(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5730203
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】コバルト含有ポリマー組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 79/00 20060101AFI20150514BHJP
C08L 21/00 20060101ALI20150514BHJP
C08L 85/00 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
C08G79/00
C08L21/00
C08L85/00
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-526415(P2011-526415)
(86)(22)【出願日】2009年9月14日
(65)【公表番号】特表2012-502148(P2012-502148A)
(43)【公表日】2012年1月26日
(86)【国際出願番号】EP2009006631
(87)【国際公開番号】WO2010028851
(87)【国際公開日】20100318
【審査請求日】2012年5月31日
(31)【優先権主張番号】08016087.2
(32)【優先日】2008年9月12日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/136,596
(32)【優先日】2008年9月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509126003
【氏名又は名称】ユミコア ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Umicore S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100156812
【弁理士】
【氏名又は名称】篠 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】エディ クラウヴェルト
(72)【発明者】
【氏名】ベルト−ヤン カンプハイス
【審査官】
松岡 弘子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭51−136614(JP,A)
【文献】
特開昭57−159830(JP,A)
【文献】
特開平07−011052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 79/00
C08L 21/00
C08L 85/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3質量%のCo含量及び2000を上回る平均分子量を有するポリマーおよびゴムを含有する未加硫エラストマー組成物であって、
前記ポリマーが、次の式(I
)又は式(III)
【化1】
【化3】
[式中、
Mは、コバルトであり、
nは、少なくとも2の整数であり、
R
1およびR
3は、直鎖または分枝、飽和又は不飽和の、5〜36個の炭素原子を有するアルキル基を示し、
R2は、直鎖または分枝の、5〜36個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン基を示し、
R
6、R
7及びR
8は、それぞれ、同一又は異なって、式(IIIa)
又は式(IIIb)の置換基を示す]
であり、
前記置換基が、次の式(IIIa)
又は式(IIIb)
【化4】
【化5】
[式中、
Mは、コバルトであり、
nは、少なくとも2の整数であり、
R
iは、直鎖または分枝、飽和又は不飽和の、5〜36個の炭素原子を有するアルキル基を示し、
R2は、直鎖または分枝の、5〜36個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン基を示す]
である、
前記未加硫エラストマー組成物。
【請求項2】
1種又はそれ以上の金属製の部品の存在下で、請求項1に記載の組成物を加硫することによって得られるゴム−金属複合材料。
【請求項3】
前記複合材料がタイヤ、ベルト又はホースである、請求項2に記載のゴム−金属複合材料。
【請求項4】
ゴム−金属接着促進剤としての、少なくとも3質量%のCo含量及び2000を上回る平均分子量を有するポリマーの使用であって、
前記ポリマーが、次の式(I
)又は式(III)
【化7】
【化9】
[式中、
Mは、コバルトであり、
nは、少なくとも2の整数であり、
R
1およびR
3は、直鎖または分枝、飽和又は不飽和の、5〜36個の炭素原子を有するアルキル基を示し、
R2は、直鎖または分枝の、5〜36個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン基を示し、
R
6、R
7及びR
8は、それぞれ、同一又は異なって、式(IIIa)
又は式(IIIb)の置換基を示す]
であり、
前記置換基が、次の式(IIIa)
又は式(IIIb)
【化10】
【化11】
[式中、
Mは、コバルトであり、
nは、少なくとも2の整数であり、
R
