【実施例】
【0049】
実施例
以下のデータは、アルギニンへの曝露による、種々のエンベロープウイルスの不活化を実証する。比較目的のため、以下のデータは、低pHおよび洗剤TRITON(登録商標)X−100(Sigma−Aldrich Corp.,St.Louis,MO,USA)への曝露によるウイルスの不活化も示す。また、比較のため、以下のデータは、高濃度のアミノ酸グリシンへの曝露による、ウイルス
非活性化を示す。試験が行われた代表的なウイルスとしては、
a)チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)(組み換えタンパク質を産生するために通常使用される細胞株)の細胞培養採取物中に存在する可能性がある、モデル内因性レトロウイルス(エンベロープ、RNAゲノムウイルス)である、異種指向性マウス白血病ウイルス(X−MLV)、
b)タンパク質産生/処理中に導入される可能性があるモデル外来ウイルス(非エンベロープ、DNAゲノム)としてのマウス微小ウイルス(MMV)、および
c)物理的/化学的不活化に中程度の耐性を有するウイルスを含有するモデルエンベロープDNAとしてのブタヘルペスウイルス1型(SuHV−1)が挙げられる。
表15を参照のこと。
【0050】
実施例1
組み換え抗体GE2−Fcγ−Fcεの調製試料におけるX−MLVのTRITON(登録商標)X−100、低pH、およびアルギニン不活化
低pH、TRITON(登録商標)X−100、およびアルギニンへの曝露により得られたウイルス不活化動態を、組み換え抗体指定されたGE2−Fcγ−Fcεの試料工程中間体を使用して試験した。これらの不活化試験に使用された工程中間体を表1に示す。全ての試験は、2℃から8℃で実施した。
【0051】
TRITON(登録商標)X−100不活化試験において、0.10%(v/v)および0.20%(v/v)の濃度で、TRITON(登録商標)X−100をGE2−Fcγ−Fcε清澄条件培地(CCM)に添加した。低pHウイルス不活化試験の開始材料として、pHを3.7または3.9に調節した、GE2−Fcγ−Fcεを含有するMABSELECT(登録商標)(GE Healthcare Bio−Sciences Corp.,Piscataway,NJ,USA)プロテインAクロマトグラフィー溶出物を使用した。追加の不活化試験の工程中間体として、中和されたMABSELECT(登録商標)溶出緩衝剤(1.0Mアルギニン−HCl、約5mMトリス、pH7.3(+/−)0.5)およびGE2−Fcγ−Fcεを含有する中和されたMABSELECT(登録商標)溶出緩衝剤も使用した。これらの試験に使用された工程中間体は、検証条件下で安定することが知られている。
【0052】
【表1】
A) TRITON(登録商標)X−100 X−MLV不活化実験
TRITON(登録商標)X−100不活化実験は、0.10%または0.20%(v/v)の最終濃度のTRITON(登録商標)X−100含有GE2−Fcγ−Fcε清澄条件培地を使用して二重に実施された。表2は、これらの試験で実施された4つの実験のパラメータを示す。
【0053】
【表2】
TRITON(登録商標)X−100不活化試験のウイルスクリアランス結果の概要を表3および表4に示す。表3および表4は、種々の時間点でのX−MLV減少係数(RF)を要約し、一方、表13は、120分間、TRITON(登録商標)X−100に曝露した後の、4つの実行のRF値を要約する。
図1および
図2は、それぞれ、0.10%および0.20%TRITON(登録商標)X−100追加に対する、時間の関数としてのX−MLV力価を示す。
【0054】
0.10%および0.20%TRITON(登録商標)X−100不活化試験の両方において、X−MLVは、5分間の洗剤への曝露後、検出限界以下であり、X−MLVの急速な不活化を示す(
図1および
