特許第5728712号(P5728712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • 5728712-遊技機 図000002
  • 5728712-遊技機 図000003
  • 5728712-遊技機 図000004
  • 5728712-遊技機 図000005
  • 5728712-遊技機 図000006
  • 5728712-遊技機 図000007
  • 5728712-遊技機 図000008
  • 5728712-遊技機 図000009
  • 5728712-遊技機 図000010
  • 5728712-遊技機 図000011
  • 5728712-遊技機 図000012
  • 5728712-遊技機 図000013
  • 5728712-遊技機 図000014
  • 5728712-遊技機 図000015
  • 5728712-遊技機 図000016
  • 5728712-遊技機 図000017
  • 5728712-遊技機 図000018
  • 5728712-遊技機 図000019
  • 5728712-遊技機 図000020
  • 5728712-遊技機 図000021
  • 5728712-遊技機 図000022
  • 5728712-遊技機 図000023
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5728712
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
   A63F7/02 334
   A63F7/02 315Z
【請求項の数】5
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-198367(P2013-198367)
(22)【出願日】2013年9月25日
(65)【公開番号】特開2015-62553(P2015-62553A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2013年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】坂井 隆宏
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−228430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当否判定の契機となる判定条件の成立を検出する検出手段と、
所定の乱数値範囲において、時間の経過に伴って乱数値を更新する乱数更新手段と、
前記検出手段によって前記判定条件の成立を検出したことを起因に、前記乱数更新手段によって更新される乱数値を取得する乱数取得手段と、
前記乱数取得手段によって取得された乱数値に基づいて当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が当たりになることに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与実行手段と、を有する遊技機であって、
前記検出手段により前記判定条件の成立を検出した第1検出タイミングと、前記検出手段により前記第1検出タイミングの直前に前記判定条件の成立を検出した第2検出タイミングに基づいて、判定条件の成立を検出した時期的間隔を示す検出間隔を特定する検出間隔特定手段と、
前記検出間隔特定手段により特定された複数の検出間隔が、連続して所定回数以上、一定範囲の間隔を示す場合に、前記判定条件が所定間隔で成立しているものと判断する検出間隔監視手段と、
前記検出間隔監視手段によって、前記判定条件が所定間隔で成立しているものと判断された場合に、異常検知信号を出力する間隔異常検知出力手段と、を有する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記乱数取得手段によって取得された乱数値が、前記乱数値範囲に含まれる特定の乱数値を少なくとも含んだ前記乱数値範囲内の乱数値により構成される監視範囲に含まれているか否かを監視する範囲監視手段と、
前記範囲監視手段によって、取得された乱数値が前記監視範囲内に含まれていると判断した場合に、予め設定された所定回数連続しているか否かを判断する連続監視範囲判断手段と、
前記連続監視範囲判断手段によって、取得された乱数値が前記監視範囲内に含まれていると連続して所定回数以上判断された場合に、異常検知信号を出力する数値異常検知出力手段と、を有する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記乱数取得手段によって、既に取得された乱数値を示す履歴乱数値を保持する履歴保持手段と、を有し、
前記範囲監視手段は、
前記履歴乱数値保持手段に保持されている直前に取得された履歴乱数値を前記特定の乱数値として、当該履歴乱数値から連続する所定の範囲値分の乱数値によって構成される監視範囲を設定する監視範囲設定手段と、
前記乱数取得手段により新たに取得された乱数値と、前記履歴保持手段に保持されている直前に取得された履歴乱数値との差分を算出する差分値算出手段と、
前記差分値算出手段により差分値と、前記監視範囲設定手段で設定された前記監視範囲の範囲値とを比較し、前記差分値が前記範囲値よりも小さい場合に、前記新たに取得した乱数値が前記監視範囲に含まれると判定する監視判定手段と、を有する
ことを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記範囲監視手段は、
前記当否判定手段によって当たりと判定される乱数値を前記特定の乱数値として構成した監視範囲に、前記乱数取得手段によって取得された乱数値が含まれているか否かを監視する
ことを特徴とする請求項2記載の遊技機。
【請求項5】
前記検出手段は、
遊技球が流下する遊技盤に配設された特定入賞口に対して、前記遊技球が入賞したことを検出した場合に、前記判定条件の成立を検出する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間の経過に伴って更新される乱数値を、判定条件の成立を起因に取得し、取得した乱数値に基づいて当否判定を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機は、判定条件の成立を起因に、乱数値を取得して当否判定を行い、当否判定の結果が当たりになることに基づいて遊技者に特典を付与するように構成されている。そして、遊技機は、所定の乱数値範囲において、時間の経過に伴って乱数値を更新するように構成されている。
【0003】
そして、このような遊技機に関する発明として、特許文献1記載の発明が知られている。当該特許文献1記載の遊技機は、所謂、パチンコ機として構成されており、始動入賞口に対する遊技球の入賞を検知すると、大当り判定用乱数を取得して、当該大当り判定用乱数の値に基づいて、特典を付与する。又、特許文献1記載の遊技機は、大当り用判定用乱数を、時間の経過に伴って、所定の周期毎に順次更新している。
【0004】
【特許文献1】特開2006−230611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1記載のパチンコ機等の遊技機にあっては、不正に遊技球(賞球)を得るべく、遊技機に対して不正行為が行われることがある。このような不正行為の一つとして、当否判定に用いられる乱数値が、時間の経過に伴って周期的に更新される点を利用した不正行為があり、例えば、所謂、体感器を用いた不正行為や不正基板を取り付けることによる不正行為が知られている。遊技機に対する不正行為は、当該遊技機を設置する店舗は勿論、他の遊技者等に種々の不利益を与える為、このような不正行為を防止する必要がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、時間の経過に伴って更新される乱数値を、判定条件の成立を起因に取得し、取得した乱数値に基づいて当否判定を行う遊技機に関し、遊技機に対する不正行為を監視し得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る請求項1記載の遊技機は、当否判定の契機となる判定条件の成立を検出する検出手段と、所定の乱数値範囲において、時間の経過に伴って乱数値を更新する乱数更新手段と、前記検出手段によって前記判定条件の成立を検出したことを起因に、前記乱数更新手段によって更新される乱数値を取得する乱数取得手段と、前記乱数取得手段によって取得された乱数値に基づいて当否判定を行う当否判定手段と、前記当否判定手段による当否判定の結果が当たりになることに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与実行手段と、を有する遊技機であって、前記検出手段により前記判定条件の成立を検出した第1検出タイミングと、前記検出手段により前記第1検出タイミングに続いて前記判定条件の成立を検出した第2検出タイミングに基づいて、判定条件の成立を検出した時期的間隔を示す検出間隔を特定する検出間隔特定手段と、前記検出間隔特定手段により特定された複数の検出間隔が、連続して所定回数以上、一定範囲の間隔を示す場合に、前記判定条件が所定間隔で成立しているものと判断する検出間隔監視手段と、前記検出間隔監視手段によって、前記判定条件が所定間隔で成立しているものと判断された場合に、異常検知信号を出力する間隔異常検知出力手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
当該遊技機は、検出手段と、乱数更新手段と、乱数取得手段と、当否判定手段と、特典付与実行手段と、を有しており、前記検出手段によって前記判定条件の成立を検出したことを起因に、時間の経過に伴って更新される乱数値を取得し、取得した乱数値に基づく当否判定の結果が当たりになることに基づいて遊技者に特典を付与するように構成されている。そして、当該遊技機は、検出間隔特定手段と、検出間隔監視手段と、間隔異常検知出力手段と、を有しており、前記検出間隔特定手段により特定された複数の検出間隔が、連続して所定回数以上、一定範囲の間隔を示す場合に、前記判定条件が所定間隔で成立しているものと判断し、異常検知信号を出力する。これにより、当該遊技機によれば、故意に所定の時間間隔で判定条件を成立させる行為を監視することができ、当否判定に用いられる乱数値が、時間の経過に伴って更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為)を抑制し得る。
【0009】
本発明の一側面に係る請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機であって、前記乱数取得手段によって取得された乱数値が、前記乱数値範囲に含まれる特定の乱数値を少なくとも含んだ前記乱数値範囲内の乱数値により構成される監視範囲に含まれているか否かを監視する範囲監視手段と、前記範囲監視手段によって、取得された乱数値が前記監視範囲内に含まれていると判断した場合に、予め設定された所定回数連続しているか否かを判断する連続監視範囲判断手段と、前記連続監視範囲判断手段によって、取得された乱数値が前記監視範囲内に含まれていると連続して所定回数以上判断された場合に、異常検知信号を出力する数値異常検知出力手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
