特別演出実行カウンタが0になるまでの期間に(S635:no)、通常演出が選択されない処理、すなわち図示しないが、特別演出を選択する処理が実行されると(S620:no)、0が設定される。特別演出を選択する操作処理の内容は、先ずジョグダイヤル68を反時計回りに所定角度だけ回転させ、次いで演出ボタン67を押下することで完了する。当該処理は、通常演出が選択されている場合に実行される処理であって、当該処理が実行された場合、および優先演出選択制御処理1の実行時に何ら操作手段の操作が為されない場合に、特別演出が優位演出に選択される。
【0139】
サブ統合制御装置83は、S645で、通常演出優先フラグに1が設定されているか否かを判定する判定処理を実行し、肯定判定であれば(S645:yes)、S650に処理を移行し、否定判定であれば(S645:no)、S665に処理を移行する。
【0140】
サブ統合制御装置83は、S650で、通常演出優先実行処理を実行し、S655に処理を移行する。
通常演出優先実行処理は、音声およびランプ表示は特別演出に対応した内容で実行し、主たる液晶表示すなわち演出図柄表示装置6のメイン表示領域6a(
図15を参照)にて表示する画像表示演出のみを、通常演出に対応した内容で実行する処理である。
【0141】
詳述すると、サブ統合制御装置83はS650の通常演出優先実行処理を開始すると、本発明の各種演出手段の一つであるスピーカ66を駆動制御して、特別演出に対応した内容の音声演出を実行する。また、同じく、本発明の各種演出手段の一つである枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bを駆動制御して、特別演出に対応した内容の枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出を実行する。一方、本発明の各種演出手段の一つである演出図柄表示装置6を駆動制御して、メイン表示領域6aに通常演出に対応した内容の画像表示演出を実行する。
【0142】
なお、本実施形態では、演出図柄表示装置6を用いて通常演出に対応した画像表示演出を実行する場合、メイン表示領域6aにて優位演出である通常演出に対応した画像表示演出を行い、サブ表示領域6bにて劣位演出である特別演出に対応した画像表示演出を行う。
【0143】
本実施形態のパチンコ機50は、このように構成されることで、本発明の特別演出としての定時実行演出(ライヴ演出)の実行により奏し得る効果、すなわち複数の遊技機での一斉演出による効果を可能な限り低減させることなく、且つ、特別演出よりも通常演出を優位演出として選択した遊技者の嗜好にも一定の満足を与えることが可能となっている。
より具体的には、遊技機島設備に設置された他の複数のパチンコ機が特別演出を実行する際、通常演出を選択したパチンコ機に関しては、略当該パチンコ機にて遊技する遊技者のみが視認可能であって、且つ一斉演出の統一感を損なう虞の低い画像表示演出のみを通常演出に対応させ、一斉演出の統一感を損なう虞の高い音声演出、枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出については特別演出に対応させて実行するものである。これにより、複数のパチンコ機で一斉に同じ特別演出を実行する状態を実現しつつ、可能な限り遊技者の多様な嗜好を満たすことができる。
【0144】
図14に戻って、サブ統合制御装置83は、S655で、特別演出が終了したか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S655:yes)、S660に処理を移行し、否定判定であれば(S655:no)、S650に処理を移行する。すなわち、特別演出が終了するまでS650およびS655をループする。
【0145】
サブ統合制御装置83は、特別演出が終了すると、S660で、通常演出優先フラグに0を設定し、S675に処理を移行する。
【0146】
サブ統合制御装置83は、S645で、否定判定であれば(S645:no)、すなわち遊技者による通常演出を優位演出とする選択が無ければ、S665において、特別演出優先実行処理1を行い、S670に処理を移行する。
サブ統合制御装置83はS665の特別演出優先実行処理1を開始すると、本発明の各種演出手段であるスピーカ66、枠用各種LED、ランプ31a、盤用各種LED、ランプ31bおよび演出図柄表示装置6を駆動制御して、特別演出に対応した内容の音声演出、枠ランプ表示演出、盤ランプ表示演出および画像表示演出を実行する。
【0147】
なお、本実施形態では、演出図柄表示装置6を用いて特別演出に対応した画像表示演出を実行する場合、メイン表示領域6aにて優位演出である特別演出に対応した画像表示演出を行い、サブ表示領域6bにて劣位演出である通常演出に対応した画像表示演出を行う。
【0148】
これにより、上述した全ての各種演出手段を用いて、特別演出を他の遊技機とタイミングを合わせて行うことで、当該複数のパチンコ機50が設置された遊技機島設備では、一体感のある演出が実現される。
【0149】
サブ統合制御装置83は、S670で、特別演出が終了したか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S670:yes)、S675に処理を移行し、否定判定であれば(S670:no)、S665に処理を移行する。すなわち、特別演出が終了するまでS665およびS670をループする。
【0150】
サブ統合制御装置83は、特別演出が終了すると、S675で、音声演出、枠ランプ表示演出、盤ランプ表示演出および画像表示演出の全てを通常演出に対応するように変更する処理を実行し、S680に処理を移行する。
【0151】
サブ統合制御装置83は、S680で、特別演出実行カウンタに上述した初期設定値(例えば1時間に相当するカウント値)を設定し、本処理を終了する。
【0152】
次に、サブ統合制御装置83が上述した優先演出選択制御処理1を実行した場合の、画像表示演出および音声演出の演出態様について、
図15乃至
図17を参照して説明する。
図15乃至
図17は、本実施形態のサブ統合制御装置83が実行する画像表示演出の演出表示態様を説明する説明図である。さらに、
図15は、特別演出実行前に遊技者が通常演出への変更を行わなかった場合の表示態様であり、
図16および
図17は、特別演出実行前に遊技者が通常演出への変更を行った場合の表示態様である。
【0153】
先ず、
図15(a)には、未だ優先演出選択制御処理1が実行される前の演出図柄表示装置6を示す。演出図柄表示装置6は、略横長矩形状に形成され、その大半の領域を占めるメイン表示領域6aと、左下方隅部に配設されメイン表示領域6aよりも小さい面積で形成されるサブ表示領域6bを備える。未だ優先演出選択制御処理1が実行されていない状態とは、通常演出と特別演出が実行時期において重複していない、すなわち通常演出のみが実行されている状態である。さらに言えば、
図14のS675で全ての演出を通常演出に対応する処理がなされたままの状態である。
したがって、
図15(a)のメイン表示領域6aには現在実行中の図柄変動表示が実行されて、リーチとなった状態が表示されている。また、通常演出に重複する特別演出は実行されていないので、サブ表示領域6bには何も表示されていない。
また、スピーカ66により通常演出に対応して、すなわち上記メイン表示領域6aのリーチ表示に対応した「リーチ」という音声演出が実行される。
さらに、図示しないが、この場合、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々通常演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。
【0154】
図15(b)は、本実施形態のカウントダウン演出が実行中の状態を示す。優先演出選択制御処理1のS605で特別演出実行カウンタが所定値となったと判定され、S610のカウントダウン演出が実行され、S615の優先演出変更促進処理が実行中の状態である。
演出図柄表示装置6の左上部に配設されるカウントダウン表示領域6cに、特別演出の実行開始までの残時間が3秒である旨の表示が為されることでカウントダウン演出が行われる。本実施形態では、カウントダウン演出は残り時間10秒から実施されるので、既に7秒が経過した状態である。
また、優先演出変更促進処理として、演出図柄表示装置6の右下部に配設される変更促進表示領域6dに、初期の設定として実行が予定される特別演出から通常演出への変更が可能である旨の「演出を変更できます」の表示が行われる。
