特許第5729426号(P5729426)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5729426-空気調和機 図000002
  • 特許5729426-空気調和機 図000003
  • 特許5729426-空気調和機 図000004
  • 特許5729426-空気調和機 図000005
  • 特許5729426-空気調和機 図000006
  • 特許5729426-空気調和機 図000007
  • 特許5729426-空気調和機 図000008
  • 特許5729426-空気調和機 図000009
  • 特許5729426-空気調和機 図000010
  • 特許5729426-空気調和機 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5729426
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20150514BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20150514BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   F24F11/02 102D
   B01D53/26 A
   A61L9/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-145730(P2013-145730)
(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公開番号】特開2015-17766(P2015-17766A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2014年7月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】清野 竜二
(72)【発明者】
【氏名】坂下 朗彦
【審査官】 河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−272088(JP,A)
【文献】 特開平11−218350(JP,A)
【文献】 特開2012−057887(JP,A)
【文献】 特開2007−232266(JP,A)
【文献】 特開2012−098028(JP,A)
【文献】 特開2007−203193(JP,A)
【文献】 特開2003−056889(JP,A)
【文献】 特開2001−221496(JP,A)
【文献】 特開2000−234761(JP,A)
【文献】 特開2006−97919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
F24F 1/02
F24F 3/14
A61L 9/00
B01D 53/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発器(64)における冷媒の蒸発潜熱を利用した運転モードとして、除湿モードおよび衣類乾燥モードを含む空気調和機であって、
前記蒸発器(64)に風を与える送風機(50)と、
前記運転モードの中から必要なモードを選択するためのモード選択部(20)と、
前記モード選択部(20)で選択された前記モードに応じて、前記送風機(50)を介して前記蒸発器(64)を通る風量を制御する制御部(90)と、
を備え、
前記除湿モードでは、前記蒸発器(64)を通る風量の異なる大きさへの切換が、除湿能力が最大となる基準風量を含めて複数段階に分けて許容されており、
前記衣類乾燥モードでは、前記蒸発器(64)を通る風量は前記除湿モードにおける前記基準風量よりも大きい風量に設定される、
空気調和機(100)。
【請求項2】
前記衣類乾燥モードでは、前記蒸発器(64)を通る風量は前記除湿モードにおける最大許容風量よりも大きい風量に設定される、
請求項1に記載の空気調和機(100)。
【請求項3】
前記蒸発器(64)を通る風量は、大きい方から順に少なくとも第1風量、第2風量、第3風量および第4風量が予め設定されており、
前記前記衣類乾燥モードが選択されたとき、前記第1風量が自動的に選択される、
請求項1に記載の空気調和機(100)。
【請求項4】
前記第2風量は、前記除湿モードにおける最大許容風量であって、
前記第2風量における除湿能力は、前記第1風量における除湿能力よりも大きい、
請求項3に記載の空気調和機(100)。
【請求項5】
空気清浄フィルタ(35)をさらに備え、
前記空気清浄フィルタ(35)を通過した空気のうち前記蒸発器(64)を通過できない空気は、前記蒸発器(64)をバイパスして前記送風機(50)に吸い込まれる、
請求項3に記載の空気調和機(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転モードとして除湿モードおよび衣類乾燥モードを含む空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
