(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5730379
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】ガスタービン燃焼器用の減衰装置
(51)【国際特許分類】
F23R 3/16 20060101AFI20150521BHJP
F02C 7/18 20060101ALI20150521BHJP
F23R 3/42 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
F23R3/16
F02C7/18 C
F23R3/42 A
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-249278(P2013-249278)
(22)【出願日】2013年12月2日
(65)【公開番号】特開2014-109435(P2014-109435A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2014年2月4日
(31)【優先権主張番号】12195066.1
(32)【優先日】2012年11月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503416353
【氏名又は名称】アルストム テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル トーマス マウラー
(72)【発明者】
【氏名】ウアス ベンツ
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ ルーベン ボティエン
【審査官】
寺町 健司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−169582(JP,A)
【文献】
特表2004−509313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 1/00−9/58
F23R 3/00−7/00
Thomson Innovation
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン燃焼器(1)用の減衰装置であって、互いに間隔を置いて配置された、第1の内側壁部(5)と、第2の外側壁部(6)とを備えた壁部(4)であって、前記内側壁部(5)が、一方の側において高温ガス流によって高い温度に曝されている、壁部(4)と、前記第1の内側壁部(5)と前記第2の外側壁部(6)との間に実質的に平行に延びた複数の冷却チャネル(7)と、少なくとも1つの減衰体積(9)であって、前記冷却チャネル(7)と、冷却チャネル(7)から減衰体積(9)へ冷却媒体を供給するための第1の通路(11)と、減衰体積(9)を燃焼室(3)に接続するためのネック通路(13)とによって取り囲まれた少なくとも1つの減衰体積(9)と、を備えるガスタービン燃焼器(1)用の減衰装置において、前記減衰体積(9)を燃焼室(3)から分離するエンドプレート(10)が前記内側壁部(5)に固定されており、前記エンドプレート(10)には、前記ネック通路(13)が設けられておりかつ付加的に冷却媒体用の少なくとも1つの供給プレナム(12,15)と、冷却媒体用の少なくとも1つの出口プレナム(16)と、少なくとも1つの第1の供給プレナム(12)から第2の供給プレナム(15)への又は少なくとも1つの出口プレナム(16)への冷却媒体の流れを可能にする少なくとも1つの冷却通路(14)と、が設けられていることを特徴とする、ガスタービン燃焼器(1)用の減衰装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの冷却通路(14)は、壁近傍冷却チャネルとして作用する、請求項1記載の減衰装置。
【請求項3】
前記エンドプレート(10)は、複数の壁近傍冷却チャネル(14)を有する、請求項2記載の減衰装置。
【請求項4】
前記複数の壁近傍冷却チャネル(14)は、実質的に同じ横断面を有する、請求項3記載の減衰装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの供給プレナム(12)は、前記壁部(5)における供給通路(11)を介して前記冷却チャネル(7)と連通している、請求項1又は2記載の減衰装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの供給プレナム(12,15)は、1つ以上の冷却通路(14)によって直列に接続されている、請求項1又は2記載の減衰装置。
【請求項7】
少なくとも3つの供給プレナム(12,15)が直列に接続されている、請求項6記載の減衰装置。
【請求項8】
連続するプレナム(12,15,16)は、前記エンドプレート(10)の異なる側縁に配置されている、請求項6又は7記載の減衰装置。
【請求項9】
連続するプレナム(12,15,16)は、前記エンドプレート(10)の互いに反対側の縁部に配置されている、請求項8記載の減衰装置。
【請求項10】
