(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも2つの障壁が、前記包囲空間内に突出する第1の障壁と、突出位置と収納位置の間で旋回可能な第1の収納可能障壁と、を有し、前記第1の障壁及び前記第1の収納可能障壁のうちの少なくとも一方が他方に対して回転可能であり、かつ、前記包囲空間内に突出する第2の障壁と、突出位置と収納位置の間で旋回可能な第2の収納可能障壁と、を有し、前記第2の障壁及び前記第2の収納可能障壁のうちの少なくとも一方が他方に対して回転可能であり、前記第1及び第2の収納可能障壁が前記突出位置にあるとき前記包囲空間が第1及び第2の燃焼室と第1及び第2の排気室に分割される、請求項1に記載のロータリー内燃エンジン。
前記サイドハウジングのうちの少なくとも一方が、前記内ハウジング及び前記外ハウジングのうちの少なくとも一方に対して回転する、請求項4に記載のロータリー内燃エンジン。
前記包囲空間の断面とほぼ同じ断面を有して前記包囲空間内から前記外ハウジングの外側まで延在する排気ダクトをさらに有する、請求項1に記載のロータリー内燃エンジン。
前記少なくとも1つの収納可能障壁は、遠心力及び前記障壁の慣性の双方又はいずれかにより、突出位置と収納位置の間で旋回する、請求項1に記載のロータリー内燃エンジン。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここに開示されたロータリーエネルギー変換器は、多様に構成することができる。多くの実施例では、ロータリーエネルギー変換器が、ロータリー内燃エンジン10であり、外ハウジング12と、外ハウジング12内の中心に配置された内ハウジング14とを備える。空洞の包囲空間16は、外ハウジングの内周面22と、内ハウジングの外周面24との間に形成されている。これらのハウジングは、多様な形状とすることができ、多くの実施例では外ハウジング及び内ハウジングが円筒形である。しかしながら、一方又は双方のハウジングが円筒形でなくともよく、例えば、外ハウジング又は内ハウジングが楕円形若しくは放物線形状又は不規則な形状でもよい。但し、これらのハウジングは、各々の内周面と外周面との間に必ず包囲空間を形成する。さらに、外ハウジングと内ハウジングとの間に形成される包囲空間は、多様な断面を有してもよい。例えば、図示の実施例ではロータリー内燃エンジンが外ハウジング上壁18と、上壁18の両側に配置されたサイドハウジング20とを有し、それらは、内ハウジング14とともに、矩形断面をもつ包囲空間16を形成する。別の実施例では、包囲空間は別の断面を有してもよい。例えば、ロータリー内燃エンジンが、別個の上壁とサイドハウジングを備えておらず、半円形又は放物線形状をもつ外ハウジングを備え、その外ハウジングが内ハウジングとともに、それぞれ半円形又は放物線形状の断面をもつ包囲空間を形成してもよい。
【0012】
本開示においては、これらのハウジングは、少なくとも一方のハウジングが他方のハウジングに対して回転するように配置されている。例えば、内ハウジング14が、固定された外ハウジング12に対して回転可能でもよく(この場合、内ハウジングが駆動部品として動作可能である)、外ハウジング12が、固定された内ハウジング14に対して回転可能でもよく(この場合、外ハウジングが駆動部品として動作可能である)、又は、内ハウジング14及び外ハウジング12の双方が互いに対して回転可能、例えば反対方向に回転してもよい。サイドハウジング20を備えた実施例では、一方又は双方のサイドハウジングが回転可能でもよく、又は、双方が固定されていてもよい。相対的に動く部品のいずれか又は全てから得られるエネルギーは、例えば、動く部品をシャフトに結合することにより、及び/又は、動く部品をシャフトとして用いることにより、仕事を行うために利用可能である。利点として、ここに開示された装置の構成要素は、一方向以外にも回転可能であると同時に、所望する場合には複雑なギアを用いることなく回転可能であり、このことは、水中及び空中での用途において特に重要である。さらに、駆動力発生機構を円筒形とすることができ、かつ、入力が駆動力発生機構の内部から生じるので、本装置は、前面が小面積であり、そして特に水中及び空中での用途において重要である。
【0013】
ロータリー内燃エンジンはまた、外ハウジングと内ハウジングの間の包囲空間内に設置された複数の障壁を有する。これらの障壁は、包囲空間を複数の室、例えば燃焼室と排気室に分割し、異なる程度で包囲空間内に突出させてもよい。例えば、これらの障壁は好適には、包囲空間を形成する表面、例えば外ハウジングの内周面、内ハウジングの外周面及び/又はサイドハウジングがある場合はその内面、に装着される。これらの障壁は、包囲空間を実質的に横切って突出し、障壁と対向する表面の間にほとんど又は全く隙間が無いようにし、実質的に閉鎖された室を形成する。別の例として、これらの障壁が、僅かな程度で突出し、例えば回転する障壁の場合、その障壁は、(例えば燃焼ガスにより動かされるとき)回転するために十分な程度だけ突出してもよい。