図2)。0.10%および0.20%(v/v)TRITON(登録商標)X−100のGE2−Fcγ−Fcε清澄条件培地への添加により、X−MLVに対して、3.1以上および2.6以上の減少係数が、それぞれ達成された。これらの試験の結果は、TRITON(登録商標)X−100が、GE2−Fcγ−FcεMABSELECT(登録商標)工程試料中のX−MLVを効果的に不活化するのに0.10%以上の濃度で使用され得ることを示した。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
B)低pH X−MLV不活化実験
表5は、低pHウイルス不活化試験のパラメータを示す。実験は、二重に実施された。
【0057】
【表5】
低pH試験において、ウイルス不活化データの要約を表6および表7に示す。表6および表7は、種々の時間点でのX−MLV減少係数(RF)を要約し、一方、表13は、120分間、低pH条件に曝露した後のRF値を要約する。
図3および
図4は、それぞれ、pH3.7およびpH3.9におけるX−MLVの不活化動態を示す。
【0058】
これらの低pH不活化試験において、負荷対照試料および保留対照試料(中性で保持)におけるX−MLVが不活化されたことに留意することが重要である。MABSELECT(登録商標)溶出物におけるアルギニンの存在が、中性の負荷対照および保留対照の不活化に関与した可能性がある。したがって、ウイルス対照試料を、これらの試験において、減少係数を計算するために使用した。中和状態にあるウイルス対照であるPG−4検定培地(アルギニンなし)は、試験の時間経過中、いかなる有意な不活化をも示さなかった。
【0059】
pH3.7で、X−MLVは、5分の曝露後、有意に不活化され、45分後、両方の実行において、検出可能レベル以下であった(表6、
図3)。X−MLVは、いくつかの時間点のpH3.7で、実行のうちの1つにおいて検出可能であったが(実行#5)、5分以上の全ての時間点において検出以下であった、二重実行(実行#6)の検定変動範囲内(<1Log
10)であった。
【0060】
X−MLVが、二重実行の両方において、5分の曝露後に検出以下であるという同様の結果が、3.9の高いpHで得られた(表7および
図4)。
【0061】
保留対照および負荷対照におけるX−MLV不活化の結果により、低pH条件が、観察されたウイルス不活化に関与したかどうかは、分からなかった。1Mアルギニンの存在が、低pH試験中、X−MLV不活化にも寄与した可能性がある。
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
C)アルギニンのX−MLV不活化実験
アルギニン(中性pH)の存在下でのX−MLVの不活化を、GE2−Fcγ−Fcεを用いて、および用いずに検証した。表8は、この実施例のアルギニン不活化実験のいくつかのパラメータを示す。実験は、二重に実施された。負荷対照および保留対照試験に使用された緩衝剤は、アルギニン(約5mMトリス、pH7.0)を含有しなかった。
【0064】
【表8】
表11および表12は、種々の時間点でのX−MLV減少係数(RF)を要約し、一方、表13は、120分後の4つの実行のRF値を要約する。
図5および
図6は、それぞれ、GE2−Fcγ−Fcεの不在下および存在下における、X−MLV含有1Mアルギニン緩衝剤の不活化動態を示す。この試験において、X−MLVは、1Mアルギニンを含有する中性溶液中で15分後、検出可能レベル、またはそれ以下であった。しかしながら、ウイルスの検出可能なレベルが、5分間の曝露後、全ての試験において存在した(実行9〜12)。アルギニン試験のX−MLV不活化動態は、低pH試験中に測定された不活化動態と比較して、わずかに遅かった。しかしながら、両方の試験において、X−MLVレベルは、30分の曝露後、検出、またはそれ以下であった。
【0065】
同様の不活化動態が、アルギニン緩衝剤中のGE2−Fcγ−Fcεの存在下、および不在下で達成された(
図5および
図6)。結果は、GE2−Fcγ−Fcεが、試験中、X−MLV不活化に影響を及ぼさなかったことを示す。アルギニンを含有しなかった負荷対照試料および保留対照試料が、120分間隔にわたっていかなるX−MLV不活化も示さなかったことに留意することが重要である。X−MLVの見かけ上の不活化は、緩衝溶液中のアルギニンの存在によるものであった。4.1以上のX−MLV減少係数が、120分の曝露後の全てのアルギニン試験で達成された(表13)。