部屋干しされた衣類の乾燥時間を短縮する手段としては、空気調和機の除湿機能を利用して湿度を低下させ、適度の風量を送ることが一般的である。例えば、特許文献1(特開2001−221496号公報)には、通常の除湿運転、空気清浄運転および衣類乾燥運転を任意に選択することができる除湿機が開示されている。
【0003】
そして、衣類乾燥運転が選択されると、除湿運転と同じように、圧縮機とファンモータが動作するとともに、電気ヒータが通電される。この時、吹出口のフィルタケースは立ち上げておき、室内空気がフィルタを通過しないようにしておく。これによって、除湿通路からの高温除湿空気に空気清浄通路からの室内空気が加算された空気によって衣類の乾燥を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記除湿機では、衣類乾燥運転モードにおける風量を稼ぐために、除湿時の空気通路とは別にもう1つ空気通路を設けているので、運転モードに関係なく1つの空気通路を用いるタイプに比べると内部構造が複雑である。
【0005】
本発明の課題は、簡単な構成で衣類乾燥時間を短縮することができる空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る空気調和機は、蒸発器における冷媒の蒸発潜熱を利用した運転モードとして除湿モードおよび衣類乾燥モードを含む空気調和機であって、送風機と、モード選択部と、制御部とを有している。送風機は、蒸発器に風を与える。モード選択部は、運転モードの中から必要なモードを選択するためのものである。制御部は、モード選択部で選択されたモードに応じて送風機を介して蒸発器を通る風量を制御する。また、除湿モードでは、蒸発器を通る風量の異なる大きさへの切換が、除湿能力が最大となる基準風量を含めて複数段階に分けて許容されている。衣類乾燥モードでは、蒸発器を通る風量は除湿モードにおける基準風量よりも大きい風量に設定される。
【0007】
この空気調和機では、衣類乾燥モード時の風量が増大することによって除湿モード時よりも除湿能力は低下するが、風量が増大することによって、部屋干しされた衣類間に湿気を含んだ空気が滞留することを抑制する能力が増大するので、その分、衣類乾燥時間が短くなる。
【0008】
本発明の第2観点に係る空気調和機は、第1観点に係る空気調和機であって、衣類乾燥モードでは、蒸発器を通る風量は除湿モードにおける最大許容風量よりも大きい風量に設定される。
【0009】
本発明の第3観点に係る空気調和機は、第1観点に係る空気調和機であって、蒸発器を通る風量は、大きい方から順に少なくとも第1風量、第2風量、第3風量および第4風量が予め設定されている。そして、衣類乾燥モードが選択されたとき、第1風量が自動的に選択される。
【0010】
本発明の第4観点に係る空気調和機は、第3観点に係る空気調和機であって、第2風量が、除湿モードにおける最大許容風量である。そして、第2風量における除湿能力は、第1風量における除湿能力よりも大きい。
【0011】
本発明の第5観点に係る空気調和機は、第3観点に係る空気調和機であって、空気清浄フィルタをさらに備えている。空気清浄フィルタを通過した空気のうち蒸発器を通過できない空気は、蒸発器をバイパスして送風機に吸い込まれる。
【0012】
この空気調和機では、衣類乾燥モード時に風量が増大にしても、蒸発器を通過できない分は蒸発器をバイパスして送風機に吸い込まれるので、騒音の増大が抑制される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1観点から第4観点のいずれか1つに係る空気調和機では、衣類乾燥モード時の風量が増大することによって除湿モード時よりも除湿能力は低下するが、風量が増大することによって、部屋干しされた衣類間に湿気を含んだ空気が滞留することを抑制する能力が増大するので、その分、衣類乾燥時間が短くなる。
【0014】
本発明の第5観点に係る空気調和機では、衣類乾燥モード時に風量が増大にしても、蒸発器を通過できない分は蒸発器をバイパスして送風機に吸い込まれるので、騒音の増大が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機100の外観斜視図。
図2図1の空気調和機100をI−I平面で切断したときの当該空気調和機100の断面図。
図3】空気調和機100の分解斜視図。
図4】空気の空気通路を模式的に示す斜視図。
図5】冷媒サイクルユニット60の配管系統図。
図6】操作パネル20の平面図。
図7A】除湿運転時の液晶表示部207の平面図。
図7B】衣類乾燥運転時の液晶表示部207の平面図。
図8】風量切換の制御フローチャート。
図9】空気調和機の風量と除湿量との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0017】
(1)空気調和機100の概要
説明の便宜上、上、下、左、右、正面(前面)、背面(後)といった各方向を表す語句を用いる。これらの各方向は、特にことわりのない限り、図1に示す方向を意味する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る空気調和機100の外観図である。空気調和機100は、図1に示す状態にて対象空間の床に設置されるタイプの装置である。空気調和機100は、その側方より対象空間内の空気を取り込み、内部にて調和し、調和後の空気を上方から対象空間へと供給する。