iは、直鎖または分枝、飽和又は不飽和の、5〜36個の炭素原子を有するアルキル基を示し、
R2は、直鎖または分枝の、5〜36個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレン基を示す]
である、
前記使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コバルト含有コポリマー組成物、特にタイヤ、ベルト及びホースのような製品における金属−ゴム接着促進剤(RAPs)として使用するための前記組成物に関する。
【0002】
多くの配合物が、このタイプの適用のために試験されている。近年の実施によれば、コバルト含有物質が典型的に使用されている。実際にコバルトは、所望の接着性の達成における本質的な機能を生じうる。公知の活性物質は、たとえばステアリン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、樹脂酸コバルト、デカノン酸コバルト、コバルトボロデカノエート及びアシレートの多くの他の形である。例は、GB 1338930、EP 0065476、US 4340515及びGB 972804中で見出すことができる。
【0003】
これらの物質が金属−ゴム接着性を増強しうる一方で、これらすべては顕著な欠点を生じうる。これらRAPsの多くは、例えば水滲出試験により示されるように、例えば、コバルトの相対的に高いバイオアベイラビリティーを示す。これは、コバルトの公知の毒性の点に関連する。他のRAPs、例えば天然の生成物をベースとするものは、それどころか可変の品質のみを提供しうる。
【0004】
RAPsをゴムに添加した場合には、これらは一定の環境下で、かつ不所望の副作用として、ゴムの性質の妨げとなる。したがって、ゴム中での十分なコバルト濃度を保証しながら、一般にはRPAPSの添加を最小限にする傾向にある。これは、相対的に高いコバルト濃度を有するRAPsの使用を招き、その毒性をさらに増強させる傾向にある。
【0005】
したがって本発明の目的は、高いコバルト濃度と水性媒体中での低いコバルト溶解性を組み合わせた、RAP配合物を提供することである。この目的のために、かつ本発明によれば、高いコバルト(Co)濃度のポリマーのファミリーが存在し、これは低いコバルト溶解性を示すにもかかわらず、接着促進剤として良好な性質を提供するものである。
【0006】
本発明によるポリマーは、Co−カルボキシレート配列を含有し、その際、Co含量は少なくとも3質量%であり、かつ平均分子量は2000を上回る。
【0007】
10%を上回るかあるいはさらには12%を上回るCo濃度を有するポリマーが好ましい。
【0008】
反復するCo−カーボネート配列が、少なくとも2個、好ましくは3個又はそれ以上のCo−ジカルボキシレート基を有するポリマー分子に相当し、これは、ポリマー分子骨格の不可欠な部分を形成するものと理解される。
【0009】
他の実施態様において、さらにポリマーは1個又はそれ以上のボラート基を含有する。
【0010】
ポリマーは、好ましくは残留不飽和結合を含有する。
【0011】
さらに本発明は、前記ポリマー及びゴムを含有する未加硫エラストマー組成物に関する。さらに本発明は、前記ポリマーを含有する加硫組成物に関する。
【0012】
本発明の他の実施態様は、前記未加硫エラストマー組成物を、1種又はそれ以上の金属部分の存在下で加硫することによって得ることが可能なゴム−金属複合材料に関する。このようにして得られた対象物は、典型的にはタイヤ、ベルト又はホースであってもよい。
【0013】
他の実施態様は、前記ポリマーのゴム−金属接着促進剤としての使用、特に未加硫エラストマー組成物及び1種又はそれ以上の金属部分を含有する複合材料を製造するための使用に関する。
【0014】
他の実施態様は、加硫ゴム−金属複合材料を製造するための、特にタイヤ、ベルト又はホースを製造するための前記未加硫複合材料の使用に関する。
【0015】
さらにCo−カルボキシレート配列を含有する前記ポリマーを合成する方法が開示されており、その際、前記ポリマーは、少なくとも3質量%のCo含量及び2000を上回る平均分子量を有する。この方法は、以下の工程を含む:
1種又はそれ以上のC
4〜C
36を有するモノカルボン酸又は相当する前駆体の第1の量xモルを選択し;
C
4〜C
36を有するn−塩基性ポリカルボン酸又は相当する前駆体の第2の量yモルを選択し;
Co
2+源の第3の量zモルを選択し;
それにより、1.0<(x+ny)/2z<1.2及び0<x/y<1であり;かつ、
カルボン酸及びCo
2+源を、100〜250℃で混合及び加熱し、それにより、揮発性反応副生成物を排除する。
【0016】
250℃を上回る合成温度は、カルボン酸の分解を生じるうるため回避すべきである。したがって、250℃未満の融点を有するポリマーを選択することは有利であり、それにより、熱分解を最小限にしながら、通常の工業装置を用いて反応生成物の適切な攪拌を可能にする。さらに、10000未満の平均分子量を有するポリマーは、合成の間の顕著に低い粘度を保証するのに好ましい。
【0017】
新たに開発された生成物は、十分に高いCo含量を含む。これらは、水性媒体中での低いCo溶解性を示すにもかかわらず、RAPとしての良好な活性が実証される。したがって、ポリマー鎖中のCoの存在が、RAPとしてのその活性を損なうことなしに、Coの水溶性を顕著に減少させることが考えられる。