当該遊技機は、範囲監視手段と、連続監視範囲判断手段と、数値異常検知出力手段と、を有し、取得された乱数値が前記監視範囲内に含まれていると連続して所定回数以上判断された場合に、異常検知信号を出力する。これにより、当該遊技機によれば、乱数値範囲内の特定の乱数値を基準に構成された監視範囲と、取得した乱数値を比較することで、特定の乱数値に対応する特典を意図して、故意に所定の時間間隔で判定条件を成立させる行為を監視することができ、当否判定に用いられる乱数値が、時間の経過に伴って更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為)を抑制し得る。
【0011】
本発明の一側面に係る請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機であって、前記乱数取得手段によって、既に取得された乱数値を示す履歴乱数値を保持する履歴保持手段と、を有し、前記範囲監視手段は、前記履歴乱数値保持手段に保持されている直前に取得された履歴乱数値を前記特定の乱数値として、当該履歴乱数値から連続する所定の範囲値分の乱数値によって構成される監視範囲を設定する監視範囲設定手段と、前記乱数取得手段により新たに取得された乱数値と、前記履歴保持手段に保持されている直前に取得された履歴乱数値との差分を算出する差分値算出手段と、前記差分値算出手段により差分値と、前記監視範囲設定手段で設定された前記監視範囲の範囲値とを比較し、前記差分値が前記範囲値よりも小さい場合に、前記新たに取得した乱数値が前記監視範囲に含まれると判定する監視判定手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
当該遊技機は、履歴保持手段と、範囲監視手段として、監視範囲設定手段と、差分値算出手段と、監視判定手段とを有し、履歴乱数値を前記特定の乱数値として、当該履歴乱数値から連続する所定の範囲値分の乱数値によって構成される監視範囲内に、前記新たに取得した乱数値が含まれるか否かを、差分値算出手段により算出された差分値と、範囲値を比較することで判定する。これにより、当該遊技機によれば、履歴乱数値に近似する特定の乱数値に対応する特典を意図して、故意に所定の時間間隔で判定条件を成立させる行為を監視することができ、当否判定に用いられる乱数値が、時間の経過に伴って更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為)を抑制し得る。
【0013】
本発明の一側面に係る請求項4記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機であって、前記範囲監視手段は、前記当否判定手段によって当たりと判定される乱数値を前記特定の乱数値として構成した監視範囲に、前記乱数取得手段によって取得された乱数値が含まれているか否かを監視することを特徴とする。
【0014】
当該遊技機によれば、当否判定手段によって当たりと判定される乱数値に対応する特典を意図して、故意に所定の時間間隔で判定条件を成立させる行為を監視することができ、当否判定に用いられる乱数値が、時間の経過に伴って更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為)を抑制し得る。
【0015】
本発明の一側面に係る請求項5記載の遊技機は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の遊技機であって、前記検出手段は、遊技球が流下する遊技盤に配設された特定入賞口に対して、前記遊技球が入賞したことを検出した場合に、前記判定条件の成立を検出することを特徴とする。
【0016】
当該遊技機によれば、前記検出手段は、遊技球が流下する遊技盤に配設された特定入賞口に対して、前記遊技球が入賞したことを検出した場合に、前記判定条件の成立を検出するので、所謂、パチンコ機に対して、当否判定に用いられる乱数値が、時間の経過に伴って更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為)を抑制し得る
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、検出間隔特定手段により特定された複数の検出間隔が、連続して所定回数以上一定範囲の間隔を示す場合に、前記判定条件が所定間隔で成立しているものと判断し、異常検知信号を出力する為、当否判定に用いられる乱数値が、時間の経過に伴って更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為)を抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る遊技機の正面図である。
図2】遊技機の制御系を示すブロック図である。
図3】主制御基板におけるメイン処理のフローチャートである。
図4】割込み処理のフローチャートである。
図5】セキュリティ制御処理のフローチャートである。
図6】始動検出間隔監視処理のフローチャートである。
図7】始動入賞口スイッチ検出処理のフローチャートである。
図8】第1実施形態に係る乱数履歴監視処理のフローチャートである。
図9】普通動作処理のフローチャートである。
図10】特別動作処理のフローチャートである。
図11】特別図柄待機処理のフローチャートである。
図12】特別図柄大当たり判定処理のフローチャートである。
図13】特別図柄選択処理のフローチャートである。
図14】変動パターン選択処理のフローチャートである。
図15】特別図柄乱数シフト処理のフローチャートである。
図16】変動中処理のフローチャートである。
図17】特別図柄確定処理のフローチャートである。
図18】特別電動役物処理のフローチャートである。
図19】確変・非確変設定処理のフローチャートである。
図20】保留球数処理のフローチャートである。
図21】電源断監視処理のフローチャートである。
図22】第2実施形態に係る乱数履歴監視処理のフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を、パチンコ遊技機である遊技機1に適用した実施形態(第1実施形態)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1に示すように、遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2と、外枠Woと、前枠Wfと、ガラス枠を有している。外枠Woは、遊技機1の外枠を構成し、前枠Wfは、外枠Woの前面に取り付けられている。そして、ガラス枠は、前記前枠Wfに開閉可能にヒンジで取り付けられている。
【0021】
遊技盤2の縁には、外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置されている。そして、前記遊技盤2上には、遊技領域Rが、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画されている。当該遊技領域Rには、複数の誘導釘が遊技盤2表面に設けられており、遊技球を誘導する。
【0022】
又、遊技機1は、発射装置30と、上側球受け皿32と、下側球受け皿33と、スピーカ35と、装飾ランプ等からなるランプ装置と、遊技者によって操作可能な遊技ボタンスイッチと、を当該遊技機1の前面に有している。発射装置30は、操作レバー31を用いた遊技者の発射操作に応じて、遊技球を前記遊技領域Rへ向けて弾発発射するための装置である。上側球受け皿32は、発射装置30へ供給する遊技球と、払い出された遊技球とを受けるための受け皿である。下側球受け皿33は、上側球受け皿32の満杯時に遊技球を受けるための受け皿である。スピーカ35は、遊技機1における遊技の進行状況に応じて、効果音等を発する。
【0023】
前記遊技領域Rの中心線上には、上部から下部に向かって順に、図柄表示装置10と、第1始動入賞口20と、大入賞口25と、アウト口27が配設されている。そして、第1始動入賞口20の右上には、第2始動入賞口21と、図柄変動開始用ゲート23が配設されており、第1始動入賞口20の左上には、風車22が配設されている。前記第1始動入賞口20と、第2始動入賞口21と、大入賞口25は、遊技盤2に形成された遊技領域R内を流下する遊技球が入賞(入球)可能な複数の入賞装置に相当し、各入賞口に遊技球が入賞(入球)して入賞(入球)が検出された場合、一の入賞球の検出に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。尚、一の入賞球の検出に対する賞品球(遊技球)の払出個数は、前記入賞口(入賞装置)毎に設定されている。
【0024】
前記図柄表示装置10は、図柄等が表示可能なものであって、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。当該図柄表示装置10は、当該図柄表示装置の外枠として配設された表示枠体の内側に、特別図柄表示部11と、普通図柄表示部とを有している。又、図柄表示装置10は、特別図柄保留球数及び普通図柄保留球数を表示する。特別図柄保留球数は、特別図柄表示部11における特別図柄の変動表示中に、前記第1始動入賞口20、第2始動入賞口21に対する入賞検出に基づいた保留数(遊技球の入賞回数)を意味し、特別図柄に対する当否判定の保留を意味する。普通図柄保留球数は、図柄表示装置10における普通図柄の変動表示中に、前記図柄変動開始用ゲート23に対する入球検出に基いた保留数(遊技球が通過した回数)を意味する。
【0025】
そして、図柄表示装置10の特別図柄表示部11は、当否判定の結果を表示する為の特別図柄を変動表示可能な表示手段であり、左特別図柄と、中特別図柄と、右特別図柄とを、それぞれ変動表示し、所定時間変動表示した後、当否判定の結果に基づき左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄を停止表示する。特別図柄表示部11は、特別図柄に加え、背景画像(キャラクタ、背景、文字等を含む)を表示可能に構成されており、当該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。又、本実施形態では、遊技機1は、入賞順を記憶し入賞順に変動を開始するように構成されている。
【0026】
又、特別図柄は、上述したように左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄を含んでおり、それぞれ『0、1、2、3、4、5、6、7、8、9』の10通りの数字図柄によって構成されている。当該特別図柄は、大当たり後も低確率状態での遊技となる普通図柄(0、2、4、6、8)と、大当たり後、高確率遊技となる確変図柄(1、3、5、7、9)で構成されている。本実施形態においては、遊技の当否判定結果が大当たり(当たり)の場合には、前記特別図柄表示部11に大当たりの特別図柄組合せ(例えば、『1、1、1』(いわゆる‘1’のゾロ目)や『2、2、2』(いわゆる‘2’のゾロ目)等、同一数字の組合せ)で特別図柄が停止表示され、遊技者に有利な特典を付与する大当たり遊技(特別遊技)に移行する。遊技者に有利な特典は、本実施形態では、遊技者による遊技球の獲得し易さ増大に設定されている。
