(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態による通信装置について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1は、本発明の好ましい実施形態による通信システムを構成する通信装置のブロック図である。
【0021】
通信装置100A1及び通信装置100A2は、たとえばパソコン等である。通信装置100B1はたとえばワイヤレスキーボード、通信装置100B2はたとえばワイヤレスマウスである。
図1のブロック図では通信装置100A1が通信装置100B1及び通信装置100B2と接続されている。なお、特に区別する必要がない場合は、通信装置100A1、通信装置100A2、通信装置100B1及び通信装置100B2を単に通信装置100という。
【0022】
通信装置100は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを概略備える。
【0023】
制御部11は、記憶部12に格納されたプログラムを実行することにより、通信装置100を制御するものであり、たとえばマイコンやCPU等である。
【0024】
記憶部12は、たとえばROMやRAMである。記憶部12は、通信装置管理情報12A及びHIDプロファイル12Cを備える。通信装置管理情報12Aは、自装置以外の他の通信装置100の情報を格納するテーブルである。HIDプロファイル12Cは、無線通信用のプロトコルである。Bluetoothの規格には複数のプロファイルが規定されており、通信装置100はお互いに同一のプロファイルを利用して通信する。HIDプロファイル12Cは、ヒューマンインターフェースデバイス(たとえば、キーボードやマウスなど)がBluetooth規格で通信するために利用されるプロファイルである。たとえば、通信装置100B1と、通信装置100A1とは両方ともHIDプロファイル12Cを有するので、通信装置100A1は通信装置100B1と接続及び通信が可能である。すなわち、通信装置100A1と通信装置100B1、及び通信装置100A1と通信装置100B2とは、それぞれHIDプロファイル12Cで通信する。
【0025】
通信装置100B1と通信装置100B2とはグループID12Bを有する。グループID12Bとは、文字列や数値で構成される識別子であり、対になって相手の通信装置100と接続または切断されるべき通信装置100には、同一のグループID12Bが付される。たとえば、通信装置100B1と通信装置100B2とは、対になって通信装置100A1または通信装置100A2と接続されるので、通信装置100B1と通信装置100B2とは同一のグループID12Bを有する。通信装置100A1と通信装置100A2とは、特に対になって動作する通信装置100ではないので、グループID12Bを備えない。なお、対になって接続または切断される通信装置100のグループID12Bは必ずしも同一の値である必要はない。
【0026】
通信部13は、通信装置100が他の通信装置100と通信し、データを送受信する。通信装置100A1及び通信装置100A2の通信部13は、通信装置100B1及び通信装置100B2の通信部13とから送信される、キーボードのキー情報や、マウスの移動情報を受信する。
【0027】
ここで、通信装置100B1のみに備えられる切り替えスイッチ14は、ユーザによって操作されるスイッチであり、たとえばキーボードのキーである。たとえば、通信装置100B1のキーボードの任意のキーに、通信装置100A1または通信装置100A2のいずれと接続するかが割り当てられている。そして、ユーザが通信装置100B1において通信装置100A1が割り当てられているキーを押下した場合、通信装置100B1は通信装置100A1と接続し、ユーザが通信装置100B1において通信装置100A2が割り当てられているキーを押下した場合、通信装置100B1は通信装置100A2と接続する。なお、キーの割り当てについての詳細は、後述する
図2(b)で説明する。
【0028】
通信装置100A1が通信装置100B1及び通信装置100B2と接続されているときに、通信装置100B1においてユーザが切り替えスイッチ14を押下し、接続先の通信装置100を、通信装置100A1から通信装置100A2へ切り替えた場合、通信装置100B1の制御部11は通信装置100A1へ切断の要求を送信する。通信装置100A1の制御部11は、切断要求を受信したとき、通信装置100B1と切断した後、通信装置100B1のグループID12Bと同一のグループID12Bを有する通信装置100B2を特定し、通信装置100B2との接続を切断する。そして、通信装置100B1の制御部11は通信装置100A2へ接続の要求を送信する。通信装置100A1と同一の構成を備える通信装置100A2の制御部11は、通信装置100B1から接続の要求を受信する。通信装置100A2の制御部11は、通信装置100B1と接続した後、通信装置100B1のグループID12Bと同一のグループID12Bを有する通信装置100B2を特定し、通信装置100B2と接続する。すなわち、ユーザは通信装置100B1において接続先の通信装置100を通信装置100A1から通信装置100A2へ切り替える操作をした場合、通信装置100B2も、通信装置100A1から通信装置100A2との接続へ切り替えられる。
