(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、
車両の始動前は、充電可能な携帯端末を制限し、車両の始動後は、充電可能な携帯端末を制限しないようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の側面の車載システムは、車両の制御を行う制御装置と、車両に設けられ、携帯端末の充電が可能な充電装置とを備える車載システムにおいて、充電装置は、携帯端末に電力を供給する電力供給部と、携帯端末が充電装置に設置された場合に、携帯端末と通信を行う通信部とを備え、制御装置は、通信部が携帯端末から受信した第1の認証情報の認証を行う認証部と、
車両の始動前は、第1の認証情報の認証が成功した場合に、電力供給部から携帯端末に電力を供給するように制御し、車両の始動後は、第1の認証情報の認証結果に関わらず、電力供給部から携帯端末に電力を供給するように制御する電力供給制御部とを備える。
【0011】
本発明の第1の側面の車載システムにおいては、充電装置により、携携帯端末が設置された場合に、携帯端末に電力が供給され、携帯端末と通信が行われ、制御装置により、携帯端末から受信した第1の認証情報の認証が行われ、
車両の始動前は、第1の認証情報の認証が成功した場合に、電力供給部から携帯端末に電力が供給され、車両の始動後は、第1の認証情報の認証結果に関わらず、電力供給部から携帯端末に電力が供給される。
【0012】
従って、車両の始動前は、充電可能な携帯端末を制限し、車両の始動後は、充電可能な携帯端末を制限しないようにすることができる。
【0013】
この制御装置は、例えば、ECUにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、PDA、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。この充電装置は、例えば、接触式又は非接触式の充電器により構成される。この電力供給部は、例えば、電力源を備える電力供給装置、又は、外部からの電力の供給を制御する制御装置により構成される。この通信部は、例えば、有線又は無線による通信を行う通信機器により構成される。この認証部、
電力供給制御部は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成される。
制御装置には、第1の認証情報の認証結果に基づいて、車両の始動の可不可を制御する車両制御部をさらに設けることができる。
これにより、簡単に汎用の携帯端末を用いて車両の操作、特に車両の始動を行うことができる。
この車両制御部は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成される。
【0014】
この車両制御部には、第1の認証情報の認証が成功した場合に、車両に対して所定の操作が行われたときに、車両の始動の指令を出力させることができる。
【0015】
これにより、簡単な操作により車両の始動を行うことができる。
【0021】
この制御装置には、携帯端末と近距離無線通信を行う近距離無線通信部をさらに設け、この認証部には、さらに近距離無線通信部が携帯端末から受信した第1の認証情報の認証を行い、この車両制御部には、第1の認証情報の認証結果に基づいて、さらに車両のドアの施錠又は開錠を制御させることができる。
【0022】
これにより、簡単に携帯端末を用いて車両のドアの施錠又は開錠を行うことができる。
【0023】
この近距離無線通信部は、例えば、NFC又はBluetoothによる通信を行う通信機器により構成される。
【0024】
この制御装置には
、車両専用の携帯機と無線通信を行う無線通信部をさらに設け、この認証部には、さらに無線通信部が携帯機から受信した第2の認証情報の認証を行わせ、この車両制御部には、さらに第2の認証情報の認証結果に基づいて、車両の始動の可不可を制御させることができる。
【0025】
これにより、簡単に携帯機を用いて車両の始動を行うことができる。
【0026】
この無線通信部は、例えば、LF帯又はUHF帯の無線通信を行う無線機器により構成される。
【0027】
この車両制御部には、第1の認証情報により車両を始動した場合、第2の認証情報により車両を始動した場合と比べて、車両の機能を制限させることができる。
【0028】
これにより、携帯端末を用いて車両を始動した場合に、携帯機を用いて車両を始動した場合と比べて、使用可能な車両の機能を制限することができる。
【0029】
この電力供給部には、携帯端末に非接触で電力を供給させ、この通信部には、携帯端末と近距離無線通信を行わせることができる。
【0030】
これにより、より簡単に携帯端末を充電するとともに、携帯端末を用いて車両を始動することができる。
【0031】
この電力供給部には、携帯端末に非接触で電力を供給させ、この通信部には、
携帯端末及び車両専用の携帯機と近距離無線通信を行わせ、この認証部には、さら
に通信部
が携帯機から受信した第2の認証情報の認証を行わせ、この車両制御部には、さら
に第2の認証情報の認証結果に基づいて
、車両の始動の可不可を制御させることができる。
【0032】
これにより、簡単に携帯機を用いて車両を始動することができる。
【0033】
本発明の第1の側面の車両制御方法は、車両の制御を行う制御装置と、車両に設けられ、
携帯端末に電力を供給する電力供給部を備え、携帯端末の充電が可能な充電装置とを備える車両制御方法において、充電装置が、携帯端末が設置された場合に、携帯端末と通信を行い、携帯端末から認証情報を受信する受信ステップと、制御装置が、充電装置が携帯端末から受信した認証情報の認証を行う認証ステップと、制御装置が、認証情報の認証結果に基づいて、車両の始動の可不可を制御する車両制御ステップと、
制御装置が、車両の始動前は、認証情報の認証が成功した場合に、電力供給部から携帯端末に電力を供給するように制御し、車両の始動後は、認証情報の認証結果に関わらず、電力供給部から携帯端末に電力を供給するように制御する電力供給制御ステップとを含む。
【0034】
本発明の第1の側面の車両制御方法においては、充電装置により、携帯端末が設置された場合に、携帯端末と通信が行われ、制御装置により、携帯端末から受信した認証情報の認証が行われ、
車両の始動前は、認証情報の認証が成功した場合に、電力供給部から携帯端末に電力が供給され、車両の始動後は、認証情報の認証結果に関わらず、電力供給部から携帯端末に電力が供給される。
【0035】
従って、車両の始動前は、充電可能な携帯端末を制限し、車両の始動後は、充電可能な携帯端末を制限しないようにすることができる。
【0036】
この制御装置は、例えば、ECUにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、PDA、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。この充電装置は、例えば、接触式又は非接触式の充電器により構成される。
【0037】