これに併せて、変更促進表示領域6dの右上方には現在、優位演出として選択されている演出を明示するための優先演出表示領域6fが設けられており、特別演出が選択されている旨を「特」表示を明るく、通常演出が選択されていない旨を「通」表示を「特」表示よりも暗く発光することで、示唆している。さらに、変更促進表示領域6dの左上方には、優位演出として通常演出に変更するための操作手段の操作方法を示す変更操作表示領域6eが設けられており、先ずジョグダイヤル68を時計回りに回転させ、次いで演出ボタン67を押下する方法が示されている。
そして、メイン表示領域6aには現在実行中の図柄変動表示が実行開始された状態が表示されている。また、この時点でも、通常演出に重複する特別演出は実行されていないので、サブ表示領域6bには何も表示されていない。
また、スピーカ66により通常演出に対応して、すなわち上記メイン表示領域6aの演出図柄の変動開始表示に対応した「スタート」という音声演出が実行される。
さらに、
図15(a)と同様、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々通常演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。
【0155】
図15(c)は、本実施形態のカウントダウン演出が終了し、特別演出の開始直前となった状態を示す。優先演出選択制御処理1のS635で特別演出実行カウンタが0となったと判定され、S645で通常演出優先フラグに1が設定されていないと判定された状態である。
カウントダウン表示領域6cに、特別演出の実行開始までの残時間が0秒である旨の表示が為されることでカウントダウン演出が終了する。
また、優先演出変更促進処理として、変更促進表示領域6dに、時間経過により通常演出への変更が不能となった旨の「演出変更を終了します」の表示が行われる。
これに併せて、優先演出表示領域6fにて、通常演出への変更が行われずに特別演出が選択されている旨を表示している。さらに、変更操作表示領域6eは、変更可能時間が終了したことで、表示が消去されている。
そして、メイン表示領域6aには現在実行中の図柄変動表示がリーチになった状態が表示されている。また、この時点でも、通常演出に重複する特別演出は実行開始直前なので、サブ表示領域6bには何も表示されていない。
また、スピーカ66により通常演出に対応して、「リーチ」という音声演出が実行される。
さらに、
図15(a)と同様、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々通常演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。
【0156】
図15(d)は、本実施形態の特別演出が開始された状態を示す。優先演出選択制御処理1のS665の特別演出優先実行処理1が実行開始された状態である。
メイン表示領域6aには優位演出である特別演出としての定時実行演出(ライヴ演出)が実行される。本実施形態のライヴ演出では、ライヴで歌うネコのキャラクタが表示される。
また、サブ表示領域6bには、劣位演出として通常演出が表示される。
また、スピーカ66により特別演出に対応して、ネコのキャラクタの歌声が音声演出として実行される。
さらに、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々特別演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。
【0157】
図15(e)は、本実施形態の特別演出が終了する状態を示す。優先演出選択制御処理1のS670にて肯定判定された状態である。
メイン表示領域6aには、ネコのキャラクタが手を振ってライヴ演出が終了する状態、および「END」が表示される。
また、サブ表示領域6bには、継続して通常演出が表示されている。
また、スピーカ66により特別演出に対応して、手を振ってお別れするネコのキャラクタの声として「またねー!!」が音声演出として実行される。
さらに、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々特別演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。
【0158】
図15(f)は、本実施形態の特別演出が終了後の状態を示す。優先演出選択制御処理1のS675およびS680が実行された状態である。
メイン表示領域6aには、
図15(e)でサブ表示領域6bに表示されていた演出図柄の変動表示が移行され、リーチとなった状態が表示される。
また、サブ表示領域6bには、特別演出が終了したことにより、表示する演出がないので何も表示されていない。
また、スピーカ66により通常演出に対応して、「リーチ」という音声演出が実行される。
さらに、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々通常演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行される。
【0159】
次に、
図16および
図17を参照して、特別演出実行前に遊技者が通常演出への変更を行った場合の表示態様を説明する。なお、
図15と重複する説明は便宜上割愛する。
先ず、
図16(a)は、上述した
図15(a)と同じ状態で、未だ優先演出選択制御処理1が実行される前の演出図柄表示装置6を示す。
図16(a)のメイン表示領域6aには現在実行中の図柄変動表示がリーチとなり、サブ表示領域6bには何も表示されていない。
また、スピーカ66により通常演出に対応して、「リーチ」という音声演出が実行される。
さらに、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々通常演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。
【0160】
図16(b)は、本実施形態のカウントダウン演出が開始された状態を示す。優先演出選択制御処理1のS605で特別演出実行カウンタが所定値となったと判定され、S610のカウントダウン演出が実行開始され、S615の優先演出変更促進処理が実行開始された状態である。
カウントダウン表示領域6cには、特別演出の実行開始までの残時間が10秒である旨の表示が為されることでカウントダウン演出が開始される。
また、変更促進表示領域6dに、「演出を変更できます」の表示が行われ、優先演出表示領域6fでは現在、特別演出が選択されている旨を表示し、変更操作表示領域6eでは通常演出への変更方法が示される。 そして、メイン表示領域6aには
図16(a)で示した図柄変動表示が確定表示された状態が表示されている。また、この時点でも、通常演出に重複する特別演出は実行されていないので、サブ表示領域6bには何も表示されていない。
さらに、
図16(a)と同様、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々通常演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。
【0161】
図16(c)は、
図15(b)と同様、本実施形態のカウントダウン演出が実行中の状態を示す。但し、通常演出へ変更するための操作を受け付けた状態である。
カウントダウン表示領域6cに、特別演出の実行開始までの残時間が3秒である旨の表示が為される。
また、優先演出変更促進処理として、変更促進表示領域6dに、初期の設定として実行が予定される特別演出から通常演出への変更が受け付けられた旨の「通常演出の選択を受け付けました」の表示が行われる。
これに併せて、優先演出表示領域6fでは、特別演出から通常演出に変更されて選択されている旨を「通」表示を明るく発光することで、示唆している。
そして、メイン表示領域6aには現在実行中の図柄変動表示が実行開始された状態が表示されている。また、この時点でも、通常演出に重複する特別演出は実行されていないので、サブ表示領域6bには何も表示されていない。
また、スピーカ66により通常演出に対応して、「スタート」という音声演出が実行される。
さらに、
図16(a)と同様、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々通常演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。
【0162】
図16(d)は、
図15(c)と同様、本実施形態のカウントダウン演出が終了し、特別演出の開始直前となった状態を示す。但し、優先演出選択制御処理1のS635で特別演出実行カウンタが0となったと判定され、S645で通常演出優先フラグに1が設定されていると判定された状態である。
カウントダウン表示領域6cに、特別演出の実行開始までの残時間が0秒である旨の表示が為される。
また、優先演出表示領域6fにて、通常演出への変更が行われて、通常演出が選択されている旨を表示している。
