(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の送信制御部は、前記所定のパターンの情報を複数回送信する前記所定の信号のうちのいずれか、若しくは全ての前記所定の信号の内容に含めて通知するように制御し、
前記判定部は、通知された前記所定のパターンに基づいて、前記所定の信号が正規の信号であるか否かを判定する
請求項5に記載の通信システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、リレーアタックの実施を困難にするようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の側面の通信システムは、第1の通信装置と第2の通信装置とが無線通信を行う通信システムであって、第1の通信装置は、第2の通信装置への信号を送信する第1の送信部と、第1の送信部を制御する第1の送信制御部と
、第2の通信装置からの信号を受信する第1の受信部とを備え、第2の通信装置は、第1の通信装置からの信号を受信する
第2の受信部と、
第1の通信装置への信号を送信する第2の送信部と、第2の送信部を制御する第2の送信制御部と、第2の受信部が受信した信号の受信強度を測定する測定部と、
第2の受信部が受信した信号が正規の信号であるか否かを判定する判定部とを備え、第1の送信制御部は、所定の信号を送信する際に所定の信号の所定の部分を複数に分割し、分割したそれぞれの部分の送信強度を調整し、所定の信号の所定の部分全体での送信強度の大小関係が所定のパターンとなるように変化させ、測定部は、所定の信号の所定の部分の受信強度を測定し、
第2の送信制御部は、所定の信号の所定の部分の受信強度が飽和している場合、受信強度の飽和を通知するための信号を送信するように制御し、第1の送信制御部は、受信強度の飽和が通知された場合、少なくとも所定の部分の送信強度を下げて再送するように制御し、判定部は、所定の信号の所定の部分の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、所定の信号が正規の信号であるか否かを判定する。
【0012】
本発明の第1の側面においては、所定の信号を送信する際に所定の信号の所定の部分が複数に分割され、分割されたそれぞれの部分の送信強度が調整され、所定の信号の所定の部分全体での送信強度の大小関係が所定のパターンとなるように変化し、所定の信号の所定の部分の受信強度が測定され、
所定の信号の所定の部分の受信強度が飽和している場合、受信強度の飽和を通知するための信号が送信され、受信強度の飽和が通知された場合、少なくとも所定の部分の送信強度を下げて再送され、所定の信号の所定の部分の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、所定の信号が正規の信号であるか否かが判定される。
【0013】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
また、受信強度の飽和により、所定の信号が正規の信号であるか否かが誤判定されることが防止される。
【0014】
この第1の通信装置及び第2の通信装置は、例えば、一方が車両用のキーフォブにより構成され、他方が車載用の通信装置により構成される。この第1の送信部
、第2の送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この第1の送信制御部、
第2の送信制御部、判定部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。この第1の受信部
、第2の受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。この測定部は、例えば、RSSIの測定回路、又は、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ等により構成される。
【0018】
この第1の送信制御部には、所定のパターンの情報を所定の信号の内容に含めて通知するように制御させ、この判定部には、通知された所定のパターンに基づいて、所定の信号が正規の信号であるか否かを判定させることができる。
【0019】
これにより、リレーアタックの実施をより困難にすることができる。
【0020】
本発明の第2の側面の通信装置は、他の通信装置と無線通信を行う通信装置であって、他の通信装置への信号を送信する送信部と、送信部を制御する送信制御部と
、他の通信装置からの信号を受信する受信部とを備え、送信制御部は、所定の信号を送信する際に所定の信号の所定の部分を複数に分割し、分割したそれぞれの部分の送信強度を調整し、所定の信号の所定の部分全体での送信強度の大小関係が所定のパターンとなるように変化させ
、受信部が他の通信装置から受信強度の飽和を通知するための信号を受信した場合、少なくとも所定の部分の送信強度を下げて再送するように制御する。
【0021】
本発明の第2の側面においては、所定の信号を送信する際に所定の信号の所定の部分が複数に分割され、分割されたそれぞれの部分の送信強度が調整され、所定の信号の所定の部分全体での送信強度の大小関係が所定のパターンとなるように変化
し、他の通信装置から受信強度の飽和を通知するための信号を受信した場合、少なくとも所定の部分の送信強度を下げて再送される。
【0022】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
また、受信強度の飽和により、所定の信号が正規の信号であるか否かが誤判定されることが防止される。
【0023】
この送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この送信制御部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。
この受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。
【0024】
本発明の第3の側面の通信装置は、他の通信装置と無線通信を行う通信装置であって、他の通信装置からの信号を受信する受信部と、
他の通信装置への信号を送信する送信部と、送信部を制御する送信制御部と、受信部が受信した信号の受信強度を測定する測定部と、受信部が受信した信号が正規の信号であるか否かを判定する判定部とを備え、測定部は、他の通信装置からの所定の信号の所定の部分の受信強度を測定し、
送信制御部は、所定の信号の所定の部分の受信強度が飽和している場合、受信強度の飽和を通知するための信号を送信するように制御し、判定部は、所定の信号の所定の部分の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、所定の信号が正規の信号であるか否かを判定する。
【0025】
本発明の第3の側面においては、他の通信装置からの所定の信号の所定の部分の受信強度が測定され、
所定の信号の所定の部分の受信強度が飽和している場合、受信強度の飽和を通知するための信号が送信され、所定の信号の所定の部分の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、所定の信号が正規の信号であるか否かが判定される。
【0026】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
また、受信強度の飽和により、所定の信号が正規の信号であるか否かが誤判定されることが防止される。
【0027】
この受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。
この送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この測定部は、例えば、RSSIの測定回路、又は、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ等により構成される。この
送信制御部、判定部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。
【0028】
本発明の第4の側面の通信システムは、第1の通信装置と第2の通信装置とが無線通信を行う通信システムであって、第1の通信装置は、第2の通信装置への信号を送信する第1の送信部と、第1の送信部を制御する第1の送信制御部と
、第2の通信装置からの信号を受信する第1の受信部とを備え、第2の通信装置は、第1の通信装置からの信号を受信する
第2の受信部と、
第1の通信装置への信号を送信する第2の送信部と、第2の送信部を制御する第2の送信制御部と、第2の受信部が受信した信号の受信強度を測定する測定部と、
第2の受信部が受信した信号が正規の信号であるか否かを判定する判定部とを備え、第1の送信制御部は、所定の信号を所定の回数繰り返し送信するとともに、各所定の信号間の送信強度の大小関係を所定のパターンに従って変化させるように制御し、測定部は、所定の回数繰り返し送信される所定の信号の受信強度をそれぞれ測定し、
第2の送信制御部は、所定の信号の受信強度が飽和している場合、受信強度の飽和を通知するための信号を送信するように制御し、第1の送信制御部は、受信強度の飽和が通知された場合、送信強度を下げて所定の信号を所定の回数繰り返し再送するように制御し、判定部は、各所定の信号間の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、所定の信号が正規の信号であるか否かを判定する。
【0029】
本発明の第4の側面においては、所定の信号が所定の回数繰り返し送信されるとともに、各所定の信号間の送信強度の大小関係が所定のパターンに従って変化し、所定の回数繰り返し送信される所定の信号の受信強度がそれぞれ測定され、
所定の信号の受信強度が飽和している場合、受信強度の飽和を通知するための信号が送信され、受信強度の飽和が通知された場合、送信強度を下げて所定の信号が所定の回数繰り返し再送され、各所定の信号間の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、所定の信号が正規の信号であるか否かが判定される。
【0030】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
また、受信強度の飽和により、所定の信号が正規の信号であるか否かが誤判定されることが防止される。
【0031】
この第1の通信装置及び第2の通信装置は、例えば、一方が車両用のキーフォブにより構成され、他方が車載用の通信装置により構成される。この第1の送信部
、第2の送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この第1の送信制御部、
第2の送信制御部、判定部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。この第1の受信部
、第2の受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。この測定部は、例えば、RSSIの測定回路、又は、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ等により構成される。
【0035】
この第1の送信制御部には、所定のパターンの情報を複数回送信する所定の信号のうちのいずれか、若しくは全ての所定の信号の内容に含めて通知するように制御させ、この判定部には、通知された所定のパターンに基づいて、所定の信号が正規の信号であるか否かを判定させることができる。
【0036】
これにより、リレーアタックの実施をより困難にすることができる。
【0037】
本発明の第5の側面の通信装置は、他の通信装置と無線通信を行う通信装置であって、他の通信装置への信号を送信する送信部と、送信部を制御する送信制御部と
、他の通信装置からの信号を受信する受信部とを備え、送信制御部は、所定の信号を所定の回数繰り返し送信するとともに、各所定の信号間の送信強度の大小関係を所定のパターンに従って変化させるように制御
し、受信部が他の通信装置から受信強度の飽和を通知するための信号を受信した場合、送信強度を下げて所定の信号を所定の回数繰り返し再送するように制御する。
【0038】
本発明の第5の側面においては、所定の信号を所定の回数繰り返し送信されるとともに、各所定の信号間の送信強度の大小関係が所定のパターンに従って変化し、
他の通信装置から受信強度の飽和を通知するための信号が受信された場合、送信強度を下げて所定の信号が所定の回数繰り返し再送される。
【0039】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
また、受信強度の飽和により、所定の信号が正規の信号であるか否かが誤判定されることが防止される。
【0040】
この受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。この送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この送信制御部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。
【0041】
本発明の第6の側面の通信装置は、他の通信装置と無線通信を行う通信装置であって、他の通信装置からの信号を受信する受信部と、
他の通信装置への信号を送信する送信部と、送信部を制御する送信制御部と、受信部が受信した信号の受信強度を測定する測定部と、受信部が受信した信号が正規の信号であるか否かを判定する判定部とを備え、測定部は、他の通信装置から所定の回数繰り返して送信される所定の信号の受信強度をそれぞれ測定し、
