特許第5729518号(P5729518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5729518蓄電池用格子、蓄電池用格子の製造方法及び蓄電池用格子を用いた蓄電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5729518
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】蓄電池用格子、蓄電池用格子の製造方法及び蓄電池用格子を用いた蓄電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/73 20060101AFI20150514BHJP
   H01M 10/06 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   H01M4/73 A
   H01M10/06 Z
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-505421(P2014-505421)
(86)(22)【出願日】2013年7月23日
(86)【国際出願番号】JP2013004464
(87)【国際公開番号】WO2014038123
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2014年2月21日
(31)【優先権主張番号】特願2012-198408(P2012-198408)
(32)【優先日】2012年9月10日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】藤田 晃平
(72)【発明者】
【氏名】能塚 起義
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 翔太
(72)【発明者】
【氏名】西澤 潤一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 和馬
(72)【発明者】
【氏名】石黒 博之
【審査官】 高木 康晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭51−015120(JP,A)
【文献】 英国特許第00724056(GB,B)
【文献】 米国特許第05601953(US,A)
【文献】 米国特許第01515279(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/72
H01M 4/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状をなす枠骨と、
前記枠骨の第1辺部に接続されて枠外に突出した耳部と、
前記第1辺部の前記耳部との接続部から、前記第1辺部と対向する第2辺部まで延びる1又は複数の骨から選ばれたメイン骨と、
前記メイン骨の両側に位置して前記第1辺部から前記第2辺部まで延びるサブ骨と、
少なくとも一部は前記メイン骨から両側に向かって分岐し、前記第2辺部側に向かって斜めに延び、少なくとも一部は前記枠骨に至るまで延びる複数の斜め骨とを有し、
前記複数の斜め骨が、前記メイン骨の延在方向に間隔をあけて配置されており、
前記メイン骨から両側に分岐した複数の斜め骨のうち前記枠骨の前記第1辺部及び前記第2辺部以外の辺部に向かって延びる斜め骨が、前記枠骨の前記第1辺部及び前記第2辺部以外の辺部まで直線状に延びて接続されており、
前記メイン骨と、前記メイン骨に隣接する前記サブ骨と、前記メイン骨から分岐した斜め骨であって互いに隣接する斜め骨とから画定され、前記メイン骨の両側それぞれに形成される複数の空間部の形状が、概略四角形である蓄電池用格子。
【請求項2】
前記複数の斜め骨の一部が、前記枠骨の前記第1辺部から分岐している請求項1記載の蓄電池用格子。
【請求項3】
前記複数の斜め骨の一部が、前記枠骨の前記第1辺部における前記耳部との接続部から分岐している請求項1又は2記載の蓄電池用格子。
【請求項4】
前記サブ骨は、前記枠骨の前記第1辺部の延在方向に間隔をあけて複数配置されており、
前記複数のサブ骨の間隔が、前記メイン骨から離れるに従って大きくなる請求項1乃至3の何れかに記載の蓄電池用格子。
【請求項5】
前記枠骨の前記第2辺部、前記サブ骨及び前記斜め骨を辺の一部として画定される複数の空間部の形状が、概略四角形である請求項4に記載の蓄電池用格子。
【請求項6】