2つ以上の前記冷却通路(14)が設けられており、前記冷却通路(14)は、互いに平行に延びている、請求項9記載の減衰装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの出口プレナム(16)は、前記減衰体積(9)又は前記燃焼室(3)と連通している、請求項1又は2記載の減衰装置。
【請求項12】
前記エンドプレート(10)の前記側縁に凹所が設けられており、これらの凹所は、結合された内側壁部(5)と協働して、プレナム(12,15,16)を形成する、請求項8から10までのいずれか1項記載の減衰装置。
【請求項13】
前記エンドプレート(10)は、溶接によって前記内側壁部(5)に固定されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の減衰装置。
【請求項14】
前記内側壁部(5)は、ガスタービン燃焼器(1)のライナである、請求項1から13までのいずれか1項記載の減衰装置。
【請求項15】
前記壁部(4)は、2つ以上の個々の減衰体積(9)を有する、請求項1から14までのいずれか1項記載の減衰装置。
【請求項16】
前記2つ以上の個々の減衰体積(9)は、燃焼器軸線に関して軸方向で配置されている、請求項15記載の減衰装置。
【請求項17】
個々の減衰体積(9)は異なるパラメータを有する、請求項15又は16記載の減衰装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、明確な減衰性能及び十分な寿命を保証するために適切に冷却されなければならない、高い周波数範囲における熱音響的に誘発される圧力振動を抑制するための1つ以上の装置を有する、ガスタービン、特に希薄予混合される低エミッション燃焼システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンにおける希薄予混合される低エミッション燃焼システムの欠点は、熱音響的に誘発される燃焼振動を発生するリスクが高いということである。ガスタービン開発の初期からよく知られた問題であるこのような振動は、発熱率及び圧力の変動の間の強い結合によるものであり、機械的及び熱的損傷を生じ、運転領域を制限する恐れがある。
【0003】
このような振動を抑制するための可能性は、四分の一波長管、ヘルムホルツダンパ又は音響スクリーンなどの減衰装置を取り付けることである。
【0004】
音響スクリーンを有する、シーケンシャル燃焼を伴うガスタービン用の再熱燃焼システムは、米国特許出願公開第2005/229581号明細書に記載されている。混合ゾーン及び/又は燃焼室内に設けられた音響スクリーンは、2つの穴あき壁部から成る。両者の間の体積は、複数の一体化されたヘルムホルツ体積であると見なすことができる。後方穴あき板は、高温の燃焼室に面した板の吹付け冷却を許容する。高温のガスが燃焼室から減衰体積へ進入することを防止するために、吹付け冷却質量流が必要とされ、これは、減衰効率を低下させる。吹付け質量流が小さすぎると、高温ガスが再循環し、音響スクリーンの隣接する穴を通過する。この現象は、高温ガス吸込みとして知られる。高温ガス吸込みの場合、減衰体積において温度が上昇する。これは、音の速度の上昇につながり、最終的に、減衰システムが設計されている周波数のシフトにつながる。周波数シフトは、減衰効率の著しい減少につながる恐れがある。加えて、減衰体積において高温ガスが再循環するので、冷却効率は低下させられ、これは、減衰装置の熱的損傷につながる恐れがある。さらに、高い冷却質量流量を用いることは、燃焼に関与しない空気の量を増大させる。これは、より高い燃焼温度を生じ、ひいては、NOxエミッションの増加につながる。
【0005】
前記問題に対する解決手段は、例えば欧州特許第2295864号明細書に記載されている。この場合、高温の燃焼室の近くにおいて内部壁近傍冷却技術を用いて冷却される1つのコンパクトなヘルムホルツダンパを形成するために、複数の層が一緒に固定されている。したがって、高温ガス吸込みの問題に直面することなく冷却質量流量を著しく減じることができ、より少ないエミッション及びより高い減衰効率につながる。個別のヘルムホルツダンパが使用されるので、様々な周波数に個別に対応することができる。1つのヘルムホルツダンパが使用されるか、ヘルムホルツダンパの集団が使用されるかにかかわらず、設計は、壁近傍冷却の適切な実施に基づく。
【0006】
冷却される壁部分を備えたガスタービンにおける燃焼器用の高周波減衰システムの別の解決手段は、欧州特許第2402658号明細書に開示されている。軸方向に延びた複数の冷却経路が燃焼器壁部に形成されている。冷却経路は、一方の端部において、蒸気又は冷却空気などの冷却媒体の供給源に、他方の端部において冷却媒体排出チャネルに接続されている。冷却経路を流過する冷却媒体は、貫通孔の周囲部分を冷却し、高温ガス吸込みの場合に貫通孔を通過するときに高温の燃焼ガスによって生ぜしめられる熱応力を回避又は最小限に抑制する。
【0007】
欧州特許第2362147号明細書は、壁近傍冷却をどのように実現することができるかについて様々な解決手段を記載している。壁近傍冷却通路は、直線的な通路であるか、又は、積層された板に対して平行なコイル状の構造を有する。この解決手段の欠点は、壁近傍冷却チャネルの形状により、構成部材が、最終的にろう付けされなければならない複数の層から形成されるということである。ろう付け自体は、ターボ機械ビジネスにおいて公知技術であるが、他の接合方法と比較して欠点を有する。