送信制御部は、所定の信号の受信強度が飽和している場合、受信強度の飽和を通知するための信号を送信するように制御し、判定部は、各所定の信号間の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、所定の信号が正規の信号であるか否かを判定する。
【0042】
本発明の第6の側面においては、他の通信装置から所定の回数繰り返して送信される所定の信号の受信強度がそれぞれ測定され、
所定の信号の受信強度が飽和している場合、受信強度の飽和を通知するための信号が送信され、各所定の信号間の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、所定の信号が正規の信号であるか否かが判定される。
【0043】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
また、受信強度の飽和により、所定の信号が正規の信号であるか否かが誤判定されることが防止される。
【0044】
この受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。
この送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この測定部は、例えば、RSSIの測定回路、又は、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ等により構成される。この判定部
、送信制御部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。
【0045】
本発明の第7の側面の通信システムは、第1の通信装置と第2の通信装置とが無線通信を行う通信システムにおいて、第1の通信装置は、第2の通信装置への信号を送信する第1の送信部と、第1の送信部を制御する第1の送信制御部と、第2の通信装置からの信号を受信する第1の受信部と、第2の通信装置が受信した信号が正規の信号であるか否かを判定する判定部とを備え、第2の通信装置は、第1の通信装置からの信号を受信する第2の受信部と、第2の受信部が受信した信号の受信強度を測定する測定部と、第1の通信装置への信号を送信する第2の送信部と、第2の送信部を制御する第2の送信制御部とを備え、第1の送信制御部は、所定の第1の信号を送信する際に第1の信号の所定の部分を複数に分割し、分割したそれぞれの部分の送信強度を調整し、第1の信号の所定の部分全体での送信強度の大小関係が所定のパターンとなるように変化させ、測定部は、第1の信号の所定の部分の受信強度を測定し、第2の送信制御部は、第1の信号の所定の部分の受信強度の測定結果を含む第2の信号を第1の信号に対する応答として送信するように制御し、
第1の送信制御部は、第2の通信装置における第1の信号の所定の部分の受信強度が飽和している場合、少なくとも所定の部分の送信強度を下げて再送するように制御し、判定部は、第2の通信装置における第1の信号の所定の部分の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、第2の通信装置が受信した第1の信号が正規の信号であるか否かを判定する。
【0046】
本発明の第7の側面においては、所定の第1の信号を送信する際に第1の信号の所定の部分が複数に分割され、分割されたそれぞれの部分の送信強度が調整され、第1の信号の所定の部分全体での送信強度の大小関係が所定のパターンとなるように変化し、第1の信号の所定の部分の受信強度が測定され、第1の信号の所定の部分の受信強度の測定結果を含む第2の信号が第1の信号に対する応答として送信され、
第2の通信装置における第1の信号の所定の部分の受信強度が飽和している場合、少なくとも所定の部分の送信強度を下げて再送され、第2の通信装置における第1の信号の所定の部分の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、第2の通信装置が受信した第1の信号が正規の信号であるか否かが判定される。
【0047】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
また、受信強度の飽和により、第1の信号が正規の信号であるか否かが誤判定されることが防止される。
【0048】
この第1の通信装置は、例えば、車載用の通信装置により構成される。この第2の通信装置は、例えば、車両用のキーフォブにより構成される。この第1の送信部、第2の送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この第1の送信制御部、第2の送信制御部、判定部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。この第1の受信部、第2の受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。この測定部は、例えば、RSSIの測定回路、又は、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ等により構成される。
【0051】
本発明の第8の側面の通信装置は、他の通信装置と無線通信を行う通信装置であって、他の通信装置への信号を送信する送信部と、送信部を制御する送信制御部と他の通信装置からの信号を受信する受信部と、他の通信装置が受信した信号が正規の信号であるか否かを判定する判定部とを備え、送信制御部は、所定の第1の信号を送信する際に第1の信号の所定の部分を複数に分割し、分割したそれぞれの部分の送信強度を調整し、第1の信号の所定の部分全体での送信強度の大小関係が所定のパターンとなるように変化させ、
第1の信号に対する応答として他の通信装置から送信される第2の信号に含まれる第1の信号の所定の部分の受信強度の測定結果に基づいて、他の通信装置における第1の信号の所定の部分の受信強度が飽和していると判定した場合、少なくとも所定の部分の送信強度を下げて再送するように制御し、前記判定部は
、前記測定結果に基づいて、前記
他の通信装置における前記第1の信号の前記所定の部分の受信強度の大小関係の変化が前記所定のパターンと一致するか否かを判定することにより、前記
他の通信装置が受信した前記第1の信号が正規の信号であるか否かを判定する。
【0052】
本発明の第8の側面においては、所定の第1の信号を送信する際に第1の信号の所定の部分が複数に分割され、分割されたそれぞれの部分の送信強度が調整され、第1の信号の所定の部分全体での送信強度の大小関係が所定のパターンとなるように変化し、第1の信号に対する応答として他の通信装置から送信される第2の信号に含まれる第1の信号の所定の部分の受信強度の測定結果に基づいて、
他の通信装置における第1の信号の所定の部分の受信強度が飽和していると判定された場合、少なくとも所定の部分の送信強度を下げて再送され、測定結果に基づいて、他の通信装置における第1の信号の所定の部分の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かを判定することにより、
他の通信装置が受信した第1の信号が正規の信号であるか否かが判定される。
【0053】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
また、受信強度の飽和により、第1の信号が正規の信号であるか否かが誤判定されることが防止される。
【0054】
この送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この送信制御部、判定部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。この受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。
【0059】
本発明の第
9の側面の通信システムは、第1の通信装置と第2の通信装置とが無線通信を行う通信システムであって、第1の通信装置は、第2の通信装置への信号を送信する第1の送信部と、第1の送信部を制御する第1の送信制御部と、第2の通信装置からの信号を受信する第1の受信部と、第2の通信装置が受信した信号が正規の信号であるか否かを判定する判定部とを備え、第2の通信装置は、第1の通信装置からの信号を受信する第2の受信部と、第2の受信部が受信した信号の受信強度を測定する測定部と、第1の通信装置への信号を送信する第2の送信部と、第2の送信部を制御する第2の送信制御部とを備え、第1の送信制御部は、所定の第1の信号を所定の回数繰り返し送信するとともに、各第1の信号間の送信強度の大小関係を所定のパターンに従って変化させるように制御し、測定部は、所定の回数繰り返し送信される第1の信号の受信強度をそれぞれ測定し、第2の送信制御部は、第1の信号の受信強度の測定結果を含む第2の信号を第1の信号に対する応答として送信するように制御し、
第1の送信制御部は、第2の通信装置における第1の信号の受信強度が飽和している場合、送信強度を下げて第1の信号を所定の回数繰り返し再送するように制御し、判定部は、第2の通信装置における各第1の信号間の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、第2の通信装置が受信した第1の信号が正規の信号であるか否かを判定する。
【0060】
本発明の第
9の側面においては、所定の第1の信号が所定の回数繰り返し送信されるとともに、各第1の信号間の送信強度の大小関係が所定のパターンに従って変化し、所定の回数繰り返し送信される第1の信号の受信強度がそれぞれ測定され、第1の信号の受信強度の測定結果を含む第2の信号が第1の信号に対する応答として送信され、
第2の通信装置における第1の信号の受信強度が飽和している場合、送信強度を下げて第1の信号が所定の回数繰り返し再送され、第2の通信装置における各第1の信号間の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かに基づいて、第2の通信装置が受信した第1の信号が正規の信号であるか否かが判定される。
【0061】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
また、受信強度の飽和により、第1の信号が正規の信号であるか否かが誤判定されることが防止される。
【0062】
この第1の通信装置は、例えば、車載用の通信装置により構成される。この第2の通信装置は、例えば、車両用のキーフォブにより構成される。この第1の送信部、第2の送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この第1の送信制御部、第2の送信制御部、判定部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。この第1の受信部、第2の受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。この測定部は、例えば、RSSIの測定回路、又は、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ等により構成される。
【0065】
本発明の第
10の側面の通信装置は、他の通信装置と無線通信を行う通信装置であって、他の通信装置への信号を送信する送信部と、送信部を制御する送信制御部と、他の通信装置からの信号を受信する受信部と、他の通信装置が受信した信号が正規の信号であるか否かを判定する判定部とを備え、送信制御部は、所定の第1の信号を所定の回数繰り返し送信するとともに、各第1の信号間の送信強度の大小関係を所定のパターンに従って変化させるように制御し、
第1の信号に対する応答として他の通信装置から送信される第2の信号に含まれる第1の信号の受信強度の測定結果に基づいて、他の通信装置における第1の信号の受信強度が飽和していると判定した場合、送信強度を下げて第1の信号を所定の回数繰り返し再送するように制御し、測定結果に基づいて、
他の通信装置における各第1の信号間の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かを判定することにより、
他の通信装置が受信した第1の信号が正規の信号であるか否かを判定する。
【0066】
本発明の第
10の側面においては、所定の第1の信号が所定の回数繰り返し送信されるとともに、各第1の信号間の送信強度の大小関係が所定のパターンに従って変化し、所定の回数繰り返し送信される第1の信号の受信強度がそれぞれ測定され、第1の信号に対する応答として他の通信装置から送信される第2の信号に含まれる第1の信号の受信強度の測定結果に基づいて、
他の通信装置における第1の信号の受信強度が飽和していると判定された場合、送信強度を下げて第1の信号が所定の回数繰り返し再送され、測定結果に基づいて、他の通信装置における各第1の信号間の受信強度の大小関係の変化が所定のパターンと一致するか否かを判定することにより、
他の通信装置が受信した第1の信号が正規の信号であるか否かが判定される。
【0067】
従って、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
また、受信強度の飽和により、第1の信号が正規の信号であるか否かが誤判定されることが防止される。
【0068】
この送信部は、例えば、各種の送信回路又は専用のICにより構成される。この送信制御部、判定部は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU等により構成される。この受信部は、例えば、各種の受信回路又は専用のICにより構成される。
【発明の効果】
【0073】
本発明の第1の側面乃至第
