(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の操作表示領域に表示される表示切替ボタンは、前記給油ホースの引き出し及び/又は巻き取り操作が行われていない場合にのみ表示されることを特徴とする請求項3に記載の給油システム。
前記給油装置の異常及び/又は前記給油装置との間の通信に異常が発生した場合に、前記異常を操作者に対して報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の給油システム。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る給油システムの一実施の形態を示し、この給油システム1は、大別して、地上に設置された給油装置10と、船舶に対して給油を行う操作者が携帯する携帯端末30とで構成され、携帯端末30に対して各種操作を行うことにより、給油ホースの引き出し/巻き取りや、給油設定を行い、ポンツーンの周囲に停泊する船舶に対する給油を行う。
【0022】
また、図示しないが、給油システム1には、給油装置10との間で通信を行い、給油装置10による船舶に対する給油動作の制御や、給油データの管理を行うPOS(Point Of Sale system)が設けられる。
【0023】
給油装置10は、
図2に示すように、図示しない貯油タンクに連通された給油管11に対して、給油ポンプ12、流量計13、絞り弁14、及びホースリール15が順次設けられる。また、給油管11の先端には、給油ホース16が接続され、給油ホース16の先端には、給油ノズル17が設けられる。給油ポンプ12には、給油モータ18が連結されると共に、ホースリール15には、モータ20が連結される。
【0024】
また、給油装置10は、流量計13を流れる油の流量を示す流量パルスを出力する流量パルス発信器19と、後述する給油制御手段28からの制御信号に基づき給油モータ18の動作を制御する給油モータ駆動手段21と、流量パルス発信器19からの流量パルスに基づき給油量を計数する計数手段22と、流量パルス発信器19からの流量パルス及び給油制御手段28からの制御信号に基づき演算を行う演算手段23と、給油制御手段28からの制御信号に基づきモータ20の動作を制御するホースリールモータ駆動手段24と、携帯端末30から送信された各種操作信号を受信すると共に、後述する給油制御手段28によって生成された異常信号を送信する送受信手段25と、給油量等を表示する表示手段26と、給油量の設定等の各種操作を行い、操作に応じた操作信号を出力する操作手段27と、各部を制御する給油制御手段28と、給油ノズル17の先端に設けられ、給油される油の液面を検出する液面検出手段29とを備える。また、給油ノズル17は、流路の開閉を行って給油の開始・中断・終了を行うノズルレバー30を備える。
【0025】
給油制御手段28は、送受信手段25を介して携帯端末30から受信した各種操作信号や操作手段27からの操作信号、計数手段22から受け取った信号に基づき、給油モータ駆動手段21、演算手段23及びホースリールモータ駆動手段24を制御する。また、給油制御手段28は、給油装置10の各部(例えば、計数手段22及び表示手段26)の状態を定期的に監視し、これらに異常が発生した場合や、送受信手段25による携帯端末30との通信に異常が発生した場合等に、異常を示す異常信号を生成して出力する。
【0026】
携帯端末30は、
図3に示すように、携帯端末30に対する操作ボタンや、給油状態や給油機状態及び通信状態等の各種情報を表示する表示手段31と、給油ホースの引き出し/巻き取りや、給油設定等の各種操作を行う操作手段32と、給油中の異常状態等を操作者に対して報知する報知手段33と、給油装置10の送受信手段25から送信された異常信号を受信すると共に、携帯端末30に対する操作に応じた操作信号を送信する送受信手段34と、携帯端末30に設けられた各部を制御する制御手段35とを備える。
【0027】
表示手段31は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイであり、給油設定操作を行う際の給油操作画面や、給油ホース16の引き出し/巻き取り操作を行う際のホースリール操作画面等を表示する。
【0028】
操作手段32は、例えば、表示手段31上に積層されたタッチパネルであり、操作者が表示手段31に表示された各種ボタンを押圧する等の操作を行うことにより、操作に応じた操作信号を出力する。
【0029】
報知手段33は、給油中等に異常が発生した場合に、制御手段35から異常信号を受け取り、この異常信号に基づき、操作者に対して異常が発生したことを報知する。報知手段33としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)やスピーカ、バイブレータを用いることができる。