【0014】
複数の障壁は、少なくとも1つの他の障壁に対して回転するように構成された少なくとも1つの障壁を含む。例えば、少なくとも1つの障壁が回転可能な部品に装着される一方、少なくとも1つの他の障壁が固定された又は反対に回転する部品に装着されてもよい。所与の実施例では、少なくとも1つの障壁が、回転する内ハウジングに装着され、そして少なくとも1つの他の障壁が、固定された又は反対に回転する外ハウジングに装着される。他の実施例では、少なくとも1つの障壁が、回転する外ハウジングに装着され、そして少なくとも1つの他の障壁が、固定された又は反対に回転する内ハウジングに装着される。複数の障壁はまた、少なくとも1つの収納可能障壁を含み、それは、包囲空間表面に旋回可能に装着されており、収納可能障壁が包囲空間内に突出する突出位置と、収納可能障壁がその突出位置から引っ込む収納位置との間で旋回する。例えば、
図1及び
図2に最もよく示されるように、収納可能障壁30が、内ハウジングの外周面24に装着され、包囲空間16内に突出し、かつ、内ハウジング14の方に収納可能でもよい。加えて又はこれに替えて(
図6に示すように)、収納可能障壁30が外ハウジングの内周面22に装着され、包囲空間16内に突出し、かつ、外ハウジング12の方に収納可能でもよい。収納位置においては、収納可能障壁30は、(別の障壁が収納可能障壁に対して回転している場合は)別の障壁を通過させられるように、あるいは、(収納可能障壁が別の障壁に対して回転している場合)別の障壁を通過できるように、十分に引っ込むことが好適である。所与の実施例では、収納位置における収納可能障壁30は、装着された表面に形成された相補形凹部34内に実質的に嵌るようにしてもよい。しかしながら、別の実施例では、収納可能障壁は、部分的に収納されてもよく、凹部内に嵌る必要はない。
【0015】
複数の障壁はまた、固定障壁を含んでもよく、例えば、包囲空間内の突出位置から引っ込まない非旋回障壁である。例えば、
図1〜
図4に示した実施例では、複数の障壁が、外ハウジング12に装着された固定障壁32(可視とするために
図1〜
図4では外ハウジングから離して示している)と、内ハウジングに装着された収納可能障壁30とを具備する。固定障壁は引っ込まないので、収納可能障壁30は、固定障壁32を通過する又は通過させるために引っ込む。例えば
図7に示した実施例等の他の実施例では、複数の障壁が2つの収納可能障壁30を含む。2つの収納可能障壁30は、互いに対して回転し、かつ、双方の収納可能障壁30が、互いを通過させるために部分的に引っ込むことができる。さらに他の実施例では、ロータリー内燃エンジンが、2つより多い障壁を有してもよく、例えば、3つ、4つ又はそれ以上の収納可能障壁及び/又は固定障壁を有してもよい。例えば、
図8に示した実施例では、ロータリー内燃エンジンが2つの固定障壁32と、2つの収納可能障壁30とを有する。複数の固定障壁を有する実施例では、ロータリー内燃エンジンがさらに、複数の吸気口と複数の燃料源とを有してもよい。例えば、
図8に示されるように、例えばサイドハウジングの孔27である燃焼流体源が、各固定障壁32の(時計回りの動きにおける)前方の近傍領域に形成されている。複数の吸気口26はまた、内ハウジングに形成されてもよく、例えば、燃焼流体源と間欠的に連通するために相補形凹部34の領域に形成されてもよい。
【0016】
収納可能障壁30の旋回動作を実現するために、多様な機構及び機構の組合せを用いることができる。例えば収納可能障壁30が回転する内ハウジング14に装着されてる場合は、例えば収納可能障壁30が遠心力により突出可能であり、あるいは、例えば収納可能障壁が回転する外ハウジング12に装着されている場合は、収納可能障壁30が遠心力により引っ込み可能である。収納可能障壁30はまた、慣性により、例えばその重心の慣性により、例えばrpm(毎分回転数)が増加しているとき(すなわちエネルギーを貯蔵しているとき)、又は、減少しているとき(すなわちエネルギーを再生しているとき)に引っ込み又は突出可能である。
図1Aでは、収納可能障壁30と付設ロッド54の組合せの重心が、突出するときは回転円の外側に位置し、また、引っ込むときは回転円の内側に位置する。これにより、rpmが変化するとき、収納可能障壁30の位置設定を行うことができる。
