特許第5730248号(P5730248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5730248-ミストサウナ装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5730248
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】ミストサウナ装置
(51)【国際特許分類】
   F24D 15/00 20060101AFI20150514BHJP
   A61H 33/10 20060101ALI20150514BHJP
   A61H 33/06 20060101ALI20150514BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   F24D15/00 B
   A61H33/10 A
   A61H33/06 Q
   A47K4/00
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-173191(P2012-173191)
(22)【出願日】2012年8月3日
(65)【公開番号】特開2014-31971(P2014-31971A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2013年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】早川 芳広
(72)【発明者】
【氏名】川原 達也
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−240506(JP,A)
【文献】 特開2006−255003(JP,A)
【文献】 特開2011−069531(JP,A)
【文献】 特開2006−204358(JP,A)
【文献】 特開2007−061414(JP,A)
【文献】 特開2002−071218(JP,A)
【文献】 特開2010−194341(JP,A)
【文献】 特開2012−217700(JP,A)
【文献】 特開2003−334230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 15/00
A47K 4/00
A61H 33/06
A61H 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機と、浴室に配置した噴霧ヘッドと、該噴霧ヘッドに連なる噴霧用流路に介設した液液熱交換器とを備え、前記噴霧ヘッドに供給する水を熱源機から熱媒循環路を介して前記液液熱交換器に供給する熱媒体により加熱し、前記噴霧ヘッドから温水を噴霧させるミスト運転を行うようにしたミストサウナ装置において、
前記液液熱交換器の上流側の前記噴霧用流路を開閉する第1電磁弁と、
前記液液熱交換器の下流側の前記噴霧用流路を開閉する第2電磁弁と、
前記第1電磁弁の上流側の前記噴霧用流路に介設されて該第1電磁弁へ向かう水流を許容し且つ該第1電磁弁から上流方向への逆流を阻止する逆止弁と、
前記第1電磁弁が閉弁しているとき、該第1電磁弁と前記逆止弁と間の前記噴霧用流路の内圧を逃がす第1過圧逃がし手段と、
前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との両方が閉弁しているとき、前記第1電磁弁と前記第2電磁弁と間の前記噴霧用流路の内圧を逃がす第2過圧逃がし手段とを備え
前記第1過圧逃がし手段は、前記噴霧用流路の前記第1電磁弁を迂回する迂回路に介設され、
前記迂回路は、上流端が前記逆止弁と前記第1電磁弁と間の前記噴霧用流路に接続され、下流端が前記第1電磁弁と前記第2電磁弁と間の前記噴霧用流路に接続されて、前記第1過圧逃がし手段により逃がした前記逆止弁と前記第1電磁弁と間の前記噴霧用流路の内圧を、前記第1電磁弁と前記第2電磁弁と間の前記噴霧用流路に導入することを特徴とするミストサウナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室に配置した噴霧ヘッドから温水を噴霧させてサウナ効果を得られるようにしたミストサウナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のミストサウナ装置として、熱源機と、浴室に配置した噴霧ヘッドと、噴霧ヘッドに連なる噴霧用流路に介設した液液熱交換器とを備え、噴霧ヘッドに供給する水を熱源機から熱媒循環路を介して液液熱交換器に供給する熱媒体により加熱し、噴霧ヘッドから温水を噴霧させるミスト運転を行うようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このものでは、液液熱交換器の下流側の噴霧用流路に2つの電磁弁が直列に介設され、噴霧用流路の両電磁弁間の部分から分岐する排水管が設けられている。排水管は、噴霧用流路内から外部に排水するためのものであり、排水管を開閉するための電磁弁が介設されている。
