(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5730355
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】CYP2A13阻害剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/045 20060101AFI20150521BHJP
A61K 31/122 20060101ALI20150521BHJP
A61K 31/11 20060101ALI20150521BHJP
A61K 31/351 20060101ALI20150521BHJP
C12N 9/99 20060101ALI20150521BHJP
A61K 31/465 20060101ALI20150521BHJP
A61P 25/34 20060101ALI20150521BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
A61K31/045
A61K31/122
A61K31/11
A61K31/351
C12N9/99
A61K31/465
A61P25/34
A61P43/00 111
A61P43/00 121
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-153447(P2013-153447)
(22)【出願日】2013年7月24日
(65)【公開番号】特開2015-24964(P2015-24964A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2013年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000125347
【氏名又は名称】学校法人近畿大学
(73)【特許権者】
【識別番号】507155317
【氏名又は名称】アットアロマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 三雄
【審査官】
伊藤 清子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−173973(JP,A)
【文献】
特表2002−540125(JP,A)
【文献】
特開2005−320342(JP,A)
【文献】
特表2005−518392(JP,A)
【文献】
特表2008−521414(JP,A)
【文献】
KRAMLINGER, V.M. et al,Inhibition and inactivation of cytochrome P450 2A6 and cytochrome P450 2A13 by menthofuran, β-nicotyrine and menthol,Chem. Biol. Interact.,2012年,Vol.197, No.2-3,p.87-92
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/045
A61K 31/11
A61K 31/122
A61K 31/351
A61K 31/465
A61P 25/34
A61P 43/00
C12N 9/99
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
p−メンタン−8−オール、(+)−カルベオール、(−)−カルベオール、(+)−ネオメントール、(−)−ネオメントール、ローズオキシド、(+)−フェンコール、(+)−ミルタノール、(−)−ミルタノール、(+)−ミルテノール、(−)−ミルテノール、(−)−ミルテナール及びベルベノンからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノテルペン化合物を有効成分として含有するCYP2A13阻害剤。
【請求項2】
(−)−カルベオール、(+)−ネオメントール、(−)−ネオメントール、(+)−フェンコール、(−)−ミルタノール、(+)−ミルテノール、(−)−ミルテノール及び(−)−ミルテナールからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノテルペン化合物を有効成分として含有する請求項1に記載のCYP2A13阻害剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のCYP2A13阻害剤を含有する喫煙回数低減剤。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のCYP2A13阻害剤とニコチンを含む製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CYP2A13阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
シトクロムP450(CYP)は主に肝臓に含まれる酵素であり、ヒトの薬物代謝反応の約8割に関与するといわれている。CYPは脂溶性基質を酸化することで水溶性を高め、体外へ排出しやすくする役割を果たしている。
【0003】
CYP2A13は、3種存在するCYP2Aファミリーの1つであり、鼻の粘膜、気道、及び肺等の呼吸器官に発現するアイソザイムである。CYP2A13は、タバコの主成分であるニコチンを代謝する酵素であり、ニコチンを中間体であるイミニウムイオンへと代謝する。このイミニウムイオンはさらにアルデヒドオキシダーゼにより、最終生成物であるコチニンへ代謝される。また、CYP2A13は、たばこに含有されている前駆体変異原物質である4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)を代謝し、活性化することが知られている。
