(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5729902
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】並行シリアル通信方法
(51)【国際特許分類】
H04L 29/00 20060101AFI20150514BHJP
【FI】
H04L13/00 S
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2009-279094(P2009-279094)
(22)【出願日】2009年12月9日
(65)【公開番号】特開2010-206775(P2010-206775A)
(43)【公開日】2010年9月16日
【審査請求日】2012年5月23日
【審判番号】不服2014-2441(P2014-2441/J1)
【審判請求日】2014年2月10日
(31)【優先権主張番号】特願2009-24386(P2009-24386)
(32)【優先日】2009年2月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100096459
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 剛
(72)【発明者】
【氏名】森 文彦
【合議体】
【審判長】
田中 庸介
【審判官】
山澤 宏
【審判官】
山中 実
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭59−66249(JP,A)
【文献】
特開平6−232941(JP,A)
【文献】
特開2001−189758(JP,A)
【文献】
特開2002−51380(JP,A)
【文献】
特開2006−268814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信側端末装置は送信データを分割して複数の通信ラインで並行してシリアル伝送し、受信側端末装置は前記通信ライン別の受信データから送信データを復元する並行シリアル通信方法であって、
前記通信ライン別のシリアル伝送フレームは、フレーム前後に開始フラグと終了フラグを有し、これらフラグ間に、ライン毎に同じにしたフレーム種別、ソースアドレス、デスティネーションアドレス、第1ワードから第Nワード分のデータフィールドを有し、ライン毎に個別にしたチェックコードフィールドを有し、
前記受信側端末装置は、前記開始フラグと終了フラグによって送受信フレームの同期をとり、
前記送信側端末装置は、送信データを通信ラインの数に対応して複数に分割し、これらの分割データをそれぞれシリアルデータに変換して当該分割データに対応する前記通信ラインのシリアル伝送フレームのデータフィールドに書き込み、前記複数の通信ラインで並列的に送信し、
前記受信側端末装置は、前記通信ライン別に受信するフレームのデータフィールドのシリアルデータをパラレルデータに変換し、これらパラレルデータをこの各データに対応して前記送信データの元のビット位置にセットして当該送信データを復元すること
を特徴とする並行シリアル通信方法。
【請求項2】
前記受信側端末装置は、前記パラレルデータを一時バッファにそれぞれ一時保存して送受信メモリに一括で書き込む受信処理において、フレームのチェックコードフィールドが異常のフレームを受信した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻すことを特徴とする請求項1に記載の並行シリアル通信方法。
【請求項3】
前記受信側端末装置は、前記パラレルデータを一時バッファにそれぞれ一時保存して送受信メモリに一括で書き込む受信処理において、フレームが途中で消失した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻すことを特徴とする請求項1に記載の並行シリアル通信方法。
【請求項4】
前記受信側端末装置は、前記パラレルデータを一時バッファにそれぞれ一時保存して送受信メモリに一括で書き込む受信処理において、何れかの1つの通信ラインでフレームが全て消失した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻すことを特徴とする請求項1に記載の並行シリアル通信方法。
【請求項5】