本発明の第2の側面の車両制御システムは、車両の制御を行う制御装置と、車両に設けられ、携帯端末の充電が可能な充電装置と、車両専用の携帯機とを備える車両制御システムにおいて、携帯機は、携帯端末と近距離無線通信を行い
、認証情報を携帯端末に送信す
る近距離無線通信部を備え、充電装置は、携帯端末に電力を供給する電力供給部と、携帯端末が充電装置に設置された場合に、携帯端末と通信を行う通信部とを備え、制御装置は、通信部が携帯端末から受信し
た認証情報の認証を行う認証部と
、車両の始動前は、認証情報の認証が成功した場合に、電力供給部から携帯端末に電力を供給するように制御し、車両の始動後は、認証情報の認証結果に関わらず、電力供給部から携帯端末に電力を供給するように制御する電力供給制御部とを備える。
【0038】
本発明の第2の側面の車両制御システムにおいては、携帯機から携帯端末
に認証情報が送信され、充電装置により、携帯端末が設置された場合に、携帯端末に電力が供給され、携帯端末と通信が行われ、制御装置により、携帯端末から受信し
た認証情報の認証が行われ、
車両の始動前は、認証情報の認証が成功した場合に、電力供給部から携帯端末に電力が供給され、車両の始動後は、認証情報の認証結果に関わらず、電力供給部から携帯端末に電力が供給される。
【0039】
従って、車両の始動前は、充電可能な携帯端末を制限し、車両の始動後は、充電可能な携帯端末を制限しないようにすることができる。
【0040】
この制御装置は、例えば、ECUにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、PDA、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。この充電装置は、例えば、接触式又は非接触式の充電器により構成される。この携帯機は、例えば、車両専用のキーフォブ等により構成される。この第1の近距離無線通信部は、例えば、NFC又はBluetoothによる通信を行う通信機器により構成される。この電力供給部は、例えば、電力源を備える電力供給装置、又は、外部からの電力の供給を制御する制御装置により構成される。この通信部は、例えば、有線又は無線による通信を行う通信機器により構成される。この認証部、
電力供給制御部は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成される。
制御装置には、第1の認証情報の認証結果に基づいて、車両の始動の可不可を制御する車両制御部をさらに設けることができる。
これにより、簡単に汎用の携帯端末を用いて車両の操作、特に車両の始動を行うことができる。
この車両制御部は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成される。
【0041】
この車両制御部には、さら
に認証情報に設定されている有効期間又は有効回数に基づいて、車両の始動の可不可を制御させることができる。
【0042】
これにより、携帯端末を用いて車両を始動する期間又は回数を制限することができる。
【0043】
この有効期間又は有効回数は、携帯機から携帯端末
に認証情報を送信する際に設定することができる。
【0044】
この電力供給部には、携帯端末に非接触で電力を供給させ、この通信部には、携帯端末と近距離無線通信を行わせることができる。
【0045】
これにより、より簡単に携帯端末を充電するとともに、携帯端末を用いて車両を始動することができる。
【0046】
本発明の第3の車載システムは、車両の制御を行う制御装置と、車両に設けられ、携帯端末の充電が可能な充電装置とを備える車載システムにおいて、充電装置は、携帯端末に電力を供給する電力供給部と、携帯端末が充電装置に設置された場合に、携帯端末と通信を行う通信部とを備え、制御装置は、通信部が携帯端末から受信した認証情報の認証を行う認証部と、認証情報の認証が成功した場合、通信部を介して、携帯端末と情報の送受信を行う通信制御部と
、車両の始動前は、認証情報の認証が成功した場合に、電力供給部から携帯端末に電力を供給するように制御し、車両の始動後は、認証情報の認証結果に関わらず、電力供給部から携帯端末に電力を供給するように制御する電力供給制御部を備える。
【0047】
本発明の第3の車載システムにおいては、充電装置により、携帯端末が設置された場合に、携帯端末に電力が供給され、携帯端末と通信が行われ、制御装置により、携帯端末から受信した認証情報の認証が行われ、認証情報の認証が成功した場合、携帯端末と情報の送受信が行われ
、車両の始動前は、認証情報の認証が成功した場合に、電力供給部から携帯端末に電力が供給され、車両の始動後は、認証情報の認証結果に関わらず、電力供給部から携帯端末に電力が供給される。
【0048】
従って、簡単に汎用の携帯端末を用いて車両の操作、特に携帯端末から車両への情報の供給や、車両情報の携帯端末への転送を行うことができる。携帯端末から車両に供給される情報として、例えば、音楽情報や地図情報(カーナビゲーションシステムの更新用等)等が想定される。また、車両から携帯端末に転送される情報として、例えば、故障診断結果や燃費情報等が想定される。
また、車両の始動前は、充電可能な携帯端末を制限し、車両の始動後は、充電可能な携帯端末を制限しないようにすることができる。
【0049】
この制御装置は、例えば、ECUにより構成される。この携帯端末は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、PDA、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。この充電装置は、例えば、接触式又は非接触式の充電器により構成される。この電力供給部は、例えば、電力源を備える電力供給装置、又は、外部からの電力の供給を制御する制御装置により構成される。この通信部は、例えば、有線又は無線による通信を行う通信機器により構成される。この認証部、
電力供給制御部は、例えば、CPU等のプロセッサにより構成される。
【発明の効果】
【0050】
本発明の第1の側面乃至第3の側面によれば、
車両の始動前は、充電可能な携帯端末を制限し、車両の始動後は、充電可能な携帯端末を制限することができる。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0053】
<1.実施の形態>
[車両制御システム101の構成例]
図1は、本発明を適用した車両制御システムの一実施の形態を示す図である。
【0054】
車両制御システム101は、車両102の始動の可不可を制御するイモビライザやドアの施開錠等の制御を行うシステムである。車両制御システム101は、車載システム111、操作部112、携帯機113、及び、携帯端末114を含むように構成される。
【0055】
車載システム111は、車両102に設けられ、ECU(Electronic Control Unit)121、アンテナ122、及び、充電パッド123を含むように構成される。
【0056】
