【実施例1】
【0012】
以下、実施例を示す図に従って本発明を説明する。
図1乃至
図6に示すように、インモールドラベル成形において使用するラベル1を切断して疑似コア11へ受け渡すラベル切断受渡し装置3はラベルシート5を供給すると共にラベル1が切断されたラベルシート5を巻き取るラベルシート供給巻取り手段7と、ラベルシート5からインモールド成形される所望形状のラベル1を切断するラベル切断手段としてのレーザ光切断手段9と、ラベルシート5から切断されたラベル1を疑似コア11へ受け渡す受渡し手段13により構成される。
【0013】
疑似コア11は切断されたラベル1を樹脂成形機の金型(いずれも図示せず)内に装着する際に使用する部材で、後述する受渡し位置と樹脂成形機の金型の間で移動制御される。本例においては金型に形成された2個のキャビィティにそれぞれ一致するように所定の間隔をおいた2個の疑似コア11が平行配置される。各疑似コア11はインモールドラベル成形品(図示せず)に一致する外形状で負圧源(図示せず)に接続され、外周面に形成された多数の吸引孔11aを介して切断されたラベル1を負圧吸引してインモールドラベル成形品の外形状に一致するように変形させた囲巻状態で保持する。
【0014】
ラベル切断受渡し装置3における本体15のテーブル面中央部には図示する左右方向へラベル1の1枚分の幅で、かつ図示する前後方向へラベル1の2枚分の幅で形成される開口部15aが形成され、該開口部15a内には昇降テーブル17が遊嵌されている。該昇降テーブル17は昇降手段19により本体15のテーブル面と一致する下方位置と該テーブル面より若干上方の上方位置の間で昇降される。
【0015】
即ち、昇降手段19は開口部15aの下方に応じた本体15内にて上下方向へ延びるように固定されるガイドレール21と、該ガイドレール21に上下方向へ移動されるように支持される昇降体23と、該昇降体23に連結されて昇降作動するエアーシリンダ等の昇降作動部材25とから構成される。そして昇降体23には上下方向に軸線を有したガイド軸23aが摺動するように支持され、該ガイド軸23aはコイルスプリング等の弾性部材23bが装着された状態で上端部が昇降テーブル17の下面に固着される。
【0016】
また、開口部15aに応じた本体15には図示する前後方向へ延出する左右一対の規制板27が、その下面とテーブル面の間に若干の間隙を有するように固着されている。該規制板27は昇降テーブル17が上方位置へ移動した際に、該規制板27とテーブル面の間を通過するように架け渡されたラベルシート5を挟持して位置ずれを規制する。
【0017】
本体15の内部には長尺状のラベルシート5が巻き取られたシートロール29が回転可能に支持され、該シートロール29から導出されたラベルシート5は本体15の移送方向上手側及び下手側にそれぞれ設けられた上下一対の送りロール31a・31bにより本体15のテーブル面上に水平状態で支持された後、本体15の内部に設けられた巻取りリール33に巻き取られる。
【0018】
なお、シートロール29から導出されたラベルシート5の経路にはテンションロール(図示せず)が設けられ、導出されたラベルシート5に対して所定の張力を付与して緊張させる。また、ラベルシート5におけるラベル1の個所が昇降テーブル17の所定位置に移送されたか否かはラベルシート5におけるラベル1個所に予め印刷された位置決め用マーク(図示せず)を光学的検出手段(図示せず)により光学的に検出した位置決めする方法、ラベルシート5におけるラベル1の個所に予め形成された位置検出孔(図示せず)を光学検出手段により検出して位置決めする方法、撮像手段(図示せず)により移送されるラベルシート5におけるラベル1個所を撮像して形状認識することにより位置決めする方法のいずれであってもよい。
【0019】
上記ラベルシート5は薄手状の合成樹脂シート、紙シート等に所望の図柄からなる多数のラベル1を上記移送直交方向(前後方向)に対して並行2列で、かつ上記移送方向(左右方向)へ所定の間隔をおいて印刷されたシートである。なお、ラベルシート5の移送直交方向に対するラベル1の配列数(印刷数)は上記した並行2列に限定されるものではなく、並行3列、並行4列等であってもよい。
