特許第5730461号(P5730461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許57304612つのアミノベンゾエート又はアミノベンズアミド基で置換されたケイ素含有S−トリアジンとケイ素非含有親油性トリアジン紫外線遮蔽剤の組合せを含む化粧品用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5730461
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】2つのアミノベンゾエート又はアミノベンズアミド基で置換されたケイ素含有S−トリアジンとケイ素非含有親油性トリアジン紫外線遮蔽剤の組合せを含む化粧品用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20150521BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20150521BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
   A61K8/898
   A61K8/49
   A61Q17/04
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2007-306935(P2007-306935)
(22)【出願日】2007年11月28日
(65)【公開番号】特開2008-138000(P2008-138000A)
(43)【公開日】2008年6月19日
【審査請求日】2010年11月16日
(31)【優先権主張番号】0655166
(32)【優先日】2006年11月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ディディエ カンドー
(72)【発明者】
【氏名】エルヴェ リシャール
【審査官】 橋本 憲一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−239722(JP,A)
【文献】 特開2000−063388(JP,A)
【文献】 特表2007−509889(JP,A)
【文献】 特開平10−175837(JP,A)
【文献】 特開平10−139648(JP,A)
【文献】 特開平10−175836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)以下の式(Ia):
[上式中:
− (D)は以下の式(II):
に対応し;
ここで、
− Xは、-O-又は-NH-を表し;
− Rは、直鎖状又は分枝状のC−Cアルキル基であり;
− (C=O)XR基はアミノ基に対してパラ位にあり;
− Aは、CH-CH-CH-であり;
− Rは同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル、フェニル、3,3,3-トリフルオロプロピル及びトリメチルシリルオキシ基又はヒドロキシル基から選択され;
− (B)は同一でも異なっていてもよく、R基及び(D)基から選択され;
− rは0〜200の整数であり;
− sは0〜50の整数であり、s=0の場合、2つの符号(B)の少なくとも一は(D)を表す]
の2つのアミノベンゾエート又はアミノベンズアミド基で置換された少なくとも一のケイ素含有s-トリアジン化合物又はその互変異性型;及び
(b)− 次の式:
[上式中、R'''は2-エチルヘキシル基を示し、R''はtert-ブチル基を示す]
に相当する2-[(p-(tert-ブチルアミド)アニリノ]-4,6-ビス-[(p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、
− 次の式:
[上式中、R'''は2-エチルヘキシル基を示す]
に相当する2,4,6-トリス[p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、及び
− ビス-レゾルシニルトリアジン化合物
から選択される、少なくとも一のケイ素非含有の親油性1,3,5-トリアジン型紫外線遮蔽剤;
を含有することを特徴とする少なくとも一の紫外線遮蔽系を化粧品的に許容可能な担体中に含有してなる組成物。
【請求項2】
式(Ia)の化合物は、次の特徴:
− Rはメチル基又はヒドロキシル基であり;
− Bはメチル基である;
の少なくとも一又は全てを有するランダムポリマー又はオリゴマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(i)以下の式(a)から(m)の化合物
ら選択される少なくとも一のケイ素含有s-トリアジン化合物又はその互変異性型;及び
(ii)− 次の式:
[上式中、R'''は2-エチルヘキシル基を示し、R''はtert-ブチル基を示す]
に相当する2-[(p-(tert-ブチルアミド)アニリノ]-4,6-ビス-[(p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、
− 次の式:
[上式中、R'''は2-エチルヘキシル基を示す]
に相当する2,4,6-トリス[p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、及び
− ビス-レゾルシニルトリアジン化合物
から選択される、少なくとも一のケイ素非含有の親油性1,3,5-トリアジン型紫外線遮蔽剤;
を含有することを特徴とする少なくとも一の紫外線遮蔽系を化粧品的に許容可能な担体中に含有してなる組成物。
【請求項4】
少なくとも一のケイ素含有s-トリアジン化合物が構造(b):
の化合物2,4-ビス(n-ブチル-4'-ジイルアミノベンゾエート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンである請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
ビス-レゾルシニルトリアジン化合物が、化合物2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジンである請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
s-トリアジン化合物が、組成物の全重量に対して0.01重量%〜20重量%の範囲の含有量で存在しており、ケイ素非含有の親油性1,3,5-トリアジン型紫外線遮蔽剤が、組成物の全重量に対して0.01重量%〜20重量%の範囲の含有量で存在している請求項1から5の何れか一項に記載の組成物。
【請求項7】
UV-A範囲及び/又はUV-B範囲に活性のある他の有機又は無機光保護剤をさらに含むことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の組成物。
【請求項8】
補足的な有機光保護剤が、アントラニレート類;ケイ皮酸誘導体;サリチル酸誘導体;ショウノウ誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;ベンザルマロネート誘導体;ベンゾイミダゾール誘導体;イミダゾリン類;ビスベンゾアゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;ベンゾオキサゾール誘導体;遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン;α-アルキルスチレンから誘導される二量体;4,4-ジアリールブタジエン類、及びそれらの混合物から選択される請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
補足的な無機光保護剤が処理又は未処理金属酸化物の顔料であることを特徴とする請求項に記載の組成物。
【請求項10】
水中油型又は油中水型エマルションの形態であることを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、以下により詳細に定義する式(I)の2つのアミノベンゾエート又はアミノベンズアミド基で置換された少なくとも一のケイ素含有s-トリアジン又はその互変異性型の一つと、少なくとも一のケイ素非含有親油性1,3,5-トリアジン型の紫外線遮蔽剤を組合せて含むことを特徴とする少なくとも一の紫外線遮蔽剤を化粧品的に許容可能な担体中に含有してなる組成物に関する。
【0002】