ECU121は、車両102のイモビライザやドアの施開錠等の制御を行う。また、ECU121は、アンテナ122を介して、携帯機113と無線通信を行う。さらに、ECU121は、携帯端末114と、NFC(Near Field Communication)又はBluetooth(登録商標)による近距離無線通信を行う。また、ECU121は、充電パッド123と専用線により接続され、充電パッド123の充電電力の供給、並びに、NFC又はBluetoothによる近距離無線通信の制御を行う。
【0057】
操作部112は、車両102の各種の操作を行う操作部材により構成される。例えば、操作部112は、車両102のドアハンドル又はドア付近に設けられているボタンや、車両102の始動に用いる始動スイッチ等を含む。操作部112は、操作内容を示す情報をECU121に供給する。
【0058】
充電パッド123は、例えば、電磁誘導等を用いたワイヤレス給電を行う非接触式の充電器により構成される。例えば、携帯機113や携帯端末114を充電パッド123に置くだけで、携帯機113や携帯端末114のバッテリを非接触で充電することが可能である。また、充電パッド123は、ECU121の制御の下に、携帯機113とNFCによる近距離無線通信を行う。さらに、充電パッド123は、ECU121の制御の下に、携帯端末114とNFC又はBluetoothによる近距離無線通信を行う。
【0059】
携帯機113は、例えば、車両102の操作に用いる専用のキーフォブ等により構成される。携帯機113は、車両102において携帯機113の認証を行うための認証情報を含む車両操作用情報を記憶しており、キーレスエントリ、パッシブエントリ、パッシブスタート等の操作に用いられる。
【0060】
ここで、キーレスエントリとは、物理的な鍵を用いたり、ドアの操作を行うことなく、携帯機113を操作することにより、車両102のドアの施錠又は開錠の遠隔操作を行う機能である。また、パッシブエントリとは、車両102のドアハンドル又はドア付近のボタン等を操作した場合にドア付近に携帯機113が検出されたとき、ドアの施錠又は開錠を行う機能である。さらに、パッシブスタートとは、車内の始動スイッチ等を押下した場合に車内に携帯機113が検出されたとき、イモビライザによる車両102の始動制限を解除し、車両102の始動を可能にする機能である。
【0061】
また、携帯機113は、携帯端末114とNFCによる近距離無線通信を行い、例えば、車両操作用情報を携帯端末114に送信する。
【0062】
携帯端末114は、NFC及びBluetoothによる近距離無線通信が可能な汎用の携帯端末、例えば、携帯電話機、スマートフォン、PDA(携帯情報端末)、携帯動画プレーヤ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、ICカード等により構成される。携帯端末114は、携帯機113から取得した車両操作用情報を用いて、携帯機113の代わりに、キーレスエントリ、パッシブエントリ、パッシブスタート等の操作に用いることができる。
【0063】
[車載システム111の構成例]
図2は、車載システム111のECU121及び充電パッド123の機能の構成例を示すブロック図である。
【0064】
ECU121は、制御部201、無線通信部202、近距離無線通信部203、及び、記憶部204を含むように構成される。
【0065】
制御部201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ等により構成され、通信制御部211、電力供給制御部212、車両制御部213、及び、認証部214を含むように構成される。
【0066】
通信制御部211は、無線通信部202、近距離無線通信部203、及び、充電パッド123の近距離無線通信部251の通信を制御する。また、通信制御部211は、無線通信部202、近距離無線通信部203、又は、近距離無線通信部251を介して、携帯機113又は携帯端末114から取得した情報等を制御部201又は車両102の各部に供給する。さらに、通信制御部211は、携帯機113又は携帯端末114に送信する情報等を、制御部201又は車両102の各部から取得し、無線通信部202、近距離無線通信部203、又は、近距離無線通信部251に供給する。
【0067】
電力供給制御部212は、車両102のアクセサリ電源やイグニッション電源等の電源の供給を制御する。また、電力供給制御部212は、充電パッド123の電力供給部252からの充電電力の供給を制御する。
【0068】
車両制御部213は、携帯機113や携帯端末114からの通信内容や操作部112の操作内容に応じて、車両102の各部の制御を行ったり、他のECU等に各種の指令を送信して、キーレスエントリ、パッシブエントリ、パッシブスタート、イモビライザ等の機能の実行を制御する。
【0069】
認証部214は、携帯機113又は携帯端末114から送信されてくる各種の情報等に含まれる認証情報の認証を行う。また、認証部214は、認証結果を制御部201の各部に通知したり、通信制御部211等を介して、携帯機113又は携帯端末114に送信したりする。
【0070】
無線通信部202は、通信制御部211の制御の下に、アンテナ122を介して、携帯機113と所定の方式の無線通信を行い、携帯機113との間で各種の情報等の送受信を行う。例えば、無線通信部202から携帯機113への通信にはLF帯の無線通信が用いられ、携帯機113から無線通信部202への通信にはUHF帯の無線通信が用いられる。
【0071】
近距離無線通信部203は、NFC通信部221及びBluetooth通信部222を含むように構成される。
【0072】
NFC通信部221は、通信制御部211の制御の下に、携帯端末114とNFC通信を行い、携帯端末114との間で各種の情報等の送受信を行う。
【0073】
Bluetooth通信部222は、通信制御部211の制御の下に、携帯端末114とBluetooth通信を行い、携帯端末114との間で各種の情報等の送受信を行う。
【0074】
記憶部204は、携帯機113又は携帯端末114の認証を行うための認証情報等を記憶する。認証情報は、例えば、車両102に固有のID情報等により構成される。また、記憶部204は、例えば、制御部201が処理を実行するための制御プログラム等を記憶する。
【0075】
充電パッド123は、近距離無線通信部251及び電力供給部252を含むように構成される。
【0076】
近距離無線通信部251は、NFC通信部261及びBluetooth通信部262を含むように構成される。
【0077】
NFC通信部261は、通信制御部211の制御の下に、携帯機113又は携帯端末114とNFC通信を行い、携帯機113又は携帯端末114との間で各種の情報等の送受信を行う。
【0078】
Bluetooth通信部262は、通信制御部211の制御の下に、携帯端末114とBluetooth通信を行い、携帯端末114との間で各種の情報等の送受信を行う。
【0079】
電力供給部252は、電力供給制御部212の制御の下に、携帯端末114等に充電電力を供給する。
【0080】
[携帯機113の構成例]
