特許第5729488号(P5729488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社島津製作所の特許一覧

<>
  • 特許5729488-イオンクロマトグラフ 図000002
  • 特許5729488-イオンクロマトグラフ 図000003
  • 特許5729488-イオンクロマトグラフ 図000004
  • 特許5729488-イオンクロマトグラフ 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5729488
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】イオンクロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/02 20060101AFI20150514BHJP
   G01N 30/54 20060101ALI20150514BHJP
   G01N 30/88 20060101ALI20150514BHJP
   G01N 30/64 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   G01N30/02 E
   G01N30/54 D
   G01N30/54 F
   G01N30/88 H
   G01N30/64 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-549152(P2013-549152)
(86)(22)【出願日】2012年10月15日
(86)【国際出願番号】JP2012076637
(87)【国際公開番号】WO2013088834
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2014年1月14日
(31)【優先権主張番号】特願2011-276311(P2011-276311)
(32)【優先日】2011年12月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085464
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 繁雄
(72)【発明者】
【氏名】坂本 勝正
(72)【発明者】
【氏名】老川 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】堀池 重吉
【審査官】 東松 修太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−213882(JP,A)
【文献】 特開昭63−091544(JP,A)
【文献】 特開2000−039428(JP,A)
【文献】 特開2010−139387(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/087751(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/104262(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00−30/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中のイオン成分の分離を行なう分離カラムを備えた分離流路と、
導電率を計測する導電率計を備えた計測流路と、
前記分離流路と前記計測流路との間を接続して前記分離カラムからの溶出液を流通させる溶出液流路、前記溶出液流路と対向して配置され再生液を流通させるための再生液流路及び前記溶出液流路と前記再生液流路の間に介在し両流路間でイオン交換を行なわせるイオン交換膜を備え、前記分離カラムからの溶出液のバックグラウンド導電率を抑制するためのサプレッサと、を備えたイオンクロマトグラフにおいて、
前記サプレッサは、前記溶出液流路を形成する溶出液流路形成部材、前記イオン交換膜及び前記再生液流路を形成する再生液流路形成部材が積層されてなるイオン交換部とそのイオン交換部を覆う熱伝導性のヒートブロックとで構成されており、
前記導電率計と前記サプレッサは共通の恒温槽内に収容されており、
前記サプレッサに装着され前記サプレッサの温度を前記恒温槽内の温度と同じ一定温度に調節するためのサプレッサ温調機構をさらに備えていることを特徴とするイオンクロマトグラフ。
【請求項2】
前記イオン交換部の積層方向の厚みは2mm以下である請求項に記載のイオンクロマトグラフ。
【請求項3】
前記溶出液流路形成部材及び前記再生液流路形成部材はポリエーテルエーテルケトン樹脂からなるものであり、前記恒温槽内の温度が40℃以上100℃以下一定温度に制御される請求項1又は2に記載のイオンクロマトグラフ。
【請求項4】
前記導電率計は前記ヒートブロックに一体として設けられている請求項1からのいずれか一項に記載のイオンクロマトグラフ。
【請求項5】
前記溶出液流路と前記再生液流路はともに流路幅が500μm以下、深さが100μm以下、流路長さが3000mm以下である請求項1から4のいずれか一項に記載のイオンクロマトグラフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は試料溶液中の無機イオン又は有機イオンを分離分析するイオンクロマトグラフに関するものである。