【0008】
壁構造において様々な形状の壁近傍冷却チャネルを実現するための別の方法は、いわゆる「ロストワックス鋳造プロセス」を使用することである。タービンブレードに冷却通路を形成するために広く使用されているこの技術において、後の冷却通路を実現するために鋳造プロセスの間にセラミックコアが使用される。セラミックコアの使用を回避することができる鋳造プロセスと比較して、製造コストは数倍高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/229581号明細書
【特許文献2】欧州特許第2295864号明細書
【特許文献3】欧州特許第2402658号明細書
【特許文献4】欧州特許第2362147号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、高価な鋳造技術の欠点を排除する、著しく減じられた冷却空気質量流量要求を備えたガスタービン燃焼器の減衰装置用の壁近傍冷却システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、請求項1に係るガスタービン燃焼器用の減衰装置によって達成される。
【0012】
特に壁近傍冷却システムを備えたライナセグメント用の減衰装置である、ガスタービン燃焼器用の減衰装置は、互いに間隔を置いて配置された、第1の内側壁部、特にライナと、第2の外側壁部とを備えた壁部であって、前記内側壁部は一方の側において高温ガス流によって高い温度に曝される、壁部と、第1の内側壁部と第2の外側壁部との間に実質的に平行に延びた複数の冷却チャネルと、少なくとも1つの減衰体積であって、該減衰体積は、前記冷却チャネルと、冷却チャネルから減衰体積へ冷却媒体を供給するための第1の通路と、減衰体積を燃焼室に接続するための第2の通路とによって取り囲まれている、少なくとも1つの減衰体積と、を備え、減衰体積を燃焼室から分離するエンドプレートが内側壁部に固定されており、前記エンドプレートには、ネック通路が設けられておりかつ付加的に冷却媒体用の少なくとも1つの供給プレナムと、冷却媒体用の少なくとも1つの出口プレナムと、少なくとも1つの供給プレナムから別の供給プレナムへの又は少なくとも1つの出口プレナムへの冷却媒体の流れを可能にする少なくとも1つの冷却通路と、が設けられている。
【0013】
前記プレナムの間の冷却通路は、壁近傍冷却チャネルとして作用する。
【0014】
好適な実施の形態によれば、エンドプレートの側縁には凹所が設けられている。内側壁部に結合されると、これらの凹所は供給及び出口プレナムを形成する。
【0015】
新規発明は、冷却空気質量流量要求が減じられた、高周波減衰システムの最適化された冷却及び寿命性能を可能にする。記載された製造プロセスは、機械加工及び溶接技術を使用し、したがって、ろう付け及び/又はセラミックコアを使用する高価な鋳造技術の前記欠点を排除する。新規の壁近傍冷却設計は、効率的な減衰を可能にし、製造リスクを減じる。
【0016】
通常、缶燃焼システムにおける高周波ダンパは、軸方向範囲が制限されて、缶ライナの円周に沿って取り付けられている。壁近傍冷却ダンパ装置がこのように取り付けられていると、製造プロセスにおける困難が生じる。なぜならば、曲げプロセスが冷却チャネルの形状に影響し、ひいては、不均一な冷却分布を生じるからである。壁近傍ダンパ体積を軸方向で配列することにより、これらの困難が克服される。
【0017】
本発明はここで、様々な実施の形態によって、図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図4】本発明による減衰装置用のエンドプレートのより詳細な実施の形態を示す。
【
図5】本発明による減衰装置用のエンドプレートのより詳細な実施の形態を示す。
【
図6】本発明による減衰装置用のエンドプレートのより詳細な実施の形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の様々な実施の形態の詳細な説明
図1は、従来技術によるシーケンシャル燃焼を伴うガスタービンの再熱燃焼器1を示す。燃焼器1は、燃焼室3に軸方向で接続されたバーナセクション2を有する。バーナセクション2に進入する高温ガス流には、高温ガス流内へ延びる燃料供給インジェクタ(例えば燃料ランス)によって燃料が供給され、高温ガス流は次いで混合ゾーンに沿って流れる。混合ゾーンにおいて形成された混合物は、出口においてバーナセクション2から出て、燃焼室3内へ膨張する。燃焼室3において、混合物は火炎27において燃焼させられ、タービン(図示せず)において膨張させられる高温ガスGを発生する。バーナセクション2と燃焼室3との間の境界面は、バーナセクション2の出口から燃焼室3の周壁まで延びた垂直な前板2aによる規則的に突然の断面積変化を特徴とする。バーナセクション2及び/又は燃焼室3及び/又は前板2aを含む燃焼器壁部の少なくとも一部分4には、冷却手段が装備されている。例えば、燃焼器壁部全体又はバーナセクション2及び/又は燃焼室3及び/又は前板2aのあらゆる部分は、内側ライナ5と、それから間隔を置いて、外側カバープレート6とを有し、内側ライナ5と外側カバープレート6とは、それらの間に配置された冷却室を形成している。空気又は蒸気などの冷却媒体は、(矢印Fによって示されているように)この冷却室において冷却チャネル7を通って循環し、これにより、バーナセクション2と、燃焼室3と、前板2aとを冷却する。