図3は、携帯機113の機能の構成例を示している。携帯機113は、操作部301、制御部302、記憶部303、無線通信部304、近距離無線通信部305、電力受信部306、及び、バッテリ307を含むように構成される。
【0081】
操作部301は、例えば、スイッチやボタン等の操作部材により構成される。操作部301は、操作内容を示す情報を制御部302に供給する。
【0082】
制御部302は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ等により構成され、通信制御部311、車両制御部312、及び、認証部313を含むように構成される。
【0083】
通信制御部311は、無線通信部304及び近距離無線通信部305の通信を制御する。また、通信制御部311は、無線通信部304又は近距離無線通信部305を介して、携帯端末114、ECU121、又は、充電パッド123から取得した情報等を制御部302の各部に供給する。さらに、通信制御部311は、携帯端末114、ECU121、又は、充電パッド123に送信する情報等を、制御部302の各部から取得し、無線通信部304又は近距離無線通信部305に供給する。
【0084】
車両制御部312は、通信制御部311及び無線通信部304を介して、例えば、キーレスエントリ、パッシブエントリ、パッシブスタート等の機能の実行に必要な情報等の送受信をECU121との間で行う。また、車両制御部312は、通信制御部311及び近距離無線通信部305を介して、例えば、パッシブスタートの実行に必要な情報等の送受信を充電パッド123との間で行う。
【0085】
認証部313は、通信制御部311及び近距離無線通信部305を介して、携帯端末114との間で認証処理を行う。
【0086】
記憶部303は、車両102の操作に用いる車両操作用情報、及び、携帯端末114の認証に用いるパスワード等を記憶する。また、記憶部303は、例えば、制御部302が処理を実行するための制御プログラム等を記憶する。
【0087】
無線通信部304は、通信制御部311の制御の下に、ECU121と所定の方式の無線通信を行い、ECU121との間で各種の情報等の送受信を行う。
【0088】
近距離無線通信部305は、NFC通信部321を含むように構成される。
【0089】
NFC通信部321は、通信制御部211の制御の下に、携帯端末114又は充電パッド123とNFC通信を行い、携帯端末114又は充電パッド123との間で各種の情報等の送受信を行う。
【0090】
電力受信部306は、充電パッド123の電力供給部252から電磁誘導等により供給される電力を受信し、受信した電力によりバッテリ307を充電する。これにより、充電パッド123の上に携帯機113を置くだけで、バッテリ307を充電することができる。
【0091】
バッテリ307は、携帯機113の各部に電力を供給する。
【0092】
[携帯端末114の構成例]
図4は、携帯端末114の機能の構成例を示している。携帯端末114は、操作部351、制御部352、記憶部353、表示部354、近距離無線通信部355、電力受信部356、及び、バッテリ357を含むように構成される。
【0093】
操作部351は、例えば、タッチパネル、スイッチ、ボタン、キーボード等の操作部材や、音声認識による音声コマンドを入力可能な入力手段等により構成される。操作部351は、操作内容を示す情報を制御部352に供給する。
【0094】
制御部352は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ等により構成され、通信制御部361、車両制御部362、認証部363、及び、表示制御部364を含むように構成される。
【0095】
通信制御部361は、近距離無線通信部355の通信を制御する。また、通信制御部361は、近距離無線通信部355を介して、携帯機113、ECU121、又は、充電パッド123から取得した情報等を制御部352の各部に供給する。さらに、通信制御部361は、携帯機113、ECU121、又は、充電パッド123に送信する情報等を、制御部352の各部から取得し、近距離無線通信部355に供給する。
【0096】
車両制御部362は、通信制御部361及び近距離無線通信部355を介して、例えば、キーレスエントリ、パッシブエントリ、パッシブスタート等の機能の実行に必要な情報等の送受信を、ECU121又は充電パッド123との間で行う。また、車両制御部362は、通信制御部361及び近距離無線通信部355を介して、車両操作用情報を携帯機113から受信し、記憶部353に記憶させる。
【0097】
認証部363は、通信制御部311及び近距離無線通信部355を介して、携帯端末114との間で認証処理を行う。
【0098】
表示制御部364は、表示部354による画面表示を制御する。
【0099】
記憶部353は、携帯機113から取得した車両102の車両操作用情報、及び、携帯機113による携帯端末114の認証に用いるパスワード等を記憶する。また、記憶部353は、例えば、制御部352が処理を実行するための制御プログラム等を記憶する。
【0100】
表示部354は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ等の各種の表示装置により構成される。
【0101】
近距離無線通信部355は、NFC通信部371及びBluetooth通信部372を含むように構成される。
【0102】
NFC通信部371は、通信制御部361の制御の下に、携帯機113、ECU121、又は、充電パッド123とNFC通信を行い、携帯機113、ECU121、又は、充電パッド123との間で各種の情報等の送受信を行う。
【0103】
Bluetooth通信部372は、通信制御部361の制御の下に、ECU121又は充電パッド123とBluetooth通信を行い、ECU121又は充電パッド123との間で各種の情報等の送受信を行う。
【0104】
電力受信部356は、充電パッド123の電力供給部252から電磁誘導等により供給される電力を受信し、受信した電力によりバッテリ357を充電する。これにより、充電パッド123の上に携帯端末114を置くだけで、バッテリ357を充電することができる。
【0105】
バッテリ357は、携帯端末114の各部に電力を供給する。
【0106】
[車両制御システム101の処理]
次に、
図5乃至
図8を参照して、車両制御システム101の処理について説明する。
【0107】
(携帯機113から携帯端末114に車両操作用情報を転送する場合の処理)
まず、
図5のフローチャートを参照して、携帯機113から携帯端末114に車両操作用情報を転送する場合の処理について説明する。なお、この処理は、携帯機113と携帯端末114をNFCの通信可能範囲にまで近接させたとき開始される。
【0108】
ステップS1において、携帯機113のNFC通信部321と携帯端末114のNFC通信部371は、所定のプロトコルに基づいて、NFC通信を確立する。NFC通信の確立においては、例えば、携帯機113と携帯端末114とが互いに通信可能な機器かどうかを確認する。
【0109】