【背景技術】
【0002】
イオンクロマトグラフでは、試料を分離カラムに導入して成分イオンに分離させた後、分離カラムからの溶出液を導電率計セルに導いて導電率を検出することにより成分イオンの検出を行う。その際、分離カラムからの溶出液中の不用イオンを除去することにより溶出液の導電率を下げて高感度測定を行えるようにするために、分離カラムと検出器の間にサプレッサが配置されている(特許文献1参照。)。
【0003】
一般的なサプレッサとしては、イオン交換樹脂が充填剤として充填されたカラムで溶出液の導電率を抑制するものや、イオン交換膜を挟んで溶出液流路と再生液流路とを対向して配置し、両流路に溶出液と再生液を流すことで溶出液の導電率を抑制するものが知られている。しかし、これらのサプレッサには、次のような問題があった。
【0004】
まず、導電率計は温度に非常に敏感であるため、セルに導入される液の温度や周囲の温度が僅かに変動によっても導電率信号が変化し、クロマトグラムにノイズとして現れてしまうという問題があった。
【0005】
また、検出感度はS/N比で決まるので、検出器の濃度に対する出力信号は同じでも、ノイズが小さければそれだけ検出感度が上昇する。導電率の温度による変化の割合は、液の導電率が高いほど大きくなる。イオンクロマトグラフの場合、イオン交換樹脂が入った分離カラムを用いてイオン性の試料を分離するには、どうしてもイオン性の強い溶出液が必要となり、その結果、溶出液の導電率は高くなる。そこで、サプレッサによりカラムからの溶出液の導電率、すなわちバックグラウンド導電率を抑制しているが、バックグラウンド導電率を完全になくすことはできない。そのため、サプレッサの周囲温度が変動してサプレッサの温度が変動すると、サプレッサからの溶出液の温度も変動し、その影響を受けて溶出液のバックグラウンド導電率が変動し、測定精度が悪化するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3272439号公報
【特許文献2】特開2010−139387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題を解決するために、分離カラムの温度制御を行なうためのカラムオーブンの中にサプレッサを配置することによってサプレッサの温度を一定に保つ方法や、伝熱部材によってサプレッサをカラムオーブンと接触させることによってサプレッサの温度を一定に保つ方法が採られていた(特許文献2参照。)。しかし、これらの方法を採用しても、数十ppbという高感度の分析を安定的に行なうことは困難であった。
また、イオン交換膜を使用した市販のサプレッサにおいて、高温の条件下で高感度測定を行なうことができるようなものは存在しない。
【0008】
そこで、本発明は、分離カラムからの溶出液のバックグラウンド導電率を安定させて高感度測定を安定的に行なうことができるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、試料中のイオン成分の分離を行なう分離カラムを備えた分離流路と、導電率を計測する導電率計を備えた計測流路と、分離流路と計測流路との間を接続して分離カラムからの溶出液を流通させる溶出液流路、溶出液流路と対向して配置され再生液を流通させるための再生液流路及び溶出液流路と再生液流路の間に介在し両流路間でイオン交換を行なわせるイオン交換膜を備え、分離カラムからの溶出液のバックグラウンド導電率を抑制するためのサプレッサと、を備えたイオンクロマトグラフであって、サプレッサは、溶出液流路を形成する溶出液流路形成部材、イオン交換膜及び再生液流路を形成する再生液流路形成部材が積層されてなるイオン交換部とそのイオン交換部を覆う熱伝導性のヒートブロックとで構成されており、導電率計とサプレッサは共通の恒温槽内に収容されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、溶出液流路を形成する溶出液流路形成部材、イオン交換膜及び再生液流路を形成する再生液流路形成部材が積層されてなるイオン交換部とそのイオン交換部を覆う熱伝導性のヒートブロックとで構成されたサプレッサが導電率計とともに共通の恒温槽内に収容されているので、ヒートブロックを介してサプレッサ内部のイオン交換部へ恒温槽の熱を伝えやすくなり、イオン交換部の温度制御の応答性が向上する。さらに、サプレッサをイオン交換部のみで構成されている場合に比べて、イオン交換部がヒートブロックで覆われていることで熱容量が大きくなり、サプレッサの温度が変動しにくくなる。サプレッサが導電率計とともに恒温槽に収容されているので、溶出液がサプレッサから導電率計に導入されるまでの間に変化することが防止される。これにより、サプレッサの温度が高精度に一定温度に維持されてサプレッサからの溶出液の温度が一定温度に維持されるので、溶出液のバックグラウンド導電率を高精度に安定させることができ、高感度測定を安定的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】イオンクロマトグラフの一実施例を概略的に示す流路構成図である。
図2】イオン交換ユニットの構造の一例を示す断面図である。
図3】イオン交換部を構成する各フィルタを説明するための各フィルタの平面図である。