【0029】
図2は、通信装置100が他の通信装置100と相互に認証し、ネットワークを形成するときの概要動作を示す。ネットワークとは、たとえばBluetoothのピコネットである。以下、ネットワークを形成するときの概要を説明する。
【0030】
通信装置100A1は、Bluetooth規格で動作する通信装置100を探索し、他の通信装置100B1を検出する(
図2(a))。通信装置100A1は、通信装置100B1に接続し、ペアリング処理とグループID12Bの取得処理とを実行する(
図2(b))。ペアリング処理とは、認証キーの送受信などである。グループID12Bは、各通信装置100が有するグループ情報である。
図3は、通信装置100B1のグループID12Bを示す。通信装置100B1は「Y」というグループID12Bを有する。なお、このグループID12Bは、予め通信装置100B1に設定されていてもよいし、ユーザが設定してもよい。通信装置100B1及び通信装置100B2は、グループID12Bを
図2(b)において相手の通信装置100へ送信する。通信装置100A1は、次の通信装置100との接続及び認証を実行するために、通信装置100B1との接続を切断する(
図2(c))。通信装置100A1は、
図2(a)の処理によって検出されるすべての通信装置100(通信装置100A1及び通信装置100B2〜100C2)について
図2(a)〜
図2(c)の処理を実行する。さらに、通信装置100A2〜通信装置100C2も、
図2(a)〜
図2(c)の処理を実行する。以上の処理により、
図2(d)のネットワークが形成される。なお、各通信装置100は、すでに認識済みの相手の通信装置100と再度認証処理を実行する必要はない。また、通信装置100A1及び通信装置100A2はグループID12Bを有さないので、
図2(b)の処理において通信装置100A1及び通信装置100A2はグループID12Bをペアリングする相手の通信装置100へ送信する必要はない。
【0031】
ネットワークが形成された後、各通信装置100は、他の通信装置100を相互に認識しており、通信装置管理情報12Aにネットワーク内の他の通信装置100の情報を格納している。通信装置100は、複数の他の通信装置100と同時に接続できず、1つの通信装置100のみと同時に接続が可能である、1:1の通信方式を採用している。また、切り替えスイッチ14を有する通信装置100B2が通信装置100A1または通信装置100A2と
図2(b)の処理を実行するとき、通信装置100B2はキーボード上の任意のキーに相手の通信装置100の情報を割り付ける。たとえば、ファンクションキー1(以下、F1キーという。)には通信装置100A1が割り当てられ、ファンクションキー2(以下、F2キーという。)には通信装置100A2が割り当てられる。キーの割り当ては、ユーザが実行する。たとえば、通信装置100B1が通信装置100A2とペアリングするとき、ユーザがF2キーを長押しすると、通信装置100B1のF2キーに通信装置100A2が割り当てられる。その結果、たとえば、ユーザが通信装置100B1のF2キーを押下すると、通信装置100B1は通信装置100A2と接続を開始できる。
【0032】
図4は、通信装置100A1が記憶する通信装置管理情報12A(a1)を示す。通信装置管理情報12A(a1)は、ネットワーク内の他の通信装置100の装置IDと、
図2(b)のグループID12B取得処理によって取得されたグループID12Bとを対応付けて管理する。装置IDは、
図2(b)において通信装置100が相互に交換しあい、登録する情報であり、たとえば、通信装置100のアドレスと暗号鍵との組み合わせである。なお、
図4の通信装置管理情報12A(a1)では通信装置100A2の装置IDを単に「100A2」等と略して記述する。
図4の通信装置管理情報12A(a1)において、通信装置100A2はグループID12Bを有さないので、通信装置管理情報12A(a1)の通信装置100A2のグループID12Bは空である。
【0033】
図5は、通信装置100B1が記憶する通信装置管理情報12A(b1)を示す。通信装置100B1は、ワイヤレスキーボードを仮定しているので、通信装置管理情報12A(b1)は「キー割り当て」項目を有する。たとえば、
図5の通信装置管理情報12A(b1)において、通信装置100A1に対してF1キーが割り当てられており、通信装置100A2に対してF2キーが割り当てられている。したがって、ユーザが通信装置100B1において、F1キーを押下すると、通信装置100B1は通信装置100A1と接続し、ユーザがF2キーを押下すると、通信装置100B1は通信装置100A2と接続する。