【0020】
開口部15aより図示する右側に位置する本体15上にはレーザ光切断手段9が配置される。該レーザ光切断手段9は本体15に対し、ラベルシート5の移送直交方向へ延出して固定されるガイドレール35に移動可能に支持される第1可動体37と、該第1可動体37に対し、上記移送方向へ延出して固定されるガイドレール39に移動可能に支持される可動体としての第2可動体41と、該第2可動体41に対し、前後方向へラベル1,1枚分の間隔をおいて設けられる前後一対のレーザ光出力ヘッド43a・43bと、上記第1可動体37を上記移送直交方向へ往復移動する第1移動部材45と、上記第2可動体41を上記移送方向へ往復移動する移動部材を構成する第2移動部材47と、各レーザ光出力ヘッド43a・43bにレーザ光を出力するレーザ光発振部材49とから構成される。
【0021】
上記第1及び第2移動部材45・47は上記移送直交方向に軸線を有して回転可能に支持された第1及び第2送りねじ45a・47aと、それぞれの第1及び第2送りねじ45a・47aに駆動連結された数値制御可能なサーボモータ等の第1及び第2電動モータ45b・47bとから構成され、それぞれの電動モータ45b・47bの回転駆動に伴って回転する第1及び第2送りねじ45a・47aにより第1及び第2可動体37・41を往復移動させる。なお、上記第1及び第2移動部材45・47としては公知のベルト機構、平面リニアモータ等であってもよい。
【0022】
レーザ光発振部材49は、例えばYAGレーザ発振器、エキシマレーザ発振器、CO2レーザ発振器、ファイバレーザ等のレーザ光発振器及び光学レンズ(いずれも図示せず)により構成され、ラベルシート5に対して吸収特性が高い所定波長及び出力のレーザ光を発振させる。該レーザ光発振部材49は本体15上に固定された第1反射部材51に対し、移送方向へ延出する第1導光部材53で接続されている。該第1反射部材51は45度の角度を設けて配置された全反射板(図示せず)により入射されるレーザ光を移送直交方向へ反射してレーザ光の光路を90度、転向させる。
【0023】
なお、レーザ光発振部材49にはガイド光ユニット(図示せず)が一体に設けられ、レーザ光と一体に可視光を出力して切断されるラベル1の外形状を視認可能としてもよい。
【0024】
第1反射部材51に対して移送直交方向延長線上に位置する第1可動体37上には第2反射部材55が設けられ、該第2反射部材55は移送直交方向へ延出し、かつ伸縮可能なテレスコーピック型の第2導光部材57を介して第1反射部材51に接続される。該第2反射部材55は45度の角度を設けて配置された全反射板(図示せず)により入射されるレーザ光を移送方向へ反射してレーザ光の光路を90度、転向させる。第2反射部材55に対して移送方向延長線上に位置する第2可動体41上には分光部材59が設けられ、該分光部材59は移送方向へ延出し、かつ伸縮可能なテレスコーピック型の第3導光部材61により第2反射部材55に接続される。
【0025】
該分光部材59には上記した他方のレーザ光出力ヘッド43bが移送方向へ延出する第4導光部材63により接続される。上記分光部材59は移送方向に対して45度の角度を設けて配置されたビームスプリッター(ダイクロックミラー)等の半透鏡(図示せず)により第2反射部材55から移送方向へ照射されるレーザ光の一部を同方向へ透過させると共に残りの一部を移送直交方向へ反射させる。上記レーザ光出力ヘッド43bには半透鏡を透過したレーザ光の一部が入射される。
【0026】
分光部材59に対して移送直交方向延長線上に位置する第2可動体41上には第3反射部材65が第5導光部材67により接続され、該第3反射部材65は上記した一方のレーザ光出力ヘッド43aが移送方向へ延出する第6導光部材69により接続される。上記第3反射部材65は移送方向に対して45度の角度を設けて配置された全反射板(図示せず)により上記半透鏡から反射されたレーザ光を移送方向へ反射して一方のレーザ光出力ヘッド43aへ入射させる。
【0027】