ステップS2において、携帯端末114は、パスワードの入力を受け付ける。例えば、ユーザが操作部351を用いて所定の操作を行ったとき、表示部354は、表示制御部364の制御の下に、パスワードの入力画面を表示する。ユーザは、操作部351を用いて、パスワード入力画面に従ってパスワードの入力を行い、認証部363は、入力したパスワードを取得する。
【0110】
ステップS3において、携帯端末114の認証部363は、正規のパスワードであるか否かを判定する。認証部363は、ユーザにより入力されたパスワードが記憶部353に記憶されている正規のパスワードと一致する場合、入力されたパスワードが正規のパスワードであると判定し、処理はステップS4に進む。
【0111】
ステップS4において、携帯端末114の認証部363は、通信制御部361及びNFC通信部371を介して、携帯機113にパスワードを送信する。
【0112】
ステップS5において、携帯機113は、パスワード認証を行う。具体的には、携帯機113の認証部313は、NFC通信部321及び通信制御部311を介して、携帯端末114からパスワードを受信する。そして、認証部313は、受信したパスワードと、記憶部303に記憶されている携帯端末114の認証用のパスワードとの照合を行う。
【0113】
ステップS6において、携帯機113の認証部313は、パスワード認証が成功したか否かを判定する。認証部313は、照合の結果、受信したパスワードが記憶部303に記憶されているパスワードと一致する場合、パスワード認証が成功したと判定し、処理はステップS7に進む。
【0114】
ステップS7において、携帯機113の車両制御部312は、記憶部353に記憶されている車両操作用情報を、通信制御部311及びNFC通信部321を介して携帯端末114に送信する。
【0115】
ステップS8において、携帯端末114は、車両操作用情報の受信に成功したか否かを判定する。具体的には、携帯機113から車両操作用情報が送信された場合、携帯端末114の車両制御部362は、NFC通信部371及び通信制御部361を介して、車両操作用情報を受信する。そして、車両制御部362は、ステップS4においてパスワードの送信が行われてから所定の時間内に車両操作用情報を受信した場合、車両操作用情報の受信に成功したと判定する。その後、処理はステップS9に進む。
【0116】
ステップS9において、携帯端末114の車両制御部362は、車両操作用情報を記憶部303に記憶させる。
【0117】
ステップS10において、携帯端末114の車両制御部362は、通信制御部361及びNFC通信部371を介して、受信完了通知を携帯機113に送信する。
【0118】
その後、携帯端末114の処理は終了する。
【0119】
ステップS11において、携帯機113は、受信完了通知の受信に成功したか否かを判定する。具体的には、携帯端末114から受信完了通知が送信された場合、携帯機113の車両制御部312は、NFC通信部321及び通信制御部311を介して、受信完了通知を受信する。そして、車両制御部312は、ステップS7において車両操作用情報の送信が行われてから所定の時間内に受信完了通知を受信した場合、受信完了通知の受信に成功したと判定する。その後、処理はステップS12に進む。
【0120】
ステップS12において、携帯機113は、送信完了を通知する。例えば、携帯機113は、図示せぬLEDを所定の色やパターンで点灯又は点滅させることにより、車両操作用情報の送信が完了したことをユーザに通知する。
【0121】
その後、携帯機113の処理は終了する。
【0122】
一方、ステップS11において、携帯機113の車両制御部312は、ステップS7において車両操作用情報の送信が行われてから所定の時間内に受信完了通知を受信できなかった場合、受信完了通知の受信に失敗したと判定する。その後、ステップS12の処理はスキップされ、携帯機113の処理は終了する。
【0123】
なお、携帯機113が受信完了通知の受信に失敗した場合でも、携帯端末114が車両操作用情報の受信に成功している場合、その車両操作用情報は有効となる。
【0124】
また、ステップS6において、携帯機113の認証部313は、受信したパスワードが記憶部303に記憶されているパスワードと一致しない場合、又は、NFC通信を確立してから所定の時間内に携帯端末114からパスワードを受信できなかった場合、パスワード認証が失敗したと判定する。その後、ステップS7、S11、及び、S12の処理はスキップされ、携帯機113の処理は終了する。
【0125】
さらに、ステップS8において、携帯端末114の車両制御部362は、ステップS4においてパスワードの送信が行われてから所定の時間内に車両操作用情報を受信できなかった場合、車両操作用情報の受信に失敗したと判定する。その後、ステップS9及びS10の処理はスキップされ、携帯端末114の処理は終了する。
【0126】
また、ステップS3において、携帯端末114の認証部363は、ユーザにより入力されたパスワードが、記憶部353に記憶されているパスワードと一致しない場合、正規のパスワードでないと判定する。その後、ステップS4及びS8乃至S10の処理はスキップされ、車両操作用情報の転送が行われずに、携帯端末114の処理は終了する。
【0127】
このようにして、携帯機113と携帯端末114を近接させてパスワードを入力するだけの簡単な操作により、携帯機113から携帯端末114に車両操作用情報を転送することができる。
【0128】
(携帯端末114を用いて車両102のドアの開錠又は施錠を行う場合の処理)
次に、
図6のフローチャートを参照して、携帯端末114を用いて車両102のドアの開錠又は施錠を行う場合の処理について説明する。なお、この処理は、例えば、ユーザが携帯端末114の操作部351を操作して、車両102のドアの開錠又は施錠を行うための操作画面を表示部354に表示させ、その操作画面に従って、ドアの開錠又は施錠の指令を入力したとき開始される。
【0129】
なお、携帯端末114において、ドアの開錠と施錠の操作を区別するようにしてもよいし、区別しないようにしてもよい。後者の場合、例えば、同じ操作が、ドアが施錠されている場合には開錠する操作となり、開錠されている場合には施錠する操作となる。
【0130】
ステップS51において、携帯端末114の近距離無線通信部355と、ECU121の近距離無線通信部203とは、近距離無線通信を確立する。このとき、NFC通信又はBluetooth通信のいずれの通信方式を用いるようにしてもよい。或いは、携帯端末114とECU121の間の距離等の条件、又は、ユーザ操作により使用する通信方式を選択するようにしてもよい。なお、以下、携帯端末114とECU121とがBluetooth通信を行う場合について説明する。
【0131】
ステップS52において、携帯端末114は、施開錠情報を送信する。具体的には、携帯端末114の車両制御部362は、車両102のドアの施開錠の指令、及び、車両操作用情報を含む施開錠情報を生成する。なお、施開錠情報に含まれる車両操作用情報は、