前記メイン骨は、前記枠骨の前記第1辺部及び前記第2辺部に対して直交して配置されている請求項1乃至5の何れかに記載の蓄電池用格子。
【請求項7】
前記枠骨の前記第1辺部と平行な横骨を有さない請求項1乃至6の何れかに記載の蓄電池用格子。
【請求項8】
前記複数の斜め骨のうち前記メイン骨から分岐した複数の斜め骨の間隔が、前記枠骨の前記第1辺部から離れるに従って大きくなる請求項1乃至7の何れかに記載の蓄電池用格子。
【請求項9】
前記複数の斜め骨のうち前記メイン骨から分岐した複数の斜め骨の、前記メイン骨に対する傾き角度が、前記枠骨の前記第1辺部から離れるに従って大きくなる請求項1乃至8の何れかに記載の蓄電池用格子。
【請求項10】
前記斜め骨の傾斜角度が、5度〜60度である請求項1乃至9の何れかに記載の蓄電池用格子。
【請求項11】
前記メイン骨が、平面視において、前記耳部から離れるに従って幅寸法が小さくなる形状である請求項1乃至10の何れかに記載の蓄電池用格子。
【請求項12】
前記枠骨の前記第1辺部が、平面視において、前記耳部に向かうに連れて幅寸法が大きくなる形状である請求項1乃至11の何れかに記載の蓄電池用格子。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れかに記載の蓄電池用格子を用いた蓄電池。
【請求項14】
前記蓄電池用格子が、鉛合金からなる請求項13記載の蓄電池。
【請求項15】
前記蓄電池用格子が、打ち抜き加工により形成される請求項13又は14記載の蓄電池。
【請求項16】
矩形状をなす枠骨を形成し、
前記枠骨の第1辺部に接続されて枠外に突出した耳部を形成し、
前記第1辺部の前記耳部との接続部から、前記第1辺部と対向する第2辺部まで延びる1又は複数の骨から選ばれたメイン骨を形成し、
前記メイン骨の両側に位置して前記第1辺部から前記第2辺部まで延びるサブ骨を形成し、
少なくとも一部は前記メイン骨から両側に向かって分岐し、前記第2辺部側に向かって斜めに延び、少なくとも一部は前記枠骨に至るまで延びる複数の斜め骨を形成し、
前記複数の斜め骨を、前記メイン骨の延在方向に間隔をあけて配置し、
前記メイン骨から両側に分岐した複数の斜め骨のうち前記枠骨の前記第1辺部及び前記第2辺部以外の辺部に向かって延びる斜め骨を、前記枠骨の前記第1辺部及び前記第2辺部以外の辺部まで直線状に延びて接続される構成とし、
前記メイン骨と、前記メイン骨に隣接する前記サブ骨と、前記メイン骨から分岐した斜め骨であって互いに隣接する斜め骨とから画定され、前記メイン骨の両側それぞれに形成される複数の空間部の形状を、概略四角形に形成する蓄電池用格子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池用格子、蓄電池用格子の製造方法及び蓄電池用格子を用いた蓄電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電池に用いられる格子として、特許文献1に示すように、鉛合金シートに例えば千鳥状にスリットを形成して引き伸ばしたエキスパンド格子(網目状格子)が用いられている。このエキスパンド格子は、耳部が形成された上部フレームと、当該上部フレームに対向する下部フレームと、前記上部フレーム及び下部フレームの間に形成された網目状桟とからなる。そして、上部フレーム、下部フレーム及び網目状桟により形成された桝目内に活物質が充填されることにより極板が構成される。
【0003】
しかしながら、このエキスパンド格子は、左右両側に上部フレームと下部フレームとを接続する枠骨が存在しないため、高さ方向に伸び易く、また平面方向において湾曲変形し易いため、活物質が脱落し易いという問題がある。また、エキスパンド格子の網目状桟は、下部フレームから上部フレームに向かってのこぎり刃状にジグザグであるため、耳部に至るまでの電流経路が長くなってしまい、電気抵抗が大きくなってしまう。これにより、極板全体における電位分布に不均衡が生じてしまい、局所的な腐食が生じ、極板の寿命が短くなってしまうという問題がある。
【0004】
また、蓄電池に用いられる格子として、特許文献2に示すように、方形状の枠骨内に、多数本の平行する横桟と、枠骨の上辺部に設けた耳部を中心として、放射状に延びる多数本の放射状桟とを有する鋳造格子が考えられている。ここで、放射状桟には分岐桟が設けられている。この分岐桟部は、前記放射状桟の基桟部に対し大きい角度で一旦側方に延びる分岐始端桟部と、当該分岐始端桟部に連続して放射方向に変角する屈曲始端桟部とを有する構成とされている。