そして、メイン表示領域6aには現在実行中の図柄変動表示がリーチになった状態が表示されている。また、この時点でも、通常演出に重複する特別演出は実行開始直前なので、サブ表示領域6bには何も表示されていない。
また、スピーカ66により通常演出に対応して、「リーチ」という音声演出が実行される。
さらに、
図16(a)と同様、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々通常演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。
【0163】
図16(e)は、本実施形態の特別演出が開始された状態を示す。優先演出選択制御処理1のS650の通常演出優先実行処理が実行開始された状態である。
メイン表示領域6aには、優位演出として通常演出が表示され、図柄変動表示がリーチとなった表示が行われる。
また、サブ表示領域6bには劣位演出である特別演出としての定時実行演出(ライヴ演出)が実行される。
また、スピーカ66により劣位演出の特別演出に対応して、ネコのキャラクタの歌声が音声演出として実行される。通常演出が優位演出として選択されても、音声演出は特別演出の内容を実行する。
さらに、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々特別演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。この場合、音声演出と同様、通常演出が優位演出として選択されても、枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出は特別演出の内容を実行する。
【0164】
図16(f)は、本実施形態の特別演出が終了する状態を示す。優先演出選択制御処理1のS655にて肯定判定された状態である。
メイン表示領域6aには、継続して通常演出が表示されている。
また、サブ表示領域6bには、ネコのキャラクタが手を振ってライヴ演出が終了する状態、および「END」が表示される。
また、スピーカ66により特別演出に対応して、手を振ってお別れするネコのキャラクタの声として「またねー!!」が音声演出として実行される。
さらに、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々特別演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。
【0165】
図17(g)は、本実施形態の特別演出が終了後の状態を示す。優先演出選択制御処理1のS660、S675およびS680が実行された状態である。
メイン表示領域6aには、
図16(f)でメイン表示領域6aに表示されていた演出図柄の変動表示が継続され、変動開始した状態が表示される。
また、サブ表示領域6bには、特別演出が終了したことにより、表示する演出がないので何も表示されていない。
また、スピーカ66により通常演出に対応して、「スタート」という音声演出が実行される。
さらに、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々通常演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行される。
【0166】
このように、本実施形態では、特別演出の実行前において、遊技者による通常演出または特別演出の何れを嗜好するかの選択操作に対応して特別演出を実行する。そして、通常演出が選択された場合には、画像表示演出のみを遊技者の嗜好に合わせて通常演出の内容を実行し、音声演出、枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出は、他のパチンコ機で一斉に実行される特別演出の一体感を欠くことがないよう特別演出の内容を実行する。これにより、多様な遊技者の嗜好を一定限度で充足しつつ、一斉実行される特別演出が奏する効果を充分に引き出すことが可能となっている。
【0167】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態のパチンコ機50について説明する。第二実施形態のパチンコ機50は、第一実施形態と略同様の構成を有しており、主に、サブ統合制御装置83が実行する優先演出選択制御処理において相違する。
以下では、上記優先演出選択制御処理2以外の相違点について予め説明した後で、第二実施形態のサブ統合制御装置83が実行する優先演出選択制御処理2を重点的に説明する。但し、第一実施形態と同様の構成および作用については割愛する場合もある。
【0168】
先ず、第二実施形態のパチンコ機50は、特別演出用シーケンスライン、および通常演出用シーケンスラインの2つのシーケンスラインを備える。特別演出用シーケンスライン、および通常演出用シーケンスラインは、並列動作が可能な構成となっており、有効なシーケンスラインとして選択されると本発明の各種演出手段を用いて、各種演出が実行される。各種演出を実行していない側のシーケンスラインは、上述したように並列動作を行っているので、演出として顕現しないが、動作は継続して実行される。したがって、不定なタイミングでシーケンスラインの切換変更が行われても、演出状態は不具合なく変更され、スムーズな演出の移行が可能となっている。
また、本実施形態では、各種演出手段毎に、異なるシーケンスラインに対応して駆動することが可能である。例えば、音声演出、枠ランプ表示演出、および盤ランプ表示演出は、特別演出用シーケンスラインに対応し、画像表示演出は通常演出用シーケンスラインに対応して実行可能である。
このようなシーケンスラインを用いた具体的な手段については、周知の技術であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
【0169】
次に、第一実施形態との相違点として、演出図柄表示装置6の構成について説明する。本実施形態の演出図柄表示装置6(
図20を参照)は、画像表示演出を実行する領域として、メイン表示領域6aのみを備え、サブ表示領域は備えない。優位演出として決定された演出(通常演出または特別演出)のみが、メイン表示領域6aで表示され、劣位演出とされた演出は表示されない構成となっている。
【0170】
また、演出図柄表示装置6は、右上隅部に保留表示領域6gを備える。保留表示領域6gは、第1始動口11または第2始動口12への入賞に基づいて発生した保留記憶の存否、個数、および保留先読み演出に係る表示を行う領域である。保留表示領域6gは、具体的には、保留記憶の上限個数に対応して4個の区画された領域を備え、保留記憶の発生に従って、左端の領域から右方向に向かって順に○の表示が増加するように構成されている。変動表示が終了して保留記憶が消化されると表示されている保留表示は1区画ずつ左方向へスライドして表示位置が移動され、保留記憶の無い場合には×が表示される。また、本実施形態の保留先読み演出が実行されると、○の表示から星形状の表示に変更して表示される。
【0171】
本実施形態の優先演出選択制御処理2について、
図18を参照して説明する。
図18は、第二実施形態のサブ統合制御装置83が実行する優先演出選択制御処理2についてのフローチャートである。優先演出選択制御処理2の特徴点は、特別演出実行中であっても、遊技者の操作手段による変更操作によって、優位演出の変更が可能となる点である。以下に詳述する。
先ず、特別演出実行カウンタが0となるまでの処理(S700乃至S740)は、上述した第一実施形態の優先演出選択制御処理1(
図14参照)のS600乃至S640の処理と略同様である。すなわち、優先演出選択制御処理2は、優先演出選択制御処理1と同じく、特別演出の実行前に優位演出の変更が可能な構成となっている。但し、本処理の通常演出優先フラグは、通常演出優先フラグ1と通常演出優先フラグ2の2種類のフラグを備える。通常演出優先フラグ1は特別演出実行前の優位演出の変更結果を示唆するフラグであり、通常演出優先フラグ2は特別演出実行中の優位演出の変更結果を示唆するフラグである。
上述したように、特別演出実行前の制御に関しては第一実施形態と同様なので便宜上割愛し、S735で肯定判定されて特別演出が開始される状態から説明する。
【0172】
本実施形態のサブ統合制御装置83は、S735の判定処理にて肯定判定であれば(S735:yes)、すなわち予め定められた特別演出の実行開始時期が到来したら、S745に処理を移行する。
【0173】
サブ統合制御装置83は、S745で、通常演出優先フラグ1に1が設定されているか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S745:yes)、S750に処理を移行し、否定判定であれば(S745:no)、S765に処理を移行する。つまり、S745では、特別演出実行前において、遊技者が操作手段の操作により通常演出を優位演出として選択したか否かの判定を行う。