【0004】
また、液液熱交換器は、一般に浴室の温水暖房用の循環水が熱媒循環路の熱媒体として熱源機から供給されるが、液液熱交換器内部の噴霧用流路と熱媒循環路とが相互に接する部分で腐食等により穴が開き、噴霧用流路と熱媒循環路とが短絡することがある。
【0005】
浴室暖房用の循環水は、水、或いは、水にプロピレングリコール等の不凍液を混入させた液体が採用される場合があり、液液熱交換器内部で上記の短絡が生じると、噴霧用の水に浴室暖房用の循環水が混入し、噴霧用流路の上流端に接続された水道管に逆流して上水道を汚染するおそれがある。これを防止するため、液液熱交換器の上流側の噴霧用流路には逆止弁が設けられる。
【0006】
また、ミスト運転を行わず、浴室暖房運転のみが行われることがある。この場合に、噴霧用流路の2つの電磁弁及び排水管の電磁弁が閉弁状態となっていると、噴霧用流路における水流がない状態で液液熱交換器やその周囲が高温雰囲気となるため、各電磁弁及び逆止弁間の噴霧用流路の内圧が高くなることがある。噴霧用流路の内圧が高くなると、各電磁弁の開弁が円滑に行えなくなる等の不都合が生じる。このため、ミスト運転を行わずに浴室暖房運転のみを行う際に排水管の電磁弁のみを開弁させたり、逆止弁の下流側の噴霧用流路と排水管とを接続する接続管を設けて、この接続管に過圧逃がし手段を設けることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−194341号公報(図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記従来のミストサウナ装置においては噴霧用流路から外部に排水する排水管を備えているために、ミストサウナ装置の内部に排水管を設けるためのスペースが必要となるだけでなく、上述した排水用の電磁弁や、接続管及び過圧逃がし手段を設けるために構造が複雑となる。このため、ミストサウナ装置のコンパクト化や低コスト化を図ることができない不都合があった。更に、ミストサウナ装置を設置する際には、排水管を接続するための配管施工が必要であるため、設置作業時の効率を低下させる不都合があった。
【0009】
上記の点に鑑み、本発明は、逆流による上水道の汚染や噴霧用流路の内圧の過剰な上昇を防止したうえで、排水管を廃することにより設置作業が容易でコンパクトなミストサウナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明は、熱源機と、浴室に配置した噴霧ヘッドと、該噴霧ヘッドに連なる噴霧用流路に介設した液液熱交換器とを備え、前記噴霧ヘッドに供給する水を熱源機から熱媒循環路を介して前記液液熱交換器に供給する熱媒体により加熱し、前記噴霧ヘッドから温水を噴霧させるミスト運転を行うようにしたミストサウナ装置において、前記液液熱交換器の上流側の前記噴霧用流路を開閉する第1電磁弁と、前記液液熱交換器の下流側の前記噴霧用流路を開閉する第2電磁弁と、前記第1電磁弁の上流側の前記噴霧用流路に介設されて該第1電磁弁へ向かう水流を許容し且つ該第1電磁弁から上流方向への逆流を阻止する逆止弁と、前記第1電磁弁が閉弁しているとき、該第1電磁弁と前記逆止弁と間の前記噴霧用流路の内圧を逃がす第1過圧逃がし手段と、前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との両方が閉弁しているとき、前記第1電磁弁と前記第2電磁弁と間の前記噴霧用流路の内圧を逃がす第2過圧逃がし手段とを備え、前記第1過圧逃がし手段は、前記噴霧用流路の前記第1電磁弁を迂回する迂回路に介設され、前記迂回路は、上流端が前記逆止弁と前記第1電磁弁と間の前記噴霧用流路に接続され、下流端が前記第1電磁弁と前記第2電磁弁と間の前記噴霧用流路に接続されて、前記第1過圧逃がし手段により逃がした前記逆止弁と前記第1電磁弁と間の前記噴霧用流路の内圧を、前記第1電磁弁と前記第2電磁弁と間の前記噴霧用流路に導入することを特徴とする。
【0011】
本発明においては、液液熱交換器の上流側の噴霧用流路に第1電磁弁が設けられ、第1電磁弁の上流側の噴霧用流路に逆止弁が設けられている。これによれば、液液熱交換器と逆止弁との間に第1電磁弁が位置するので、第1電磁弁と逆止弁との何れか一方に動作不良が生じても他方が作動して確実に上水道の汚染を防止することができる。
【0012】
また、第1電磁弁が閉弁しているとき、第1電磁弁と逆止弁との間の噴霧用流路の内圧が過剰に上昇しても、このときの過剰な内圧は第1過圧逃がし手段によって逃がすことができる。更に、第1電磁弁と第2電磁弁とが閉弁しているとき、両電磁弁間の噴霧用流路の内圧が過剰に上昇しても、このときの過剰な内圧は第2過圧逃がし手段によって逃がすことができる。
【0013】