【0019】
空気調和機100は、対象空間内の空気を除湿する除湿機能、対象空間の空気を加湿する加湿機能、更には対象空間の空気を浄化する空気清浄機能等を含む複数の機能を有している。つまり、空気調和機100は、対象空間内の空気を、湿度の側面のみならず浄化の側面からも整える装置であると言える。
【0020】
更に、空気調和機100は、これらの機能を個別に選択または複数組み合わせて運転することが可能となっている。例えば、空気調和機100は、除湿機能及び空気清浄機能が選択された場合、先ずは対象空間内の空気を取り込んで塵埃などを除去し、次いで当該空気を除湿し、更にその後当該空気を再び対象空間に排出する運転を行う。また、空気調和機100は、例えば加湿機能及び空気清浄機能が選択された場合、先ずは対象空間内の空気を取り込んで塵埃などを除去し、次いで当該空気を加湿し、更にその後当該空気を再び対象空間に排出する運転を行う。
【0021】
(2)空気調和機100の構成
図2は、図1の空気調和機100をI−I平面で切断したときの当該空気調和機100の断面図である。また、図3は空気調和機100の分解斜視図であり、図4は空気の空気通路を模式的に示す斜視図である。なお、図3では、図面を少しでも簡単にするため、側壁パネル12(図1参照)は省略されている。図1及び図3において、空気調和機100は、ケーシング10、操作パネル20及び本体部30を備えている。
【0022】
(2−1)ケーシング10
ケーシング10は、空気調和機100の外郭を形成するものであり、箱状を成している。ケーシング10は、複数のケーシング部材の組み合わせによって構成される。
【0023】
複数のケーシング部材には、前パネル11、側壁パネル12、後パネル13、底フレーム14及び吹出口羽根15が含まれており、これらはいずれも合成樹脂によって成形されている。
【0024】
(2−1−1)前パネル11
前パネル11は、鉛直方向に延びる板であって、本体部30の正面側を概ね覆っている。
【0025】
(2−1−2)側壁パネル12
側壁パネル12は、鉛直方向に延びる板部材であって、空気調和機100の右側面(より具体的には、前パネル11側から見た場合における空気調和機100の右側となる側面)を構成する。側壁パネル12は、一部に右側吸込口12aが形成されているが、当該吸込口12a付近を除き、本体部30の右側を概ね覆っている。
【0026】
右側吸込口12aは、側壁パネル12のうち、前パネル11に近い部分において鉛直方向に細長く延びている。右側吸込口12aからは、対象空間内の空気がケーシング10内へと吸い込まれる。
【0027】
(2−1−3)後パネル13
後パネル13は、平面視にてL字形状を保った状態で鉛直方向に延びる板部材である。後パネル13は、空気調和機100の左側面及び背面(より具体的には、前パネル11から見た場合における空気調和機100の左側となる側面及び後面)を構成する。後パネル13の一部には、前パネル11を挟んで右側吸込口12aと対峙する位置に、左側吸込口13aが形成されている。つまり、左側吸込口13aは、後パネル13のうち、空気調和機100の左側面となる部分且つ前パネル11に近い部分において、縦方向つまりは鉛直方向に細長く延びている。後パネル13は、左側吸込口13a付近を除き、本体部30の左側及び後側を概ね覆っている。左側吸込口13aからは、対象空間内の空気がケーシング10内へと吸い込まれる。
【0028】
(2−1−4)底フレーム14
底フレーム14は、ケーシング10の底部であって、平面視において左右方向に細長い矩形の形状を有している。底フレーム14の各辺は、前パネル11、側壁パネル12及び後パネル13それぞれの下端と接する。
【0029】
(2−1−5)吹出口羽根15
吹出口羽根15は、本体部30の上方のうち背面側に設けられている板状の部材である。吹出口羽根15は、側壁パネル12の上端のうち背面側となる部分、後パネル13の上端のうち左側面側となる部分の一部、及び背面側となる部分と接しており、ケーシング10の背面側に位置する上面の部分を構成している。従って、吹出口羽根15は、前パネル11の上端とは接していない。
【0030】
吹出口羽根15は、駆動部(図示せず)によって、後パネル13に対して回動可能に取り付けられている。空気調和機100が運転を停止している際には、吹出口羽根15は開姿勢を採り、当該羽根15は、本体部30の上方において、吹出口15aを介して本体部30の一部分を露出させる。逆に、空気調和機100が運転している際には、吹出口羽根15は閉姿勢を採る。この場合、吹出口15aは閉じられ、本体部30の上部が吹出口羽根15によって覆われる。
【0031】
吹出口羽根15によって覆われていない吹出口15aからは、空気調和機100にて整えられた空気がケーシング10内から対象空間へと供給される。即ち、吹出口15aは、ケーシング10の上面の一部に形成されている。なお、吹出口15aから吹出される空気の向きは、吹出口羽根15が採り得る角度に応じて変更される。
