(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本書に開示されあるいは参照された種々の実施例は、参照によってその全体が本書に含まれる同時係属中の米国特許出願番号11/941,024号明細書に見られる特徴に調和して又は連動して運転される。
【0013】
図2は内部が乾燥した格納容器54を含む発電モジュール組立体25を示す。格納容器54は、円筒形であり、長円形、ドーム型又は半球状の上下の両端を有する。発電モジュール組立体25の全体を効果的な熱吸収源として作用するプールの水16に沈めることができる。発電モジュール組立体25から液体及びガスが漏れ、あるいは侵入しないように、格納容器54は、溶接あるいはその他の手段で環境に対して密封することができる。格納容器54は、その外面で、如何様にも支持することができる。
【0014】
一実施例では、格納容器54は、1つ又は複数の取付け接続具180によってプールの水16中に吊されている。プールの水16と格納容器54とは、原子炉ベイ7の地表9下に位置することができる。原子炉容器52は、格納容器54内に設置されあるいは搭載される。原子炉容器52の内面は、冷却材100すなわち水などの液体を含む湿潤環境にさらすことができ、外面は空気などの乾燥した環境にさらすことができる。原子炉容器52は、ステンレス鋼又は炭素鋼で作り、また被覆膜を含むことができ、格納容器54内で支持され得る。
【0015】
発電モジュール組立体25は、鉄道車両で輸送できるように、寸法決めすることができる。例えば、格納容器54は、約4.3メートルの直径及び約17.7メートルの高さ(長さ)に構成することができる。炉心6の燃料補給は、例えば、発電モジュール組立体50の全体を鉄道車両で又は海外へ輸送し、それを新たな燃料棒を有する新しいあるいは再生された発電モジュール組立体と取り替えることによって実行することができる。
【0016】
格納容器54は、炉心6を封入し、ある条件で冷却する。それは比較的小さく、高強度を有し、一つにはそのより小さな全体寸法に起因して、従来の格納容器デザインの6、7倍の圧力に耐えることが可能である。発電モジュール組立体25の一次冷却システムに中断が生じても、環境の中に核分裂生成物が全く放出されない。崩壊熱は、緊急状態下で発電モジュール組立体25から取り除くことができる。
【0017】
炉心6は、水などの一次冷却材100内に沈むか、浸漬されるように図示されている。原子炉容器52は冷却材100及び炉心6を収容する。原子炉ハウジング20は、該原子炉ハウジング20の下部の炉心隔壁22と、原子炉ハウジング20の上部のライザー24とを含む。ライザー24は、実質的に円筒形とすることができる。炉心隔壁22は、炉心6をその側方のまわりで取り囲み、原子炉容器52の上半分に置かれたライザー24の中心線を通って冷却材100を上に導く(冷却材の流れ26、28として示されている)ように作用し、次に、冷却材100の自然循環の結果として、アニュラス23下に戻る。一実施例では、原子炉容器52は、直径が約2.7メートルの直径であり、また約13.7メートルの全高(長さ)がある。原子炉容器52は、長円形、ドーム型、又は半球状の上下の両端を有する全体に円筒形の形状を含む。原子炉容器52は、通常の作動圧力及び温度にある。格納容器54は、内部が乾燥しており、プールの水16の温度又はその近傍の温度の壁温度で、大気圧で動作することができる。
【0018】
格納容器54は、実質的に原子炉容器52を取り囲み、封じ込め領域44として知られている乾燥した空隙(voided)の又はガス状の環境を提供することができる。封じ込め領域44は、空気又はアルゴン又は他の新規なガスなどの他の充填ガスを含むことができる。格納容器54は、封じ込め領域44と隣接する内面又は内壁を含む。封じ込め領域44は、空気の代わりに、これに加えて、単一又は複数の種類のガスを含むことができる。一実施例では、封じ込め領域44は、例えば不完全真空として、大気圧又は大気圧より低く維持されている。原子炉容器52は、封じ込め領域44が完全な又は不完全な真空に置かれるように、前記格納容器内の単一又は複数種類のガスを除去することができる。