【0027】
図柄表示装置10における普通図柄表示部は、記号或いは絵(キャラクター)等の小当たり判定用普通図柄を変動表示及び停止表示する。当該普通図柄表示部に変動及び停止表示される普通図柄は、『○』と『×』の2種類からなり、小当たり(普通図柄当たり)の場合には、小当たり普通図柄『○』で停止表示される。一方、小当たり外れ(普通図柄外れ)の場合には、小当たり外れ普通図柄『×』で停止表示される。
【0028】
又、前記遊技盤2の背面には、第1始動入賞口検出スイッチが入賞球用通路に設けられており、前記第1始動入賞口20への遊技球の入賞を検出する。前記第1始動入賞口20への入賞検出は、乱数値の取得の起因および前記特別図柄の変動表示開始の起因とされ、更には、遊技者にとって有利となる大当たり状態となるか否かを判定する当否判定手段の判定を行うための判定条件の成立を意味している。
【0029】
又、前記特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示中に、前記第1始動入賞口20に遊技球が入賞しても、直ちに新たな特別図柄の変動表示を開始することができない為、遊技機1は、特別図柄の変動表示中における前記第1始動入賞口20に対する入賞検出数を特別図柄保留球数として記憶し、前記特別図柄表示部11における特別図柄の変動表示を一旦保留すると共に、前記特別図柄保留球数の記憶値を図柄表示装置10に表示する。そして、当該遊技機1は、前記特別図柄表示部11における前記特別図柄の変動開始によって、或いは変動終了による当否判定結果の表示によって、前記特別図柄保留球数の記憶値を減算すると共に、図柄表示装置10における特別図柄保留球数の表示個数を減らす。尚、前記第1始動入賞口20への入賞検出数記憶値の上限値は、当該変動中の記憶を除いて4に設定されている。
【0030】
尚、特別図柄保留球数が設定上限数まで記憶されている時には、前記第1始動入賞口検出スイッチがそれ以上遊技球の入賞を検出しても、特別図柄保留球数としては記憶されない無効球とされる。当該無効球については、遊技機1は、特別図柄の変動及び当否判定を行うことなく、入賞に対する賞品球(賞品遊技球)を所定数払い出す。
【0031】
第2始動入賞口21は、大当たり状態時、或いは高確率状態時や時短状態時(変動時間が短縮し、開閉部材が高確率状態と同様に通常よりも開放し易い状態)に遊技領域Rの右側に向かって発射された遊技球が入賞し易くなるように構成されており、開閉部材を有している。第2始動入賞口21の開閉部材は、遊技機1背面に配設された第2始動入賞口用ソレノイドによって、略垂直で遊技球の入賞困難な閉状態(通常状態)と、遊技球の入賞可能な開状態との間を変化可能に制御されている。又、第2始動入賞口21は、開閉部材が閉状態の時は入賞出来ない或いは入賞が困難な状態となっているため、開状態にならないと入賞し難い構成になっている。その為、高確率状態時や時短状態時(変動時間が短縮し、開閉部材が高確率状態と同様に通常よりも開放し易い状態)は、第2始動入賞口21に通常時より入賞し易くなる為、遊技領域Rの右側に向かって遊技球を発射した方が有利になるように構成されている。第2始動入賞口21の開状態への移行は、普通図柄表示部で普通図柄が変動した後、小当たりを示す特定の普通図柄(本実施形態では『○』)で確定停止表示された時に行われる。
【0032】
前記図柄変動開始用ゲート23は、前記遊技盤2背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチによって、図柄変動開始用ゲート23を通過する遊技球が検出された場合に、前記普通図柄表示部における普通図柄の変動を開始させる。又、当該遊技機1は、前記普通図柄の変動表示中に、前記図柄変動開始用ゲート23を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動を、最高4回まで普通図柄保留球数として記憶すると共に、図柄表示装置10における普通図柄保留球数値を表示する。そして、遊技機1は、普通図柄の変動開始によって、普通図柄保留球数を減らし、図柄表示装置10における普通図柄保留球数の表示個数を減らす。
【0033】
前記大入賞口25は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板26を備えている。大入賞口25は、通常、開閉板26によって閉塞された状態とされ、当否判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技(特別遊技)時に、所定ラウンド開放される。大入賞口25内には、入賞球数カウントスイッチが配設されており、大入賞口25に入賞した入賞球を検出する。尚、第1始動入賞口検出スイッチ、第2始動入賞口検出スイッチ、入賞球数カウントスイッチは、入賞装置において入賞検出をする入賞検出手段(検出手段)に相当する。
【0034】
発射装置30は、操作レバー31の操作により駆動する発射モータを、遊技機1裏側に有し、当該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射する。前記発射装置30により発射された遊技球は、前記遊技盤2表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して、遊技領域Rに誘導される。前記遊技領域Rに誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口27から遊技盤2裏側へ排出される。
【0035】
前記遊技機1の裏側には、複数の制御基板や装置等が配設されている。制御基板の主なものとしては、主制御基板40と、サブ制御基板50と、表示制御基板55と、音声制御基板60と、払出制御基板65と、発射制御基板70と、電源基板等を有している。又、装置としては、貸球払出装置66と、賞球払出装置67と、外部端子と、球無し検出スイッチと、球貯留タンクと、球誘導樋とを有している。又、各制御基板は、単独で又は複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。
【0036】
次に、遊技機1における制御系について、図2を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、当該遊技機1の裏側には、遊技系統の制御を行う主制御基板40と、サブ制御基板50と、及び当該主制御基板40の制御下で図柄表示装置10における特別図柄の可変表示を行う表示制御基板55と、音声制御を行う音声制御基板60と、払出制御基板65と、発射制御基板70と、ランプやLED等の発光体の制御を行うランプ制御基板等が配設されている。
【0037】
主制御基板40は、遊技情報に従って遊技を制御すると共に、遊技情報を記憶する記憶手段を備えた遊技制御装置に相当し、CPU41、RAM、ROMおよび複数のカウンタを有するマイクロコンピュータを少なくとも備えている。当該主制御基板40は、サブ制御基板50、払出制御基板65と接続され、又、中継回路を介して第1始動入賞口20や大入賞口25等と接続されている。前記主制御基板40のCPU41は、後述する各種制御プログラムを実行して、遊技に関する制御を行う。
【0038】
CPU41は、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当たりや小当たり(第2始動入賞口21の拡開開放を行う普通図柄当たり)に係る乱数等も生成し、又、各制御基板に対して制御コマンドを出力可能に構成されている。
【0039】
そして、主制御基板40のRAMは、第1始動入賞口検出スイッチや第2始動入賞口検出スイッチで検出された特別図柄保留球数及び普通図柄変動開始スイッチで検出された普通図柄用保留球数の記憶領域や、CPU41で生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU41の作業領域を備えている。主制御基板40のROMは、遊技上の制御プログラム(例えば、図3図22参照)や制御データと共に、大当たりや小当たりの数値等を記憶している。尚、主制御基板40は、電源基板から電源供給を受けて作動する。
【0040】
サブ制御基板50は、サブCPU51、ROM、RAM、複数のカウンタを有するマイクロコンピュータと、前記主制御基板40とを結ぶ入出力回路と、表示制御基板55、音声制御基板60やランプ制御基板とを結ぶ入出力回路を備えている。前記サブ制御基板50において、サブCPU51は、前記主制御基板40から出力された制御信号、サブ制御基板50に係る制御プログラムに従って遊技の制御を行う。前記主制御基板40からの制御信号には、前記特別図柄表示部11に対する変動データや前記ランプ装置に対する制御信号等が含まれる為、サブCPU51は、その制御信号の内容に合わせて遊技の制御を行う。
【0041】
前記サブ制御基板50のROMは、当該サブ制御基板50に係る制御プログラムやデータ定数、前記特別図柄表示部11での演出のデータ等を記憶している。又、サブ制御基板50のRAMは、各種データの記憶領域とサブCPU51による作業領域を有している。前記ランプ制御基板は、装飾ランプ等のランプ装置と接続されており、前記サブ制御基板50を介して、ランプ制御基板に送信された制御信号によって、ランプ装置の作動を制御する。前記サブ制御基板50は、電源基板から電源供給を受けて作動する。
【0042】
表示制御基板55は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、当該マイクロコンピュータとサブ制御基板50を結ぶ入力回路と、前記マイクロコンピュータと図柄表示装置10を結ぶ出力回路等で構成され、前記サブ制御基板50から出力される制御信号に基づいて、前記図柄表示装置10における表示の制御を行う。前記表示制御基板55のROMは、表示制御用のプログラムを記憶している。前記表示制御基板55は、前記サブ制御基板50からの制御信号に基づいて、ROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示部11に出力される。
【0043】
音声制御基板60は、配線等の電気的接続手段により、前記サブ制御基板50と接続されており、主制御基板40から出力された制御信号に基づいてスピーカ35から発する音声を制御する。即ち、音声制御基板60は、前記サブ制御基板50から出力される制御信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは、音声信号を増幅してスピーカ35に出力する。
【0044】
払出制御基板65は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有し、配線等による電気的接続手段によって、主制御基板40と、貸球払出装置66と、賞球払出装置67と接続されている。払出制御基板65は、前記主制御基板40から出力される制御信号を受信して、貸球払出装置66による遊技球の貸出、賞球払出装置67による賞球の払出に係る制御を実行する。前記払出制御基板65は、電源基板から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板65のROMは、制御用のプログラムを記憶している。前記払出制御基板65のRAMは、種々の入賞口への入賞検出に基づいて、前記賞球払出装置67により払い出される賞品球(遊技球)の払出個数を、一の入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっている。発射制御基板70は、前記発射装置30における発射モータの制御を行う。