【0032】
(2−2)操作パネル20
操作パネル20は、本体部30の上方のうち前パネル11側に位置しており、本体部30の上部のうち吹出口羽根15によって覆われることがない部分を覆っている。即ち、操作パネル20は、吹出口羽根15と共に、ケーシング10の上面を構成する。
【0033】
操作パネル20には、空気調和機100の運転をオン及びオフさせるためのボタン、空気調和機100の除湿機能、加湿機能及び空気清浄機能のうち少なくとも1つを選択するためのボタン、及び現在機能している運転の種類を表すLED等が含まれている。
【0034】
操作パネル20は、図3に示すように、プリント基板21、操作パネルカバー22及び操作表示蓋23が順に上へと重ねられることによって構成されている。プリント基板21には、操作パネル20上の各種ボタン、及びLEDを動作させるための電気部品が実装されている。
【0035】
操作パネルカバー22は、操作パネルの外観を形作っている。操作表示蓋23は、操作パネルカバー22を保護する。
【0036】
(2−3)本体部30
本体部30は、空気調和機100が除湿機能等を実現するために必要な各種構成部材であって、且つケーシング10内部に収納されている各種構成部材の集合体である。
【0037】
図3に示すように、本体部30には、放電ユニット31、フィルタユニット35、各種フレーム部材41,42,43、ストリーマ放電ユニット45、シロッコファン50、冷凍サイクルユニット60、加湿ユニット70、除湿タンクユニット80が含まれる。
【0038】
(2−3−1)放電ユニット31
放電ユニット31は、右側放電ユニット31a及び左側放電ユニット31bを含む。これらのユニット31a,31bは、いずれも、鉛直方向に延びる縦長の筒状の形状を有している。
【0039】
右側放電ユニット31aは、右側吸込口12aの近傍に配設され、左側放電ユニット31bは、左側吸込口13a近傍に配設される。従って、右側吸込口12aからケーシング10内部へと取り込まれた空気は、右側放電ユニット31aを通過し、左側吸込口13aからケーシング10内部へと取り込まれた空気は、左側放電ユニット31bを通過する。
【0040】
右側放電ユニット31a及び左側放電ユニット31bそれぞれは、正極であるタングステン製のイオン化線と、負極であるステンレス金属製の板状の電極とを有する。正極であるイオン化線に比較的高い電圧が印加されると、正極と負極との間には電位差が生じ、コロナ放電が生じる。この放電により、各ユニット31a,31bを通過する空気中の塵埃が帯電される。
【0041】
(2−3−2)フィルタユニット35
フィルタユニット35は、各吸込口12a,13aからケーシング10内へと取り込まれた空気を浄化するためのものであって、各吸込口12a,13a付近に配設されている。特に、フィルタユニット35は、空気が通過する他の構成部材に比して、空気流AF(図4参照)の流れ方向の最も上流側に位置している。
【0042】
フィルタユニット35は、プレフィルタ36、集塵フィルタ37及び脱臭フィルタ38が、空気流AFの流れ方向の上流側から下流側に向かって順に1枚ずつ重ねられることで構成されている。
【0043】
プレフィルタ36は、フィルタユニット35を構成する各種フィルタ36〜38の中で、空気が最初に通過するフィルタである。先ず、ケーシング10内に取り込まれた空気は、プレフィルタ36にて大きな塵埃が除去される。
【0044】
集塵フィルタ37は、プレフィルタ36よりも集塵性能が高いフィルタである。集塵フィルタ37では、大きな塵埃が除去された後の空気に含まれる微細な塵埃等であって、放電ユニット31を通過したときに帯電したものが除去される。原理的には、集塵フィルタ37が塵埃に帯電している極とは反対の極に帯電されることで、プレフィルタ36を通過した空気中の微細な塵埃を吸着させるようになっている。
【0045】
脱臭フィルタ38は、例えば活性炭によって構成されており、微細な塵埃が除去された後の空気が通過する。脱臭フィルタ38は、当該空気中に含まれるホルムアルデヒド及び臭い成分等を分解または吸着する。
【0046】
(2−3−3)フレーム部材41,42,43
フレーム部材41,42,43は、本体部30の他の構成要素を支持するためのものであって、いずれも合成樹脂によって構成されている。フレーム部材41,42,43としては、前フレーム41、中央フレーム42及び後フレーム43が挙げられる。
【0047】
前フレーム41は、フィルタユニット35を前パネル11側にて支持し、ストリーマ放電ユニット45を上部にて支持している。前フレーム41には、図4に示すように、2つの鉛直風通路部材41a,41bが配設されている。
【0048】
鉛直風通路部材41a,41bは、中空状の部材であって、互いに離れており、且つ鉛直方向に沿って細長く延びている。一方の鉛直風通路部材41aは、右側吸込口12aに近い側にて、右側吸込口12aに沿うようにして位置している。他方の鉛直風通路部材41bは、左側吸込口13aに近い側にて、当該左側吸込口13aに沿うようにして位置している。
【0049】