【0004】
喫煙者においてニコチンの代謝による消失は、集中力の欠如や不安、不眠などの離脱症状をもたらし、これらの症状を解消するため喫煙を繰り返し、ニコチン濃度を維持しようする。このように喫煙を繰り返すことにより、NNKが代謝され、結果的に発癌リスクが高まることとなる。
【0005】
そこで、CYP2Aファミリーの1つであるCYP2A6の機能に着目し、CYP2A6の発現あるいは酵素活性を抑制することにより体内でニコチンを長く留まらせ、喫煙者の喫煙回数を減らす(喫煙回数低減)試み、あるいは発癌性物質の活性化を妨げて発癌リスクを低減させる試みが報告されている(下記特許文献1、2等参照)。
【0006】
しかしながら、CYP2A13の発現あるいは酵素活性を抑制することにより体内でニコチンを長く留まらせ、喫煙者の喫煙回数を減らす(喫煙回数低減)試み等については報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−524516号公報
【特許文献2】特開2006−169186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、新規なCYP2A13阻害剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定のモノテルペン化合物が優れたCYP2A13阻害活性を有することを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、下記のCYP2A13阻害剤を提供するものである。
項1. p−メンタン−8−オール、(+)−カルベオール、(−)−カルベオール、(+)−カルボン、(−)−カルボン、(+)−メントール、(−)−メントール、(+)−ネオメントール、(−)−ネオメントール、ローズオキシド、(+)−ボルネオール、(−)−ボルネオール、(+)−カンファー、(−)−カンファー、(+)−フェンコール、(+)−フェンコン、(−)−フェンコン、(+)−ミルタノール、(−)−ミルタノール、(+)−ミルテノール、(−)−ミルテノール、(−)−ミルテナール及びベルベノンからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノテルペン化合物を有効成分として含有するCYP2A13阻害剤。
項2. (−)−カルベオール、(+)−メントール、(−)−メントール、(+)−ネオメントール、(−)−ネオメントール、(+)−ボルネオール、(−)−ボルネオール、(+)−フェンコール、(+)−フェンコン、(−)−フェンコン、(−)−ミルタノール、(+)−ミルテノール、(−)−ミルテノール及び(−)−ミルテナールからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノテルペン化合物を有効成分として含有する上記項1に記載のCYP2A13阻害剤。
項3. p−メンタン−8−オール、(+)−カルベオール、(−)−カルベオール、(+)−カルボン、(−)−カルボン、(+)−メントール、(−)−メントール、(+)−ネオメントール、(−)−ネオメントール、ローズオキシド、(+)−ボルネオール、(−)−ボルネオール、(+)−カンファー、(−)−カンファー、(+)−フェンコール、(+)−フェンコン、(−)−フェンコン、(+)−ミルタノール、(−)−ミルタノール、(+)−ミルテノール、(−)−ミルテノール、(−)−ミルテナール及びベルベノンからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノテルペン化合物を含む精油を有効成分として含有するCYP2A13阻害剤。
項4. (−)−カルベオール、(+)−メントール、(−)−メントール、(+)−ネオメントール、(−)−ネオメントール、(+)−ボルネオール、(−)−ボルネオール、(+)−フェンコール、(+)−フェンコン、(−)−フェンコン、(−)−ミルタノール、(+)−ミルテノール、(−)−ミルテノール及び(−)−ミルテナールからなる群より選ばれた少なくとも1種のモノテルペン化合物を含む精油を有効成分として含有する上記項3に記載のCYP2A13阻害剤。
項5. 上記項1〜4のいずれかに記載のCYP2A13阻害剤を含有する喫煙回数低減剤。
項6. 上記項1〜4のいずれかに記載のCYP2A13阻害剤とニコチンを含む製剤。
【発明の効果】
【0011】
本発明の特定のモノテルペン化合物を有効成分として含有するCYP2A13阻害剤は、優れたCYP2A13阻害作用を有している。そのため、CYP2A13阻害剤を用いることによって、ニコチン代謝を遅らせ、体内のニコチン濃度を長期間維持することができるため、結果的に喫煙量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】各種単環性モノテルペン化合物のCYP2A13阻害活性を示すグラフである。
【
図2】各種双環性モノテルペン化合物のCYP2A13阻害活性を示すグラフである。
【
図3】各種双環性モノテルペン化合物のCYP2A13阻害活性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
本発明のCYP2A13阻害剤は、モノテルペン化合物を有効成分として含有する。モノテルペン化合物とは、イソプレン単位(C
5H
10)が2個結合した構造をもつ化合物をいい、その構造から、非環性モノテルペン化合物、単環性モノテルペン化合物、双環性モノテルペン化合物に分類される。
【0015】