【0045】
電源基板は、遊技機1外部より供給された主電源から遊技機1に適する所定電圧の遊技機用電源を生成して、主制御基板40やサブ制御基板50、払出制御基板65等に供給する。前記主電源は、遊技店側で所定の電圧(例えば、直流(AC)24V)に変換されて供給される。
【0046】
続いて、遊技機1において、主制御基板40で実行される制御処理について、図面を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、遊技機1における制御処理の一部は、主制御基板40のCPU41によって、各種制御プログラム(図3図21参照)を実行することによって実現される。
【0047】
先ず、遊技機1における主制御基板40のメイン処理について、図3を参照しつつ説明する。遊技機1に対する電源投入時には、主制御基板40のCPU41は、初期設定等を含むメインプログラムを実行する。
【0048】
図3に示すように、メイン処理では、CPU41は、先ず、初期設定処理を実行する(S1)。初期設定処理(S1)においては、CPU41は、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等を実行する。尚、電源投入時のみに必要な処理は、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
【0049】
続くS2においては、CPU41は、割込み禁止処理(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)、割込み許可処理(S4)を実行し、その後、再び割込み禁止処理(S2)に処理を戻す。割込み許可処理(S4)の後、割込み禁止処理へ処理を戻すループ処理の過程で、CPU41は、割込み処理を実行する(S5)。
【0050】
前記割込み禁止処理(S2)では、CPU41は、4msec毎に割込み処理(S5)が入ってきても、割込み許可となるまで、割込み処理の実行を禁止する。次の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)では、CPU41は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)毎に、種々の乱数に対して1加算し、乱数の設定上限値に至ると次に最小値に戻して、再び加算を行う。更新された乱数は、前記主制御基板40のRAMに記憶される。割込み許可処理(S4)では、CPU41は、4msec毎に入ってくる割込み処理(S5)の実行を許可する。
【0051】
次に、メイン処理で実行される割込み処理(S5)の処理内容について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図4に示すように、割込み処理(S5)においては、CPU41は、ウォッチドッグタイマのクリア(S11)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)、コマンド出力処理(S13)、入力処理(S14)、セキュリティ制御処理(S15)、タイマ減算処理(S16)、賞球制御処理(S17)、始動入賞口スイッチ検出処理(S18)、普通動作処理(S19)、特別動作処理(S20)、保留球数処理(S21)、表示制御処理(S22)、ポートデータ出力処理(S23)、ウォッチドッグタイマのリスタート(S24)、電源断監視処理(S25)を順に実行する。
【0052】
上述したように、CPU41は、ウォッチドッグタイマをクリアすることで初期化し(S11)、その後、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)を実行する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)では、CPU41は、前記メイン処理におけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同様の処理を実行する。続くコマンド出力処理(S13)では、CPU41は、各処理で設定された出力用のコマンド(制御信号)を、各制御基板に送信し、S14に処理を移行する。S14に移行すると、CPU41は、入力処理を実行し、遊技機1に取り付けられている各種センサが検知した場合の信号入力を行う。
【0053】
続いて、セキュリティ制御処理(S15)の処理内容について、図5図6を参照しつつ詳細に説明する。図5に示すように、セキュリティ制御処理(S15)に移行すると、CPU41は、始動検出間隔監視処理(S31)を実行し、第1始動入賞口20(或いは第2始動入賞口21)に対する入賞検出タイミングの時間間隔を計測し、不正行為が行われているか否かを監視する。
【0054】
具体的に、始動検出間隔監視処理(S31)の処理内容について、図6を参照しつつ説明する。S31に移行すると、CPU41は、先ず、第1始動入賞口20(或いは第2始動入賞口21)における入賞検出の有無を示すスイッチエッジデータをロードする(S41)。その後、CPU41は、ロードしたスイッチエッジデータに基づいて、第1始動入賞口20(或いは第2始動入賞口21)に対する遊技球の入賞を検出したか否かを判断する(S42)。始動入賞口に対する入賞検出があった場合(S42:YES)、CPU41は、S44に処理を移行する。一方、始動入賞口に対する入賞を検出しなかった場合(S42:NO)、CPU41は、タイマ値に1を加算する(S43)。ここで、タイマ値は、遊技機1に対して電源が投入された時点から計時を開始する計時装置の値であり、時間の経過に伴って随時更新される。タイマ値に1を加算することで、時間の経過に伴ってタイマ値を更新した後、CPU41は、始動検出間隔監視処理(S31)を終了する。
【0055】
S44に移行すると、CPU41は、第1検出間隔タイマ値と、第2検出間隔タイマ値を主制御基板40のRAMからロードする。ここで、第1検出間隔タイマ値は、今回、始動入賞口に対する入賞検出をしたタイミング(前回入賞検出してから今回入賞検出した間隔)を示すタイマ値を示し、第2検出間隔タイマ値は、第1検出間隔タイマ値の直前に、始動入賞口に対する入賞検出をしたタイミング(今回の前に入賞検出した際のその前に入賞検出してからの間隔)を示すタイマ値を示す。第1検出間隔タイマ値、第2検出間隔タイマ値のロードした後、CPU41は、S45に処理を移行する。
【0056】
S45においては、CPU41は、ロードした第1検出間隔タイマ値と、第2検出間隔タイマ値に基づいて、判定値を算出する。ここで、判定値は、ロードした第1検出間隔タイマ値と、第2検出間隔タイマ値の差分値(入賞検出間隔を前回と今回で比較した際の差)を示し、始動入賞口に対する入賞検出間隔を意味する。判定値を算出した後、CPU41は、S46に処理を移行する。
【0057】
S46では、CPU41は、判定値の算出に用いた第1検出間隔タイマ値の値を、第2検出間隔タイマ値として主制御基板40のRAMに格納し、第2検出間隔タイマ値を更新する。つまり、今回の検出間隔(第1検出間隔タイマ値)を次回の検出間隔との比較の為に第2検出間隔タイマ値として保存する。又、S46においては、CPU41は、新たに始動入賞口に対する入賞検出をしたタイミングで、第1検出間隔タイマ値を更新する為に、入賞検出を起因にタイマ値を0クリアする。その後、CPU41は、S47に処理を移行する。尚、S44〜S46が本発明の検出間隔特定手段に相当する。
【0058】
S47に移行すると、CPU41は、S45で算出した判定値が20ms以下であるか否かを判断する。つまり、前回と今回の検出間隔の誤差が±20ms以内であるか否かを判断している。判定値が20ms以下である場合(S47:YES)、CPU41は、主制御基板40のRAMに形成された検出間隔カウンタの値に1を加算し(S49)、S50に処理を移行する。一方、判定値が20msよりも大きい場合(S47:NO)、CPU41は、検出間隔カウンタの数値を0にクリアし(S48)、その後、始動検出間隔監視処理(S31)を終了する。尚、検出間隔カウンタの数値は、判定値が20ms以下であった回数、即ち、始動入賞口に対する入賞検出間隔が所定範囲であった回数を意味する。
【0059】
S50においては、CPU41は、検出間隔カウンタの数値が規定値(例えば、5回)以上であるか否かを判断する。検出間隔カウンタの値が規定値以上である場合(S50:YES)、CPU41は、故意に所定の時間間隔で連続的に始動入賞口への入賞検出を行い、大当たり乱数値が時間の経過に伴って(周期的に)更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いて不正に不正基板から入賞検出を行わせる不正行為等)が行われている蓋然性が高いと判断し、異常報知コマンドをセットする(S51)。その後、CPU41は、周辺基板データ出力処理(S52)を実行して、セットされている異常報知コマンドを出力し、始動検出間隔監視処理(S31)を終了する。一方、検出間隔カウンタの値が規定値未満である場合(S50:NO)、CPU41は、そのまま、始動検出間隔監視処理(S31)を終了する。尚、S47〜S52が本発明の検出間隔監視手段、間隔異常検知出力手段に相当する。
【0060】
図5に示すように、始動検出間隔監視処理(S31)終了後、CPU41は、その他の検出処理(S32)を実行することで、入賞検出センサ、外部からの磁気及び電波等を検出して遊技機1に対する不正行為を監視する。その他の検出処理(S32)を終了すると、CPU41は、セキュリティ制御処理(S15)を終了する。
【0061】
セキュリティ制御処理(S15)を終了した後、CPU41は、タイマ減算処理を実行する(S16)。タイマ減算処理(S16)においては、CPU41は、遊技機1に配設されている各種タイマの減算処理を行い、賞球制御処理(S17)に処理を移行する。賞球制御処理(S17)では、CPU41は、賞球払出用コマンドの設定等の賞球に関する処理を実行し、S18に処理を移行する。
【0062】
始動入賞口スイッチ検出処理(S18)においては、CPU41は、第1始動入賞口20(第2始動入賞口21)への入賞、図柄変動開始用ゲート23への入賞等を検出し、各種乱数値の取得を行う。ここで、始動入賞口スイッチ検出処理(S18)の処理内容について、図7を参照しつつ詳細に説明する。図7は、始動入賞口スイッチ入賞検出処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0063】
図7に示すように、始動入賞口スイッチ検出処理(S18)では、CPU41は、前記第1始動入賞口20(第2始動入賞口21)への入賞を検出したか否かを判断する(S61)。第1始動入賞口20(第2始動入賞口21)への入賞を検出した場合(S61:YES)、CPU41は、S62に処理を移行し、第1始動入賞口20(第2始動入賞口21)への入賞を検出しなかった場合(S61:NO)、CPU41は、S65に処理を移行する。尚、図示は省略するが、第2始動入賞口21への入賞検出処理は、第1始動入賞口20と同様の処理として実行される。