前記受信側端末装置は、前記パラレルデータを一時バッファにそれぞれ一時保存して送受信メモリに一括で書き込む受信処理において、サイズ異常のフレーム受信の場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻すことを特徴とする請求項1に記載の並行シリアル通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置間でデータ通信を行う通信システムに係り、特にデータを分割して複数ラインで並行してシリアル伝送する並行シリアル通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の通信システムは、プラントの監視制御システムやオートメーション工場の工程集中管理システムなど、PLCなどで構成する複数の端末装置間でのデータ通信を基にディジタル制御を行う制御システムで採用されている。
【0003】
端末装置間のデータ通信方式としては、シリアル通信方式とパラレル通信方式がある。シリアル通信方式では時系列データをその順序通りにシリアルデータに変換し、1本の伝送路を通して送信先端末装置に伝送することができ、パラレル通信方式に比べて伝送路の単純化で利点がある。
【0004】
しかし、一度に伝送するデータ量が大量に発生する場合、シリアル通信方式では、所期の通信速度を確保できなくなることが予測される。この対策として、シリアル伝送路を複数ラインとし、通信データをライン数分に分割し、各ラインでシリアル伝送する方式がある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献1では、データを4ラインに分割し、同期信号にクロックを用いて送受信する。また、データの変化が無い場合は同期クロックを間引いて送受信することも可能とする。
【0006】
特許文献2では、送信するデータをその管理情報を付加した複数のパケットに分割し、各パケットを無線通信による複数のチャンネルを介してそれぞれ送信し、受信側では複数のチャンネルから複数のパケットをそれぞれ受信し、受信した複数パケットからデータとその管理情報を抽出し、この管理情報を基に分割したデータを元の並びに組み立てる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−201194号公報
【特許文献2】特公平07−111695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
通信システムが使われる環境によっては、ノイズや電源変動などによる外乱があり、この外乱によって伝送路の信号が乱れることが想定される。
【0009】
特許文献1では、データの送受信の同期にクロックを使用している。このクロックが乱れるとそのビットが不正になる。一般的にクロック同期による通信は外来ノイズに弱い傾向にある。そのため、信頼性が要求される場合は、キャラクタ同期やフレーム同期通信を採用する。広く普及しているイーサネット(登録商標)もフレーム同期通信を採用している。
【0010】
特許文献2では、フレーム同期通信を行うため外来ノイズに強くなるが、送信するデータを複数のパケットに分割して送信し、これを受信側で復元するためには、CPU処理の逐次処理でその管理情報を付加したパケット送信と、受信側では管理情報を使用して受信パケットからデータを復元する必要があり、送信側及び受信側のCPUの負担が大きくなる。
【0011】
また、特許文献2では、分割したパケットの一部が破壊や消失した場合について、誤り訂正符号でエラー発生を検出できるが、この受信データもメモリに転送する。したがって、メモリに格納されるデータは異常パケットの場合の可能性かあり、誤り訂正符号から受信データを使用または破棄の判定が必要になる。この処理には特許文献2ではマイコンのソフトウェアに委ねているが、マイコンの処理能力を割きたくない場合やマイコン自体が存在しない場合には対応不可能となる。
【0012】
本発明の目的は、データを分割して複数ラインで並行してシリアル伝送する通信方法において、外来ノイズに強くかつ送信データについての管理情報付加を不要にしてデータ同期を得ることができる並行シリアル通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記の課題を解決するため、ライン別のシリアル伝送フレームは、開始フラグと終了フラグを有し、ライン毎に同じにしたフレーム種別、ソースアドレス、デスティネーションアドレス、第1ワードから第Nワード分のデータフィールドを有し、ライン毎に個別にしたチェックコードフィールドを有し、受信側は開始フラグと終了フラグによって送受信フレームの同期をとり、送信側は分割した送信データの管理情報を付加することなく分割データを送信し、受信側は管理情報を使用することなく分割データから送信データを復元する。また、受信側は、一時バッファに一時保存される受信データが正常である場合のみ送受信メモリに転送する。このようにした本発明は、以下の方法を特徴とする。
【0014】
(1)送信側端末装置は送信データを分割して複数の
通信ラインで並行してシリアル伝送し、受信側端末装置は
前記通信ライン別の受信データから送信データを復元する並行シリアル通信方法であって、
