(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5729890
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】高深度浮上筒
(51)【国際特許分類】
B63C 11/00 20060101AFI20150514BHJP
B63C 7/12 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
B63C11/00 G
B63C11/00 H
B63C7/12
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-3854(P2014-3854)
(22)【出願日】2014年1月14日
【審査請求日】2014年11月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501103284
【氏名又は名称】最首 哲也
(72)【発明者】
【氏名】最首哲也
【審査官】
中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭51−118287(JP,A)
【文献】
特開昭61−018591(JP,A)
【文献】
米国特許第06772705(US,B2)
【文献】
実開昭54−179700(JP,U)
【文献】
米国特許第07311469(US,B2)
【文献】
特許第5133452(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 11/00,7/06−7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水深の深い深海と海面の間を重量物を往復する軽くて丈夫な機器を提供することにあり、構造は円筒形の筒、浮上筒本体(1)の内側に、水圧に耐えられるように本体補強部(2)を設け、筒内の下側に重量物を吊るためと常に筒が海中で爆気・排水口が水面下になるように重りを兼ねた吊り梁(3)を浮上筒本体(1)内の下方で本体補強部(2)の上に固定するように筒の長手方向で筒の内部に設け、吊り梁(3)の両側で重量物を吊る位置に排気・排水口(4)を設け、排気・排水口(4)の外側からワイヤー(9)を浮上筒本体(1)内に入れ吊り梁(3)にそのまま接続するか、吊り梁(3)の上を通し、反対側の排気・排水口(4)からワイヤー(9)の先端を浮上筒本体(1)の外側に出し、浮上筒本体(1)の外側で編むか接続してワイヤー(9)を設け、ワイヤー(9)の反対側の先端には、重量物を吊るための金具やアタッチメントを設けた特徴と、浮上筒本体(1)の長手方向の両サイドの上に送気した圧縮空気の流れで浮上筒本体(1)のバランスが崩れないように、バラストタンク(10)を設け、浮上筒本体(1)が常に平衡を取るためにバラストタンク(10)を浮上筒本体(1)の上に固定して設ける、浮上筒本体(1)両端に空気がにげないように浮上筒側面蓋(8)を設け、浮上筒側面蓋(8)の下側で吊り梁(3)を避けた位置に曝気排気穴(6)と吸気バルブ(5)を設け、曝気排気穴(6)を被せるか、突っ込むかして曝気パイプ(7)を浮上筒本体(1)の外側頂点に曝気が排出できるように設け、浮上筒本体(1)と浮上筒側面蓋(8)を固定するように設ける。 バラストタンク(10)は、円筒形の筒の中にモーター(13)が入る部屋と海水が入る部屋からなり、モーター(10)のはいる部屋から海水が入る部屋には、モーター(10)の回転軸を突き出しバラストタンク給排水螺軸(12)と繋ぎ、バラストタンク給排水螺軸には密閉度の高い給排水弁(14)を設け、バラストタンク給排水口(11)からの海水を取り込むことで重りとし、浮上筒本体(1)の平衡を調節する特徴を持った浮上筒を提供することにある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水深の深い海底から希少金属等の入った鉱物や土砂等を海底から界面までの運搬手段としての技術を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、日本の経済水域でメタンハイドレートや希少金属が発見されており、水深が100mを超え、数千メートルに及ぶ海底にあり、その海底から引き上げるに、柔らかいものや大きさが小さくつぶ上のものならバキュームで吸い上げることができるだろうと思いますが、こと岩石などでは、吸い上げることができないので、深海底用に自動で動く建設機械が開発されなければなりませんが、建設機械が開発され深海の岩石を砕き、集めれば当然海底から、海面までの運搬手段が必要になります。