(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5729918
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】画像改善用のオーバーコート層を形成するシステムを備える印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41F 23/08 20060101AFI20150514BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20150514BHJP
B41M 7/00 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
B41F23/08
B41J29/00 H
B41M7/00
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-103975(P2010-103975)
(22)【出願日】2010年4月28日
(65)【公開番号】特開2010-260349(P2010-260349A)
(43)【公開日】2010年11月18日
【審査請求日】2013年4月26日
(31)【優先権主張番号】12/436,645
(32)【優先日】2009年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】デイル アール マシュテア
(72)【発明者】
【氏名】エリウド ロブレス フロレス
(72)【発明者】
【氏名】ポール エス ボニーノ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ファブリツィオ
【審査官】
亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05712731(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 23/08
B41J 29/00
B41M 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体上にある画像のノイズ量を減少させることにより画質を改善する画像向上サブシステム
を含み、前記画像向上サブシステムは、
前記媒体上にある前記画像を少なくとも覆う、大量の架橋性樹脂と少量の光開始剤とからなる透明なオーバーコート層を堆積させるためのオーバーコート層堆積システムと、
前記透明のオーバーコート層にエンボス加工して前記媒体上にある前記画像を少なくとも覆うエンボス加工された微細構造のオーバーコート層を形成するためのエンボス加工機と、
前記エンボス加工された微細構造のオーバーコート層を硬化させて前記微細構造のオーバーコート層がノイズ量を減少させるように前記微細構造のオーバーコート層を形成するための硬化ステーションと、
を含み、
前記微細構造のオーバーコート層は、マイクロレンズのアレイを含み、マイクロレンズのアレイそれぞれの直径は、5μmから50μmであることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記架橋性樹脂は、アクリル、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記光開始剤は、キノキサリン誘導体、αヒドロキシケトン類、ビスアシルホスフィンオキシド、及び側鎖を有するポリマー光開始剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体及び印刷装置上にある画質に関し、より具体的には、媒体上にある画質を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハーフトーン画像印刷の一様性は、1−5mmの空間ドメインに生じる、ランダムで一様性のない2次元の明るさとして定義される色むら形態の画像ノイズによって、影響を受ける。色むらがコート紙基材における変化及び印刷技術の範囲における変化により影響を受けることは、実証済みのことである。従って、基材自体の光学特性は、一様性のない印刷を悪化させることになる。様々なコート媒体及び合成物媒体を調べる研究によって、より優れた画像の滑らかさを提供し、ハーフトーンの色むらレベルを10から30%ほども減少する紙を識別できることが示された。
【0003】
一様なポリマーオーバーコート層を包括的に又は画像単位の様式で提供する(例えば、テキサス州、アーリントン所在のEpic Products International CorporationによるUV又はAquous overcoaterを用いる)オーバーコートプロセスが一般に適用される。これらのオーバーコートは、確かに、改善された堅牢性、より一様な光沢、さらには改善された色性能さえも提供するように働くが、これらは平面のオーバーコート層であるため、出力画像の画像ノイズ性能にはほとんど影響を与えていない。
【0004】
さらに、文献においては、ハーフトーンドットゲインは、紙の種類に強く依存することが詳述されている。この光学的ドットゲインを記述するユール・ニールセン効果は、紙の点像分布関数の畳み込みを受けるハーフトーンドット領域の周りで知覚される濃さを予測する。これは事実上、結果的に、インク及び紙の特性に応じて、より濃い又はより薄いトーンをもたらすドット構造の拡散を与える。ユール・ニールセンの式は、