【0030】
例えば、報知手段33としてLEDを用いた場合には、LEDを点灯/点滅させることにより、操作者に対して異常の発生を報知する。また、例えば、報知手段33としてスピーカを用いた場合には、異常を示す音声を出力することにより、操作者に対して異常の発生を報知する。さらに、例えば、報知手段33としてバイブレータを用いた場合には、バイブレータを振動させることにより、操作者に対して異常の発生を報知する。
【0031】
送受信手段34は、操作者の操作手段32に対する操作に応じた操作信号を制御手段35から受け取り、給油装置10の送受信手段25に対して送信する。また、送受信手段34は、送受信手段25から送信された異常信号を受信し、制御手段35に対して供給する。
【0032】
制御手段35は、操作手段32から操作信号を受信し、操作信号が示す操作に応じた表示画面を表示手段31に対して表示するように制御すると共に、操作信号を送受信手段34に対して供給する。また、制御手段35は、送受信手段34を介して給油装置10から異常信号を受信し、受信した異常信号に基づき、報知手段33を動作させるように制御する。
【0033】
さらに、制御手段35は、給油を行う際に、給油の開始を要求するための給油要求信号や、給油が終了したことを示す給油終了信号を生成し、送受信手段34を介して給油装置10に対して送信するように制御する。
【0034】
さらにまた、制御手段35は、給油装置10との間の通信状態を監視し、給油装置10との間で通信を行った際に通信異常を検出すると、異常であることを表示手段31に表示させると共に、給油装置10との通信が所定時間(例えば、5分)行われない場合に、携帯端末30を省電力モードに設定し、携帯端末30の電力消費を抑制する。
【0035】
次に、表示手段31に表示される表示画面について、
図4及び
図5を参照して説明する。携帯端末30では、船舶に対する給油や、給油ホース16の引き出し/巻き取りを行うための操作を行うことができ、これらの操作に応じた表示を表示手段31に表示することができる。表示手段31には、例えば、給油設定及び給油中であることを示す給油操作画面40(
図4)と、給油ホース16の引き出し/巻き取り操作を行うホースリール操作画面50(
図5)とが表示される。
【0036】
まず、表示手段31には、初期状態の表示として、
図4(a)に示す給油操作画面40が表示される。この給油操作画面40には、給油表示領域41、操作表示領域42及び状態表示領域43が設けられる。
【0037】
給油表示領域41は、給油機を示す給油機番号41a、給油量41b及び油種41cが表示され、これら各種情報41a〜41cの周囲(給油表示領域41の背景)は、給油状態に応じて分別された色で点灯/点滅する。例えば、給油中においては、背景が「青」色で点灯/点滅し、給油設定中等の非給油時においては、背景が「オレンジ」色で点灯/点滅する。また、例えば、異常が発生した場合においては、背景が「赤」色で点灯/点滅する。このように、給油状態に応じて給油表示領域41の背景の色を分別することにより、操作者が画面を注視しなくても、現在の状態を容易に確認することができる。
【0038】
また、給油機番号41aを示す表示の下部には、給油機が動作中であるか否かを示す表示(動作表示)41dが表示され、例えば、給油中においては、当該表示が点滅する。
【0039】
操作表示領域42は、給油設定を行うための各種ボタンが表示される。操作表示領域42に表示されるボタンとしては、例えば、給油を開始する「開始」ボタン42a、給油を終了する「終了」ボタン42b、及び表示手段31の表示をホースリール操作画面50に遷移させるための「ホースリール」ボタン42cが表示される。
【0040】
「開始」ボタン42aは、給油を開始する際に操作者によって押圧されることにより、給油が開始される。「終了」ボタン42bは、給油を終了する際に押圧されることにより、給油が終了される。
【0041】
「ホースリール」ボタン42cは、押圧されることにより、表示手段31の表示がホースリール操作画面50に遷移する。尚、この「ホースリール」ボタン42cは、給油中における誤操作を防止するため、給油中には非表示となり、非給油時にのみ表示される。
【0042】
これらの各種ボタン42a〜42cは、操作する時点で操作可能なボタンのみが表示される。具体的には、例えば、操作できないボタンは、表示が暗転することによって操作が不可能であることを示す。例えば、非給油時においては、「開始」ボタン42a及び「ホースリール」ボタン42cのみが表示され、「終了」ボタン42bは、表示が暗転する。また、給油中においては、「終了」ボタン42bのみが表示され、「開始」ボタン42aの表示が暗転すると共に、上述したように、「ホースリール」ボタン42cは表示されない。