そこで、穴子の仕掛けのように、筒状の筒に海水を含ませて海底に沈めれば、筒の中には海水があり水圧で潰されることがない、また、沈むほどの重量を吊って空洞のある浮上筒を沈めながら圧縮空気を補充していけば、水圧と空気圧の関係は10m沈んで1気圧であることから、水圧に対する空気圧を補填しながら沈めることで、構造体は潰れることもなくゆっくりと降下するので、水圧と気圧の関係は1:1、水圧と水深では1:10となると言え、水上の船舶から最初から、海底の水圧に合わせた空気を浮上筒内に少しづつ送っていけば浮上筒内の容量で海水を排除しながら、水圧に空気が縮められながらゆっくりと沈降する。最終的に海底の水圧に対する圧縮空気圧で送気するので送気管も潰されることなく海底に重量物を運ぶことができ、浮上に際しては重量を吊るしている以上の空気圧を送り、浮上させ、浮上とともに減る水圧と浮上筒内で膨張する空気を海水内に放出しながら破裂することがない浮上筒を提供することにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5133452号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
沈降に際しては水圧で潰れない、浮上にあっては内部気圧で破裂しない、深海の海底から海面までを往復できる機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、水深の深い深海と海面の間を重量物を往復する軽くて丈夫な機器を提供することにあり、構造は円筒形の筒、浮上筒本体(1)の内側に、水圧に耐えられるように本体補強部(2)を設け、筒の下側に重量物を吊るためと常に筒が海中で回らないように重りを兼ねた吊り梁(3)を本体補強部(2)に固定するように筒の長手方向で筒の内部に設け、吊り梁(3)の両側で重量物を吊る位置に排気・排水口(4)を設け、排気・排水口(4)の外側からワイヤー(9)を入れ吊り梁(3)にそのまま接続するか、吊り梁(3)の上を通し、反対側の排気・排水口(4)からワイヤー(9)の先端を浮上筒本体(1)の外側に出し、浮上筒本体(1)の外側で編むか接続してワイヤー(9)を設け、ワイヤー(9)の反対側の先端には、重量物を吊るための金具やアタッチメントを設ける、また、浮上筒本体(1)の長手方向の両サイドの上に送気した圧縮空気の流れで浮上筒本体(1)のバランスが崩れないように、バラストタンク(10)を設け、浮上筒本体(1)が常に平衡を取るためにバラストタンク(10)を浮上筒本体(1)の上に固定して設ける、浮上筒本体(1)両端に空気がにがないように蓋(8)を設け、蓋(8)の下側で吊り梁(3)を避けた位置に曝気排気穴(6)と吸気バルブ(5)を設け、曝気排気穴(6)を被せるか、突っ込むかして曝気パイプ(7)を浮上筒本体(1)の頂点に曝気が排出できるように設けるように、浮上筒本体(1)と蓋(8)を固定するように設ける。
バラストタンク(10)は、円筒形の筒の中にモーター(13)が入る部屋と海水が入る部屋からなり、モーター(10)のはいる部屋から海水が入る部屋には、モーター(10)の回転軸を突き出しバラストタンク給排水螺軸(12)と繋ぎ、バラストタンク給排水螺軸には密閉度の高い給排水弁(14)を設け、バラストタンク給排水口(11)からの海水を取り込むことで重りとし、浮上筒本体(1)の平衡を調節する。
【発明の効果】
【0006】