【0019】
正常運転中、炉心6内の核分裂事象からの熱エネルギーは、冷却材100を加熱する。冷却材100が熱くなるに伴い、それは低密度になり、ライザー24を通って上昇する傾向にある。冷却材100の温度低下に伴い、それは熱せられた冷却材よりも相対的に密度が高まり、アニュラス23の外側の回りを循環し、再び炉心6によって加熱されるように、原子炉容器52の底まで下りまた炉心隔壁22を通って上昇する。この自然循環は、
図1の熱交換器135を通って冷却材100を循環させ(冷却材の流れ26、28として示されている)、発電のために
図1の二次冷却システム130のような二次冷却材に熱を転送する。
【0020】
図3は、中性子反射体35によって取り囲まれた炉心6を含む発電モジュール組立体30の実施例の一部を破断した断面の側面図を示す。中性子反射体35は、炉心6を該炉心の側方のまわりで部分的に又は完全に取り囲むことができる。一実施例では、中性子反射体35は、外面は円筒形状であり、内面が前記炉心の周辺に適合する。中性子反射体35は、ステンレス鋼を使って、作ることができる。発電モジュール組立体30は、原子炉容器52内の圧力制御の支援のために、スプレイ及び1つ又は複数のヒータを含むように示されている。
【0021】
中性子反射体35は、原子炉ハウジング22と炉心6との間に設置することができる。一実施例では、中性子反射体35の外面はダウンカマー領域の一部となるように、中性子反射体35は原子炉ハウジング22と一体化されている。ウラニウム又は他の炉心材料は、より小さい原子核に分かれることによって核分裂することができる。核分裂事象は、また数個の中性子の放出と、核分裂生成物運動、ガンマ線(ガンマ)、中性子及びニュートリノという形の大きなエネルギーの放出とを結果として生じる。中性子反射体35は、発電モジュール組立体30の中性子効率を維持し、核分裂中に炉心6を抜け出る中性子は炉心6に向けて反射される。
中性子反射体35は、原子炉容器52を損傷から保護するために、また核分裂生成物(例えばガンマ線と中性子)を吸収あるいは緩和する。中性子反射体35は、いくらかのガンマ線及び中性子を吸収した結果、時間とともに熱くなる傾向がある。
【0022】
一次冷却材28は、炉心6を通って流れ、比較的熱い冷却材T
Hになる。ライザー24の頂部から出る冷却材流26は、アニュラス下に導かれ、そのとき熱い冷却材T
Hからの熱は熱交換器に転送され、それから原子炉容器52下で炉心6へ再循環される。炉心6を循環する冷却材流28は、また、中性子反射体35の表面を冷却するように作用するが、中性子反射体35の厚さが中性子効率を高めるべく増大するに伴い、この表面冷却は、中性子反射体35を過熱から保護するためには不十分になることがある。
【0023】
図4は、炉心6及び従来の反射体45を含む発電モジュール組立体の部分的な図面を示す。反射体45を通って循環する冷却材流Tcは、反射体45の長さを通して設けられた垂直のバイパス穴40を通って流れるように、部分的に迂回される。冷却材流Tcの残りは、炉心6を通って流れる。したがって、冷却材流Tcは、炉心6を通過する冷却材流46と、反射体45のバイパス穴40を通過する冷却材流47を含む2つの部分に分けられる。
【0024】
冷却材流46、47のいずれも(個々に見て)、冷却材流Tcに比べてより少ない流量を含む。冷却材流47は炉心6を通過しない。したがって、炉心6を通過する冷却材流Tcの有効流量は、冷却材流47と等しい量だけ低減される。追加の冷却材が前記システムに供給されなければならないか、冷却材の流量が反射体45を通って迂回される冷却材流47を補うためにポンプによって増やされなければならないように、これは発電モジュールの運転能率を低減する。
【0025】
図5は、炉心6と斬新な中性子反射体50とを含む発電モジュール組立体の例の部分的な図面を示す。炉心6を通って冷却材Tcを導くために、原子炉ハウジング22は炉心6をその側方のまわりで取り囲む。中性子反射体50は、原子炉ハウジング22と炉心6との間に位置している。一実施例では、発電モジュールの中性子効率を高めるために、中性子反射体50は、部分的に又は完全に炉心6をその側方のまわりで取り囲む。中性子反射体50は、炉心6に隣接して位置する1つ又は複数の入口IN
