(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5730429
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】地盤改良杭の造成方法及び地盤改良杭の造成装置
(51)【国際特許分類】
E02D 5/34 20060101AFI20150521BHJP
【FI】
E02D5/34 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-119541(P2014-119541)
(22)【出願日】2014年6月10日
【審査請求日】2014年6月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591137363
【氏名又は名称】大洋基礎株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(72)【発明者】
【氏名】板垣 浩三
(72)【発明者】
【氏名】松島 仁文
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 貴教
【審査官】
▲高▼橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−239269(JP,A)
【文献】
特開2008−169648(JP,A)
【文献】
特開2000−160545(JP,A)
【文献】
特開平08−134893(JP,A)
【文献】
特開平04−153415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 5/22 − 5/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管と該外管に挿入された内管とからなる二重管ケーシングを施工機械のリーダに沿って昇降可能な回転装置に支持させて、前記外管を前記回転装置内の回転機構により回転させながら前記二重管ケーシングを地盤中に所定深度まで貫入した後、前記内管と前記外管の位置関係を保持した状態で前記二重管ケーシングを逆回転させて所定長さ引き抜きながら、前記内管内の中詰材を地盤中に排出する工程と、前記内管と前記外管の位置関係を保持した状態で前記二重管ケーシングを正回転させて押し下げることにより、前記内管の先端に二重管ケーシングの貫入時に土の抵抗で閉じ、引抜き時にその自重と内管内の中詰材の重量とによって開くように取り付けられた開閉自在蓋を介して、二重管ケーシングの先端から排出された中詰材を締め固める工程を反復して拡径柱を造成する地盤改良杭の造成方法において、
前記二重管ケーシングを逆回転させて所定長さ引き抜きながら、前記内管内の中詰材を地盤中に排出する工程においては、前記内管の先端を前記外管の先端より上方の位置関係に保持し、かつ前記開閉自在蓋をその自重と内管内の中詰材の重量とによって下方に逆V字状に開けて中詰材を地盤中に排出し、前記二重管ケーシングを正回転させて押し下げる工程においては、前記内管の先端を前記外管の先端より上方の位置関係に保持し、かつ前記開閉自在蓋を円形板状に閉じて中詰材および周辺地盤を締め固めることにより拡径柱を造成することを特徴とする地盤改良杭の造成方法。
【請求項2】
前記内管の先端を前記外管の先端より10〜30cm程度上方の位置関係に保持することを特徴とする請求項1記載の地盤改良杭の造成方法。
【請求項3】
二重管ケーシングの貫入時に、前記開閉自在蓋が土の抵抗により閉じて原地盤の土砂および松杭、礫等の障害物の流入を防ぐことを特徴とする請求項1または2のいずれかひとつに記載の地盤改良杭の造成方法。
【請求項4】
外管と該外管に挿入された内管とから二重管に構成され、かつ施工機械のリーダに沿って昇降可能な回転装置に取り付けられた二重管ケーシングと、一対の半月状の蓋体から構成され、かつ前記内管の先端に開閉自在に取り付けられた開閉自在蓋とを備え、前記二重管ケーシングは、前記内管の先端を前記外管の先端より上方の位置関係に保持しつつ、前記外管が回転しながら前記回転装置と共に昇降することにより地盤中に貫入および地盤中から引き抜けるように取り付けられ、前記開閉自在蓋は、内管の先端の中心を通る位置に水平に取り付けられた回転軸と、当該回転軸の両側に回転軸を中心に内管の下方に回転自在に取り付けられた一対の半月板状の蓋体とから構成され、かつ前記二重管ケーシングの地盤中への貫入時に土の抵抗により前記回転軸を中心に円形板状に閉じて内管より排出された中詰材および周辺地盤を締め固め、引抜き時にその自重と内管内の中詰材の重量とによって前記回転軸を中心に下方に逆V字状に開いて内管内の中詰材を地盤中に排出するように取り付けられていることを特徴とする地盤改良杭の造成装置。