として与えられ、ここで、PDAは物理的なドット区域を指し、Dtはうすベタの相対濃度を指し、Dsはベタの相対濃度を指し、nは補正係数である。補正係数nは、紙に大いに依存し、約1から約4ほどまで変化することができ、これは観察された有効なハーフトーンドット区域に対して大きな影響を与え得る。この実験式に適用されるコート紙のn値は、一般に約1.5から約1.7までの範囲であり、コーティングなしの紙では、約2.0から約2.7までの範囲となり得る。
【0005】
図1は、ハーフトーンドットの周囲のこの光学拡散を導き出すことができるソースの幾つかを概略的に示す。
図2A及び
図2Bは、約20%のドット区域上の、それぞれ約16%のドットゲイン及び約36%のドットゲインの結果を示す。画像変化は、大量の紙及び/又はコーティングプロセスにおいて生じ得るため、従って、有効な補正係数nは、シート内で大きく変わることがあり、かつ、一様であることが意図されるハーフトーン区域の領域全体にわたり、大きく変化した知覚されるハーフトーン濃度を導き出す場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、従来技術のこれら及び他の問題を克服して、媒体上の画質を改善するための新規な方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
種々の実施形態によると、媒体上にある画質を向上させる方法がある。本方法は、媒体上に、ある量のノイズを含み得るインクベースのハーフトーン画像を提供することを含むことができる。本方法はまた、ハーフトーン画像を少なくとも覆う、大量の架橋樹脂と少量の光開始剤とを含むことができる透明なオーバーコート層を堆積することを含むことができる。本方法はさらに、透明なオーバーコート層にエンボス加工して、エンボス加工された微細構造のオーバーコート層を形成することと、エンボス加工された微細構造のオーバーコート層を硬化させて、その微細構造のオーバーコート層がノイズ量を減少するように、微細構造のオーバーコート層を形成することを含むことができる。
【0008】
種々の実施形態によると、一つの印刷装置がある。本印刷装置は、媒体上にある画像のノイズ量を減少させることにより画質を改善する画像向上サブシステムを含むことができる。画像向上サブシステムは、媒体上の画像を少なくとも覆う透明なオーバーコート層を堆積させるための、大量の架橋性樹脂と少量の光開始剤とを含むことができるオーバーコート層堆積システムを含み、この透明のオーバーコート層にエンボス加工して媒体上の画像を少なくとも覆うエンボス加工された微細構造のオーバーコート層を形成するためのエンボス加工機と、エンボス加工された微細構造のオーバーコート層を硬化させて微細構造のオーバーコート層がノイズ量を減少するように微細構造のオーバーコート層を形成するための硬化ステーションと、を含むことができる。
【0009】
別の実施形態によると、媒体上の画像があり、この画像は、微細構造のオーバーコート層が画像のノイズ量を減少するように、少なくとも画像を覆う微細構造のオーバーコート層を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ユール・ニールセン効果を導き出す光散乱を概略的に示す。
【
図2A】異なる拡散係数の結果として生じ得る画像変化の結果を示す。
【
図2B】異なる拡散係数の結果として生じ得る画像変化の結果を示す。
【
図3】本教示の種々の実施形態による、例示的な印刷装置を概略的に示す。
【
図4】本教示の種々の実施形態による、微細構造のオーバーコート層を有する媒体上の例示的な画像の断面を概略的に示す。
【
図5】本教示の種々の実施形態による、マイクロレンズのアレイを含む例示的な微細構造のオーバーコート層を概略的に示す。
【
図6】本教示の種々の実施形態による、媒体上の画質を向上させる例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図3は、本教示の種々の実施形態による、印刷装置300を概略的に示す。印刷装置300は、画像332を媒体330に印刷する画像形成サブシステム310と、画像332のノイズ量を減少させることによって画像332の質を改善する画像向上サブシステム320とを含むことができる。画像形成サブシステム310は、限定するものではないが、電子写真印刷、インクジェット印刷、オフセットリソグラフ印刷、輪転グラビア、及びフレキソ印刷を含む好適な全ての印刷技術を含むことができる。限定するものではないが、コーティングなしの紙、コート紙、フィルム、折畳箱材料、及び段ボールを含む好適な全ての媒体330を用いることができる。幾つかの実施形態においては、画像形成サブシステム310と画像向上サブシステム320とを一体にすることができる。他の実施形態においては、画像形成サブシステム310と画像向上サブシステム320とを別ユニットにすることができる。画像向上サブシステム320は、媒体330上にある画像332を少なくとも覆う透明なオーバーコート層を堆積させるためのオーバーコート層堆積システム342を含むことができる。