【0017】
加えて又はこれに替えて、収納可能障壁30が、例えば上方及び/又は下方からの正圧又は負圧である圧力により突出したり引っ込んだりしてもよい。例えば、
図1Aに示されるように、引っ込んだ収納可能障壁30の下に孔が存在してもよく、これにより下方から収納可能障壁30を突出させたり引っ込ませたりする正圧又は負圧を及ぼすことができる。収納可能障壁30はまた、固定障壁又は収納可能障壁である別の障壁との接触により引っ込んでもよい。加えて又はこれに替えて、
図1及び
図1Aに示されるように、外ハウジング側壁の1つが、連続的なカム溝50を備えてもよい。このカム溝50は、収納可能障壁30上のピン52を受容して、収納可能障壁30の旋回運動を制御する。例えば、カム溝50は、固定障壁32に近づくまでは実質的にサイドハウジングの周縁に沿って形成される。収納可能障壁30が固定障壁32の下を通過するように、
図1に示されるようにカム溝50はサイドハウジングの周縁から離れて、固定障壁32の形状に対応する経路に沿う。利点として、これらの実施例の各々においては、収納可能障壁30を突出させたり引っ込めたりするためにほとんどエネルギーを必要としない。例えば、収納可能障壁30が突出したり引っ込んだりするとき、収納可能障壁30の重心は、例えば、包囲空間の端から包囲空間の中央まで又はその逆に、短い距離を移動するのみである。さらに、内ハウジング14に装着された収納可能障壁30が引っ込むと、それが装着されている回転部品の角速度が加速され、装置の全体的な効率が向上する。
【0018】
図1Aに示されるように、所与の実施例では、収納可能障壁30はまた、収納可能障壁30の突出を制限するための付設ロッド54を備えてもよい。付設ロッド54は、収納可能障壁30と、突出位置において収納可能障壁30に接触する、収納可能障壁30とともに移動しないいずれかの対向する表面との間の摩擦を最小限とする利点がある。付設ロッド54は、旋回運動を制御するピン52を具備する収納可能障壁30上に示されているが、他の実施例においても同様に用いることができる。例えば、遠心力、圧力、及び/又は別の障壁との接触により収納可能障壁が突出したり引っ込んだりする実施例においても、付設ロッド54を用いることができる。
【0019】
収納可能障壁は、多様な形状とすることができる。多くの実施例では、収納可能障壁が、包囲空間の断面にほぼ適合する外周を有することが望ましい。例えば、実質的に包囲空間を横切って突出しかつ包囲空間の断面にほぼ適合する外周をもつ収納可能障壁は、実質的に閉鎖された室を形成できるという利点がある。矩形断面をもつ包囲空間を備えた図示の実施例では、実質的に矩形の外周をもつ収納可能障壁が、実質的に閉鎖された室を形成するために用いられる。他の断面をもつ包囲空間を備えた実施例では、他の収納可能障壁形状が好適である。例えば、半円形又は放物線形状の包囲空間を備えた実施例では、それぞれ半円形又は放物線形状の収納可能障壁を利用できる。半円形の収納可能障壁は、他の利点も有する。例えば、半円形の障壁は、外周に対する断面の比が大きく、装置における摩擦をさらに低減できる。しかしながら、収納可能障壁が包囲空間内で回転できる限りにおいて、収納可能障壁が包囲空間の断面に適合する外周をもつ必要はない。
【0020】
ロータリー内燃エンジンはさらに吸気口を有し、吸気口は、例えば酸化剤源等の燃焼流体源及び空洞の包囲空間と連通しており、燃焼流体を包囲空間内に導入する。所与の実施例では、燃料もまた、燃焼流体との混合気として吸気口を通して導入される。他の実施例では、燃料は吸気口から導入されず、燃焼室と連通する燃料インジェクターを介して導入される。
【0021】
多くの実施例では、吸気口が燃焼流体源と間欠的に連通することにより、燃料が間欠的にのみ包囲空間内に導入される。例えば、
図2Aに最もよく示されるように、所与の実施例では、吸気口26が内ハウジング14に形成され、例えば、内ハウジングの側壁40の凹部として形成される。燃焼流体源は、サイドハウジング20の一方に孔27を有する。サイドハウジングの孔27の位置は、内ハウジング14がサイドハウジング20に対して回転する際に、吸気口26と孔27が重なるとき以外は(
図2に示すように)孔27が内ハウジング14の側壁40により遮蔽されるようになっている。他の実施例では、燃焼流体源は、内ハウジング内部に設けられ、内ハウジングに形成された吸気口26と間欠的に連通する。例えば、