【0064】
S62に移行すると、CPU41は、特別図柄保留球数が4以上であるか否かを判断する。4以上である場合(S62:YES)、CPU41は、その他の処理(S70)を実行した後、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。一方、特別図柄保留球数が4未満である場合(S62:NO)、CPU41は、特別図柄保留球数に「1」加算し(S63)、大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値等を取得して、主制御基板40のRAMの対応する領域に記憶する(S64)。その後、CPU41は、S65に処理を移行する。
【0065】
ここで、S64等で取得される大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値等の各種乱数値について説明する。大当たり乱数値は、特別図柄の大当たりを抽選する乱数値であり、0〜629の数値範囲をとる。大当たり乱数値は、遊技機1の電源投入時、0からスタートし、特別図柄主要乱数更新処理毎に1加算される。大当たり図柄乱数値は、大当たり図柄の選択に使用する乱数値であり、0〜9の数値範囲をとる。又、大当たり図柄乱数値が奇数値を示す場合、遊技機1における遊技は確変になる。リーチ乱数値は、当否判定の結果がはずれの場合に、リーチをするか否かの判定に使用する乱数値であり、0〜126の数値範囲をとる。尚、大当たりの場合は、必ずリーチを行うので、このリーチ乱数値が使用されることはない。演出乱数用カウンタは、第1〜第6変動パターンテーブル内で変動パターンを選択する際に用いられるものであり、0〜198の数値範囲の演出乱数を備える。この演出乱数は、電源投入時、0から始まり、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が198に至ると、次に0にされて再び加算を繰り返すようになっている。
【0066】
S65に移行すると、CPU41は、乱数履歴監視処理を実行し、始動入賞口に対する入賞検出に起因して取得された大当たり乱数値の履歴を用いて、遊技機1に対する不正行為を監視する。図8は、第1実施形態に係る乱数履歴監視処理(S65)の処理内容を示すフローチャートである。
【0067】
図8に示すように、乱数履歴監視処理(S65)に移行すると、先ず、CPU41は、第1比較値として、S64で取得した大当たり乱数値を、主制御基板40のRAMからロードする(S71)。その後、CPU41は、第2比較値として、主制御基板40のRAMから、履歴乱数値をロードする(S72)。ここで、履歴乱数値とは、後述するS74で主制御基板40のRAMに格納される大当たり乱数値であり、今回の始動入賞口スイッチ検出処理(S18)の直前に、第1比較値として使用された大当たり乱数値(本発明に係る特定の乱数値の一例に相当)をいう。その後、CPU41は、S73に処理を移行する。
【0068】
S73に移行すると、CPU41は、ロードした第1比較値と第2比較値の差分をとり、判定値を算出する(本発明の差分値算出手段に相当する)。即ち、判定値は、今回取得した大当たり乱数値と、その直前に取得した大当たり乱数値との乱数値の差分を示し、取得した乱数値が連続して近似値を取得しているかを監視している。判定値を算出した後、CPU41は、第1比較値としてロードした大当たり乱数値を、履歴乱数値として主制御基板40のRAMに格納する(S74)(本発明の履歴保持手段に相当する)。これにより、次回の乱数履歴監視処理(S65)において、今回の大当たり乱数値に対応する履歴乱数値が、第2比較値としてロードされ得る。
【0069】
S75においては、CPU41は、S73で算出した判定値が5より小さいか否かを判断する。ここでいう「5」という値は、本実施形態における範囲値に相当し、第2比較値と近似すると判断される乱数監視範囲を規定する(本発明の監視範囲設定手段、監視判定手段に相当する)。又、S71〜S75は本発明の範囲監視手段に相当する。判定値が5より小さい場合(S75:YES)、CPU41は、主制御基板40のRAMに形成された連続近似値カウンタを1加算する(S77)。ここで、連続近似値カウンタの数値は、始動入賞口に対する入賞により取得された大当たり乱数値が連続して近似した値をとった回数を示す。連続近似値カウンタに1を加算した後、CPU41は、S78に処理を移行する。一方、判定値が5以上である場合(S75:NO)、CPU41は、連続近似値カウンタを0にクリアし(S76)、乱数履歴監視処理(S65)を終了する。
【0070】
S78では、CPU41は、連続近似値カウンタの数値が規定値(例えば、5回)以上であるか否かを判断する。連続近似値カウンタの値が規定値以上である場合(S78:YES)、CPU41は、特定の大当たり乱数値を故意に狙って不正取得すべく、大当たり乱数値が時間の経過に伴って(周期的に)更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為等)が行われている蓋然性が高いと判断し、異常報知コマンドをセットする(S79)。その後、CPU41は、周辺基板データ出力処理(S80)を実行して、セットされている異常報知コマンドを出力し、乱数履歴監視処理(S65)を終了する。一方、連続近似値カウンタの値が規定値未満である場合(S50:NO)、CPU41は、そのまま、乱数履歴監視処理(S65)を終了する。尚、S76〜S80は本発明の連続監視範囲判断手段、数値異常検知出力手段に相当する。
【0071】
乱数履歴監視処理(S65)を終了すると、CPU41は、その他の処理(S70)を実行した後、始動入賞口スイッチ検出処理(S14)を終了する。
【0072】
図7に示すように、第1始動入賞口20(第2始動入賞口21)への入賞を検出しなかった場合(S61:NO)に移行するS66においては、CPU41は、前記図柄変動開始用ゲート23への遊技球の通過を検出したか否かを判断する。図柄変動開始用ゲート23への遊技球の通過を検出した場合(S66:YES)、CPU41は、S67に処理を移行する。一方、図柄変動開始用ゲート23への遊技球の通過を検出していない場合(S66:NO)、CPU41は、その他の処理(S70)を実行した後、始動入賞口スイッチ検出処理(S18)を終了する。
【0073】
S67においては、CPU41は、普通図柄保留球数が4以上であるか否かを判断する。普通図柄保留球数が4以上である場合(S67:YES)、CPU41は、その他の処理(S70)を実行した後、そのまま、始動入賞口スイッチ検出処理(S18)を終了する。一方、4未満である場合(S67:NO)、CPU41は、普通図柄保留球数に1を加算し(S68)、その後、小当たり乱数値を取得して、取得した小当たり乱数値を主制御基板40のRAMにおける対応する領域に記憶する(S69)。小当たり乱数値を記憶した後、CPU41は、その他の処理(S70)を実行した後、始動入賞口スイッチ検出処理(S18)を終了する。
【0074】
上述したように、割込み処理において、始動入賞口スイッチ検出処理(S18)を終了すると、CPU41は、普通動作処理を実行する(図4参照)。ここで、普通動作処理(S19)の処理内容について、図9を参照しつつ詳細に説明する。
【0075】
図9に示すように、普通動作処理(S19)に移行すると、CPU41は、先ず、第2始動入賞口21の開閉部材が開放中か否かを確認する(S81)。第2始動入賞口21の開閉部材が開放中である場合(S81:YES)、CPU41は、S89に処理を移行する。一方、前記第2始動入賞口21の開閉部材が閉鎖中である場合(S81:NO)、CPU41は、S82に処理を移行する。
【0076】
S82では、CPU41は、普通図柄保留球数が0か否かを確認する。普通図柄保留球数が0である場合(S82:YES)、CPU41は、普通動作処理(S19)を終了する。一方、普通図柄保留球数が0でない場合(S82:NO)、CPU41は、主制御基板40のRAMに記憶されている小当たり乱数値をロードし(S83)、現在確変中(高確率状態)であるか否かを確認する(S84)。
【0077】
確変中ではない低確率状態である場合(S84:NO)、CPU41は、取得した小当たり乱数値に基づいて、低確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S85)。低確率状態での大当たりである場合(S85:YES)、CPU41は、開閉部材解放処理(S86)を実行し、第2始動入賞口21を開放時間1秒、開放回数1回で開放する。その後、CPU41は、普通動作処理(S19)を終了する。低確率状態での大当たりでない場合(S85:NO)、CPU41は、そのまま普通動作処理(S19)を終了する。
【0078】
確変中(高確率状態)である場合(S84:YES)、CPU41は、取得した小当たり乱数値に基づいて、高確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S87)。高確率状態での大当たりである場合(S87:YES)、CPU41は、開閉部材解放処理(S88)を実行し、第2始動入賞口21を開放時間2秒、開放回数3回で開放する。その後、CPU41は、普通動作処理(S19)を終了する。高確率状態での大当たりでない場合(S87:NO)、CPU41は、そのまま普通動作処理(S19)を終了する。
【0079】
S81において、第2始動入賞口21が開放中であると判断された場合(S81:YES)、CPU41は、第2始動入賞口21の開放処理時間が経過(終了)したか否かを判断する(S89)。開放処理時間が経過している場合(S89:YES)、CPU41は、開閉部材閉鎖処理(S90)を実行し、第2始動入賞口21の開閉部材を閉状態にする。その後、CPU41は、普通動作処理(S19)を終了する。一方、開放処理時間が経過していない場合(S89:NO)、CPU41は、そのまま普通動作処理(S19)を終了する。
【0080】
上述したように、割込み処理において、普通動作処理(S19)を終了すると、CPU41は、特別動作処理を実行する(図4参照)。ここで、特別動作処理(S20)の処理内容について、図10を参照しつつ詳細に説明する。
【0081】
図7に示すように、特別動作処理(S20)に移行すると、CPU41は、特別動作ステータスが1〜4の何れであるかを判断する(S91、S93、S95)。前記特別動作ステータスが1の場合(S91:YES)、CPU41は、特別図柄待機処理(S92)を実行する。前記特別動作ステータスが2の場合(S93:YES)、CPU41は、変動中処理(S94)を実行する。前記特別動作ステータスが3の場合(S95:YES)、CPU41は、特別図柄確定処理(S96)を実行する。特別動作ステータスが4の場合(S95:NO)、CPU41は、特別電動役物処理(S97)を実行する。特別図柄待機処理(S92)、変動中処理(S94)、特別図柄確定処理(S96)、特別電動役物処理(S97)の何れかを実行した後、CPU41は、特別動作処理(S20)を終了し、割込み処理における保留球数処理(S21)に処理を移行する。
