(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5730402
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】メタノールの製造方法
(51)【国際特許分類】
C07C 29/50 20060101AFI20150521BHJP
C07C 31/04 20060101ALI20150521BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20150521BHJP
【FI】
C07C29/50
C07C31/04
!C07B61/00 300
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-543424(P2013-543424)
(86)(22)【出願日】2012年2月22日
(65)【公表番号】特表2014-503518(P2014-503518A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】US2012025996
(87)【国際公開番号】WO2012138427
(87)【国際公開日】20121011
【審査請求日】2013年6月6日
(31)【優先権主張番号】13/080,857
(32)【優先日】2011年4月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508000179
【氏名又は名称】スタウファー,ジョーン,イー.
【氏名又は名称原語表記】STAUFFER,John,E.
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(72)【発明者】
【氏名】スタウファー,ジョーン,イー.
【審査官】
井上 千弥子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−263697(JP,A)
【文献】
特開平06−065124(JP,A)
【文献】
特表平07−505651(JP,A)
【文献】
ポーランド国特許発明第194457(PL,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0249337(US,A1)
【文献】
IEEE TRANSACTIONS ON PLASMA SCIENCE,2008年,36(2),pp. 516-518
【文献】
Journal of Chemical Engineering of Japan,2004年,37(2),pp. 152-157
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 29/00−31/04
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の工程において、メタン及び酸素からメタノールを製造する方法であって、メタンおよび酸素が、塩素を供給するための塩化銅、混成触媒の融点を低下させる塩化カリウム、ホルムアルデヒド、一酸化炭素および二酸化炭素の形成を抑制する鉛塩化物を含む混成の触媒上で反応してメタノールを生成し、前記反応が375〜475℃の温度範囲及び1〜20気圧の圧力下で行われることを特徴とするメタノールを製造する方法。
【請求項2】
前記反応は、流動床炉で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
過剰なメタンを使用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
酸素が空気により供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタンからメタノールを製造する方法に関する。単一の工程プロセスにおいて、メタンおよび酸素の流れは混成の触媒の上を通過して、メチルアルコールに変換される。この方法は、高い転換率および収率によって特徴づけられる。
【背景技術】
【0002】
メタノールの生産のための唯一の商業的方法は、合成ガスを含んでいる一酸化炭素および水素の生成から始める。天然ガスが原料であるときに、合成ガスは高い温度で天然ガスのメタンを触媒の上の二酸化炭素および水と作用することによって形成されることができる。結果として生じる合成ガスは、適切な触媒を使用して高圧でメタノールに変わる。
【0003】
1920年代において導入されて以来、多数の改善がメタノール・プロセスでなされた。にもかかわらず、このプロセスは、合成ガスを生成するための高い設備投資と、不利な平衡条件を克服するために高い圧力で転換ステップを操作する必要によってハンディキャップを負う。
【0004】
特定の非効率性は、メタノールを生産する現在の方法の点で固有である。それが最初にメタンを酸化反応によって一酸化炭素に変えるという点において、エネルギーを浪費する。そして、それは次々にメタノールに減少しなければならない。メタンのメタノールへの直接の選択的な変換は、従って、大変望ましいゴールであり、多数の研究者によって追跡されてきたものである。
【0005】
メタンのメタノールへの直接酸化と関連した主要な課題は、ホルムアルデヒド、ギ酸、一酸化炭素および最終的な酸化製品(二酸化炭素)を含む副産物の不可避の形成である。チャレンジは、従って、メタノールの形成のために非常に選択的である触媒を確認することであった。現在まで、モリブデンおよびバナジウム酸化物のような触媒が、最も効果的であるが、まだ産業的な期待にそわないことがわかった。
【0006】
添付の図面に関連して、本発明のために考察される最良の形態の以下の説明読まれるときに、本発明のほかの応用は当業者にとって明らかになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、直接的な効果プロセス、すなわち、動作条件で高い選択性を提供する強い触媒を使用しているメタノールに対するメタンの転換のワンステップを提供することである。
【0008】
本発明によれば、メタンおよび酸素を含んでいる供給の流れ、混成の触媒の上を通過して、メチルアルコールに変換される。触媒は、銅、カリウム、鉛、亜鉛から構成される混成物である。これらの塩類は、動作温度において溶融している混合物の構成要素である。溶融が就業者単独でありえる塩は、不活性担体、例えばieselguhr、シリカゲルまたは活性炭に堆積した。