【0066】
【表9】
【0067】
【表10】
【0068】
【表11】
【0069】
【表12】
【0070】
【表13】
実施例2
X−MLV、SuHV−1およびMMVを用いたアルギニンおよびグリシンのウイルス不活化試験
アルギニンのウイルス不活化動態をさらに特徴付け、アルギニンによって不活化されるウイルスを同定するために、中性pHの高濃度の2つのアミノ酸(アルギニンおよびグリシン)の存在下で、3つのウイルス(X−MLV、SuHV−1、およびMMV)を試験した。全ての試験は、2℃〜8℃で実施された。これらの試験の実験パラメータを表14に示す。各実験を二重に実施した。
【0071】
【表14】
哺乳類細胞培養物で一般的に認められる内因性レトロウイルスの代表として、この試験にX−MLVをモデルレトロウイルスとして選択した。この試験に選択された追加のモデルウイルスは、広範なウイルス特徴を含む。評価されたウイルスは、異種指向性マウス白血病ウイルスX−(MLV)、マウス微小ウイルス(MMV)、およびブタヘルペスウイルス1(SuHV−1)であった(表15)。
【0072】
【表15】
A)0.1Mアルギニン存在下のX−MLV
0.1Mアルギニン(pH7.0)の存在下において(表14)、ウイルス力価レベルが、評価時間にわたり有意に変化したかったため、X−MLV不活化は、二重実行において、120分の曝露後、生じなかった(表16、
図7)。X−MLV不活化動態のプロットを
図7に示す。試験の結果は、中性pH(7.0)での0.1Mアルギニンの存在は、120分保持によりX−MLVを効果的に不活化するのに十分な濃度ではなかったことを示した。
【0073】
【表16】
B)0.5Mアルギニン存在下のX−MLV
0.5Mアルギニン(pH7.0)の存在下において(表14)、X−MLVウイルス力価は、120分の曝露時間にわたり減少した(表17)。X−MLV不活化動態のプロットを
図7に示す。X−MLVの3.4および3.5の減少係数が、120分の曝露後の2つの実行で達成された。ウイルス力価は減少したが、検出レベルが、120分の曝露後に存在し、これは、ある程度の不活化が、0.5Mアルギニンの存在下で生じたことを示す。
【0074】
【表17】
C)1.0Mアルギニンの存在下のSuHV−1
1.0Mアルギニン(pH7.0)の存在下において(表14)、SuHV−1ウイルス力価は、二重実行において、30分の曝露後、検出の検定限界以下であった(表18)。SuHV−1不活化動態のプロットを
図8に示す。SuHV−1の3.68以上および3.43以上の減少係数が、240分の曝露後の2つの実行で達成された。試験の結果は、中性pH(7.0)での、高濃度のアルギニン(1.0M)の存在が、比較的速い動態でSuHV−1ウイルスを効果的に不活化するのに十分であったことを示した。
【0075】
【表18】
D)1.0Mアルギニンの存在下のMMV
MMVは、4時間にわたる1.0Mアルギニンの存在下(表14)で不活化されなかった(表19)。工程の経過にわたる種々の時間点で測定されたMMV力価は、負荷対照および保留対照と同様のレベルであった(
図9)。結果は、非エンベロープウイルスであるMMVが、pH7.0の1.0Mアルギニンの存在下で不活化されなかったことを示す。
【0076】
【表19】
E)1.0Mアルギニンおよび50%プロピレングリコールの存在下のX−MLV
1.0Mアルギニン(pH7.0)および50%プロピレングリコール(表14)の存在下において、X−MLV力価は、二重実行において、240分の曝露後、検出の検定限界以下であった(表20)。比較的遅いが安定した不活化が、工程中生じた(
図10)。X−MLVの1.80以上および2.05以上の減少係数(RF)が、240分の曝露後の2つの実行で達成された。ウイルス力価における相違が、負荷対照と保留対照の間で1.0ログ
