【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、
図1(a) (b) に例示するものであって、並設された複数の緊張材(A,…)を有すると共に先端部分(以下、「アンカー体長部」とする)(30)では前記複数の緊張材(A,…)がグラウト材(B)で固められた状態であり中間部分(以下、「自由長部」とする)(31)では該複数の緊張材(A,…)がグラウト材(B)で固められずに該緊張材(A,…)の可撓性が保持された状態であるアンカーテンドン(3)であって、前記自由長部(31)が巻き取りリール(
図2(a)
(b) の符号C参照)に巻き取られていると共に前記アンカー体長部(30)が該巻き取りリール(C)から突出されているアンカーテンドン(3)を、被補強体(1)に穿設されたアンカー孔(1a)に挿入する、アンカーテンドンの挿入方法において、
前記巻き取りリール(C)から突出されている前記アンカー体長部(30)の少なくとも一部に長尺の剛性部材(以下、「先端部支持体」とする)(40)を装着して該アンカー体長部(30)の少なくとも一部を保護する工程(
図2(a) 参照)と、
前記アンカー体長部(30)を前記先端部支持体(40)と共に引き出すことにより前記自由長部(31)を前記巻き取りリール(C)から引っ張り出す工程(
図2(b) の矢印F参照)と、
該巻き取りリール(C)から引っ張り出された前記自由長部(31)の少なくとも一部に、撓みが所定の曲率半径以下にならないように構成された長尺の可撓性部材(以下、「中間部支持体」とする)(41)を装着して該自由長部(31)の少なくとも一部を保護する工程(
図3(a) 参照)と、
該中間部支持体(41)を前記先端部支持体(40)に連結する工程と、
前記アンカー孔(1a)の上方であって略鉛直な状態に前記先端部支持体(40)を着脱可能に保持する先端部支持体受け部(
図5(b) の符号50参照)と、前記中間部支持体(41)を着脱可能に保持する中間部支持体受け部(51)と、を有するアンカーテンドン基台(5)を前記アンカー孔(1a)の近傍に配置する工程(
図3(b)
参照)と、
前記先端部支持体(40)及び前記中間部支持体(41)を介して前記アンカーテンドン(3)を前記アンカーテンドン基台(5)まで搬送する工程(
図3(b) 参照)と、
前記アンカー体長部(30)の先端が前記アンカー孔(1a)に対向するように前記先端部支持体(40)を前記先端部支持体受け部(50)に保持させると共に、前記中間部支持体(41)を前記中間部支持体受け部(51)に保持させる工程(
図4(a) 参照)と、
前記アンカー体長部(30)及び前記自由長部(31)を前記先端部支持体(40)及び前記中間部支持体(41)に沿って移動させながら順次前記アンカー孔(1a)に挿入する工程(
図4(b) 参照)と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、
図6(a) に例示するように、前記中間部支持体(41)が、その長手方向に移動可能となるように前記自由長部(31)の少なくとも一部を支持するガイド部(以下、「中間部側ガイド部」とする)(41a)、を上面に有し、
図6(b) に例示するように、前記先端部支持体(40)が、その長手方向に前記アンカー体長部(30)が移動可能となるように、前記自由長部(31)における前記中間部支持体(41)に支持された側の面に連続する前記アンカー体長部(30)の面を支持するガイド部(以下、「先端部側ガイド部」とする)(40a)、を有し、
前記中間部支持体(41)と前記先端部支持体(40)との連結部(
図9(a) の符号D参照))が、それらの支持体(40,41)が所定角以上に屈曲しないように構成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において、前記先端部支持体(40)が鋼材であり、
前記先端部側ガイド部(40a)が、前記アンカー体長部(30)の少なくとも一部を収容する溝部であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、
図7(a) 及び(b) に例示するように、前記中間部支持体(41)が、一対の外リンクプレート(410)の端部をピン(411)で連結した外リンク(41A)と、端部が該ピン(411)により回転可能に支持された一対の内リンクプレート(412)により構成される内リンク(41B)と、が交互に配置されて構成され、
前記外リンクプレート(410)及び前記内リンクプレート(412)の内の一方のリンクプレート(410又は412)の側には、他方のリンクプレート(412又は410)の側に突出される突出部(413)が形成され、
該他方のリンクプレート(412又は410)の側には、前記一方のリンクプレート(410又は412)が前記ピン(411)を中心として正逆両方向(±E)に回転したそれぞれの場合に前記突出部(413)に当接される2つの当接部(414a,414b)が形成され、
前記突出部(413)及び前記2つの当接部(414a,414b)によって、前記外リンクプレート(410)及び前記内リンクプレート(412)の所定角以上の相対回転が制限されることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、
図1(a) (b) に例示するものであって、並設された複数の緊張材(A,…)を有すると共にアンカー体長部(30)では前記複数の緊張材(A,…)がグラウト材(B)で固められた状態であり自由長部(31)では該複数の緊張材(A,…)がグラウト材(B)で固められずに該緊張材(A,…)の可撓性が保持された状態であるアンカーテンドン(3)を支持するアンカーテンドン支持ユニット(
図2(b)
の符号4参照)において、