第1過圧逃がし手段及び第2過圧逃がし手段においては、例えば、噴霧用流路の内圧をミストサウナ装置の筐体内部で開放させることが考えられる。この場合、第1過圧逃がし手段や第2過圧逃がし手段からは、放出される圧力に伴い噴霧用流路内の水が流出するが、このときの水量は極めて微量であるため、ミストサウナ装置の筐体内部の高温雰囲気によって迅速に蒸発させることができる。
【0014】
このように、噴霧用流路に設けた各弁間の内圧が過剰に上昇しても、第1過圧逃がし手段と第2過圧逃がし手段とによって過剰な内圧を円滑に逃がすことができるので、従来のように排水管を用いて噴霧用流路の内圧を逃がす必要がなく、よって、排水管が不要とすることができる。
【0015】
そして、排水管が不要であることにより排水管を廃することができ、設置作業が容易でコンパクトなミストサウナ装置を提供することができる。
【0017】
更に、逆止弁と第1電磁弁と間の噴霧用流路の内圧が過剰に上昇すると、このときの過剰な内圧は、第1過圧逃がし手段によって迂回路を介して第1電磁弁と第2電磁弁と間の噴霧用流路に導入される。そして、第1電磁弁と第2電磁弁と間の噴霧用流路に導入された過剰な内圧は、第2過圧逃がし手段により放出される。このように、第1過圧逃がし手段が介設された迂回路を備えることにより、噴霧用流路の過剰な圧力の放出出口を一箇所にまとめることができ、ミストサウナ装置を構造簡単でコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態におけるミストサウナ装置の回路を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のミストサウナ装置について図1を参照して一実施形態を説明する。浴室1には、噴霧ヘッド2と、浴室暖房器3とが配置されている。浴室暖房器3は、浴室1内の空気を循環させる図示省略した循環ファンと放熱器4とを内蔵している。放熱器4は、浴室1の外部(屋外等)に配置した熱源機5に熱媒循環路6を介して接続されている。
【0020】
熱源機5の作動により、熱源機5で加熱された熱媒体(水、又は、水に不凍液を混入させた液体等)が熱媒循環路6を介して放熱器4に供給され、放熱器4で加熱された空気が循環ファンにより浴室1に循環されて、浴室1の暖房運転が行われる。なお、図1においては模式的に示しているが、一般には、噴霧ヘッド2と浴室暖房器3とは浴室1の天井に配設される。
【0021】
噴霧ヘッド2には、噴霧用流路7を介して噴霧用水が供給される。噴霧用流路7には、その上流側から順に、フィルタ付き水抜き栓8、逆止弁9、第1電磁弁10、液液熱交換器11、及び第2電磁弁12が介設されており、噴霧用流路7の上流端には、図示省略した水道管が接続されている。
【0022】
熱源機5で加熱された熱媒体は、浴室暖房器3用の熱媒循環路6から分岐した液液熱交換器11用の熱媒分岐循環路13を介して液液熱交換器11に供給される。噴霧ヘッド2に向かう噴霧用水は、液液熱交換器11において熱媒分岐循環路13の熱媒体により加熱される。加熱された噴霧用水が噴霧ヘッド2から浴室1に散布することでミストサウナ運転が行われる。
【0023】
熱媒循環路6には熱動弁14が介設されており、熱媒分岐循環路13には流量制御弁15が介設されている。熱動弁14は、熱媒循環路6を開閉し、流量制御弁15は、熱媒分岐循環路13を開閉する。また、熱媒循環路6には、熱媒体の温度を検出する熱媒温度センサ16が設けられている。
【0024】
液液熱交換器11は、噴霧用流路7の上流側が下、下流側が上に位置するように起立姿勢で配置されている。そして、第1電磁弁10の閉弁で液液熱交換器11への給水が遮断され、第2電磁弁12の閉弁で噴霧ヘッド2への給水が遮断される。噴霧用流路7における液液熱交換器11と第2電磁弁12との間には、噴霧用流路7を流れる噴霧用水の温度を検出する噴霧温度センサ17が設けられている。なお、噴霧用流路7には従来のような排水管は設けられていない。
【0025】
噴霧用流路7に、第1電磁弁10と第2電磁弁12とを設けたことにより、第1電磁弁10と第2電磁弁12との何れか一方に異物の噛み込み等による閉弁不良が生じても、他方により確実に噴霧用流路7を遮断することができ、水道水の無駄な使用を防止することができる。
【0026】
また、第1電磁弁10を液液熱交換器11の上流側に設けたことにより、例えば、液液熱交換器11に腐食や割れが生じて噴霧用流路7と熱媒分岐循環路13とが短絡するような状態となった場合に、第1電磁弁10を閉弁させることで、噴霧用流路7への給水を強制的に停止させることができる。
【0027】
液液熱交換器11、流量制御弁15、熱媒温度センサ16、第1電磁弁10、第2電磁弁12、噴霧温度センサ17及び逆止弁9は、熱源機5とは別置きの噴霧ユニットとして筐体18に収容されている。
【0028】