【0043】
状態表示領域43は、給油装置10の状態を示す給油機状態43a及び給油装置10との通信状態を示す通信状態43bが表示される。給油機状態43aは、給油装置10における計数手段22や表示手段26等に異常が発生した場合に、異常状態であることを表示する。具体的には、例えば、様々な異常状態に応じて予め対応付けられて設定されたエラーコードを、給油機状態43aに表示する。通信状態43bは、給油装置10との通信状態が異常である場合に、「異常」を表示する。
【0044】
また、給油機状態43a及び通信状態43bの周囲(背景)は、状態に応じて分別された色で点灯する。例えば、給油機状態43a及び通信状態43bが「正常」状態である場合には、背景が「青」色で点灯し、給油機状態43a及び通信状態43bのいずれかが「異常」状態である場合には、背景が「赤」色で点灯する。
【0045】
図4(a)において、「開始」ボタン42aが押圧されると、給油装置10による給油処理が開始され、
図4(b)に示すように、給油表示領域41に表示された給油量41bが帰零されると共に、給油表示領域41の背景が「青」色で点灯する。。そして、給油機番号41aの下部に表示された動作表示41dが点滅する。この動作表示41dの点滅は、「終了」ボタン42bが押圧されて給油が終了するまで継続される。また、初期状態(
図4(a))において操作表示領域42に表示された「ホースリール」ボタン42cの表示が消える。これにより、給油中にホースリールに対する誤操作を防ぐことができる。
【0046】
そして、給油中は、
図4(c)に示すように、現在の給油量が給油量41bに表示される。また、操作表示領域42においては、「終了」ボタン42bのみが表示され、「開始」ボタン42aが暗転する。
【0047】
ここで、本実施形態では、通常、給油の際に区切りのよい所定の数値まで給油を行う「整数給油」を行うことができ、
図4(d)に示すように、整数給油見込み量を示す整数給油表示41eが点滅した状態で表示される。
【0048】
整数給油を行う場合には、この整数給油表示41eが表示された状態で給油表示領域41内のいずれかを押圧する。この場合には、
図4(e)に示すように、整数給油表示41eが点灯し、表示された見込み量まで給油が行われる。そして、整数給油表示41eに表示された整数給油見込み量まで給油が行われると、
図4(f)に示すように、給油量41bの値が整数給油見込み量で止まると共に、整数給油表示41eが消え、整数給油が終了する。
【0049】
一方、整数給油を行わない場合には、整数給油表示41eが点滅した状態(
図4(d))で給油を継続し、給油を終了したいタイミングで「終了」ボタン42bを押圧する。
【0050】
整数給油が終了した場合、及び通常の給油を行っている場合に、「終了」ボタン42bを押圧すると、
図4(g)に示すように、給油表示領域41の背景が「オレンジ」色に点灯すると共に、操作表示領域42において、「終了」ボタン42bが暗転し、「ホースリール」ボタン42cが出現する。
【0051】
一方、
図4(a)において、「ホースリール」ボタン42cが押圧されると、
図5(a)に示すように、表示手段31にホースリール操作画面50が表示される。このホースリール操作画面50には、ホースリール表示領域51、操作表示領域52及び状態表示領域53が設けられる。
【0052】
ホースリール表示領域51は、給油機を示す給油機番号51a及び油種51bが表示される。
【0053】
操作表示領域52は、ホースリール15を操作するための各種ボタンが表示される。操作表示領域52に表示されるボタンとしては、例えば、給油ホース16を引き出すための「引出し」ボタン52a、給油ホース16を巻き取るための「巻取り」ボタン52b、及び表示手段31の表示を給油操作画面40に遷移させるための「給油」ボタン52cが表示される。
【0054】
「引出し」ボタン52aは、給油ホース16を引き出す際に操作者によって押圧されることにより、ホースリール15から給油ホース16が引き出される。「巻取り」ボタン52bは、給油ホース16を巻き取る際に押圧されることにより、ホースリール15に給油ホース16が巻き取られる。「引出し」ボタン52a及び「巻取り」ボタン52bは、誤操作を防止するため、各々のボタンが押圧されている間にのみ、ホースリール15が動作する。
【0055】
「給油」ボタン52cは、押圧されることにより、表示手段31の表示が給油操作画面40に遷移する。
【0056】
状態表示領域53は、状態表示領域43と同様に、給油機状態53a及び通信状態53bが表示され、これらの給油機状態53a及び通信状態53bの周囲(背景)は、状態に応じて分別された色で点灯する。
【0057】
図5(a)において、「引出し」ボタン52aが押圧されると、