前記
通信ライン別のシリアル伝送フレームは、フレーム前後に開始フラグと終了フラグを有し、これらフラグ間に、ライン毎に同じにしたフレーム種別、ソースアドレス、デスティネーションアドレス、第1ワードから第Nワード分のデータフィールドを有し、ライン毎に個別にしたチェックコードフィールドを有し、
前記受信側端末装置は、前記開始フラグと終了フラグによって送受信フレームの同期をとり、
前記送信側端末装置は、
送信データを通信ラインの数に対応して複数に分割し、これらの分割データをそれぞれシリアルデータに変換して
当該分割データに対応する前記通信ラインのシリアル伝送フレームのデータフィールドに書き込み、
前記複数の通信ラインで並列的に送信し、
前記受信側端末装置は、
前記通信ライン別に受信するフレームのデータフィールドのシリアルデータをパラレルデータに変換し、これらパラレルデータを
この各データに対応して前記送信データの元のビット位置にセットして
当該送信データを復元することを特徴とする。
【0015】
(2)前記受信側端末装置は、前記パラレルデータを一時バッファにそれぞれ一時保存して送受信メモリに一括で書き込む受信処理において、フレームのチェックコードフィールドが異常のフレームを受信した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻すことを特徴とする。
【0016】
(3)前記受信側端末装置は、前記パラレルデータを一時バッファにそれぞれ一時保存して送受信メモリに一括で書き込む受信処理において、フレームが途中で消失した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻すことを特徴とする。
【0017】
(4)前記受信側端末装置は、前記パラレルデータを一時バッファにそれぞれ一時保存して送受信メモリに一括で書き込む受信処理において、何れかの1ラインでフレームが全て消失した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻すことを特徴とする。
【0018】
(5)前記受信側端末装置は、前記パラレルデータを一時バッファにそれぞれ一時保存して送受信メモリに一括で書き込む受信処理において、サイズ異常のフレーム受信の場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上のとおり、本発明によれば、フレーム同期によって外来ノイズに強い分割転送ができる。しかも、送受信処理には管理情報を付加したデータ送信および管理情報を使用したデータ復元が不要になり、送信側及び受信側のCPUの負担を軽減できる。
【0020】
さらに、ライン間は非同期に通信可能なため、分割した場合、NRZIのような転送データ量が等分でもライン毎にビット長は異なる伝送フォーマットにおいても分割転送が可能になる。
【0021】
さらにまた、フレーム中で最も大きい部分のデータを分割することで、送受信の高速化を図ることができる。
【0022】
また、受信側端末装置は、フレームのチェックコードフィールドが異常のフレームを受信した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送しないため、全てのラインでチェックコードフィールドが正常なフレームのデータのみが送受信メモリに転送される。これにより、CPUは送受信メモリに存在するデータの検定を不要にして次の処理に入ることができる。
【0023】
また、受信側端末装置は、フレームが途中で消失した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく受信動作を中止するため、全てのラインで正常なフレームのデータのみが送受信メモリに転送される。これにより、CPUは送受信メモリに存在するデータの検定を不要にして次の処理に入ることができる。
【0024】
また、受信側端末装置は、何れかの1ラインでフレームが全て消失した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、正常なラインの受信データも破棄するため、全てのラインで正常なフレームのデータのみが送受信メモリに転送される。これにより、CPUは送受信メモリに存在するデータの検定を不要にして次の処理に入ることができる。
【0025】
また、受信側端末装置は、サイズ異常のフレーム受信の場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく受信動作を強制終了するため、全てのラインで正常なサイズのフレームのデータのみか送受信メモリに転送される。これにより、CPUは送受信メモリに存在するデータの検定を不要にして次の処理に入ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態における分割フレーム構成図。