【0034】
[通信装置100が接続を切り替える実施形態1]
図6は、通信装置100B1及び通信装置100B2が、通信装置100A1と接続中に、通信装置100B1が通信装置100A1との接続から通信装置100A2との接続へ切り替えるときの第1の実施形態の概要動作を示す。
図7は、
図6の切り替え処理において各通信装置100の制御部11が実行するシーケンスチャートを示す。
【0035】
本実施形態によると、通信装置100A1は、通信装置100B1から切断要求を受信したとき、通信装置100B1と同一グループID12Bを有する通信装置100B2との接続を切断し、通信装置100A2は、通信装置100B1から接続要求を受信したとき、通信装置100B1と同一グループID12Bを有する通信装置100B2と新たに接続する。
【0036】
以下、「通信装置100A1の制御部11」を単に「通信装置100A1」、「通信装置100A2の制御部11」を単に「通信装置100A2」、「通信装置100B1の制御部11」を単に「通信装置100B1」、「通信装置100B2の制御部11」を単に「通信装置100B2」という。
【0037】
まず、通信装置100A1は、通信装置100B1及び通信装置100B2と接続中である(
図6(1))。
通信装置100B1は、切り替えスイッチ14が押下されたことを検出する(S101)。通信装置100B1は、
図5の通信装置管理情報12A(b1)を参照し、S101で検出したキーに割り当てられている通信装置100を特定する(S102)。たとえば、F2キーが押下されたとき、通信装置100B1は通信装置100A2へ切り替えると判断し、通信装置100A1へ接続を切断する要求を送信する(S103、
図6(2))。
【0038】
通信装置100A1は、通信装置100B1からの切断要求を受信し、通信装置100B1との接続を切断する(S104)。通信装置100A1は、S103の要求を送信した通信装置100のグループID12Bと対になるのグループID12Bを有する通信装置100が
図4の通信装置管理情報12A(a1)に記憶されているか否かを判断し(S105)、記憶されていないと判断された場合(S105でNO)、通信装置100A1は処理を終了する。通信装置100A1は、S103の要求を送信した通信装置100のグループID12Bと同一のグループID12Bを有する通信装置100が
図4の通信装置管理情報12A(a1)に記憶されていると判断した場合(S105でYES)、その通信装置100(通信装置100B2)へ切断を要求する(S106、
図6(3))。
【0039】
通信装置100B2は、通信装置100A1から受信する切断要求に従い、通信装置100A1との切断を実行する(S107)。
【0040】
次に通信装置100B1は、通信装置100A2へ接続要求を送信する(S108、
図6(4))。通信装置100A2は、接続要求を受信し、通信装置100B1と接続する(S109)。通信装置100A2は、接続要求を送信した通信装置100B1と対になるグループID12Bを有する通信装置100が通信装置管理情報12Aに登録されているか否かを判断し(S110)、登録されていると判断した場合(S110でYES)、通信装置100B1と対になるグループID12Bを有する通信装置100B2へ、接続要求を送信する(S111、
図6(5))。通信装置100B2は、通信装置100A2から受信した接続要求に従い、通信装置100A2と接続する(S112)。この結果、通信装置100B1及び通信装置100B2は、通信装置100A2と接続された状態になる(
図6(6))。通信装置100A2は、S110の処理において接続要求を送信した通信装置100B1と対になるグループID12Bを有する通信装置100が通信装置管理情報12Aに登録されていないと判断した場合(S110でNO)、処理を終了する。
【0041】
以上の実施形態1によると、ユーザは通信装置100B1において接続先を通信装置100A1から通信装置100A2へ切り替える操作をするだけで、通信装置100B2も自動的に通信装置100A2へ接続される。なお、通信装置100B1が有する切り替えスイッチ14と等価なスイッチを通信装置100B2に備え、通信装置100B2が上記した通信装置100B1の代わりに上記処理を実行してもよい。
【0042】
[通信装置100が接続を切り替える実施形態2]
図8は、第2の実施形態の概要動作を示す。
図9は、実施形態2を実行するときの通信システムにおける通信装置100のブロック図を示す。
図1のブロック図に加え、通信装置100B1と通信装置100B2とは、SPPプロファイル12Dを有する。SPPプロファイル12Dは、通信装置100B1と通信装置100B2とが、シリアルで通信するためのプロファイルである。また、通信装置100B2は、接続状態変更監視部11Bを有する。接続状態変更監視部11Bは、通信装置100B2が、通信装置100B1の接続状態をSPPプロファイル12Dを用いて監視し、通信装置100B1の接続状態が変更されたとき、通信装置100B1の接続状態の変更を検出する。なお、本実施形態において、通信装置100A1及び通信装置100A2は、通信装置管理情報12Aに、グループID12Bを有する必要はない。