【0005】
しかしながら、この鋳造格子は、分岐桟に沿った下方から上方に向かう経路において、耳部側を向かない部分(特に分岐始端桟部)を有するため、耳部に至るまでの電流経路が長くなってしまい、電気抵抗が大きくなってしまう。これにより、極板全体における電位分布に不均衡が生じてしまい、局所的な腐食が生じ、極板の寿命が短くなってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開平7−320743号公報
【特許文献2】 実公平8−2921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、格子の機械的強度を向上させるとともに、格子の電気抵抗を小さくして、格子における電位分布を均一化することをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る蓄電池用格子は、矩形状をなす枠骨と、前記枠骨の第1辺部に接続されて枠外に突出した耳部と、前記第1辺部の前記耳部との接続部から、前記第1辺部と対向する第2辺部まで延びる1又は複数の骨から選ばれたメイン骨と、前記メイン骨の両側に位置して前記第1辺部から前記第2辺部まで延びるサブ骨と、少なくとも一部は前記メイン骨から両側に向かって分岐し、前記第2辺部側に向かって斜めに延び、少なくとも一部は前記枠骨に至るまで延びる複数の斜め骨とを有し、前記複数の斜め骨が、前記メイン骨の延在方向に間隔をあけて配置されており、前記メイン骨から両側に分岐した複数の斜め骨のうち前記枠骨の前記第1辺部及び前記第2辺部以外の辺部に向かって延びる斜め骨が、前記枠骨の前記第1辺部及び前記第2辺部以外の辺部まで直線状に延びて接続されており、前記メイン骨と、前記メイン骨に隣接する前記サブ骨と、前記メイン骨から分岐した斜め骨であって互いに隣接する斜め骨から画定され、前記メイン骨の両側それぞれに形成される複数の空間部の形状が、概略四角形であることを特徴とする。
また、本発明に係る蓄電池用格子の製造方法は、矩形状をなす枠骨を形成し、前記枠骨の第1辺部に接続されて枠外に突出した耳部を形成し、前記第1辺部の前記耳部との接続部から、前記第1辺部と対向する第2辺部まで延びる1又は複数の骨から選ばれたメイン骨を形成し、前記メイン骨の両側に位置して前記第1辺部から前記第2辺部まで延びるサブ骨を形成し、少なくとも一部は前記メイン骨から両側に向かって分岐し、前記第2辺部側に向かって斜めに延び、少なくとも一部は前記枠骨に至るまで延びる複数の斜め骨を形成し、前記複数の斜め骨を、前記メイン骨の延在方向に間隔をあけて配置し、前記メイン骨から両側に分岐した複数の斜め骨のうち前記枠骨の前記第1辺部及び前記第2辺部以外の辺部に向かって延びる斜め骨を、前記枠骨の前記第1辺部及び前記第2辺部以外の辺部まで直線状に延びて接続される構成とし、前記メイン骨と、前記メイン骨に隣接する前記サブ骨と、前記メイン骨から分岐した斜め骨であって互いに隣接する斜め骨から画定され、前記メイン骨の両側それぞれに形成される複数の空間部の形状を、概略四角形に形成することを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、枠骨の第1辺部における耳部との接続部から第2辺部まで延びるメイン骨を有しているので、耳部と枠骨の第2辺部との距離を短くすることができる。また、少なくとも一部はメイン骨から斜めに延びる複数の斜め骨及びサブ骨を有しているので、枠骨の第2辺部におけるメイン骨との接続部から離れた部分で生じた電流が耳部へ至る経路を短くすることができる。さらに、メイン骨とサブ骨と斜め骨とから画定される空間部の形状が概略四角形になっているので、概略三角形の場合と比較して、耳部から遠ざかる迂回経路を減らすことができる。したがって、格子全体において、電気抵抗を小さくすることができ、格子における電位分布を均一化することができる。また、矩形状をなす枠骨を有することから、機械的強度を向上させることができる。
【0010】
また、前記複数の斜め骨の一部が、前記枠骨の前記第1辺部から分岐していることが望ましい。これならば、メイン骨を軸とした両側で生じた電流の経路が斜め骨及び第1辺部から構成されて直線的になり、電流経路を短くして、格子の電気抵抗を小さくすることができる。
【0011】
また、前記複数の斜め骨の一部が、前記枠骨の前記第1辺部の前記耳部との接続部から分岐していることが望ましい。これならば、斜め骨を流れる電流をメイン骨を介さず短い距離で耳部に流すことができ、格子の電気抵抗をより小さくすることができる。