【0020】
図2は、燃焼室壁部の断面図であり、冷却媒体用のチャネル7を形成したライナ5及びカバープレート6を示す。カバープレート6は、ライナ表面から延びたピン上に溶接された固定クリップ8を使用することによってライナ5と接合されている。ライナ5の外側におけるウェブは、冷却チャネル7の側壁として作用し、壁構造5,6を支持する。内側ライナ5とカバープレート6との間の距離には、音響減衰装置が配置されている。減衰体積9は、冷却チャネル7によって取り囲まれている。以下に説明するように、燃焼室3の側では減衰体積9はエンドプレート10によって分離されている。
【0021】
この設計の利点は、音響ダンパの外側形状をライナ5の鋳造プロセスにおいて付与することができることである。所要の音響体積9を形成しかつ減衰装置を閉鎖するために、機械加工されたエンドプレート10がライナ5に溶接され、鋳造時に形成された凹所をカバーする。エンドプレート10には、少なくとも1つの貫通孔13、すなわち燃焼室3と減衰体積9との間の相互作用のためのネック通路とが設けられている。
【0022】
図3は、本発明による減衰装置の原理構造を拡大図において示す。燃焼器1のライナ構成部材5は、鋳造によって規則的に製造される。鋳造のプロセスにおいて、ライナ5には多数の凹所9が成形される。次のステップにおいて、全ての凹所9にエンドプレート10を溶接することによって凹所9はカバーされる。凹所を有するライナ5とエンドプレート10とによって取り囲まれた体積は、減衰装置の減衰体積9を形成する。エンドプレート10には、燃焼室3を音響ダンパ体積9に接続する少なくとも1つの音響ネック通路13が設けられている。凹所を有するライナ5の外側部分には、冷却チャネル7を流過する冷却媒体Fが充填されており、したがって、ライナ5の外側部分は適切に冷却される。しかしながら、減衰装置は主に、冷却回路7からのパージ空気供給をほとんど又は全く有さない減衰体積9から成るので、減衰体積9と燃焼室3との間の壁部温度は、材料限界を超える。その結果、エンドプレート10に付加的な冷却手段が設けられなければならない。この構成部材を冷却するための1つの選択肢は、壁近傍冷却手段である。本発明による減衰装置用の壁近傍冷却解決手段を実現するために、ライナ5に第1の通路11が形成されている。この通路11は、一方の端部において冷却チャネル7に接続されている。他方の端部において、この通路11は第1の供給プレナム12に接続されており、これにより、冷却媒体は通路11を流過することができ、冷却媒体Fを冷却チャネル7からこのプレナム12内へ供給することができる。この第1のプレナム12はライナ5とエンドプレート10との間に配置されている。好適な実施の形態によれば、エンドプレート10にプレナム12が配置されている。その側縁の領域において、凹所がエンドプレート10にフライス削りされている。ライナ5に結合されると、これらの凹所はプレナム12を形成する。また、このプレナム12は、本発明の減衰装置の壁近傍冷却システムの始点である。
【0023】
図4、
図5及び
図6は、エンドプレート10の設計の様々な実施の形態をさらに詳細に示している。
【0024】
図5から分かるように、冷却供給流Fは、第1の供給プレナム12を通って壁近傍冷却装置に進入する。この第1の供給プレナム12から、第2の通路14は冷却空気を第2の供給プレナム15へ導く。この原理は、第2の通路14が出口プレナム16に達するまで繰り返される。この位置において、冷却供給流Fはエンドプレート10から出て、減衰装置のパージを提供するために音響体積9に進入するか、又は冷却供給流Fはエンドプレート10から出て燃焼室3へ進入する。
【0025】
図6から見られるように、エンドプレート10を通って冷却供給流Fを導くための択一的な方法が実現可能である。共通の概念は、様々な供給及び出口プレナム(12,15及び16)を接続する直線的な第2の通路を有することである。
【0026】
(壁近傍冷却装置における高い圧力降下により)小さな冷却質量流量は、燃焼室3からの熱負荷を取り除くために効率的に利用される。壁近傍冷却装置の設計はエンドプレート10を完全にカバーしているので、壁部温度分布は均一である。均一な温度分布は、熱応力を減じ、寿命を延長させる。
【0027】
壁近傍冷却装置の全ての供給プレナム及び通路を穿孔、レーザ切断、ウォータージェット、フライス削り等によって形成することができることは、この構造の利点である。現在では、このような冷却技術の実現は、取り扱うのが困難な、高価な鋳造プロセス(セラミックコアを含む)又はろう付け技術を必要とする。本発明の利点は、機械加工及び溶接技術のみを使用するということである。
【符号の説明】
【0028】
1 燃焼器
2 バーナセクション
2a 前板
3 燃焼室
4 壁部
5 内側壁部、ライナ
6 外側壁部、カバープレート
7 冷却チャネル
8 固定クリップ
9 減衰体積
10 エンドプレート
11 冷却媒体を12へ供給するための供給通路
12 第1の供給プレナム
13 音響減衰装置のネック通路
14 冷却媒体用の通路、壁近傍冷却チャネル
15 第2の供給プレナム
16 出口プレナム
F 冷却媒体
G 高温ガス