本発明のCYP2A13阻害剤は、具体的には、p−メンタン−8−オール(p-menthan-8-ol)、(+)−カルベオール((+)-carveol)、(−)−カルベオール((-)-carveol)、(+)−カルボン((+)-carvone)、(−)−カルボン((-)-carvone)、(+)−メントール((+)-menthol)、(−)−メントール((-)-menthol)、(+)−ネオメントール((+)-neomenthol)、(−)−ネオメントール((-)-neomenthol)、ローズオキシド(roseoxide)等の単環性モノテルペン化合物;(+)−ボルネオール((+)-borneol)、(−)−ボルネオール((-)-borneol)、(+)−カンファー((+)-camphor)、(−)−カンファー((-)-camphor)、(+)−フェンコール((+)-fenchol)、(+)−フェンコン((+)-fenchone)、(−)−フェンコン((-)-fenchone)、(+)−ミルタノール((+)-myrtanol)、(−)−ミルタノール((-)-myrtanol)、(+)−ミルテノール((+)-myrtenol)、(−)−ミルテノール((-)-myrtenol)、(−)−ミルテナール((-)-myrtenal)、ベルベノン(verbenone)等の双環性モノテルペン化合物を有効成分として含有する。これらのモノテルペン化合物は、一種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0016】
上記したモノテルペン化合物の中でも、CYP2A13阻害活性の観点から、単環性モノテルペン化合物としては、(−)−カルベオール、(+)−メントール、(−)−メントール、(+)−ネオメントール及び(−)−ネオメントールが好ましく、(+)−メントールがより好ましく、双環性モノテルペン化合物としては、(+)−ボルネオール、(−)−ボルネオール、(+)−フェンコール、(−)−フェンコール、(−)−フェンコン、(−)−ミルタノール、(+)−ミルテノール、(−)−ミルテノール及び(−)−ミルテナールが好ましく、(+)−ミルテノール、(−)−ミルテノール及び(−)−ミルテナールがより好ましい。
【0017】
また、上記したモノテルペン化合物は種々の植物の精油成分として知られていることから、安全かつ入手が容易である。本発明のCYP2A13阻害剤は、上記したモノテルペン化合物を含む精油をも包含する。精油に含まれるモノテルペン化合物は、上記したモノテルペン化合物を単独で含有するものであってもよいし、2種以上含有するものであってもよい。例えば、カンファー、ボルネオール、フェンコン、ミルテナールなどは、クスノキ、ウイキョウ、竜脳樹、ラベンダー、ブルーサイプレス、ユーカリ等の植物から単離することができる。
【0018】
上記のモノテルペン化合物を含む植物からの精油は、公知の方法を用いて抽出することができる。その抽出方法は、該当する植物を、そのまま抽出に供することができるが、より細かく粉砕した後、抽出に供するのが好ましい。
【0019】
抽出溶媒としては、特に限定的ではなく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等のグリコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;水等を用いることができる。これらの抽出溶媒は、一種単独又は二種以上を混合して用いることができる。特に、メタノール、エタノール等のアルコール類、及び酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが、取り扱いが容易であり、しかも優れた活性を有する抽出物を得ることができる点で好ましい。
【0020】
上記した方法によって抽出物を得た後、必要に応じ、濾過、遠心分離等の常法によって残渣と固液分離することによって、抽出液を得ることができる。本発明では、得られた抽出液をそのままCYP2A13阻害剤として用いることが可能であるが、CYP2A13阻害活性をさらに高めるため、適宜濃縮又は溶媒を留去して、エキス状や粉末状として用いることもできる。
【0021】
本発明のCYP2A13阻害剤は、CYP2A13の発現あるいは酵素活性を抑制することで、ニコチンを代謝させず、あるいは代謝速度を低下させることで体内に長く留まらせることができ、結果的に喫煙者の喫煙回数を減らす働きを有する。そのため、喫煙回数低減剤として有用である。
【0022】
また、本発明のCYP2A13阻害剤を用いて喫煙者の喫煙回数を低減させることにより、結果的に4−(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリジル)−1−ブタノン(NNK)の吸入量を低減させることができる。さらに、CYP2A13阻害剤は、CYP2A13の発現あるいは酵素活性を抑制することで、体内でNNKの代謝及び活性化を抑制する働きを有する。そのため、発癌リスクを低減できる禁煙補助剤としても有効である。
【0023】
CYP2A13阻害剤は、従来慣用されている方法により、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ剤、エリキシル剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤等の剤に製剤化することができる。製剤化には通常用いられている賦形剤、結合剤、潤沢剤、着色剤、矯味矯臭剤や、および必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤などを使用することができ、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分及び配合量を適宜選択して常法により製剤化される。
【0024】
本発明の製剤を投与する場合、その投与形態は特に限定されず、通常用いられる方法であればよく、例えば、経口、経皮、経肺、吸入、局所、直腸等のいずれでもよい。好適には、チューインガム、点鼻スプレー、口内スプレー、うがい薬、経皮パッチ等の形態が例示される。特に、経皮スキンパッチの形態、ネブライザー等によるエアロゾール投与、ディフューザーによる空間への噴霧等で用いることが好適である。