10の側面によれば、リレーアタックの実施を困難にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0076】
<1.実施の形態>
[通信システム101の構成例]
図1は、本発明を適用した通信システム101の一実施の形態を示している。通信システム101は、車両102の所定の機能を実現するために用いられる。ここで、所定の機能とは、例えば、機械的な鍵を使用したり、携帯機112を操作したりしなくても、車両102のドアの開錠及び施錠を実行したり(自動エントリ機能)、車両102のボタン等を操作するだけでエンジンやモータ等の駆動機関を始動できるようにしたり(以下、プッシュスタート機能と称する)、ウェルカムランプを点灯したり(以下、ウェルカムランプ点灯機能と称する)する機能等である。なお、ウェルカムランプとは、車内やドアミラーの付近等に設けられ、周囲が暗い場合に車両102や周囲の状況を確認する等の目的で点灯するランプである。
【0077】
また、後述するように、通信システム101は、中継器104を用いたリレーアタックを防止するための対策が施されている。
【0078】
通信システム101は、車両102に設けられる車載通信装置111、及び、ユーザが所持する携帯機112を含むように構成される。車載通信装置111と携帯機112は、双方向の無線通信を行う。
【0079】
車載通信装置111は、アンテナ121、受信部122、制御部123、送信部124、及び、アンテナ125を含むように構成される。
【0080】
受信部122は、例えば、各種の受信回路、又は、専用のICにより構成される。受信部122は、制御部123の受信制御部131の制御の下に、アンテナ121を介して、UHF帯の信号(以下、RF信号と称する)を携帯機112から受信し、受信したRF信号を復調する。また、受信部122は、RF信号の復調により得られたベースバンド信号を受信制御部131に供給する。さらに、受信部122は、復調前のRF信号を測定部132に供給する。
【0081】
制御部123は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ、又は、ECU(Electronic Control Unit)等により構成される。制御部123は、受信制御部131、測定部132、判定部133、信号処理部134、送信制御部135、及び、車両制御部136を含むように構成される。
【0082】
受信制御部131は、受信部122の制御を行う。また、受信制御部131は、受信部122から供給されるベースバンド信号を、判定部133及び信号処理部134に供給する。
【0083】
測定部132は、携帯機112から受信したRF信号の強度を測定し、測定結果を判定部133に通知する。
【0084】
判定部133は、RF信号の受信強度の測定結果、及び、RF信号の内容に基づいて、受信したRF信号が正規の信号であるか否かを判定し、判定結果を信号処理部134に通知する。また、判定部133は、後述するように、携帯機112が受信した車載通信装置111からのLF信号が正規の信号であるか否かを判定することも可能である。
【0085】
信号処理部134は、受信制御部131から供給されるベースバンド信号に対する各種の信号処理(例えば、信号の解析や解析結果に基づく処理等)を行う。また、信号処理部134は、判定部133による判定結果に基づいて、信号処理の実施の有無や信号処理の内容を切り替える。さらに、信号処理部134は、必要に応じて、信号処理の結果を送信制御部135及び車両制御部136に通知する。また、信号処理部134は、信号処理の結果や、車両制御部136からの指令等に基づいて、携帯機112に送信する信号(ベースバンド信号)を生成し、送信制御部135に供給する。
【0086】
送信制御部135は、信号処理部134から供給されるベースバンド信号を、送信部124に供給する。また、送信制御部135は、送信部124の制御を行う。
【0087】
車両制御部136は、車両102に設けられている他の装置(例えば、ECU等)と通信を行い、各種の情報の送受信を行ったり、指令を与えたり、指令を受けたりする。また、車両制御部136は、車両102に設けられている操作部103からの指令を受ける。
【0088】
なお、操作部103には、例えば、自動エントリ機能を実施するための車両102のドア付近のボタンや、プッシュスタート機能を実施するための車両102内のボタン等が含まれる。
【0089】
送信部124は、例えば、各種の送信回路、又は、専用のIC等により構成される。送信部124は、送信制御部135の制御の下に、送信制御部135から供給されるベースバンド信号をLF帯の搬送波により変調する。また、送信部124は、送信制御部135の制御の下に、変調後の信号(以下、LF信号と称する)を、アンテナ125を介して、携帯機112に送信する。
【0090】
なお、送信部124の変調方式としては、例えば、ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式、FSK(Frequency Shift Keying)変調方式、PSK(Phase Shift Keying)変調方式等を採用することが可能である。なお、以下、送信部124の変調方式として、ASK変調方式を採用した場合について説明する。
【0091】
携帯機112は、例えば、車両102を利用するユーザが所持するキーフォブにより構成される。携帯機112は、アンテナ141、受信部142、操作部143、制御部144、送信部145、及び、アンテナ146を含むように構成される。
【0092】
受信部142は、例えば、各種の受信回路、又は、専用のIC等により構成される。受信部142は、制御部144の受信制御部151の制御の下に、アンテナ141を介して、車載通信装置111からLF信号を受信し、受信したLF信号を復調する。また、受信部122は、LF信号の復調により得られたベースバンド信号を受信制御部151に供給する。さらに、受信部142は、復調前のLF信号を測定部152に供給する。
【0093】
操作部143は、例えば、ボタンやスイッチ等により構成され、車両102の所定の操作を行うときに操作される。操作部143は、操作内容を示す信号を制御部144の信号処理部154に供給する。
【0094】
制御部144は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるマイクロコンピュータ等により構成される。制御部144は、受信制御部151、測定部152、判定部153、信号処理部154、及び、送信制御部155を含むように構成される。
【0095】
受信制御部151は、受信部142の制御を行う。また、受信制御部151は、受信部142から供給されるベースバンド信号を、判定部153及び信号処理部154に供給する。
【0096】
測定部152は、車載通信装置111から受信したLF信号の強度を測定し、測定結果を判定部153に通知する。
【0097】
判定部153は、LF信号の受信強度の測定結果、及び、LF信号の内容に基づいて、受信したLF信号が正規の信号であるか否かを判定し、判定結果を信号処理部154に通知する。
【0098】
信号処理部154は、受信制御部151から供給されるベースバンド信号に対する各種の信号処理(例えば、信号の解析や解析結果に基づく処理等)を行う。また、信号処理部154は、判定部153による判定結果に基づいて、信号処理の実施の有無や信号処理の内容を切り替える。さらに、信号処理部154は、信号処理の結果や、操作部143からの操作信号等に基づいて、車載通信装置111に送信する信号(ベースバンド信号)を生成し、送信制御部155に供給する。
【0099】
送信制御部155は、信号処理部154から供給されるベースバンド信号を、送信部124に供給する。また、送信制御部155は、送信部145の制御を行う。
【0100】
送信部145は、例えば、各種の送信回路、又は、専用のIC等により構成される。送信部145は、送信制御部155の制御の下に、送信制御部155から供給されるベースバンド信号をUHF帯の搬送波により変調する。また、送信部145は、送信制御部155の制御の下に、変調後の信号(以下、RF信号と称する)を、アンテナ146を介して、車載通信装置111に送信する。
【0101】
なお、送信部145の変調方式としては、例えば、ASK変調方式、FSK変調方式、PSK変調方式等を採用することが可能である。なお、以下、送信部145の変調方式として、FSK変調方式を採用した場合について説明する。
【0102】
[通信システム101の処理]
次に、通信システム101の処理について説明する。具体的には、車載通信装置111が認証要求信号を送信し、認証要求信号を受信した携帯機112が応答信号を送信し、応答信号を受信した車載通信装置111が、自動エントリ機能、プッシュスタート機能、ウェルカムランプ点灯機能等の処理を実行させる場合の処理について説明する。
【0103】
[認証要求信号の送受信処理]
まず、
図2乃至
図12を参照して、車載通信装置111から認証要求信号を送信し、携帯機112が受信するまでの処理について説明する。
【0104】
(車載通信装置111の認証要求信号送信処理の第1の実施の形態)
まず、
図2のフローチャートを参照して、車載通信装置111により実行される認証要求信号送信処理の第1の実施の形態について説明する。
【0105】
なお、この処理は、例えば、車両102の操作部103に対して所定の操作(例えば、車両102のドアに設けられているボタン等を操作する等)が行われた場合、又は、定期的に実行される。
【0106】
ステップS1において、車載通信装置111は、認証要求信号の情報信号を送信強度SA0で送信する。
【0107】
ここで、
図3を参照して、認証要求信号の構成例について説明する。
【0108】
認証要求信号は、実際の処理に必要な情報を含む情報信号と、携帯機112において受信強度を測定するための測定用信号の2つのブロックに大きく分かれる。さらに、情報信号は、プリアンブル、ヘッダ及びデータ部の3つのブロックに分かれる。
【0109】
プリアンブルは、例えば、車載通信装置111と携帯機112との間の同期をとるための、所定の値の同期コードを含むブロックである。
【0110】
ヘッダは、信号の種類、長さ等の認証要求信号に関するデータを含むブロックである。
【0111】
データ部は、携帯機112の処理に必要なデータを含むブロックである。例えば、データ部は、車載通信装置111を識別するためのID等の認証情報等を含む。
【0112】
測定用信号は、例えば、CW(Continuous Wave)の信号であり、測定部MA1乃至MAnのn個のブロックに分割される。なお、nは3以上の値に設定することが望ましい。
【0113】
後述するように、情報信号(プリアンブル、ヘッダ及びデータ部)は、送信強度SA0で送信される。また、測定部MA1乃至MAnは、それぞれ送信強度SA1乃至SAnで送信される。すなわち、測定用信号は、測定部単位で送信強度が変化する。
【0114】
なお、送信強度SA0は、認証要求信号の標準的な送信強度に設定される。また、送信強度SA1乃至SAnは、必ずしも全て異なる値に設定する必要はなく、複数の送信強度が同じ値に設定されていてもよい。ただし、隣接する測定部の送信強度は、異なる値に設定される。
【0115】
そして、信号処理部134は、認証要求信号を生成し、送信制御部135を介して送信部124に供給する。送信部124は、送信制御部135の制御の下に、認証要求信号の情報信号をASK変調し、変調後の情報信号を送信強度SA0でアンテナ125を介して送信する。
【0116】
ステップS2において、送信制御部135は、変数iの値を1に設定する。
【0117】
ステップS3において、送信部124は、送信制御部135の制御の下に、アンテナ125を介して、認証要求信号の測定用信号の測定部MAiを送信強度SAiで送信する。
【0118】
ステップS4において、送信制御部135は、携帯機112の受信強度が飽和しているか否かを判定する。具体的には、携帯機112は、車載通信装置111からの認証要求信号の受信強度が飽和している場合、後述する
図7のステップS111又は
図8のステップS161において、受信強度の飽和を通知するための受信強度飽和通知信号を送信する。受信部122は、携帯機112から送信されてきた受信強度飽和通知信号を、アンテナ121を介して受信した場合、その受信強度飽和通知信号を、受信制御部131を介して信号処理部134に供給する。そして、信号処理部134は、受信強度飽和通知信号を受信した旨を送信制御部135に通知する。
【0119】
ここで、送信制御部135は、受信強度飽和通知信号を受信した旨の通知を信号処理部134から受けていない場合、携帯機112の受信強度が飽和していないと判定し、処理はステップS5に進む。
【0120】
ステップS5において、送信制御部135は、変数iの値を1つインクリメントする。
【0121】
ステップS6において、送信制御部135は、変数i>定数nであるか否かを判定する。変数i≦定数nであると判定された場合、処理はステップS3に戻る。
【0122】
その後、ステップS4において、携帯機112の受信強度が飽和していると判定されるか、ステップS6において、変数i>定数nであると判定されるまで、ステップS3乃至S6の処理が繰り返し実行される。これにより、認証要求信号の測定部MA1乃至MAnが、それぞれ送信強度SA1乃至SAnで送信される。
【0123】
なお、送信強度SA1乃至SAnは所定のパターンに従って設定される。そして、後述するように、携帯機112において、測定部MA1乃至MAnの受信強度のパターンが、送信強度のパターンと一致するか否かに基づいて、受信した認証要求信号が正規の信号であるか否かが判定される。
【0124】
ここで、送信強度SA1乃至SAnのパターンの例について説明する。