図4に最もよく示されるように、シャフト42が内ハウジング14の内側に配置され、例えば、内ハウジング14と実質的に同心状に配置され、そして燃焼流体を導入可能な孔44を具備する。内ハウジング14が回転する際に、シャフトの孔44は、吸気口26が孔44と重なるまで内ハウジングの内周面46により遮蔽される。吸気口26が孔44と重なるとき、燃焼流体が吸気口26を介して空洞の包囲空間16に導入される。所与の実施例では、燃焼流体が、上述した双方の燃焼流体源を介して包囲空間に導入されてもよい。利点として、吸気口の形状は、体積効率を向上させると同時に、多様な吸気選択を実現するような大きな流入断面を可能とする。
【0022】
ロータリー内燃エンジンはさらに、排気口を有する。排気口は、多様な形状とすることができ、多数の箇所に形成することができる。多くの実施例では、そして
図1、
図2及び
図3に最もよく示されるように、排気口28が外ハウジング12に形成される。例えば、排気口28が外ハウジング12における孔であって、空洞の包囲空間16と連通する。外ハウジング12を通し軸回りに排気することは、遠心力を利用することによりエンジンの背圧を低減し、それにより効率を向上させるという利点がある。所与の実施例では、そして
図5に最もよく示されるように、排気口28が、排気ダクト29を具備してもよい。排気ダクト29は、
排気口28から外ハウジング12の外側まで、空洞の包囲空間16内の流れの方向の接線方向に延在する。多くの実施例では、排気ダクト29は、空洞の包囲空間16と実質的に同じ断面を有する。排気ダクト29は、燃焼ガスを、その方向及び/又は断面を変えることなく包囲空間16から排気口28の外へ流す。これにより、駆動ユニットがより大きいパワーで回ることができ、かつ/又は、より強いスラストストリームを可能とする。
【0023】
図に示された実施例について、ここでさらに詳細に説明する。
図1及び
図2に示された実施例では、ロータリー内燃エンジン10が、外ハウジング12の内部に回転可能に設置された内ハウジング14と、外ハウジングの内周面22に装着された固定障壁32と、内ハウジングの外周面24に旋回可能に装着された収納可能障壁30とを備えている。障壁30、32は実質的に包囲空間内に突出し、すなわち、これらの障壁と対向する表面との間には僅かな隙間のみが存在し、そして収納可能障壁30は、内ハウジング14に形成された凹部34の実質的に内部の位置に引っ込む。しかしながら別の例では、これらの障壁が、包囲空間内にこれより少ない程度で突出してもよく、かつ、収納可能障壁30が凹部の内部に引っ込む必要はないが、固定障壁32の通路を確保するに十分な程度に収納可能障壁30がその装着された表面の方向に引っ込むだけでもよい。
【0024】
空洞の包囲空間16は、固定障壁32の(時計回りの動きにおける)前方かつ収納可能障壁30の後方にある領域を有する燃焼室36と、収納可能障壁30の(時計回りの移動における)前方かつ固定障壁32の後方にある領域を有する排気室38とに分割される。動作中、収納可能障壁30は、内ハウジング14とともに回転する際、固定障壁32と接触する位置に来るまでは突出している。収納可能障壁30は、固定障壁32と接触すると、引っ込んだ位置に移動し、固定障壁32の下方を通過する。固定障壁32の下方を通過した後、収納可能障壁30は再び軸回りの突出位置に旋回する。これは、例えば、遠心力、収納可能障壁の下方からの圧力、ピンと溝又は他の組合せにより行われる。利点として、収納可能障壁30がその取り付けられた包囲空間表面とともに、すなわち内ハウジング14とともに動くことにより、装置の稼働部品間の摩擦を最小限とする。所与の実施例では、サイドハウジング20もまた収納可能障壁30とともに回転してもよく、これによりさらに装置内の摩擦を低減する。
【0025】
燃焼流体源は、一方のサイドハウジング20に形成された孔27を有してもよく、孔27は、燃焼流体を空洞の包囲空間16内に導入するために包囲空間16と間欠的に連通可能である。例えば、孔27は、内ハウジング14がサイドハウジング20に対して回転する際、凹部34が孔27と重なるとき以外は、孔27が内ハウジング14の側壁により遮蔽されるように配置されてもよい。凹部34が孔27と重なると、凹部34が吸気口26を形成することにより、燃焼流体を空洞の包囲空間16内に導入できる。燃料もまた吸気口26を介して燃焼流体とともに導入可能である。あるいは、
図3に示されるように、燃料インジェクター