1、IN
2を含み、1つ又は複数の入口IN
1、IN
2は、該入口IN
1、IN
2に入る前に、炉心6の少なくとも一部を通過した冷却材F1を受け入れるように設定されている。
【0026】
中性子反射体50は、下端51と、上端55と、炉心6に面する側壁53とを含み、1つ又は複数の入口IN
1、N
2が側壁53に位置する。第1の入口IN
1が第2の入口IN
2よりも低い高さに置かれている。第1の第1の入口IN
1は、炉心6の下方部分を通過する冷却材を受けるように設定されている。第2の入口IN
2は第1の入口IN
1よりも高い高さに置かれている。第2の入口IN
2は、炉心6の上方部分を通過する冷却材を受けるように設定されている。冷却材を入口IN
1、IN
2に引き入れることによって、少なくとも一部が熱せられた炉心6を迂回するのではなく、すべての冷却材は熱せられた炉心6を通って引き入れられる。
【0027】
異なる高さに置かれた入口を通して冷却材を引くことにより、冷却材が中性子反射体50の全長を通過するのを待つことなく、直ちに中性子反射体50の異なる領域を同時に冷やすために該冷却材を使うことができる。他方、従来の反射体は、冷却材がバイパス穴(
図4参照)に入る時点で、優先的に該反射体の下方部分を冷却する。しかしながら、前記反射体の下方部分は、実のところ原子炉心の軸方向出力分布のために最も大量の発熱を受けてはいない。
【0028】
原子炉容器52内を循環する冷却材Tcは冷却材流Foとして炉心6に入る。一実施例では、冷却材Tcの流量は、炉心6の底に入る冷却材流Foの流量と同じである。炉心6を部分的に通過した冷却材は、冷却材の直交流Flとして、1つ又は複数の入口IN
1、IN
2に入る。冷却材の直交流Flは、これが1つ又は複数の入口IN
1、IN
2と1つ又は複数の出口OUTとの間を進むに伴い、中性子反射体50を冷却する。1つ又は複数の出口OUTは、中性子反射体50の上面すなわち上端55に設置されている。一実施例では、冷却材流F2の流量は、冷却材の直交流F1の流量と同じである。冷却材流F2は、炉心6を出る冷却材流T
Hに合流する。一実施例では、冷却材流Foの流量は、冷却材流F2及びT
Hの合計と同じである。
【0029】
一実施例では、冷却材直交流Flは、単相の液体として、1つ又は複数の入口IN
1、IN
2に入る。冷却材流F2は、二層の蒸気/液体又は単相の蒸気として、1つ又は複数の出口OUTを出る。1つ又は複数の出口OUTを出る冷却材流F2は、ライザー部分24に空隙(voiding)を導入し、炉心立面での有効冷却材密度を減少させ、前記発電モジュール内の冷却材流速を増大する。流速の増大は、結果として、また炉心6を横切る温度変化をより小さくする。前記空隙は炉心6を通る流れを増大し、また、蒸気発生器領域内の一次側の熱伝達係数を増大させる。
【0030】
中性子反射体50内に蒸気を含む単相の又は二相の冷却材を含むことは、そうでなければ中性子反射体50中で起こる中性子の減速の量を減少させ、中性子反射効率を上げる。蒸気又は沸騰熱伝達が単相の冷却液に比べてより効率的な熱除去を可能にするので、より少ない反射体材料は、中性子反射体50の内部の冷却に備えるために取り除くことができ、中性子反射効率又は中性子節約を高めることができる。中性子反射体50中で単相又は二相の冷却材中に蒸気が提供される結果、中性子効率はさらに改善される。蒸気は冷却液に比べて中性子のより弱い減速体であるので、過加熱された単相の冷却材を前記炉心領域から引いた結果として、より少ない中性子が減速されるに過ぎない。より効率的な中性子反射体を提供することは、炉心6を通る流速を結果として増大させ、発電モジュールが増大した動作電力で稼動することを可能にする。
【0031】
図6は、水平及び垂直な冷却材貫流経路69を含む中性子反射体60の例の部分的な断面図を示す。中性子反射体60は、炉心6(