なお、上記した各レーザ光出力ヘッド43a・43bは内蔵されたそれぞれの全反射板(図示せず)により入射されたレーザ光の光軸が上下方向を向くように反射させると共に反射されたそれぞれのレーザ光を、内蔵された光学レンズ(図示せず)により切断位置へ移送されたラベルシート5に対して所要のスポット径で収斂させる。
【0028】
第2可動体41の前端部両側にはラベルシート5の移送方向へ先端が上記レーザ光出力ヘッド43a・43bより移送方向下手に位置する長さで延出し、かつ移送されるラベルシート5の移送直交方向の両端に位置する移送手段の一部を構成する左右一対の移送アーム71が固定され、これら移送アーム71の先端部には移送直交方向へ延出する移送手段の一部を構成する取付け板73が固定される。ラベルシート5の移送直交方向の両端部に対応する取付け板73の両端部には移送手段の一部を構成する支持部材75がそれぞれ移送直交方向外側へ所定のストロークで移動するように支持され、各支持部材75は取付け板73の両端部に固定された移送手段の一部を構成するエアーシリンダ、電磁ソレノイド等の左右移動部材77により移動される。
【0029】
上記各支持部材75には上下方向に軸線を有した移送手段の一部を構成するエアーシリンダ、電磁ソレノイド等の上下移動部材79がそれぞれ固定され、各上下移動部材79の作動軸には移送手段の一部を構成する把持部材としての把持板81がそれぞれ固定される。各把持板81は先端部上面に取り付けられたゴム板等の弾性板81aと支持部材75の下面に取り付けられたゴム板等の弾性板75aとの協働によりラベルシート5の移送直交方向の各端部を把持する。
【0030】
昇降テーブル17の上方に応じた本体15には、受渡し手段13が配置される。該受渡し手段13は、昇降テーブル17の前後側端部にて軸83を中心に搖動するように支持される前後一対の搖動板85と、各搖動板85間の下部に取り付けられ、前後側にインモールド成形品の外形状に一致する2個の凹所87aを有した疑似型87と、該疑似型87の各凹所87a内に取り付けられた取り付け軸87bにコイルスプリング等の弾性部材87cを設けて取り付けられると共に負圧源(図示せず)に接続された吸着部材としての吸着板89とから構成される。
【0031】
上記受渡し手段13は移動手段91により上記吸着板89の吸着面が昇降テーブル17に対して近接して水平方向を向く吸着位置(切断位置)と該昇降テーブル17から上方へ離間して垂直方向を向き、かつ上記した疑似コア11に相対する受渡し位置の間で搖動される。該移動手段91は上下方向に軸線を有して回転可能に軸支される送りねじ93と、該送りねじ93を正逆方向へ回転させる数値制御可能にサーボモータ等の回転駆動部材95と、送りねじ93にそれぞれ噛合わされるナット部材97に固定され、送りねじ93の軸線と直交する方向へ延出する昇降体99と、該昇降体99の長手方向端部にそれぞれ固定され、各搖動板85に形成されたカム孔85aに対して摺動するように支持されるカム軸101とから構成される。
【0032】
なお、上記昇降体99は上記送りねじ93の前後方向側に位置し、送りねじ93と一致する方向に軸線を有したガイド軸103に対して摺動可能に支持される。
【0033】
次に、ラベル切断受渡し装置3によるラベル1の切断受渡し作用及び疑似コアへの受渡し方法を説明する。
先ず、シートロール29から導出されたラベルシート5はテンションロール31を経て本体15のテーブル面上にて支持された後に巻取りリール33に巻き取られるように架け渡される。上記状態にて本体17のテーブル面上に位置するラベルシート5は昇降テーブル17及び規制板27間を通過するように架け渡される。また、上記状態において受渡し手段13は吸着板77が疑似コア11に相対する受渡し位置へ搖動されている。
【0034】
上記状態にてラベルシート5に印刷されたラベル1の個所が昇降テーブル17上の所定位置へ移送されると、昇降作動部材25を作動して昇降体23を上方へ所定のストロークで移動し、規制板27に対して昇降テーブル17を弾性部材23bにより弾性的に圧接させる。これにより規制板27と昇降テーブル17の間に位置するラベルシート5は弾性部材23bの弾性力により挟持して平面状に保持される。(
図7参照)
【0035】