【0174】
サブ統合制御装置83は、S750で、通常演出優先実行処理を実行し、S755に処理を移行する。
通常演出優先実行処理は、音声およびランプ表示は特別演出に対応した内容で実行し、主たる液晶表示すなわち演出図柄表示装置6のメイン表示領域6a(
図20を参照)にて表示する画像表示演出のみを、通常演出に対応した内容で実行する処理である。
【0175】
詳述すると、サブ統合制御装置83はS750の通常演出優先実行処理を開始すると、本発明の各種演出手段の一つであるスピーカ66を駆動制御して、特別演出に対応した内容の音声演出を実行する。また、同じく、本発明の各種演出手段の一つである枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bを駆動制御して、特別演出に対応した内容の枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出を実行する。一方、本発明の各種演出手段の一つである演出図柄表示装置6を駆動制御して、メイン表示領域6aに通常演出に対応した内容の画像表示演出を実行する。
なお、本実施形態では上述したように、特別演出用シーケンスラインと通常演出用シーケンスラインが並列動作しており、上記各種演出手段は、対応する演出に係るシーケンスラインにより駆動される。
【0176】
本実施形態のパチンコ機50は、このように構成されることで、本発明の特別演出としての定時実行演出(ライヴ演出)の実行により奏し得る効果、すなわち複数の遊技機での一斉演出による効果を可能な限り低減させることなく、且つ、特別演出よりも通常演出を優位演出として選択した遊技者の嗜好にも一定の満足を与えることが可能となっている。
より具体的には、遊技機島設備に設置された他の複数のパチンコ機が特別演出を実行する際、通常演出を選択したパチンコ機に関しては、略当該パチンコ機にて遊技する遊技者のみが視認可能であって、且つ一斉演出の統一感を損なう虞の低い画像表示演出のみを通常演出に対応させ、一斉演出の統一感を損なう虞の高い音声演出、枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出については特別演出に対応させて実行するものである。これにより、複数のパチンコ機で一斉に同じ特別演出を実行する状態を実現しつつ、可能な限り遊技者の多様な嗜好を満たすことができる。
【0177】
図18に戻って、サブ統合制御装置83は、S755で、特別演出が終了したか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S755:yes)、S760に処理を移行し、否定判定であれば(S755:no)、S750に処理を移行する。すなわち、特別演出が終了するまでS750およびS755をループする。
【0178】
サブ統合制御装置83は、特別演出が終了すると、S760で、通常演出優先フラグ1に0を設定し、S775に処理を移行する。
【0179】
サブ統合制御装置83は、S745で、否定判定であれば(S745:no)、すなわち、特別演出の実行前に、遊技者による通常演出を優位演出とする選択が無ければ、S765において、特別演出優先実行処理2を行い、S770に処理を移行する。
サブ統合制御装置83はS765の特別演出優先実行処理2を開始すると、本発明の各種演出手段であるスピーカ66、枠用各種LED、ランプ31a、盤用各種LED、ランプ31bおよび演出図柄表示装置6を駆動制御して、特別演出に対応した内容の音声演出、枠ランプ表示演出、盤ランプ表示演出および画像表示演出を実行する。
【0180】
これにより、上述した全ての各種演出手段を用いて、特別演出を他の遊技機とタイミングを合わせて行うことで、当該複数のパチンコ機50が設置された遊技機島設備では、一体感のある演出が実現される。
【0181】
なお、本実施形態の特別演出優先実行処理2は、特別演出実行中に、優位演出を特別演出から通常演出に変更可能な処理を備えている。また、特別演出優先実行処理2は、優先演出選択制御処理2の1モジュールであって、後で詳述する。
【0182】
サブ統合制御装置83は、S770で、特別演出が終了したか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S770:yes)、S775に処理を移行し、否定判定であれば(S770:no)、S765に処理を移行する。すなわち、特別演出が終了するまでS765およびS770をループする。
【0183】
サブ統合制御装置83は、S775で、通常演出優先フラグ2に0を設定し、S775に処理を移行する。
上述したように、通常演出優先フラグ2は、特別演出実行中において、優位演出を特別演出から通常演出に変更したか否かを示すフラグであって、1が設定されることで通常演出が選択されていることを示唆する。通常演出優先フラグ2は、特別演出優先実行処理2において設定するフラグであり、後で詳述する。
【0184】
サブ統合制御装置83は、特別演出が終了すると、S780で、音声演出、枠ランプ表示演出、盤ランプ表示演出および画像表示演出の全てを通常演出に対応するように変更する処理を実行し、S785に処理を移行する。
【0185】
サブ統合制御装置83は、S785で、特別演出実行カウンタに上述した初期設定値(例えば1時間に相当するカウント値)を設定し、本処理を終了する。
【0186】
次いで、本実施形態の特別演出優先実行処理2を、
図19を参照して説明する。
図19は、第二実施形態のサブ統合制御装置83が実行する特別演出優先実行処理2についてのフローチャートである。
先ず、サブ統合制御装置83は、特別演出優先実行処理2を開始すると、S800で、特別図柄の変動表示が現在行われているか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S800:yes)、S815に処理を移行し、否定判定であれば(S800:no)、S805に処理を移行する。
【0187】
サブ統合制御装置83は、特別図柄の図柄変動中ではないと判定されたとき、S805で、保留記憶が現在あるか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S805:yes)、S815に処理を移行し、否定判定であれば(S805:no)、S810に処理を移行する。
【0188】
サブ統合制御装置83は、特別図柄の図柄変動中ではなく、保留記憶も無いと判定されたとき、S810で、本発明の各種演出手段であるスピーカ66、枠用各種LED、ランプ31a、盤用各種LED、ランプ31bおよび演出図柄表示装置6を駆動制御して、特別演出に対応した内容の音声演出、枠ランプ表示演出、盤ランプ表示演出および画像表示演出を実行し、本処理を終了する。
【0189】
サブ統合制御装置83は、特別図柄の図柄変動中か、または保留記憶が有ると判定されたとき、S815で、優先演出変更促進処理2を実行し、S820に処理を移行する。
優先演出変更促進処理2は、通常演出と特別演出の内、遊技者の任意により何れを優位または劣位とするか、の変更を促す演出を実行する処理である。さらにいえば、本実施形態の優先演出変更促進処理2は、特別演出の実行前に遊技者により通常演出が優位演出として選択されなかったとしても、特別演出の実行中に優位演出の変更を可能とし、その旨を報知しつつ促す処理である。
【0190】
また、優先演出変更促進処理2は、上述したように、S800およびS805の判定処理によって図柄変動中か保留記憶が有る場合にのみ実行する。これにより、優位演出を特別演出から通常演出に変更する処理を、必要と想定される場合に限定して実行することができる。これにより、特別演出実行前に優位演出として通常演出を選択しなかった遊技者であっても、特別演出の実行中に、並列動作している通常演出用シーケンスラインによる特別図柄の変動表示演出や保留先読み演出が気になって、優位演出を通常演出に変更したいと考えた場合には、変更が可能となる。
また、遊技球を発射せずに特別演出に注目する遊技者には、敢えて変更の機会を提供しないことで、処理の簡略化を図ることができる。つまり、遊技球を発射しないことで変動表示の実行も、保留記憶の発生も起こらないので、このような条件を判定することで、優位演出の必要性を判断する構成となっている。
【0191】
サブ統合制御装置83は、S820で、操作手段の操作により通常演出を優位演出として変更する操作結果が発生したか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S820:yes)、S825に処理を移行し、否定判定であれば(S820:no)、S810に処理を移行する。
すなわち、サブ統合制御装置83は、図柄変動中であるか、保留記憶が有ったとしても、優位演出の変更に係る操作手段の操作が無ければ、上記S810によって全ての各種演出手段を用いて特別演出を実行する。