撓みが所定の曲率半径以下にならないように構成された長尺の可撓性部材であって、その長手方向に移動可能となるように前記自由長部(31)の少なくとも一部を支持する中間部側ガイド部(
図6(a) の符号41a参照)を上面に有する中間部支持体(41)と、
前記中間部支持体(41)に連結された長尺の剛性部材であって、前記自由長部(31)における前記中間部支持体(41)に支持された側の面に連続する前記アンカー体長部(30)の面を支持する先端部側ガイド部(
図6(b) の符号40a参照)を有する先端部支持体(40)と、
を備え、
前記中間部支持体(41)と前記先端部支持体(40)との連結部(
図9(a) の符号D参照)が、それらの支持体(40,41)が所定角以上に屈曲しないように構成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記先端部支持体(40)が鋼材であり、
前記先端部側ガイド部(40a)が、前記アンカー体長部(30)の少なくとも一部を収容する溝部であることを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に記載の発明において、
図7(a) 及び(b) に例示するように、前記中間部支持体(41)が、一対の外リンクプレート(410)の端部をピン(411)で連結した外リンク(41A)と、端部が該ピン(411)により回転可能に支持された一対の内リンクプレート(412)により構成される内リンク(41B)と、が交互に配置されて構成され、
前記外リンクプレート(410)及び前記内リンクプレート(412)の内の一方のリンクプレート(410又は412)の側には、他方のリンクプレート(412又は410)の側に突出される突出部(413)が形成され、
該他方のリンクプレート(412又は410)の側には、前記一方のリンクプレート(410又は412)が前記ピン(411)を中心として正逆両方向(±E)に回転したそれぞれの場合に前記突出部(413)に当接される2つの当接部(414a,414b)が形成され、
前記突出部(413)及び前記2つの当接部(414a,414b)によって、前記外リンクプレート(410)及び前記内リンクプレート(412)の所定角以上の相対回転が制限されることを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の発明において、
図6(a) 及び
図7(b) に例示するように、前記中間部支持体(41)のピン(411)が、前記一対の外リンクプレート(410)の両外側に突出するように配置され、該突出した部分(411a)を介して該中間部支持体(41)が支持されるように構成されたことを特徴とする。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明において、
図6(a) に例示するように、前記中間部支持体(41)のピン(411)であって前記一対の外リンクプレート(410)の両外側に突出した部分(411a)の周方向に沿って窪み部(411b)が形成され、該窪み部(411b)を支持することによって前記中間部支持体(41)の位置が規定されるように構成されたことを特徴とする。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項8又は9に係る発明において、
図6(b) に例示するように、前記先端部支持体(40)が、前記中間部支持体(41)のピン(411)が突出される方向と略平行な方向に突出された突起部(401)をその両側面にそれぞれ有し、該突起部(401)を介して前記先端部支持体(40)が支持されるように構成されたことを特徴とする。
【0019】
請求項11に係る発明は、請求項5乃至10のいずれか1項に記載の発明において、前記中間部支持体(41)と前記先端部支持体(40)との連結部(D)が、それらの支持体(40,41)の相対回転を許容するピン部材(不図示)と、それらの支持体(40,41)の所定角以上の相対回転を制限するストッパ機構(不図示)と、からなることを特徴とする。
【0020】
請求項12に係る発明は、請求項10に記載のアンカーテンドン支持ユニット(4)を着脱可能に保持するアンカーテンドン基台(5)において、
前記中間部支持体(41)のピン(411)であって前記一対の外リンクプレート(410)の両外側に突出した部分(411a)を着脱可能に保持する中間部支持体受け部(
図6(a) 及び
図8の符号51参照)と、
前記突起部(401)を介して前記先端部支持体(40)を、略鉛直な状態であって着脱可能に保持する先端部支持体受け部(
図5(b) 及び
図9(a) (b) の符号50参照)と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項13に係る発明は、請求項12に係る発明において、前記中間部支持体受け部(51)が、前記中間部支持体(41)のピン(411)であって前記一対の外リンクプレート(410)の両外側に突出した部分を受けるように構成された凹部であり、
前記先端部支持体受け部(50)が、前記突起部(401)を受けるように構成された凹部であることを特徴とする。
【0022】
請求項14に係る発明は、請求項13に係る発明において、前記突起部(401)を受ける前記先端部支持体受け部(50)の凹部の面が、一方が高くて他方が低くなるように傾斜して形成された面であり、前記先端部支持体(40)の前記突起部(401)が該面に沿って摺動するように構成されたことを特徴とする。
【0023】
請求項15に係る発明は、請求項13又は14に係る発明において、
図8に例示するように、前記中間部支持体受け部(51)である凹部を設ける間隔(p1)が、前記中間部支持体(41)のピン(411)を設ける間隔(p2)の整数分の1であることを特徴とする。
【0024】
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。