280nmから400nmの波長を有する光照射によりヒトの表皮は褐色になり;特にUV-B線として知られている280から320nmの範囲の波長を有する光線により、自然なサンタン状態の形成に有害な皮膚火傷となったり紅斑の原因となることが知られている。これらの理由やまた美的理由から、自然なサンタン状態をコントロールして、皮膚の色調をコントロールする目的のための手段が常に必要とされている;よって、このUV-B線は遮蔽することが望ましい。
また、320から400nmの範囲の波長を有し、皮膚を褐色にする原因であるUV-A線も、前記皮膚に機能障害を誘発するおそれがあることが知られており、敏感肌又は絶えず太陽光線にさらされている皮膚の場合は特にしかりである。UV-A線は、特に、皮膚の弾性を喪失させ、シワを出現せしめ、皮膚を時期尚早の老化に導く原因となる。UV-A線は紅斑反応の惹起を誘発したり、ある個体においてはこの反応を増幅させ、光毒性又は光アレルギー反応の原因にさえもなりうる。従って、例えば皮膚本来の弾力性を維持するというような美的及び美容的理由から、益々多くの人々が皮膚へのUV-A線の影響をコントロールすることを望んでいる。よって、UV-A線も遮蔽することが望ましい。
【0003】
紫外線に対する皮膚及びケラチン物質の保護を確実にする目的で、UV-A範囲に活性がありUV-B範囲に活性のある有機遮蔽剤を含有する抗日光組成物が一般に使用されている。これらの遮蔽剤の多くが脂溶性である。
【0004】
皮膚の光保護(UV-A及び/又はUV-B)を意図した多くの化粧品用組成物が、今日までに提案されている。
これらの抗日光組成物は、しばしば、様々な濃度で、一又は複数の有機及び/又は無機遮蔽剤を含む水中油型又は油中水型エマルション、ゲル、又は無水製品の形態である。これらの遮蔽剤とその量は、所望される保護因子に従って選択される。
それらの親油性又は逆に親水性に応じて、これらの遮蔽剤は、最終組成物の脂肪相又は水相のいずれかに、それぞれ分配させることができる。
【0005】
この時点で広く使用されている特に有利な遮蔽剤は、ケイ素非含有の親油性1,3,5-トリアジン型遮蔽剤である。これらの化合物は、化粧品では、紫外線、特にUV-B線に対するそれらの吸収特性によって知られている。それらは、欧州特許出願公開第0517104号、欧州特許出願公開第0570838号、欧州特許出願公開第0796851号及び欧州特許出願公開第0775698号に記載されている。特にBASF社から「ユビヌル(Uvinul)T150」の商品名で販売されている2,4,6-トリス[p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン誘導体、シグマ(Sigma)3V社から「ユバソーブ(Uvasorb)HEB」の商品名で販売されている「ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン」(INCI名)又は2-[(p-tert-ブチルアミド)アニリノ]-4,6-ビス[(p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、及びチバ社(Ciba)から「チノソーブ(Tinosorb)S」の商品名で販売されている2,4-ビス{[4,2-エチルヘキシルオキシ)]-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン誘導体が、特に知られている。
【0006】
それらはUV-B範囲で活性であるが、特に、周囲温度で固形であるという特殊性及び不具合を有する親油性遮蔽剤である。その結果、抗日光化粧品用組成物におけるそれらの使用には、その処方とその用途に関し、ある種の制約が課され、特にそれらを正しく可溶化することを可能にする溶媒を発見する場合にしかりである。さらに、単独で使用されるこれら遮蔽剤のUV-B領域における活性には限界がある。
【0007】
シンナメート誘導体、例えば4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル又は4-メトキシケイ皮酸イソアミルは、油への溶解が困難な紫外線遮蔽剤のための良好な溶媒であり、UV-B範囲において良好な光保護特性を有していることが知られている。しかしながら、これらのシンナメート誘導体は、光安定性が不十分であり、それらが導入される完全な遮蔽系、特にジベンゾイルメタン誘導体を含むものの光安定性を妨げるという欠点を有している。
【0008】
また、β,β'-ジフェニルアクリル酸アルキル又はα-シアノ-β,β'-ジフェニルアクリレートの誘導体は光安定しており、油への溶解が困難な親油性紫外線遮蔽剤のための良好な溶媒であるが、それらのUV-B範囲におけるそれらの吸収能力は、あまり十分ではないことが知られている。
【0009】
本出願人は、驚くべきことに、ケイ素非含有の親油性1,3,5-トリアジン型遮蔽剤と組合せて、以下に詳細に定義する式(I)の2つのアミノベンゾエート又はアミノベンズアミド基で置換されたケイ素含有s-トリアジン型又はその互変異性型の一つの遮蔽剤の使用により、上述の技術的問題を解決することができることを見出した。
【0010】
実際、式(I)の2つのアミノベンゾエート又はアミノベンズアミド基で置換されたケイ素含有s-トリアジン型の遮蔽剤の使用により、第1に、抗日光処方物に使用される通常の溶媒中におけるケイ素非含有の親油性1,3,5-トリアジン型遮蔽剤の溶解性を改善し、第2に、UV-B範囲においてより良好な光保護効果を得ることが可能になる。またこのような使用により、シンナメート誘導体等の、ある種の可溶化液体UV-B遮蔽剤の存在に起因する組成物中の他の遮蔽剤の光分解の現象を大幅に低減させることが可能になる。
有機紫外線遮蔽剤のこのような組合せを含む抗日光組成物は、また水、発汗及び洗浄に対して良好な持続性を、また経時的にも良好な持続性を示す。
これらの発見が本発明の基礎を形成する。
【0011】
よって、本発明の主題の一つによれば、少なくとも一の紫外線遮蔽系を化粧品的に許容可能な担体中に含有してなる組成物において、
(a)以下により詳細に定義する式(I)の2つのアミノベンゾエート又はアミノベンズアミド基で置換された少なくとも一のケイ素含有s-トリアジン又はその互変異性型の一つと、
(b)少なくとも一のケイ素非含有の親油性1,3,5-トリアジン型紫外線遮蔽剤、
を含むことを特徴とする組成物を今提案する。
【0012】
本発明の他の主題は、少なくとも一のケイ素非含有の親油性1,3,5-トリアジン型紫外線遮蔽剤を化粧品的に許容可能な担体中に含有してなる組成物における、UV-B範囲の光保護効果を改善する目的での、以下により詳細に定義する式(I)の2つのアミノベンゾエート又はアミノベンズアミド基で置換された少なくとも一のケイ素含有s-トリアジン又はその互変異性型の一つの使用にある。
【0013】
本発明の他の主題は、少なくとも一のケイ素非含有の親油性1,3,5-トリアジン型紫外線遮蔽剤を化粧品的に許容可能な担体中に含有してなる組成物における、組成物中における前記ケイ素非含有のトリアジン遮蔽剤の溶解性を改善する目的での、以下により詳細に定義する式(I)の2つのアミノベンゾエート又はアミノベンズアミド基で置換された少なくとも一のケイ素含有s-トリアジン又はその互変異性型の一つの使用にある。
本発明の他の特徴、態様及び利点は、以下の詳細な記載を読むことにより明らかになるであろう。
【0014】
本明細書の以下の記載において、「紫外線遮蔽系」なる表現は、紫外線を遮蔽する単一の有機又は無機化合物、又は紫外線を遮蔽する複数の有機又は無機化合物の混合物、例えばUV-A遮蔽剤とUV-B遮蔽剤を含有する混合物のいずれかから構成される紫外線遮蔽剤を意味するものである。
「化粧品的に許容可能な」なる用語は、皮膚及び/又はその外皮と適合性があり、心地よい色、臭い及び感触を有し、消費者がこの組成物の使用をやめようと思うような許容できない程の不快感(刺すような痛み、突張感、赤み)を何ら生じることのないことを意味するものである。
【0015】
「親油性遮蔽剤」なる用語は、分子状態で液状脂肪相に完全に溶解可能であるか、又はコロイド形態(例えばミセル形態)で液状脂肪相に可溶化され得る任意の遮蔽剤を意味するものである。
「ケイ素含有」なる用語は、その構造に少なくとも一のジオルガノシロキサン基又は一つのシラン基を有する化合物を意味するものである。
「ケイ素非含有」なる用語は、その構造に少なくとも一のジオルガノシロキサン基又は一つのシラン基を含まない化合物を意味するものである。
【0016】
本発明に係る2つのアミノベンゾエート又はアミノベンズアミド基で置換されたケイ素含有s-トリアジン化合物は、次の一般式(I):
【化1】
[上式中:
− Rは同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状で、ハロゲン化されていても又は不飽和であってもよいC-C30アルキル基、C-C12アリール基、C-C10アルコキシ基又はトリメチルシリルオキシ基を表し;
− a=0から3であり;
− D基は次の式(II):
【化2】
のs-トリアジン化合物を示し;
ここで:
− Xは、-O-あるいはRが水素又はC-Cアルキル基を表す-NR-を表し;
− Rは、ケイ素原子を含有可能な直鎖状又は分枝状で不飽和であってもよいC-C20アルキル基、1〜3の直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基で置換されていてもよいC-C20シクロアルキル基、-(CHCHR-O)基又は-CH-CH(OH)-CH-O-R基を表し;
− Rは水素又はメチルを表し;(C=O)XR基はアミノ基に対してオルト、メタ又はパラ位に存在可能であり;
− Rは、水素又はC-Cアルキル基を表し;
− Rは、水素又はC-Cアルキル基を表し;
− mは、2〜20の範囲の整数であり;
− n=0から2であり;
− Rは同一でも異なっていてもよく、ヒドロキシル基、直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基又はC-Cアルコキシ基を表し、同じ芳香環上の隣接する2つのRは共同して、アルキリデン基が1又は2の炭素原子を含むアルキリデンジオキシ基を形成可能であり;
− Aは、メチレン、-[CH(Si(CH)]-、エチレン、又は次の式(III)、(IV)及び(V):
【化3】
の一つに相当する基から選択される二価基であり;
ここで:
− Zは、ヒドロキシル基又は酸素で置換されていてもよく、アミノ基を含んでいてもよい、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C10アルキレンジラジカルであり;
− Wは、水素原子、ヒドロキシル基、又は直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-Cアルキル基を表す]
を有するもの又はその互変異性型の一つである。
【0017】
式(I)の誘導体は、それらの互変異性型、特に次の式(I'):
【化4】
[上式中、D'基は次の式(II'):
【化5】
のs-トリアジン化合物を示す]
の互変異性型で使用されうることを記しておくべきである。
【0018】
式-A-(Si)(R)(O)(3−a)/2の単位に加えて、オルガノシロキサンは式(R)-(Si)(O)(4−b)/2の単位を含むことができ、ここで:
Rは式(I)の場合と同じ意味を有し;
b=1、2又は3である。
【0019】
好ましいs-トリアジン誘導体は、式(II)又は(II')において、次の条件:
Rはメチルである;
a=1又は2;
XはOである;
はC-C基である;
n=0;
(C=O)XR基はアミノ基に対してパラ位にある;
Z=-CH-;
W=H;
の少なくとも一、より好ましくは全てを満足させるものである。
【0020】
好ましくは、本発明のs-トリアジン化合物は、次の式(Ia)、(Ib)又は(Ic):
【化6】
[上式中:
− (D)は上述の式(II)に相当し;
− Rは同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル、フェニル、3,3,3-トリフルオロプロピル及びトリメチルシリルオキシ基又はヒドロキシル基から選択され;
− Rは同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル及びアルケニル基、ヒドロキシル基又はフェニル基から選択され;
− (B)は同一でも異なっていてもよく、R基及び(D)基から選択され;
− rは0〜200の間の整数であり;
− sは0〜50の範囲の整数であり、s=0の場合、2つの符号(B)の少なくとも一は(D)を表し;
− uは1〜10の範囲の整数であり;
− tは0〜10の範囲の整数であり、t+uは3以上であると理解される]
により表されるもの、またその互変異性型である。
式(Ia)の直鎖状ジオルガノシロキサン類が特に好ましい。
【0021】
本発明に含まれる式(Ia)又は(Ib)の直鎖状又は環状のジオルガノシロキサン類は、次の特徴:
− Rはメチル基又はヒドロキシル基であり;
− Bは好ましくはメチル(式(Ia)の直鎖状化合物の場合)である;
の少なくとも一、より好ましくは全てを有するランダムオリゴマー又はポリマーである。
【0022】
特に好ましい式(I)の化合物の例としては、次の式(a)から(m):
【化7】
の化合物、及びその互変異性型を挙げることができる。
特に次の構造(b):
【化8】
の化合物2,4-ビス(n-ブチル-4'-ジイルアミノベンゾエート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンが使用される。
【0023】
式(I)の化合物は、次の反応スキーム:
【化9】
[上式中、R、R、R、A、n及びaは上述の定義に相当し、Yはハロゲン、特に塩素又は臭素を表す]
に従い得ることができる。
【0024】
試薬は任意の順序で導入することができる:2当量の式(VI)の誘導体、続いて1当量の式(VII)の誘導体(経路1)、又は1当量の式(VII)の誘導体、続いて2当量の式(VI)の誘導体(経路2)。
【0025】
上述した反応は、場合によっては溶媒(例えば:第1工程にはTHF、アセトン/水;第2工程にはトルエン、キシレン又は1,2-ジクロロエタン)の存在下、0℃〜200℃の間、特に第1工程では0℃〜20℃、第2工程では50℃〜120℃の温度で、生成された酸(例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム水溶液、トリエチルアミン又はピリジン)を除去する塩基の存在下又は不在下で実施することができる。上記反応は、また、溶媒(例えば:トルエン、キシレン又は1,2-ジクロロエタン)の存在下又は不在下、もしくは10%のグラファイトの存在下又は不在下、50〜150℃の温度、10〜30分、50−150ワットの出力の電子レンジにて実施することもできる。
【0026】
aが1−3に等しく、Rがアルコキシである場合、アルコキシシランモノマー誘導体の重合は、一般的なシリコーン化学の方法により実施することができる。
【0027】
式(VI)の安息香酸のアミノ化誘導体の調製は、特に仏国特許第2151503号に記載されている。本発明に係る化合物を調製するために特に適した安息香酸のアミノ化誘導体としては、4-アミノ安息香酸ブチル及び4-アミノ安息香酸ペンチルを挙げることができる。
【0028】
式(VII)のアミノ化シリコーン類は、ダウ・コーニング・東レ・シリコーン社から得ることができ、例えばα,ω-ジアミノ構造のもの、例えばBY16-853(粘度:30;NH当量:650)、又はBY16-853B(粘度:80;NH当量:2200)、又はペンダント基構造のもの、例えばBY16-828(粘度:120;NH当量:3500)、又はBY16-850(粘度:1100;NH当量:4000);ゲレスト社(Gelest)から販売されているアミノメチルトリメチルシラン、及びビス(トリメチルシリル)メチルアミン(RN134340-00-4)である。
【0029】
本発明に係る式(I)のs-トリアジン化合物は、組成物の全重量に対して好ましくは0.01重量%〜20重量%、より好ましくは0.1重量%〜10重量%、さらにより好ましくは0.1重量%〜6重量%の範囲の含有量で、本発明に係る組成物中に存在している。
【0030】
ケイ素非含有の親油性1,3,5-トリアジン型紫外線遮蔽剤は、特に以下の式(VIII):
【化10】
{上式中、A、A及びA基は同一でも異なっていてもよく、次の式(IX):
【化11】
[上式中:
− Xは同一でも異なっていてもよく、酸素又は-NH-基を表し;
− Rは同一でも異なっていてもよく、水素;アルカリ金属;一又は複数のアルキル又はヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウム基;直鎖状又は分枝状のC-C18アルキル基;一又は複数のC-Cアルキル基で置換されていてもよいC-C12シクロアルキル基;1〜6のエチレンオキシド単位を有するポリオキシエチレン化基で、その末端OH基がメチル化されているもの;以下の式(X)、(XI)又は(XII):
【化12】
(上式中:
− Rは水素又はメチル基であり;
− R10はC-Cアルキル基であり;