図5)に隣接し配置されていると理解できるであろう。一実施例では、中性子反射体60は、炉心6と
図5の原子炉ハウジング22との間に位置する。中性子反射体60は、炉心6に面している多数の入口62を含む。中性子反射体60は、該中性子反射体60を通って冷却材Flの一部を導くために、入口62と流体的に接続された多数の出口64をさらに含む。入口62は、側壁63に沿って異なる高さに位置して示されている。
【0032】
入口62が中性子反射体60の側壁63に設置されているのに対して、出口64は中性子反射体60の上端65に設置されている。冷却材は、冷却材流F2として、出口64を経て中性子反射体60を出る。一実施例では、冷却材流量F2は、冷却材直交流量Flに等しい。入口62と出口64とは、多数の貫流経路69によって流体的に接続されている。貫流経路69の第1の部分はほぼ水平な区域68から成るのに対して、貫流経路69の第2の部分はほぼ垂直な区域67から成る。水平経路68が入口62に接続されて示されているのに対して、垂直経路67は出口64に接続されて示されている。一実施例では、オプションで、ほぼ垂直な経路66は、中性子反射体60を冷やす支援に提供される。オプションで、ほぼ垂直な経路66は、冷却材を中性子反射体60の下端から引く。
【0033】
入口62間の間隔を変えることができる。例えば、入口間の第1の間隔Hiを入口間の第2の間隔Hnより大きくすることができる。炉心6の中心又はその近くでの入口62間の間隔は、炉心6のいずれの終端又はその近くでの入口62間の間隔よりも小さくすることができる。入口62の数又は集中度は、炉心6の中心又はその近くで、炉心6のいずれの終端又はその近くの入口62の数又は集中度に比べて、より大きくすることができる。一実施例では、前記入口の間隔は、流体状況と同様に炉心6の軸方向における発電モジュール断面に従って、異ならせることができる。一実施例では、前記入口の間隔は、中性子反射体60中で沸騰が起こる点に適合するように配置される。炉心6に沿って異なる垂直位置に置かれた複数の入口は、中性子反射体60の冷却を段階的に提供する。前記経路の直径すなわち経路寸法は、入口62のいずれか1つが他のそれよりも多くの又は少ない冷却材F1を通過させることを可能にするために、変えることができる。炉心6の中心の近くの経路寸法は、炉心6の両終端での経路寸法よりも大きくすることができる。
【0034】
図7は、多数の傾斜したすなわち角度的な冷却材貫流経路79を含む中性子反射体70の例の部分的な断面図を示す。傾斜した冷却材貫流経路79は、中性子反射体70の側壁73に設置された1つ又は複数の入口72を中性子反射体70の上端75に設置された1つ又は複数の出口74に流体的に結合する。炉心6(
図5)を部分的に通過した冷却材直交流F1は、1つ又は複数の入口72に入り、傾斜した冷却材貫流経路799を通過し、冷却材流F2として出口F2を出る。一実施例では、冷却材流F2は冷却剤直交流F1に等しい。
【0035】
入口間隔Hi、Hnは、入口72の高さに従って変えることができる。傾斜した冷却材貫流経路79の高さ又は幅を変えて、より多くの又はより少ない冷却材直交流Flが中性子反射体70の異なる部分を通過することを可能にすることができる。一実施例では、追加の冷却材が中性子反射体70の下部を通過することを可能にするために、オプションで、1つ又は複数のほぼ垂直な経路76、78を設けることができる。1つ又は複数のほぼ垂直な経路76、78は、1つの傾斜冷却材貫流経路79に接続されて示されているが、代わりに、前記中性子反射体の上端75に設置されたそれら自体のそれぞれの出口(図示せず)に接続することができる。オプションの1つ又は複数のほぼ垂直な経路76、78が中性子反射体70に設けられる場合、冷却材直交流F1は冷却材流F2より少なくすることができる。
【0036】
図8は斜め及び垂直な冷却材貫流経路89を含む中性子反射体80の例の部分的な断面図を示す。冷却材貫流経路89は、中性子反射体80の側壁83に設置された1つ又は複数の入口82を中性子反射体80の上端85に設置された1つ又は複数の出口84に流体的に結合する。炉心6(