図4】サプレッサの温度制御を行なった場合と行なわなかった場合の導電率計の信号を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のイオンクロマトグラフの好ましい実施形態では、サプレッサに装着されサプレッサの温度を恒温槽内の温度と同じ一定温度に調節するためのサプレッサ温調機構をさらに備えている。一定温度に制御される恒温槽内ではサプレッサの温度の変動は小さく、その小さな温度変動に対し、サプレッサ温調機構がサプレッサの温度を一定温度に制御するため、サプレッサの温度制御の精度が向上し、サプレッサの温度をより安定させることができる。
【0013】
サプレッサのイオン交換部の積層方向の厚みは2mm以下であることが好ましい。そうすれば、ヒートブロックから溶出液流路に熱が伝わりやすくなり、溶出液流路を流れる溶出液の温度制御の応答性を向上させることができる。
【0014】
ところで、サプレッサの温度を高くするとサプレッサでのイオン交換速度が上昇し、S/N比が向上することによって測定感度が良くなることがわかっている。しかし、サプレッサの温度を40℃以上にすると、サプレッサを構成する樹脂部材から不純物質が溶出し、その不純物質が溶出液に入り込んでコンタミネーションを引き起こすという問題がある。
【0015】
そこで、本発明のイオンクロマトグラフの好ましい実施形態は、イオン交換部を構成する溶出液流路形成部材及び再生液流路形成部材がポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂からなるものとし、恒温槽の温度を40℃以上100℃以下に制御する。PEEK樹脂は40℃以上の高温の条件下でも不純物質が溶出しないため、コンタミネーションを発生させずに高感度の測定を行なうことが可能になる。サプレッサ内の溶液の温度が高温で一定であることにより、拡散透析の化学平衡速度も安定しやすく、溶液濃度に依存する導電率信号のばらつきが改善される。
【0016】
導電率計はヒートブロックに一体として設けられていることが好ましい。そうすれば、装置構成を簡略化することができる。また、サプレッサから導電率計までの溶出液の経路もヒートブロックにより温度制御されるので、サプレッサから導電率計に導入される溶出液の温度を一定温度でより安定させることができる。
【0017】
好ましい実施形態では、イオン交換部の溶出液流路と再生液流路はともに流路幅が500μm以下、深さが100μm以下、流路長さが3000mm以下である。これにより、溶出液流路及び再生液流路における液の流れを層流にすることが容易になり、液の流れを安定させることができる。
【0018】
イオンクロマトグラフの一実施例について図面を参照しながら説明する。まず、図1を用いてイオンクロマトグラフの一実施例の構成について説明する。
この実施例のイオンクロマトグラフは、分離流路2、計測流路3、再生液送液用流路24及び再生液排出流路25を備えている。これらの流路の一端はそれぞれイオン交換ユニット13に設けられたポートに接続されている。イオン交換ユニット13については後述するが、イオン交換ユニット13はサプレッサ12と恒温槽30で構成されたものである。
【0019】
分離流路2の上流端は溶離液を貯留した容器4に接続されている。分離流路2上には溶離液を送液するための送液ポンプ6、試料を分離流路2に注入する試料注入部8及び試料を成分ごとに分離する分離カラム10が設けられている。計測流路3の下流端はドレインとなっている。計測流路3上には導電率計26が設けられている。
【0020】
再生液送液用流路24の上流端は再生液を貯留した容器21に接続されている。再生液溶液用流路24上には再生液を送液するための送液ポンプ22が設けられている。再生液排出流路25は下流端がドレインとなっている。
【0021】
イオン交換ユニット13のサプレッサ12は、イオン交換膜16を挟んで溶出液流路と再生液流路とが対向する構造となっており、溶出液流路に分離カラム10からの溶出液、再生液流路に再生液をそれぞれ流すことによって溶出液の導電率を抑制し、導電率計26で計測される溶出液のバックグラウンド導電率を安定させるためのものである。溶出液流路を形成するための溶出液流路形成部材14aと再生液流路を形成するための再生液流路形成部材14bがイオン交換膜16を挟んで積層されることによってイオン交換部が構成され、そのイオン交換部の外側を熱伝導性のヒートブロック18が覆うことでサプレッサ12が構成されている。
【0022】
サプレッサ12はサプレッサ温調機構である恒温槽30内に収容されている。恒温槽30内はサプレッサ12の温度を一定温度、例えば40℃で維持するように温度制御部40によってフィードバック制御される。
【0023】
分離カラム10、イオン交換ユニット13及び導電率計26は共通の恒温槽28内に収容されている。恒温槽28内も恒温槽30と同じ一定温度、例えば40℃で維持されるように温度制御部34によってフィードバック制御される。図示は省略されているが、恒温槽28内の温度を検知する温度センサ、恒温槽30内の温度を検知する温度センサがそれぞれ設けられており、温度制御部34は温度センサからの信号に基づいて恒温槽28と恒温槽30に設けられたヒータの出力を制御する。
【0024】