【0012】
前記サブ骨は、前記枠骨の前記第1辺部の延在方向に間隔をあけて複数配置されており、前記複数のサブ骨の間隔が、前記メイン骨から離れるに従って大きくなることが望ましい。これならば、集電された電気量に応じて最適なサブ骨の間隔とすることができる。これにより、格子の電位分布をより一層均一にすることができる。
【0013】
このとき、前記枠骨の前記第2辺部、前記サブ骨及び前記斜め骨を辺の一部として画定される複数の空間部の形状が、概略四角形であることが望ましい。これならば、格子の電気抵抗を増加させることなく、空間部の開口面積を増加させることができ、活物質ペーストの充填性を向上させることができる。
【0014】
また、前記メイン骨は、前記枠骨の前記第1辺部及び前記第2辺部に対して直交して配置されていることが望ましい。これならば、耳部と枠骨の第2辺部とを最短距離で結ぶことができ、格子の電気抵抗をより一層小さくすることができる。
【0015】
前記枠骨の前記第1辺部と略平行な横骨を有さないことが望ましい。これならば、メイン骨を軸とした両側で生じた電流の経路が第2辺部から第1辺部に向かう方向成分を含む経路のみとなるため、メイン骨又は耳部へ至る経路を短くすることができ、格子の電気抵抗を小さくすることができる。
【0016】
また、前記複数の斜め骨のうち前記メイン骨から分岐した複数の斜め骨の間隔が、前記枠骨の前記第1辺部から離れるに従って大きくなることが望ましい。これならば、集電された電気量に応じて最適な斜め骨の間隔とすることができる。これにより、格子の電位分布をより均一にすることができる。
【0017】
また、前記複数の斜め骨のうち前記メイン骨から分岐した複数の斜め骨の、前記メイン骨に対する傾き角度が、前記枠骨の前記第1辺部から離れるに従って大きくなることが望ましい。これならば、集電された電気量に応じて最適な斜め骨の傾き角度とすることができる。これにより、格子の電位分布をより一層均一にすることができる。
【0018】
前記斜め骨の傾斜角度が、5度〜60度であることが望ましい。これならば、メイン骨に至る経路を短くすることができる。特に、斜め骨の傾斜角度が、45度であることが望ましい。
【0019】
前記メイン骨が、平面視において、前記耳部から離れるに従って幅寸法が小さくなる形状であることが望ましい。これならば、集電された電気量に応じて最適なメイン骨形状とすることができる。すなわち、耳部から離れた部分であって、流れる電気量が小さい部分については幅寸法を小さくできる。したがって、格子材料を少なくして、コストを低減することができる。
【0020】
前記枠骨の前記第1辺部が、平面視において、前記耳部に向かうに連れて幅寸法が大きくなる形状であることが望ましい。これならば、格子の機械的強度を向上させることができるだけでなく、格子における電位分布をより均一にすることができる。
【0021】
また、本発明に係る蓄電池は、上述した何れかに記載の蓄電池用格子を用いたことを特徴とする。
【0022】
このようなものであれば、格子における電位分布を均一化することができ、高率放電性能を向上させることができる。また、機械的強度を向上させることができ、サイクル寿命性能を向上させることができる。
【0023】
前記蓄電池用格子が、鉛合金からなることが望ましい。これならば、本発明を鉛蓄電池の格子に適用することができる。
【0024】
前記蓄電池用格子が、打ち抜き加工により形成されることが好ましい。これならば、鋳造加工により形成された格子に比べて、格子の厚みを薄く(格子の質量を軽く)することができる。したがって、格子材料を減らして、コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0025】
このように構成した本発明によれば、矩形状の枠骨にメイン骨及び斜め骨を設ける構成であるため、格子の機械的強度を向上させることができる。また、本発明によれば、枠骨の第1辺部、及び、第1辺部における耳部との接続部から延びるメイン骨から斜めに分岐した複数の斜め骨を有するので、格子の電気抵抗を小さくして、格子における電位分布を均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】 本実施形態の鉛蓄電池用格子の斜視図。
図2】 同実施形態の鉛蓄電池用格子の平面図。
図3】 同実施形態の鉛蓄電池用格子の部分拡大図。
図4】 鉛蓄電池用格子の第1の変形例を示す平面図。
図5】 鉛蓄電池用格子の第2の変形例を示す平面図。