− qは0〜10の範囲の整数であり;
− rは1〜10の範囲の整数であり;
− A'はC-Cアルキル基又はC-Cシクロアルキル基であり;
− B'は直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基;C-Cシクロアルキル基;一又は複数のC-Cアルキル基で置換されていてもよいアリール基から選択される)
の基から選択される]
の基から選択される}
の1,3,5-トリアジン誘導体から選択することができる。
【0031】
特に好ましく、欧州特許出願公開第0517104号の文献に記載されている1,3,5-トリアジン誘導体の第1のファミリーは、A、A及びAが式(IX)である式(VIII)に相当し、次の特徴:
− X-R基の一つが、-NH-R基を表し、ここでRが、一又は複数のC-Cアルキル基で置換されていてもよいC-C12シクロアルキル基;B'がC-Cアルキル基であり、R10がメチル基である上述の式(X)、(XI)又は(XII)の基から選択される;
− 他の2つのX-Rが-O-R基を表し、ここでRが同一でも異なっていてもよく、水素;アルカリ金属;一又は複数のアルキル又はヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウム基;直鎖状又は分枝状のC-C18アルキル基;一又は複数のC-Cアルキル基で置換されていてもよいC-C12シクロアルキル基;B'がC-Cアルキル基であり、R10がメチル基である上述の式(X)、(XI)又は(XII)の基から選択される;
を有する1,3,5-トリアジン類のものである。
【0032】
特に好ましく、欧州特許出願公開第0570838号の文献に記載されている1,3,5-トリアジン誘導体の第2のファミリーは、A、A及びAが式(IX)である式(VIII)に相当し、次の特徴:
− 一つ又は二つのX-Rが、-NH-R基を表し、ここでRが、直鎖状又は分枝状のC-C18アルキル基;一又は複数のC-Cアルキル基で置換されていてもよいC-C12シクロアルキル基;B'がC-Cアルキル基であり、R10がメチル基である上述の式(X)、(XI)又は(XII)の基から選択される;
− 他方又は他の二つのX-Rが-O-R基であり、ここでRが同一でも異なっていてもよく、水素;アルカリ金属;一又は複数のアルキル又はヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウム基;直鎖状又は分枝状のC-C18アルキル基;一又は複数のC-Cアルキル基で置換されていてもよいC-C12シクロアルキル基;B'がC-Cアルキル基であり、R10がメチル基である上述の式(X)、(XI)又は(XII)の基から選択される;
の全てを有する1,3,5-トリアジン類のものである。
【0033】
特に好ましいこの第2のファミリーの1,3,5-トリアジンは、次の式:
【化13】
[上式中、R'''は2-エチルヘキシル基を示し、R''はtert-ブチル基を示す]
に相当し、シグマ3V社から「ユバソーブHEB」の商品名で販売されている「ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン」、又は2-[(p-(tert-ブチルアミド)アニリノ]-4,6-ビス[(p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジンである。
【0034】
特に米国特許第4724137号の文献に記載されており、本発明で使用され得る好ましい第3のファミリーの化合物は、A、A及びAが式(IX)のものである式(VIII)に相当し、次の特徴:
− Xが同一であり、酸素を表す;
− Rが同一でも異なっていてもよく、その末端OH基がメチル化されており、1〜6のエチレンオキシド単位を有するポリオキシエチレン化基又はC-C12アルキル基を表す;
を有する1,3,5-トリアジン類のものである。
【0035】
特に好ましいこの第3のファミリーの1,3,5-トリアジンは、次の式:
【化14】
[上式中、R'''は2-エチルヘキシル基を示す]
に相当し、BASF社から「ユビヌルT150」の商品名で販売されている「エチルヘキシルトリアゾン」、又は2,4,6-トリス[p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジンである。
【0036】
本発明の特に好ましい実施態様によれば、親油性のトリアジン型紫外線遮蔽剤は、ビスレゾルシニルトリアジン化合物、より詳細には、以下の式(XIII):
【化15】
[上式中:
− R11及びR12は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC-C30アルキル基、又は直鎖状又は分枝状のC-C30アルケニル基を表し、
− Eは以下の式(IX)又は(X):
【化16】
の基であり、
ここで、
− R13は、水素、C-C20アルキル、-(CHCHR15-O)p-R12基又は式-CH-CH(OH)-CH-O-T基を表し、
− R14は、水素、C-C20アルキル又は式-(CH)p-O-T基を表し、
− R15は、水素又はメチルであり、
− Tは、水素又はC-Cアルキルであり、
− o=1−16、
− p=1−4]
に相当する化合物から選択されるであろう。
【0037】
上述の式(XIII)、(XIV)及び/又は(XV)において:
− アルキル基は直鎖状又は分枝状であり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、アミル、イソアミル、tert-アミル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル又はオクタデシルから選択することができ;
− アルケニル基は、例えばアリル、メタリル、イソプロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、イソブテニル、n-ペンタ-2,4-ジエニル、3-メチルブテ-2-エニル、2-n-オクテニル、2-n-ドデセニル、イソドデセニル又は4-n-オクタデセニルから選択することができる。
【0038】
本発明の式(XIII)のビスレゾルシニルトリアジン誘導体は、それ自体、既に知られている遮蔽剤である。それらは、欧州特許出願公開第0775698号に記載され、そこに示されている合成法に従い調製される。
【0039】
使用することができる式(VIII)の化合物の例としては:
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-[4-(2-メトキシエチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2''-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ]-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-[(4-エチルカルボキシル)フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン;
− 2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(1-メチルピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン
を挙げることができる。
【0040】
本発明において特に好ましいビスレゾルシノールトリアジンから誘導される化合物は、化合物2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(INCI名:「ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン」で、チバ・ガイギー社(Ciba Geigy)から「チノソーブ(Tinosorb)S」の商品名で販売されているもの)である。
【0041】
ケイ素非含有の親油性1,3,5-トリアジン化合物は、組成物の全重量に対して、好ましくは、0.01重量%〜20重量%、より好ましくは0.1重量%〜10重量%、さらにより好ましくは0.1重量%〜6重量%の範囲の含有量で、本発明に係る組成物中に存在している。
【0042】
本発明に係る組成物は、一般に、皮膚への局所適用に適しており、よって、一般に生理学的に許容可能な媒体、すなわち皮膚及び/又は外皮(毛髪、睫毛、眉毛、爪)と適合性のある媒体を含有する。それは化粧品的に許容可能な媒体、すなわち心地よい色調、臭い及び感触を有し、使用者が、その組成物の使用を止めようと思うような許容できない不快感(刺すような痛み、突張感、赤み)を何ら生じさせることのない媒体であることが好ましい。