図5(b)に示すように、ホースリール表示領域51には、給油ホース16を引き出していることを示す引出し表示51cが表示される。また、操作表示領域52には、操作中の「引出し」ボタン52aのみが表示され、「巻取り」ボタン52bが暗転し、「給油」ボタン52cが非表示となる。
【0058】
一方、
図5(a)において、「巻取り」ボタン52bが押圧されると、
図5(c)に示すように、ホースリール表示領域51には、給油ホース16を巻き取っていることを示す巻取り表示51dが表示される。また、操作表示領域52には、操作中の「巻取り」ボタン52bのみが表示され、「引出し」ボタン52aが暗転し、「給油」ボタン52cが非表示となる。
【0059】
次に、上記構成を有する給油システム1の動作について、
図6〜
図9を参照して説明する。
【0060】
まず、給油の際の携帯端末30における処理の流れについて、
図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0061】
ステップS1では、表示手段31に表示された給油操作画面40における、操作表示領域42内の「開始」ボタン42aが押圧されたか否かが判断される。「開始」ボタン42aが押圧されたと判断された場合(ステップS1;Yes)には、給油装置10に対して給油の開始を要求するための給油要求信号が出力される(ステップS2)。一方、「開始」ボタン42aが押圧されていないと判断された場合(ステップS1;No)には、「開始」ボタン42aが押圧されるまでステップS1の処理が繰り返される。
【0062】
次に、給油が開始されると、ステップS3において、給油表示領域41内の整数給油表示41eが押圧されたか否かが判断される。整数給油表示41eが押圧されたと判断された場合(ステップS3;Yes)には、給油装置10に対して整数給油を行うことを示す整数給油信号が出力され(ステップS4)、整数給油が行われる。
【0063】
整数給油表示41eが押圧されていないと判断された場合(ステップS3;No)には、通常の給油が行われ、処理がステップS5に移行する。そして、ステップS5において、操作表示領域42内の「終了」ボタン42bが押圧されたか否かが判断される。
【0064】
「終了」ボタン42bが押圧されたと判断された場合(ステップS5;Yes)には、処理がステップS8に移行する。一方、「終了」ボタン42bが押圧されていないと判断された場合(ステップS5;No)には、処理がステップS3に戻る。
【0065】
次に、整数給油が終了した場合には、ステップS6において、「開始」ボタン42aが再度押圧されたか否かが判断される。
【0066】
「開始」ボタン42aが押圧されたと判断された場合(ステップS6;Yes)には、処理がステップS2に戻り、「開始」ボタン42aが押圧されていないと判断された場合(ステップS6;No)には、処理がステップS7に移行する。
【0067】
ステップS7では、「終了」ボタン42bが押圧されたか否かが判断される。「終了」ボタン42bが押圧されたと判断された場合(ステップS7;Yes)には、処理がステップS8に移行し、「終了」ボタン42bが押圧されていないと判断された場合(ステップS7;No)には、「終了」ボタン42bが押圧されるまでステップS7の処理が繰り返される。
【0068】
このように、整数給油が終了した場合でも、再度「開始」ボタン42aを押圧することにより、追加の給油を行うことができる。
【0069】
そして、給油が終了した場合には、給油装置10に対して給油が終了したことを示す給油終了信号が出力され(ステップS8)、一連の処理が終了する。
【0070】
次に、給油の際の給油装置10における処理の流れについて、
図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0071】
まず、給油装置10では、給油要求信号の受信が可能な状態とされ、ステップS11において、携帯端末30から給油要求信号が入力されたか否かが判断される。給油要求信号が入力されたと判断された場合(ステップS11;Yes)には、POSに対して給油の許可を要求するための給油許可願信号が出力される(ステップS12)。一方、給油要求信号が入力されていないと判断された場合(ステップS11;No)には、給油要求信号が入力されるまでステップS11の処理が繰り返される。
【0072】
次に、POSによって給油が許可されると、給油装置10では、給油ポンプ12を駆動させるためのポンプON信号の受信が可能な状態とされ、ステップS13において、ポンプON信号がPOSから入力されたか否かが判断される。ポンプON信号が入力されたと判断された場合(ステップS13;Yes)には、表示手段26の表示がリセットされて帰零されると共に、給油ポンプ12を駆動させて給油が開始される(ステップS14)。
【0073】