図6】 鉛蓄電池用格子の第3の変形例を示す平面図。
図7】 鉛蓄電池用格子の第4の変形例を示す平面図。
図8】 鉛蓄電池用格子の第5の変形例を示す平面図。
図9】 鉛蓄電池用格子の第6の変形例を示す平面図。
図10】 鉛蓄電池用格子の第7の変形例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明に係る蓄電池用格子の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態においては、鉛蓄電池に用いられる格子を例に挙げて説明する。また、図1及び図2における紙面上下左右方向をそのまま上下左右方向と規定して説明する。
【0028】
本実施形態の格子1は、鉛蓄電池の発電要素である電極群における正極板又は負極板の一部材として用いられるものである。なお、この格子1を正極板に用いる場合には、格子1に正極活物質(二酸化鉛)が充填されている。一方、この格子1を負極板に用いる場合には、格子1に負極活物質(海綿状鉛)が充填されている。
【0029】
具体的に格子1は、鉛合金からなる圧延シートをパンチングにより打ち抜き加工して得られるものであり、図1及び図2に示すように、概略矩形状をなす枠骨2と、当該枠骨2の上辺部2a(第1辺部)から枠外である上方に突出して形成された耳部21と、前記枠骨2内において上下方向に直線状に延び設けられた複数の縦骨3と、前記枠骨2内において傾斜して形成された複数の斜め骨4とを有する。また、本実施形態の格子1は、枠骨2の上辺部2aと略平行な横骨を有さない構成としている。
【0030】
具体的に、格子1は、複数の縦骨3のうち、上辺部2aにおける耳部21との接続部5直下から下方に延びる1又は複数(本実施形態では3本)の縦骨3からなるメイン縦骨3X(メイン骨)を有する。このメイン縦骨3Xは、枠骨2の上辺部2a及び当該上辺部2aに対向する下辺部2b(第2辺部)に略直交するものであり、平面視において、上方から下方に行くに従って幅寸法が小さくなる先細り形状である。これにより、集電された電気量に応じて最適な縦骨形状とすることができる。また、下方において幅寸法を小さくすることによって、極板材料を少なくすることができる。
【0031】
また、メイン縦骨3Xの左右両側にある複数の縦骨3(サブ骨)は、上辺部2aの左右方向(延在方向)に間隔をあけて配置されており、メイン縦骨3Xから左右両側に離れるに従って、その間隔が大きくなるように形成されている。また、メイン縦骨3Xの左右両側にある複数の縦骨3は、メイン縦骨3Xから離れるに従って、縦骨3の幅寸法が小さくなるように構成されている。これにより、集電された電気量に応じて最適な縦骨3の間隔とすることができる。その他、複数の縦骨3は、メイン縦骨3Xから離れるに従って、幅寸法が小さくなるように構成しても良い。
【0032】
複数の斜め骨4は、少なくともメイン縦骨3Xから斜め下方に直線状に延びる斜め骨4を有している。つまり、複数の斜め骨4は、メイン縦骨3Xから分岐して斜め下方の延びる複数の斜め骨4(4m)と、枠骨2の上辺部2aから分岐して斜め下方に延びる複数の斜め骨4(4n)とからなる。なお、斜め骨4の一部(本実施形態では2本)は、上辺部2aにおける耳部21との接続部5から分岐している。したがって、斜め骨4の上端部が、メイン縦骨3X又は枠骨2の上辺部2aに接続されており、斜め骨4の下端部が、枠骨2の側辺部2c、2d又は下辺部2bに接続されている。つまり、斜め骨4の下端部は、枠骨2まで延びている。
【0033】
そして、複数の斜め骨4は、平面視において、メイン縦骨3Xを中心に概略ハの字状に形成されており、少なくともメイン縦骨3Xから分岐してメイン縦骨3Xを軸とした左右両側に向かい、且つ、上辺部2aから下辺部2bに向かって斜めに延びている。具体的には、複数の斜め骨4が、平面視において、上方に行くに従って、メイン縦骨3Xに寄るように傾斜した概略直線状をなすものである。そして、メイン縦骨3Xを辺の一部として確定される空間部の形状は、概略四角形となっている。このように、斜め骨4が概略直線状であるため、メイン縦骨3Xの左右両側で生じた電流の経路が直線的になりメイン縦骨3X又は上辺部2aへの電流経路を短くすることができる。
【0034】