イオン交換ユニット13は溶出液入口ポート31a、溶出液出口ポート31b、再生液入口ポート32a及び再生液出口ポート32bを備えている。溶出液入口ポート31aはサプレッサ12の溶出液流路の一端に通じるポートであり、分離流路2の下流端が接続されている。溶出液出口ポート31bはサプレッサ12の溶出液流路の他端に通じるポートであり、計測流路3の上流端が接続されている。再生液入口ポート32aはサプレッサ12の再生液流路の一端に通じるポートであり、再生液送液用流路24の下流端が接続されている。再生液出口ポート32bはサプレッサ12の再生液流路の他端に通じるポートであり、再生液排出流路25の上流端が接続されている。
【0025】
イオン交換ユニット13の構造の一例を図2を用いて説明する。
上述のように、イオン交換ユニット13は、サプレッサ12と恒温槽30で構成されている。サプレッサ12は積層されたフィルム14a−1、14a−2、16、14b−1及び14b−2からなるイオン交換部とそのイオン交換部を内部に収容して固定する熱伝導性のヒートブロック18で構成されている。フィルム14a−1、14a−2、14b−1及び14b−2の材質はPEEK樹脂である。ヒートブロック18の材質は例えばアルミニウムである。ヒートブロック18は2つの部材18aと18bで構成され、それらの部材18aと18bがイオン交換部を両面側から挟みこんだ状態でボルトとナットからなる締結具(図示は省略)により固定されている。
【0026】
恒温槽30はヒートブロック18の外周面に密着して覆う例えばステンレスなどの熱伝導性ブロックで構成されており、ヒータ36が取り付けられている。図示は省略されているが、ヒートブロック18の内部の温度を検出する熱電対などの温度センサが取り付けられており、その温度センサの検出信号に基づいてヒータ36の出力がフィードバック制御される。
【0027】
フィルム14a−1及び14a−2は溶出液流路形成部材14aを構成している。フィルム14a−2には溶出液流路となる蛇行した貫通溝46が形成されている(図3(B)参照)。フィルム14a−2がフィルム14a−1とイオン交換膜16との間に挟まれて積層されることにより、貫通溝46が溶出液流路を構成する。フィルム14a−1は、フィルム14a−2の貫通溝46の両端に相当する位置に溶出液流路に通じる流路となる貫通穴42及び44を備えている(図3(A)参照)。
【0028】
フィルム14b−1及び14b−2は再生液流路形成部材14bを構成している。フィルム14b−1には再生液流路となる蛇行した貫通溝48が形成されている(図3(D)参照)。貫通溝48は、貫通溝46とイオン交換膜16を挟んで対向するように形成されており、貫通溝46と略同一の形状を有する。フィルム14b−1がフィルム14b−2とイオン交換膜16との間に挟まれて積層されることにより、貫通溝48が再生液流路を構成する。フィルム14b−2は、フィルム14b−1の貫通溝48の両端に相当する位置に再生液流路に通じる流路となる貫通穴50及び52を備えている(図3(E)参照)。
【0029】
ヒートブロック18及び恒温槽30の熱伝導性ブロックは、フィルム14a−1の貫通孔42及び44に通じる溶出液入口ポート31a及び溶出液出口ポート31bと、フィルム14b−2の貫通孔50及び52に通じる再生液入口ポート32a及び再生液出口ポート32bを備えている。ヒートブロック18の溶出液出口ポート31bの形成部分には、フィルム14a−1の貫通孔44と溶出液出口ポート31bとの間を接続する流路を流れる溶液の導電率を計測する導電率計測部38が設けられている。導電率計測部38は図1における導電率計26を構成しており、サプレッサ12と導電率計26とが一体化されている。溶出液出口ポート31bは、導電率計測部38の形成部分に設けられた穴に装着されたアダプタ40に設けられている。
【0030】
以上の構成により、サプレッサ12の内部の温度制御を±0.02℃の精度で行なうことができた。サプレッサ12の温度制御を40℃の比較的高い温度で安定させることで、図4に示されているように、サプレッサ12の温度制御を行なわない場合に比べて導電率計26の信号のドリフトがなくなり、ベースラインが安定するようになった。これにより、同図のK+イオンのピークのように高さの低いピークの検出も容易になり、検出感度が向上する。
【0031】
イオン交換部がヒートブロック18で覆われているというサプレッサ12の構造により、サプレッサ12の熱容量が大きくなっているため、サプレッサ12に入る溶液の温度が変動しても、サプレッサ12の温度は変動しにくい。このため、恒温槽28の外側の温度が変動して溶出液温度が変動しても、導電率計26に導入される溶出液の温度やサプレッサ12におけるイオン交換速度に大きく影響せず、バックグラウンド導電率の変動が抑制される。
【符号の説明】
【0032】
2 分離流路
3 計測流路
4 溶離液貯留容器
6,22 送液ポンプ
8 試料注入部
10 分離カラム
12 サプレッサ
13 イオン交換ユニット
14a 溶出液流路形成部材
14b 再生液流路形成部材
16 イオン交換膜
18 ヒートブロック
21 再生液貯留容器
24 再生液送液用流路
25 溶出液排出流路
26 導電率計
28,30 恒温槽
31a 溶出液入口ポート
31b 溶出液出口ポート
32a 再生液入口ポート
32b 再生液出口ポート
34 温度制御部
36 ヒータ
38 導電率測定部
40 アダプタ
図1
図2
図3
図4