これらの鉛直風通路部材41a,41b内部には空気が流れている。そして、各鉛直風通路部材41a,41bには、複数の放出口41c,41dが鉛直方向に並んで形成されており、当該放出口41c,41dからは、鉛直風通路部材41a,41b内部を通る空気が放出される。
【0050】
図3に示すように、中央フレーム42は、前フレーム41の後方側に設けられている。中央フレーム42は、前フレーム41側にて、冷凍サイクルユニット60を支持している。冷凍サイクルユニット60は、中央フレーム42と前フレーム41との間に配置されている。
【0051】
また、中央フレーム42は、その背面側である後パネル13側にて、加湿ユニット70を支持している。さらに、中央フレーム42は、その背面側かつ下方側において、除湿運転時に凝縮した水を貯める除湿タンクユニット80を支持している。
【0052】
後フレーム43は、中央フレーム42の後方側に設けられている。加湿ユニット70及び除湿タンクユニット80は、中央フレーム42と後フレーム43との間に配置されている。後フレーム43は、その上部にて、電装品箱85を支持している。
【0053】
電装品箱85内には、空気調和機100の各種構成部材を制御する制御部90等が収容されている。後フレーム43は、その背面側にて、シロッコファン50を支持しており、後フレーム43の中央部には、ベルマウス形状のベルマウス43aが設けられている。ベルマウス43aによって、各吸込口12a,13aを介してケーシング10内に流入した空気は、シロッコファン50へと流れ込む。
【0054】
(2−3−4)ストリーマ放電ユニット45
ストリーマ放電ユニット45は、放電ストリーマ本体45a及び放電ストリーマガイド45bを含む。
【0055】
放電ストリーマ本体45aは、正極の電極及び負極の電極を有する。正極の電極は、タングステン製の針状の電極である。負極の電極は、正極の電極付近に位置し、正極の電極に対向する板状の電極である。針状の電極に高電圧が印加されることによって、プラズマ放電の一種であるストリーマ放電が発生し、酸化分解力の高い活性種が生成される。
【0056】
放電ストリーマガイド45bは、放電ストリーマ本体45aで生成された活性種を、図4に示すように、空気と共に前フレーム41における鉛直風通路部材41a,41bへと導く。
【0057】
鉛直風通路部材41a,41bに流入した活性種を含む空気は、放出口41c,41dから前フレーム41外部へと放出され、フィルタユニット35の集塵フィルタ37及び脱臭フィルタ38を順に通過する。この際、空気に含まれる活性種は、集塵フィルタ37に吸着された塵埃や細菌などを分解して浄化する。
【0058】
(2−3−5)シロッコファン50
シロッコファン50は、吸込口12a,13aからケーシング10内に流入して吹出口15aからケーシング10外に流出する1つの空気流路をケーシング10内部に生成するためのものであって、ケーシング10内部に1台のみ設けられている。図3に示すように、シロッコファン50は、ファンロータ51、スクロールケーシング53及びファンモータ55を含む。
【0059】
ファンロータ51は、その後側に配設されたファンモータ55の出力軸と接続されている。ファンモータ55が駆動すると、出力軸を介してファンモータ55の駆動がファンロータ51に伝達され、ファンロータ51は駆動して回転する。駆動中のファンロータ51は、空気を、出力軸の先端側(即ち、正面側)から吸い込んで径方向へと吹出す。
【0060】
なお、図2に示すように、フィルタユニット35を通過した空気(点線の矢印)は、蒸発器64および凝縮器62を通過してファンロータ51に吸い込まれるが、蒸発器64は凝縮器62の上流側に位置し、且つその高さは凝縮器62よりも低いので、風量が増大した場合でも蒸発器64を通過できない空気は、蒸発器64をバイパスしてファンロータ51に吸い込まれる。それゆえ、騒音の増大が抑制される。
【0061】
スクロールケーシング53は、ファンロータ51が収容されるスクロール湾曲部を有する合成樹脂製のケーシング部材である。スクロールケーシング53は、後フレーム43の背面部分に固定されている。
【0062】
ファンモータ55は、その回転速度を段階的に切換えられる。ファンモータ55の回転速度は、最大風量モード時において最高出力に切換えられ、逆に最小風量モード時において最低出力に切換えられる。
【0063】
スクロールケーシング53の正面側には、正面方向から見た大きさがファンロータ51の大きさと略同の開口が形成されており、当該開口がシロッコファン50の吸入口50aとして機能する。
【0064】
また、スクロールケーシング53の上部には、開口が形成されており、当該開口がシロッコファン50の排出口50bとして機能する。排出口50bは、吹出口15aに繋がっており、ケーシング10の吹出口15aが露出すると排出口50bも露出するようになっている。
【0065】
また、スクロールケーシング53の内部には、空気が流れるスクロール流路および排出流路が形成される。スクロール流路は、スクロール湾曲部においてファンロータ51の外周面の外側に形成され、舌部から離れるのに伴い流路面積が大きくなるように形成されている。排出流路は、スクロール流路と連通して排出口50bまで延びている。排出流路へと導かれた空気は、排出口50bから排出される。