【0192】
サブ統合制御装置83は、S825で、通常演出優先フラグ2に1を設定し、S830に処理を移行する。
【0193】
サブ統合制御装置83は、S830で、音声およびランプ表示は特別演出に対応した内容で実行し、主たる液晶表示すなわち演出図柄表示装置6のメイン表示領域6aにて表示する画像表示演出のみを、通常演出に対応した内容で実行し(
図20(d)を参照)、本処理を終了する。
【0194】
詳述すると、サブ統合制御装置83は、本発明の各種演出手段の一つであるスピーカ66を駆動制御して、特別演出に対応した内容の音声演出を、継続して実行する。また、同じく、本発明の各種演出手段の一つである枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bを駆動制御して、特別演出に対応した内容の枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出を、継続して実行する。一方、本発明の各種演出手段の一つである演出図柄表示装置6を駆動制御して、メイン表示領域6aに通常演出に対応した内容の画像表示演出を実行する。
なお、サブ統合制御装置83は、メイン表示領域6aに通常演出に対応した内容の画像表示演出を実行する際、画像表示演出に係る有効なシーケンスラインを、特別演出用シーケンスラインから、通常演出用シーケンスラインに切り換える処理を実行する。メイン表示領域6aに表示される画像表示演出は、特別演出用シーケンスラインと通常演出用シーケンスラインが並列動作しているので、不定なタイミングで切換変更されても、不具合無く表示変更が為される。
【0195】
以上、第二実施形態の優先演出選択制御処理2について説明してきたが、本実施形態のパチンコ機50は、このように構成されることで、第一実施形態が奏する効果に加えて、特別演出の実行中であっても優位演出の変更が可能となり、本発明の特別演出としての定時実行演出(ライヴ演出)の実行により奏し得る効果、すなわち複数の遊技機での一斉演出による効果を維持しつつ、且つ、遊技者の嗜好を一層充足することが可能となっている。
また、特別演出実行中には、優位演出の変更を常時認容せず、変更を必要とする状態に限定して変更を認めることで、制御の簡素化を実現すると共に、メイン表示領域6aにて変更促進に係る表示が常時実行される煩わしさから遊技者を解放することができる。
【0196】
次に、サブ統合制御装置83が上述した第二実施形態の優先演出選択制御処理2を実行した際の、画像表示演出および音声演出の演出態様について、
図20および
図21を参照して説明する。
図20および
図21は、本実施形態のサブ統合制御装置83が実行する画像表示演出の演出表示態様を説明する説明図である。なお、特別演出実行開始までは第一実施形態と同様であるので、特別演出の実行中から図示した。
【0197】
先ず、
図20(a)で、メイン表示領域6aには、優位演出である特別演出としての定時実行演出(ライヴ演出)が実行される。本実施形態のライヴ演出では、ライヴで歌うネコのキャラクタが表示される。また、保留表示領域6gには保留記憶が無いことが表示されている。したがって、当該状態は、上述した特別演出優先実行処理2(
図19を参照)の、S800およびS805にて否定判定され、S810が実行された状態である。
また、スピーカ66により特別演出に対応して、ネコのキャラクタの歌声が音声演出として実行される。
さらに、図示しないが、この場合、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、其々特別演出に対応した枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が実行されている。
【0198】
図20(b)では、遊技者が遊技球を発射し、第1始動口11または第2始動口12に入賞したことにより保留記憶が発生した状態を示す。保留表示領域6gは、3個の保留記憶がある旨、および3個目の保留記憶が保留先読み演出の対象となっている旨が示されている。また図示しないが、変動表示も実行されている。
サブ統合制御装置83は、変動表示が実行され、または保留記憶が発生したことにより、S815(
図19参照)の優先演出変更促進処理2を実行する。優先演出変更促進処理2の実行よって、演出図柄表示装置6には、変更促進表示領域6dに、特別演出開始前に選択した特別演出から通常演出への変更が可能である旨の「演出を変更できます」の表示が行われる。
これに併せて、優先演出表示領域6fでは、通常演出が選択されていない旨を示唆している。さらに、変更操作表示領域6eでは、変更方法が示されている。
そして、メイン表示領域6a、スピーカ66、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、
図20(a)と同様に、ライヴ演出に対応した各種演出が継続して実行される。
【0199】
図20(c)では、保留記憶が2個消化され、操作手段(ジョグダイヤル68および演出ボタン67)の操作により優位演出として特別演出から通常演出への変更が行われた状態を示す。保留表示領域6gは、保留先読み演出の対象となっている1個の保留記憶がある旨、また次の変動表示において大当りとなる期待度の高い特別な変動表示演出が実行される可能性の高い旨が示されている。なお、このとき未だ、通常演出用シーケンスラインでは、1個前の変動表示が実行中である。
当該状態は、サブ統合制御装置83が、通常演出を優位演出とする操作が発生したことにより、S820(
図19参照)にて肯定判定とした状態である。優先演出変更促進処理2の実行よって、演出図柄表示装置6には、変更促進表示領域6dに、通常演出への変更を受け付けた旨の「演出受け付けました」の表示が行われる。
これに併せて、優先演出表示領域6fでは、通常演出が選択された旨を示唆している。
そして、メイン表示領域6a、スピーカ66、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、未だ
図20(a)と同様に、ライヴ演出に対応した各種演出が継続して実行されている。
このように本実施形態のパチンコ機50は、特別演出実行中であっても優位演出を特別演出から通常演出に変更可能であり、通常演出で実行される内容が気になる遊技者の嗜好を満たすことができる。
【0200】
図20(d)では、画像表示演出のみが通常演出に変更された状態を示す。未だ、保留表示領域6gは、
図20(c)のままで保留先読み演出の対象となっている保留記憶が消化されていない旨を示唆している。
メイン表示領域6aには、特別演出から通常演出に変更されて、
図20(c)において通常演出用シーケンスラインで実行中であった変動表示が確定表示された状態が表示されている。
そして、メイン表示領域6a以外の、すなわちスピーカ66、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、未だ
図20(a)と同様に、ライヴ演出に対応した各種演出が継続して実行される。
なお、変更促進表示領域6d、優先演出表示領域6fおよび変更操作表示領域6eは、消去される。
【0201】
図20(e)では、メイン表示領域6aにて保留先読み演出の対象であった保留記憶に基づく変動表示が開始された状態を示す。
そして、
図20(d)と同様、スピーカ66、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、ライヴ演出に対応した各種演出が継続して実行される。
【0202】
図20(f)では、メイン表示領域6aにて保留先読み演出の対象であった保留記憶に基づく変動表示がリーチになった状態を示す。また、当該変動表示の結果が大当りとなる可能性の高いことを示唆する「熱」表示が併せて行われる。
そして、
図20(d)と同様、スピーカ66、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、ライヴ演出に対応した各種演出が継続して実行される。
このように、本実施形態のパチンコ機50は、特別演出実行中に通常演出を優位演出として選択すると、音声演出、盤ランプ表示演出および枠ランプ表示演出は特別演出に対応した演出を行うことで一斉演出の一体感を損なわない。しかし、通常演出を選択した遊技者のみが視認可能で周囲のパチンコ機への影響の少ない画像表示演出に関しては、遊技者の嗜好に合わせて通常演出に対応した演出を行う。
【0203】
図21(g)では、メイン表示領域6aにて保留先読み演出の対象であった保留記憶に基づく変動表示が大当り表示になった状態を示す。
そして、
図20(d)と同様、スピーカ66、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、ライヴ演出に対応した各種演出が継続して実行される。