図5を参照して上述した処理により、携帯機113から取得し、記憶部353に記憶されているものである。そして、車両制御部362は、通信制御部361及びBluetooth通信部372を介して、施開錠情報をECU121に送信する。
【0132】
なお、携帯端末114においてドアの施錠と開錠の操作が区別される場合、施開錠情報には、ドアの開錠又は施錠の指令のうち、ユーザ操作により指示された指令が含まれる。一方、携帯端末114においてドアの開錠と施錠の操作が区別されない場合、施開錠情報には、ドアの開錠及び施錠に共通の指令が含まれる。
【0133】
ステップS53において、ECU121は、施開錠情報の認証を行う。具体的には、通信制御部211は、Bluetooth通信部222を介して、携帯端末114から施開錠情報を受信し、車両制御部213及び認証部214に供給する。認証部214は、施開錠情報内の車両操作用情報に含まれる認証情報と、記憶部204に記憶されている正規の認証情報との照合を行う。
【0134】
ステップS54において、ECU121の認証部214は、認証が成功したか否かを判定する。認証部214は、照合の結果、携帯端末114から受信した認証情報が記憶部204に記憶されている正規の認証情報と一致する場合、認証が成功したと判定し、処理はステップS55に進む。
【0135】
ステップS55において、ECU121の車両制御部213は、ドアの開錠又は施錠を行う。具体的には、車両制御部213は、車両102のドアを開錠又は施錠を行うためのアクチュエータ等を制御して、車両102のドアの開錠又は施錠を行う。
【0136】
なお、ドアの開錠の指令と施錠の指令が区別されている場合には、車両制御部213は、その指令に基づいて、ドアの開錠又は施錠を行う。一方、ドアの開錠の指令と施錠の指令が区別されていない場合には、車両制御部213は、ドアが施錠されている場合には開錠を行い、開錠されている場合には施錠を行う。
【0137】
また、車両制御部213が、ドアの施開錠を行うアクチュエータ等を直接制御するようにしてもよいし、当該アクチュエータ等の制御を行う別のECU等に指令を送信することにより、間接的に制御するようにしてもよい。
【0138】
ステップS56において、車両制御部213は、通信制御部211及びBluetooth通信部222を介して、開錠完了通知又は施錠完了通知を送信する。
【0139】
その後、ECU121の処理は終了する。
【0140】
ステップS57において、携帯端末114は、開錠完了通知又は施錠完了通知の受信に成功したか否かを判定する。具体的には、ECU121から開錠完了通知又は施錠完了通知が送信された場合、携帯端末114の車両制御部362は、Bluetooth通信部372及び通信制御部361を介して、開錠完了通知又は施錠完了通知を受信する。そして、車両制御部362は、ステップS52において施錠開錠情報の送信が行われてから所定の時間内に開錠完了通知又は施錠完了通知を受信した場合、開錠完了通知又は施錠完了通知の受信に成功したと判定し、処理はステップS58に進む。
【0141】
ステップS58において、携帯端末114の表示部354は、表示制御部364の制御の下に所定の画面を表示し、車両102のドアの開錠又は施錠の完了を通知する。
【0142】
その後、携帯端末114の処理は終了する。
【0143】
一方、ステップS57において、携帯端末114の車両制御部362は、ステップS52において施錠開錠情報の送信が行われてから所定の時間内に開錠完了通知又は施錠完了通知を受信できなかった場合、開錠完了通知又は施錠完了通知の受信に失敗したと判定する。その後、処理はステップS59に進む。
【0144】
ステップS59において、携帯端末114の表示部354は、表示制御部364の制御の下に所定の画面を表示し、車両102(ECU121)との通信失敗を通知する。
【0145】
その後、携帯端末114の処理は終了する。
【0146】
一方、ステップS54において、ECU121の認証部214は、携帯端末114から受信した認証情報が記憶部204に記憶されている正規の認証情報と一致しない場合、或いは、所定の時間内に施開錠情報を受信できなかった場合、認証が失敗したと判定する。その後、ステップS55及びS56の処理はスキップされ、ドアの開錠及び施錠が行われずに、ECU121の処理は終了する。
【0147】
このようにして、携帯機113の代わりに携帯端末114を用いて、簡単な操作により車両102のドアの開錠又は施錠を行うことができる。
【0148】
(携帯端末114を用いて車両102の始動を可能にする場合の処理)
次に、
図7のフローチャートを参照して、携帯端末114を用いて車両102の始動を可能にする場合の処理について説明する。なお、この処理は、例えば、ユーザが携帯端末114を充電パッド123の上に置いたときに開始される。
【0149】
ステップS101において、携帯端末114の近距離無線通信部355と、充電パッド123の近距離無線通信部251とは、近距離無線通信を確立する。このとき、NFC通信又はBluetooth通信のいずれの通信方式を用いるようにしてもよい。例えば、携帯端末114を充電パッド上に置いた状態で、NFC通信又はBluetooth通信の通信可能範囲の中に携帯端末114が入るように設定しておく。これにより、携帯端末114を充電パッド上に置くというユーザの自然な動作により、携帯端末114と車載システム111の通信を確立することができるとともに、ユーザが意図しない無用な通信の実行を防止することができる。なお、以下、携帯端末114と充電パッド123とがNFC通信を行う場合について説明する。
【0150】
ステップS102において、携帯端末114は、車両操作用情報を送信する。具体的には、携帯端末114の車両制御部362は、
図5を参照して上述した処理により、携帯機113から取得し、記憶部353に記憶されている車両操作用情報を、通信制御部361及びNFC通信部371を介して、充電パッド123に送信する。
【0151】
ステップS103において、車載システム111は、車両操作用情報の認証を行う。具体的には、ECU121の通信制御部211は、充電パッド123のNFC通信部261を介して、携帯端末114から車両用操作用情報を受信し、車両制御部213及び認証部214に供給する。認証部214は、車両操作用情報に含まれる認証情報と、記憶部204に記憶されている正規の認証情報との照合を行う。
【0152】
ステップS104において、ECU121の認証部214は、認証が成功したか否かを判定する。認証部214は、照合の結果、携帯端末114から受信した認証情報が記憶部204に記憶されている正規の認証情報と一致する場合、認証が成功したと判定し、処理はステップS105に進む。
【0153】
ステップS105において、ECU121の車両制御部213は、車両102を始動可能な状態にする。例えば、車両制御部213は、イモビライザによる車両102の始動制限を解除することにより、車両102を始動可能な状態にする。
【0154】
ステップS106において、ECU121の車両制御部213は、通信制御部211及び充電パッド123のNFC通信部261を介して、イモビライザ認証通信成功通知を送信する。