【0043】
本発明に係る組成物は、UVA範囲及び/又はUVB範囲に活性な他の補足的な有機又は無機紫外線遮蔽剤を含むこともできる。
【0044】
もちろん、当業者であれば、本発明に係る組成物に本来関連している有利な特性が、考慮される添加により損なわれないか、実質的に損なわれないように留意して、任意の補足的な遮蔽剤及び/又はその量を選択するであろう。
【0045】
補足的な有機光保護剤は、特にアントラニレート類;ケイ皮酸誘導体;サリチル酸誘導体;ショウノウ誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;ベンザルマロネート誘導体;ベンゾイミダゾール誘導体;イミダゾリン類;欧州特許第669323号及び米国特許第2463264号に記載されているビスベンゾアゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;ベンゾオキサゾール誘導体、例えば欧州特許出願第0832642号、欧州特許出願第1027883号、欧州特許出願第1300137号及び独国特許出願第10162844号に記載されているもの;遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン、例えば特に国際公開第93/04665号に記載されているもの;α-アルキルスチレンから誘導される二量体、例えば独国特許出願第19855649号に記載されているもの;4,4-ジアリールブタジエン類、例えば欧州特許出願第0967200号、独国特許出願第19746654号、独国特許出願第19755649号、欧州特許出願公開第1008586号、欧州特許出願第1133980号及び欧州特許出願第133981号に記載されているもの、及びそれらの混合物から選択される。
補足的な有機光保護剤はまたジベンゾイルメタン誘導体からも選択可能である。
【0046】
補足的な有機光保護剤の例としては、INCI名で以下に示すものを挙げることができる:
パラ-アミノ安息香酸誘導体
PABA、
エチルPABA、
エチルジヒドロキシプロピルPABA、
特にISP社から「エスカロール(Escalol)507」の名称で販売されているエチルヘキシルジメチルPABA、
グリセリルPABA、
BASF社から「ユビヌルP25」の名称で販売されているPEG-25PABA。
【0047】
ジベンゾイルメタン誘導体
特に、ロシュ・ビタミン社(Roche Vitamins)から「パルソール(Parsol)1789」の商品名で販売されているブチルメトキシジベンゾイルメタン、
メルク社(Merck)から「ユーソレックス(Eusolex)8020」の名称で販売されているイソプロピルジベンゾイルメタン。
【0048】
サリチル酸誘導体
ローナ(Rona)/EMインダストリーズから「ユーソレックスHMS」の名称で販売されているホモサレート(homosalate)、
ハーマン・アンド・レイマー社(Haarmann and Reimer)から「ネオ・ヘリオパン(Neo Heliopan)OS」の名称で販売されているサリチル酸エチルヘキシル;
シェール社(Scher)から「ディプサル(Dipsal)」の名称で販売されているサリチル酸ジプロピレングリコール、
ハーマン・アンド・レイマー社から「ネオ・ヘリオパンTS」の名称で販売されているTEAサリチレート。
【0049】
ケイ皮酸誘導体
特に、ホフマン・ラロシュ社(Hoffmann LaRoche)から「パルソールMCX」の商品名で販売されているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
メトキシケイ皮酸イソプロピル、
ハーマン・アンド・レイマー社から「ネオ・ヘリオパンE1000」の商品名で販売されているメトキシケイ皮酸イソアミル、
シンノキセート、
DEAメトキシシンナメート、
メチルケイ皮酸ジイソプロピル、
グリセリル-エチルヘキサノエート-ジメトキシシンナメート。
【0050】
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体
特にBASF社から「ユビヌルN539」の商品名で販売されているオクトクリレン(Octocrylene);
特にBASF社から「ユビヌルN35」の商品名で販売されているエトクリレン(Etocrylene)。
【0051】
ベンゾフェノン誘導体
BASF社から「ユビヌル400」の商品名で販売されているベンゾフェノン-1、
BASF社から「ユビヌルD50」の商品名で販売されているベンゾフェノン-2、
BASF社から「ユビヌルM40」の商品名で販売されているベンゾフェノン-3又はオキシベンゾン、
BASF社から「ユビヌルMS40」の商品名で販売されているベンゾフェノン-4;
ベンゾフェノン-5、
ノーケイ社(Norquay)から「ヘリソーブ(Helisorb)11」の商品名で販売されているベンゾフェノン-6、
アメリカン・シアナミド社(American Cyanamid)から「スペクトラ-ソーブ(Spectra-Sorb)UV-24」の商品名で販売されているベンゾフェノン-8、
BASF社から「ユビヌルDS-49」の商品名で販売されているベンゾフェノン-9;
ベンゾフェノン-12。
【0052】
ベンジリデンショウノウ誘導体
カイメックス社(Chimex)から「メギゾリル(Mexoryl)SD」の名称で製造されている3-ベンジリデンショウノウ、
メルク社から「ユーソレックス6300」の名称で販売されている4-メチルベンジリデンショウノウ、
カイメックス社から「メギゾリルSL」の名称で製造されているベンジリデンショウノウスルホン酸、
カイメックス社から「メギゾリルSO」の名称で製造されているメト硫酸ショウノウベンザルコニウム、
カイメックス社から「メギゾリルSX」の名称で製造されているテレフタリリデンジショウノウスルホン酸、
カイメックス社から「メギゾリルSW」の名称で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ。
【0053】
フェニルベンゾイミダゾール誘導体
特にメルク社から「ユーソレックス232」の商品名で販売されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
ハーマン・アンド・レイマー社から「ネオ・ヘリオパンAP」の商品名で販売されているフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
【0054】
アントラニル誘導体
ハーマン・アンド・レイマー社から「ネオ・ヘリオパンMA」の商品名で販売されているアントラニル酸メチル。
イミダゾリン誘導体
エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
ベンザルマロネート誘導体
ホフマン・ラロシェ社から「パルソールSLX」の商品名で販売されているポリシリコーン-15等の、ベンザルマロネート官能基を含むポリオルガノシロキサン。
4,4-ジアリールブタジエン誘導体:
− 1,1-ジカルボキシ-(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
【0055】
好ましい補足的な有機光保護剤は:
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
ホモサレート、
サリチル酸エチルヘキシル、
オクトクリレン、
フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
テレフタリリデンジショウノウスルホン酸、
ベンゾフェノン-3、
ベンゾフェノン-4、
ベンゾフェノン-5、
4-メチルベンジリデンショウノウ、
フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
ポリシリコーン-15、
1,1-ジカルボキシ-(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
及びそれらの混合物、
から選択される。
【0056】
補足的な無機光保護剤は、被覆又は未被覆の金属酸化物から形成される顔料(一次粒子の平均径:一般的に5nm〜100nm、好ましくは10nm〜50nm)、例えば、酸化チタン(アモルファス、又はルチル及び/又はアナターゼ型の結晶)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムから形成される顔料から選択され、これらは全てそれ自体よく知られているUV光保護剤である。