詳細には、図3に示すように、メイン縦骨3Xの左側に形成された複数の斜め骨4は、メイン縦骨3Xの上下方向(延在方向)に間隔をあけて配置されており、メイン縦骨3Xに向かって45度の傾斜角度で傾いている。また、メイン縦骨3Xの右側に形成された複数の斜め骨4は、メイン縦骨3Xの上下方向に間隔をあけて配置されており、メイン縦骨3Xに向かって45度の傾斜角度で傾いている。さらに、メイン縦骨3Xにおいて、左側に形成された各斜め骨4(4m)の上端部の接続点P1と、右側に形成された各斜め骨4(4m)の上端部の接続点P2とは高さ方向において一致している。このような構成により、メイン縦骨3Xの左側の斜め骨4とメイン縦骨3Xの右側の斜め骨4とは、メイン縦骨3Xを中心として左右対称となる。
【0035】
また、メイン縦骨3Xの左側に形成された複数の斜め骨4は、互いに略平行となるように形成されており、メイン縦骨3Xの右側に形成された複数の斜め骨4は、互いに略平行となるように形成されている。このように互いに略平行としているので、電位分布をより均一化させることができる。なお、隣接する斜め骨4の間隔は、同一としても良いし、複数の間隔としても良いし、下方に行くに従って間隔が大きくなるように構成しても良い。つまり、電位分布を均一とすべく、斜め骨4の間隔を異ならせても良い。
【0036】
上述したように、本実施形態における格子1の構成は、矩形状をなす枠骨2と、枠骨2の上辺部2aに接続されて枠外に突出した耳部21と、上辺部2aの耳部21との接続部から、上辺部2aと対向する下辺部2bまで垂直に延び、平面視において、耳部21から離れるに従って幅寸法が小さくなる形状であるメイン縦骨3Xと、上辺部2aから下辺部2bまで延び、枠骨2の上辺部2aの延在方向に間隔をあけて配置され、その間隔がメイン縦骨3Xから離れるに従って大きくなる複数の縦骨3と、少なくともメイン縦骨3Xから両側に向かって分岐し、下辺部2b側に向かって斜めに延び、その傾斜角度が5度〜60度である複数の斜め骨4とを有し、前記複数の斜め骨4が、メイン縦骨3Xの延在方向に間隔をあけて配置されており、その一部の斜め骨4において枠骨2の上辺部2aから分岐しており、さらに、一部の斜め骨4において枠骨2の上辺部2aにおける耳部21との接続部から分岐しており、メイン縦骨3X及び縦骨3を辺の一部として画定される複数の空間部の形状が、少なくとも一部において概略四角形であり、枠骨2の下辺部2b、縦骨3及び斜め骨4を辺の一部として画定される複数の空間部の形状が、概略四角形である。さらに、複数の斜め骨4のうちメイン縦骨3Xから分岐した複数の斜め骨4の間隔が、枠骨2の上辺部2aから離れるに従って大きくなっている。
【0037】
次に、このように構成した格子1と、従来のエキスパンド格子との電位分布解析を行った結果を示す。従来のエキスパンド格子は、格子寸法[幅(mm)×高さ(mm)]を137.0×115.0とし、格子厚さ(mm)を1.00とし、格子質量(g)を42.0とした。また、本発明の鉛蓄電池用格子は、格子寸法[幅(mm)×高さ(mm)]を137.0×115.0とし、格子厚さ(mm)を0.80とし、格子質量(g)を42.0とした。そして、従来のエキスパンド格子及び本発明の鉛蓄電池用格子の耳上端部に1Aの電流を流して電位分布解析を行った。
【0038】
このとき、従来のエキスパンド格子の下部フレームを基準(0V)とした電位ドロップ(電圧降下)量の割合を100%とし、本発明の鉛蓄電池用格子の斜め骨の傾斜角度を0度から80度まで変化させた場合において、本発明の鉛蓄電池用格子の下辺部を基準(0V)とした電位ドロップ量の割合及び電位分布の均一性を表1に示す。
【表1】
【0039】
※電位分布の均一性・・・ ◎:優、○:良、×:不可
【0040】
本発明の鉛蓄電池用格子の電位ドロップ量の割合は、従来のエキスパンド格子の電位ドロップ量の割合に対して、48〜50%まで低下した。また、本発明の鉛蓄電池用格子の電位分布の均一性は、◎又は○(優又は良)で、従来のエキスパンド格子の電位分布の均一性の×(不可)よりも優れていた。このことから、本発明の鉛蓄電池用格子では、従来のエキスパンド格子に対して格子全体の電位分布が均一化されていることが分かった。さらに、本発明の鉛蓄電池用格子の斜め骨の傾斜角度が0度又は80度の場合の格子全体の電位分布の均一性が○(良)に対して、本発明の鉛蓄電池用格子の斜め骨の傾斜角度が5度から60度の範囲では、電位分布の均一性が◎(優)であった。このことから、本発明の鉛蓄電池用格子の斜め骨の傾斜角度が5度から60度の範囲にあれば、電位分布がより一層均一化されることがわかった。
【0041】