図5)を部分的に通過した冷却材直交流Flは、1つ又は複数の入口82に入り、傾斜した冷却材貫流経路89を通過し、冷却材流F2として出口F2を出る。一実施例では、冷却材流F2は冷却材直交流Flに等しい。
【0037】
経路89の第1の部分は、角度的なすなわち傾斜された区域88から成るのに対して、経路89の第2の部分は、ほぼ垂直な区域87から成る。水平な経路88は、入口82に接続されて示されているのに対して、ほぼ垂直な経路87は、出口84に接続されて示されている。一実施例では、前記経路又は出入り口のいずれも中性子反射体80の下端81に接続されていない。
【0038】
中性子反射体の種々の実施例は、水平、垂直、傾斜、斜め又はその他に方向付けられた経路の如何なる数又は組み合わせをも含むことができ、ここに説明されたそれらの実施例は、そのような組み合わせを制限することを意図していない。さらに、1つ又は複数の経路が複数の出入り口と接続するように、入口の数は出口の数に等しくないかもしれない。
【0039】
図9は、複数の積層された板92、94、96から成る中性子反射体90の例の分解斜視図を示す。
図9は、製造方法又は中性子反射体90の分解図を示す中性子反射体の組み立て方法として理解することができよう。組み立て時、下方プレート92はプレート94に隣接し接触され、他方、プレート94は、上方プレート96に隣接し接触される。上方プレート96の上面は、中性子反射体90の上端95を提供するものとして理解することができる。プレート92、94、96のすべて又は1つの側面は、中性子反射体90の側壁93を形成することができる。
【0040】
中性子反射体90は、共に積層された多数のプレート92、94、96から成り、貫流経路99が、少なくとも部分的に、隣接したプレート92、94間に形成されている。貫流経路99は、入口INLETの少なくとも1つを出口OUTLETの少なくとも1つに流体的に接続する。貫流経路99は、隣接したプレート92、94間を通るほぼ水平な経路98を含む。ほぼ水平な経路98の上方部分は中間プレート94のような第1のプレートの下面に窪んで形成されており、ほぼ水平な経路98は、下方のプレート92などの第2のプレートの上面に接している下方部分を含む。中性子反射体90が完全に組み立てられたとき、中間プレート94の下面は下方のプレート92の上面に隣接して位置する。他の経路が、中間プレート94と上方プレート96との間に形成されて示されている。
【0041】
一実施例では、水平な経路98は、中間プレート94の下面へのエッチングで形成される。他の実施例では、貫流経路99の一部又はすべてが、一つ又は複数の前記プレートへの機械加工による。
【0042】
ほぼ水平な経路98は、中間プレート94を通るほぼ垂直な経路97Aに接続されている。経路97Aは上方プレート96の経路97Bに位置合わせされており、その結果、積み重ねられた経路97A、Bは前記複数のプレートの2つ以上を貫通する。水平な経路98は入口INLETに接続され、また垂直な経路97A、Bは出口OUTLETに接続される。一実施例では、中性子反射体として組み立てられたとき、水平な経路98及び垂直な経路97A、Bは、入口INLETを出口OUTLETに流体的に結合するように設定される。上方プレート96は1つ又は複数のほぼ垂直な経路を含むことができ、該経路は単一プレートを通過するのみである。
【0043】
一実施例では、複数のプレート92、94、96の少なくともいくつかは異なる厚さを有し、入口間の距離が前記複数のプレートの種々の厚さによって変わる。例えば、中間プレート94はDnの厚さを有するのに対して、上方プレート96はDiの厚さを有する。一実施例では、中性子反射体90の上端に関連する板厚Diは、中性子反射体90の中心部分に関連する板厚Dnよりも大きいか、広い。
【0044】
プレートの数は、説明の簡素化のために3枚として示されているが、他の実施例はより少ないあるいはより多いプレートを含むことができる。一実施例では、中性子反射体90の前記プレートの数は前記水平な経路の数にほぼ等しい。他の実施例では、前記プレートの数は水平な経路の数より多い。さらに他の実施例では、例えば、複数の水平な経路が如何なる2つの隣接するプレート間で形成される場合では、前記プレートの数は水平な経路の数より少ない。