【0009】
この方法は、融解した塩、固定された台または流動床を含むいかなる反応器設計の使用も考えられる。しかしながら、後のタイプは、反応温度を制御するその単純性およびその能力のため、好まれる。
【0010】
本方法の動作条件は、以下の通りである。1〜20気圧、375℃〜475℃の温度である。供給ガスの化学量論量の範囲の温度が使われることができる、または、過剰な酸素またはメタンが使用されることができる。空気またはさまざまな空気に対する酸素比率が、使われることもできる。
【0011】
本発明の他の効果、特色および特徴、並びに製造方法および構造の関連した要素および製造のパーツおよび経済の組合せの機能は、添付の写真に関して以下の詳細な説明および添付の請求の範囲の考慮に応じてより明らかになる。そして、後者が以下に簡単に説明される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、直接的な効果プロセス、すなわち、動作条件で高い選択性を提供する強い触媒を使用しているメタノールに対するメタンの転換のワンステップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本願明細書において説明は、添付の図面を参照するが、この同じ引用番号はいくつかの図の全体にわたって同じ部品を引用する。
【
図1】本発明の方法の主要な特徴を示している図面であり、選択された反応器設計は、流動床反応器である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の効果は、関係する化学の評価によって、最もよく理解される。以下の反応は、融解した塩触媒がある場合には、起こるとして仮定される。
(1)CH
4+Cl
2 → CH
3C1+HCl
(2)CH
3C1+H
2O → CH
3OH+HC1
(3)2HCl+0.5O
2 → Cl
2+H
2O
上記の化学式において、CH
4が原料メタンを表し、Cl
2は塩素であり、CH
3Clは塩化メチルであり、HClは塩化水素であり、H
2Oは水であり、O
2は酸素であり、そして、CH
3OHは製品メタノールである。
【0015】
上記の方程式が結合されるときに、以下の反応は得られる。
(4)CH
4+0.5O
2 → CH
3OH
化学式(4)から、すべての塩素合成物がプロセス内で消費されると述べられる。同様に、水の形成は、その消費と釣り合う。
【0016】
まず最初に、反応を始めさせるために、ある程度の塩素は、なければならない。この塩素は、塩化銅、特に触媒のCuCl
2の塩化第二銅によって供給される。CuClの結果として生じる塩化第一銅は、最初に第二銅の酸塩化物Cu
2Cl
2Oを形成するためにそれを酸素と作用することで、塩化第二銅へ変わる。この中間体は、それから、塩化第二銅および水を再生させるために、塩化水素と作用される。
【0017】
塩化銅が触媒の必要な構成要素であることは、明らかである。これは、最初に塩素を塩化水素および空気(化学式3)から作り出すために用いる周知のDeacon触媒である。炭化水素が反応に導入されるオキシ塩素化反応において使用される触媒でもある。本発明において、炭化水素は、メタン(化学式1)である。
【0018】
触媒システムの他の重要な構成要素は、塩化カリウムである。この合成物がある合成物のいずれとも反応しないにもかかわらず、触媒混合物の融点を低下させる。塩化カリウムは、塩化銅を有する共晶混合物を形成して、このように、触媒混合物に対する適当な割合において加えられるときに、その流動性を確実にする。それが触媒活性を強化すると考えられているので、この特徴は重要である。
【0019】
触媒混合物の鉛塩化物は、負触媒として機能する。従来技術にて強調したように、現実的な方法を開発することへの主要なハードルのうちの1つは、副産物の形成であった。鉛化合物は、炭化水素の燃焼を阻害することによって行う。それは、従って、本発明においてホルムアルデヒド、一酸化炭素および二酸化炭素の形成を抑制する。
【0020】
最後に、塩化亜鉛は、触媒溶融への必要な追加物である。メタノールおよび塩化水素から塩化メチルの製造工程において、塩化第一銅の有無にかかわらず塩化亜鉛が触媒として用いられる。化学式2は、逆反応である、そして、このように、それは、同様に塩化亜鉛によって促進される。
【0021】
本発明の挑戦のうちの1つは、反応温度を狭い範囲で制御することである。化学式4の全体の反応は、高い発熱反応である。したがって、反応熱は、取り除かれなければならない。この目的は、流動床反応器を使用して達成することができる。そして、それは、優れた温度安定性を提供すると判明した。更なる手段は、高い圧力で作動することから来る。反応器のガスによる伝熱は、約20気圧までの適度な圧力を使用することによって改善されることができる。
【0022】
本発明は、
図1の図面により、最もよく例示される。この図において、流動床反応器1は触媒を保持する。そして、それは反応物ガス流酸素およびメタンによって流動化される。反応器からの出口ガスは、製品メタノールが回収される相分離器3に渡る前に、コンデンサ2によって冷却される。反応していないメタンは、反応器の一番下に、ブロワー/圧縮器4によって再利用される。
【実施例】
【0023】
メタン、塩化水素および酸素は、塩素で処理されたメタン製品を生産するために、触媒を通じて一緒に反応を起こした。この触媒は、40モルパーセントの銅、30モルパーセントのカリウム、10モルパーセントのナトリウムおよび20モルパーセントの鉛から成る。この触媒は、高い温度で混合物を数時間間の塩化水素にさらすことによって、対応する硝酸塩塩類から製造された。
【0024】
実験の間に、反応器温度は450℃および453℃との間に維持され、圧力は1気圧に保たれた。安定したステート状況の下で、メタンの16.8パーセントは塩化メチルに変わり、8.6パーセントは塩化メチレンに変わり、3.3パーセントはクロロホルムに変わり、0.2パーセントは四塩化炭素に変わった。そして、71.2パーセントは反応を起こすままだった。一酸化炭素または二酸化炭素は、排ガスにおいて検出されなかった。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、直接的な効果プロセス、すなわち、動作条件で高い選択性を提供する強い触媒を使用しているメタノールに対するメタンの転換のワンステップを提供することができ、産業上の利用可能性が高い。