【0155】
その後、車載システム111の処理は終了する。
【0156】
ステップS107において、携帯端末114は、イモビライザ認証通信成功通知の受信に成功したか否かを判定する。具体的には、ECU121からイモビライザ認証通信成功通知が送信された場合、携帯端末114の車両制御部362は、NFC通信部371及び通信制御部361を介して、イモビライザ認証通信成功通知を受信する。そして、車両制御部362は、ステップS102において車両操作用情報の送信が行われてから所定の時間内にイモビライザ認証通信成功通知を受信した場合、イモビライザ認証通信成功通知の受信に成功したと判定する。その後、処理はステップS108に進む。
【0157】
ステップS108において、携帯端末114の表示部354は、表示制御部364の制御の下に所定の画面を表示し、車両102の始動が許可されたことを通知する。
【0158】
その後、携帯端末114の処理は終了する。
【0159】
一方、ステップS107において、車両制御部362は、ステップS102において車両操作用情報の送信が行われてから所定の時間内にイモビライザ認証通信成功通知を受信できなかった場合、イモビライザ認証通信成功通知の受信に失敗したと判定する。その後、処理はステップS109に進む。
【0160】
ステップS109において、携帯端末114の表示部354は、表示制御部364の制御の下に所定の画面を表示し、車両102(ECU121)との通信失敗を通知する。
【0161】
その後、携帯端末114の処理は終了する。
【0162】
一方、ステップS104において、ECU121の認証部214は、携帯端末114から受信した認証情報が記憶部204に記憶されている正規の認証情報と一致しない場合、或いは、所定の時間内に車両操作用情報を受信できなかった場合、認証が失敗したと判定する。その後、ステップS105及びS106の処理はスキップされ、車両102の始動が許可されずに、禁止されたまま、車載システム111の処理は終了する。
【0163】
このようにして、車両操作用情報を有する携帯端末114を充電パッド123に置くだけで、車両102を始動可能な状態に設定することができる。
【0164】
(始動スイッチが操作された場合の車載システム111の処理)
次に、
図8のフローチャートを参照して、車両102の始動スイッチが操作された場合の車載システム111の処理について説明する。なお、この処理は、例えば、ユーザが操作部112に含まれる始動スイッチを操作し、その操作内容を示す情報がECU121に通知されたとき開始される。
【0165】
ステップS151において、車両制御部213は、車両102が始動可能な状態であるか否かを判定する。車両制御部213は、
図7のステップS105の処理等により車両102が始動可能な状態に設定されている場合、車両102が始動可能な状態であると判定し、処理はステップS152に進む。
【0166】
ステップS152において、ECU121は、車両102の電源制御及び始動制御を行う。例えば、電力供給制御部212は、車両102のアクセサリ電源やイグニッション電源の供給を開始させる。また、電力供給制御部212は、充電パッド123の上に携帯機113又は携帯端末114が置かれている場合、充電パッド123の電力供給部252から携帯機113又は携帯端末114への充電電力の供給を開始させる。これにより、携帯機113のバッテリ307又は携帯端末114のバッテリ357の充電が開始する。
【0167】
また、車両制御部213は、車両102のエンジン(エンジン車又はハイブリッドカーの場合等)、又は、モータ(電気自動車の場合等)の制御を行うECU等に、始動の指令を送信する。これにより、車両102のエンジン又はモータが始動する。
【0169】
一方、ステップS151において、車両102が始動可能な状態でないと判定された場合、ステップS152の処理はスキップされ、処理は終了する。
【0170】
なお、車両102が始動可能な状態に設定されてから所定の時間内に始動スイッチの操作が行われない場合、その状態を解除するようにしてもよい。さらに、ECU121が携帯機113又は携帯端末114からの車両操作用情報の再取得を試み、再取得に成功した場合、再度車両102を始動可能な状態に設定するようにしてもよい。
【0171】
以上のように、複数の携帯機や物理的な鍵(予備キー)を用意しなくても、簡単な操作により、複数のユーザが、1台の車両を使用することが可能になる。また、携帯機や物理的な鍵を持つユーザが限定されるので、携帯機や予備キーを紛失する可能性が低くなる。
【0172】
また、パスワードや認証情報を用いてセキュリティを高めることにより、悪意のある第三者が車両操作用情報を入手し、車両の操作を行うことを防止できる。
【0173】
さらに、携帯端末114の認証に成功し、始動スイッチが操作された後に、携帯端末114の充電が開始されるため、充電パッド123により充電可能な携帯端末を正規の車両操作用情報を有する携帯端末114に制限することが可能になる。
【0174】
<2.変形例>
以下、上述した本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0175】
[携帯機113又は携帯端末114を用いた操作の変形例]
例えば、携帯機113を充電パッド123に置いた際も、携帯端末114を充電パッド123に置いた場合と同様に、携帯機113が、充電パッド123を介してECU121と通信を行い、車両102の始動を可能にするようにしてもよい。
【0176】
また、携帯機113が、ECU121と無線通信だけでなく、近距離無線通信を行うことにより、キーレスエントリ、パッシブエントリ、パッシブスタート等の操作を行えるようにしてもよい。
【0177】
さらに、携帯端末114が、充電パッド123を介さずに、ECU121と直接近距離無線通信を行うことにより、パッシブスタートを行うようにすることも可能である。
【0178】
また、携帯端末114を用いて、車両102の始動やドアの施開錠以外の車両102の操作を行えるようにしてもよい。例えば、携帯端末114を充電パッド123に置いた後、携帯端末114の認証が成功した場合、充電パッド123を介して、携帯端末114とECU121間で各種の情報の送受信を可能にするようにしてもよい。例えば、車両102で使用する情報(例えば、音楽情報やカーナビゲーションシステムの更新用の地図情報等)の携帯端末114からECU121への送信や、車両102の状態に関する情報(例えば、故障診断情報や燃費情報等)のECU121から携帯端末114への送信を可能にするようにしてもよい。なお、この携帯端末114とECU121間の情報の送受信を、充電パッド123を介さずに行うようにすることも可能である。
【0179】
[携帯端末114を用いて車両102の操作を行う場合の機能制限等]
例えば、携帯機113から直接車両102に送信する車両操作用情報(以下、オリジナル車両操作用情報と称する)と、携帯機113から携帯端末114に転送した後、携帯端末114から車両102に送信する車両操作用情報(以下、複製車両操作用情報と称する)とを区別し、実現できる機能に差を設けるようにしてもよい。