一方、ポンプON信号が入力されていないと判断された場合(ステップS13;No)には、ポンプON信号が入力されるまでステップS13の処理が繰り返される。
【0074】
次に、ステップS15において、流量パルス発信器19による流量パルスの有無が判断され、流量パルスが発生したと判断された場合(ステップS15;Yes)には、計数手段22によって給油量が計数され、給油量が表示手段26に表示される(ステップS16)。また、流量パルスが発生していないと判断された場合(ステップS15;No)には、処理がステップS17に移行する。
【0075】
次に、給油装置10では、給油終了信号の受信が可能な状態とされ、ステップS17において、携帯端末30から給油終了信号が入力されたか否かが判断される。給油終了信号が入力されたと判断された場合(ステップS17;Yes)には、処理がステップSS19に移行する。一方、給油終了信号が入力されていないと判断された場合(ステップS17;No)には、処理がステップS18に移行する。
【0076】
ステップS18では、整数給油信号の受信が可能な状態とされ、携帯端末30から整数給油信号が入力されたか否かが判断される。整数給油信号が入力されたと判断された場合(ステップS18;Yes)には、処理がステップS15に戻り、整数給油信号が入力されていないと判断された場合(ステップS18;No)には、処理がステップS19に移行する。
【0077】
ステップS19では、給油ポンプ12の駆動が停止され、給油が終了する。そして、給油が終了されると、ステップS20において、計数手段22による計数結果に基づいて給油データが生成され、生成された給油データがPOSに対して送信される。
【0078】
尚、この例では、特に記載していないが、上述のステップS11〜ステップS22の処理が行われている間に、給油制御手段28によって給油装置10の各部の状態が所定時間毎に定期的に監視され、異常が発生したと判断された場合には、異常信号が携帯端末30に対して送信される。
【0079】
次に、給油の際のPOSにおける処理の流れについて、
図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0080】
まず、POSでは、給油許可願信号の受信が可能な状態とされ、ステップS31において、給油許可願信号が入力されたか否かが判断される。給油許可願信号が入力されたと判断された場合(ステップS31;Yes)には、給油装置10に対してポンプON信号が出力される(ステップS32)。一方、給油許可願信号が入力されていないと判断された場合(ステップS31;No)には、給油許可願信号が入力されるまでステップS31の処理が繰り返される。
【0081】
次に、ステップS33では、給油データの受信が可能な状態とされ、給油装置10から給油データが入力されたか否かが判断される。給油データが入力されたと判断された場合(ステップS33;Yes)には、入力された給油データが記憶される(ステップS34)。一方、給油データが入力されていないと判断された場合(ステップS33;No)には、給油データが入力されるまでステップS33の処理が繰り返される。
【0082】
次に、給油の際の携帯端末における画面表示の遷移について、
図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0083】
まず、ステップS41において、給油が開始可能であることを示す開始信号が入力されたか否かが判断される。開始信号が入力されたと判断された場合(ステップS41;Yes)には、表示手段31に表示された給油操作画面40内における給油表示領域41の背景の色が非給油時の色(例えば、「オレンジ」色)から給油中の色(例えば、「青」色)に変化する(ステップS42)。一方、開始信号が入力されていないと判断された場合(ステップS41;No)には、開始信号が入力されるまでステップS41の処理が繰り返される。
【0084】
次に、ステップS43では、現在の給油量を示す給油データが入力されたか否かが判断される。給油データが入力されたと判断された場合(ステップS43;Yes)には、入力された給油データに基づき、給油表示領域41内の給油量41bに給油量が表示される(ステップS44)。一方、給油データが入力されていないと判断された場合(ステップS43;No)には、給油データが入力されるまでステップS43の処理が繰り返される。
【0085】
ステップS45では、液面検出手段29で液面が検出されて給油が自動停止するオート作動中、又はノズルレバー30を戻して給油が停止する給油停止であるか否かが判断される。オート作動中、又は給油データが停止したと判断された場合(ステップS45;Yes)には、給油表示領域41内に整数給油表示41eが点滅した状態で表示される(ステップS46)。
【0086】