【0082】
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S92)の処理内容について、図11を参照しつつ詳細に説明する。特別図柄待機処理(S92)に移行すると、CPU41は、図11に示すように、特別図柄保留球数が0か否かを判断する(S101)。特別図柄保留球数が0でない場合(S101:NO)、CPU41は、特別図柄大当たり判定処理(S102)を実行する。特別図柄保留球数が0である場合(S101:YES)、CPU41は、S109に処理を移行する。
【0083】
特別図柄大当たり判定処理(S102)の処理内容(本発明の当否判定手段に相当)について、図12を参照しつつ詳細に説明する。図12に示すように、特別図柄大当たり判定処理(S102)に移行すると、CPU41は、先ず、主制御基板40のRAMから、取得している大当たり乱数値をロードし(S111)、現在確変中(高確率状態)であるか否かを確認する(S112)。
【0084】
確変中ではない低確率状態である場合(S112:NO)、CPU41は、ロードした大当たり乱数値に基づいて、低確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S113)。具体的には、CPU41は、ロードした大当たり乱数値が3、397(奇数)の何れかであった場合に、低確率状態での大当たりであると判断する。低確率状態での大当たりである場合(S113:YES)、CPU41は、大当たりフラグをONにセットして(S115)、主制御基板40のRAMに形成された送信バッファに、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の何れかを示す当たりコマンドを格納し(S116)、その後、特別図柄大当たり判定処理(S102)を終了する。一方、低確率状態での大当たりでない場合(S113:NO)、CPU41は、「特別図柄外れ」のコマンドを、主制御基板40のRAMに形成された送信バッファにセットし(S117)、特別図柄大当たり判定処理(S102)を終了する。
【0085】
確変中(高確率状態)である場合(S112:YES)、CPU41は、ロードした大当たり乱数値に基づいて、高確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S114)。具体的には、CPU41は、ロードした大当たり乱数値が3、397、33、53、59、113、173、227、281、337、449、503(奇数)の何れかであった場合に、高確率状態での大当たりであると判断する。高確率状態での大当たりである場合(S114:YES)、CPU41は、大当たりフラグをONにセットし(S115)、主制御基板40の送信バッファに、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の何れかを示す当たりコマンドを格納する(S116)。その後、CPU41は、特別図柄大当たり判定処理(S102)を終了する。一方、高確率状態での大当たりでない場合(S114:NO)、CPU41は、「特別図柄外れ」のコマンドを、主制御基板40のRAMに形成された送信バッファにセットし(S118)、特別図柄大当たり判定処理(S102)を終了する。尚、特別図柄表示部11における特別図柄の組み合わせが大当たりとなる抽選確率は、低確率時は1/315であり、最高確率時は6/315の2種類である。
【0086】
特別図柄待機処理(S92)において、特別図柄大当たり判定処理(S102)を終了すると、CPU41は、特別図柄選択処理(S103)を実行し、前記特別図柄表示部11で停止表示する特別図柄を決定する。ここで、特別図柄選択処理(S103)の処理内容について、図13を参照しつつ詳細に説明する。
【0087】
図13に示すように、特別図柄選択処理(S103)に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMに形成された大当たりフラグがONであるか否かを判断する(S121)。大当たりフラグがONである場合(S121:YES)、CPU41は、S122に処理を移行する。大当たりフラグがONでない場合(S121:NO)、CPU41は、S123に処理を移行する。
【0088】
S122においては、CPU41は、第1始動入賞口20(第2始動入賞口21)への入賞検出時に取得した大当たり図柄乱数値を、主制御基板40の送信バッファに格納する。この時、CPU41は、左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が大当たり図柄乱数値と同じ特別図柄(ゾロ目)になるように格納する。その後、CPU41は、その他の処理(S133)を実行し、特別図柄選択処理(S103)を終了する。
【0089】
S123に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMから、左特別図柄を示す特別図柄データ(1)と、中特別図柄を示す特別図柄データ(2)と、右特別図柄を示す特別図柄データ(3)を取得し、S124に処理を移行する。
【0090】
S124では、CPU41は、特別図柄データ(1)、特別図柄データ(2)、特別図柄データ(3)として取得した3つの乱数値が一致しているか否かを判断する。3つの乱数値が一致している場合(S124:YES)、CPU41は、S125に処理を移行する。3つの乱数値が一致していない場合(S124:NO)、CPU41は、S128に処理を移行する。
【0091】
S125においては、CPU41は、第1始動入賞口20(第2始動入賞口21)への入賞検出時に取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S125:YES)、CPU41は、特別図柄データ(1)に係る乱数値に1加算したものを中特別図柄として、主制御基板40の送信バッファに格納する(S126)。その後、CPU41は、その他の処理(S133)を実行し、特別図柄選択処理(S103)を終了する。この時、左特別図柄、右特別図柄は同じ特別図柄であり、中特別図柄のみ異なる図柄となる為、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示す。
【0092】
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S125:NO)、CPU41は、特別図柄データ(1)に係る乱数値に1加算したものを右特別図柄として、主制御基板40の送信バッファに格納する(S127)。その後、CPU41は、その他の処理(S133)を実行し、特別図柄選択処理(S103)を終了する。この場合、左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が強制的に全て異なる特別図柄となる為、所謂「リーチなし外れ」の組み合わせを示す。
【0093】
S128においては、CPU41は、左特別図柄に係る特別図柄データ(1)と、右特別図柄に係る特別図柄データ(3)が一致しているか否かを判断する。特別図柄データ(1)と特別図柄データ(3)が一致している場合(S128:YES)、CPU41は、S129に処理を移行する。特別図柄データ(1)と特別図柄データ(3)が一致していない場合(S128:NO)、CPU41は、S131に処理を移行する。
【0094】
S129に移行すると、CPU41は、第1始動入賞口20(第2始動入賞口21)への入賞検出時に取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S129:YES)、CPU41は、S123で取得した特別図柄データ(1)〜(3)を、主制御基板40の送信バッファにそのまま格納する(S130)。その後、CPU41は、その他の処理(S133)を実行し、特別図柄選択処理(S103)を終了する。この場合、送信バッファには、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示すデータが格納される。
【0095】
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S129:NO)、CPU41は、S127に処理を移行し、所謂「リーチなし外れ」の組み合わせを示す特別図柄データを、主制御基板40の送信バッファに格納する(S127)。その後、CPU41は、その他の処理(S133)を実行し、特別図柄選択処理(S103)を終了する。
【0096】
S131においては、CPU41は、第1始動入賞口20(第2始動入賞口21)への入賞検出時に取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S131:YES)、CPU41は、右特別図柄に係る特別図柄データ(3)を、左特別図柄に係る特別図柄データ(1)と同値とし、中特別図柄に係る特別図柄データ(2)を、特別図柄データ(1)に1加算した値として、主制御基板40の送信バッファに格納する(S132)。その後、CPU41は、その他の処理(S133)を実行し、特別図柄選択処理(S103)を終了する。
【0097】
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S131:NO)、CPU41は、S130に処理を移行し、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示す特別図柄データを、主制御基板40の送信バッファに格納する。その後、CPU41は、その他の処理(S133)を実行し、特別図柄選択処理(S103)を終了する。
【0098】
特別図柄待機処理(S92)において、特別図柄選択処理(S103)を終了すると、CPU41は、変動パターン選択処理(S104)を実行し、前記特別図柄表示部11における特別図柄の変動パターンを設定する。ここで、変動パターン選択処理(S104)の処理内容について、図14を参照しつつ詳細に説明する。
【0099】
図14に示すように、変動パターン選択処理(S104)に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、通常状態であるか否かを判断する(S141)。通常状態である場合(S141:YES)、CPU41は、S142に処理を移行する。通常状態でなく確変中である場合(S141:NO)、CPU41は、S147に処理を移行する。
【0100】
S142に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、大当たりフラグがONであるか否かを判断する。大当たりフラグがONである場合(S142:YES)、CPU41は、通常状態中の当たりに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第1変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S143)。その後、CPU41は、S152に処理を移行する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S142:NO)、CPU41は、S144に処理を移行する。
【0101】