【0180】
例えば、複製車両操作用情報に有効期限や有効回数を設定するようにしてもよい。例えば、有効期限として、具体的な時間(例えば、6時間)や日時(例えば、明日の21時まで)を設定したり、所定の条件が成立するまでの期間(例えば、次にオリジナル車両操作用情報を用いて車両102の始動又はドアの施開錠が行われるまでの期間)を設定したりすることが可能である。
【0181】
また、例えば、有効回数として、複製車両操作用情報を用いてドアの施開錠や、車両102の始動を行うことが可能な具体的な回数(例えば、10回)を設定することが可能である。さらに、有効回数は、操作の種類毎に個別に設定するようにしてもよいし、全操作でまとめて設定するようにしてもよい。
【0182】
なお、この有効期限又は有効回数は、例えば、携帯機113から携帯端末114に複製車両操作用情報を送信する際に、ユーザが携帯端末114から設定できるようにしてもよいし、或いは、自動的に設定されるようにしてもよい。また、例えば、複製車両操作用情報を複数の携帯端末に転送する場合に、端末毎に有効期限又は有効回数の値を変えることができるようにしてもよい。
【0183】
また、複製車両操作用情報を使用する場合の有効期限又は有効回数の判定は、携帯端末114側(例えば、車両制御部312)で行うようにしてもよいし、ECU121側(例えば、車両制御部213)で行うようにしてもよい。
【0184】
さらに、複製車両用操作用情報を用いて車両102を始動させた場合に、オリジナル車両操作用情報を用いて車両102を始動させた場合と比べて、車両102の始動後に使用できる機能に制限を設けるようにしてもよい。例えば、複製車両操作用情報を用いて車両102を始動させた場合に、ETC(Electronic Toll Collection System)を利用できないようにすることが可能である。
【0185】
なお、制限する機能の内容は、例えば、携帯機113から携帯端末114に複製車両操作用情報を送信する際に、ユーザが携帯端末114から設定できるようにしてもよいし、或いは、自動的に設定されるようにしてもよい。また、例えば、複製車両操作用情報を複数の携帯端末に転送する場合に、端末毎に機能の制限内容を変えることができるようにしてもよい。
【0186】
[セキュリティ対策に関する変形例]
例えば、複製車両操作用情報が悪意のある人に取得されてしまった場合等を考慮して、車両102側で複製車両操作用情報の使用を禁止できるようにしてもよい。例えば、携帯機113を用いたり、車両102の操作部112を直接操作して禁止できるようにしてもよいし、或いは、インターネット回線や電話回線等を用いた長距離通信を行う通信装置を車両102に設けて、遠隔操作により禁止できるようにしてもよい。
【0187】
また、以上の説明では、携帯機113から携帯端末114に複製車両操作用情報を転送する際に、セキュリティ対策として、携帯端末114側で認証用のパスワードを入力するようにしたが、携帯機113側でパスワードを入力するようにしてもよい。また、例えば、携帯端末114側に記憶されているパスワードを自動送信することにより、パスワードの入力を省略するようにしてもよい。さらに、パスワード以外の方法により、例えば、顔認証や指紋認証等の生体認証により、携帯端末114の認証を行うようにしてもよい。
【0188】
[充電制御に関する変形例]
例えば、
図7のステップS104の処理で、携帯端末114の認証が成功した場合、車両102の始動前に、充電パッド123の電力供給部252から携帯端末114への充電電力の供給を開始するようにしてもよい。
【0189】
また、この場合、車両102の始動後は、携帯端末の認証結果に関わらず、充電パッド123の電力供給部252から携帯端末に充電電力を供給できるようにしてもよい。これにより、例えば、車両102の始動前は、充電可能な携帯端末を制限し、車両102の始動後は、充電可能な携帯端末を制限しないようにすることができる。具体的には、例えば、正規の複製車両操作用情報を有する携帯端末114を充電パッド123に置くなどして車両102を始動させた後、正規の複製車両操作用情報を有していない同乗者の携帯端末を充電パッド123に置いて充電することが可能になる。
【0190】
また、携帯端末の認証結果に関わらず、常時充電パッド123の電力供給部252から携帯端末に充電電力を供給できるようにしてもよい。
【0191】
[充電パッド123の変形例]
例えば、充電パッド123に電力源を設けて、充電パッド123から携帯端末114等に直接充電電力を供給するようにしてもよいし、充電パッド123が、外部電源から携帯端末114等への充電電力の供給を制御するようにしてもよい。
【0192】
また、例えば、充電パッド123にCPU等のプロセッサを設け、ECU121の制御によらずに、自律的に動作するようにしてもよい。この場合、例えば、充電パッド123とECU121の間の通信には、CAN(Controller Area Network)等の車内のネットワーク通信を採用することができる。
【0193】
さらに、例えば、充電パッド123の代わりに、接触式の充電器を用いることも可能である。この場合、例えば、充電器の通信方式として、近距離無線通信の代わりに、有線による通信方式を採用することも可能である。
【0194】
[通信方式に関する変形例]
携帯機113、携帯端末114、ECU121、及び、充電パッド123が行う近距離無線通信の方式の種類や数は、上述した例に限定されるものではない。従って、例えば、近距離無線通信の方式を変更したり、搭載する近距離無線通信の方式の数を変更したりすることが可能である。また、利用形態等に応じて、近距離無線通信以外の無線通信又は有線通信を採用することも可能である。
【0195】
なお、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどが含まれる。
【0196】
また、コンピュータが実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディアに記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、CAN、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0197】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0198】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0199】
さらに、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0200】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0201】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。