【請求項5】
前記内管はその先端が前記外管の先端より10〜30cm程度上方の位置関係に保持された状態に設置されていることを特徴とする請求項4記載の地盤改良杭の造成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤改良杭の造成方法及び地盤改良杭の造成装置に関し、地盤改良における地盤改良杭の造成と周辺地盤の締固めを効率的かつ確実に行うことを可能にしたものである。
【背景技術】
【0002】
わが国においては軟弱地盤が多く存在するため、地盤改良することによって地盤を有効に活用してきた。その中で地盤の締固め工法には、バイブロの振動を用いた動的な締固め工法と、オーガーの回転を用いた静的な締固め工法がある。
【0003】
この締固め工法は、粘性土地盤では支持力の増加、圧密沈下の低減、せん断抵抗の増大およびすべり破壊の防止対策などとして実施されている。
【0004】
また、砂質土地盤では地震時における液状化の防止、せん断抵抗の増大、支持力や水平抵抗力の増加および圧縮沈下の防止対策などとして実施されている。
【0005】
いずれの場合も、地盤中に鉛直な砂杭または砕石杭を造成するとともに、その周辺地盤の強度或いは密度の増加が期待できる。
【0006】
ところで、締固め工法は従来、φ400mmまたはφ500mm程度のケーシング(単管)を軟弱地盤中の所定深度まで貫入し、このケーシング内に砂または砕石などの中詰材を投入し、ケーシングの下端部から順次排出させながらケーシングの引抜きと打戻しを繰り返すことによって、地盤中に排出した中詰材を締め固めながら、φ700mm程度に拡径した砂杭または砕石杭を造成する過程で周辺地盤をも締め固めるものである。
【0007】
これらの工法では、ケーシング内の中詰材はケーシングを引抜くことにより、その自重および空気の加圧等でケーシングの下端から排出され、その後、ケーシングの打戻しを行うことによって中詰材を側方に拡張するとともに周辺地盤をも締め固めている。
【0008】
特許文献1には、昇降体に装備された起振機と昇降体の下部に垂下連結されたケーシングと、このケーシングの下端部に、常時は自重で開きケーシング打込み時には土圧により閉じる底蓋が設けてある地盤改良装置が開示されている。
【0009】
また、特許文献2には、従来工法として、外管と外管に挿入された内管とからなる二重管があって、内管を押し下げてグラベル柱を拡径する方法が示されているほか、同じく二重管を同時に押し下げてグラベル柱を突き固めて拡径する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−177064号公報
【特許文献2】特開2008−169648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1記載の従来の締固め工法は、起振機によりケーシングを一定長さだけ引き上げて、その下端部から排出された中詰材中に再度ケーシングを打ち戻すことにより拡径された砂杭または砕石杭を造成する工法である。
【0012】
また、ケーシングの下端部に設けられた底蓋は、土圧によって閉じる構造であるため、起振機による振動とケーシングの下方への打込みにより排出された中詰材が押圧され、これにより強固な圧密地盤改良パイルが形成される。
【0013】
しかし、この起振機を用いた地盤の締固め工法は、改良効果はあるものの、振動・騒音が大きいという問題があるため、住宅などが密集する市街地では適用されない。
【0014】
これに対して、特許文献2記載の締固め工法は、ケーシングを回転機構により回転させながら地盤に貫入する方法で、振動・騒音が小さく市街地でも適用可能である。
【0015】
また、この締固め工法で使用されるケーシングは外管と外管に挿入された内管とからなる二重管構造をなし、ケーシングの貫入後に二重管を一定長引き抜き、この引抜きの間、中詰材を地盤中に排出し、内管のみを押し下げるか、外管と内管の先端を揃えた状態で二重管を同時に押し下げるかして中詰材を突き固めて拡径する方法である。
【0016】
しかし、φ400mmまたはφ500mmのケーシングを引き抜いて造られた中詰材の柱に対して上記のごとく二重管の内管若しくは二重管を同時に押し下げてφ700mm程度の砂柱または砕石柱を造成することは容易でない。
【0017】
また、中詰材の拡張が不十分であれば再度二重管の内管若しくは外管と内管を同時に押し下げる等して、中詰材の出来形径がφ700mm以上になるまで拡張しなければならない。
【0018】
中詰材をケーシングの側方へ拡張させるためには、中詰材を押す部分の面積が広い方が有利であるが、内管の板厚はケーシング外径が406.4mmの場合、一般には最大でも12.7mm程度であり、これはφ700mmの出来形面積の約4.1%しか占めていない。