【0043】
図10は、通信装置100B2が有する通信装置管理情報12A(b2)を示す。通信装置管理情報12A(b2)は、自装置以外の通信装置100の装置IDと、グループID12Bとを管理する。通信装置100B2は、同一のグループID12Bを有する通信装置100を、監視対象の通信装置100であると判断する。
【0044】
図11は、通信装置100B2が通信装置100B1の監視を開始するときに通信装置100B2の制御部11が実行する処理のフローチャートを示す。
【0045】
通信装置100B2は、
図2で示したネットワーク構築処理を完了する(
図2(d)、S201)。通信装置100B2は、
図10の通信装置管理情報12A(b2)を参照し、自装置のグループID12Bと同一のグループID12Bを有する通信装置100が存在するか否かを判断する(S202)。
【0046】
通信装置100B2は、同一のグループID12Bを有する通信装置100を特定できた場合(S202でYES)、特定された通信装置100と接続し、SPPプロファイル12Dで接続状態の監視を開始する(S203)。通信装置100B2は、同一のグループID12Bを有する通信装置100が
図10の通信装置管理情報12A(b2)に登録されていないと判断した場合(S202でNO)、処理を終了する。
図10の通信装置管理情報12A(b2)の場合、通信装置100B1は、通信装置100B2と同一のグループID12Bを有するので、S203で通信装置100B1が監視対象となる。
【0047】
図12は、
図8の(1)〜(3)に該当する切断動作において、通信装置100B1と通信装置100B2とが実行する処理のシーケンスチャートを示す。本実施形態の切断処理では、通信装置100B2は、通信装置100B1が通信装置100A1との接続を切断されたことを検出したとき、通信装置100A1との接続を切断する。
【0048】
まず、通信装置100A1は、通信装置100B1及び通信装置100B2と接続中であり(
図8(1))、さらに、通信装置100B2は通信装置100B1をSPPプロファイル12Dで監視中である(S301)。
【0049】
通信装置100B2は、通信装置100B1へ、接続状態を変更したか否かを問い合わせる(S302)。通信装置100B2はS302の処理を1秒などの定期間隔で実行する。
【0050】
通信装置100B2はS302の結果に基づき、通信装置100B1の接続状態が変更されたか否かを判断する(S303)。たとえば、通信装置100B1の接続状態が変更された場合、通信装置100B1は通信装置100B2の問い合わせに応答するときの通信パケットの特定のビットを立て、通信装置100B2は、通信装置100B1の接続状態が変更されたことを検出する。通信装置100B2は、通信装置100B1の接続状態が変更されていないと判断した場合(S303でNO)、監視を継続する(S302)。
【0051】
通信装置100B1は、通信装置100A1との接続を切断する(
図8(2)、S304)。なお、通信装置100B1は
図6(2)と同様、ユーザによって切り替えスイッチ14が押下されることによって通信装置100A1との接続を切断する。S304が実行されたあと、通信装置100B2は、S302の問い合わせ処理により、通信装置100B1の接続状態が変更されたことを検出する(S303でYES)。
【0052】
通信装置100B2は、通信装置100B1へ、接続状態変更の詳細情報を要求する(S305)。接続状態変更の詳細とは、通信装置100B1の接続状態変更が接続または切断のいずれであるかという情報と、通信装置100B1が接続または切断した相手の通信装置100(通信装置100A1)の情報とを含む。
【0053】
通信装置100B1は、接続または切断の発生と、相手の通信装置100である通信装置100A1との情報とを通信装置100B2へ送信する(S306)。S306において通信装置100B1から送信される情報は、切断であるという情報と、相手の通信装置100は通信装置100A1であるという情報とである。なお、この情報はS302の通信と同時に通信装置100B1が通信装置100B2へ送信してもよい。
【0054】
通信装置100B2は、S306の情報に基づき、通信装置100A1と接続を切断する(
図8(3)、S307)。そして、通信装置100B2は監視処理を継続する(S302)。
【0055】
図13は、
図8の(4)及び(5)の接続動作において、通信装置100B1と通信装置100B2とが実行する処理のシーケンスチャートを示す。
図12と同一の処理には同一符号を付し、説明を省略する。本実施形態の接続処理では、通信装置100B2は、通信装置100B1が通信装置100A2と接続されたことを検出し、通信装置100B2も通信装置100A2と接続する。