10超であったため、RF値は、保留対照試料からの入力ウイルス力価を使用して計算されたことに留意する。50%プロピレングリコールの存在は、1.0Mアルギニンのみを含有する緩衝剤と比較して、ウイルス不活化の速度を遅延した可能性がある。
【0077】
【表20】
F)1.0Mアルギニンおよび50%プロピレングリコールの存在下のSuHV−1
1.0Mアルギニン(pH7.0)および50%プロピレングリコール(表14)の存在下において、ウイルスレベルが、15分の曝露後に検出以下であったので、SuHV−1は、迅速に不活化された。保留対照におけるウイルス力価も検出以下であったため、プロピレングリコールの存在が不活化工程に起因した可能性があることに留意することが重要である。SuHV−1の2.55以上の減少係数(RF)が、RF計算で負荷対照を使用して、2つの実行で達成された。保留対照のウイルス力価が検出以下であったため、RFを計算するために、負荷対照が使用された。不活化動態のプロットを
図11に示す。
【0078】
【表21】
G)1.0Mグリシンの存在下のXMLV
X−MLVは、1.0Mグリシンの存在下で不活化されなかった(表22、
図12)。結果は、高濃度のグリシンが、エンベロープウイルス(X−MLV等)の不活化に効果的ではなかったことを示す。
【0079】
【表22】
試験は、高アルギニン濃度(中性pH)を含有する緩衝剤が、X−MLVおよびSuHV−1等のエンベロープウイルスを効果的に不活化する独特の特性を有することを示した。グリシンは、ウイルス不活化に効果的ではなかった。
【0080】
表23は、ウイルス不活化(減少係数)を含む、試験の結果を要約する。試験で評価されたエンベロープウイルス(X−MLVおよびSuHV−1)は、1.0Mアルギニンの存在下で不活化されたが、非エンベロープウイルス(MMV)は、不活化されなかった。1.0Mグリシンの使用は、X−MLVを不活化しなかった。結果は、高濃度のアルギニン(1.0M)含有中性緩衝剤の使用が、エンベロープウイルスの効果的なウイルス不活化方法として有用であり得ることを示す。
【0081】
【表23】
実施例3
製剤品質におけるアルギニンウイルス不活化の効果
治療用生物学的の製剤品質におけるアルギニンウイルス不活化の効果を検証するために、4つのタンパク質製剤を、高濃度のアルギニンと共にインキュベートした。タンパク質製剤を最終工程の中間体として得、3.7の低pHか、またはボーラス添加による1.0Mのアルギニン濃度のいずれかで、24時間、インキュベートした。タンパク質製剤の凝集体を分子ふるいクロマトグラフィーで決定した。結果を表24に示す。
【0082】
【表24】
タンパク質製剤であるLingo、GE2およびTWEAKの凝集レベルは、24時間、1.0Mアルギニンでインキュベートした後、対照と同じか、または対照より良かった。1.0Mアルギニンで24時間インキュベートした後に残存したFIXモノマーのパーセンテージは、対照よりわずかだけ低かった(表24を参照のこと)。しかしながら、1.0Mアルギニンでのインキュベートと異なり、pH3.7での24時間後のタンパク質製剤の安定性は、非常に可変であった。TWEAKのみが、24時間後に残存したタンパク質モノマーの高パーセンテージを示し、一方GE2、FIX、およびLingoは、大量のタンパク質凝集体を示した(表24ならびにGE2およびLingoにおいて、それぞれ、
図14および
図15を参照のこと)。低pHでインキュベートされたタンパク質製剤試料における高分子量種のパーセンテージは、SDS−PAGEゲル分析により確認された。(GE2については、
図16を参照のこと、矢印は、高分子量種の増量を示す)。
【0083】
これらの製剤品質試験は、高濃度のアルギニンが、製剤品質にほとんど、または全く有害な影響がなく、したがって、製造において潜在的な柔軟性を提供することを実証する。タンパク質濃度が、初期の試験の10分の1の濃度である時にも、同様のタンパク質の凝集傾向が観察された(データ示さず)。したがって、タンパク質濃度は、タンパク質製剤が、高濃度のアルギニンに曝露される時、凝集体種形成に影響を与えなかった。しかしながら、試料へのアルギニン添加の速度は、凝集体種の形成に影響を与えるように思われた。