このように本発明の鉛蓄電池用格子を鉛蓄電池に用いることで、従来のエキスパンド格子と同程度の鉛質量とすれば、従来のエキスパンド格子を用いた場合よりも高率放電性能(コールドクランキング電流、低温ハイレート放電性能)を向上させることができる。一方で、本発明の鉛蓄電池用極板を鉛蓄電池に用いることで、従来のエキスパンド格子を用いた場合と同程度の高率放電性能(コールドクランキング電流、低温ハイレート放電性能)が、鉛質量の少ない極板によって実現することができる。
【0042】
また、上述した従来のエキスパンド格子及び本発明の鉛蓄電池用格子の伸び解析を行った結果を表2に示す。
【表2】
【0043】
【0044】
従来のエキスパンド格子の幅方向(左右方向)の格子伸び量の割合、及び高さ方向(上下方向)の格子伸び量の割合をそれぞれ100%とすると、本発明の鉛蓄電池用格子においては、従来のエキスパンド格子に対して幅方向の格子伸び量の割合が50%から80%の範囲、高さ方向の格子伸び量の割合が43%から57%の範囲までそれぞれ低下した。このことから、本発明の鉛蓄電池用格子では、幅方向及び高さ方向ともに格子伸び量が低減されていることが分かった。したがって、本発明の格子を適用した鉛蓄電池は、JIS5301で定められている軽負荷寿命試験に準じた周囲温度75℃のサイクル寿命試験のサイクル数が増加するなど、サイクル寿命性能を向上させることができる。
【0045】
このように構成した本実施形態に係る格子1によれば、耳部21の下方にメイン縦骨3Xを有しているので、耳部21と枠骨2の下辺部2bとを距離を短くすることができる。また、少なくともメイン縦骨3Xから斜め下方に延びる複数の斜め骨4を有しているので、メイン縦骨3Xの側方部分で生じた電流がメイン縦骨3X又は耳部21へ至る経路を短くすることができる。さらに、複数の斜め骨4が、平面視においてメイン縦骨3Xを中心に概略ハの字状に形成されているので、メイン縦骨3Xの左右両側で生じた電流をメイン縦骨3X又は耳部21へ至る経路を短くすることができる。さらに、メイン縦骨3Xと斜め骨4から画定される空間部の形状が概略四角形になっているので、三角形の場合と比較して、耳部2から遠ざかる迂回経路を減らすことができる。したがって、格子1全体において、電気抵抗を小さくすることができ、電極板における電位分布を均一化することができる。また、概略矩形状をなす枠骨2を有することから、機械的強度を向上させることができる。
【0046】
また本実施形態の格子1は、複数の縦骨3及び複数の斜め骨4からなり、枠骨2の上辺部2aと略平行な横骨を有さない構成であるので、メイン縦骨3Xの左右両側で生じた電流の経路が、縦骨3からなる上方へ向かう経路及び斜め骨4からなる斜め上方に向かう経路のみとなるため、メイン縦骨3X及び上辺部2aを介して耳部21へ至る経路を短くすることができ、電気抵抗を小さくすることができる。
【0047】
また、格子1を打ち抜き加工により形成することで、鋳造加工により形成した場合に比べて、格子厚さをより薄く(格子質量をより軽く)することができる。したがって、格子材料を少なくして、コストを低減することができる。この格子厚さに差が生じる理由は、金属組織が異なることによる腐食形態の違いが挙げられる。一般的に、鋳造格子は、結晶粒が大きく、腐食が結晶粒界に入り込むように進行するため、腐食率が小さいうちに破断する特性がある。一方、圧延シートを打ち抜いて作製した打ち抜き格子は、スラブ作製後に圧延加工が入ることによって、スラブ中の大きな結晶粒が圧延方向に引き伸ばされ、格子を破断させるような結晶粒界がなくなって、腐食は格子表面から順次進む特性がある。この特性によって、圧延シートから作製する打ち抜き格子は、鋳造格子と比較して、格子厚さをより薄くすることができる。
【0048】
なお、格子1は、打ち抜き加工や鋳造方法により、以下のように製造される。矩形状をなす枠骨を形成し、前記枠骨の第1辺部に接続されて枠外に突出した耳部を形成し、前記第1辺部の前記耳部との接続部から、前記第1辺部と対向する第2辺部まで延びるメイン骨を形成し、前記第1辺部から前記第2辺部まで延びるサブ骨を形成し、少なくとも前記メイン骨から両側に向かって分岐し、前記第2辺部側に向かって斜めに延びる複数の斜め骨を形成し、前記複数の斜め骨を、前記メイン骨の延在方向に間隔をあけて配置し、前記メイン骨及び前記サブ骨を辺の一部として画定される複数の空間部の形状を、少なくとも一部において概略四角形に形成する。
【0049】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、メイン縦骨3Xが1本の縦骨3であり、当該メイン縦骨3Xから複数の斜め骨4が延びる構成とされているが、図4に示すように、メイン縦骨3Xを複数(図4では2本)の縦骨3として、これら複数のメイン縦骨3Xから複数の斜め骨4が延びる構成としても良い。