【0125】
例えば、第1の例として、認証要求信号の測定用信号の各測定部間の送信強度の大小関係の変化が所定のパターンになるように送信強度SA1乃至SAnを設定することが考えられる。換言すれば、認証要求信号の測定用信号の各測定部の送信強度を調整し、測定用信号全体での送信強度の大小関係が所定のパターンとなるように送信強度SA1乃至SAnを変化させることが考えられる。
図4及び
図5は、この場合の送信強度SA1乃至SA5の大小関係の変化のパターンの例を示している。
【0126】
すなわち、
図4の例では、送信強度SA2が1つ前の送信強度SA1より小さくなり、送信強度SA3が1つ前の送信強度SA2より大きくなり、送信強度SA4が1つ前の送信強度SA3より小さくなり、送信強度SA5が1つ前の送信強度SA4より小さくなるように設定される。この場合、送信強度のパターンは「小、大、小、大」というパターンと認識される。また、
図5の例では、送信強度SA2が1つ前の送信強度SA1より小さくなり、送信強度SA3が1つ前の送信強度SA2より大きくなり、送信強度SA4が1つ前の送信強度SA3より大きくなり、送信強度SA5が1つ前の送信強度SA4より小さくなるように設定される。この場合、送信強度のパターンは「小、大、大、小」というパターンと認識される。
【0127】
この第1の例では、送信強度の大小関係の変化のパターンが、所定のパターンに従っていれば、送信強度の値自身はあまり重要ではない。例えば、
図4では、送信強度SA1、SA3及びSA5が同じ値に設定され、送信強度SA2及びSA4が同じ値に設定されている例が示されているが、隣接する(前後の)測定部の送信強度の大小関係が正しければ、必ずしも同じ値に設定する必要はない。具体的には、例えば、送信強度SA3を、送信強度SA2及び送信強度SA4より大きく、送信強度SA1及び送信強度SA5より小さい値に設定することが可能である。
【0128】
なお、以上の説明では、1つ前の測定部の送信強度を基準にして、送信強度の大小関係の変化のパターンを定義する例を示したが、基準値を1つに定めて、送信強度の大小関係の変化のパターンを定義するようにしてもよい。例えば、先頭の測定部MA1の送信強度SA1を基準値に設定し、測定部MA2以降の送信強度が送信強度SA1より大きいか小さいかに基づいて、送信強度の大小関係の変化のパターンを定義することが可能である。
【0129】
また、第2の例として、認証要求信号の測定用信号の各測定部間の大小関係の変化だけでなく、その変化量も所定のパターンになるように、送信強度SA1乃至SAnを設定することが考えられる。例えば、
図4の例において、隣接する測定部の送信強度の大小関係に加えて、送信強度の変化量まで定めるようにすることが可能である。すなわち、送信強度SA2を1つ前の送信強度SA1に対して所定の変化量ΔSA1だけ小さくし、送信強度SA3を1つ前の送信強度SA2に対して所定の変化量ΔSA2だけ大きくするように設定することが可能である。
【0130】
なお、この第2の例においても、基準値を1つに定めて、送信強度の大小関係の変化及び変化量のパターンを定義するようにしてもよい。例えば、先頭の測定部MA1の送信強度SA1を基準値に設定し、測定部MA2以降の送信強度が送信強度SA1よりどれだけ大きいか又は小さいかに基づいて、送信強度の大小関係の変化及び変化量のパターンを定義することが可能である。
【0131】
さらに、第3の例として、認証要求信号の測定用信号の各測定部の送信強度の大小の順番が所定のパターンになるように、送信強度SA1乃至SAnを設定することが考えられる。例えば、
図6に示されるように、大きい方からSA4、SA3、SA1、SA2、SA5の順になるように、測定部MA1乃至MA5の送信強度SA1乃至SA5を設定することが可能である。
【0132】
図2に戻り、一方、ステップS6において、変数i>定数nと判定された場合、すなわち、認証要求信号の測定部MA1乃至MAnの送信が全て終了した場合、認証要求信号送信処理は終了する。
【0133】
また、ステップS4において、送信制御部135は、受信強度飽和通知信号を受信した旨を信号処理部134から通知された場合、携帯機112の受信強度が飽和していると判定し、処理はステップS7に進む。
【0134】
ステップS7において、送信制御部135は、送信強度を全体的に下げる。例えば、送信制御部135は、送信強度SA0乃至SAnを、現在の値から所定の値だけ一律に下げた値に設定する。
【0135】
なお、送信強度の下げ幅は、予め設定された固定値としてもよいし、携帯機112の受信強度に応じた変動値としてもよい。なお、変動値とする場合、例えば、携帯機112から送信される受信強度飽和通知信号に受信強度の測定結果を含ませるようにすればよい。
【0136】
その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が実行される。すなわち、送信強度を下げて認証要求信号が再送される。
【0137】
(携帯機112の認証要求信号受信処理の第1の実施の形態)
次に、
図7のフローチャートを参照して、
図2の車載通信装置111の認証要求信号送信処理に対応して携帯機112により実行される認証要求信号受信処理の第1の実施の形態について説明する。この第1の実施の形態では、携帯機112が認証要求信号の測定部MAiを受信する度に、その受信強度RAiの判定が行われる。
【0138】
ステップS101において、携帯機112は、認証要求信号の情報信号を受信する。具体的には、受信部142は、
図2のステップS1の処理で車載通信装置111から送信された認証要求信号の情報信号を、アンテナ141を介して受信し、受信した認証要求信号を復調する。また、受信部142は、復調した認証要求信号を、受信制御部151を介して信号処理部154に供給する。
【0139】
ステップS102において、信号処理部154は、信号の内容が正常であるか否かを判定する。例えば、信号処理部154は、受信した認証要求信号の情報信号に含まれる車載通信装置111の認証情報が正規のものであり、かつ、他の情報の形式や内容等が正常である場合、信号の内容が正常であると判定し、処理はステップS103に進む。
【0140】
ステップS103において、受信制御部151は、変数iの値を1に設定する。
【0141】
ステップS104において、携帯機112は、受信強度RAiを測定する。具体的には、受信部142は、
図2のステップS3の処理で車載通信装置111から送信された認証要求信号の測定部MAiを、アンテナ141を介して受信し、測定部152に供給する。測定部152は、測定部MAiのRSSI(Received Signal Strength Indication)を測定し、測定結果を判定部153に通知する。判定部153は、通知された測定結果を受信強度RAiとして記憶する。
【0142】
ステップS105において、判定部153は、受信強度RAiが飽和しているか否かを判定する。判定部153は、受信強度RAiが所定の閾値未満である場合、受信強度RAiが飽和していないと判定し、処理はステップS106に進む。
【0143】
ステップS106において、判定部153は、受信強度RAiが正常であるか否かを判定する。すなわち、判定部153は、測定部MAiの受信強度RAiが、送信強度のパターンに適合するか否かにより、受信強度RAiが正常であるか否かを判定する。
【0144】
例えば、上述した第1の例のように、送信強度の大小関係の変化が所定のパターンになるように、送信強度SA1乃至SAnが設定されている場合について考える。例えば、送信強度SAiが1つ前の送信強度SA(i−1)より大きくなるように設定されている場合、判定部153は、受信強度RAi>受信強度RA(i−1)+TH1であるとき、受信強度RAiが、送信強度のパターンに適合し、正常であると判定する。なお、受信強度RA(i−1)は、受信強度RAiの1つ前の受信強度であり、TH1は所定の閾値である。
【0145】
一方、判定部153は、受信強度RAi≦受信強度RA(i−1)+TH1であるとき、受信強度RAiが送信強度のパターンに適合せず、異常であると判定する。
【0146】
なお、送信強度の大小関係が所定の1つの基準値に基づいて定義されている場合、例えば、上記の判定式において、送信側の基準値(例えば、送信強度SA1)に対応する受信側の基準値(例えば、受信強度RA1)が、受信強度RA(i−1)の代わりに用いられる。
【0147】
また、例えば、上述した第2の例のように、送信強度の大小関係の変化及び変化量が所定のパターンになるように、送信強度SA1乃至SAnが設定されている場合について考える。例えば、送信強度SAiが1つ前の送信強度SA(i−1)よりΔSAだけ大きくなるように設定されている場合、判定部153は、受信強度RAi>受信強度RA(i−1)、かつ、|ΔSA−ΔRA|≦TH2であるとき、受信強度RAiが、送信強度のパターンに適合し、正常であると判定する。なお、ΔRA=RAi−RA(i−1)であり、TH2は所定の閾値である。すなわち、受信強度RAiと受信強度RA(i−1)の間の変化量ΔRAが、送信強度SAiと送信強度SA(i−1)の間の変化量ΔSAとほぼ等しいとき、受信強度RAiが正常であると判定される。
【0148】
一方、判定部153は、受信強度RAi≦受信強度RA(i−1)、又は、|ΔSA−ΔRA|>TH2であるとき、受信強度RAiが送信強度のパターンに適合せず、異常であると判定する。
【0149】
なお、送信強度の大小関係及び変化量が所定の1つの基準値に基づいて定義されている場合、例えば、上記の判定式において、送信側の基準値(例えば、送信強度SA1)に対応する受信側の基準値(例えば、受信強度RA1)が、受信強度RA(i−1)の代わりに用いられる。
【0150】
なお、上述した第3の例のように、送信強度の大小の順番が所定のパターンになるように、送信強度SA1乃至SAnが設定されている場合には、この処理ではなく、後述する
図8の認証要求信号受信処理により、受信強度の判定が行われる。
【0151】
そして、受信強度RAiが正常であると判定された場合、処理はステップS107に進む。
【0152】
なお、判断基準となる送信強度SA1乃至SAnのパターンを、予め携帯機112に記憶させておくようにしてもよいし、或いは、車載通信装置111から通知するようにしてもよい。後者の場合、例えば、送信強度SA1乃至SAnの設定パターンの情報を認証要求信号の情報信号の内容に含めて、車載通信装置111から携帯機112に通知することが可能である。そして、送信強度SA1乃至SAnのパターンを通知するようにすることにより、通信毎に送信強度SA1乃至SAnのパターンを変化させることができ、よりリレーアタックの実施を困難にすることができる。
【0153】
ステップS107において、受信制御部151は、変数iの値を1つインクリメントする。
【0154】
ステップS108において、受信制御部151は、変数i>定数nであるか否かを判定する。変数i≦定数nであると判定された場合、処理はステップS104に戻る。
【0155】
その後、ステップS105において、受信強度RAiが飽和していると判定されるか、ステップS106において、受信強度RAiが異常であると判定されるか、ステップS108において、変数i>定数nであると判定されるまで、ステップS104乃至S108の処理が繰り返し実行される。
【0156】
これにより、認証要求信号の測定部MA1乃至MAnが受信され、測定部MA1乃至MAnの受信強度RA1乃至RAnの測定及び判定が行われる。そして、上述した受信強度RA1乃至RAnの判定処理を1つずつ順番に行うことにより、受信強度RA1乃至RAnのパターンが送信強度SA1乃至SAnのパターンと一致するか否かが判定される。
【0157】
一方、ステップS108において、変数i>定数nであると判定された場合、処理はステップS109に進む。
【0158】
ステップS109において、判定部153は、正規の認証要求信号を受信したと判定する。すなわち、判定部153は、情報信号の内容が正常であり、かつ、受信強度RA1乃至RAnのパターンが送信強度SA1乃至SAnのパターンと一致することにより、正規の認証要求信号を受信したと判定する。判定部153は、正規の認証要求信号を受信した旨を信号処理部154に通知する。
【0159】
ステップS110において、携帯機112は、応答信号送信処理を実行する。応答信号送信処理の詳細については、
図13及び
図17のフローチャートを参照して後述するが、この処理により、携帯機112から車載通信装置111に応答信号が送信される。そして、車載通信装置111が正規の応答信号を受信した場合、車両102の所定の処理(例えば、自動エントリ機能、プッシュスタート機能、ウェルカムランプ点灯機能等の処理)が実行される。
【0160】
その後、認証要求信号受信処理は終了する。
【0161】
一方、ステップS106において、受信強度RAiが異常であると判定された場合、ステップS107乃至S110の処理はスキップされ、応答信号送信処理は実行されずに、認証要求信号受信処理は終了する。
【0162】
また、ステップS105において、受信強度RAiが飽和していると判定された場合、処理はステップS111に進む。
【0163】
ステップS111において、携帯機112は、受信強度の飽和を通知する。具体的には、判定部153は、受信強度RAiが飽和していることを信号処理部154に通知する。信号処理部154は、受信強度飽和通知信号を生成し、送信制御部155を介して、送信部145に供給する。なお、上述したように、受信強度飽和通知信号に、受信強度の測定結果を含ませるようにしてもよい。送信部145は、送信制御部155の制御の下に、受信強度飽和通知信号をFSK変調し、変調後の受信強度飽和通知信号を、アンテナ146を介して送信する。
