(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の本発明の詳細な説明を添付図面とともに参照することにより、本発明が更に明らかになるであろう。図面の要素群は必ずしも相互に縮尺を合わせられていない。図面を参照するに、その全体を通して、似通った参照符号は同様の部分を指し示している。
【
図1】二重レジスト層処理後の半導体ウェハ上のパターニング可能材料内に画成される典型的な複合BnB測定構造を示す図である。
【
図2】
図1の直線A−Aに沿った領域の測定での結合強度プロファイルである。
【
図3A】スティッチされるフィールドの周辺に構造を置くことを可能にするために、
図1に示した複合BnBのコインシデント相補部分がどのようにマスクされるかを示す図である。
【
図3B】スティッチされるフィールドの周辺に構造を置くことを可能にするために、
図1に示した複合BnBのコインシデント相補部分がどのようにマスクされるかを示す図である。
【
図3C】スティッチされるフィールドの周辺に構造を置くことを可能にするために、
図1に示した複合BnBのコインシデント相補部分がどのようにマスクされるかを示す図である。
【
図4】本発明に係る一実施形態においてステッパシステムに含められ得る露光ツールの簡略化された断面図である。
【
図5】本発明に係る一実施形態においてレジストパターンを画成することになる単位マスクパターンと、ウェハとを示す図である。
【
図6】本発明に係る一実施形態におけるスティッチされた8個の単位セルの8個のグループを示す図である。
【
図7】本発明に係る一実施形態におけるウェハ500上に形成された8個の完成された半導体デバイス700を示す図である。
【
図8】本発明に係る一実施形態における第1のスティッチング方法のフローチャートである。
【
図9】本発明に係る一実施形態における第2のスティッチング方法のフローチャートである。
【
図10】本発明に係る一実施形態におけるステッパの遮蔽ブレードとスティッチされた単位セルのマスクレイアウトとを表す図である。
【
図11】本発明に係る一実施形態における周辺部のマスクレイアウトを示す図である。
【
図12】本発明に係る一実施形態における露光後及び現像後のパターニング可能材料を示す図である。
【
図13】従来技術に係るグリッド画成マスクパターンを示す図である。
【
図14】本発明に係る一実施形態における小さい単位セルのグリッド画成レベルで使用されるのに適したパターンの一例を示す図である。
【
図15】本発明に係る一実施形態における大きいフィールド周辺のグリッド画成レベルで使用されるのに適したパターンの一例を示す図である。
【
図16】本発明に係る一実施形態における二重レジストパターンを例示する図である。
【
図18】本発明に係る一実施形態において
図16に示した二重レジストパターン1600が半導体ウェハに恒久的に転写された後のパターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、以下の用語は、文脈がその他のことを明瞭に指し示していない限り、ここで明示的に関連付けられる意味を取る。“a”、“an”及び“the”の意味は複数参照を含み、“in”の意味は“in”及び“on”を含む。用語“接続される”は、接続されるアイテム間の直接的な電気接続、又は1つ以上の受動的あるいは能動的な中間デバイスを介する間接的な接続の何れをも意味し得る。用語“回路”は、所望の機能を提供するように共に接続される、能動的あるいは受動的な、単一のコンポーネント又は複数のコンポーネントの何れをも意味し得る。用語“信号”は、少なくとも1つの電流、電圧又はデータ信号を意味する。
【0010】
また、例えば、“上”、“上方”、“頂部”、“底部”などの方向指示語は、記載されている図の向きを参照して使用されたものである。本発明の実施形態のコンポーネントは、多数の異なる向きで置かれることができるので、そのような方向指示語は単に説明目的で使用されており、決して限定的なものではない。イメージセンサウェハ又は対応するイメージセンサのレイヤ(層)に関して使用されるとき、方向指示語は広く解釈されることが意図され、故に、1つ以上の介在層又はその他の介在イメージセンサ機構若しくは素子の存在を排除するように解釈されるべきでない。従って、別の層の上又は上方に形成されるとしてここに記載される所与の層は、1つ以上の更なる層によって該別の層から離隔されていてもよい。
【0011】
用語“ウェハ”及び“基板”は、如何なる材料としても理解されるものであり、以下に限られないが、シリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)技術、シリコン・オン・サファイヤ(SOS)技術、ドープされた半導体及びアンドープの半導体、半導体基板上に形成されたエピタキシャル層、及びその他の半導体基板上を含み得る。