【0050】
また、図5に示すように、枠骨2の上辺部2aが、平面視において、耳部21に向かうに連れて高さ寸法が大きくなる形状としても良い。具体的には、枠骨2の上辺部2aの下面が、両端部から耳部21に向かうに連れて下側に傾斜した概略V字状をなすものである。これにより、格子1の機械的強度を向上させることができるだけでなく、電極板における電位分布をより均一にすることができる。
【0051】
また、メイン縦骨3Xだけでなく、その他の縦骨3も上方から下方に行くに従って幅寸法が小さくなる形状としても良い。なお、図5においては、メイン縦骨3Xの左右両側各3本の縦骨3を上方から下方に行くに従って幅寸法が小さくなる形状とした場合を示している。
【0052】
さらに、前記実施形態では、メイン縦骨3Xの左側の複数の斜め骨4の傾斜角度(例えば45度)及びメイン縦骨3Xの右側の複数の斜め骨4の傾斜角度(例えば45度)が同じであったが、左右両側で斜め骨4の傾斜角度を異ならせるようにしても良い。つまり、例えばメイン縦骨3Xの左側の複数の斜め骨4の傾斜角度を45度として、メイン縦骨3Xの右側の複数の斜め骨4の傾斜角度を60度としても良い。
【0053】
加えて、前記実施形態では、斜め骨4の傾斜角度が45度であったが、その他の傾斜角度であっても良い。図6に示すように、斜め骨4の傾斜角度が図6の左右方向に対して5度(メイン縦骨3Xに対して85度)であっても良いし、図7に示すように、傾斜角度が60度(メイン縦骨に対して30度)であっても良い。
【0054】
その上、前記実施形態では、左右両側の斜め骨4の接続部が高さ方向において同一であったが、図8及び図9に示すように、高さ方向においてずれていても良い。
【0055】
また、前記実施形態では、全ての斜め骨4が、枠骨2の下辺部2b又は側辺部2c、2dに接続されていたが、一部の斜め骨4が、枠骨2の下辺部2b又は側辺部2c、2dに接続されない構成としても良い。例えば、図10に示すように、複数の斜め骨4のうち、直線的に延在したときに、枠骨2の側辺部2c、2dと交わるものは、前記実施形態と同様に、側辺部2c、2dと接続される。一方で、複数の斜め骨4のうち、直線的に延在したときに、枠骨2の下辺部2bと交わるものは、下辺部2bと交わる直前又はそれ以前の縦骨3と接続され、下辺部2bと交わる直前又はそれ以前の縦骨3に斜め骨4の端部4eが形成される。この場合、下辺部2bを辺の一部として画定される複数の空間部の形状は概略四角形となる。そして、メイン縦骨3Xから分岐した複数の斜め骨4mの、メイン縦骨3Xに対する傾き角度は、枠骨2の上辺部2aから離れるに従って大きくなっている。図10に示す格子では、上辺部2aに最も近い斜め骨4mの傾き角度が30度(メイン縦骨3Xに対して60度)であり、最も離れた斜め骨4mの傾き角度が20度(メイン縦骨3Xに対して70度)となっている。これならば、集電された電気量に応じて最適な斜め骨4mの傾き角度とすることができる。これにより、格子1の電位分布をより一層均一にすることができるとともに、格子への活物質の充填性をより一層向上させることができる。
【0056】
また、前記実施形態では、メイン縦骨3Xから斜め下方の延びる複数の斜め骨4(4m)と、枠骨2の上辺部2aから斜め下方に延びる複数の斜め骨4(4n)とを有しているが、上辺部2aから斜め下方に延びる複数の斜め骨4(4n)を有さないものであっても良い。
【0057】
また、前記実施形態では、鉛蓄電池に用いられる格子を例に挙げて説明したが、これに限られず、ニッケル水素電池など活物質を充填する格子に適用することができる。
【0058】
さらに、前記実施形態では、格子1は、打ち抜き加工により形成されていたが、鋳造加工により形成されてもよい。
【0059】
加えて、前記実施形態の格子は、枠骨の四辺のうち上辺部を第1辺部、下辺部を第2辺部として構成したものであったが、枠骨の四辺のうち左右側辺部の一方を第1辺部、他方を第2辺部として構成したものであっても良い。
【0060】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1・・・格子
2・・・枠骨
2a・・・上辺部
2b・・・下辺部
21・・・耳部
3・・・縦骨
3X・・・メイン縦骨
4・・・斜め骨
5・・・接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10