【0019】
また、外管の板厚はケーシング外径が508.0mmの場合、最大でも19mm程度であり、同じく約7.6%しか占めておらず、二重管で同時に押し下げる場合を考えても、内管と外管のケーシング板厚分の面積を足して約11.7%を占めるに留まっており、中詰材を押し下げて拡張するのに十分な押圧面積を有しているとは言えない。
【0020】
一方、ケーシングの断面積を増やすべく外管または内管の板厚を厚くすると、中詰材が通過する内管の内空断面積が狭くなり、ケーシング先端から中詰材の排出がスムーズにいかなくなる等の支障が生じてしまう。
【0021】
本発明は、従来技術における上述するような課題を解決するためになされたものであり、ケーシングによる貫入をスムーズに行うことができ、またケーシング先端からの中詰材の排出および側方への拡張と周辺地盤の締固めを確実にかつ効率的に行うことのできる地盤改良杭の造成方法および地盤改良杭の造成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明において、ケーシングは外管と当該外管内に挿入された内管とからなる二重管構造とし(以下「二重管ケーシング」)、当該二重管ケーシングを施工機械のリーダに沿って昇降可能な回転装置に支持する。そして、前記外管を前記回転装置内の回転機構により回転させながら二重管ケーシングを地盤中に所定深度まで貫入する。
【0023】
次に、前記内管の先端を前記外管の先端より10〜30cm程度上方の位置に保った状態で前記二重管ケーシングを所定長さだけ引き抜き、この引抜きの間に前記内管内の中詰材を地盤中に排出する。
【0024】
その後、前記内管と外管を双方の位置関係を保持した状態で同時に押し下げることにより、前記内管の先端に取り付けられた、二重管ケーシングの貫入時に土の抵抗で閉じ引上げ時にその自重で開く開閉自在蓋を介して、中詰材を側方へ拡張しながら周辺地盤と中詰材を締め固めて拡径柱を造成する。
【0025】
以降、前記二重管ケーシングの引抜きと押下げを繰り返し行うことにより地盤中に前記拡径柱が連続する地盤改良杭を造成することができる。
【0026】
なお、二重管ケーシングを所定長さ引き抜いて内管内の中詰め材を地盤中に排出する際、および二重管ケーシングを押し下げて排出された中詰材を締め固める際、内管と外管の先端を面一に揃えて行うこともできる。
【0027】
また、内管内の中詰材を地盤中に排出するときは、二重管ケーシングを所定長さだけ引き抜くことにより、開閉自在蓋が自重と内管内の中詰材の重量によって下方に開くことで、内管内の中詰材を地盤中に排出することができる。
【0028】
また、地盤中に排出された中詰材を締め固めるときは、二重管ケーシングを押し下げることにより、開閉自在蓋が中詰材の抵抗で閉じて内管の先端を塞ぐことで、開閉自在蓋を介して、中詰材を側方へ拡張しながら周辺地盤と中詰材を締め固めることができる。
【0029】
このように作動する開閉自在蓋としては、例えば、内管の中心を通る位置に回転軸を取り付け、当該回転軸の両側に一対の半月板状の蓋体を回転軸を中心に内管の下方に回転自在に取り付けることにより構成されたもの等であればよい。
【0030】
この場合、二重管ケーシングを所定長引き抜くことにより、半月板状の蓋体が自重と内管内の中詰材の重量で回転軸を軸に内管の下方に回転して逆V字状に開き、内管内の中詰材を排出することができる。
【0031】
また、二重管ケーシングを押し下げることにより、地盤中に排出された中詰材の抵抗により円形板状に閉じて内管の先端部を塞ぐことで、開閉自在蓋を介して、中詰材を側方へ拡張しながら周辺地盤と中詰材を締め固めることができる。
【0032】
また、内管の先端を外管の先端より10〜30cm程度上方の位置に保った状態で二重管ケーシングを所定長さ引き抜くことにより、内管の先端から排出された中詰材は一旦外管の内径内に拡がった後、地盤中にできた穴に排出される。
【0033】
したがって、中詰材の排出時における柱径は外管の直径と同程度となるので、その後、二重管ケーシングを押し下げて所定の出来形径(例えばφ700mm)に拡径する作業は、特許文献2に記載された外管と内管の先端を揃えた状態で同時に上下させて中詰材を突き固めて拡径する方法に比べて容易かつ確実となる。
【0034】
また、開閉自在蓋を介して中詰材を締め固めることにより、内管の全断面という広い面積で中詰材を押圧することができるため、中詰材の締固めを効率的かつ均等に行うことができる。
【0035】
因みに、φ700mmの出来形面積に対する中詰材の押圧面積の比率は、内管の外径が406.4mmの場合、約33.7%であり、外管の板厚(最大でも19mm程度)分の7.6%を加えると約41.3%となる。