25が、燃料を包囲空間16に導入してもよい。凹部34が孔27を超えて移動すると、空洞の包囲空間16は再び燃焼流体源から隔絶される。孔27はまた、燃焼室と連通するために、固定障壁32の(時計回りの動きにおける)前方の近傍領域に形成されることが好ましい。この構成では、燃焼流体源は、収納可能障壁30が軸回りの突出位置に戻って燃焼室36が形成されると、空洞の包囲空間16と連通する。従って、吸気段階中の燃焼室36は実質的に隔絶されており、それにより、吸気が燃焼圧力を上回る必要がない。燃焼流体が導入されると、内ハウジング14は回転し続けることで収納可能障壁30を前方へ移動させて燃焼室36を拡大させ、燃焼室36の拡大により低圧環境とする。この拡大により、気化が促進されて燃焼が向上すると同時に、難気化燃料の使用を可能とする。さらに、吸気後に燃焼室が縮小しない、すなわち流体が圧縮されないので、低オクタン燃料を使用できかつ気化を向上させられる。燃焼流体源が燃焼室36と連通しないとき、閉鎖した又は実質的に閉鎖した室内で燃焼が行われ、燃料を効率的に使用する。
図3に示されるように、燃料混合気に点火して燃焼を開始させるために、例えばスパークプラグである点火源
23が燃焼室内に存在してもよい。燃焼室36は、例えば内ハウジングが回転し続けることにより、収納可能障壁30が回転して再び固定障壁32に接触するまで、燃焼後に拡大し続ける。利点として、この燃焼室36の拡大の持続および燃焼混合気の拡大は、エンジン10が低温で動作するように冷却効果をもたらす。圧縮行程が無いこともまた更なる利点をもたらす。例えば、装置の動作がさほどエネルギー集約的でないことにより、低エネルギーアイドリング、(排除されない場合の)始動エネルギーの低減、及び軽量材料による部品の使用が可能となる。さらに、燃焼が回転の接線方向に拡大するので、多くの汎用エンジンに比べて、本装置がより少ない振動で動作し、より大きな負荷の下で動作可能となる。例えば、高負荷下で動作するピストンエンジンは、本装置では回避できる欠点である"バッキング"として知られる突然の動きを生じることがある。"バッキング"は大きな振動であり、通常、2つの接続された部品、例えばピストンとクランクシャフトが同じ方向に作用していないとき、高負荷及び/又は低rpmの下で生じる。
【0026】
排気口28は、固定障壁32の位置の領域又は(時計回りの動きにおける)後方の領域において外ハウジングの上壁18に配置されてもよい。動作中、内ハウジング14が回転している間、排気口28は空洞の包囲空間16と連通してもよい。例えば、燃焼室が形成されたとき、例えば収納可能障壁30が固定障壁32を通過して軸回りの突出位置に戻ったとき、排気口28は排気室38と連通した状態にある。排気口28は、収納可能障壁30が排気口28を通過して燃焼室36を排気口28と連通させるまでは、排気室38と連通し続ける。よって、前回の燃焼サイクルによる燃焼ガスを連続的に排気可能であり、それにより背圧を低減しかつ効率を向上させる。
【0027】
別の実施例では、
図4に最もよく示されるように、エンジン10が、上述の実施例と類似して構成されるが、吸気口26が内ハウジング14を貫通して延在する孔を有し、例えば孔が内ハウジングの内周面46から内ハウジングの外周面24まで貫通している。シャフト42は、内ハウジング14の内側に配置され、例えば、内ハウジングと実質的に同心状に配置され、かつ、燃焼流体を導入可能な孔44が貫通している。内ハウジング14が回転すると、シャフトの孔44は、吸気口26が孔44と重なるまでは内ハウジングの内周面46により遮蔽されている。吸気口26が孔44と重なると、燃焼流体が吸気口26を介して空洞の包囲空間16に導入される。中心に配置されたシャフトを通して燃焼流体を導入することには、多数の利点がある。例えば、
図4に示されるように、シャフト42が複数の別の孔48も具備してもよく、例えば、燃焼流体がこれらの孔を流れることにより、シャフト42と内ハウジング14の間に流体ベアリング効果を与える。加えて又はこれに替えて、例えばベアリングや潤滑剤等の汎用的な摩擦低減方法を用いてもよい。他の実施例では、燃焼流体がシャフト42を通して導入されなくてもよいが、シャフト42は複数の孔48を具備し、これらの孔を通して燃焼流体が流体ベアリング効果を生成するために流れる。
図4に示した実施例では、幾つかの孔48は、吸気後及び燃焼中に吸気口26に重なっており、それにより、燃焼中に燃焼室が吸気口から完全には隔絶されない。しかしながら、所与の実施例では、シャフト42が、吸気口26に重なる領域に配置された孔48を具備しなくてもよい。さらに、シャフト42と内ハウジング14の間の流体に作用する遠心力が、流体を加速し、孔44をを通して流体を引き込む。孔44はまた、吸気中ではなく排気中に吸気口26に重なるような位置に設けることにより、排気口として機能してもよい。
【0028】
図6及び
図6Aに示した別の実施例では、ロータリー内燃エンジンが、
図1及び