このとき、規制板27及び昇降テーブル17による保持個所より移送方向下手側に位置する把持板81は左右移動部材77により支持部材75が移送直交方向外側へ移動された状態で上下移動部材79により上方向へ移動され、本体15上のラベルシート5に対して非干渉状態にされる。(
図8参照)
【0036】
次に、上記状態にて第1及び第2電動モータ45b・47bを駆動制御して第1及び第2可動体37及び第2可動体41を移動してレーザ光出力ヘッド43a・43bを移送直交方向及び移送方向の二次元方向へ移動させながらレーザ光発振部材49から出力されるレーザ光をラベルシート5におけるラベル1外形に沿って照射し、その熱により溶融切断する。
【0037】
このとき、ラベルシート5はレーザ光の熱により軟化して伸長されたり、収縮したりしてラベル1を正確に溶融切断することが困難になる恐れがあるが、上記したようにラベルシート5におけるラベル1の周囲が規制板27及び昇降テーブル17により挟持されて溶融時におけるラベルシート5の伸縮を規制すると共に照射されたレーザ光の熱を規制板27及び昇降テーブル17により効率的に放射させることによりラベルシート5の熱伸縮を抑制してラベル1を所定形状に切断する。
【0038】
また、レーザ光発振部材49から出力されるレーザ光は第1反射部材51、第2反射部材55により光路が変更された後に分光部材59により一部をレーザ光出力ヘッド43bに、また一部をレーザ光出力ヘッド43aへそれぞれ出力することによりラベルシート5の移送直交方向へ並行配置されたラベル1の個所に沿ってレーザ光を照射して2枚のラベル1を同時に切断形成する。
【0039】
更に、第2導光部材57及び第3導光部材61がテレスコーピック構造であるため、第1可動体37及び第2可動体41の移動に伴って第2導光部材57及び第3導光部材61が伸縮することによりレーザ光出力ヘッド43a・43bを移送方向及び移送直交方向の二次元方向への移動を可能にさせる。
【0040】
次に、第1可動体37及び第2可動体41を復動してレーザ光出力ヘッド43a・43bを待機位置へ戻した後、回転駆動部材95を駆動して送りねじ93を所定方向へ回転し、ナット部材97に固定された昇降体99を下降させる。このとき、昇降体99の下降に伴ってカム軸101が搖動板85のカム孔85aを摺動して搖動板85、従って受渡し手段13を、軸83を中心に図示する反時計方向へ搖動して吸着板89を切断されたラベル1の上面に近接する吸着位置に位置させる。
【0041】
上記状態にて吸着板89を負圧作動して直下に近接する切断されたラベル1を負圧吸引して吸着した後、昇降作動部材25を復動して昇降テーブル17を下降し、その上面を本体15のテーブル面に一致させる。(
図9参照)
【0042】
次に、回転駆動部材95を逆転駆動して送りねじ93を上記と逆方向へ回転して昇降体99を上昇させる。このとき、昇降体99の上昇に伴ってカム軸101が搖動板85のカム孔85aを上記と逆方向へ摺動して搖動板85、従って受渡し手段13を、軸83を中心に図示する時計方向へ搖動し、ラベル1を吸着保持した吸着板89を疑似コア11に相対する受渡し位置へ移動させる。(
図10参照)
【0043】
昇降テーブル17を下降した際、または吸着板89を上記受渡し位置へ移動させる途中においてラベルシート5を、ラベル1、1枚分の移送幅で移送して次位のラベル個所をラベル切断位置に位置させる。即ち、第1可動体37及び第2可動体41を復動してレーザ光出力ヘッド43a・43bが待機位置へ戻された際、各把持板81はラベルシート5の移送直交方向の外側で、該ラベルシート5の上面から若干の幅で上方へ離間している。該状態にて上下移動部材79を作動して把持板81を下方へ移動してラベルシート5の下面側に位置させた後、左右移動部材77を作動して把持板81を移送直交方向の内側へ移動させる。これによりラベルシート5の移送直交方向両端部は把持板81の弾性板81aと支持部材75の弾性板75aの間に位置される。
【0044】
次に、上記状態にて上下移動部材79を復動して把持板81を上方へ移動して互いに近づく弾性板81a・75aによりラベルシート5の移送直交方向両端部を把持させる。なお、ラベルシート5の移送直交方向の両端部を把持した際には左右移動部材77を復動して支持部材75を移送直交方向外側へ移動させることによりラベルシート5を、移送直交方向に対して緊張させて把持してもよい。(