【0084】
例えば、アルギニン原液のボーラス添加は、試料に局所的な高濃度をもたらし、ある程度の凝集体形成をもたらす。しかしながら、アルギニン原液の滴下添加(5分後に最終アルギニン濃度に達する1mLのアルギニン原液を滴下添加)は、ある程度の初期の凝集はそれでも生じるが、凝集体形成を軽減する(FIX融合タンパク質の安定性を示す
図17を参照のこと)。アルギニン原液の速度は、製造環境で容易に制御され得るため、ウイルスの不活化またはその感染力価を低減するための高濃度のアルギニンの使用は、低pH等の厳しい条件を使用する現行の実践の効果的な代替としての機能を果たす。
【0085】
この実施例で実証されるように、融合タンパク質およびモノクローナル抗体等の治療用タンパク質は、高濃度のアルギニンの存在下で良好な製剤安定性を示す。したがって、いくつかの実施形態において、ウイルスをアルギニン接触させることを含むウイルスの不活化またはその感染力価を低減する方法は、治療用タンパク質の単離および/または産生中に適用される。このような治療用タンパク質のいくつかの実施例は、上述の第IX−Fc(FIX−Fc)因子等の融合タンパク質、および凝固因子、第VII因子、第VIII−Fc因子融合タンパク質等のさらなるFc融合タンパク質、ならびに例えば、それぞれが参照により本明細書に援用される、米国特許第7,348,004号、第7,381,408号および第7,404,956号、ならびに米国特許出願公開第US2005/0147618 A1号に開示されるもの等の、その他を含むが、これらに限定されない。治療用タンパク質は、これらに限定されないが、LINGO−1を結合する抗体、またはTWEAK受容体(Fn14)を結合する抗体等の抗体も含み、これらは、国際出願公開第WO2007/008547号および第WO2008/086006号、ならびにLingo抗体については、国際出願第PCT/US2009/003999号、またはTWEAK抗体については、国際出願第PCT/US2009/043382号に記載され、それぞれ、参照により本明細書に援用される。
本発明(E)の実施形態は、E1〜E31を含む。
【0086】
E1.前記ウイルスをアルギニンと接触させることを含む、エンベロープウイルスを不活化またはその感染力価低減する方法であって、前記接触は、少なくとも約0.2Mのアルギニンを含む溶液中で生じ、前記溶液は、約6.0を超えるpHである。
【0087】
E2.前記ウイルスをアルギニンと接触させることを含む、治療用生物学的製剤を汚染するエンベロープウイルスを不活化またはその感染力価低減する方法であって、前記接触は、少なくとも約0.2Mのアルギニンを含む溶液中で生じ、前記溶液は、約6.0を超えるpHである。
【0088】
E3.前記pHは、
a)約6.0〜約8.5のpH
b)約6.5〜約8.0のpH
c)約6.5〜約7.5のPH
d)約6.0〜8.0のpH
e)約7.0〜約8.0のpH
f)約7.0〜約7.5のpH
g)約6.0のpH
h)約6.5のpH
i)約7.0のpH
j)約7.5のpH
k)約8.0のpH、および
l)約8.5のpHからなる群から選択される、E1またはE2に記載の方法。
【0089】
E4.前記アルギニンの濃度は、
a)約0.3M、
b)約0.4M、
c)約0.5M、
d)約0.6M、
e)約0.7M、
f)約0.8M、
g)約0.9M、
h)約1.0M、
i)約1.1M、
j)約1.2M、
k)約1.3M、
l)約1.4M、
m)約1.5M、
n)約1.6M、
o)約1.7M、
p)約1.8M、
q)約1.9M、
r)約2.0M、
s)約2.1M、
t)約2.2M、
u)約2.3M、
v)約2.4M、
w)約2.5M、
x)約3M、
y)約3.5M、
z)約4M、
aa)約4.5M、
ab)約5M、
ac)約5.5M、
ad)約6M、
ad)約6.5M、
ad)約7M、および