【0056】
通信装置100B2は、通信装置100B1が通信装置100A2と接続する(
図8(4)、S401)ことにより、接続状態が変更されたことを検出し(S303でYES)、通信装置100B2は、通信装置100B1へ、接続状態変更の詳細を送信するよう要求する(S305)。
【0057】
通信装置100B1は、接続であるという情報と、接続先の通信装置100(通信装置100A2)の情報とを送信する(S402)。通信装置100B2は、S402の情報に基づき、通信装置100A2と接続する(
図8(5)、S403)。そして、通信装置100B2は監視処理を継続する(S302)。
【0058】
本実施形態2では、通信装置100B2が、通信装置100B1の接続状態を監視し、通信装置100B2が通信装置100B1の接続状態の変更を検出した場合、通信装置100B1が実行した接続切替と同一の接続切替処理を実行する。これにより、ユーザは通信装置100B1において接続先を通信装置100A1から通信装置100A2へ切り替える操作をするだけで、通信装置100B2も自動的に通信装置100A2へ接続される。
【0059】
[通信装置100が接続を切り替える実施形態3]
図14は、第3の実施形態の概要動作を示す。
図15は、実施形態3の処理を実行するときの各通信装置100のブロック図を示す。
図1のブロック図に加え、通信装置100B1と通信装置100B2とは、SPPプロファイル12Dを有する。通信装置100B1は、接続状態変更通知部11Aを有する。接続状態変更通知部11Aは、通信装置100B1が接続先の通信装置100を変更したとき、通信装置100B2へSPPプロファイル12Dを利用して、接続状態を変更したことを通知する。なお、本実施形態において、通信装置100A1及び通信装置100A2は、通信装置管理情報12Aに、グループID12Bを有する必要はない。
【0060】
図16は、
図14の(1)〜(3)の切断動作において、通信装置100B1と通信装置100B2とが実行する処理のシーケンスチャートを示す。
図12と同一の処理には同一符号を付し、説明を省略する。
【0061】
通信装置100B1及び通信装置100B2は通信装置100A1と接続中である(
図14(1))。通信装置100B1は、通信装置100A1との接続を切断したとき、SPPプロファイル12Dを利用して通信中である通信装置100B2へ、切断の発生と、切断先の通信装置100が通信装置100A1であるという情報とを送信する(
図14(2)、S501)。
【0062】
通信装置100B2は、切断情報と、切断先の通信装置100の情報とを受信し(S502)、通信装置100A1との接続を切断する(S307)。
【0063】
図17は、
図14の(4)及び(5)の接続動作において、通信装置100B1と通信装置100B2とが実行する処理のシーケンスチャートを示す。
図13と同一の処理には同一符号を付し、説明を省略する。
【0064】
通信装置100B1は、通信装置100A2と新たに接続する(
図14(4)、S301)。通信装置100B1は、接続の発生と、接続先の通信装置100が通信装置100A2であるという情報を通信装置100B2へ送信する(S601)。通信装置100B2は、S601によって送信された情報を受信し(S602)、通信装置100A2と接続する(
図14(5)、S403)。
【0065】
以上の実施形態3によると、通信装置100B1は、自装置のグループID12Bと同一のグループID12Bを有する通信装置100B2へ、自装置の接続状態が変更されたことを送信するので、通信装置100B2は通信装置100B1の接続状態を定期的に監視する必要がない。
【0066】
[通信装置100が接続を切り替える実施形態4]
図18は、通信システムにおいて通信装置100B1及び通信装置100B2が、通信装置100A1と接続中に、通信装置100A1の電源がOFFになったときの概要動作を示す。本実施形態における通信装置100のブロック図は、
図1のブロック図の構成と同一である。
図19は、
図18の動作を説明するための通信装置100B1、100B2、100A1及び100A2のシーケンスチャートを示す。
図7と同一の処理には同一符号を付し、説明を省略する。本実施形態によると、通信装置100A1の電源が切断された場合に、通信装置100B1は、ネットワーク内から接続可能な他の通信装置100を探索し、自動的に接続を開始する。
【0067】
図18(1)に示されるように、通信装置100B1は、通信装置100A1と接続中であり(S701)、同時に通信装置100B2も通信装置100A1と接続中である(S702)。
【0068】
次に、通信装置100A1の電源が遮断され(S703)、通信装置100B1は通信装置100A1と接続できなくなり(S704)、通信装置100B2も同様に通信装置100A1と接続できなくなる(S705)。
【0069】
これにより、通信状態は