鉱物を引き上げるにバキュームホースでは太く、数百メートルから数千メートルともなれば、ホースだけで船いっぱいになり、運んだり仕掛けるのに大変な設備になります、深海用の建設機械器具の開発待ちになりますが、浮上筒なら圧縮エアーホースなので、バキュームホースより細く、細い分だけホースを長く積め、高圧のコンプレッサーを船に積んでいれば、コンプレッサーと浮上筒をつなげて沈めることができるので、浮上筒が重りとなり、流されることも少なくなり、浮上筒の中に、海水や圧縮空気を導入することで水圧に潰されることもなく海底に到達し、水圧に対応する空気圧を船上より送るので沈降するに潰されることもなく、浮上時には空気を逃がしながら浮上するので、破裂することも無く浮上する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、水深の深い深海と海面の間を重量物を往復する軽くて丈夫な機器を提供することにあり、構造は円筒形の筒、浮上筒本体(1)の内側に、水圧に耐えられるように本体補強部(2)を設け、筒の下側に重量物を吊るためと常に筒が海中で回らないように重りを兼ねた吊り梁(3)を本体補強部(2)に固定するように筒の長手方向で筒の内部に設け、吊り梁(3)の両側で重量物を吊る位置に排気・排水口(4)を設け、排気・排水口(4)の外側からワイヤー(9)を入れ吊り梁(3)にそのまま接続するか、吊り梁(3)の上を通し、反対側の排気・排水口(4)からワイヤー(9)の先端を浮上筒本体(1)の外側に出し、浮上筒本体(1)の外側で編むか接続してワイヤー(9)を設け、ワイヤー(9)の反対側の先端には、重量物を吊るための金具やアタッチメントを設ける、また、浮上筒本体(1)の長手方向の両サイドの上に送気した圧縮空気の流れで浮上筒本体(1)のバランスが崩れないように、バラストタンク(10)を設け、浮上筒本体(1)が常に平衡を取るためにバラストタンク(10)を浮上筒本体(1)の上に固定して設ける、浮上筒本体(1)両端に空気がにがないように蓋(8)を設け、蓋(8)の下側で吊り梁(3)を避けた位置に曝気排気穴(6)と吸気バルブ(5)を設け、曝気排気穴(6)を被せるか、突っ込むかして曝気パイプ(7)を浮上筒本体(1)の頂点に曝気が排出できるように設けるように、浮上筒本体(1)と蓋(8)を固定するように設ける。
バラストタンク(10)は、円筒形の筒の中にモーター(13)が入る部屋と海水が入る部屋からなり、モーター(10)のはいる部屋から海水が入る部屋には、モーター(10)の回転軸を突き出しバラストタンク給排水螺軸(12)と繋ぎ、バラストタンク給排水螺軸には密閉度の高い給排水弁(14)を設け、バラストタンク給排水口(11)からの海水を取り込むことで重りとし、浮上筒本体(1)の平衡を調節する。
【実施例】
【0009】
高深度にある重量物を潜水艇やこれから出来るであろう深海用の自動建設機械などで、籠やバスケットに運ぶ対象鉱物を入れ、その籠やバスケットを浮上筒のワイヤーと繋ぎ、浮上筒内に高圧の空気を送り込んで海底から水面までの道程を自動で運ぶものである。
【産業上の利用可能性】
【0010】
将来、深海資源の回収に深海での自動運転による建設機械を導入すれば、海底と界面との道程を運ぶ機器が必要になる。また、中政府ちょくを利用するならば、海底で働かせる建設機器を海面から海底にゆっくり下ろすことも可能で、建設機械などを故障させずに海底に届けられる。
【符号の説明】
【0011】
1 浮上筒本体
2 本体補強部
3 吊り梁
4 排気・排水口
5 吸気バルブ
6 曝気排気穴
7 曝気パイプ
8 浮上筒側面蓋
9 ワイヤー
10 バラストタンク
11 バラストタンク給排水口
12 バラストタンク給排水螺軸
13 モーター
14 給排水弁
【要約】 (修正有)
【課題】深海の資源を回収する手段として、海底と海面との道程を浮力を利用し重量物を行き来させる手段として考案したものであり、時として船ごとの救援に使える浮上筒を提供する。
【解決手段】沈めるにあたって、海底に到達した時の空気圧を投入し、浮上筒の容積で中性浮力を得、重量物である将来できるだろう海底で自動で動く建設機械をぶら下げて、沈降させ、水深に応じて足りなくなった空気圧を補充しながら、ゆっくりと降下させ深海の海底まで積荷である機械を壊すことなく運び、海底で回収した希少金属の鉱滓を積んだ籠にワイヤーを架け替えて、浮上に必要な空気を送り込み浮上させ、浮上にあたっては、減る水圧に、膨張する浮上筒内の空気を外部に吐き出し、筒内で変動する空気圧で浮上筒が傾かないように浮上筒の上にバラストタンクを両サイドに載せ、少量のバラストタンクの重量や浮力で浮上筒の緊張を図りながら浮上する特徴を備えた浮上筒である。
【選択図】
図1