【0164】
その後、処理はステップS101に戻り、ステップS101以降の処理が実行される。すなわち、車載通信装置111から送信強度を下げて送信されてくる認証要求信号の再受信が行われる。
【0165】
一方、ステップS102において、信号処理部154は、例えば、受信した認証要求信号の情報信号に含まれる車載通信装置111の認証情報が正規のものでなかったり、又は、他の情報の形式や内容等が異常である場合、信号の内容が異常であると判定する。その後、ステップS103乃至S110の処理はスキップされ、応答信号送信処理は実行されずに、認証要求信号受信処理は終了する。
【0166】
以上のように、認証要求信号の内容が異常である場合に加えて、認証要求信号の測定部MA1乃至MAnの受信強度RA1乃至RAnのパターンが、送信強度SA1乃至SAnのパターンと一致しない場合にも、携帯機112から応答信号が送信されなくなる。一方、中継器104において、認証要求信号の測定部MA1乃至MAnの送信強度の変化を迅速かつ正確に再現して転送することは困難である。従って、リレーアタックの実施が困難になる。
【0167】
また、受信強度が飽和している場合に、送信強度を下げて認証要求信号が再送される。従って、例えば、車両102と携帯機112の距離が近く、受信強度が強い場合に、受信強度の飽和により認証要求信号が異常であると誤判定されることを防止することができる。
【0168】
さらに、上述した
図4及び
図5に示されるように、送信強度の大小関係の変化が所定のパターンになるように送信強度SA1乃至SAnが設定されている場合、受信強度間の大小関係のみを判定できれば、厳密な受信強度の値の判定は不要となる。従って、例えば、ノイズ等による受信強度の変動により、受信強度RA1乃至RAnのパターンが誤検出されることを抑制することができる。
【0169】
(携帯機112の認証要求信号受信処理の第2の実施の形態)
次に、
図8のフローチャートを参照して、
図2の車載通信装置111の認証要求信号送信処理に対応して携帯機112により実行される認証要求信号受信処理の第2の実施の形態について説明する。
【0170】
図8のフローチャートを
図7のフローチャートと比較すると、受信強度の判定処理の位置のみが異なり、他の処理は同様である。すなわち、
図7のフローチャートでは、認証要求信号の測定部MAiを受信する毎に、ステップS106において、測定部MAiの受信強度RAiの判定が行われる。これに対し、
図8のフローチャートでは、測定部MA1乃至MAnを全て受信した後、ステップS158において、測定部MA1乃至MAnの受信強度RA1乃至RAnが全体として正常であるか否かが判定される。
【0171】
例えば、
図6に示されるように、送信強度SA1乃至SAnの大小の順番が所定のパターンに設定されている場合、全ての測定部MA1乃至MAnの受信強度RA1乃至RAnを測定してからでないと、受信強度RA1乃至RAnが所定のパターンに適合するか否かを判定できない。この場合、
図8のフローチャートの処理により、受信強度RA1乃至RAnの判定が可能になる。
【0172】
なお、送信強度SA1乃至SAnの大小関係の変化が所定のパターンに設定されていたり、送信強度SA1乃至SAnの大小関係の変化及び変化量が所定のパターンに設定されていたりする場合も、
図8のフローチャートの処理を適用することが可能である。
【0173】
そして、ステップS158において、受信強度が正常であると判定された場合、処理はステップS159に進む。そして、ステップS159において、
図7のステップS109の処理と同様に、正規の認証要求信号を受信したと判定され、ステップS160において、
図7のステップS110の処理と同様に、応答信号送信処理が実行され、認証要求信号受信処理は終了する。一方、ステップS158において、受信強度が異常であると判定された場合、ステップS159及びS160の処理はスキップされ、応答信号送信処理は実行されずに、認証要求信号受信処理は終了する。
【0174】
(車載通信装置111の認証要求信号送信処理の第2の実施の形態)
次に、
図9のフローチャートを参照して、車載通信装置111により実行される認証要求信号送信処理の第2の実施の形態について説明する。この実施の形態では、認証要求信号の測定用信号の送信強度を変化させる代わりに、認証要求信号が所定の回数送信されるとともに、各認証要求信号の送信強度を所定のパターンに従って変化させる。
【0175】
なお、この処理は、例えば、車両102の操作部103に対して所定の操作(例えば、車両102のドアに設けられているボタン等を操作する等)が行われた場合、又は、定期的に実行される。
【0176】
ステップS201において、
図2のステップS2の処理と同様に、変数iの値が1に設定される。
【0177】
ステップS202において、車載通信装置111は、認証要求信号を送信強度SAiで送信する。具体的には、信号処理部134は、認証要求信号を生成し、送信制御部135を介して送信部124に供給する。送信部124は、送信制御部135の制御の下に、認証要求信号をASK変調し、変調後の認証要求信号を送信強度SAiでアンテナ125を介して送信する。なお、このとき、認証要求信号に測定用信号(
図3)を必ずしも付加する必要はない。
【0178】
ステップS203において、
図2のステップS4の処理と同様に、携帯機112の受信強度が飽和しているか否かが判定される。携帯機112の受信強度が飽和していないと判定された場合、処理はステップS204に進む。
【0179】
ステップS204において、
図2のステップS5の処理と同様に、変数iの値が1つインクリメントされる。
【0180】
ステップS205において、
図2のステップS6の処理と同様に、変数i>定数nであるか否かが判定される。変数i≦定数nであると判定された場合、処理はステップS202に戻る。
【0181】
その後、ステップS203において、携帯機112の受信強度が飽和していると判定されるか、ステップS205において、変数i>定数nであると判定されるまで、ステップS202乃至S205の処理が繰り返し実行される。これにより、
図10に示されるように、認証要求信号が送信強度SA1乃至SAnでn回繰り返し送信される。
【0182】
なお、認証要求信号の送信強度のパターンには、上述した認証要求信号の測定用信号の測定部の送信強度と同様のパターンを採用することができる。
【0183】
一方、ステップS205において、変数i>定数nと判定された場合、すなわち、認証要求信号がn回送信された場合、認証要求信号送信処理は終了する。
【0184】
また、ステップS203において、携帯機112の受信強度が飽和していると判定された場合、処理はステップS206に進む。
【0185】
ステップS206において、送信制御部135は、送信強度を全体的に下げる。具体的には、送信制御部135は、
図2のステップS7の処理と同様に、送信強度SA1乃至SAnを、現在の値から所定の値だけ一律に下げた値に設定する。
【0186】
その後、処理はステップS201に戻り、ステップS201以降の処理が実行される。すなわち、認証要求信号のn回分の送信が、送信強度を下げて最初からやり直される。
【0187】
(携帯機112の認証要求信号受信処理の第3の実施の形態)
次に、
図11のフローチャートを参照して、
図9の車載通信装置111の認証要求信号送信処理に対応して携帯機112により実行される認証要求信号受信処理の第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態では、携帯機112が認証要求信号を1回受信する度に、認証要求信号の受信強度RAiの判定が行われる。
【0188】
ステップS301において、
図7のステップS103の処理と同様に、変数iの値が1に設定される。
【0189】
ステップS302において、携帯機112は、認証要求信号を受信するとともに、受信強度RAiを測定する。具体的には、受信部142は、
図9のステップS202の処理で車載通信装置111から送信された認証要求信号を、アンテナ141を介して受信し、受信した認証要求信号を復調する。また、受信部142は、復調した認証要求信号を、受信制御部151を介して信号処理部154に供給する。
【0190】
さらに、受信部142は、復調前の認証要求信号を測定部152に供給する。測定部152は、認証要求信号のRSSIを測定し、測定結果を判定部153に通知する。判定部153は、通知された測定結果を受信強度RAiとして記憶する。
【0191】
ステップS303において、
図7のステップS105の処理と同様に、受信強度RAiが飽和しているか否かが判定される。受信強度RAiが飽和していないと判定された場合、処理はステップS304に進む。
【0192】
ステップS304において、
図7のステップS102の処理と同様に、信号の内容が正常であるか否かが判定される。信号の内容が正常であると判定された場合、処理はステップS305に進む。
【0193】
ステップS305において、
図7のステップS106の処理と同様に、受信強度RAiが正常であるか否かが判定される。受信強度RAiが正常であると判定された場合、処理はステップS306に進む。
【0194】
なお、
図7を参照して上述した認証要求信号受信処理の第1の実施の形態と同様に、判断基準となる送信強度SA1乃至SAnのパターンを、予め携帯機112に記憶させておくようにしてもよいし、或いは、車載通信装置111から通知するようにしてもよい。後者の場合、例えば、送信強度SA1乃至SAnの設定パターンの情報を認証要求信号の内容に含めて、車載通信装置111から携帯機112に通知することが可能である。このとき、送信強度SA1乃至SAnの設定パターンの情報をn回送信する認証要求信号のうちのいずれかに含めるようにしてもよいし、全ての認証要求信号に含めるようにしてもよい。
【0195】
ステップS306において、
図7のステップS107の処理と同様に、変数iの値が1つインクリメントされる。
【0196】
ステップS307において、
図7のステップS108の処理と同様に、変数i>定数nであるか否かが判定される。変数i≦定数nであると判定された場合、処理はステップS302に戻る。
【0197】
その後、ステップS303において、受信強度RAiが飽和していると判定されるか、ステップS304において、信号の内容が異常であると判定されるか、ステップS305において、受信強度RAiが異常であると判定されるか、ステップS307において、変数i>定数nであると判定されるまで、ステップS302乃至S307の処理が繰り返し実行される。これにより、認証要求信号がn回受信され、各認証要求信号の受信強度の測定及び判定が行われる。
【0198】
一方、ステップS307において、変数i>定数nであると判定された場合、処理はステップS308に進む。
【0199】
ステップS308において、判定部153は、正規の認証要求信号を受信したと判定する。すなわち、判定部153は、認証要求信号の内容が正常であり、かつ、受信強度RA1乃至RAnのパターンが送信強度SA1乃至SAnのパターンと一致することにより、正規の認証要求信号を受信したと判定する。判定部153は、正規の認証要求信号を受信した旨を信号処理部154に通知する。
【0200】
ステップS309において、
図7のステップS110の処理と同様に、応答信号送信処理が実行され、認証要求信号受信処理は終了する。
【0201】
一方、ステップS305において、受信強度RAiが異常であると判定された場合、ステップS306乃至S309の処理はスキップされ、応答信号送信処理は実行されずに、認証要求信号受信処理は終了する。
【0202】
また、ステップS304において、信号の内容が異常であると判定された場合、ステップS305乃至S309の処理はスキップされ、応答信号送信処理は実行されずに、認証要求信号受信処理は終了する。
【0203】
さらに、ステップS303において、受信強度RAiが飽和していると判定された場合、処理はステップS310に進む。
【0204】
ステップS310において、
図7のステップS111の処理と同様に、車載通信装置111に受信強度の飽和が通知される。
【0205】
その後、処理はステップS301に戻り、ステップS301以降の処理が実行される。すなわち、車載通信装置111から送信強度を下げてn回送信されてくる認証要求信号の再受信が行われる。
【0206】
以上のように、車載通信装置111から認証要求信号を所定の送信強度のパターンでn回送信し、携帯機112において受信強度を判定するようにした場合においても、車載通信装置111から認証要求信号の測定用信号を所定の送信強度のパターンで送信し、携帯機112において受信強度を判定するようにした場合と同様の効果を得ることができる。
【0207】
(携帯機112の認証要求信号受信処理の第4の実施の形態)
次に、
図12のフローチャートを参照して、
図9の車載通信装置111の認証要求信号送信処理に対応して携帯機112により実行される認証要求信号受信処理の第4の実施の形態について説明する。
【0208】
図12のフローチャートを
図11のフローチャートと比較すると、受信強度の判定処理の位置のみが異なり、他の処理は同様である。すなわち、
図11のフローチャートでは、認証要求信号を受信する毎に、ステップS305において、認証要求信号の受信強度RAiが正常であるか否かが判定される。これに対し、
図12のフローチャートでは、
図8のフローチャートを参照して上述した認証要求信号受信処理の第2の実施の形態と同様に、認証要求信号をn回受信した後、ステップS357において、n回分の認証要求信号の受信強度RA1乃至RAnが全体として正常であるか否かが判定される。
【0209】