図18(2)に示されるように、通信装置100B1及び通信装置100B2は、通信装置100A1と接続していない状態になる。
【0070】
通信装置100B1は、突然の接続遮断を検出した場合、
図5の通信装置管理情報12A(b1)を参照する(S706)。
【0071】
通信装置100B1は、通信装置管理情報12A(b1)に登録されている通信装置100に順に接続を実行する(S707)。このとき、通信装置100B1は、接続用のプロファイルとして、HIDプロファイル12Cを使用する。なぜなら、通信装置100B1はワイヤレスキーボードを想定しており、HIDプロファイル12Cを有する他の通信装置100と接続する必要があるためである。
【0072】
通信装置100B1は、接続が成功したか否かを判断し(S708)、成功しなかった場合(S708でNO)、次の通信装置100の情報を取得する(S706)。
【0073】
通信装置100B1が、通信装置100A2と接続を実行したとき、通信装置100A2は接続処理を実行する(
図18(3)、S709)。これにより、通信装置100B1の接続が成功する(S708でYES)。
【0074】
通信装置100A2は、通信装置100A2へ接続要求を送信した通信装置(通信装置100B1)と対になるグループID12Bを有する通信装置100が通信装置管理情報12Aに存在するか否かを判断(S110)する。通信装置100A2は、S110の処理により通信装置100B2を特定し、通信装置100B2へ接続の要求を送信し(S111、
図18(4))、通信装置100B2は通信装置100A2と接続する(
図18(5)、S710)。なお、通信装置100B1の処理を通信装置100B2が実行してもよい。また、通信装置100B1は、
図5の通信装置管理情報12A(b1)に登録されているすべての通信装置100のいずれとも接続できなかった場合、処理を終了してもよいし、一定時間後(たとえば、5分後など)に、再度S706以降の処理を実行してもよい。
【0075】
本実施形態によると、通信装置100B1と通信装置100B2とが通信装置100A1と通信できなくなった場合、通信装置100B1及び通信装置100B2は、他の通信装置100との接続を自動的に確立するので、ユーザは手動で通信装置100B1と通信装置100B2とを他の通信装置100へ接続させる必要がない。
【0076】
[通信装置100が接続を切り替える実施形態5]
図20は、通信システムにおいて通信装置100B1及び通信装置100B2が、通信装置100A1と接続中に、通信装置100A1の電源がOFFになったときの他の動作概要を示す。電源がOFFの状態とは、たとえばシャットダウン状態、スタンバイ状態など、通信装置100A1が他の通信装置100とBluetoothで通信できない状態である。本実施形態における通信装置100のブロック図は、
図1のブロック図の構成と同一である。
図21は、
図20の動作を説明するための通信装置100B1、100B2、100A1及び100A2のシーケンスチャートを示す。
図7または
図19と同一の処理には同一符号を付し、説明を省略する。本実施形態によると、通信装置100A1が電源OFFされた場合に、通信装置100A1は、通信装置100A1が電源OFFの処理を実行することを示す通知を通信装置100B1及び通信装置100B2へ送信する。
【0077】
図20(1)に示すように、通信装置100B1は、通信装置100A1と接続中であり(S701)、同時に通信装置100B2は通信装置100A1と接続中である(S702)。通信装置100A1は、ユーザ操作により通信装置100A1を電源OFFする操作を受信する(S801)。
【0078】
通信装置100A1は、通信装置100B1へ、接続を切断することを通知する(
図20(2)、S802)。通信装置100B1は、通信装置100A1から、切断の発生を示す通知を受信する(S803)。以下、通信装置100A2、100B1、100B2は、
図19のS706以降と同一の処理を実行する。
【0079】
本実施形態によると、通信装置100A1は電源OFF時に通信装置100B1と通信装置100B2とに、接続ができなくなることを通知するので、通信装置100B1と通信装置100B2とは、自動的に他の通信装置100と接続を確立することができる。なお、通信装置100B1の処理を通信装置100B2が実行してもよい。
【0080】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
通信装置100A1と通信装置100A2とがワイヤレス送信機で、通信装置100B1及び通信装置100B2はワイヤレススピーカであってもよい。そのとき、通信装置100の間で通信されるデータは音声データや静止画データや動画データである。また、通信装置100B1が備える切り替えスイッチ14を通信装置100B2が備えてもよいし、両方とも備えていてもよい。また、通信装置100B1と通信装置100B2は処理の役割が逆であってもよい。