【0018】
合成方法は、モノカルボン酸及びポリカルボン酸と、塩基性コバルト反応成分、例えば水酸化コバルトとの反応をベースとする。さらに、ボラート基はカルボキシレート基の一部分に関して置換されていてもよい。生じるポリマーは、典型的にはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により実証されるように、広範囲の分子量を示す。
【0019】
GPC測定のために、Polymer Laboratories(登録商標)からのPL−GPC−50を使用する。カラムを固定相としてのポリスチレンゲルで充填し、かつ応答を標準として提供されたポリスチレン溶液を用いてキャリブレーションする。試料を、テトラヒドロフラン中に溶解し、これはさらに溶離液として使用される。検出は、標準RI−検出器により実施された。
【0020】
平均分子量は、例えばポリエステル及び油変性ポリエステルの配合物中で通常使用される標準的な算定方法によって測定された。このような方法は、"Alkyd Resin Technology", T.C. Patton, Interscience Publ.1962, pp82, 83, 106,及び107に記載されている。
【0021】
合成方法は、多くの改質及び置換が可能である。これは、生じる化合物の物理的及び化学的特性を調整するために使用することができる。実際に、モノ−及びジ−カルボン酸のみを使用する場合には、低融点の直鎖の構造が得られる。トリカルボン酸又はテトラカルボン酸の使用は、3次元構造を生じ、一般にはさらに高い融点を示す。融点は、所望の量のRAP及びゴムを均一に混合するための好ましい技術を定めるのに適切なパラメータである。
【0022】
不飽和ポリマー分子は、出発生成物として相当する不飽和カルボン酸を選択することによって合成することができる。このようにして得られた不飽和ポリマーは共加硫(co-vulcanize)する傾向にあり、それによってゴムの不可欠な部分となる。これは、ゴムの最終的な特徴において添加したRAPの有害作用のリスクを減少させる。
【0023】
さらに本発明の化合物は、ユーザーの自由裁量により単独で又は混合物として使用することができる。物質は、反応性希釈剤又は非反応性希釈剤と一緒に混合することによりさらに改質化することができる。
【0024】
図1〜3は、以下実施例にしたがって得られるべき、特別な構造の例を示す。Mにより示される原子はコバルトである。
【0025】
図1は、ほぼ直鎖のポリマーの構造式を示す。R
1、R
2及びR
3は5〜36個の炭素原子を有するアルキル基であり、その際、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和であってもよい。R
2はジカルボン酸の中心部分である。例1は、このような化合物の合成を例証する。
【0026】
図2は、三次元の分枝ポリマーの構造式を示す。R
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は、5〜36個の炭素原子を有するアルキル基であり、その際、直鎖又は分枝、飽和又は不飽和であってもよい。R
2’、R
3’、R
2’’及びR
3’’は、ジエン添加後のR
2の側鎖である。例2は、このような化合物の合成を例証する。
【0027】
図3は、ホウ素を含有するポリマーの構造式を示す。R
6、R
7及びR
8は、
図3a、3b及び3cの構造による置換基であり、その際、Riは、R
1、R
2又はR
3である。例3は、このような化合物の合成を例証する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【0029】
例1
合成のために使用される装置は、攪拌器、加熱手段、水冷コンデンサ、及び窒素流のための手段を備えた、2L容量の丸底ガラス反応容器を含む。以下のものを添加する:
350gのネオデカン酸;及び
590gのダイマー脂肪酸。
【0030】
混合物を窒素下で攪拌し、かつ温度を120℃まで上昇させる。水酸化コバルト190gを、少量ずつ6時間に亘って添加し、その間、反応温度を160〜170℃にゆっくりと上昇させ、それにより、粘度を、撹拌器を通常運転するための範囲に維持する。反応混合物は、反応を完了するために、2時間に亘って180℃に維持する。
【0031】
得られた生成物は均一であり、暗い青みがかった溶融塊である。これをその後に注ぎだして脆い固体に冷却し、これはその後に粉砕されるか、あるいはペレット化される。
【0032】
Ball & Ring法によって測定された融点は120℃であった。生成物は11.2%のCo(質量%)を含む。その平均分子量は3700である。
【0033】
例2
例1と同様の装置中に以下のものを添加した:
576gのタル油脂肪酸;及び
98gの無水マレイン酸。
【0034】
温度を90℃まで上昇させながら、混合物を攪拌した。その後に以下のものを添加した:
40gの水。
【0035】
反応混合物を、約100℃まで30分に亘って加熱した。その後に、以下のものを少量ずつ添加した:
190gの水酸化コバルト。
【0036】