【
図3】実施形態における送信側と受信側の送受信部構成図。
【
図4】他の実施形態における送信側と受信側の送受信部構成図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本実施形態による並列シリアル通信方法は、クロック同期は採用せずフレーム同期を採用して分割転送する。
図1は、本実施形態における分割フレーム構成を示し、
図2に従来の1ラインでのフレーム構成を示す。
【0028】
図1において、例として送受信データをライン0〜ライン3の4ラインに分割する場合を示す。そのライン別のシリアル伝送フレームは、送受信フレームの同期用とする開始フラグと終了フラグをフレーム前後に有し、これらフラグ間に、ライン毎に同じにしたフレーム種別、ソースアドレス、デスティネーションアドレス、第1ワードから第Nワード分のデータフィールドを有し、ライン毎に個別にしたチェックコードのフィールドを有する。
【0029】
これらフィールドのうち、ライン0〜ライン3ではデータフィールドに書き込むビット桁が異なり、ライン0には送受信データの第1ワードから第Nワードのビット「0,1,2,3」の4ビット、ライン1にはビット「4,5,6,7」の4ビット、ライン2にはビット「8,9,10,11」の4ビット、ライン3にはビット「12,13,14,15」の4ビットを書き込む。
【0030】
これに対し、
図2の従来のフレームは、データフィールドのみが異なり、1ワード分で4倍のビット数になる。すなわち、
図1のフレームは、
図2の1ラインのものと比べるとデータのみ1/4のビット長になり他は同じだが、データ部はフレーム中で最も大きい部分になるため、データを1/4にすることによる高速化の効果は大きい。
【0031】
図1のフレーム構成にしたデータの送受信には、受信側ノードは開始フラグを受信することで同期をとり、フレームの開始を認識する。その後に受信するフラグでフレームの終了を認識する。各ラインでそれぞれフラグを有するため、ライン間は非同期の通信が可能になる。例えば、伝送フォーマットにNRZIを採用する場合、ゼロ挿入/削除機能があるので、転送データ量が等分でもライン毎にビット長は異なる。
【0032】
しかし、本実施形態では、各ライン間は非同期通信になるためなんら問題とならない。また、チェックコードはライン毎に個別に持つため、各ラインでフレームの正当性をチェックできる。1ラインでも異常を検出した場合、全てのラインでフレームを破棄することでデータの信頼性を確保できる。
【0033】
図3は送信側と受信側の送受信部構成を示す。例えば、送信側ノードのCPU1は、16ビット構成の送信データを送受信メモリ2にセットし、送受信メモリ2の送信データを4分割して4つの一時バッファ3A〜3Dに転送し、各バッファ3A〜3Dのデータをシリアル/パラレル変換部4A〜4Dでそれぞれ4ビット構成のシリアルデータに変換し、ライン0〜3のデータフィールドに書き込まれ、4つの通信ラインで並列的に送信する。
【0034】
受信側ノードでは、各通信ライン別に受信するフレームのデータフィールドのシリアルデータをシリアル/パラレル変換部5A〜5Dによってパラレルデータに変換し、一時バッファ6A〜6Dにそれぞれ一時保存し、これらシリアルデータを元のビット位置にセットした統合を行い、送受信メモリ7に一括で書き込み、CPU8が送受信メモリ7から復元された16ビットデータとして取り込む。
【0035】
したがって、本実施形態によれば、クロック同期は採用せずフレーム同期をとるため特許文献1の手法に比べて外来ノイズに強い分割転送ができる。しかも送受信処理には管理情報を付加したデータ送信および管理情報を使用したデータ復元が不要になり、特許文献2の手法に比べて送信側及び受信側のCPUの負担を軽減できる。
【0036】
また、ライン間は非同期通信が可能なため、送信データを分割した場合、NRZIのような転送データ量が等分でもライン毎にビット長は異なる伝送フォーマットにおいても分割転送が可能になる。また、フレーム中で最も大きい部分のデータを分割することで、高速化を図ることができる。
【0037】
図4は本発明の他の実施形態になる送信側と受信側の送受信部構成を示す。同図が
図3と異なる部分は、受信データの異常(エラー)検出で受信データを破棄する受信制御回路9,10を設けた点にある。
【0038】
図3において、受信側端末装置によるデータ受信は、例えば、シリアル/パラレル変換部5A〜5Dによってパラレルデータに変換し、一時バッファ6A〜6Dにそれぞれ一時保存し、これらシリアルデータを元のビット位置にセットした統合を行い、送受信メモリ7に一括で書き込み、CPU8が送受信メモリ7から復元された16ビットデータとして取り込む。
【0039】