【0036】
さらに、内管の下に排出された中詰材が開閉自在蓋の押下げで締め固められるため、外管の押下げによる力の多くは柱の外側方向に働くことになり、拡径および周辺地盤の締固めを確実に行うことができる。
【0037】
また、二重管ケーシングは外管と内管とからなる二重管構造であるため、砂、砕石などの中詰材が内管の途中で詰まるようなことが殆どなく、スムーズに排出することができる。もし、中詰材が内管の途中で詰まった場合においても、外管を止めて内管のみを上下動することにより詰まりを解消することができる。
【0038】
さらに、二重管ケーシングの貫入時は、内管の先端に取り付けられた開閉自在蓋が土の抵抗で閉じているため、原地盤の土砂が内管内に流入してくることもなく、松杭や礫等の障害物があってもその流入を防止することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、特に二重管ケーシングの引抜きと押下げを、内管の先端を外管の先端より10〜30cm程度上方の位置に保った状態で行うことにより、二重管ケーシングの引抜きから押下げに至る間に中詰材の排出と側方への拡径をスムーズに行うことができ、周辺地盤の締固めを確実に行うことができる。
【0040】
また、開閉自在蓋を介し内管の全断面積で中詰材を押し下げるため、同時に中詰材の締固めを効率的かつ均等に行うことができる。
【0041】
また、拡径柱の造成後においても柱の細りが生じることがないばかりか、複合地盤として強度の増加が期待できる。
【0042】
さらに、中詰材の粒度組成が液状化を発生させる砂などの材料を使用する場合であっても、中詰材を十分に締め固めることができるため液状化が生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明の地盤改良杭造成装置の一実施形態を示す正面図である。
【
図2】二重管ケーシングの先端部を示し、
図2(a)は開閉自在蓋が開いたときの正面図、
図2(b)はその側面図である。
【
図3】二重管ケーシングの先端部を示し、
図3(a)は開閉自在蓋が閉じたときの正面図、
図3(b)はその側面図である。
【
図4】地盤改良杭の造成方法の施工手順を示し、
図4(a)は二重管ケーシングの先端を杭芯に合わせる工程を示す断面図、
図4(b)は二重管ケーシングを所定の施工深度まで貫入する工程を示す断面図、
図4(c)は二重管ケーシングを少し引き抜いて開閉自在蓋を開ける工程を示す断面図である。
【
図5】地盤改良杭の造成方法の施工手順を示し、
図5(a)は二重管ケーシングを少しずつ引き抜きながら内管をさらに引き上げて内管内の中詰材を地盤中に排出する工程を示す断面図、
図5(b)は内管の先端を外管の先端より上方10〜30cm程度の位置まで押し下げて内管の先端を開閉自在蓋で閉じる工程を示す断面図、
図5(c)は外管と内管を同時に押し下げて中詰材を締め固めかつ強制的に拡径する工程を示す断面図である。
【
図6】地盤改良杭の造成方法の施工手順を示し、
図6(a)は内管内に中詰材を追加投入する工程を示す断面図、
図6(b)は
図4(c)の工程から
図6(a)の工程を繰り返し、地盤改良杭(締固め部)を造成する工程を示す断面図、
図6(c)は締固め部の造成後、内管の先端を外管の先端より突出させ、非締固め部を造成する工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1〜
図3は、本発明の地盤改良杭造成装置の一実施形態を示し、図において、符号1は二重管ケーシングであり、外管2と当該外管2に挿入された内管3とから二重管に構成されている。
【0045】
また、符号4は施工機械5のリーダ6に設置され、外管2に回転力を付与しつつ、リーダ6に沿って二重管ケーシング1と共に昇降する回転装置である。
【0046】
内管3の先端部に開閉自在蓋7が取り付けられている。開閉自在蓋7は、内管3の中心を通る位置に水平に設置され、両端が内管3の周縁部に固定された回転軸8と、当該回転軸8の両側に回転軸8を中心に内管3の下方に回転自在に取り付けられた一対の半月板状の蓋体9,9とから構成されている。
【0047】
一対の蓋体9,9は、二重管ケーシング1を地盤中から所定長さ引き抜くと、その自重と内管3内に投入された砂または砕石などの中詰材の重量によって、回転軸8を軸に内管3の下方に回転して逆V字状に開く(
図2(a),(b)参照)。これにより内管3内の中詰材を地盤中に排出することができる。
【0048】
また、二重管ケーシング1を地盤中に押し下げると、一対の蓋体9,9は地盤中に排出された中詰材の抵抗により円形板状に閉じ、内管3の先端部を塞ぐ(
図3(a),(b)参照)。これにより開閉自在蓋7を介し、二重管ケーシング1によって中詰材を締め固めることができる。