そして、ステップS357において、受信強度が正常であると判定された場合、処理はステップS358に進む。そして、ステップS358において、
図11のステップS308の処理と同様に、正規の認証要求信号を受信したと判定され、ステップS359において、
図7のステップS110の処理と同様に、応答信号送信処理が実行され、認証要求信号受信処理は終了する。一方、ステップS358において、受信強度が異常であると判定された場合、ステップS358及びS359の処理はスキップされ、応答信号送信処理は実行されずに、認証要求信号受信処理は終了する。
【0210】
[応答信号の送受信処理]
次に、
図13乃至
図20を参照して、認証要求信号を受信した携帯機112が、応答信号を送信し、車載通信装置111が受信し、受信した応答信号に対応した処理を行うまでの処理について説明する。
【0211】
(車載通信装置111の応答信号送信処理の第1の実施の形態)
まず、
図13のフローチャートを参照して、
図7のステップS110、
図8のステップS160、
図11のステップS309、又は、
図12のステップS359において実行される応答信号送信処理の第1の実施の形態について説明する。
【0212】
ステップS401において、携帯機112は、応答信号の情報信号を送信強度SB0で送信する。
【0213】
ここで、
図14を参照して、応答信号の構成例について説明する。
【0214】
応答信号は、実際の処理に必要なデータを含む情報信号と、車載通信装置111において受信強度を測定するための測定用信号の2つのブロックに大きく分かれる。さらに、情報信号は、プリアンブル、ヘッダ及びデータ部の3つのブロックに分かれる。
【0215】
プリアンブルは、例えば、車載通信装置111と携帯機112との間の同期をとるための、所定の値の同期コードを含むブロックである。
【0216】
ヘッダは、信号の種類、長さ等の応答信号に関するデータを含むブロックである。
【0217】
データ部は、車載通信装置111の処理に必要なデータを含むブロックである。例えば、データ部は、携帯機112を識別するためのID等の認証情報、車両102に対して所定の処理の実行を指令するためのコマンド等を含む。
【0218】
測定用信号は、例えば、CW(Continuous Wave)の信号であり、測定部MB1乃至MBmのm個のブロックに分割される。なお、mは3以上の値に設定することが望ましい。
【0219】
後述するように、情報信号(プリアンブル、ヘッダ及びデータ部)は、送信強度SB0で送信される。また、測定部MB1乃至MBmは、認証要求信号の測定部MA1乃至MAnと同様の方法により送信強度SB1乃至SBmが設定される。
【0220】
そして、信号処理部154は、応答信号を生成し、送信制御部155を介して送信部145に供給する。送信部145は、送信制御部155の制御の下に、応答信号の情報信号をFSK変調し、変調後の情報信号を送信強度S0でアンテナ146を介して送信する。
【0221】
ステップS402において、送信制御部155は、変数iの値を1に設定する。
【0222】
ステップS403において、送信部145は、送信制御部155の制御の下に、アンテナ146を介して、応答信号の測定用信号の測定部MBiを送信強度SBiで送信する。
【0223】
ステップS404において、送信制御部155は、車載通信装置111の受信強度が飽和しているか否かを判定する。具体的には、車載通信装置111は、携帯機112からの応答信号の受信強度が飽和している場合、後述する
図15のステップS511又は
図16のステップS561において、受信強度の飽和を通知するための受信強度飽和通知信号を送信する。受信部142は、車載通信装置111から送信されてきた受信強度飽和通知信号を、アンテナ141を介して受信した場合、その受信強度飽和通知信号を、受信制御部151を介して信号処理部154に供給する。そして、信号処理部154は、受信強度飽和通知信号を受信した旨を送信制御部155に通知する。
【0224】
ここで、送信制御部155は、受信強度飽和通知信号を受信した旨の通知を信号処理部154から受けていない場合、車載通信装置111の受信強度が飽和していないと判定し、処理はステップS405に進む。
【0225】
ステップS405において、送信制御部155は、変数iの値を1つインクリメントする。
【0226】
ステップS406において、送信制御部155は、変数i>定数mであるか否かを判定する。変数i≦定数mであると判定された場合、処理はステップS403に戻る。
【0227】
その後、ステップS404において、車載通信装置111の受信強度が飽和していると判定されるか、ステップS406において、変数i>定数mであると判定されるまで、ステップS403乃至S406の処理が繰り返し実行される。これにより、応答信号の測定部MB1乃至MBmが、それぞれ送信強度SB1乃至SBmで送信される。
【0228】
なお、応答信号の測定部MB1乃至MBmの送信強度SB1乃至SBmのパターンには、上述した認証要求信号の測定部MA1乃至MAnの送信強度SA1乃至SAnのパターンと同様のパターンを採用することができる。
【0229】
一方、ステップS406において、変数i>定数mと判定された場合、すなわち、応答信号の測定部MB1乃至MBmの送信が全て終了した場合、応答信号送信処理は終了する。
【0230】
また、ステップS404において、送信制御部155は、受信強度飽和通知信号を受信した旨を信号処理部154から通知された場合、車載通信装置111の受信強度が飽和していると判定し、処理はステップS407に進む。
【0231】
ステップS407において、送信制御部155は、送信強度を全体的に下げる。例えば、送信制御部155は、送信強度SB0乃至SBmを、現在の値から所定の値だけ一律に下げた値に設定する。
【0232】
なお、送信強度の下げ幅は、予め設定された固定値としてもよいし、車載通信装置111の受信強度に応じた変動値としてもよい。なお、変動値とする場合、例えば、車載通信装置111から送信される受信強度飽和通知信号に受信強度を示す情報を含ませるようにすればよい。
【0233】
その後、処理はステップS401に戻り、ステップS401以降の処理が実行される。すなわち、送信強度を下げて応答信号が再送される。
【0234】
(車載通信装置111の応答信号受信処理の第1の実施の形態)
次に、
図15のフローチャートを参照して、
図13の携帯機112の応答信号送信処理に対応して車載通信装置111により実行される応答信号受信処理の第1の実施の形態について説明する。この第1の実施の形態では、車載通信装置111が応答信号の測定部MBiを受信する度に、その受信強度RBiの判定が行われる。
【0235】
ステップS501において、車載通信装置111は、応答信号の情報信号を受信する。具体的には、受信部122は、
図13のステップS401の処理で携帯機112から送信された応答信号の情報信号を、アンテナ121を介して受信し、受信した応答信号を復調する。また、受信部122は、復調した応答信号を、受信制御部131を介して信号処理部134に供給する。
【0236】
ステップS502において、信号処理部134は、信号の内容が正常であるか否かを判定する。例えば、信号処理部134は、受信した応答信号の情報信号に含まれる携帯機112の認証情報が正規のものであり、かつ、他の情報の形式や内容等が正常である場合、信号の内容が正常であると判定し、処理はステップS503に進む。
【0237】
ステップS503において、受信制御部131は、変数iの値を1に設定する。
【0238】
ステップS504において、車載通信装置111は、受信強度RBiを測定する。具体的には、受信部122は、
図13のステップS403の処理で携帯機112から送信された応答信号の測定部MBiを、アンテナ121を介して受信し、測定部132に供給する。測定部132は、測定部MBiのRSSIを測定し、測定結果を判定部133に通知する。判定部133は、通知された測定結果を受信強度RBiとして記憶する。
【0239】
ステップS505において、判定部133は、受信強度RBiが飽和しているか否かを判定する。判定部133は、受信強度RBiが所定の閾値未満である場合、受信強度RBiが飽和していないと判定し、処理はステップS506に進む。
【0240】
ステップS506において、判定部133は、受信強度RBiが正常であるか否かを判定する。すなわち、上述した
図7のステップS106の携帯機112における受信強度RAiの判定処理と同様の方法により、受信強度RBiの判定が行われる。そして、受信強度RBiが正常であると判定された場合、処理はステップS507に進む。
【0241】
ステップS507において、受信制御部131は、変数iの値を1つインクリメントする。
【0242】
ステップS508において、受信制御部131は、変数i>定数mであるか否かを判定する。変数i≦定数mであると判定された場合、処理はステップS504に戻る。
【0243】
その後、ステップS505において、受信強度RBiが飽和していると判定されるか、ステップS506において、受信強度RBiが異常であると判定されるか、ステップS508において、変数i>定数mであると判定されるまで、ステップS504乃至S508の処理が繰り返し実行される。
【0244】
これにより、応答信号の測定部MB1乃至MBmが受信され、測定部MB1乃至MBmの受信強度RB1乃至RBmの測定及び判定が行われる。そして、受信強度RB1乃至RBmの判定処理を1つずつ順番に行うことにより、受信強度RB1乃至RBmのパターンが送信強度SB1乃至SBmのパターンと一致するか否かが判定される。
【0245】
一方、ステップS508において、変数i>定数mであると判定された場合、処理はステップS509に進む。
【0246】
ステップS509において、判定部133は、正規の応答信号を受信したと判定する。すなわち、判定部133は、情報信号の内容が正常であり、かつ、受信強度RB1乃至RBmのパターンが送信強度SB1乃至SBmのパターンと一致することにより、正規の応答信号を受信したと判定する。判定部133は、正規の応答信号を受信した旨を信号処理部134に通知する。
【0247】
ステップS510において、車両制御部136は、車両102の所定の処理の実行を指令する。具体的には、信号処理部134は、応答信号の情報信号のデータ部に含まれるコマンドを車両制御部136に供給する。車両制御部136は、取得したコマンドに対応する処理を実行するように、ECU等の車両102の他の装置に指令する。これにより、例えば、上述した自動エントリ機能、プッシュスタート機能、ウェルカムランプ点灯機能等の処理が実行される。
【0248】
その後、応答信号受信処理は終了する。
【0249】
一方、ステップS506において、受信強度RBiが異常であると判定された場合、ステップS507乃至S510の処理はスキップされ、車両102の所定の処理の実行が指令されずに、応答信号受信処理は終了する。
【0250】
また、ステップS505において、受信強度RBiが飽和していると判定された場合、処理はステップS511に進む。
【0251】
ステップS511において、車載通信装置111は、受信強度の飽和を通知する。具体的には、判定部133は、受信強度RBiが飽和していることを信号処理部134に通知する。信号処理部134は、受信強度飽和通知信号を生成し、送信制御部135を介して、送信部124に供給する。なお、上述したように、受信強度飽和通知信号に、受信強度の測定結果を含ませるようにしてもよい。送信部124は、送信制御部135の制御の下に、受信強度飽和通知信号をASK変調し、変調後の受信強度飽和通知信号を、アンテナ125を介して送信する。
【0252】
その後、処理はステップS501に戻り、ステップS501以降の処理が実行される。すなわち、携帯機112から送信強度を下げて送信されてくる応答信号の再受信が行われる。
【0253】
一方、ステップS502において、信号処理部134は、例えば、受信した応答信号の情報信号に含まれる携帯機112の認証情報が正規のものでなかったり、又は、他の情報の形式や内容等が異常である場合、信号の内容が異常であると判定する。その後、ステップS503乃至S510の処理はスキップされ、車両102の所定の処理の実行が指令されずに、応答信号受信処理は終了する。
【0254】
以上のように、応答信号の内容が異常である場合に加えて、応答信号の測定部MB1乃至MBmの受信強度RB1乃至RBmのパターンが、送信強度SB1乃至SBmのパターンと一致しない場合にも、車両102の所定の処理が実行されなくなる。一方、中継器104において、応答信号の測定部MB1乃至MBmの送信強度の変化を迅速かつ正確に再現して転送することは困難である。従って、リレーアタックの実施が困難になる。
【0255】
また、受信強度が飽和している場合に、送信強度を下げて応答信号が再送される。従って、例えば、車両102と携帯機112の距離が近く、受信強度が強い場合に、受信強度の飽和により応答信号が異常であると誤判定されることを防止することができる。
【0256】
さらに、上述した
図4及び
図5の例と同様に、送信強度の大小関係の変化が所定のパターンになるように送信強度SB1乃至SBmが設定されている場合、受信強度間の大小関係のみを判定できれば、厳密な受信強度の値の判定は不要である。従って、例えば、ノイズ等による受信強度の変動により、受信強度RB1乃至RBmのパターンが誤検出されることを抑制することができる。
【0257】
(車載通信装置111の応答信号受信処理の第2の実施の形態)
次に、
図16のフローチャートを参照して、
図13の携帯機112の応答信号送信処理に対応して車載通信装置111により実行される応答信号受信処理の第2の実施の形態について説明する。
【0258】
図16のフローチャートを