ae)約7.5Mからなる群から選択される、E1〜E3のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0090】
E5.前記ウイルスは、グリコール化合物をさらに含む前記溶液と接触させられるE1〜E4のいずれか1つに記載の方法。
【0091】
E6.前記グリコール化合物は、約50%(容量に対する重量)以下の濃度で存在する、E5に記載の方法。
【0092】
E7.前記グリコール化合物は、
a)プロピレングリコール、
b)ポリプロピレングリコール、
c)エチレングリコール、
d)ポリエチレングリコール、
e)ヘキシレングリコール、および
f)ポリヘキシレングリコールからなる群から選択される、E5またはE6に記載の方法。
【0093】
E8.前記不活化または低減は、製剤精製工程の一部として実施される、E1〜E7のいずれか1つに記載の方法。
【0094】
E9.前記不活化または低減は、細胞培養物採取手順中に実施される、E8に記載の方法。
【0095】
E10.前記不活化または低減は、細胞培養物清澄手順中に実施される、E8に記載の方法。
【0096】
E11.前記不活化または低減は、クロマトグラフィー精製手順の前に実施され、前記手順は、前記治療用生物学的製剤をクロマトグラフィー媒体と接触させることを含む、E8に記載の方法。
【0097】
E12. 前記不活化または低減は、クロマトグラフィー精製手順の後に実施され、前記手順は、前記治療用生物学的製剤をクロマトグラフィー媒体と接触させることを含む、E8に記載の方法。
【0098】
E13.前記不活化または低減は、1つ以上のクロマトグラフィー精製手順の後であるが、別の1つ以上のクロマトグラフィー精製手順の前に実施され、前記手順は、前記治療用生物学的製剤をクロマトグラフィー媒体と接触させることを含む、E8に記載の方法。
【0099】
E14.前記不活化または低減は、前記生物学的製剤の調製に使用される全てのクロマトグラフィー精製手順の後に実施される、E8に記載の方法。
【0100】
E15.前記不活化または低減は、ウイルス濾過手順の前に実施される、E8に記載の方法。
【0101】
E16.前記不活化または低減は、ウイルス濾過手順の後に実施される、 E8に記載の方法。
【0102】
E17.前記不活化または低減は、ウイルス濾過手順の後、および限外濾過または透析濾過手順の前に実施される、E8に記載の方法。
【0103】
E18.前記不活化または低減は、限外濾過または透析濾過手順の前に実施される、E8に記載の方法。
【0104】
E19.前記不活化または低減は、限外濾過または透析濾過手順の後に実施される、E8に記載の方法。
【0105】
E20.前記治療用生物学的製剤は、組み換えタンパク質を含む、E1〜E19のいずれか1つに記載の方法。
【0106】
E21.前記治療用生物学的製剤は、自然に生じる、または組み換え免疫グロブリンを含む、E1〜E19のいずれか1つに記載の方法。
【0107】
E22.前記治療用生物学的製剤は、自然に生じる、または組み換え血液凝固因子である、E1〜E19のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
E23.前記血液凝固因子は、
a)フィブリノーゲン(第I因子)、
b)フィブリン、
c)プロトロンビン(第II因子)、
d)トロンビン、
e)抗トロンビン、
f)VIIaの組織因子補因子(第III因子)、
g)プロテインC、
h)プロテインS、
i)プロテインZ;
j)プロテインZ関連プロテアーゼ阻害剤
k)ヘパリン補因子II、
l)第V因子(プロアクセレリン、不安定因子)、
m)第VII因子、
n)第VIII因子、
o)第IX因子、
p)第X因子、
q)第XI因子、
r)第XII因子、
s)第XIII因子、
t)フォンビルブランド因子、
u)プレカリクレイン、
v)高分子キニノーゲン、
w)プラスミノーゲン、
x)プラスミン、
y)組織プラスミノーゲン活性化因子、
z)ウロキナーゼ、
aa)プラスミノーゲン活性化因子阻害剤1、および
ab)プラスミノーゲン活性化因子阻害剤2からなる群から選択される、請求項E22に記載の方法。