【0066】
(2−3−6)冷凍サイクルユニット60
図5は、冷媒サイクルユニット60の配管系統図である。冷凍サイクルユニット60は、圧縮機61、凝縮器62及び蒸発器64を含む。圧縮機61、凝縮器62及び蒸発器64が冷媒配管によって接続されることで、図5に示す冷媒回路60aが構成されている。
【0067】
冷凍サイクルユニット60は、主に、空気調和機100が除湿運転を行う際に機能する。なお、冷媒回路60a内には冷媒が循環している。冷媒の種類としては、R134a、CO2等が挙げられる。
【0068】
圧縮機61は、低圧のガス冷媒を吸入すると、この冷媒を圧縮して高圧のガス冷媒とした後に吐出する。圧縮機61は、容量可変自在なタイプの圧縮機である。
【0069】
凝縮器62は、複数のフィンと、このフィンに挿入された複数の伝熱管とで構成されており、圧縮機61から吐出された高圧のガス冷媒を凝縮して液化させる。これにより、凝縮器62を通過した空気は、冷媒から熱を与えられ暖められる。凝縮器62を通過した冷媒は、キャピラリチューブ63にて減圧される。
【0070】
蒸発器64は、複数のフィンと、このフィンに挿入された複数の伝熱管とで構成されており、キャピラリチューブ63にて減圧された後の液冷媒を蒸発させる。これにより、蒸発器64を通過した空気は冷媒に吸熱されるため、空気自身は冷やされ、当該空気中に含まれる水分は凝縮する。即ち、蒸発器64は、空気調和機100が除湿運転を行う際に、空気を露点温度以下に冷却して除湿する。
【0071】
蒸発器64を空気が通過する際、空気中に含まれる水分の少なくとも一部が凝縮して水となる。この水は、ドレン水として、除湿タンクユニット80に導かれる。
【0072】
また、蒸発器64を通過した冷媒からは、アキュムレータ65にて液冷媒が除去される。ガス冷媒のみとなった冷媒は、再度圧縮機61に吸入され、圧縮機61にて圧縮されて吐出される。
【0073】
(2−3−7)加湿ユニット70
加湿ユニット70は、主に、空気調和機100が加湿運転を行う際に機能する。図3及び図4に示すように、加湿ユニット70は、加湿ロータ71、貯留部72及び水タンク73を含む。
【0074】
加湿ロータ71は、加湿運転時、水を一時的に保持すると共に、当該水を空気流路上の空気に付与するためのものである。加湿ロータ71は、例えばリング状フレームに気化フィルタが取り付けられた構造を有する。加湿運転時には、気化フィルタから水が気化することによって加湿が行われる。
【0075】
加湿ロータ71は、図示しない加湿ロータ用モータを駆動源として回転する。加湿ロータ71の回転に伴って、リング状フレームに取り付けられた柄杓状の部品により水がくみあげられ、回転に伴い乾いた気化フィルタに供給される。加湿ロータ71の更なる回転により、当該部分における水は気化して空気に含まれることとなる。
【0076】
貯留部72は、水タンク73から水を供給され、当該水を貯留する。水タンク73は、貯留部72に水を供給するためのタンクであり、側壁パネル12の内面部分に固定されている。
【0077】
(2−3−8)除湿タンクユニット80
図3に示すように、除湿タンクユニット80は、除湿タンク81及び蓋部83を含む。除湿タンク81は、その上部が開放されており、蒸発器64で発生したドレン水を貯留することができるようになっている。蓋部83は、除湿タンク81の上部を覆うように配置され、除湿タンク81内に貯留されたドレン水が除湿タンクユニット80の外部へと漏れないようにするためのものである。
【0078】
なお、蓋部83の概ね中央付近には、開口83aが設けられている。これにより、ドレン水は、蓋部83上に一旦集められ、開口83aを介して除湿タンク81内へと導入される。
【0079】
(3)空気調和機の動作
ケーシング10内には、1つのシロッコファン50によって空気流路が1つ形成される。この空気流路内においては、吸込口12a,13aからケーシング10内に流入した空気が前パネル11付近にて統合され、統合された空気は、ケーシング10内を前パネル11側から後パネル13側へと移動し、ケーシング10の上部における吹出口15aを介してケーシング10外へと流出する。
【0080】
フィルタユニット35、蒸発器64、凝縮器62、加湿ロータ71及びシロッコファン50は、その空気流路内に順に配置されている。シロッコファン50が駆動することによって、図4に示す空気流AFが発生する。空気流AFは、吸込口12a,13aからケーシング10内に流入し、フィルタユニット35を通過することで、塵埃や臭い成分等が除去される。フィルタユニット35を通過した空気流AFは、次いで冷凍サイクルユニット60にて除湿されるかまたは加湿ユニット70で加湿された後、吹出口15aを介してケーシング10外部へと吹き出され、再び対象空間内に戻される。
【0081】
空気流AFの一部は、空気調和機100外へと吹き出されずに、支流BFとしてストリーマ放電ユニット45を通過する。ストリーマ放電ユニット45を通過した支流BFは、鉛直風通路部材41a,41bに流入し、放出口41c,41dを介してフィルタユニット35を通過する空気流AFに合流する。