図15のフローチャートと比較すると、受信強度の判定処理の位置のみが異なり、他の処理は同様である。すなわち、
図15のフローチャートでは、応答信号の測定部MBiを受信する毎に、ステップS506において、測定部MBiの受信強度RBiの判定が行われる。これに対し、
図16のフローチャートでは、測定部MB1乃至MBmを全て受信した後、ステップS558において、測定部MB1乃至MBmの受信強度RB1乃至RBmが全体として正常であるか否かが判定される。
【0259】
そして、ステップS558において、受信強度が正常であると判定された場合、処理はステップS559に進み、
図15のステップS509の処理と同様に、正規の応答信号を受信したと判定され、ステップS560において、
図15のステップS510の処理と同様に、車両102の所定の処理の実行が指令され、応答信号受信処理は終了する。一方、ステップS558において、受信強度が異常であると判定された場合、ステップS559及びS560の処理はスキップされ、車両102の所定の処理の実行が指令されずに、応答信号受信処理は終了する。
【0260】
(携帯機112の応答信号送信処理の第2の実施の形態)
次に、
図17のフローチャートを参照して、携帯機112により実行される応答信号送信処理の第2の実施の形態について説明する。この実施の形態では、応答信号の測定用信号の送信強度を変化させる代わりに、応答信号が所定の回数送信されるとともに、各応答信号の送信強度を所定のパターンに従って変化させる。
【0261】
ステップS601において、
図13のステップS402の処理と同様に、変数iの値が1に設定される。
【0262】
ステップS602において、携帯機112は、応答信号を送信強度SBiで送信する。具体的には、信号処理部154は、応答信号を生成し、送信制御部155を介して送信部145に供給する。送信部145は、送信制御部155の制御の下に、応答信号をFSK変調し、変調後の応答信号を送信強度SBiでアンテナ146を介して送信する。なお、このとき、応答信号に測定用信号(
図14)を必ずしも付加する必要はない。
【0263】
ステップS603において、
図13のステップS404の処理と同様に、車載通信装置111の受信強度が飽和しているか否かが判定される。車載通信装置111の受信強度が飽和していないと判定された場合、処理はステップS604に進む。
【0264】
ステップS604において、
図13のステップS405の処理と同様に、変数iの値が1つインクリメントされる。
【0265】
ステップS605において、
図13のステップS406の処理と同様に、変数i>定数mであるか否かが判定される。変数i≦定数mであると判定された場合、処理はステップS602に戻る。
【0266】
その後、ステップS603において、車載通信装置111の受信強度が飽和していると判定されるか、ステップS605において、変数i>定数mであると判定されるまで、ステップS602乃至S605の処理が繰り返し実行される。これにより、
図18に示されるように、応答信号が送信強度SB1乃至SBmでm回繰り返し送信される。
【0267】
なお、応答信号の送信強度のパターンには、上述した認証要求信号の測定用信号の測定部の送信強度と同様のパターンを採用することができる。
【0268】
一方、ステップS605において、変数i>定数mと判定された場合、すなわち、応答信号がm回送信された場合、応答信号送信処理は終了する。
【0269】
また、ステップS603において、車載通信装置111の受信強度が飽和していると判定された場合、処理はステップS606に進む。
【0270】
ステップS606において、
図13のステップS407の処理と同様に、送信強度が全体的に下げられる。
【0271】
その後、処理はステップS601に戻り、ステップS601以降の処理が実行される。すなわち、応答信号のm回分の送信が、送信強度を下げて最初からやり直される。
【0272】
(車載通信装置111の応答信号受信処理の第3の実施の形態)
次に、
図19のフローチャートを参照して、
図17の携帯機112の応答信号送信処理に対応して車載通信装置111により実行される応答信号受信処理の第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態では、車載通信装置111が応答信号を1回受信する度に、応答信号の受信強度RBiの判定が行われる。
【0273】
ステップS701において、
図15のステップS503の処理と同様に、変数iの値が1に設定される。
【0274】
ステップS702において、車載通信装置111は、応答信号を受信するとともに、受信強度RBiを測定する。具体的には、受信部122は、
図17のステップS602の処理で携帯機112から送信された応答信号を、アンテナ121を介して受信し、受信した応答信号を復調する。また、受信部122は、復調した応答信号を、受信制御部131を介して信号処理部134に供給する。
【0275】
さらに、受信部122は、復調前の応答信号を測定部132に供給する。測定部132は、応答信号のRSSIを測定し、測定結果を判定部133に通知する。判定部133は、通知された測定結果を受信強度RBiとして記憶する。
【0276】
ステップS703において、
図15のステップS505の処理と同様に、受信強度RBiが飽和しているか否かが判定される。受信強度RBiが飽和していないと判定された場合、処理はステップS704に進む。
【0277】
ステップS704において、
図15のステップS502の処理と同様に、信号の内容が正常であるか否かが判定される。信号の内容が正常であると判定された場合、処理はステップS705に進む。
【0278】
ステップS705において、
図15のステップS506の処理と同様に、受信強度RBiが正常であるか否かが判定される。受信強度RBiが正常であると判定された場合、処理はステップS706に進む。
【0279】
ステップS706において、
図15のステップS507の処理と同様に、変数iの値が1つインクリメントされる。
【0280】
ステップS707において、
図15のステップS508の処理と同様に、変数i>定数mであるか否かが判定される。変数i≦定数mであると判定された場合、処理はステップS702に戻る。
【0281】
その後、ステップS703において、受信強度RBiが飽和していると判定されるか、ステップS704において、信号の内容が異常であると判定されるか、ステップS705において、受信強度RBiが異常であると判定されるか、ステップS707において、変数i>定数mであると判定されるまで、ステップS702乃至S707の処理が繰り返し実行される。これにより、応答信号がm回受信され、各応答信号の受信強度の測定及び判定が行われる。
【0282】
一方、ステップS707において、変数i>定数mであると判定された場合、処理はステップS708に進む。
【0283】
ステップS708において、判定部133は、正規の応答信号を受信したと判定する。すなわち、判定部133は、応答信号の内容が正常であり、かつ、受信強度RB1乃至RBmのパターンが送信強度SB1乃至SBmのパターンと一致することにより、正規の応答信号を受信したと判定する。判定部133は、正規の応答信号を受信した旨を信号処理部134に通知する。
【0284】
ステップS709において、
図15のステップS510の処理と同様に、車両102の所定の処理の実行が指令され、応答信号受信処理は終了する。
【0285】
一方、ステップS705において、受信強度RBiが異常であると判定された場合、ステップS706乃至S709の処理はスキップされ、車両102の所定の処理の実行が指令されずに、応答信号受信処理は終了する。
【0286】
また、ステップS704において、信号の内容が異常であると判定された場合、ステップS705乃至S709の処理はスキップされ、車両102の所定の処理の実行が指令されずに、応答信号受信処理は終了する。
【0287】
さらに、ステップS703において、受信強度RBiが飽和していると判定された場合、処理はステップS710に進む。
【0288】
ステップS710において、
図15のステップS511の処理と同様に、携帯機112に受信強度の飽和が通知される。
【0289】
その後、処理はステップS701に戻り、ステップS701以降の処理が実行される。すなわち、携帯機112から送信強度を下げてm回送信されてくる応答信号の再受信が行われる。
【0290】
以上のように、携帯機112から応答信号を所定の送信強度のパターンでm回送信し、車載通信装置111において受信強度を判定するようにした場合においても、携帯機112から応答信号の測定用信号を所定の送信強度のパターンで送信し、車載通信装置111において受信強度を判定するようにした場合と同様の効果を得ることができる。
【0291】
(携帯機112の認証要求信号受信処理の第4の実施の形態)
次に、
図20のフローチャートを参照して、
図17の携帯機112の応答信号送信処理に対応して車載通信装置111により実行される応答信号受信処理の第4の実施の形態について説明する。
【0292】
図20のフローチャートを
図19のフローチャートと比較すると、受信強度の判定処理の位置のみが異なり、他の処理は同様である。すなわち、
図19のフローチャートでは、応答信号を受信する毎に、ステップS705において、応答信号の受信強度RBiが正常であるか否かが判定される。これに対し、
図20のフローチャートでは、
図16のフローチャートを参照して上述した応答信号受信処理の第2の実施の形態と同様に、応答信号をn回受信した後、ステップS757において、m回分の応答信号の受信強度RB1乃至RBmが全体として正常であるか否かが判定される。
【0293】
そして、ステップS757において、受信強度が正常であると判定された場合、処理はステップS758に進む。そして、ステップS758において、
図15のステップS509の処理と同様に、正規の応答信号を受信したと判定され、ステップS759において、
図15のステップS510の処理と同様に、応答信号受信処理は終了する。一方、ステップS757において、受信強度が異常であると判定された場合、ステップS758及びS759の処理はスキップされ、車両102の所定の処理の実行が指令されずに、応答信号受信処理は終了する。
【0294】
以上のように、いずれの実施の形態においても、中継器104を用いたリレーアタックの実施を困難にすることができる。
【0295】
<2.変形例>
以下、上述した本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0296】
[変形例1:送信強度のパターンに関する変形例]
以上の説明では、認証要求信号及び応答信号の両方の送信強度を変化させ、受信強度を判定する例を示したが、いずれか一方のみの送信強度を変化させ、受信強度を判定するようにしてもよい。
【0297】
また、以上の説明では、認証要求信号又は応答信号の測定用信号の送信強度を変化させる例を示したが、情報信号の一部又は全体の送信強度を同様に変化させ、受信強度を判定するようにしてもよい。
【0298】
さらに、送信強度のパターンは上述した例に限定されるものではなく、中継器104において再現が困難なものであれば、他のパターンを採用することが可能である。
【0299】
[変形例2:携帯機112の受信強度のパターンの判定位置の変形例]
以上の説明では、携帯機112の受信強度の判定を受信側の携帯機112で行う例を示したが、送信側の車載通信装置111で行うようにしてもよい。以下、
図21乃至
図24のフローチャートを参照して、携帯機112の受信強度の判定を車載通信装置111で行うようにした場合の処理について説明する。
【0300】
(車載通信装置111の処理の第1の実施の形態)
まず、
図21のフローチャートを参照して、携帯機112の受信強度の判定を車載通信装置111で行うようにした場合の車載通信装置111の処理の第1の実施の形態について説明する。
【0301】
なお、この処理は、例えば、車両102の操作部103に対して所定の操作(例えば、車両102のドアに設けられているボタン等を操作する等)が行われた場合、又は、定期的に実行される。
【0302】
ステップS801において、
図2のステップS1の処理と同様に、認証要求信号の情報信号が送信強度SA0で送信される。
【0303】
ステップS802において、
図2のステップS2の処理と同様に、変数iの値が1に設定される。
【0304】
ステップS803において、
図2のステップS3の処理と同様に、認証要求信号の測定部MAiが送信強度SAiで送信される。
【0305】
ステップS804において、
図2のステップS5の処理と同様に、変数iの値が1つインクリメントされる。
【0306】
ステップS805において、
図2のステップS6の処理と同様に、変数i>定数nであるか否かが判定される。変数i≦定数nであると判定された場合、処理はステップS803に戻る。
【0307】
その後、ステップS804において、変数i>定数nであると判定されるまで、ステップS803乃至S805の処理が繰り返し実行される。これにより、認証要求信号の測定部MA1乃至MAnが、それぞれ送信強度SA1乃至SAnで送信される。
【0308】
一方、ステップS805において、変数i>定数nと判定された場合、すなわち、認証要求信号の測定部MA1乃至MAnの送信が全て終了した場合、処理はステップS806に進む。
【0309】
ステップS806において、判定部133は、応答信号を受信したか否かを判定する。具体的には、後述する
図22のステップS907において、携帯機112から応答信号が送信された場合、受信部122は、アンテナ121を介して応答信号を受信し、受信した応答信号を復調する。また、受信部122は、復調した応答信号を、受信制御部131を介して、判定部133及び信号処理部134に供給する。そして、判定部133が応答信号を受信したと判定し、処理はステップS807に進む。