一方、オート作動中、又は給油データが停止していないと判断された場合(ステップS45;No)には、オート作動中、又は給油データが停止するまでステップS45の処理が繰り返される。
【0087】
次に、ステップS47において、整数給油表示41eが点滅して表示された状態の給油表示領域41内のいずれかが押圧されたか否かが判断される。給油表示領域41内のいずれかが押圧されたと判断された場合(ステップS47;Yes)には、整数給油表示41eが点滅から点灯に変化して表示される(ステップS48)。
【0088】
ステップS49では、流量パルス信号が入力されたか否かが判断される。流量パルス信号が入力されたと判断された場合(ステップS49;Yes)には、処理がステップS50に移行する。一方、流量パルス信号が入力されていないと判断された場合(ステップS49;No)には、流量パルス信号が入力されるまでステップS49の処理が繰り返される。
【0089】
ステップS50では、流量パルス信号に基づく給油量の計数結果が整数であるか否かが判断される。計数結果が整数であると判断された場合(ステップS50;Yes)には、整数給油表示41eが消灯される(ステップS51)。一方、計数結果が整数ではないと判断された場合(ステップS50;No)には、計数結果が整数となるまでステップS50の処理が繰り返される。
【0090】
次に、ステップS52において、給油装置10における給油ポンプ12が駆動停止したことを示すポンプOFF信号が入力されたか否かが判断される。ポンプOFF信号が入力されたと判断された場合(ステップS52;Yes)には、処理がステップS54に移行する。一方、ポンプOFF信号が入力されていないと判断された場合(ステップS52;No)には、ポンプOFF信号が入力されるまでステップS52の処理が繰り返される。
【0091】
一方、ステップS47において、給油表示領域41内のいずれかが押圧されていないと判断された場合(ステップS47;No)には、処理がステップS53に移行し、操作表示領域42内の「終了」ボタン42bが押圧されたか否かが判断される。
【0092】
「終了」ボタン42bが押圧されたと判断された場合(ステップS53;Yes)には、処理がステップS54に移行する。一方、「終了」ボタン42bが押圧されていないと判断された場合(ステップS53;No)には、処理がステップS47に戻る。
【0093】
最後に、ステップS54では、表示手段31に、給油操作画面40の初期表示(
図4(a))が表示される。
【0094】
尚、この例では図示しないが、給油装置10との間で通信を行う際に、給油装置10側にアクセスできない場合には、状態表示領域43及び53の通信状態43b及び53bに、通信異常であることを表示する。
【0095】
以上のように、本実施の形態によれば、携帯端末に給油設定操作等を行うための操作ボタンが表示され、この操作ボタンを操作者が操作することにより、船舶に対する給油を行うことができると共に、操作ボタンを操作する際には、作動
させてもよい機器に対応したボタンのみが表示される。また、ホースリールの操作を行うホースリール操作画面は、給油の設定を行う給油操作画面に表示される「ホースリール」ボタン42cを押圧することで表示されると共に、この「ホースリール」ボタンが42c非給油時にのみ表示される。そのため、給油設定操作を容易に行うことができるとと共に、給油中にホースリールを操作してしまう等の誤操作を防止することができ、安全性を向上させることができる。
【0096】
また、給油装置においては、給油装置に設けられた各部の状態や、携帯端末との通信状態を監視し、異常が発生した場合に、異常を示す情報や異常内容を示す情報を携帯端末の表示部に表示させるため、異常の発生及び異常の原因を容易に特定することができ、メンテナンス作業の効率を向上させることができる。
【0097】
さらに、異常が発生した際には、携帯端末の報知部によって音声、光、振動等を用いて操作者に対して異常を報知するため、操作者が給油中に携帯端末を注視しなくても、異常の発生を容易に把握することができる。
【0098】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した本発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、操作表示領域42及び52に表示される操作ボタンについて、操作が不可能であるボタンについては、暗転された状態で表示されるように説明したが、これに限られず、例えば、完全に非表示とするようにしてもよい。
【0099】
また、本実施の形態では、船舶に対する給油を行う給油システムを例にとって説明したが、これに限られず、例えば、給油対象と給油装置とが離れており、操作者が給油中に給油装置を操作することが困難である場合であれば適用可能である。