水酸化コバルトの最初の50gを添加した後に、温度をゆっくりと120℃まで上昇させ、それにより、過剰量の水及び反応水を沸騰させて除去した。その後に、6時間に亘って添加し、攪拌可能にするのに必要な温度に増加させた。最終的な添加により、温度は約250℃に達した。この温度をさらに2時間に亘って維持した。
【0037】
得られた生成物は、暗い青みがかった溶融塊であり、これを注ぎ出して暗い青みがかった脆い固体生成物として冷却した。これは粉末に粉砕するか、あるいはペレット化することができる。
【0038】
融点は220℃であり、かつCo濃度は14.6%であった。平均分子量は2800である。
【0039】
例3
例1と同様の装置中に以下のものを添加した:
365gのネオデカン酸;
490gのダイマー脂肪酸;及び
15.25gの氷酢酸。
【0040】
成分を混合し、かつ温度を80℃まで上昇させた。その後に、以下のものを少量ずつ添加した:
180gの水酸化コバルト。
【0041】
添加の間に、撹拌器の通常運転のために必要不可欠な温度に上昇させた。最終的に、165℃の温度を達成した。この温度で、反応混合物を1時間に亘って維持した。
【0042】
その後に以下のものをゆっくりと添加した:
39.40gのトリブチルオルトボラートエステル。
【0043】
この温度をゆっくりと230℃まで増加させ、そこで1時間に亘って維持した。
【0044】
得られた生成物は、暗い青みがかった溶融塊であり、これを注ぎ出して暗い青みがかった脆い固体生成物として冷却した。これは粉末に粉砕するか、あるいはペレット化することができる。
【0045】
融点は150℃であり、かつCo濃度は11.4%であった。平均分子量は4900である。
【0046】
例4
試験は、本発明によるポリマー中のCoの水溶解性を測定するために実施した。これらの試験は、Coのバイオアベイラビリティーのための指標として適している。
【0047】
純水並びに0.9g/lのNaClを含有する生理的水溶液を、溶剤として使用した。浸出試験を、OECD-105標準フラスコ法にしたがって、化学物質試験のためのOECDガイドライン、採択27 July 1995及びOfficial Journal of the European Communities L 383 A, 54-62 (1992)中で記載されたように実施した。
【0048】
本発明による3種の典型的なポリマーの溶解性は、3種の市販の製品の溶解性と比較した。この実験結果を、第1表にまとめる。
【0049】
【表1】
【0050】
本発明によるポリマーは、極めて制限された量のCoのみを放出する。200mg/l未満の結果は、許容可能であるとみなされる。
【0051】
例5
この例において、本発明によるポリマーのRAPsとしての有効性を評価し、かつ市販の生成物における有効性と比較する。
【0052】
この目的のために、ゴムとブラスコートスチールとの間の最大接着応力を、種々のRAPSを含むゴム化合物について測定する。すべてのRAPsは、0.2phr(ゴム重量100に対する)Coに相当するレベルで添加し、これは典型的な濃度である。
【0053】
第2表は、ゴムの組成を示し、第3表は、引き抜き応力(pullout forces)の観点からの結果を示す。
【0054】
【表2】
【0055】
RAPを含むゴム化合物を、工業的標準手順にしたがって1.5Lの規格容量のインターナルミキサ中で製造する。ダンプ温度(The dump temperature)は157℃〜162℃である。
【0056】
硫黄及びDCBSを、2軸オープンミキサ上で60℃の温度で工業的標準手順にしたがって混合した。
【0057】
それぞれの10個のコードを有する試験片は、ロシア標準規格GOST 14863-69にしたがって製造され、かつ引き続いて23℃で7日間に亘って5%NaClを含む水中にこれを維持することによって老化させた。加硫温度は160℃で、t95+8分に亘って行った。これは、化合物に依存して約14〜18分に相当する。使用されたコードは、Bekaert(登録商標)3*7*0.22 ブラスコードスチールである。
【0058】
試験片の老化前後の双方における、ワイヤをゴムから引き抜くのに必要な最大応力を、第3表に示した。
【0059】
【表3】
【0060】
この結果は、本発明によるRAPsを使用した場合に、老化前後の双方において、工業的標準規格の製品のレベルに匹敵する接着性の顕著な増加を示す。この性能レベルは、十分なレベルを上回るものと考えられる。
【0061】
例6
この例は、例5と同様の材料及び条件を用いて実施するが、しかしながら以下の点において異なる:
− Bekaert(登録商標)7*4*0.22ワイヤを使用する;
− 加硫温度及び時間が162℃及び15.5分である;
− RAP濃度が0.15phrCoである;
− 試験方法はASTM 2229-04による;
− 試験当たりのワイヤ数は7である;
− 老化を100℃の空気中で72時間に亘って実施する。
【0062】
さらにゴム組成は、第4表によれば例5とはかなり異なる。
【0063】
【表4】
【0064】
試験片の老化前後の双方における、ゴムからワイヤを引き抜くのに必要な最大応力を、第5表に示した。
【0065】
【表5】
【0066】
この結果は、本発明によるRAPsを使用した場合に、老化前後の双方において、工業的標準規格の製品のレベルに匹敵する接着性の顕著な増加を示す。この性能レベルは、十分なレベルを上回るものと考えられる。