【0204】
図21(h)では、メイン表示領域6aにて大当り演出表示を実行する状態を示す。メイン表示領域6aには、遊技状態を報知する「大当り中」の表示や、大当りのラウンド数を示す「3R」の表示と共に、キャラクタによるバトル演出表示が行われる。本発明の通常演出は、図柄変動表示演出に加えて大当り遊技演出を備える。
なお、この時点で特別演出用シーケンスラインに係る特別演出は、ライヴ演出の終了時期を迎えており、音声演出としてスピーカ66から「またねー!!」という音声が発生される。
そして、
図20(d)と同様、スピーカ66、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bでは、ライヴ演出に対応した各種演出が継続して実行される。
【0205】
図21(i)では、特別演出が終了して優先演出選択制御処理2のS775、S780およびS785が実行された状態を示す。メイン表示領域6aには、
図21(h)のバトル演出表示が継続され、一方のキャラクタが勝利した状態が表示される。
なお、この時点で、演出図柄表示装置6、スピーカ66、枠用各種LED、ランプ31aおよび盤用各種LED、ランプ31bの全ての各種演出手段は、通常演出用シーケンスラインに基づいた演出に移行されて実行している。このため、音声演出としてスピーカ66から発生される音声演出は、バトル演出に対応して「やったああ」という音声になっている。
【0206】
このように本実施形態は、優先表示が選択可能なカウントダウン表示を行うことにより、特別演出が開始されることを把握させることができると共に、どちらを優先表示させるか選択できる選択期間をも表示することになり、特別演出を楽しみたい遊技者は開始タイミングを逸することなく、通常演出を楽しみたい遊技者は予め通常演出を優先表示することにより特別演出で遮られることを回避させることができる。このように、本実施形態のパチンコ機は、ニーズの異なる多様な遊技者の嗜好に柔軟に対応することが可能となっている。
【0207】
[第三実施形態]
次に、第三実施形態のパチンコ機50について説明する。第三実施形態のパチンコ機50は、第一実施形態或いは第二実施形態と略同様の構成を有しており、サブ統合制御装置83が実行する通常演出から特別演出への切換処理である優先演出選択制御処理3において相違する。
以下では、第三実施形態のサブ統合制御装置83が実行する優先演出選択制御処理3についてのみ、
図22を参照して説明し、第一実施形態および第二実施形態と同様の構成および作用については説明を省略する。
【0208】
図22は、第三実施形態のサブ統合制御装置83が実行する優先演出選択制御処理3についてのフローチャートである。本実施形態は、特別演出の実行中には、操作手段による切換操作に基づき、有効となるシーケンスラインを直接切り換えることで制御を簡素化し、反復継続した切換操作にも対応可能としている点が特徴である。
【0209】
本実施形態のサブ統合制御装置83は、優先演出選択制御処理3を開始すると先ず、S900において、特別演出実行カウンタから1減算する処理を実行して、S905に処理を移行する。
【0210】
サブ統合制御装置83は、S905で特別演出実行カウンタのカウンタ値が0となったか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S905:yes)、S910に処理を移行し、否定判定であれば(S905:no)、S900に処理を移行し、肯定判定(S905:yes)が得られるまでS900およびS905をループする。
【0211】
サブ統合制御装置83は、特別演出実行カウンタが0となって特別演出の開始時期が到来すると、S910でシーケンスライン切換フラグに1を設定して、S915に処理を移行する。シーケンスライン切換フラグは、シーケンスラインの切換が可能な状態であることを示唆するフラグである。
なお、本実施形態における特別演出実行中のシーケンスラインと各種演出の対応関係は次のとおりである。
音声演出、盤ランプ表示演出および枠ランプ表示演出に係る其々のシーケンスラインは特別演出用シーケンスラインに固定され、画像表示演出に係るシーケンスラインに限って特別演出用シーケンスラインまたは通常演出用シーケンスラインに切換可能となっている。該シーケンスラインの切り替えは、操作手段の切換操作に基づいて実行される。
また、特別演出が終了すると、音声演出、盤ランプ表示演出、枠ランプ表示演出および画像表示演出の全ての演出が、通常演出用シーケンスラインに固定される。
【0212】
サブ統合制御装置83は、S915で、操作手段としての演出ボタン67およびジョグダイヤル68による、通常演出用シーケンスラインへの切換操作が行われたか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S915:yes)、S925に処理を移行し、否定判定であれば(S925:no)、S920に処理を移行する。なお、特別演出用シーケンスラインへの切換操作が行われた場合は、通常演出用シーケンスラインへの切換操作が行われなかった、すなわちS925の否定判定として処理される。
【0213】
サブ統合制御装置83は、通常演出用シーケンスラインへの切換操作が行われると、S925で、画像表示演出に係るシーケンスラインを、特別演出用シーケンスラインから通常演出用シーケンスラインに切換え、音声演出、盤ランプ表示演出および枠ランプ表示演出に係る其々のシーケンスラインは特別演出用シーケンスラインのまま維持して各演出を実行し、S930に処理を移行する。
【0214】
サブ統合制御装置83は、通常演出用シーケンスラインへの切換操作が行われなかったら、S920で、画像表示演出に係るシーケンスラインを、特別演出用シーケンスラインに設定(或いは維持)し、音声演出、盤ランプ表示演出および枠ランプ表示演出に係る其々のシーケンスラインは特別演出用シーケンスラインのまま維持して各演出を実行し、S930に処理を移行する。
【0215】
サブ統合制御装置83は、通常演出用シーケンスラインへの切換操作が行われなかったら、S920で、画像表示演出に係るシーケンスラインを、特別演出用シーケンスラインに設定(或いは維持)し、音声演出、盤ランプ表示演出および枠ランプ表示演出に係る其々のシーケンスラインは特別演出用シーケンスラインのまま維持して各演出を実行し、S930に処理を移行する。
【0216】
サブ統合制御装置83は、S930で、特別演出が終了したか否かの判定処理を実行し、肯定判定であれば(S930:yes)、S935に処理を移行し、否定判定であれば(S930:no)、S915に処理を移行する。すなわち、特別演出の実行中には、優位演出の切換操作が行われる都度、画像表示演出に係るシーケンスラインを、特別演出用シーケンスラインまたは通常演出用シーケンスラインに切換可能となっている。
【0217】
サブ統合制御装置83は、特別演出が終了したら、S935で、シーケンスライン切換フラグに0を設定し、S940に処理を移行する。
【0218】
サブ統合制御装置83は、S940で、画像表示演出、音声演出、盤ランプ表示演出および枠ランプ表示演出に係る全てのシーケンスラインを、通常演出用シーケンスラインに切換え、S945に処理を移行する。したがって、次回の特別演出が開始されるまで、上述した全ての演出は通常演出用シーケンスラインに基づいて実行される。
【0219】
サブ統合制御装置83は、S945で、特別演出実行カウンタに初期設定値(例えば1時間に相当するカウント値)を設定し、本処理を終了する。これにより、例えば1時間後に再び次の特別演出が開始されることになる。
【0220】
このように本実施形態では、特別演出中は常に優先表示を切り替えることができるため、例えば特別演出を優先表示していたが、途中で興味を失ってしまった場合に通常演出に切り替えたり、通常演出を優先表示していたが、隣のパチンコ機の特別演出を見て自分も見たくなった場合など、好きなタイミングで好きなだけ切替表示することができるようになる。すなわち、本実施形態のパチンコ機は、異なる遊技者の嗜好を満足させるだけでなく、一人の遊技者の状況により変化する嗜好も充足させる効果を奏することが出来る。
【0221】
[他の実施形態]
(1)上述した実施形態では、特別演出と通常演出が重複して実行される際に、優位演出として特別演出から通常演出に変更可能とする構成とし、これにより通常演出を望む遊技者の嗜好にも応えることが可能であった。このような一部の遊技者の嗜好を満足する構成として、次のような実施の形態も考えられる。