【0012】
例えば感光性材料などのパターニング可能材料内の新たなパターンの、基板上の既存のパターンに対する適切な配置すなわちアライメントを決定するための1つの実践手段は、ウェハ上の一部又は全てのデバイスの周辺の領域内の構造のアライメントを測定し、そのデータから、既存パターンに対する新パターンのアライメントを推測することである。そのような構造は典型的に、“ボックスインボックス(Box-in-Box;BnB)”として知られている。BnBフォーマットには、例えば“フレームインフレーム”など、数多くの変形が存在するが、以下の観点は常に共通である:典型的に基板上の既存パターンであるアライメントする相手側のパターン内に構造の一部が画成され、“新パターン”であるアライメント中のパターンによって、その構造の相補部分が画成される。
【0013】
BnBの測定は多様な手段によって行われ得る。1つの一般的な手法は、BnB構造全体の光学像を形成し、その構造の相異なる部分のエッジに対応する強度プロファイルピークの間の距離を決定し、そして、その構造の相補的な部分同士の相対位置を計算することを含む。
図1は、デュアルレイヤ処理後の半導体ウェハ上のパターニング可能材料内に画成される典型的な複合BnB測定構造100を示している。パターニング可能材料は、これに限られないが、感光性材料を含む。ここに記載される実施形態は感光性材料を参照して説明されるが、他の実施形態は異なるパターニング可能材料を使用することができる。
【0014】
ポジ型感光性材料の場合、陰にされた領域が、処理後のウェハに感光性材料が残存する領域を表す。
図2は、
図1の直線A−Aに沿った領域の測定での結合強度プロファイルである。これに垂直な方向(すなわち、y軸方向)でも同様の分析が行われ、その方向でのアライメント(図示せず)が決定される。
図2におけるピークは、
図1において102、104、106、108、110、112として識別される構造の異なる部分のエッジを表す。ピーク202はエッジ102に、ピーク204はエッジ104に、ピーク206はエッジ106に、ピーク208はエッジ108に、ピーク210はエッジ110に、そしてピーク212はエッジ112に対応する。1つの対のピーク(例えば、ピーク204及び206)におけるピーク間の距離と他の1つの対(例えば、ピーク208及び210)におけるピーク間の距離との差は、
図1の複合BnB構造100内のパターン群(114及び116)の相対変位を指し示す。
【0015】
これらのBnB構造は、本発明に係る一実施形態において、デバイスの周りの様々な箇所で基板にわたって繰り返される。これらの構造の測定から行われる計算は、新パターンのアライメントを決定するために使用される。これらの計算はまた、処理すべき次のデバイスのアライメントを最適化するように露光ツールのオフセットを決定するために使用される。ステッパに対して補正を行うために典型的に使用されるパラメータは、以下に限られないが、並進、チップ倍率、チップ回転、ウェハステージ倍率(X及びY)、及びウェハステージ回転(X及びY)を含む。スティッチングの場合、同一の感光性材料層内に画成される別々に露光されるパターンの相対的な配置の測定を可能にするよう、構造のコインシデント(同じ場所の)相補部分が該同一層の感光性材料内に画成される“隣接フィールド”バージョンのBnBが使用される。
図3A−3Cは、スティッチされるフィールドの周辺に構造を置くことを可能にするために、
図1に示した複合BnBのコインシデント相補部分がどのようにマスクされるかを示している。コインシデント相補部分が重ね合わされて、
図1に示した複合BnB測定構造を形成する。
図3Aは、マスク上に画成される測定構造100の1つの部分300を表している。陰影を付けた領域302、304は不透明なマスク領域を表し、陰影のない領域306は、光が透過して下に位置する感光性材料に突き当たることができる領域を表す。領域308はマスクを識別するラベルである。領域308は、複合BnB100の何れのエッジがこのコンポーネントによって画成されるかを決定するために使用されることができる。
【0016】
図3Bは、同じマスク又は別のマスクの上に画成されるBnB測定構造100の1つの相補部分310を示している。相補部分310は、デュアルレイヤプロセスの第1の感光性材料層に使用され得る。この場合も、陰影を付けた領域312は不透明なマスク領域を表し、陰影のない領域314は、光が伝播して下に位置する感光性材料を露光することができる領域を表す。領域316は、複合BnB測定構造100の何れのエッジがこのコンポーネントによって画成されるかを識別するために使用され得るラベルである。