図2に示した実施例と類似して構成されているが、ロータリー内燃エンジン10は、内ハウジング14の周囲に回転可能に設置された外ハウジング12を備えている。外ハウジング12は、シャフトでもよく、かつ/又は仕事を行うためのシャフト(図示せず)に接続されてもよい。固定障壁32は内ハウジング14に装着されており、そして収納可能障壁30は、空洞の包囲空間16内に突出する軸回りの突出位置と、外ハウジングの内周面22に形成された凹部34の実質的に内部に位置する収納位置との間で旋回可能である。動作中、収納可能障壁30は、固定障壁32と接触する位置に来るまでは、突出位置において外ハウジング12の回転とともに回転する。収納可能障壁30は、固定障壁32と接触すると、収納位置に移動し、固定障壁32の下方を通過し、そして固定障壁32の下方を通過後に、収納可能障壁30は再び軸回りの突出位置に旋回する。
【0029】
燃焼流体源は、(
図6Aに示された)一方のサイドハウジング20に形成された孔27を有してもよく、吸気口26が外ハウジング12に、例えば外ハウジング12の側壁に形成されてもよい。多くの実施例では、凹部34が吸気口26として機能してもよい。動作中、外ハウジング12が回転すると、孔27は、例えば凹部34である吸気口26が孔27と重なるまでは、外ハウジング12の側壁40により遮蔽されている。吸気口26が孔27と重なると、空洞の包囲空間16は燃焼流体源に対して開き、吸気口26を通して燃焼流体が導入される。吸気口26が孔27を超えて移動すると、空洞の包囲空間16は再び燃焼流体の吸気流に対して遮蔽される。
【0030】
排気口は、外ハウジングの上壁18及び/又は一方のサイドハウジング20に形成されてもよい。例えば、所与の用途においては、回転する排気流を利用することが望ましい場合がある。その場合、回転する外ハウジングの上壁18に形成された排気口、又は、
図5に示したように排気ダクトの形態で形成された排気口が、望ましい。他の実施例では、静止した排気口を利用することが望ましい場合がある。その場合、排気口28は、一方のサイドハウジング20に配置されてもよい。実質的に閉鎖された燃焼室を得るために、排気口は、(回転方向において)収納可能障壁30の後方に配置することが好ましい。さらに、例えば排気の体積効率を向上させるために、複数の排気口を用いることが好ましく、その場合、排気口を外ハウジング及びサイドハウジングの双方に形成してもよい。
【0031】
図7に示された別の実施例では、ロータリー内燃エンジンが2つの収納可能障壁を備えており、固定障壁を備えていなくともよい。例えば、ロータリー内燃エンジン10が、内ハウジング14に旋回可能に装着された収納可能障壁30と、外ハウジング12に旋回可能に装着された別の収納可能障壁30とを具備してもよい。図示の実施例では、内ハウジング14に装着された収納可能障壁30が突出位置にあって、外ハウジング12に装着された突出した収納可能障壁30に対して回転する。遠心力が内ハウジング14に装着された収納可能障壁30を突出させてもよく、また、下方からの圧力等の他の手段が、外ハウジング12に装着された収納可能障壁30を突出させるように用いられてもよい。回転する収納可能障壁が回転しない収納可能障壁を通過しかつ接触すると、収納可能障壁30は引っ込むことができ、例えば部分的に引っ込むことができる。他の実施例では、外ハウジングの収納可能障壁が回転してもよく、すなわち、双方の収納可能障壁が突出位置にあって例えば逆方向に回転してもよい。そして、それらが互いを通過するとき、部分的に引っ込む。吸気口26及び(1又は複数の)排気口28は、上述のいずれかの実施例に従って構成されてもよい。
【0032】
図8に示された別の実施例では、ロータリー内燃エンジン10が
図1、
図2又は
図3に示した実施例と類似して構成されているが、2つの収納可能障壁30と2つの固定障壁32とを備えてもよい。2つの収納可能障壁30は内ハウジング14に旋回可能に装着され、固定障壁32は外ハウジングの内周面22に装着されている。軸回りの突出位置において、2つの収納可能障壁30及び2つの固定障壁32は、空洞の包囲空間16を2つの燃焼室36と2つの排気室38に分割する。2つの燃焼流体源及び2つの吸気口が、各燃焼室に燃焼流体を供給する。例えば、図示の実施例では、各固定障壁の(時計回りの動きにおいて)前方にてサイドハウジング20に形成された孔27が、各燃焼室のための燃焼流体源を備える。各収納可能障壁30の下方の凹部34は、吸気口として機能し、孔27と間欠的に連通することにより燃焼流体を燃焼室内に導入する。加えて又はこれに替えて、
図4に示された実施例のように、燃焼流体源が内ハウジング内に設置されてもよく、吸気口が内ハウジングに形成されてもよい。
【0033】