【0082】
(4)風量切換について
(4−1)運転切換と風量切換との関係
図6は、操作パネル20の平面図である。また、図7Aは除湿運転時の液晶表示部207の平面図であり、図7Bは衣類乾燥運転時の液晶表示部207の平面図である。
【0083】
先ず、図6において、操作パネル20には、少なくとも運転入・切ボタン201、運転切換ボタン203、風量設定ボタン205、及び液晶表示部207が設けられている。
【0084】
運転入・切ボタン201は、空気調和機100へ電源を供給するため操作ボタンである。空気調和機100が停止中に運転入・切ボタン201が押されると、空気調和機100内の機器に電源が供給される。空気調和機100が稼働中に運転入・切ボタン201が押されると、空気調和機100内の機器への電源供給が遮断される。
【0085】
運転切換ボタン203は、運転モードを選択するための操作ボタンであって、押される毎に空気清浄運転→除湿運転→衣類乾燥運転→加湿運転の順で運転が切り換わる。なお、除湿運転、衣類乾燥運転、及び加湿運転は全て空気清浄運転を兼ねている。
【0086】
風量設定ボタン205は、風量を切り換えるための操作ボタンである。空気調和機100には、大きさの異なる5段階の風量が予め設定されている。
【0087】
各段階の名称は最も大きい方から順に、[ターボ]、[強]、[標準]、[弱]および[しずか]であり、空気清浄運転においては、風量設定ボタン205が押される毎に、[ターボ]→[強]→[標準]→[弱]→[しずか]の順に切り換わる。なお、説明の便宜上、風量の任意の段階を意味するときには「風量タップ」の名称を使用する。
【0088】
また、除湿運転においては、風量設定ボタン205が押される毎に、風量タップは[強]→[標準]→[弱]の順に切り換わる。
【0089】
これに対し、衣類乾燥運転においては、風量設定ボタン205の機能は働かず、運転切換ボタン203によって衣類乾燥運転が選択されと同時に、風量タップが[ターボ]に切り換わる。
【0090】
液晶表示部207は、表示画面の上段に選択された運転モードを表示し、下段に選択された風量タップを表示する。図6において、表示画面の上段では空気清浄が表示され、下段では風量タップ[標準]の左隣に三角マークが表示されているので、稼動している運転モードは空気清浄運転であり、風量タップは標準に設定されていることが分かる。
【0091】
そして、使用者が運転切換ボタン203を押して運転モードを空気清浄運転から除湿運転に切り換えると、図7Aに示すように、表示画面の上段では除湿運転が表示され、下段には、例えば風量タップ[強]の左隣に三角マークが表示される。三角マーク209は、風量設定ボタン205が押されるまでは、前回の除湿運転時の風量タップの左隣に表示される。
【0092】
そして、使用者が運転切換ボタン203を押して運転モードを除湿運転から衣類乾燥運転に切り換えと、図7Bに示すように、表示画面の上段では衣類乾燥運転が表示され、下段には風量タップ[ターボ]の左隣に三角マーク209が表示される。衣類乾燥運転時は、風量タップを[ターボ]から他の風量タップへ変更することはできない。
【0093】
(4−2)風量切換の制御
図8は、風量切換の制御フローチャートである。図8において、制御部90(図3参照)は、ステップS1において運転オン指令があるか否かの判定を行い、運転オン指令があると判定したときはステップS2へ進み、運転オン指令がないと判定したときは引き続きステップS1で待機する。
【0094】
(4−2−1)空気清浄運転が選択される場合
制御部90は、ステップS2において空清運転が選択されたか否かの判定を行い、空清運転が選択されたと判定したときはステップS3へ進み、空清運転が選択されていないと判定したときはステップS12進む。
【0095】
制御部90は、ステップS3において空気清浄運転を開始し、ステップS4へ進む。制御部90は、ステップS4において風量を前回の空気清浄運転時の風量に設定してステップS5へ進む。
【0096】
制御部90は、ステップS5において風量が選択されたか否かの判定を行い、風量が選択されたと判定したときはステップS6へ進み、風量が選択されていないと判定したときは現状の風量を維持したままステップS7進む。
【0097】
制御部90は、ステップS6において選択された風量タップに応じた風量となるようにシロッコファン50の回転数を調節し、ステップS7へ進む。
【0098】
制御部90は、ステップS7において運転オフ指令があるか否かの判定を行い、運転オフ指令があると判定したときは制御を終了し、運転オン指令がないと判定したときはステップS2へ戻る。
【0099】
(4−2−2)除湿運転が選択される場合
また、制御部90は、ステップS2において空清運転が選択されていないと判定してステップS12進んだときは、そのステップS12において除湿運転が選択されたか否かの判定を行い、除湿運転が選択されていると判定したときはステップS13へ進み、除湿運転が選択されていないと判定したときはステップS22進む。
【0100】