【0017】
図3Cは、周辺マスク上に画成されるBnB測定構造100の更なる相補部分318を示している。周辺パターンは、本発明に係る一実施形態において、スティッチされる単位セルの周りに形成されるコンポーネントパターンである。陰影を付けた領域320、322はこのマスク上の不透明領域を表す。不透明領域320は、
図3A内の類似した不透明領域304より大きく、BnB構造の外縁324が
図3Aの類似したエッジ326に重なる。
図3Cに表されるBnB構造が使用されない場合、
図1内のエッジ102は、
図3A内のエッジ326と同じである。この実施形態にて説明されるように
図3Cに表されるBnB構造が使用される場合、
図1内のエッジ102は、
図3C内のエッジ324によって画成される。
【0018】
従来技術におけるBnB構造の使用は、隣接フィールド型測定、又はアライメントしているレベルのリソグラフィより前に基板上に画成されたパターンを含む標準的なBnB、の何れかに専用である。スティッチング及び周辺に伴ってパターニングの複雑さが増すとき、製品の実際の製造、リソグラフィプロセスの監視、及び露出ツールへのアライメントフィードバックを提供するために必要とされるBnB構造の数が増加する。結果として、半導体ウェハ上のますます多くの部分がこれらの構造に充てられ、製品に利用可能な領域が減少してしまう。
【0019】
現在、例えばイメージセンサなどの一部の半導体デバイスの製造は、露光ツールでリソグラフィパターンを処理し且つ該パターンを半導体ウェハ内にエッチングすることによって、“第1レベル”又は“ゼロレベル”としても知られる“グリッド画成(デファイニング)パターン”を作り出すことを必要としている。ゼロレベルマスクは典型的に、グリッドを規定するBnB、及び後続レベルでアライメントターゲットとして露光ツールによって使用される構造のみを有する。その結果、照射光がマスクによって阻止される領域と比較した、光がマスク及び露光光学系を通過する領域の比として、非常に低い比が存在する。この比は、レチクル・スルーアウト・レシオ(RTR)として定義されることもある。大抵の露光ツールは何らかのアルゴリズムを利用して、レンズ及びマスクの加熱をRTRの関数として補償している。そのアルゴリズムは、非常に低いRTR(例えば、<0.1%)において常に正確であるわけではない。結果として、グリッド画成レベルのマスクを用いて露光ツールによって順次処理される一連の半導体ウェハは、ウェハ間で倍率及び焦点のドリフトを示し得るものとなるが、これはグリッド画成レベルにおいて望ましくない特徴である。
【0020】
次に
図4を参照するに、本発明に係る一実施形態においてステッパシステムに含められ得る露光ツールの簡略化された断面図が示されている。露光ツール400は、ウェハ406上に形成された感光性材料の層404上に、マスク402上の形状を投影する。マスク402は、マスクステージ408上で適所に保持されている。光源410から発せられた光エネルギーは、コリメートされて均一にされた照射光414を作り出すように、反射表面412によって集められ且つ方向付けられる。光414は、シャッター416、遮蔽(マスキング)ブレード418及びマスク402を通り過ぎるよう伝播する。マスク402を通過した光414は、光学系420によって像にされて感光性材料404上に投影される。光学系420は、本発明に係る一実施形態において、投影される像の倍率及び焦点を調整することができる。図示した実施形態において、光学系420はレンズとして構成されている。ウェハ406は、投影される像が感光性材料404の様々な部分に突き当たることを可能にするように移動するよう構成されたステージ422の上に載置される。
【0021】
図5は、本発明に係る一実施形態においてレジストパターンを画成することになる単位マスクパターンと、ウェハとを示している。ウェハ500は、本発明に係る一実施形態においてシリコンウェハである。単位セル502、504、506、508はウェハ500上でスティッチされるものである。周辺パターン510は、スティッチされた単位セルの各グループの周りに形成されるものである。
【0022】
図6は、本発明に係る一実施形態における、スティッチされた8個の単位セルの8個のグループを備えたウェハを示している。単位セルごとに、ステッパが、ウェハ500上に形成された感光性材料(図示せず)上にマスクを露光する。単位セル502、504、506、508が互いにスティッチされて、8個の未完成の半導体デバイスの回路を作り出している。8個のデバイスのみが示されているが、当業者に認識されるように、1枚の半導体ウェハに如何なる数の半導体デバイスが形成されてもよい。また、スティッチされた単位セルの各グループ内の単位セル数は、本発明に係る他の実施形態においては異なり得る。単位セル群は、製造されるデバイスによる要求に応じて、同じパターンであってもよいし異なるパターンであってもよい。