【0310】
ステップS807において、判定部133は、携帯機112の受信強度が飽和しているか否かを判定する。具体的には、後述するように、応答信号には、携帯機112が受信した認証要求信号の測定部MA1乃至MAnの受信強度RA1乃至RAnの測定結果が含まれている。そして、判定部133は、その測定結果に基づいて、携帯機112の受信強度が飽和しているか否かを判定する。携帯機112の受信強度が飽和していないと判定された場合、処理はステップS808に進む。
【0311】
ステップS808において、判定部133は、携帯機112の受信強度が正常であるか否かを判定する。具体的には、判定部133は、携帯機112の受信強度の測定結果に基づいて、携帯機112の受信強度RA1乃至RAnのパターンが、車載通信装置111における送信強度SA1乃至SAnのパターンと一致するか否かを調べる。判定部133は、受信強度RA1乃至RAnのパターンが送信強度SA1乃至SAnのパターンと一致する場合、携帯機112の受信強度が正常であると判定し、処理はステップS809に進む。
【0312】
ステップS809において、
図15のステップS502の処理と同様に、信号の内容が正常であるか否かが判定される。信号の内容が正常であると判定された場合、処理はステップS810に進む。
【0313】
ステップS810において、
図15のステップS510の処理と同様に、車両102の所定の処理の実行が指令され、車載通信装置111の処理は終了する。
【0314】
一方、ステップS809において、信号の内容が異常であると判定された場合、ステップS810の処理はスキップされ、車両102の所定の処理の実行が指令されずに、車載通信装置111の処理は終了する。
【0315】
また、ステップS808において、携帯機112の受信強度が異常であると判定された場合、ステップS809及びS810の処理はスキップされ、車両102の所定の処理の実行が指令されずに、車載通信装置111の処理は終了する。
【0316】
さらに、ステップS807において、携帯機112の受信強度が飽和していると判定された場合、処理はステップS811に進む。
【0317】
ステップS811において、
図2のステップS7の処理と同様に、送信強度が全体的に下げられる。このとき、送信強度の下げ幅を、携帯機112の受信強度の測定結果に基づいて設定することが可能である。
【0318】
その後、処理はステップS801に戻り、ステップS801以降の処理が実行される。すなわち、送信強度を下げて認証要求信号が再送される。
【0319】
一方、ステップS806において、後述する
図22の処理において携帯機112から応答信号が送信されず、応答信号を受信しなかったと判定された場合、ステップS807及びS810の処理はスキップされ、車両102の所定の処理の実行が指令されずに、車載通信装置111の処理は終了する。
【0320】
(携帯機112の処理の第1の実施の形態)
次に、
図22のフローチャートを参照して、携帯機112の受信強度の判定を車載通信装置111で行うようにした場合に、
図21の車載通信装置111の処理に対応して実行される携帯機112の処理の第1の実施の形態について説明する。
【0321】
ステップS901において、
図7のステップS101の処理と同様に、認証要求信号の情報信号が受信される。
【0322】
ステップS902において、
図7のステップS102の処理と同様に、信号の内容が正常であるか否かが判定される。信号の内容が正常であると判定された場合、処理はステップS903に進む。
【0323】
ステップS903において、
図7のステップS103の処理と同様に、変数iの値が1に設定される。
【0324】
ステップS904において、
図7のステップS105の処理と同様に、受信強度RAiが測定される。
【0325】
ステップS905において、
図7のステップS107の処理と同様に、変数iの値が1つインクリメントされる。
【0326】
ステップS906において、
図7のステップS108の処理と同様に、変数i>定数nであるか否かが判定される。変数i≦定数nであると判定された場合、処理はステップS904に戻る。
【0327】
その後、ステップS906において、変数i>定数nであると判定されるまで、ステップS904乃至S906の処理が繰り返し実行される。これにより、認証要求信号の測定部MA1乃至MAnが受信され、測定部MA1乃至MAnの受信強度RA1乃至RAnの測定が行われる。
【0328】
一方、ステップS906において、変数i>定数nであると判定された場合、処理はステップS907に進む。
【0329】
ステップS907において、携帯機112は、受信強度の測定結果とともに応答信号を送信する。具体的には、判定部153は、認証要求信号の測定部MA1乃至MAnの受信強度RA1乃至RAnの測定結果を信号処理部154に通知する。信号処理部154は、受信強度RA1乃至RAnの測定結果を含む応答信号を生成し、送信制御部155を介して送信部145に供給する。送信部145は、送信制御部155の制御の下に、応答信号をFSK変調し、変調後の応答信号をアンテナ146を介して送信する。
【0330】
その後、携帯機112の処理は終了する。
【0331】
一方、ステップS902において、信号の内容が異常であると判定された場合、ステップS903乃至S907の処理はスキップされ、応答信号の送信が行われずに、携帯機112の処理は終了する。
【0332】
(車載通信装置111の処理の第2の実施の形態)
次に、
図23のフローチャートを参照して、携帯機112の受信強度の判定を車載通信装置111で行うようにした場合の車載通信装置111の処理の第2の実施の形態について説明する。この実施の形態では、認証要求信号の測定用信号の送信強度を変化させる代わりに、認証要求信号が所定の回数送信されるとともに、認証要求信号毎の送信強度を所定のパターンに従って変化させる。
【0333】
なお、この処理は、例えば、車両102の操作部103に対して所定の操作(例えば、車両102のドアに設けられているボタン等を操作する等)が行われた場合、又は、定期的に実行される。
【0334】
ステップS1001において、
図2のステップS2の処理と同様に、変数iの値が1に設定される。
【0335】
ステップS1002において、
図9のステップS202の処理と同様に、認証要求信号が送信強度SAiで送信される。
【0336】
ステップS1003において、
図2のステップS5の処理と同様に、変数iの値が1つインクリメントされる。
【0337】
ステップS1004において、
図2のステップS6の処理と同様に、変数i>定数nであるか否かを判定する。変数i≦定数nであると判定された場合、処理はステップS1002に戻る。
【0338】
その後、ステップS1004において、変数i>定数nであると判定されるまで、ステップS1002乃至S1004の処理が繰り返し実行される。これにより、認証要求信号が送信強度SA1乃至SAnでn回繰り返し送信される。
【0339】
一方、ステップS1004において、変数i>定数nと判定された場合、すなわち、認証要求信号がn回送信された場合、処理はステップS1005に進む。
【0340】
以降、ステップS1005乃至S1010において、
図21のステップS806乃至S811と同様の処理が実行され、車載通信装置111の処理は終了する。
【0341】
(携帯機112の処理の第1の実施の形態)
次に、
図24のフローチャートを参照して、携帯機112の受信強度の判定を車載通信装置111で行うようにした場合に、
図23の車載通信装置111の処理に対応して実行される携帯機112の処理の第2の実施の形態について説明する。
【0342】
ステップS1101において、
図7のステップS103の処理と同様に、変数iの値が1に設定される。
【0343】
ステップS1102において、
図11のステップS302の処理と同様に、認証要求信号が受信されるとともに、受信強度RAiが測定される。
【0344】
ステップS1103において、
図11のステップS304の処理と同様に、信号の内容が正常であるか否かが判定される。信号の内容が正常であると判定された場合、処理はステップS1104に進む。
【0345】
ステップS1104において、
図7のステップS107の処理と同様に、変数iの値が1つインクリメントされる。
【0346】
ステップS1105において、
図7のステップS108の処理と同様に、変数i>定数nであるか否かが判定される。変数i≦定数nであると判定された場合、処理はステップS1102に戻る。
【0347】
その後、ステップS1103において、信号の内容が異常であると判定されるか、ステップS1105において、変数i>定数nであると判定されるまで、ステップS1102乃至S1105の処理が繰り返し実行される。これにより、認証要求信号がn回受信され、各認証要求信号の受信強度の測定が行われる。
【0348】
一方、ステップS1105において、変数i>定数nであると判定された場合、すなわち、認証要求信号がn回受信された場合、処理はステップS1106に進む。
【0349】
ステップS1106において、
図22のステップS907の処理と同様に、受信強度の測定結果とともに応答信号が送信され、携帯機112の処理は終了する。
【0350】
一方、ステップS1103において、信号の内容が異常であると判定された場合、ステップS1104乃至S1106の処理はスキップされ、応答信号の送信が行われずに、携帯機112の処理は終了する。
【0351】
以上のように、車載通信装置111において携帯機112の受信強度の判定を行うことにより、携帯機112の処理の負荷を軽減し、例えば、携帯機112を駆動するバッテリの持ち時間を延ばすことができる。
【0352】
[変形例3:装置の構成に関する変形例]
車載通信装置111の構成は、
図1に示される例に限定されるものではなく、様々に変更することが可能である。例えば、受信制御部131や送信制御部135を制御部123の外部に設けたり、受信部122や送信部124を制御部123の内部に設けたりすることが可能である。また、例えば、受信部122と受信制御部131を組み合わせたり、送信部124と送信制御部135を組み合わせたりすることが可能である。さらに、例えば、受信部122と送信部124を組み合わせることが可能である。また、車載通信装置111の送信処理を行う部分と受信処理を行う部分を2つの装置に分けるようにすることも可能である。
【0353】
同様に、携帯機112の構成は、
図1に示される例に限定されるものではなく、様々に変更することが可能である。例えば、受信制御部151や送信制御部155を制御部144の外部に設けたり、受信部142や送信部145を制御部144の内部に設けたりすることが可能である。また、例えば、受信部142と受信制御部151を組み合わせたり、送信部145と送信制御部155を組み合わせたりすることが可能である。さらに、例えば、受信部142と送信部145を組み合わせることが可能である。
【0354】
また、携帯機112の数は1台に限定されるものではなく、2台以上設けることも可能である。また、車載通信装置111の数も1台に限定されるものではなく、2台以上設けることも可能である。
【0355】
[変形例4:その他の変形例]
以上の説明では、認証要求信号又は応答信号の測定用信号の強度を変化させる場合に、受信側で受信強度が飽和した場合、認証要求信号又は応答信号を最初から再送する例を示したが、情報信号を再送せずに、測定用信号のみを送信強度を下げて再送するようにしてもよい。
【0356】
さらに、受信側で受信強度の飽和を送信側に通知し、送信側から信号を再送する処理を省略するようにしてもよい。
【0357】
また、本発明を適用する車両の種類は、特に限定されるものではない。例えば、自動車等の四輪車だけでなく、二輪車やその他の種類の車両にも適用することが可能である。
【0358】
さらに、本発明は、車両以外の無線通信システムにも適用することが可能である。特に、本発明は、例えば、一方の通信装置からの要求に対して他方の通信装置が自動的に応答信号を送信するシステムに適用する場合に有効である。例えば、建物のドアを操作した場合に、建物に設けられている通信装置から携帯機に認証要求信号が送信され、携帯機からの応答信号に応じて、ドアの開錠又は施錠を行うシステムにおいて有効である。
【0359】
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0360】
また、コンピュータが実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディアに記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0361】
その他、プログラムは、例えば、ROMや記憶部に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0362】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0363】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0364】
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0365】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0366】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。