単一の包囲空間に形成された複数の燃焼室に加えて、所与の実施例では、複数の燃焼室が軸に沿った縦方向に配置されてもよい。例えば、1又は複数の燃焼室を備えた本開示による複数の包囲空間が、共通軸に沿って配置されてもよい。所与の実施例では、複数の包囲空間のための吸気口が、互いにずれていてもよく、それにより、包囲空間のサイクルがずれることによりエンジンのセルフスタートが可能となる。
【0034】
ロータリー内燃エンジンは、多様な方法を用いて燃料を燃焼させてもよい。一実施例では、燃焼室が拡大するとき、燃焼流体が燃焼室に導入される。例えば、参考のために
図1及び
図2に示された実施例を用いると、燃焼流体が孔27及び吸気口26を通して燃焼室36内に導入される。燃焼流体が導入されると、内ハウジング14は回転し続け、収納可能障壁30は前方移動し続けることにより、燃焼室36が拡大する。燃料が燃焼流体とともに、例えば混合気として燃焼室に導入されてもよく、あるいは、燃料が、例えば燃料インジェクターにより直接燃焼室に導入されてもよい。利点として、拡大する燃焼室36により、燃焼室内の燃料の気化が促進され、難気化燃料及び低オクタン燃料の使用が可能となる。多くの実施例では、燃焼室36が拡大し続けるとき、燃焼室内の燃焼流体及び燃料の混合気が点火される。例えば、収納可能障壁30が前方移動し続け、燃焼室36が拡大し続けると、燃焼室36内の混合気が点火源に近づく。気化燃料の点火により燃焼ガスを生成し、燃焼ガスが収納可能障壁30を前方に押して内ハウジング14(所与の実施例では外ハウジング12)を動かす。収納可能障壁30の前方への動きはまた、収納可能障壁30の前方すなわち排気室38にある前回サイクルによる流体(排気)を押して、排気口28を通して出す。燃料の燃焼後、燃焼室36は排気口28と連通し、燃焼室36から燃焼ガスを排気する。例えば、燃焼室36は、収納可能障壁30が固定障壁32に近づくと、排気口28と連通する。収納可能障壁30が固定障壁32に近づくか接触すると、収納可能障壁30が軸回りの収納位置に移動する。収納位置においては、収納可能障壁30は固定障壁32の下方を通過し、その後再びサイクルが開始され、上述の通り繰り返される。
【0035】
上述の実施例では、収納可能障壁及び駆動部品を前方に駆動するために燃焼ガスを利用するが、本発明はこれに限定されない。所与の実施例では、例えば地熱、水圧、蒸気圧(但しこれらに限定しない)を含む他の圧力源を利用してもよい。これらの実施例では、加圧流体が収納可能障壁を前方に駆動することにより包囲空間を拡大するが、これは往復蒸気エンジンにおける加圧流体に類似している。これらの実施例では、吸気口と流体源の孔の間が重なる持続時間、並びに/又は、吸気口及び/若しくは流体源の孔の大きさが増すと、圧力が維持される。加えて又はこれに替えて、他の吸気口構成を用いてもよい。利点として、本装置は、加圧流体のエネルギーが、往復/ピストン構成で観られる往復質量に起因するエネルギー損失を生じること無く効率的に用いられることを可能とする。さらに、収納可能障壁は、タービンと比較して、拡大する室を効果的に閉鎖する。タービンでは、通常、圧力流体のための開放チャネルが設けられ、外部圧力が印加されたとき吸気から排気まで単に開放チャネルに沿うことにより拡大し流れる。
【0036】
幾つかの実施例では、装置がポンプとして動作してもよい。例えば装置が、第1室内の流体は負圧に、かつ/又は、第2室内の流体は正圧とする流体ポンプとして動作する。これらの実施例では、圧力室の一端が閉鎖される。負圧に用いられる場合、第1室の"拡大する"端部、例えば収納可能障壁の位置が、実質的に閉鎖されることにより、効率的な真空及び負圧を生成する。正圧に用いられる場合、第2室の"縮小する"端部が実質的に閉鎖されることにより、流体が圧力下で効率的に動かされ、かつ/又は圧力をかける。利点として、ここに開示した装置は、エネルギー損失及び往復/ピストンポンプの振動の無いポンプとして効率的に動作し、かつ、タービンポンプには無い閉鎖端を備えている。
【0037】
本装置はさらに、エネルギーを貯蔵するフライホイールとして効率的に利用できる。これらの実施例では、収納可能障壁は、加速及び/又は運動に対する抵抗を低減するために収納位置に保持されてもよく、これにより、効率を向上させる。例えば、所与の実施例では、障壁を突出させるために圧力が用いられる。これらの実施例では、収納可能障壁が、負圧を用いて収納位置に保持されてもよい。これに替えて、外ハウジングの上壁に吸気口を具備する別の実施例では、収納可能障壁を収納位置に保持するために遠心力を用いてもよい。
【0038】