顔料は被覆されていても未被覆であってもよい。
被覆顔料は、例えばCosmetics & Toiletries, 1990年 2月, Vol.105, p.53-64に記載されている化合物、例えばアミノ酸、ミツロウ、脂肪酸、脂肪アルコール類、アニオン性界面活性剤、レシチン類、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄又はアルミニウム塩、金属アルコキシド類(チタン又はアルミニウムアルコキシド類)、ポリエチレン、シリコーン類、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン類、酸化ケイ素、金属酸化物、又はヘキサメタリン酸ナトリウムを用い、化学的、電気的、メカノケミカル及び/又は機械的な表面処理を、一又は複数回施した顔料である。
【0057】
知られているように、シリコーン類は、適切に官能化されたシラン類の重合及び/又は重縮合により得られ、ケイ素原子が酸素原子を介して互いに結合(シロキサン結合)した主要単位の繰り返しから本質的になり、置換されていてもよい炭化水素基が該ケイ素原子に炭素原子を介して直接結合している、様々な分子量の、直鎖状又は環状、分枝状又は架橋した構造を有するオルガノシリコンポリマー又はオリゴマーである。
また「シリコーン類」なる用語には、それらの調製に必要なシラン類、特にアルキルシラン類が含まれる。
本発明に適したナノ顔料の被覆に使用されるシリコーン類は、好ましくはアルキルシラン類、ポリジアルキルシロキサン類及びポリアルキルヒドロシロキサン類からなる群から選択される。より好ましくは、シリコーン類はオクチルトリメチルシラン、ポリジメチルシロキサン類、及びポリメチルヒドロシロキサン類からなる群から選択される。
もちろん、シリコーン類で処理される前に、金属酸化物から形成される顔料を、他の表面剤、特に酸化セリウム、アルミナ、シリカ、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、又はそれらの混合物で処理してもよい。
【0058】
被覆顔料は、より詳細には以下のように被覆された酸化チタンである:
− シリカによるもの、例えば池田興産(Ikeda)の製品「サンベイル(Sunveil)」、及びメルク社の製品「ユーソレックスT-AVO」、
− シリカ及び酸化鉄によるもの、例えば池田興産の製品「サンベイルF」、
− シリカ及びアルミナによるもの、例えばタイカ社(Tayca)の製品「マイクロ二酸化チタンMT500SA」及び「マイクロ二酸化チタンMT100SA」、タイオキサイド社(Tioxide)の「タイオベイル」及びローディア社(Rhodia)の「ミラサン(Mirasun)TiW60」、
− アルミナによるもの、例えば石原産業の製品「タイペーク(Tipaque)TTO-55(B)」及び「タイペークTTO-55(A)」及びケミラ社(Kemira)の「UVT14/4」、
− アルミナ及びステアリン酸アルミニウムによるもの、例えばタイカ社の製品「マイクロ二酸化チタンMT100TV、MT100TX、MT100Z及びMT-01」、及びユニケマ社(Uniqema)の製品「ソラベイル(Solaveil)CT-10W」、「ソラベイルCT100」及び「ソラベイルCT200」、
− シリカ、アルミナ及びアルギニン酸によるもの、例えばタイカ社の製品「MT-100AQ」、
− アルミナ及びラウリン酸アルミニウムによるもの、例えばタイカ社の製品「マイクロ二酸化チタンMT100S」、
− 酸化鉄及びステアリン酸鉄によるもの、例えばタイカ社の製品「マイクロ二酸化チタンMT100F」、
− 酸化亜鉛及びステアリン酸亜鉛によるもの、例えばタイカ社の製品「BR351」、
− シリカ及びアルミナによるもので、シリコーン処理されたもの、例えばタイカ社の製品「マイクロ二酸化チタンMT600SAS」、「マイクロ二酸化チタンMT500SAS」又は「マイクロ二酸化チタンMT100SAS」、
− シリカ、アルミナ、ステアリン酸アルミニウムによるもので、シリコーン処理されたもの、例えばチタン工業の製品「STT-30-DS」、
− シリカによるもので、シリコーン処理されたもの、例えばケミラ社の製品「UV-Titan X195」又はタイカ社の製品「SMT-100WRS」、
− アルミナによるもので、シリコーン処理されたもの、例えば石原産業の製品「タイペークTTO-55(S)」、又はケミラ社の「UVチタンM262」、
− トリエタノールアミンによるもの、例えばチタン工業の製品「STT-65-S」;
− ステアリン酸によるもの、例えば石原産業の製品「タイペークTTO-55(C)」;
− ヘキサメタリン酸ナトリウムによるもの、例えばタイカ社の製品「マイクロ二酸化チタンMT150W」。
【0059】
シリコーンで処理された他の酸化チタンの顔料は、好ましくはその個々の粒子の平均径が25〜40nmで、デグサ・シリカ社(Degussa Silices)から「T805」の商品名で販売されている製品等の、オクチルトリメチルシラン処理TiO、その個々の粒子の平均径が21nmで、例えばカードル社(Cardre)から「70250カードルUF TiO2SI3」の商品名で販売されている製品等の、ポリジメチルシロキサン処理TiO、その個々の粒子の平均径が25nmで、例えばカラー・テクニクス(Color Techniques)から「マイクロ二酸化チタンUSPグレード・ハイドロホビック」の商品名で販売されている製品等の、ポリジメチルヒドロシロキサンで処理されたアナターゼ/ルチルTiOである。
【0060】
未被覆の酸化チタンの顔料は、例えばタイカ社から「マイクロ二酸化チタンMT500B」又は「マイクロ二酸化チタンMT600B」の商品名で、デグサ社から「P25」の名称で、ワッカー社(Wackher)から「トランスペアレント・チタニウム・オキサイドPW」の名称で、三好化成から「UFTR」の名称で、トーメンから「ITS」の名称で、タイオキサイド社から「タイオベイルAQ」の名称で販売されている。
【0061】
未被覆の酸化亜鉛の顔料は、例えば、
− サンスマート社(Sunsmart)から「Z-cote」の名称で販売されているもの;
− エレメンティス社(Elementis)から「ナノックス(Nanox)」の名称で販売されているもの;
− ナノフェーズ・テクノロジーズ社(Nanophase Technologies)から「ナノガード(Nanogard)WCD2025」の名称で販売されているもの;
である。
【0062】
被覆酸化亜鉛の顔料は、例えば、
− サンスマート社から「Z-cote HP1」の名称で販売されているもの(ジメチコーン被覆ZnO);
− トシビ社(Toshibi)から「酸化亜鉛CS-5」の名称で販売されているもの(ポリメチルヒドロシロキサン被覆ZnO);
− ナノフェーズ・テクノロジーズ社から「ナノガード酸化亜鉛FN」の名称で販売されているもの(安息香酸C12-C15アルキル、フィンソルブ(Finsolv)TN中の40%分散液);
− 大東(Daito)から「ダイトウパージョン(Daitopersion)Zn-30」及び「ダイトウパージョンZn-50」の名称で販売されているもの(ポリメチルヒドロシロキサン及びシリカで被覆された30%又は50%のナノ亜鉛酸化物を含有する、オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン/シクロポリメチルシロキサン中の分散液);
− ダイキンから「NFDウルトラファイン(Ultrafine)ZnO」の名称で販売されているもの(ペルフルオロアルキルエチルベースコポリマーとペルフルオロアルキルホスフエートで被覆されたZnOのシクロペンタシロキサン中の分散液):
− 信越から「SPD-Z1」の名称で販売されているもの(シリコーングラフト化アクリルポリマーで被覆されたZnOのシクロジメチルシロキサン中の分散液);
− ISP社から「エスカロールZ100」の名称で販売されているもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセンのコポリマー/メチコーンの混合物に分散させたアルミナ処理ZnO);
− 不二ピグメント(Fuji Pigment)から「フジZnO-SMS-10」の名称で販売されているもの(ポリメチルシルセスキオキサン及びシリカで被覆されたZnO);
− エレメンティス社から「ナノックス・ゲルTN」の名称で販売されているもの(ヒドロキシステアリン酸の重縮合物と安息香酸C12-C15アルキル中に55%で分散されたZnO);