【0109】
E24.前記生物学的製剤は、真核細胞により産生される、E1〜E22のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
E25.前記生物学的製剤は、哺乳類細胞によって産生される、E24に記載の方法。
【0111】
E26.前記生物学的製剤は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞によって産生される、E25に記載の方法。
【0112】
E27.前記生物学的製剤は、NSOマウス骨髄腫細胞によって産生される、E25に記載の方法。
【0113】
E28.前記生物学的製剤は、ヒト細胞によって産生される、E25に記載の方法。
【0114】
E29.前記治療用タンパク質は、融合タンパク質である、E1〜E28のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0115】
E30.前記融合タンパク質は、Fc融合タンパク質である、E29に記載の方法。
【0116】
E31.前記自然に生じる、または組み換え免疫グロブリンは、LINGO−1に結合する抗体、またはTWEAK受容体(Fn14)に結合する抗体である、E21に記載の方法。
【0117】
これらの実施例は、本発明の可能な実施形態を図示する。本発明は、そのいくつかの実施形態を参照して特に示され、説明されたが、これらは例として提示されたに過ぎず、限定するものではなく、形態および詳細の種々の変更が、本発明の意図および範囲から逸脱することなく、そこになされ得ることを、当業者は理解するであろう。したがって、本発明の幅および範囲は、上述の代表的な実施形態のいずれによっても制限されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物のみに従い定義されるべきである。
本発明は以下をも提供する。
(1)エンベロープウイルスを不活化またはその感染力価を低減する方法であって、前記ウイルスをアルギニンと接触させることを含み、前記接触は、少なくとも約0.2Mのアルギニンを含む溶液中で生じ、前記溶液のpHは、約6.0よりも高い、方法。
(2)治療用生物学的製剤を汚染するエンベロープウイルスを不活化またはその感染力価を低減する方法であって、前記ウイルスをアルギニンと接触させることを含み、前記接触は、少なくとも約0.2Mのアルギニンを含む溶液中で生じ、前記溶液のpHは、約6.0よりも高い、方法。
(3)前記pHは、
a)約6.0〜約8.5のpH
b)約6.5〜約8.0のpH
c)約6.5〜約7.5のpH
d)約6.0〜8.0のpH
e)約7.0〜約8.0のpH
f)約7.0〜約7.5のpH
g)約6.0のpH
h)約6.5のpH
i)約7.0のpH
j)約7.5のpH
k)約8.0のpH、および
l)約8.5のpHからなる群から選択される、項目1または2に記載の方法。
(4)前記アルギニンの濃度は、
a)約0.3M、
b)約0.4M、
c)約0.5M、
d)約0.6M、
e)約0.7M、
f)約0.8M、
g)約0.9M、
h)約1.0M、
i)約1.1M、
j)約1.2M、
k)約1.3M、
l)約1.4M、
m)約1.5M、
n)約1.6M、
o)約1.7M、
p)約1.8M、
q)約1.9M、
r)約2.0M、
s)約2.1M、
t)約2.2M、
u)約2.3M、
v)約2.4M、
w)約2.5M、
x)約3M、
y)約3.5M、
z)約4M、
aa)約4.5M、
ab)約5M、
ac)約5.5M、
ad)約6M、
ad)約6.5M、
ad)約7M、および
ae)約7.5Mからなる群から選択される、項目1または2に記載の方法。
(5)前記ウイルスは、グリコール化合物をさらに含む前記溶液と接触される、項目1または2に記載の方法。
(6)前記グリコール化合物は、約50%(容量に対する重量)以下の濃度で存在する、項目5に記載の方法。
(7)前記グリコール化合物は、
a)プロピレングリコール、
b)ポリプロピレングリコール、
c)エチレングリコール、