【0023】
図7は、本発明に係る一実施形態における、ウェハ500に形成された8個の完成された半導体デバイス700を示している。スティッチされた単位セルの各グループ(単位セル502、504、506、508のグループ)の周りに周辺パターン510が形成されている。単位セルのグループごとに、ステッパは、ウェハ500上に形成された感光性材料(図示せず)上に周辺パターンのマスクを露光する。周辺パターン510と単位セル502、504、506、508の各グループとが互いにスティッチされて、8個の完成された半導体デバイスの回路を作り出している。
【0024】
次に
図8を参照するに、本発明に係る一実施形態における第1のスティッチング方法のフローチャートが示されている。例示する実施形態は、異なる照射野(露光フィールド)サイズを有する別個の露光ツールで1つの感光性材料層が露光されるシングルレイヤプロセスを説明するために使用される。先ず、ブロック800に示すように、半導体ウェハ上に感光性材料の層が形成される。そして、高い開口数(N.A.)のスモール(小)フィールドツールを用いて、感光性材料に隣接フィールドパターンが露光される(ブロック802)。高NAのスモールフィールドツールは、例えば、0.35と1.0との間のNAを有し得る。
【0025】
そして、別のパターン、隣接フィールドパターンが、低N.A.(例えば0.35未満)のワイド(広)フィールドツールを用いて感光性材料に露光される(ブロック804)。本実施形態において、これはデバイスの周辺であり、ブロック802にて露光された隣接フィールドパターンの潜像に対してアライメントされ得る。そして、ブロック806に示されるように、感光性材料が現像される。ポジ型感光性材料が使用される場合、光に露光された感光性材料の化学構造が、その感光性材料が“現像液”として知られる溶液内に溶けやすくなるように変化する。露光された感光性材料は現像液によって洗い流されるが、露光されていない感光性材料はウェハ上に残存する。ポジ型感光性材料の場合、マスク(例えば、
図4のマスク402)は、ウェハ上に残存すべきパターンの正確なコピーを含む。
【0026】
ネガ型感光性材料が使用される場合、光に露光された感光性材料の化学構造は、その感光性材料が現像液に溶けにくくなるように変化する。露光されていない感光性材料は現像液によって洗い流されるが、光に露光された感光性材料はウェハ上に残存する。ネガ型感光性材料の場合、マスク(例えば、
図4のマスク402)は、転写されるべきパターンを反転したもの(すなわち、写真的な“ネガティブ”)を含む。
【0027】
図8に戻るに、ブロック808にて、スティッチされたパターンのアライメント及び寸法が測定・分析される。測定データはまた、本発明に係る一実施形態において、メモリに記録されることができる。そして、アライメントが所与の許容範囲内であるか否かについての決定が為される(ブロック810)。1つ以上のアライメントが所与の許容範囲内にない場合、そのウェハは再加工プロセスにかけられる(ブロック812)。単なる例として、再加工プロセスは、露光ツールパラメータを最適化することと、感光性材料をウェハから除去することと、ウェハを洗浄することと、ブロック800に戻ってこの方法を繰り返すこととを含み得る。
【0028】
ブロック810でアライメントが所与の許容範囲内であった場合、この方法はブロック814に進み、ウェハ上に残存している感光性材料内に形成された最終パターンが後続処理工程で使用される。例えば、ウェハにドーパントが注入されて、ウェハ内に注入領域が形成され得る。他の例では、ウェハがエッチングされ、あるいは例えば導電材料などの材料がウェハ上に堆積され得る。後続処理工程が完了すると、ブロック816に示されるように、感光性材料がウェハから除去され得る。当業者に認識されるように、ブロック816は必要に応じてのものであり、本発明に係る一部の実施形態において、感光性材料はウェハから除去されない。
【0029】
図9は、本発明に係る一実施形態における第2のスティッチング方法のフローチャートである。例示する実施形態は、複数層の感光性材料層が異なる照射野(露光フィールド)サイズを有する別個の露光ツールで露光され、次いで、ワイドフィールド露光ツールで周辺露光が行われるデュアルレイヤプロセスを説明するために使用される。先ず、ウェハが感光性材料でコーティングされる。そして、ブロック901に示されるように、高N.A.のスモールフィールドツールを用いて、感光性材料に隣接フィールドパターンが露光される。そして、ブロック902に示されるように、感光性材料が現像される。先述のように、ポジ型感光性材料が使用されるとき、光に露光された感光性材料が現像液によって洗い流される。ネガ型感光性材料の場合には、光に露光されていない感光性材料が現像液によって洗い流される。