図11(A)〜(C)参照)
【0045】
次に、上記状態にて第2電動モータ47aを駆動して第2可動体41を移送方向へ移動させる。これによりラベルシート5は移送直交方向両端部がそれぞれの把持板81及び支持部材75により把持された緊張状態で、かつ移送方向に対して直線状に移送されて次に切断されるラベル1の切断部分をラベル切断位置に位置させる。(
図12参照)
なお、第2可動体41の移動によるラベルシート5の移送時においては巻取りリール33を移送速度より若干速い速度で回転してラベル1が切断されたラベルシート5を巻き取らせる。
【0046】
次に、受渡し位置へ移動された吸着板89に対して疑似コア11を移動し、疑似コア11の一部を吸着板89に吸着保持されたラベル1に当接させた状態で疑似コア11の移動を継続させる。このとき、吸着板89は疑似コア11の押圧に伴って弾性部材87cの弾性力に抗しながら凹所87aの底面側へ移動し、凹所87a内へ疑似コア11を進入させる。
【0047】
これにより吸着板89に吸着保持されたラベル1は凹所87aの内面及び進入する疑似コア11の協働により疑似コア11の外面(凹所87aの内面)に一致するほぼ箱型に変形した状態で疑似コア11の外面に吸着される。(
図13参照)
【0048】
上記動作後、吸着板89による吸着を解除すると共に疑似コア11によるラベル1の吸着状態を継続しながら疑似コア11を復動して凹所87a内から離脱させてラベル1の受渡しを完了させる。なお、吸着板89は疑似コア11の離脱に伴って弾性部材87cの弾性力により元の位置へ戻される。(
図14参照)
【0049】
本実施例はラベル切断位置に移送されたラベルシート5からラベル1を切断した後に該ラベルシート5の移送直交方向の両端部を支持部材75及び把持板81により挟持した状態で第2可動体41をラベル1,1枚分の送り量で移送して次のラベル個所をラベル切断位置へ供給するため、ラベル1が切断された部分と切断されていない部分の強度さでラベルシート5が蛇行して移送されるのを防止し、ラベル切断位置に対して次のラベル切断箇所を高い精度で、かつ確実に供給することができる。
【0050】
上記説明はラベル切断手段を出力されるレーザ光の熱でラベルシート5からラベル1を切断するレーザ光切断手段9としたが、本発明はラベルシート5を巻き取って移送する際に蛇行等による位置ずれを防止してラベル切断位置に対して次のラベル個所を高い精度で、かつ確実に位置させる移送手段を特徴とするもので、ラベル切断手段により限定されるものではない。
【0051】
従ってラベル切断手段としては上記したレーザ光切断手段の他にラベル切断位置に配置に上下方向に対向して配置される下型及びパンチから構成されるラベル打抜き手段、ラベル切断位置にて刃物を移送方向、移送直交方向及び上下方向の三次元方向へ移動制御してラベルシートからラベルを切断するラベル切断装置であってもよい。
【0052】
上記説明はインモールドラベル成形品の外形状に一致する疑似型87の凹所87a内に吸着板89を弾性的に支持し、凹所87a内に疑似コア11が進入した際に吸着板89に吸着されたラベル1をインモールドラベル成形品の外形状に一致するように変形させる構成としたが、本発明にあっては、例えばプラスチック製カップ等の成形品外周面にラベルが一体成形されたインモールドラベル成形品に使用するラベルをレーザ光により溶融切断して疑似コアへ受け渡すことも可能である。
【0053】
即ち、截頭円錐形状のインモールドラベル成形品に使用するラベルにあっては、ラベルシート5から扇型のラベル1を溶融切断した後に、成形品の形状と一致する截頭円錐形状の疑似コアの外周面に巻き付けて受け渡す必要がある。この巻き付けを可能にするため、例えば