d)ポリエチレングリコール、
e)ヘキシレングリコール、および
f)ポリヘキシレングリコールからなる群から選択される、項目5または6に記載の方法。
(8)前記不活化または低減は、製剤精製工程の一部として実施される、項目1または2に記載の方法。
(9)前記不活化または低減は、細胞培養物採取手順中に実施される、項目8に記載の方法。
(10)前記不活化または低減は、細胞培養物清澄手順中に実施される、項目8に記載の方法。
(11)前記不活化または低減は、クロマトグラフィー精製手順の前に実施され、前記手順は、前記治療用生物学的製剤をクロマトグラフィー媒体と接触させることを含む、項目8に記載の方法。
(12)前記不活化または低減は、クロマトグラフィー精製手順の後で実施され、前記手順は、前記治療用生物学的製剤をクロマトグラフィー媒体と接触させることを含む、項目8に記載の方法。
(13)前記不活化または低減は、1つ以上のクロマトグラフィー精製手順の後であるが、別の1つ以上のクロマトグラフィー精製手順の前に実施され、前記手順は、前記治療用生物学的製剤をクロマトグラフィー媒体と接触させることを含む、項目8に記載の方法。
(14)前記不活化または低減は、前記生物学的製剤の調製に使用される全てのクロマトグラフィー精製手順の後に実施される、項目8に記載の方法。
(15)前記不活化または低減は、ウイルス濾過手順の前に実施される、項目8に記載の方法。
(16)前記不活化または低減は、ウイルス濾過手順の後に実施される、項目8に記載の方法。
(17)前記不活化または低減は、ウイルス濾過手順の後、かつ限外濾過または透析濾過手順の前に実施される、項目8に記載の方法。
(18)前記不活化または低減は、限外濾過または透析濾過手順の前に実施される、項目8に記載の方法。
(19)前記不活化または低減は、限外濾過または透析濾過手順の後に実施される、項目8に記載の方法。
(20)前記治療用生物学的製剤は、組み換えタンパク質を含む、項目2に記載の方法。
(21)前記治療用生物学的製剤は、自然に生じるかまたは組み換えの免疫グロブリンを含む、項目2に記載の方法。
(22)前記治療用生物学的製剤は、自然に生じるかまたは組み換えの血液凝固因子を含む、項目2に記載の方法。
(23)前記血液凝固因子は、
a)フィブリノーゲン(第I因子)、
b)フィブリン、
c)プロトロンビン(第II因子)、
d)トロンビン、
e)抗トロンビン、
f)VIIaの組織因子補助因子(第III因子)、
g)プロテインC、
h)プロテインS、
i)プロテインZ;
j)プロテインZ関連プロテアーゼ阻害剤
k)ヘパリン補因子II、
l)第V因子(プロアクセレリン、不安定因子)、
m)第VII因子、
n)第VIII因子、
o)第IX因子、
p)第X因子、
q)第XI因子、
r)第XII因子、
s)第XIII因子、
t)フォンビルブランド因子、
u)プレカリクレイン、
v)高分子キニノーゲン、
w)プラスミノーゲン、
x)プラスミン、
y)組織プラスミノーゲン活性化因子、
z)ウロキナーゼ、
aa)プラスミノーゲン活性化因子阻害剤1、および
ab)プラスミノーゲン活性化因子阻害剤2からなる群から選択される、項目22に記載の方法。
(24)前記生物学的製剤は、真核細胞により産生される、項目2に記載の方法。
(25)前記生物学的製剤は、哺乳類細胞によって産生される、項目24に記載の方法。
(26)前記生物学的製剤は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞によって産生される、項目25に記載の方法。
(27)前記生物学的製剤は、NSOマウス骨髄腫細胞によって産生される、項目25に記載の方法。
(28)前記生物学的製剤は、ヒト細胞によって産生される、項目25に記載の方法。
(29)前記アルギニンの濃度は、段階的勾配または連続勾配を使用して、少なくとも約0.2Mのアルギニンの最終濃度まで徐々に増加される、項目1または2に記載の方法。
(30)前記アルギニンの最終濃度は、1分当り約20%以下の速度で、段階的勾配または連続勾配により増加される、項目29に記載の方法。