【0049】
なお、一対の蓋体9,9が内管3の先端に円形板状に閉じたとき、蓋体9,9の周縁部が内管3の周縁部に当接することにより、内管3の内側まで開くことはない。
【0050】
また、内管3の上端部にホッパー10が接続され、当該ホッパー10の底に圧気弁11が取り付けられている。そして、この圧気弁11を開けることによりホッパー10を介して内管3内に中詰材を投入することができる。
【0051】
このような構成において、次に、地盤改良杭の造成方法の施工手順を説明する。
(1)最初に、二重管ケーシング1の先端を杭芯に合わせる(
図4(a)参照)。そして、圧気弁11を開け、ホッパー10を介して内管3内に砂または砕石などの中詰材イを投入する。
【0052】
(2)次に、回転装置4を作動し外管2を回転させる(
図4(b)参照)。そして、外管2を回転させながら回転装置4と共にリーダ6に沿って下降させることにより、二重管ケーシング1を地盤中に所定の施工深度まで貫入する(
図4(b)参照)。
【0053】
なお、二重管ケーシング1を地盤中に貫入する間、開閉自在蓋7の蓋体9,9は、地盤の抵抗により円形板状に閉じて内管3の先端を塞いでいることにより内管3内に土砂が入り込むことはない。
【0054】
(3)次に、外管2を逆回転で引き抜くと同時に内管3も引き抜き、内管3先端の開閉自在蓋7を解放する (
図4(c)参照)。即ち、逆回転により外管2を徐々に引き抜くと同時に内管3も徐々に引き抜き、内管3の開閉自在蓋7を開放する。
【0055】
そうすることで、開閉自在蓋7は自重と内管3内の中詰材イの重量によって下方に逆V字状に開き、内管3内の中詰材イを地盤中に排出することができる(
図5(a)参照)。
【0056】
また、中詰材イが内管3の途中で詰まった場合においても、外管2を止めて内管3のみを上下動することにより、詰まりを解消することができる。
【0057】
(4)次に、内管3を当該内管3の先端が外管2の先端より上方10〜30cm程度の位置に達するまで押し下げる(
図5(b)参照)。そうすることで内管3の下方に逆V字状に開いていた開閉自在蓋7は、地盤中に排出された中詰材イの抵抗を受け、円形板状に閉じて内管3の先端部を塞ぐ。
【0058】
(5)次に、外管2を正回転させながら外管2と内管3即ち、二重管ケーシング1を同時に地盤中に打ち戻す(
図5(c)参照)。それによって地盤中に排出された中詰材イを締め固め、かつ強制的に拡径することができ、これにより拡径柱を造成することができる。
【0059】
(6)次に、ホッパー10の圧気弁11を開け、ホッパー10を介して内管3内に中詰材イを追加投入する(
図6(a)参照)。そして、(3)〜(5)の工程を繰り返し行うことにより地盤中に前記拡径柱が連続する地盤改良杭(締固め部)を造成することができる(
図6(b)参照)。
【0060】
(7)また、締固め部の造成後、内管3の先端を外管2の先端より突出させ、そして、外管2と内管3即ち二重管ケーシング1を地盤中から徐々に引き抜いて非締固め部を造成する(
図6(c)参照)。
【0061】
以上の施工手順によって締固め部と非締固め部とからなる地盤改良杭を造成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、二重管ケーシングによる貫入をスムーズに行うことができ、また二重管ケーシングの先端からの中詰材の排出および側方への拡張と周辺地盤の締固めを効率的にかつ確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0063】
1 二重管ケーシング
2 外管
3 内管
4 回転装置
5 施工機械
6 リーダ
7 開閉自在蓋
8 回転軸
9 一対の蓋体
10 ホッパー
11 圧気弁
イ 中詰材
【要約】
【課題】中詰材の締固め、側方への拡張、更に周辺地盤の締固めを効率的かつ確実に行うことができる地盤改良杭の造成方法及びその造成装置を提供する。
【解決手段】外管2と内管3とからなる二重管ケーシング1を施工機械5のリーダ6に沿って昇降可能な回転装置4に支持する。外管2を回転装置4内の回転機構により回転させながら二重管ケーシング1を地盤中に所定深度まで貫入する。次に、二重管ケーシング1を所定長さだけ引き抜き、その間に内管3内の中詰材イを地盤中に排出する。その後、内管3の先端を外管2の先端より10〜30cm程度上方の位置に保った状態で二重管ケーシング1を同時に押し下げることにより、内管3の先端に取り付けられた開閉自在蓋7を介して、中詰材イを側方へ拡張しながら周辺地盤と中詰材を締め固めて拡径柱を造成する。以降、二重管ケーシング1の引抜きと押下げを繰り返して拡径柱が連続する地盤改良杭を造成する。
【選択図】
図1