制御部90は、ステップS13において除湿運転を開始し、ステップS14へ進む。制御部90は、ステップS14において風量を前回の除湿運転時の風量に設定してステップS15へ進む。
【0101】
制御部90は、ステップS15において風量が選択されたか否かの判定を行い、風量が選択されたと判定したときはステップS16へ進み、風量が選択されていないと判定したときは現状の風量を維持したままステップS7進む。
【0102】
制御部90は、ステップS16において選択された風量タップに応じた風量となるようにシロッコファン50の回転数を調節し、ステップS7へ進む。
【0103】
制御部90は、ステップS7において運転オフ指令があるか否かの判定を行い、運転オフ指令があると判定したときは制御を終了し、運転オン指令がないと判定したときはステップS2へ戻る。
【0104】
(4−2−3)加湿運転の場合
また、制御部90は、ステップS12において除湿運転が選択されていないと判定してステップS22進んだときは、そのステップS22において加湿運転が選択されたか否かの判定を行い、加湿運転が選択されていると判定したときはステップS23へ進み、加湿運転が選択されていないと判定したときはステップS32進む。
【0105】
制御部90は、ステップS23において加湿運転を開始し、ステップS24へ進む。制御部90は、ステップS24において風量を前回の加湿運転時の風量に設定してステップS25へ進む。
【0106】
制御部90は、ステップS25において風量が選択されたか否かの判定を行い、風量が選択されたと判定したときはステップS26へ進み、風量が選択されていないと判定したときは現状の風量を維持したままステップS7進む。
【0107】
制御部90は、ステップS26において選択された風量タップに応じた風量となるようにシロッコファン50の回転数を調節し、ステップS7へ進む。
【0108】
制御部90は、ステップS7において運転オフ指令があるか否かの判定を行い、運転オフ指令があると判定したときは制御を終了し、運転オン指令がないと判定したときはステップS2へ戻る。
【0109】
(4−2−4)
また、制御部90は、ステップS22において加湿運転が選択されていないと判定してステップS32進んだときは、そのステップS32において衣類乾燥運転が選択されたか否かの判定を行い、衣類乾燥運転が選択されていると判定したときはステップS33へ進み、衣類乾燥運転が選択されていないと判定したときはステップS2へ戻る。
【0110】
制御部90は、ステップS33において衣類乾燥運転を開始し、ステップS34へ進む。制御部90は、ステップS34において風量をターボに設定してステップS7進む。
【0111】
制御部90は、ステップS7において運転オフ指令があるか否かの判定を行い、運転オフ指令があると判定したときは制御を終了し、運転オン指令がないと判定したときはステップS2へ戻る。
【0112】
(4−3)風量と除湿量との関係
図9は、空気調和機100の風量と除湿量との関係を示すグラフである。図9において、除湿量は、風量タップ[強]において最大となる。これに対し、風量タップ[ターボ]において除湿量は風量タップ[強]よりも劣るが、衣類乾燥時間は最短となる。
【0113】
つまり、空気調和機100は、衣類乾燥運転時において、除湿量を犠牲にしてでも除湿運転時の最大風量を上回る風量に設定することによって、高い乾燥能力を発揮する。
【0114】
(5)特徴
(5−1)
空気調和機100では、蒸発器64における冷媒の蒸発潜熱を利用して除湿運転および衣類乾燥運転が行われる。除湿運転および衣類乾燥運転は、運転切換ボタン203を介して選択される。制御部90は、衣類乾燥運転時の蒸発器64を通る風量を除湿運転時よりも大きくする。
【0115】
衣類乾燥運転時、風量が増大することによって除湿運転時よりも除湿能力は低下するが、風量が増大することによって、部屋干しされた衣類間に湿気を含んだ空気が滞留することを抑制する能力が増大するので、その分、衣類乾燥時間が短くなる。
【0116】
(5−2)
除湿運転では、蒸発器64を通る風量の異なる大きさへの切換が[強]、[標準]、[弱]等の複数段階に分けて許容されている。そして、衣類乾燥運転が選択されたとき、蒸発器64を通る風量が除湿運転における最大許容風量[強]よりも大きい風量[ターボ]が自動的に設定される。風量[強]における除湿能力は、風量[ターボ]における除湿能力よりも大きい。
【0117】
(5−3)
空気調和機100では、フィルタユニット35を通過した空気のうち蒸発器64を通過できない空気は、蒸発器64をバイパスしてファンロータ51に吸い込まれる。それゆえ、衣類乾燥運転時に風量が増大にしても、蒸発器64を通過できない分は蒸発器64をバイパスするので、騒音の増大が抑制される。
【符号の説明】
【0118】
20 操作パネル(モード選択部)
35 フィルタユニット(空気清浄フィルタ)
50 シロッコファン(送風機)
64 蒸発器
90 制御部
100 空気調和機
【先行技術文献】
【特許文献】
【0119】
【特許文献1】特開2001−221496号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9