S144では、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致しているか否かを判断する。リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致している場合(S144:YES)、CPU41は、通常状態中のリーチハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第2変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S145)。その後、CPU41は、S152に処理を移行する。一方、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致していない場合(S144:NO)、CPU41は、通常状態中のハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第3変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S146)。その後、CPU41は、S152に処理を移行する。
【0102】
S147に移行すると、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、大当たりフラグがONであるか否かを判断する。大当たりフラグがONである場合(S147:YES)、CPU41は、確変中の当たりに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第4変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S148)。その後、CPU41は、S152に処理を移行する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S147:NO)、CPU41は、S149に処理を移行する。
【0103】
S149では、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照して、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致しているか否かを判断する。リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致している場合(S149:YES)、CPU41は、確変中のリーチハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第5変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S150)。その後、CPU41は、S152に処理を移行する。一方、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致していない場合(S149:NO)、CPU41は、確変中のハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第6変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S151)。その後、CPU41は、S152に処理を移行する。
【0104】
S152においては、CPU41は、選択した変動パターンに応じたコマンドを、主制御基板40の送信バッファにセットし、続いて、その他の処理(S153)を実行する。その後、CPU41は、変動パターン選択処理(S104)を終了し、特別図柄乱数シフト処理(S105)に処理を移行する。
【0105】
特別図柄乱数シフト処理(S105)では、主制御基板40のRAMにおける特別図柄保留球数のデータ記憶領域において、ロード順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄変動保留のデータが、先の処理でロードされて空席となることに起因して、CPU41は、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄変動保留のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトを実行する。
【0106】
ここで、特別図柄乱数シフト処理(S105)の処理内容について、図15を参照しつつ詳細に説明する。特別図柄乱数シフト処理(S105)に移行すると、CPU41は、先ず、当否判定の判定結果に基づく特別図柄の変動表示が実行されたことにより、前記主制御基板40のRAMに記憶されていた特別図柄保留球数から1減算する(S161)。その後、S162に移行すると、CPU41は、各保留に対応するデータを、各保留から1減算した保留のRAMアドレスにシフトする。続いて、CPU41は、最上位(ロード順位が最後、本実施形態では4個目)の保留に対応するRAMアドレスに0をセットする(S163)。その後、CPU41は、特別図柄乱数シフト処理(S105)を終了し、S106に処理を移行する。
【0107】
S106に移行すると、CPU41は、特別図柄変動開始処理(S106)を実行し、特別図柄の変動開始に必要な処理を行う。次いで、CPU41は、特別動作ステータスを2に設定して(S107)、待機中を解除する(S108)。その後、CPU41は、特別図柄待機処理(S92)を終了する。
【0108】
特別図柄待機処理(S92)において、特別図柄保留球数が0と判断された場合(S01:YES)、CPU41は、特別図柄表示部11が特別図柄の変動中ではない待機画面(待ち受け画面)中であるか否を判断する(S109)。待機画面(待ち受け画面)中である場合(S109:YES)、CPU41は、特別図柄待機処理(S92)を終了する。一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合(S109:NO)、CPU41は、待機画面設定処理(S110)を実行し、特別図柄表示部11を待機画面(待ち受け画面)にすると共に、待機中をセットする。待機画面設定処理(S110)は、この設定処理(S110)がなされてから所定時間の間、前記第1始動入賞口20(第2始動入賞口21)に対する入球検出がない場合に、待ち受け画面をセットするコマンドを出力する処理である。その後、CPU41は、この特別図柄待機処理(S92)を終了する。
【0109】
次に、特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S94)の処理内容について、図16を参照しつつ詳細に説明する。変動中処理(S94)に移行すると、CPU41は、先ず、特別図柄の変動時間(変動態様の変動時間)が終了したか否か(即ち、動作タイマの値が0であるか否か)を判断する(S171)。変動時間が終了している場合(S171:YES)、CPU41は、変動停止コマンドをセットし(S172)、特別動作ステータスを3にセットする(S173)。その後、CPU41は、その他の処理(S174)を実行し、変動中処理(S94)を終了する。一方、変動時間中である場合(S171:NO)、CPU41は、そのまま変動中処理(S94)を終了する。
【0110】
続いて、特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S96)の処理内容について、図17を参照しつつ詳細に説明する。特別図柄確定処理(S96)に移行すると、CPU41は、先ず、主制御基板40のRAMを参照して、大当たりフラグがONか否か(即ち、大当たりか否か)を判断する(S181)。大当たりフラグがONである場合(S181:YES)、CPU41は、大当りフラグをOFFし(S182)、特別動作ステータスを4にセットする(S183)。その後、CPU41は、特別図柄確定処理(S96)を終了する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S181:NO)、CPU41は、特別動作ステータスを1にセットし(S184)、その後、特別図柄確定処理(S96)を終了する。
【0111】
特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S97)の処理内容について、図18を参照しつつ詳細に説明する。特別電動役物処理(S97)に移行すると、CPU41は、先ず、確変フラグをOFFにし(S191)、前記特別図柄表示部11で大当たりオープニングが実施されたか否かを確認する(S192)。大当たりオープニングが実施されていない場合(S192:NO)、CPU41は、大当たりオープニングを実施し(S193)、その後、S194に処理を移行する。一方、大当たりオープニングが実施済である場合(S192:YES)、CPU41は、そのままS194に処理を移行する。
【0112】
S194においては、CPU41は、現在、大入賞口25が開放中か否かを判断する。大入賞口25が閉鎖中である場合(S194:NO)、CPU41は、大入賞口25の開放時間か否かを判断する(S195)。一方、大入賞口25が開放中である場合(S194:YES)、CPU41は、S197に処理を移行する。
【0113】
大入賞口25の開放時間である場合(S195:YES)、CPU41は、大入賞口開放処理(S196)を実行し、大入賞口25の開閉板26を動作させることで、大入賞口25を開放する。その後、CPU41は、特別電動役物処理(S97)を終了する。一方、大入賞口25の開放時間となっていない場合(S195:NO)、CPU41は、そのまま、特別電動役物処理(S97)を終了する。
【0114】
大入賞口25が開放中であると判断された場合(S194:YES)に移行するS197においては、CPU41は、大入賞口25に10個遊技球が入賞したか否か(S197)、若しくは、ラウンド終了時間(例えば、30秒)経過したか否か(S198)の何れかであるか否かを判断する。10個の入賞でもなく、ラウンド終了時間も経過していない場合(S197:NO、S198:NO)、CPU41は、そのまま特別電動役物処理(S97)を終了する。一方、大入賞口25に遊技球が10個入賞した、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合(S197:YES又はS198:YES)、CPU41は、大入賞口閉鎖処理(S199)を実行し、大入賞口25の閉鎖を指示するコマンドを出力バッファにセットする。その後、CPU41は、ラウンドカウンタの値から1減算する(S200)。
【0115】
続くS201においては、CPU41は、主制御基板40のRAMを参照し、ラウンドカウンタが0か否かを判断する。ラウンドカウンタが0である場合(S201:YES)、CPU41は、大当たり終了処理(S202)を実行し、確変・非確変設定処理(S203)に処理を移行する。一方、ラウンドカウンタが0でない場合(S201:NO)、CPU41は、そのまま特別電動役物処理(S97)を終了する。
【0116】