【0030】
ブロック904にて、スティッチされたパターンのアライメントが測定・分析される。測定データはまた、メモリに格納されることができる。この測定データは、高N.A.のスモールフィールドツールでの次のウェハ又は次の一組のウェハの露光に関する照射野内アライメントを最適化するための露光ツールの補正を計算するために使用され得る。
【0031】
そして、アライメントが所与の許容範囲内であるか否かについての決定が為される(ブロック906)。アライメントが所与の許容範囲内にない場合、そのウェハは再加工プロセスにかけられる(ブロック908)。単なる例として、再加工プロセスは、露光ツールパラメータを最適化することと、感光性材料をウェハから除去することと、半導体ウェハを洗浄することと、別の第1の感光性材料層をウェハ上に設けることと、ブロック900に戻ってこの方法を繰り返すこととを含み得る。
【0032】
ブロック906に戻って、アライメントが所与の許容範囲内であった場合、このプロセスはブロック910に進み、残存した感光性材料がキュアされ、それにより、感光性材料が固められ、感光性材料内にパターンが固定される。ブロック912及び914に示されるように、別の感光性材料層がウェハ上にコーティングされ、低N.A.のワイドフィールドツールを用いて、周辺パターンが感光性材料に露光される。ブロック916にて、感光性材料が現像される。
【0033】
ブロック918にて、スティッチされたパターンに対する周辺パターンのアライメントが測定・分析される。この測定データも、メモリに格納されることができる。この測定データは、第2の感光性材料層の露光に関する照射野内アライメントを最適化するための、あるいは、次のウェハ又は次の一組のウェハの上の2つのパターンのアライメントを最適化するために第1層パターンに対して必要な補正を行うための、高N.A.のスモールフィールドツール及び低N.A.のワイドフィールドツールの双方に関する補正を計算するために使用され得る。
【0034】
そして、ブロック920にて、アライメントが所与の許容範囲内であるか否かについての決定が為される。アライメントが所与の許容範囲内にない場合、第1のグリッドレベル(グリッド1)を修正する必要があるか否かについての決定が為される(ブロック921)。そうである場合、この方法はブロック908に進む。
【0035】
第1のグリッドレベルを修正する必要がない場合、このプロセスは再加工プロセスのためにブロック922に進む。この再加工プロセスは、本発明に係る一実施形態において、未キュアの第2の感光性材料層をウェハから除去することと、半導体ウェハを洗浄することと、ブロック912に戻ってブロック912から920を繰り返すこととを含み得る。
【0036】
ブロック920に戻って、アライメントが所与の許容範囲内であった場合、この方法はブロック924に進み、ウェハ上に残存している感光性材料によって形成された最終パターンが後続処理工程で使用される。先述のように、ウェハにドーパントが注入され、ウェハがエッチングされ、あるいは例えば導電材料などの材料がウェハ上に堆積され得る。後続処理工程が完了すると、ブロック926に示されるように、感光性材料がウェハから除去され得る。当業者に認識されるように、ブロック926は必要に応じてのものであり、本発明に係る一部の実施形態において、感光性材料はウェハから除去されない。
【0037】
次に
図10を参照するに、本発明に係る一実施形態におけるスティッチされた単位セルのマスクレイアウトを表現したものが示されている。
図10は、BnB部分の構成を、パターンのそれ以外の部分に対して、また、単位セルのスティッチング中に使用される遮蔽(マスキング)ブレードに対して示している。遮蔽ブレード1000、1002、1004、1006は、スティッチされる単位セル1012が露光されるときに光が測定構造1008、1010に突き当たることを阻止するように位置付けられている。
【0038】
直線1014は、単位セル1012より下のBnB構造の相補部分を露光することを防止するための遮蔽ブレード1000の位置を表している。直線1016は、単位セル1012より上のBnB構造の相補部分を露光することを防止するための遮蔽ブレード1004の位置を表している。直線1018は、単位セル1012より左のBnB構造の相補部分を露光することを防止するための遮蔽ブレード1002の位置を表している。直線1020は、単位セル1012より右のBnB構造の相補部分を露光することを防止するための遮蔽ブレード1006の位置を表している。