逆止弁9と液液熱交換器11との間の位置には、第1電磁弁10を迂回する迂回路19が設けられている。迂回路19は、その上流端が逆止弁9と第1電磁弁10との間の噴霧用流路7に接続され、その下流端が第1電磁弁10と液液熱交換器11との間の噴霧用流路7に接続されている。
【0029】
迂回路19には、第1過圧逃がし弁20(第1過圧逃がし手段)が介設されている。第1過圧逃がし弁20は、逆止弁9と第1電磁弁10との間の噴霧用流路7の内圧が過剰に高くなると開弁してその圧力を迂回路19の下流側へ逃がす。
【0030】
筐体18の内部は、浴室1の暖房運転時に熱媒循環路6や液液熱交換器11から放出される熱により高温雰囲気になり易い。浴室1の暖房運転時にミストサウナ運転を行わないときには、第1電磁弁10が閉弁状態となるため、逆止弁9と第1電磁弁10との間の噴霧用流路7の内圧が上昇する。そして、逆止弁9と第1電磁弁10との間の噴霧用流路7の内圧が過剰に高くなったとき、第1過圧逃がし弁20が作動する。
【0031】
このとき、第1過圧逃がし弁20が設けられている迂回路19の下流端が第1電磁弁10と液液熱交換器11との間の噴霧用流路7に接続されていることにより、第1過圧逃がし弁20によって逃がされた圧力は第1電磁弁10と液液熱交換器11との間の噴霧用流路7に導入される。
【0032】
また、液液熱交換器11と第2電磁弁12との間の噴霧用流路7には、分岐路21の上流端が接続されている。分岐路21には、第2過圧逃がし弁22(第2過圧逃がし手段)が介設されている。分岐路21の下流端は、筐体18の内部で開放されている。そして、少なくとも、分岐路21の開放された下流端の下方にはトレー状の水受け23が設けられている。
【0033】
第2過圧逃がし弁22は、第1電磁弁10と第2電磁弁12との間の噴霧用流路7の内圧が過剰に高くなると開弁してその圧力を分岐路21の下流端から筐体18内部に逃がす。第1電磁弁10と第2電磁弁12との間の噴霧用流路7の内圧の上昇も、筐体18の内部が高温雰囲気になることにより生じる。
【0034】
分岐路21の下流端では、第1電磁弁10と第2電磁弁12との間の噴霧用流路7の過剰な内圧が逃がされることにより、過剰圧に対応する量の噴霧用水が溢れ出る。このとき分岐路21の下流端から溢れ出る噴霧用水は微量であるが、分岐路21の下流端から下方に滴下した噴霧用水は水受け23により捕捉される。そして、筐体18の内部が高温雰囲気になることにより水受け23に溜まった噴霧用水は容易に蒸発する。
【0035】
上記実施形態においては、第1過圧逃がし弁20により、逆止弁9と第1電磁弁10との間の噴霧用流路7の過剰な内圧を逃がすことができ、第2過圧逃がし弁22により、第1電磁弁10と第2電磁弁12との間の噴霧用流路7の過剰な内圧を逃がすことができるので、圧力の影響で両電磁弁10,12が開弁し難くなる事態を防止することができる。
【0036】
また、従来のような排水管が設けられていなくても噴霧用流路7の内圧の過剰な上昇を防止することができるので、排水管を廃して設置作業が容易であると共に装置をコンパクトに構成することができる。
【0037】
また、逆止弁9と第1電磁弁10との間の噴霧用流路7の過剰な内圧は、第1過圧逃がし弁20の作動により迂回路19を介して第1電磁弁10と第2電磁弁12との間の噴霧用流路7に導入され、第2過圧逃がし弁22の作動により分岐路21の下流端から逃がされる。このように、噴霧用流路7の過剰な圧力の放出出口を一箇所にまとめることができるので、装置をコンパクトに構成することができる。
【0038】
ところで、長期間使用すると、液液熱交換器11の内部の腐食等により噴霧用水に熱媒体が混入することがある。熱媒体には、水、或いは、水にプロピレングリコール等の不凍液を混入させた液体が採用される。このため、熱媒体が噴霧用流路7に侵入して噴霧用水に混入することは好ましくないが、万一、噴霧用流路7の噴霧用水に熱媒体が混入しても、第2電磁弁12及び逆止弁9によって確実に逆流が阻止される。従って、噴霧用流路7の上流端に接続されている水道管に熱媒体が混入することはなく、上水が汚染されるといった事態を確実に防止することができる。
【0039】
なお、本実施形態においては、迂回路19を設けて逆止弁9と第1電磁弁10との間の噴霧用流路7の過剰な内圧を第1電磁弁10と第2電磁弁12との間の噴霧用流路7に導入しているが、これに替えて、図示しないが、逆止弁9と第1電磁弁10との間の噴霧用流路7に下流端が開放された分岐路を接続し、この分岐路に第1過圧逃がし弁20(第1過圧逃がし手段)を設けてもよい。この場合にも、分岐路の開放された下流端の下方にトレー状の水受けを設けることで、分岐路から漏れ出た噴霧用水を筐体18の内部の高温雰囲気により蒸発させることができる。
【符号の説明】
【0040】
1…浴室、2…噴霧ヘッド、5…熱源機、6…熱媒循環路、7…噴霧用流路、9…逆止弁、10…第1電磁弁、11…液液熱交換器、12…第2電磁弁、19…迂回路、20…第1過圧逃がし弁(第1過圧逃がし手段)、22…第2過圧逃がし弁(第2過圧逃がし手段)。
図1