例示的なオーバーコート層堆積システムは、限定するものではないが、Epic coater(テキサス州アーリントン所在のEpic Products International Corporation)、Versa Coater(バーニジニア州リッチモンド所在のDrytac Corporation)、及びUVCoater(イリノイ州ウッドデール所在のFuller Grafix Inc.,)を含むことができる。種々の実施形態においては、透明なオーバーコート層は、大量の架橋性樹脂と少量の光開始剤を含むことができる。例えば、アクリル、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタンのような好適な全ての架橋性樹脂を用いることができる。例示的な光開始剤は、限定するものではないが、キノキサリン誘導体、αヒドロキシケトン類、ビスアシルホスフィンオキシド、及び側鎖を有するポリマー光開始剤を含むことができる。
【0012】
印刷装置300の画像向上サブシステム320はまた、透明のオーバーコート層にエンボス加工して媒体330上にある画像332を少なくとも覆うエンボス加工された微細構造のオーバーコート層を形成するためのエンボス加工機344と、エンボス加工された微細構造のオーバーコート層を硬化させて微細構造のオーバーコート層を形成するための硬化ステーション346とを含むことができる。例示的なエンボス加工機344は、限定するものではないが、アニロックスロール及び好適な構造をコーティング層に施すように設計された好適な他の全てのスタンピングロールを含むことができる。硬化ステーション346は、熱硬化システム、電子ビーム、紫外線硬化システム、及び他のエネルギ硬化システムの1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0013】
図4は、画像432を少なくとも覆う透明な微細構造のオーバーコート層434を含む媒体430上にある例示的な画像432の断面430’を概略的に示す。
図4に示すように、微細構造のオーバーコート層434は、マイクロレンズ436のアレイを含むことができる。微細構造のオーバーコート層434のマイクロレンズ436の各々は、入射する照明を捕捉して、ハーフトーン画像432のハーフトーンドット433上に合焦することにより、ノイズ量を減少させることができる。さらには、微細構造のオーバーコート層434は画像432の表面光学特性を調整し、一様でない媒体特性に起因する画像ノイズ量を減少させるのに役立てることができる一様な画像反射を、より一層、促進することができる。印刷された画像432の表面を覆う微細構造のオーバーコート層434は、局所的に滑らかな表面、及び、一様で予測可能な合焦機能を提供することができる。これは、ユール・ニールセンのドットゲインの局所的変化を導き出すことができる媒体430の点像分布関数の実効性のある一様性を改善するのに役立てることができる。
【0014】
種々の実施形態においては、透明なオーバーコート層である微細構造のオーバーコート層434の屈折率を調整及び/又は最適化することにより、画像332、432のノイズをさらに減少させることができる。例えば、異なる架橋性樹脂を混合し、樹脂の分子量を変化させ、添加剤及び/又はドーパントを樹脂に加える等の好適な全ての方法を用いて、透明なオーバーコート層の屈折率を調整及び/又は最適化することができる。例えば、モノマー単位、モノマー単位の官能基、分子量、及びドーパントに応じて、ポリエステルは約1.58から約1.64までの範囲の屈折率を有するように、ポリメチルメタクリレートは約1.49から約1.63までの範囲の屈折率を有するように、及びポリスチレンは約1.55から約1.59までの範囲の屈折率を有するようにすることができる。
【0015】
図5は、種々の実施形態による、マイクロレンズ536のアレイを含む例示的な微細構造のオーバーコート層534を概略的に示す。微細構造のオーバーコート層434、534の各々のマイクロレンズ436、536は、媒体330、430の質、インク特性、及び画像332、432を媒体330、430に印刷するのに用いられる印刷技術のうちの少なくとも1つに対して最適化された寸法、形状、及び周期性を有することができる。本明細書で用いられる用語「インク特性」は、単位面積当たりの着色剤濃度及びインク質量を含む。幾つかの実施形態においては、マイクロレンズ436、536の各々は、約5μmから約50μmまで、及び他の実施形態においては、約20μmから約50μmまでの直径dを有するようにすることができる。種々の実施形態においては、マイクロレンズ436、536の各々は、約5μmから約50μmまで、及び特定の実施形態においては、約20μmから約50μmまでの高さhを有するようにすることができる。微細構造のオーバーコート層434、534のマイクロレンズ436、536の周期性は、約5μmから約50μmまでの範囲、及び幾つかの場合には、約20μmから約50μmまでの範囲とすることができる。種々の実施形態によると、マイクロレンズ536の各々は、限定するものではないが、凸状、凹状、及びフレスネルレンズ構造を含む好適な光学的に最適化された全ての形状を含むことができる。マイクロレンズ536の各々の焦点距離は、約10μmから約100μmまでの範囲にすることができる。種々の実施形態においては、媒体330、430は、限定するものではないが、コーティングなしの紙、コート紙、フィルム、折畳箱材料、及び段ボールを含むことができる。
【0016】