図15に示すように吸着板121の吸着面に長手方向と直交する方向に延びる前後一対の凹所121aを疑似コア11の最大外形幅より若干広い間隔をおいて形成し、各凹所121a内に巻き付けバー123を、吸着板121の吸着面がほほ面一状になるようにそれぞれ収容する。上記巻き付けバー123は吸着板121の側面に固定されたエアーシリンダ等の作動部材125のロツドに連結され、上記凹所121a内の位置と上記吸着板121の吸着面から所定の幅で離間する位置の間で移動される。
【0054】
そして吸着保持されたラベル1を疑似コア11の外周面に巻き付けるには
図16に示すようにラベル1を吸着保持した吸着板121を、その長手方向中央部に対して疑似コア11の外周面を直線状に当接させるように吸着板121又は疑似コア11を移動させる。次に上記状態にて吸着部材121によるラベル1の吸着状態を保ったまま、作動部材125を作動して巻き付けバー123を各凹所121a内から離脱する方向へ移動して吸着板121によるラベル1の吸着を強制的に解除して疑似コア11の外周面に沿うように移動させる。このとき、疑似コア11自体、負圧吸引しているため、吸着板121から強制的に吸着が解除され、疑似コア11の外周面に沿って移動させるラベル1を吸着して巻き付ける。
【0055】
上記説明は、第2可動体41の前端部両側に移送手段を設け、ラベルシート5からラベル1を切断した後に把持板81及び支持部材75の下面によりラベルシート5の移送直交方向の各端部を把持した状態で第2可動体41を移送方向へ移動制御してラベルシート5における次の切断部分が切断位置に搬入されるように移送する構成としたが、上記切断位置の移送方向下手側に可動体を移送方向へ所定のストロークで往復移動するように設け、該可動体に本実施例と同様の構成からなる移送手段を設けた構成で変更実施してもよい。
【0056】
上記説明は、ラベル1が切断されたラベルシート5を本発明に係る移送手段によりラベル1の1枚分に応じた距離で移送する構成としたが、移送されるラベル1切断後のラベルシート5は電動モータにより回転駆動される巻取りリール33に巻き取られる。このため、本発明に係る移送手段は回転駆動される巻取りリールとの協働により切断後のラベルシートを移送する構成としてもよい。
【0057】
上記説明は、移送手段によりラベルシート5の移送直交方向の両端部を把持してラベルシート5を、移送直交方向に対して張力を付与しながらラベルシート5をラベル1の1枚分の距離で移送する構成としたが、該ラベルシート5自体、ラベル1が切断されて中抜き状態になっているため、皺が発生し易い。このため、本発明においては、移送手段による把持位置より移送方向上手側に応じた本体フレーム又は第2可動体に、移送直交方向へ軸線を有し、必要に応じてエアーシリンダ、ばね等により付勢されたテンションロールを設け、該テンションロールにより移送されるラベルシート5を加圧して移送時におけるラベルシートの皺発生を防止することができる。第2可動体にテンションロールを設ける構成にあっては、移送手段が第2可動体と一体に移動するため、移動時の干渉がなく、ラベルシートに対してテンションロールを確実に圧接させて張力を付与し、皺発生を防止することができる。
【0058】
上記説明においては受渡し手段13の疑似型87を、カム機構により吸着位置と受渡し位置の間で搖動させる構成としたが、
図17に示すように昇降テーブル17の上方にエアーシリンダ、電動モータに連結された送りねじ等の上下移動部材(図示せず)に連結された上下アーム131、該上下アーム131の下部に設けられる疑似型又は吸着板89(
図13は上下アーム131の下部に吸着板89を取付けた例を示す。)の吸着面が水平方向を向く切断位置及び垂直方向を向く受渡し位置の間で反転回動させる反転部材133により構成する。
【0059】
反転部材133としては、例えば上下アーム131の下部に取り付けられる取り付けフレーム135に対して吸着板89を回動するように支持すると共に上下アーム131の下部に固定された電動モータ、エアーシリンダ及びリンク等の回動機構の回動軸137により吸着板89を上記した切断位置へ回動してラベル1を吸着保持した後に受渡し位置へ回動してラベル1を疑似コア11へ受け渡す構成としてもよい。なお、上記説明において実施例1と同様の部材に付いては、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。