【0039】
図11は、本発明に係る一実施形態における周辺部のマスクレイアウトを示している。図示した実施形態は、周辺パターン1100と測定構造の部分1102との相対的な位置を示している。
図10及び11に示した測定構造は、BnB構造の相補部分とし得る。例えば、3つの部分で構成されるBnB構造において、
図10の測定構造1008が1つの相補部分内にあり、
図10の測定構造1010が第2の相補部分内にあり、そして、測定構造1102が第3の相補部分内にあるとすることができる。
【0040】
次に
図12を参照するに、本発明に係る一実施形態における露光・現像された感光層が示されている。図示した実施形態には、スティッチされた単位セル1200と、完成されたBnB測定構造1202とが示されている。完成されたBnB測定構造1202は、
図10の測定構造1008、1010の部分を
図11の相補部分1102と重ね合わせることによって作り出されている。完成されたBnB測定構造1202の測定結果を用いて、スティッチされた単位セル1200のその他に対する相対位置が決定される。
【0041】
スティッチング様式はまた、パターンの各コーナー部に、半導体ウェハ上の先行レベルに対するアライメントを測定するための標準的なBnBの部分として使用することが可能な測定構造の単一部分1008、1010を残すことができる。
【0042】
現在、例えばイメージセンサなどの半導体デバイスの製造は、露光ツールでリソグラフィパターンを処理し且つ該パターンを半導体ウェハ内にエッチングすることによって、“第1レベル”又は“ゼロレベル”としても知られる“グリッド画成(デファイニング)パターン”を作り出すことを必要としている。ゼロレベルマスクは典型的に、グリッドを規定するBnB、及び後続レベルでアライメントターゲットとして露光ツールによって使用される構造のみを有する。その結果、照射光がマスクによって阻止される領域と比較した、光がマスク及び露光光学系を通過する領域の比として、非常に低い比が存在する。この比は、レチクル・スルーアウト・レシオ(RTR)として定義されることもある。大抵の露光ツールは何らかのアルゴリズムを利用して、レンズ及びマスクの加熱をRTRの関数として補償している。そのアルゴリズムは、非常に低いRTR(例えば、<0.1%)において常に正確であるわけではない。結果として、グリッド画成レベルのマスクを用いて露光ツールによって順次処理される一連の半導体ウェハは、ウェハ間で倍率及び焦点のドリフトを示し得るものとなるが、これはグリッド画成レベルにおいて望ましくない特徴である。
【0043】
図13は、パターン1300、1302によって表される従来技術に係るグリッド画成マスクパターンを示している。パターン1300は、BnB構造1306及びアライメントターゲット1308を除いて不透明な小さい単位セル1304を露光するために使用されるマスクを表している。アライメントターゲット1308は、後続の処理工程で使用され得る。パターン1302は、BnB構造1312及びアライメントターゲット1314を除いて不透明な、より大きいフィールド周辺1310用のマスクを示している。
【0044】
次に
図14を参照するに、本発明に係る一実施形態における小さい単位セルのグリッド画成レベルで使用されるのに適したパターンの一例が示されている。パターン1400は、不透明フィールド1404内の透明スペース1402、BnB構造1406、及びアライメントターゲット1408を含んでいる。
【0045】
図15は、本発明に係る一実施形態における大きいフィールド周辺のグリッド画成レベルで使用されるのに適した相補パターンの一例を示している。パターン1500は、不透明フィールド1504内の透明スペース1502、BnB構造1506、及びアライメントターゲット1508を含んでいる。
【0046】
2つのパターン1400及び1500を用いて二重レジストパターンを生成される。続いて
図16を参照するに、本発明に係る一実施形態における二重レジストパターンが示されている。
図16の実施形態において、二重レジストパターン1600は、半導体デバイスパターンのアクティブ領域に使用される。二重レジストパターン1600は、
図14からのグリッド画成レベルと
図15からのグリッド画成レベルとを重ね合わせることによって形成される。
図15に表される境界の内部で、
図14が2×2のアレイ状にスティッチされている。図示した実施形態において、透明領域1402、1502は離隔され且つ別個となるように配置され、BnB構造1406、1506及びアライメントターゲット1408、1508は重ね合わされている。1402と