である。
【0063】
未被覆の酸化セリウムの顔料は、例えばローンプーラン社(Rhone Poulenc)から「コロイダル酸化セリウム」の名称で販売されている。
未被覆の酸化鉄ナノ顔料は、例えばアルノー社(Arnaud)から「ナノガードWCD2002(FE45B)」、「ナノガード・アイアンFE45BL・AQ」、「ナノガードFE45R・AQ」又は「ナノガードWCD2006(FE45R)」の名称で、又は三菱から「TY-220」の名称で販売されている。
被覆酸化鉄の顔料は、例えば、アルノー社から「ナノガードWCD2008(FE45B・FN)」、「ナノガードWCD2009(FE45B556)」、「ナノガードFE45BL345」又は「ナノガードFE45BL」の名称で、又はBASF社から「トランスペアレント・アイアン・オキサイド」の名称でから販売されている。
【0064】
また、金属酸化物の混合物、特に「サンベイルA」の名称で池田興産から販売されている、シリカ被覆二酸化チタンとシリカ被覆二酸化セリウムの同重量混合物を含む、二酸化チタンと二酸化セリウムのもの、及びケミラ社から販売されている製品「M261」のようなアルミナ、シリカ及びシリコーンで被覆されるか、ケミラ社から販売されている製品「M211」のようなアルミナ、シリカ及びグリセロールで被覆された二酸化チタンと二酸化亜鉛の混合物を挙げることもできる。
【0065】
付加的な光保護剤は、組成物の全重量に対して0.01〜20重量%、好ましくは組成物の全重量に対して0.1〜10重量%の範囲の割合で、本発明の組成物中に一般に存在している。
【0066】
また本発明に係る組成物は、皮膚を人工的にサンタン状態にする、及び/又は褐色にするための薬剤(自己サンタン剤)、特にジヒドロキシアセトン(DHA)をさらに含有してもよい。それらは、組成物の全重量に対して好ましくは0.1〜10重量%の範囲の量で存在している。
【0067】
また本発明に係る水性組成物は、特に、脂肪物質、有機溶媒、イオン性又は非イオン性で親水性又は親油性の増粘剤、鎮痛剤、湿潤剤、乳白剤、安定剤、エモリエント、シリコーン類、消泡剤、香料、防腐剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性又は両性の界面活性剤、活性剤、フィラー、ポリマー類、噴霧剤、塩基性化剤又は酸性化剤、又は化粧品及び/又は皮膚科学の分野において通常使用されている任意の他の成分から選択される一般的な化粧品用アジュバントをさらに含有することができる。
【0068】
脂肪物質は、油又は上述の無極性ロウ以外のロウ又はそれらの混合物からなるものでありうる。「油」という用語は、周囲温度で液体である化合物を意味するものと理解される。「ロウ」という用語は、周囲温度で固形又は実質的に固形であり、一般に35℃を越える融点を有する化合物を意味するものと理解される。
【0069】
油としては、鉱物性油(液状パラフィン);植物性油(スイートアルモンド油、マカダミア油、クロフサスグリの種油、又はホホバ油);合成油、例えばペルヒドロスクアレン、脂肪アルコール、脂肪酸又は脂肪エステル(例えばウィトコ社(Witco)から「ウィトコノール(Witconol)TN」又は「フィンソルブTN」の商品名で販売されている安息香酸C12-C15アルキル、パルミチン酸オクチル、ラノリン酸イソプロピル、カプリン酸/カプリル酸のものを含むトリグリセリド類、又はコグニス社(Cognis)から「セチオール(Cetiol)CC」の名称で販売されている炭酸ジカプリリル、又はオキシエチレン化又はオキシプロピレン化脂肪エステル及びエーテル;シリコーン油(シクロメチコーン、ポリジメチルシロキサン又はPDMS);フッ化油;又はポリアルキレン類を挙げることができる。
ロウ状化合物としては、カルナウバロウ、ミツロウ、水添ヒマシ油、ポリエチレンロウ、及びポリメチレンロウ、例えばサソール社(Sasol)からCirebelle303の名称で販売されているものを挙げることができる。
【0070】
有機溶媒としては、低級アルコール及びポリオールを挙げることができる。これらのポリオール類は、グリコール類及びグリコールエーテル類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール又はジエチレングリコールから選択することができる。
【0071】
親水性増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、例えばカルボポール(カルボマー(carbomers))及びペミュレン(Pemulen)(アクリレート/アクリル酸C10-C30アルキルのコポリマー);ポリアクリルアミド類、例えばセピック社(Seppic)からセピゲル(Sepigel)305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13-C14イソパラフィン/ラウレス(Laureth)7)又はシマルゲル(Simulgel)600(CTFA名:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)の名称で販売されている架橋コポリマー;場合によっては架橋及び/又は中和していてよい2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のポリマー及びコポリマー、例えばヘキスト社(Hoechst)から「ホスタセリン(Hostacerin)AMPS」の商品名で販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム)又はセピック社から販売されているシマルゲル800(CFTA名:ポリアクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム/ポリソルベート80/オレイン酸ソルビタン);セピック社から販売されているシマルゲルNS及びセピノブ(Sepinov)EMT10等の、アクリル酸ヒドロキシエチルと2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のコポリマー;セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース;多糖類、特にガム類、例えばキサンタンガム;及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0072】
親油性増粘剤としては、合成ポリマー、例えばランデック社(Landec)から「インテリマー(Intelimer)IPA13-1」及び「インテリマーIPA13-6」の名称で販売されているポリ(アクリル酸C10-C30アルキル)、又は例えばベントーンの名で販売されている製品等の、変性クレー類、例えばヘクトライト及びその誘導体を挙げることができる。
【0073】
活性成分としては、
− 単独で又は混合物として、ビタミン類(A、C、E、K、PP等)及びそれらの誘導体又は前駆体;
− 抗汚染剤及び/又は抗フリーラジカル剤;
− 脱色素剤及び/又は色素沈着誘発剤(propigmenting agents);
− 抗グリケーション剤;
− 鎮痛剤;
− NOシンターゼインヒビター;
− 真皮又は表皮の高分子の合成を刺激し及び/又はそれらの分解を防止する薬剤;
− 線維芽細胞の増殖を刺激する薬剤
− ケラチノサイトの増殖を刺激する薬剤;
− 筋弛緩剤;
− 緊張化剤(tightening agents);
− マット化剤(matting agents);
− 角質溶解剤;
− 落屑剤;
− 保湿剤;
− 抗炎症剤;
− 細胞のエネルギー代謝に作用する薬剤;
− 昆虫忌避剤;
− サブスタンスP又はCRGPアンタゴニスト;
− 抜毛防止剤及び/又は育毛剤;及び
− 抗シワ剤;
を挙げることができる。
【0074】
もちろん、当業者であれば、本発明に係る組成物に本来関連している有利な特性が、考慮される添加により損なわれないか又は実質的に損なわれないように留意して、上述の任意成分の化合物(群)及び/又はそれらの量を選択するであろう。
【0075】
本発明に係る組成物は、当業者によく知られている技術に従って調製することができる。それらは、特に、単純又は複合(O/W、W/O、O/W/O又はW/O/W)エマルション、例えばクリーム又はミルク又はクリーム-ゲルの形態;水性ゲルの形態;又はローションの形態とすることができる。またそれらは、場合によってはエアゾールとして包装することもでき、フォーム又はスプレーの形態とすることもできる。