通常演出は大当り演出時に実行する特典演出を備え、該特典演出は、特典演出の実行前に遊技者の選択操作により選択されると共に特典演出時に演奏される特典楽曲を備える。遊技者は、予め大当りになったときに聴きたい楽曲を複数の特典楽曲の中から選択して、大当りの到来を待ち望むことができる。また一方、特別演出としての定時実行演出(ライヴ演出)は、前記特典楽曲とは異なると共に特別演出時に音声演出として演奏される特別楽曲を備える。このような構成を前提として、サブ統合制御装置83は、特別演出が実行される際の優先演出選択処理にて、予め前記特典楽曲の選択処理が遊技者により為されているか否かの特典選択判定処理を実行する。そして、該特典選択判定処理の判定結果として、遊技者により特典楽曲の選択処理が為されていると判定された場合、優位演出を特別演出から通常演出に変更可能な状態(例えば、通常演出優先フラグに1を設定)とし、優先演出変更促進処理によって変更可能な旨を報知するようにする。
【0222】
このように構成することにより、大当り時にのみ聴くことが可能な特典楽曲と、特別演出時に聴くことが可能な特別楽曲の何れか好む方を選択可能となる。また、サブ統合制御装置83は、通常演出に変更可能な状態への移行処理や、優先演出変更促進処理を、通常演出への変更の可能性の高い場合に限定して実行することが可能となる。したがって、演出図柄表示装置にて優位演出への変更を促す表示が、常に行われる可能性が低くなり、特別演出に係る画像表示演出が障害なく実行し易くなる。このため、通常演出への変更を望む、または望まない、何れの遊技者の嗜好も満たすことができる。加えて、一斉に実行される特別演出の画像表示演出を、変更促進表示で邪魔される可能性を低下させることができる。
【0223】
また、予め前記特典楽曲の選択処理が遊技者により為されていると判定された場合、通常演出に変更可能な状態への移行処理や、優先演出変更促進処理を実行せず、優位演出として通常演出を実行するようにしても良い。
これにより、折角予め前記特典楽曲を選択しているのに、また変更処理を行わなければならないという不満を、遊技者に抱かせないことができる。
【0224】
(2)また、多様な遊技者の嗜好を可能な限り満たすという本発明の課題を解決するためには、次のような実施形態も考えられる。
上述した実施形態では、計時手段によって特別演出の実行開始時期が到来すると、常に実行開始する構成であった。これに加えて、本実施形態の概要は、特別演出実行前に、遊技者の遅延保持操作に基づいて、特別演出の実行開始時期が到来しても優位演出としての実行を遅延し、遅延解除操作に基づいて、優位演出として特別演出を実行する。
【0225】
詳述すると、遊技者による操作が可能な遅延操作手段(例えば、演出ボタン67およびジョグダイヤル68)を備えて、サブ統合制御装置83は、特別演出の実行前に遅延操作手段による遅延保持操作が行われたか否かを判定する遅延保持操作判定処理(手段)を実行し、遅延保持操作が行われたと判定されると、特別演出の開始時期が到来しても特別演出の優先実行(優位演出としての実行)を遅延する処理を実行する。また、遅延操作手段による遅延解除操作が行われたか否かを判定する遅延解除操作判定処理(手段)を実行し、遅延解除操作が行われたと判定されると、特別演出の優先実行を行う。さらに、前記遅延保持操作が行われたと判定されると、遅延時間の計時を行う遅延計時手段が計時を開始する。そして、遅延計時手段の計時時間が所定の上限遅延時間に到達したか否かを判定する遅延満了判定処理(手段)を実行し、上限遅延時間に到達したと判定された場合には遅延している特別演出の優先実行を中止する中止処理(手段)を実行する。
なお、遅延解除操作により行われる特別演出の優先実行は、他の遊技機との一斉演出の実現を図る以上、特別演出の途中から、他のパチンコ機の演出状態に合わせて、実行するように構成される。したがって、本実施形態ではシーケンスラインを採用する方法が好適である。これによって、遅延解除操作による不定なタイミングで優先実行が行われても、他のパチンコ機の演出状態とずれが生じない。
【0226】
また、音声等は他の実施形態のように一斉に開始するが、画像演出については遅延させる構成も考えられる。特別な演出として表示される画像演出を、音声等とは同期が取れていなくても、最初からしっかり観たい遊技者に好適な構成となる。例えば、携帯電話やスマートフォン等の写真撮影機能によって、単に画像のみを取得したい遊技者にとっては、音声との同期は必要としないので、そのような遊技者にとって好適な構成となる。
【0227】
本実施形態のパチンコ機は、特別演出を優位演出として楽しむ予定であったのに、例えば通常演出としての非常に大当りの期待度の高い変動表示演出が実行されている場合等のように、一時的に優先順位が逆転する状況にも対応可能である。つまり、上述したように構成することで、特別演出を優位演出として楽しみたいので、通常演出を優位演出として選択するつもりは無いが、当該変動表示の結果だけは確認したいので暫くの間だけ優位演出としての実行を遅延して欲しい、という遊技者の嗜好を満足させることができる。また、期待度の高い通常演出が予想以上に長引いてしまい、特別演出の残り時間が一定以上に少なくなってしまった場合には、中止処理が実行されるので、遅延解除して即、特別演出が終了してしまったという印象を遊技者に与えない。
【0228】
(3)さらに、通常演出と特別演出を実行可能な遊技機として、次のような実施形態も考えられる。
上述した実施形態の構成に加えて、遊技が実行されていない待機状態か否かを判定する待機状態判定処理(手段)と、特別演出実行中に待機状態である旨の報知を行う待機状態報知処理(手段)と、待機状態判定処理により待機状態であると判定されると特別演出と併せて待機状態である旨を報知(例えば、「空き台です」といった表示)し、待機状態判定処理により待機状態が解除されると前記報知を終了する。特別演出開始前の所定時間の間、継続して待機状態が維持されていることを条件としても良い。
このように構成することにより、通常演出とは異なり、遊技が行われているか否かに拘わらず時期の到来により複数のパチンコ機で一斉実行される特別演出の奏する効果を維持しつつ、遊技が行われていないパチンコ機を明示することで稼働の低下を防止することができる。通常演出は遊技が行われていないと実行されないので空き台か否かが一目瞭然で判別可能であるのに対して、特別演出実行中には遊技が行われているか否かが判然としない。したがって、本実施形態のパチンコ機であれば、一斉演出の効果を損なうことなく、稼働の低下を防止し、さらに当該パチンコ機が空いていれば遊技をしたいと考える遊技者が容易に空き台を見つけることを可能とする。
【0229】
以上、本発明に係る実施形態を説明してきたが、本発明の技術思想から逸脱しない限り、これに限定するものではなく、適宜他の構成を採用することも可能である。
その一例として、上述した各実施形態では、本発明の計時手段として所定のカウンタ(特別演出実行カウンタ)を備えて、該カウンタのカウント値を減算することにより計時を実行するものを例示したが、他の手段として、現在の時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)による計時を行うように構成しても良い。RTCを使用しても本発明の効果を奏することができる。
RTCの駆動電源は、パチンコ機50に電源投入時には当該投入されている電源を、また電源遮断時には電源基板85が具備するバックアップ電源(バックアップ装置)を使用する。これにより、電源投入時は無論、電源遮断時であってもRTCは滞りなく計時を実行可能に構成される。RTCの駆動電源については、上述した構成に限らず、電源遮断時でもRTCの計時機能を維持出来る構成であれば他の方法でも良く、当該機能を充足する電池を例えばサブ統合制御装置83等に具備するものであっても良い。
RTCを本発明に採用した場合、サブ統合制御装置83は、搭載したRTCが生成する時刻に基づいて、サブ統合制御装置83に搭載されたCPUが特別演出やカウントダウン演出等の演出を実行するように構成される。つまり、サブ統合制御装置83は、該サブ統合制御装置83が搭載する記憶手段としてのROM等に、予め特別演出やカウントダウン演出等の実行開始時刻や実行終了時刻に係る各種時刻データを記憶しておく。サブ統合制御装置83のCPUは、RTCから入力されるクロック信号から現時刻を取得し、該現時刻と前記各種時刻データを照合する判定処理を実行し、照合結果に基づいて例えば特別演出の実行を開始するように構成される。
すなわち、サブ統合制御装置83のCPUは、RTCから日付および時刻に係る日時情報コマンド(クロック信号)を受信して、該日時情報コマンドに基づいて上述した特別演出や該特別演出に先立って実行されるカウントダウン演出の実行開始に係る時間制御を行うように構成される。つまり、サブ統合制御装置83のCPUは、RTCから受信した日時情報コマンドの内容が、予め定めた日時情報と一致するか否かを判断して、一致すれば特別演出やカウントダウン演出を実行開始するように構成しても良い。