図6は、本教示による媒体上の画質を向上させる方法600を示す。方法600は、ステップ601におけるように、ある量のノイズを含み得るインクベースのハーフトーン画像を媒体上に提供するステップを含むことができる。ハーフトーン画像は、例えば、電子写真印刷、インクジェット印刷、オフセットリソグラフ印刷、輪転グラビア、及びフレキソ印刷のような好適な全ての印刷技術を用いて印刷することができる。媒体上の画質を向上させる方法600はまた、少なくともハーフトーン画像を覆う、大量の架橋樹脂と少量の光開始剤を含むことができる透明なオーバーコート層を堆積するステップ602を含むことができる。微細構造のオーバーコート層は、Epic coater(テキサス州アーリントン所在のEpic Products International Corporation)、Versa Coater(バーニジニア州リッチモンド所在のDrytac Corporation)、及びUV Coater(イリノイ州ウッドデール所在のFuller Grafix Inc.,)等の好適な全ての技術を用いて堆積することができる。例えば、アクリル、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等の好適な全ての架橋性樹脂を用いることができる。例示的な光開始剤は、限定するものではないが、キノキサリン誘導体、αヒドロキシケトン類、ビスアシルホスフィンオキシド、及び側鎖を有するポリマー光開始剤を含むことができる。種々の実施形態においては、ハーフトーン画像を少なくとも覆う透明なオーバーコート層を堆積するステップ602は、透明なオーバーコート層の屈折率を調整及び/又は最適化してノイズを減少させることをさらに含むことができる。限定するものではないが、異なる架橋性樹脂を混合し、樹脂の分子量を変化させ、添加剤及び/又はドーパントを樹脂に加えることを含む好適な全ての方法を用いて、透明なオーバーコート層の屈折率を調整及び/又は最適化することができる。例えば、モノマー単位、モノマー単位の官能基、分子量、及びドーパントに応じて、ポリエステルは約1.58から約1.64までの範囲の屈折率を有するように、ポリメチルメタクリレートは約1.49から約1.63までの範囲の屈折率を有するように、ポリスチレンは約1.55から約1.59までの範囲の屈折率を有するようにすることができる。媒体上にある画質を向上させる方法600はさらに、透明なオーバーコート層をエンボス加工してエンボス加工された微細構造のオーバーコート層を形成するステップ603と、エンボス加工された微細構造のオーバーコート層を硬化させて微細構造のオーバーコート層を形成するステップ604とを含むことができる。例示的なエンボス加工機は、限定するものではないが、アニロックスロールを含むことができる。また、好適な構造をオーバーコート層に提供するように設計された好適な他の全てのスタンピングロールも用いることができる。エンボス加工された微細構造のオーバーコート層の硬化は、例えば、熱硬化、電子ビーム硬化、紫外線硬化、及び他のエネルギ硬化等の硬化技術の1つ又はそれ以上を用いて行うことができる。種々の実施形態においては、微細構造のオーバーコート層は、マイクロレンズのアレイを含むことができ、マイクロレンズの各々は、媒体の質、インク特性、及びハーフトーン画像を媒体上に印刷するのに用いられる印刷技術のうちの少なくとも1つに対して最適化された寸法、形状、及び周期性を有するようにすることができる。さらには、マイクロレンズの各々は、例えば、凸状、凹状、及びフレスネルレンズ構造のような好適な光学的に最適化された全ての形状を含むことができる。
【0017】
幾つかの実施形態においては、ハーフトーン画像を少なくとも覆う透明な微細構造のオーバーコート層を形成するステップ602は、例えば、インクジェットコーティング機のようなデジタルオーバーコーティング機を用いて、オーバーコート層を滴構成で適用するステップを含むことができる。ステップ602はさらに、(半球形状の)滴がハーフトーン画像を少なくとも覆うマイクロレンズのアレイに硬化されるように、オーバーコート層を硬化させることを含むことができる。幾つかの実施形態においては、レベリングが適用されることもあるが、これは、巨視的に一様なオーバーコート層の形成に役立つに過ぎない。マイクロレンズのアレイは、最終的に印刷されたハーフトーン画像に変更された効果の点像分布関数をもたらすことができる。このようにして、印刷された画像コンテンツに不利に干渉することなく、知覚される画像の一様性を改善することができる。
【0018】
従って、本教示は、媒体及び画像の光学的特性を調整することによって画像の一様性を改善する方法を提供する。さらには、本教示により画質を改善する方法は、幅広い範囲の媒体、例えば、コーティングなしの紙、コート紙、フィルム、折畳箱材料、及び段ボール等に対して適用可能であり、既存のオーバーコートプロセスと共に適用することができる。さらに、微細構造のトポロジは、他の印刷属性に悪影響を及ぼすことはない。
【符号の説明】
【0019】
300:印刷装置
310:画像形成サブシステム
320:画像向上システム
330、430:媒体
332、432:画像
342:オーバーコート層堆積システム
344:エンボス加工機
346:硬化ステーション
433:ハーフトーンドット
436、536:マイクロレンズ
434:透明な微細構造のオーバーコート層