このようなデータ受信に対し、受信制御回路9は、一時バッファ3A〜3Dにそれぞれ一時保存される受信データが正常である場合のみ送受信メモリ2に転送する制御機能を設ける。同様に、受信制御回路10は、一時バッファ6A〜6Dにそれぞれ一時保存される受信データが正常である場合のみ送受信メモリ7に転送する制御機能を設ける。
【0040】
これら受信制御回路9または10による上記の受信データの制御機能を以下に具体的に説明する。
【0041】
(制御機能1)
受信制御回路9は、フレーム受信時、
図1で示すフレームのデータフィールドの内容を一時バッファ3A〜3Dに書き込み、フレームを終了フラグまで受信した時、チェックコードフィールドか正常な場合のみ、一時バッファ3A〜3Dの受信データを送受信メモリ2に転送する。この転送制御は、受信制御回路9が終了フラグを検出後、一時バッファ3A〜3Dを読み出して送受信メモリ2に書き込む制御を行う。フレームのサイズ分だけ一時バッファ3A〜3Dから送受信メモリ2ヘの転送が完了した時、受信制御回路9はCPU1に割り込みなどで終了を通知する。
【0042】
ここで、フレームのチェックコードフィールドが異常の場合は、受信制御回路9は一時バッファ3A〜3Dの受信データを送受信メモリ2に転送することなく、一時バッファ3A〜3Dの書き込みポインタを受信前の値に戻す。
【0043】
同様に、受信制御回路10は、フレームのチェックコードフィールドが異常のフレームを受信した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻す。
【0044】
(制御機能2)
図1のフレームが途中で消失した場合、例えば受信中のフレームが途切れた場合、受信制御回路9は、受信動作を途中で中止し、受信フレーム待ちにする。受信制御回路9は一時バッファ3A〜3Dの受信データを送受信メモリ2に転送することなく、一時バッファ3A〜3Dの書き込みポインタを受信前の値に戻す。
【0045】
同様に、受信制御回路10は、フレームが途中で消失した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、受信動作を中止し、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻す。
【0046】
(制御機能3)
受信制御回路9は、各ラインで
図1のフレームのコマンドフィールドを検出したときにセットし、全てのラインでコマンドフィールドを検出したときにクリアする状態を示すコマンドフィールドフラグを各ライン分用意する。
【0047】
そして、受信制御回路9は、何れかの1本以上のラインが断線などでフレームが全て消失した場合、他の正常なラインでコマンドフィールドフラグがセット状態でフレームの終了フラグを検出し、何れかの1本以上のラインでコマンドフィールドを検出できなかったことを検出する。この場合、受信制御回路9は、正常なラインの受信データも破棄し、受信制御回路は一時バッファ3A〜3Dの受信データを送受信メモリ2に転送することなく、一時バッファ3A〜3Dの書き込みポインタを受信前の値に戻す。
【0048】
同様に、受信制御回路10は、何れかの1ラインでフレームが全て消失した場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、正常なラインの受信データも破棄し、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻す。
【0049】
(制御機能4)
図1のフレーム受信において、受信制御回路9は、フレームのデータフィールドの内容を一時バッフフ3A〜3Dに書き込み、フレームが正常か異常の判定を、フレームを全て受信し、終了フラグ検出後に行う。なお、フレームのデータフィールドのサイズは一時バッファのサイズ以下とする。
【0050】
これにより、受信制御回路9は、正常なフレーム受信の場合、フレーム受信で一時バッファ3A〜3Dの書き込みポインタを増加していき、受信前の書き込みポインタに達する前に終了フラグを検出し、データを送受信メモリ2へ書き込む。また、受信制御回路9は、サイズ異常のフレーム受信の場合、終了フラグを検出前に書き込みポインタが受信前の書き込みポインタに追いついてしまうことで異常を検出し、この時点で受信動作を強制終了し、一時バッファ3A〜3Dの受信データを送受信メモリ2に書き込まない。
【0051】
同様に、受信制御回路10は、サイズ異常のフレーム受信の場合は、一時バッファのデータを送受信メモリに転送することなく、受信動作を強制終了し、一時バッファの書き込みポインタを受信前の値に戻す。
【符号の説明】
【0052】
1、8 CPU
2、7 送受信メモリ
3A〜3D、6A〜6D 一時バッファ
4A〜4D、5A〜5D シリアル/パラレル変換部
9、10 受信制御回路