図15の1502との相対的な大きさ及び形状は、概念的な目的でのものであり、造形部のマクロ若しくはミクロなスケール、又は造形部の数を指し示すことを意図したものではない。
【0047】
図17は、
図16に示した直線A−Aに沿う断面図である。ウェハ1700は、本発明に係る一実施形態において、(断面A−Aには含まれないBnB構造及びアライメント構造を除いて)少なくとも1つの感光性材料層で覆われている。感光性材料は、デバイスパターンのアクティブ領域において、第1のグリッド処理1702、第2のグリッド処理1704、又はこれら双方からのものとし得る。
【0048】
次に
図18を参照するに、本発明に係る一実施形態において
図16に示した二重レジストパターン1600がウェハに恒久的に転写された後のパターン1800が示されている。二重レジストパターン1600を恒久的に転写する一技術は、パターン1600をウェハ内にエッチングするものである。最終的なエッチングパターンは、RTRを増大させるためにパターン1400及び1500(
図14及び15)で使用された追加の造形部1402及び1502を含んでおらず、これは、パターン1300及び1302(
図13)を使用した場合の結果と同じである。
【0049】
図14に示したグリッド画成レベルを第1のグリッドレベル(グリッド1)とし、
図15のグリッド画成レベルを第2のグリッドレベル(グリッド2)とし得る。第1のタイプの露光ツールを用いて、ウェハ上に形成された感光性材料にグリッド1が露光される。そして、パターンが現像されるとともに、チップ倍率がウェハ倍率と等しいこと及びチップ回転がウェハ回転と等しいことを確保するために、隣接フィールドBnB構造を用いてパターンが測定される。
【0050】
その後、グリッド1を画成する感光性材料がキュアされ、第2の感光性材料層がウェハ上に形成される。第2のタイプの露光ツールを用いて、グリッド1に対してグリッド2をアライメントして、グリッド2が露光される。そして、この第2のパターンが現像されるとともに、先ず、グリッド2のチップ倍率がグリッド2のウェハ倍率と等しいこと及びグリッド2のチップ回転がグリッド2のウェハ回転と等しいことを確保するために、隣接フィールドBnB構造を用いて第2のパターンが測定される。次に、グリッド2のグリッド1に対するアライメントが測定される。データの評価により、後続の半導体ウェハについてグリッドのアライメントを最適化するための露光ツール補正の計算が可能にされるとともに、グリッドが所与の許容範囲でアライメントしていない場合のウェハの再加工が可能にされる。グリッド1及びグリッド2のアライメントが許容可能なものになると、グリッド1とグリッド2とで構成される結合リソグラフィパターンがウェハ内にエッチングされ、該リソグラフィパターンが除去される。個々のグリッドのアライメント及びグリッド間のアライメントを最適化することにより、グリッド1での単位セルのスティッチングとグリッド2による周辺の露光とを必要とする後続レベルのリソグラフィのアライメントが、各グリッドが個別にドリフトすることが可能な場合より、厳しい許容範囲で、容易に保たれる。
【0051】
双方のグリッドを画成するデュアルレベルプロセスの更なる利点は、各グリッド画成マスクのデバイス領域内に更なる犠牲造形部1402、1502を追加することが可能にされることである。これは、RTRを、露光ツールのアルゴリズムが光学系及びマスクの加熱に伴って倍率及び焦点を正しく補償し得る範囲となるような値まで増大させる。これは、(必要なBnB構造及びアライメント構造を除いて)グリッド1マスクによって露光される領域がグリッド2マスクによる第2のレジスト層では未露光のままにされ、その逆もまた然りであるように、更なる犠牲造形部を追加することによって達成される。
【0052】
本発明の特定の実施形態を具体的に参照して本発明を詳細に説明したが、理解されるように、本発明の精神及び範囲内で変形及び変更が為され得る。また、ここに本発明の具体的な実施形態が記載されているとしても、本願はそれらの実施形態に限定されるものではない。特に、1つの実施形態に関して説明された特徴が、適合する場合に、その他の実施形態で使用されてもよい。異なる実施形態の特徴が、適合する場合に、入れ換えられてもよい。例えば、ここに記載の実施形態は感光性材料及びフォトリソグラフィを参照したものである。しかしながら、本発明に係る他の実施形態は、そのような材料及びプロセスに限定されるものではない。光に代えて、例えば電子ビーム又はx線などの他の形態のエネルギーが使用されてもよい。感光性材料以外のパターニング可能材料も使用され得る。