【0025】
本発明のCYP2A13阻害剤は、ニコチンとともに用いて、ニコチンを代謝させず、あるいは代謝速度を低減させることによりニコチンを体内に長く留まらせ、喫煙者の喫煙衝動をより低減することができる。例えば、公知のニコチン製剤(例えば、チューインガム、点鼻スプレー、口内スプレー、うがい薬、経皮パッチ等)とともに上記したCYP2A13阻害剤の製剤を併用することができる。また、製剤中にCYP2A13阻害剤とニコチンを含有していてもよい。
【0026】
喫煙者の喫煙回数を低減させるため、フィルター付タバコのフィルターに本発明のCYP2A13阻害剤を含有させることもできる。また、喫煙ルームなどにおいて、ディフューザーを用いて空間に噴霧することも可能である。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0028】
HPLC分析条件
Scherzo SM-C18(3.0×150 mm、imtakt社製)を用い、移動相を15%アセトニトリル/50mM酢酸アンモニウム緩衝液、フローレート(Flow rate)を0.4mL/min、カラム温度を37℃とした。検出には、260nmのUV波長を用いた。コチニンの生成量はコチニンの絶対検量線を作成し、それより算出した。阻害の評価はそれぞれの50%阻害濃度であるIC
50値を求めることにより行った。
【0029】
内部標準物質の調製法
トランス−4’−カルボキシコチニン(trans-4’-carboxycotinine)(東京化成工業株式会社)30mgをアセトン20mLに溶解し、ジアゾメタンを2mL加え室温で20分間、反応させた。反応後、溶媒を留去し、メチルエステル体であるトランス−4’−カルボキシコチニンメチルエステル(trans-4’-carboxycotinine methyl ester)39mgを得た。
【0030】
実施例1(HPLCを用いたニコチン代謝分析法)
モノテルペン化合物として、p−メンタン−8−オール、(+)−カルベオール、(−)−カルベオール、(+)−カルボン、(−)−カルボン、(+)−メントール、(−)−メントール、(+)−ネオメントール、(−)−ネオメントール及びローズオキシドの10種の単環性モノテルペン化合物、並びに(+)−ボルネオール、(−)−ボルネオール、(+)−カンファー、(−)−カンファー、(+)−フェンコール、(+)−フェンコン、(−)−フェンコン、(+)−ミルタノール、(−)−ミルタノール、(+)−ミルテノール、(−)−ミルテノール、(−)−ミルテナール及びベルベノンの13種の双環性モノテルペン化合物を用いて、以下のニコチン代謝分析を行った。
【0031】
5μLのバキュロウイルス組換えCYP2A13(20nmol/mL、BD社製)、15μLのプールドヒト肝サイトゾール(0.3mg/mL、BD社製)、52.5μLのNADPH生成系(0.5mM NADP
+、5mM G-6-P、0.5 units/mL G-6-P DH)、10μLのニコチン(50μM)、および50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)を混合し、全量を250μLとした。この混合液を37℃で30分間反応させた。阻害剤であるモノテルペン化合物は、DMSOに溶解させ、全量250μLの反応系で、12.5、25、50μMになるように調製した。なお、一部のモノテルペン化合物については、1.56、3.13、6.25又は100μMになるように調製した。
【0032】
反応後、内部標準物質として25μLのトランス−4’−カルボキシコチニンメチルエステル(25μM)および反応停止剤としてアセトニトリル/メタノール(1:1、v/v)混合溶液を250μL加えた。反応停止後、4℃、3000rpmで20分間遠心分離した後、上清をとり、上清を活性化させたSep-Pak C18(Waters社製)にてクリーンナップし、HPLCによりコチニンの生成量を定量した。コチニン生成量の結果を
図1〜3に、本実施例で用いたモノテルペン化合物のIC
50値を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
図1〜3及び表1より、本実施例で用いた全てのモノテルペン化合物について、CYP2A13阻害活性を有することが確認できた。特に、単環性モノテルペン化合物にあっては(+)−メントールが強い阻害効果を示し、双環性モノテルペン化合物にあっては(+)−フェンコール、(+)−フェンコン、(−)−フェンコン、(+)−ミルテノール、(−)−ミルテノール及び(−)−ミルテナールが強い阻害活性を示し、いずれもIC
50値は20μM未満であった。さらに、これらの中でも、(+)−ミルテノール、(−)−ミルテノール、(−)−ミルテナールが特に強い阻害活性を示し、いずれもIC
50値は10μM未満であった。
【0035】
また、CYP2A13の阻害効果では単環性モノテルペン化合物よりも双環性モノテルペン化合物の方が、CYP2A13阻害活性が高い傾向があることが示唆された。
【0036】
実施例2(製剤例)
実施例1で分析を行った(−)−ミルテナールを用いて、下記製造例1〜5の製剤を調製できる。
【0037】
製造例1(パッチ製剤付着性ゲル)
【0038】
【表2】
【0039】
製造例2(パッチ製剤付着性ゲル)
【0040】
【表3】
【0041】
製造例3(スプレー製剤)
【0042】
【表4】
【0043】
製造例4(スプレー製剤)
【0044】
【表5】
【0045】
製造例5(チューインガム製剤)
下記の組成物Aを調製する。
【0046】
【表6】
【0047】
上記の組成物Aを、下記のガムベース及び香料と混合してチューインガムを製造する。
【0048】
【表7】