所与の実施例では、排気は、仕事を発生するために利用可能である。例えば、排気が、タービンを駆動するために用いられてもよい。他の実施例では、プロペラ又は薄板を駆動部品に直接取り付けてもよい。加えて、排気自体が、他のエネルギー変換装置を駆動するか、又は、例えばスラストストリーム等の高圧エアーフローを生成するために用いられてもよい。利点として、ここに開示された装置は、吸気として大気を用いる大気利用の場合及び"ロケット"燃料を用いる非大気利用の場合の双方において、スラストストリームを生成するために効果的かつ効率的に利用できる。スラストストリームを生成する装置を用いる一実施例では、その装置が、体積効率を高めるために、包囲空間と同じ断面をもつ排気ダクトを具備する。例えば、排気側面上の排気ダクトが、包囲空間の内側から包囲空間の外側まで一定の排気ストリーム断面を実現することにより、排気が装置を出る際に排気の断面を変える必要がない。加えて、包囲空間内の流れの方向に対する接線方向を維持すると、排気方向を変える必要がない。さらに、排気点を実質的に回転させるために、動作軸上で装置を回転させることにより、推力偏向(スラストベクタリング)が実現される。
【0039】
ここに開示されたロータリーエネルギー変換器は、効果的かつ効率的に多様な方法でエネルギーを利用する。例えば所与の実施例では、装置の回転により収納可能障壁が引っ込み、それにより、収納可能障壁を突出させるために使用されたエネルギーは、角運動量保存によりシステムに戻される。収納可能障壁はさらに、断面障壁を形成するために用いられる多くの可動装置に比べて短い距離を移動する。これは、障壁の重心が、包囲空間のほぼ内面上から包囲空間をほぼ半分だけ横切って移動するためである。内燃エンジンを有する装置の実施例では、燃焼室が実質的に閉鎖されかつ燃焼圧力が収納可能障壁を押して、効率的に燃焼エネルギーを利用する。さらに、本開示によれば、吸気プロセスが燃焼圧力を受けない。これは、前回サイクルからの燃焼流体が、吸気口においては包囲空間から実質的に排気されており、かつ、吸気口が閉鎖されるまでは燃焼が遅延されるからである。別の利点として、加圧流体が、駆動される装置の運動の線上(接線上)において障壁に対して直接的に力を印加し、それにより、燃焼圧力を効率的に利用する。この点は、圧力が接線に対して所定の角度で印加されるもの、例えば接続ロッドとは対照的である。さらに、本発明は、室を吸気口と排気口に対して同時に開放することなく、サイクル毎にパワーを生成する。
【0040】
所与の実施例では、本装置は、別の装置を制動又は減速させるために加速され、そして本開示による装置は、例えば正及び/又は負の圧力を蓄積することにより、かつ/又は、フライホイールとしての利用により、制動エネルギーを貯蔵するために利用される。よって、例えばエネルギーを貯蔵する回生ブレーキと、例えばエネルギーを利用するエンジンパワーとを、同じ装置を用いて実現可能である。そしてそのエネルギーは、例えばエネルギーを再生することで利用可能であり、それはエンジンとして用いられるときと同様である。これに対して、ほとんどの回生ブレーキの構成では、エネルギーの利用、貯蔵及び再生の装置を分離することが必要である。さらに、回転するエンジン質量の実質的に全てが、フライホイールエネルギーを貯蔵することで、エンジン質量及びコストの卓越的な利用を可能とする。低始動エネルギーにより、エンジンをより容易に停止したり再始動できる(燃料消費、汚染及び騒音の点で有利)。実際、本発明は、例えば複数の室及び/又は包囲空間が用いられる場合、エンジンがどの位置で停止しても燃焼室が点火位置に位置するように構成できるので、セルフスタートが可能である。別の例として、単一燃焼室においては、セルフスタートを可能とする圧力等の他の手段を用いることもできる。いずれの場合も、低始動エネルギーであることにより、かつ、回転の接線方向に印加される押圧力及び流体圧力が無いことで"バッキング"が低減されることにより、セルフスタートが助勢される。
【0041】
本開示による装置は、多数の他の利点も提供する。例えば、本装置は、可動部品が少ないので、同様の目的に使用される多くのシステムと比べて複雑とならない。所与の実施例では、燃焼ガスが軸回りの外方に排気され、遠心力により助勢されることにより、背圧を低減しかつ排出量を増大させる。さらに、燃焼ガス、収納可能障壁及び排気が、全て同じ方向に流れ動くことにより、装置の効率をさらに向上させる。フライホイール態様を用いることなくブレーキを実現した場合、rpmを増すことなくエネルギーを貯蔵でき、それにより摩耗を低減する。
【0042】
本発明は、実施する上で極めて多様となり得る。従って、上述の説明は限定する意図ではなく、限定するものと解釈すべきではなく、本発明を例示したものである。包含されるべき内容は、後述する請求の範囲及び法的に許容されるそれと同等のものとして明らかにされたものである。