確変・非確変設定処理(S203)に移行すると、CPU41は、図19に示すように、先ず、大当たり図柄乱数値(停止図柄)が確変図柄の値であるか否かを判断する(S211)。大当たり図柄乱数値(停止図柄)が確変図柄の値である場合(S211:YES)、CPU41は、確変フラグをONにセットし(S212)、S214に処理を移行する。大当たり図柄乱数値(停止図柄)が確変図柄の値でない場合(S211:NO)、CPU41は、確変フラグをOFFにセットし(S213)、S214に処理を移行する。S214では、CPU41は、特別動作ステータスを1にセットし、その後、確変・非確変設定処理(S203)を終了すると共に、特別電動役物処理(S97)を終了する。
【0117】
図4に示すように、特別動作処理(S20)を終了すると、CPU41は、保留球数処理(S21)を実行する。保留球数処理(S21)においては、図20に示すように、CPU41は、先ず、現在の保留球数をロードし(S221)、保留球数を出力バッファにセットする(S222)。保留球数を、主制御基板40の送信バッファにセットした後、CPU41は、保留球数処理(S21)を終了し、表示制御処理(S22)に処理を移行する。
【0118】
表示制御処理(S22)においては、CPU41は、始動入賞口スイッチ検出処理(S18)や特別動作処理(S20)の処理結果に基づいて、図柄表示装置10における特別図柄、普通図柄及び各種保留球数の表示制御を行い、S23に処理を移行する。そして、ポートデータ出力処理(S23)に移行すると、CPU41は、主制御基板40の出力ポートから各種データを出力する。その後、CPU41は、S11でクリアしたウォッチドッグタイマをリスタートし(S24)、電源断監視処理(S25)に処理を移行する。
【0119】
電源断監視処理(S25)では、CPU41は、図21に示すように、先ず、電源断信号が入力されたか否か(例えば、電源断状態が12ms継続したか否か)を判断する(S231)。電源断信号が入力された場合(S231:YES)、CPU41は、現在の遊技状態等を示すデータを、主制御基板40のRAMに格納し(S232)、電源断フラグをONにセットする(S233)。その後、CPU41は、処理の進行を無限ループさせることで、遊技機1を待機状態にする。一方、電源断信号が入力されていない場合(S231:NO)、CPU41は、そのまま電源断監視処理(S25)を終了する。
【0120】
以上説明したように、第1実施形態に係る遊技機1は、始動入賞口(即ち、第1始動入賞口20、第2始動入賞口21)に対する遊技球の入賞を検出した場合に、時間の経過に伴って更新される大当たり乱数値を取得し(S18)、取得した大当たり乱数値に基づく当否判定の結果があたりである場合に、特典(例えば、大入賞口25の開放等)を遊技者に付与する(S20)ように構成されている。
【0121】
ここで、第1実施形態に係る遊技機1は、セキュリティ制御処理(S15)において、始動入賞口に対する入賞検出の検出間隔を算出し(S45)、この検出間隔が連続して所定回数以上、20msより小さかった場合(S50:YES)に、異常報知コマンドを出力する(S51、S52)。これにより、当該遊技機1によれば、故意に所定の時間間隔で始動入賞口に対する入賞検出をさせる不正行為を監視することができ、大当たり乱数値が時間の経過に伴って周期的に更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為等)を抑制し得る。
【0122】
更に、当該遊技機1は、始動入賞口スイッチ検出処理(S18)の乱数履歴監視処理(S65)において、既に取得された履歴乱数値を基準に所定の範囲値(即ち、S75における「5」に相当)分の乱数値によって構成される乱数監視範囲内に、新たに取得した大当たり乱数値が含まれるか否かを、新たに取得した大当たり乱数値と履歴乱数値との差分値を算出し(S73)、算出した差分値と、乱数監視範囲の範囲値を比較することで判定する(S75)。そして、当該遊技機1は、新たに取得した乱数値が前記乱数監視範囲内に含まれていると連続して所定回数以上判断した場合(S78:YES)、異常報知コマンドを出力する(S79、S80)。これにより、当該遊技機1によれば、履歴乱数値に近似する乱数値を含んだ特定の乱数値に対応する特典を意図して、故意に所定の時間間隔で判定条件を成立させる不正行為を監視することができ、大当たり乱数値が時間の経過に伴って周期的に更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為等)を抑制し得る。
【0123】
(第2実施形態)
次に、上述した実施形態とは異なる実施形態(第2実施形態)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。第2実施形態に係る遊技機1は、上述した第1実施形態と基本的構成及び制御処理の内容を略同一に構成されており、乱数履歴監視処理(S65)の処理内容が相違している。従って、第2実施形態では、第1実施形態との相違点である乱数履歴監視処理(S65)の内容について、図22を参照しつつ詳細に説明する。
【0124】
第2実施形態に係る遊技機1においても、乱数履歴監視処理(S65)に移行すると、図22に示すように、CPU41は、先ず、乱数監視範囲設定処理を実行し(S241)、大当たり乱数に係る乱数値範囲に乱数監視範囲を設定する。具体的には、CPU41は、特別図柄大当たり判定処理(S102)で大当たりと判定される乱数値(本発明における特定の乱数値の一例に相当)を基準として、当該乱数値とこれに連続する複数の乱数値をもって構成される数値範囲を乱数監視範囲に設定する。その後、乱数監視範囲を設定した後、CPU41は、S242に処理を移行する。
【0125】
S242においては、CPU41は、S64で取得した大当たり乱数値が乱数監視範囲設定処理(S241)で設定された乱数監視範囲内であるか否かを判断する(S241〜S242が本発明の範囲監視手段に相当する)。取得した大当たり乱数値が乱数監視範囲内である場合(S242:YES)、CPU41は、主制御基板40のRAMに形成された連続近似値カウンタを1加算し(S244)、その後、S245に処理を移行する。一方、取得した大当たり乱数値が乱数監視範囲外である場合(S242:NO)、CPU41は、連続近似値カウンタを0にクリアし(S243)、第2実施形態に係る乱数履歴監視処理(S65)を終了する。
【0126】
尚、第2実施形態に係る連続近似値カウンタの数値は、始動入賞口に対する入賞検出により取得された大当たり乱数値が、特別図柄大当たり判定処理(S102)で大当たりと判定される大当たり乱数値に近似した値を連続してとった回数を示す。
【0127】
S245に移行すると、CPU41は、連続近似値カウンタの数値が規定値(例えば、5回)以上であるか否かを判断する。連続近似値カウンタの値が規定値以上である場合(S245:YES)、CPU41は、特別図柄大当たり判定処理(S102)で大当たりと判定される大当たり乱数値を故意に不正取得すべく、大当たり乱数値が時間の経過に伴って周期的に更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為等)が行われている蓋然性が高いと判断し、異常報知コマンドをセットする(S246)。その後、CPU41は、周辺基板データ出力処理(S247)を実行して、セットされている異常報知コマンドを出力し、第2実施形態に係る乱数履歴監視処理(S65)を終了する。一方、連続近似値カウンタの値が規定値未満である場合(S245:NO)、CPU41は、そのまま、第2実施形態に係る乱数履歴監視処理(S65)を終了する。尚、S243〜S247は本発明の連続監視範囲判断手段、数値異常検知出力手段に相当する。
【0128】
以上説明したように、第2実施形態に係る遊技機1は、第1実施形態と同様、始動入賞口(即ち、第1始動入賞口20、第2始動入賞口21)に対する入賞検出をした場合に、時間の経過に伴って更新される大当たり乱数値を取得し(S18)、取得した大当たり乱数値に基づく当否判定の結果があたりである場合に、特典(例えば、大入賞口25の開放等)を遊技者に付与する(S20)ように構成されている。
【0129】
又、第2実施形態に係る遊技機1においても、セキュリティ制御処理(S15)において、始動入賞口に対する入賞検出の検出間隔を算出し(S45)、この検出間隔が連続して所定回数以上、20msより小さかった場合(S50:YES)に、異常報知コマンドを出力する(S51、S52)。これにより、当該遊技機1によれば、故意に所定の時間間隔で始動入賞口への入賞検出をさせる不正行為を監視することができ、大当たり乱数値が時間の経過に伴って周期的に更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為等)を抑制し得る。
【0130】
更に、第2実施形態に係る遊技機1は、始動入賞口スイッチ検出処理(S18)の乱数履歴監視処理(S65)において、特別図柄大当たり判定処理(S102)で大当たりと判定される大当たり乱数値を含み、これに連続する複数の大当たり乱数値によって構成される乱数監視範囲内に、新たに取得した大当たり乱数値が含まれるか否かを判定する(S242)。そして、当該遊技機1は、新たに取得した乱数値が前記乱数監視範囲内に含まれていると連続して所定回数以上判断した場合(S245:YES)、異常報知コマンドを出力する(S246、S247)。これにより、当該遊技機1によれば、特別図柄大当たり判定処理(S102)で大当たりと判定される大当たり乱数値に対応する特典を意図して、故意に所定の時間間隔で始動入賞口への入賞検出をさせる不正行為を監視することができ、大当たり乱数値が時間の経過に伴って周期的に更新される点を利用した不正行為(例えば、体感器を用いた不正行為や不正基板を用いた不正行為等)を抑制し得る。
【0131】
尚、各実施形態における第1始動入賞口20(第2始動入賞口21)は、本発明の特定入賞口として機能する。そして、各実施形態における主制御基板40のCPU41は、上述した制御プログラム(図3図22参照)を実行することにより、本発明の検出手段、乱数更新手段、乱数取得手段、当否判定手段、特典付与実行手段、検出間隔特定手段、検出間隔監視手段、間隔異常検知出力手段、範囲監視手段、連続監視範囲判断手段、数値異常検知出力手段、監視範囲設定手段、差分値算出手段及び、監視判定手段として機能する。又、各実施形態における主制御基板40のRAMは、本発明の履歴保持手段として機能する。
【0132】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、本実施形態においては、本発明に係る遊技機をパチンコ機に適用した例を用いて説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、スロットマシン等の種々の遊技機に適用することができる。
【0133】
又、上述した実施形態における始動検出間隔監視処理(S31)、乱数履歴監視処理(S65)で判断処理に用いられる数値(例えば、20ms、範囲値としての5、規定値としての5回等)は、あくまでも一例であり、遊技機1の仕様等に応じて、適宜変更し得る。又、乱数の監視範囲は複数の監視範囲で構成してもよい。
【符号の説明】
【0134】
1 遊技機
2 遊技盤
10 図柄表示装置
11 特別図柄表示部
20 第1始動入賞口
21 第2始動入賞口
25 大入賞口
40 主制御基板
41 CPU
67 賞球払出装置
R 遊技領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22