このように構成することにより、電源投入のタイミングに拘わらず、予め定められた日時に、上記した所定の演出を実行開始できる。したがって、複数のパチンコ機を設置した遊技機島設備にて一括して電源投入する必要がない。また、複数のパチンコ機の何れかを、稼働中に一旦電源遮断しなければならない事態が発生しても、特別演出の実行開始時期にずれが生じることはないので、当該パチンコ機のみを電源遮断して対処でき、他の複数のパチンコ機まで稼働を止める不利益が発生しない。
また、サブ統合制御装置83にRTCを備えたものでなくても、主制御装置80に、或いは他の制御装置に備えて、サブ統合制御装置83のCPUがクロック信号を受信可能に構成しても良い。
これにより、開発設計の自由度が向上する。
【0230】
また、第一実施形態では、演出図柄表示装置6が表示面積において大小関係にあるメイン表示領域6aとサブ表示領域6bを備え、優位な演出として遊技者に選択された演出に係る画像表示演出をメイン表示領域6aで、一方、劣位な演出として選択された画像表示演出をサブ表示領域6bで表示する構成を例示した。しかし、サブ表示領域6bの配設位置、メイン表示領域6aとの面積比等は、適宜変更可能であることは無論であるが、さらに、この構成に限定せず、遊技者が決定した優劣関係を演出効果に反映することが期待出来る構成であれば、他の方法でも良い。
例えば、両表示領域の彩色や発光度合い等、遊技者の嗜好に沿って観賞が容易或いは困難となる条件付けにおいて、優劣関係が維持されるように構成されるものであれば良い。つまり、遊技者が観たいと選択した側の画像表示演出の背景色が、他の画像表示演出の背景色よりも、明度や彩度に関して、観易い条件に設定したり、そもそも当該表示領域全体の明るさに関して明るく設定し他方の表示領域を暗く設定したりすることで、観賞の容易性に差が生まれるように構成してもよい。
このように構成することにより、劣位にある画像表示演出が実行されていても視認性が低く、優位にある画像表示演出を観賞するにあたり、障害とならないことから、遊技者は自ら選択した優位な画像表示演出を存分に楽しむことが出来、遊技者の嗜好を満足させることが可能となる。
【0231】
また、演出図柄表示装置6の表示領域をメイン表示領域6aとサブ表示領域6bで区画形成するのではなく、表示装置自体を個別の構成として個々に特別演出と通常演出を各々表示する構成でも良い。その場合、表示装置の大きさ、形状等は自由に設定可能である。一方を大きく、他方を小さく形成しても、また同等の大きさに形成しても良い。何れにしても、優位な演出を優先的に表示演出することが可能であって、その表示媒体を遊技者が自由に選択できれば良い。
このように構成することにより、特別演出と通常演出の画像表示演出が個別の構成で実行されるので、相互に障害となることがなく、遊技者の嗜好を充足する上で有益である。
【0232】
また、第一実施形態では、カウントダウン演出の終了と同時に特別演出の実行開始となる例を示したが、当該構成に限定するものではなく、カウントダウン演出の終了から所定時間が経過した後に特別演出が開始される構成としても良い。このようにすることで、カウントダウン演出終了から特別演出開始までに何れの演出にも該当しない一定の期間が設定され、遊技者が特別演出の開始を期待して待機する期間とすることができ、興趣の向上が図られる。
【0233】
また、上述した実施形態では演出ボタン67およびジョグダイヤル68を上記手順により操作することで、優位演出の変更意思を判断したが、他の方法でも良い。演出ボタン67およびジョグダイヤル68の何れか一方のみを使用するようにしても良いし、順序を逆にしても良い。また、他の操作手段を用いて操作を行うようにしても良く、適宜、変更可能である。これにより、操作手段の構成や、操作内容に制限されることなく、遊技機の設計の自由度が向上する。
【0234】
S650、S750、およびS925で、ランプ表示すなわち枠ランプ表示演出および盤ランプ表示演出が共に、特別演出に対応した内容で実行される構成を例示した。しかし、これに限定しない。ランプ表示の内で、他の複数のパチンコ機が特別演出を一斉実行するときに統一感を欠く虞の比較的に高い枠ランプ表示が特別演出に対応するのであれば良い。前記統一感を欠く虞が比較的に低い盤ランプ表示は、通常演出に対応するように構成しても良い。
このように構成することにより、通常演出を選択した一部の遊技者の嗜好を一層充足しつつ、一斉演出の統一感も維持することが可能となる。
【0235】
また、第一実施形態の演出図柄表示装置6における表示態様(
図15(a)乃至(c)参照)として、表示される演出が無い場合にもサブ表示領域6bを区画表示した例を示したが、表示される演出が有る場合にのみサブ表示領域6bの区画を表示するようにしても良い。
このようにすることにより、メイン表示領域6aを拡大し、大きな表示領域で表示することができる。
【0236】
また、第一実施形態の演出図柄表示装置6においてメイン表示領域6aおよびサブ表示領域6bを備え、優位演出と決定された演出(通常演出または特別演出)に係る画像表示演出をメイン表示領域6aに表示することで優先実行する構成を例示したが、これに限定しない。すなわち、優位演出に決定された演出を、優位演出に決定されなかった劣位演出よりも、優先度の高い、或いは当該演出を選択した遊技者をして観賞容易な条件によって実行する、すなわち優先実行するのであれば他の方法でも良い。例えば、サブ表示領域6bを備えずメイン表示領域6aのみを備える構成であっても良い。
このように構成することにより、狭隘な演出図柄表示装置6の表示領域を、メイン表示領域6aだけで占めることができ、遊技者が望む演出を広い表示領域を使って充分に提供でき、さらに遊技者の嗜好を充足させることができる。
【0237】
また、第二実施形態では、サブ統合制御装置83は、S750の通常演出優先実行処理において、特別演出の変更を許容しない構成となっているが、S765の特別演出優先実行処理2と同様に変更可能に構成しても良い。
このように構成することで、特別演出実行中の、演出選択の自由度が増し、より広く遊技者の嗜好に対応可能となる。
【0238】
また、第一実施形態ではシーケンスラインを用いない構成として例示したが、第二実施形態と同様に通常演出用シーケンスラインおよび特別演出用シーケンスラインを備え、メイン表示領域6aおよびサブ表示領域6bにて並行して画像演出表示を行う構成であっても良い。
このような構成とすることで、メイン表示領域6aおよびサブ表示領域6bの画像表示演出を切り換える場合、不具合無く行うことができる。
【0239】
また、第二実施形態では、サブ統合制御装置83は、S765の特別演出優先実行処理2(
図19参照)において、図柄変動中または保留記憶が有ることを条件にしてS815の優先演出変更促進処理2を実行する構成となっているが、これに限定せず、保留先読みコマンド等の大当りとなる期待度の高い特定のコマンドを受信したときに限定して実行する構成としても良い。
このように構成することで、変更促進の表示演出を必要な場合にのみ実行し特別演出の邪魔にならないようにすることができる。また、変更促進表示が行われることが大当りへの期待度の高い報知の機能も担うことになり、興趣の向上に資する。
【0240】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0241】
パチンコ機50が遊技機に、主制御装置80が主制御手段に、サブ統合制御装置83,演出図柄制御装置82がサブ制御手段,演出ボタン32及びジョグダイヤル33が操作手段に、枠用各種LED、ランプ31a、盤用各種LED、ランプ31b、スピーカ30、演出図柄表示装置6が、各種演出手段に相当する。また、特別図柄変動表示演出及び大当り遊技演出が通常演出に、ライヴ演出が特別演出に相当する。
【0242】
また、特別演出実行カウンタが、計時手段に相当する。
【0243】
また、優先演出選択制御処理1のS620、S625、およびS630、優先演出選択制御処理2のS720、S725、およびS730、特別演出選択制御処理2のS820、およびS825、優先演出選択制御処理3のS915が、優位演出決定手段に相当する。
【0244】
また、優先演出選択制御処理1のS650、およびS655、優先演出選択制御処理2のS750、およびS765、特別演出選択制御処理2のS810、およびS830、優先演出選択制御処理3のS920、およびS925が、優位演出優先実行手段に相当する。
【0245】
また、特別演出選択制御処理2のS810、およびS830が、優位演出変更手段に相当する。
【0246】
また、優先演出選択制御処理1のS615による変更促進表示領域6dにおける報知、優先演出選択制御処理2のS715による変更促進表示領域6dにおける報知、特別演出選択制御処理2のS815による変更促進表示領域6dにおける報知が、変更可能報知手段に相当する。
【0247】
また、特別演出選択制御処理2のS800における肯定判定、またはS805における肯定判定が、所定条件の成立に相当する。