図9に示された構造は、従来のデザインの加工費及び物質的な浪費を最小化するかあるいは低減する。前記水平な経路がスロット又は溝として示されているが、ある実施例では出入り口を丸穴で形成することができる。例えば、丸い入口又は出口は、ドリルで穴開けをするか、切削加工するか、別の方法で中性子反射体に又はこれを貫通して形成することができる。
【0045】
図10は、周辺のまわりを中性子反射体140によって取り囲まれた炉心6を含む発電モジュール組立体150の部分的な横断平面図を示す。中性子反射体140は、炉心6を部分的に通過した冷却材流を出力するために設定された多数の出口160を含む。中性子反射体140は、発電モジュール組立体150の組立の間に結合される多数のサブ区域140A、140Bを含むことができる。一実施例では、多数のサブ区域140A、140Bのそれぞれは、
図9の中性子反射体90で示されたと同様な積層プレートから成る。出口160がスロット又は溝として示されているのに対して、ある実施例では、出入り口は丸穴から成ることができる。例えば、丸い出口にドリルで穴を開け、研削加工され、別の方法で中性子反射体に又はこれを貫通して形成することができる。
【0046】
図11は、炉心からの冷却材流を受けるべく設定された中性子反射体を使用して原子炉ハウジングを貫通して冷却材を循環させる斬新な方法200を示す。方法200は、
図1ないし10としてここに図示された種々の実施例で、それに限定されないが、稼働することが理解されよう。
【0047】
動作210で、一次冷却材は原子炉ハウジング中を循環する。
【0048】
動作220で、前記一次冷却材は第1の部分及び第2の部分に分けられ、前記第1の部分が前記原子炉ハウジング内に置かれた炉心を完全に通過し、前記第2の部分が、中性子反射体の入口に入る前に、炉心を部分的に通過する。一実施例では、前記入口は前記中性子反射体の側壁に設置され、該側壁が前記炉心に面する。
【0049】
動作230では、前記一次冷却材の前記第2の部分は、前記中性子反射体を貫通するように導かれる。一実施例では、前記一次冷却材の前記第2の部分は、主として単相の液体あるいは二相の液体及び蒸気として、前記中性子反射体に入る。
【0050】
動作240では、前記中性子反射体を出る前記一次冷却材の前記第2の部分は、前記炉心を通過する前記一次冷却材の前記第1の部分と再結合する。前記一次冷却材の前記第2の部分は、前記炉心を通る前記一次冷却材の流量を増大させるために、前記原子炉ハウジング中で前記第1の部分と再結合することができる。一実施例では、前記一次冷却材の前記第2の部分は、二相の蒸気及び液体として前記中性子反射体を出る。さらに他の実施例では、前記一次冷却材の前記第2の部分は、単相の蒸気として前記中性子反射体を出る。
【0051】
ここに与えられた実施例は主として加圧水型原子炉で説明したが、ここに記載されたようにあるいはいくらかの明らかな部分修正によって、実施例が他のタイプの原子力システムに適用できることは当業者にとって明白であろう。例えば、その実施例又は変形例は、また沸騰水型軽水炉で動作可能とすることができる。
【0052】
図面の寸法は一定の比率では与えられておらず、場合によっては、ある機能は、ある詳細を図示するか、説明するために、縮尺で誇張されている。ここに説明された他の割合や値と同様に、原子炉容器内の冷却材の流量は、例として与えられたに過ぎない。他の割合や値は、原子炉原寸又は縮尺のモデルの建築物による等の実験を通して決定することができる。
【0053】
本発明の原理がその好適な実施例で説明され例示されたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置や詳細についての変更が可能であることが理解されよう。ここに添付の特許請求の範囲に記載の発明の精神及び特許請求の範囲内に含まれるすべての修正や変更が主張されている。