好ましくは、本発明に係る組成物は、水中油型又は油中水型エマルションの形態である。
【0076】
エマルジョンは、一般に、単独で又は混合物として使用される両性、アニオン性、カチオン性及び非イオン性乳化剤から選択される少なくとも一の乳化剤を含んでいる。乳化剤は、得られるエマルション(W/O又はO/Wエマルション)に応じて適切に選択される。またエマルションは、他の種類の安定剤、例えばゲル化又は増粘ポリマーをさらに含むことができる。
【0077】
W/Oエマルションの調製に使用できる乳化界面活性剤の例としては、ソルビタン、グリセロール又は糖類のアルキルエステル又はエーテル;シリコーン性界面活性剤、例えばジメチコーンコポリオール類、特にダウ・コーニング社(Dow Corning)から「DC5225C」の名称で販売されている、シクロメチコーンとジメチコーンコポリオールの混合物、及びアルキルジメチコーンコポリオール類、例えばダウ・コーニング社から「ダウ・コーニング5200フォーミュレーション・エイド」の名称で販売されているラウリルメチコーンコポリオール、セチルジメチコーンコポリオール、例えばゴールドシュミット社(Goldschmidt)からアビル(Abil)EM90Rの名称で販売されている製品、及びゴールドシュミット社からアビルWE09の名称で販売されているラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸ポリグリセロール(4mol)、セチルジメチコーンコポリオールの混合物を挙げることができる。また、有利にはポリオールアルキルエステルからなる群から選択され得る一又は複数の共乳化剤をそれに添加することもできる。
【0078】
ポリオールアルキルエステルとしては、特にポリエチレングリコールエステル、例えばICI社からアルラセル(Arlacel)P135の名称で販売されている製品等の、PEG-30ジポリヒドロキシステアレートを挙げることができる。
グリセロール及び/又はソルビタンのエステルとしては、例えばイソステアリン酸ポリグリセロール、例えばゴールドシュミット社からイソラン(Isolan)GI34の名称で販売されている製品;イソステアリン酸ソルビタン、例えばICI社からアルラセル987の名称で販売されている製品;イソステアリン酸ソルビタングリセロール、例えばICI社からアルラセル986の名称で販売されている製品、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0079】
O/Wエマルションに対して、乳化剤としては、例えば非イオン性乳化剤、例えばオキシアルキレン化(より詳細にはポリオキシエチレン化)された脂肪酸とグリセロールのエステル;オキシアルキレン化された脂肪酸とソルビタンのエステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化)された脂肪酸エステル、例えばアルラセル165の名称でICI社から販売されているPEG-100ステアレート/ステアリン酸グリセリルの混合物;オキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化)された脂肪アルコールエーテル;糖エステル、例えばスクロースステアレート;脂肪アルコールと糖のエーテル、特にアルキルポリグルコシド(APG)、例えばデシルグルコシド及びラウリルグルコシドで、例えばヘンケル社(Henkel)からそれぞれプランタレン(Plantaren)2000及びプランタレン1200の名称で販売されているもの、セトステアリルグルコシドで、場合によってはセトステアリルアルコールとの混合物として、例えばセピック社からモンタノブ(Montanov)68の名称で、ゴールドシュミット社からテゴケア(Tegocare)CG90の名称で、さらにヘンケル社からエマルゲード(Emulgade)KE3302の名称で販売されているもの、そしてアラキジルグルコシド、例えばセピック社からモンタノブ202の名称で販売されているアラキジルグルコシド、アラキジル及びベヘニルアルコールの混合物の形態のものを挙げることができる。本発明の特定の実施態様によれば、対応する脂肪アルコールとの上述したアルキルポリグルコシドの混合物は、例えば国際公開第92/06778号の文献に記載されているような、自己乳化組成物の形態であってもよい。
【0080】
より詳細には、他の乳化安定剤のなかで、イソフタル酸又はスルホイソフタル酸のポリマー、特にフタレート/スルホイソフタレート/グリコールのコポリマー、例えばジエチレングリコール/フタレート/イソフタレート/1,4-シクロヘキサンジメタノールのコポリマー(INCI名;ポリエステル-5)で、イーストマン・ケミカル社(Eastman Chemical)から「イーストマンAQポリマー」(AQ35S、AQ38S、AQ55S、AQ48ウルトラ)の名称で販売されているものを挙げることができる。
【0081】
エマルションが関連する場合、エマルションの水相は、既知の方法(Bangham, Standish及びWatkins, J. Mol. Biol. 13, 238(1965)、仏国特許第2315991号及び仏国特許第2416008号)に従い調製される非イオン性の小胞体分散液を含有し得る。
【0082】
本発明に係る組成物は、多くの処理、特に皮膚、唇、及び毛髪であって頭皮を含むものの美容処理、特に皮膚、唇及び/又は毛髪の保護及び/又は手入れ、及び/又は皮膚及び/又は唇のメークアップおける用途を有している。
本発明の他の主題は、皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉毛及び/又は頭皮の美容処理用の製品、特に手入れ製品、抗日光製品及びメークアップ製品の製造における上述の本発明に係る組成物の使用からなる。
本発明に係る化粧品用組成物は、例えばメークアップ製品として使用され得る。
【0083】
本発明に係る化粧品用組成物は、例えば顔及び/又は体用で、液体から半液体のコンシステンシーを有する手入れ製品及び/又は抗日光保護製品、例えばミルク、程度の差はあれ滑らかなクリーム、クリームゲル及びペーストとして使用され得る。それらは、場合によってはエアゾールに包装することができ、フォーム又はスプレーの形態にすることもできる。
【0084】
本発明において、噴霧性液状ローションの形態である本発明に係る組成物は、加圧装置により、微細粒子の形態で皮膚又は毛髪に適用される。本発明の装置は当業者によく知られており、ノンエアゾールポンプ又は「アトマイザー」、噴霧剤を含むエアゾール容器、及び噴霧剤として圧縮空気を使用するエアゾールポンプを具備する。これらの装置は、米国特許第4077441号及び米国特許第4850517号に記載されている(明細書の内容の一体部分を構成する)。
本発明において、エアゾールとして包装された組成物は、一般に常套的な噴霧剤、例えばハイドロフッ化化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n-ブタン、プロパン、又はトリクロロフルオロメタンを含む。それらは、組成物の全重量に対して、好ましくは15重量%〜50重量%の範囲の量で存在する。
限定するものではないが、本発明を例証する具体的な実施例を以下に記載する。
【実施例】
【0085】
合成例
実施例1:2,4-ビス(エチル-4'-ジイルアミノベンゾエート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの調製:
【化17】
第1段階:2,4-ジクロロ-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの調製:
アミノ-1-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]-3-プロパン(41.7g、0.149mol)と、120mlの水に重炭酸ナトリウム(11.4g、0.135mol)が入った溶液を、pHが3〜6.5になるように、250mlのアセトンに塩化シアヌリル(25g、0.135mol)が入った溶液に、0℃で滴下して加える。導入が完了したところで、pHは6.5である。ついで、10℃で1時間30分攪拌し続け、混合物をその後、研究室温度に放置する。形成された沈殿物を濾過し、水で洗浄し、スピン-フィルター乾燥させ、乾燥させる。55.2g(収率:95%)の予想された誘導体が、白色粉末の形態で得られる(融点:59℃)。
【0086】
第2段階:実施例1の誘導体の調製:
20mlのトルエンに上述の生成物(2.1g、0.005mol)とパラ-アミノ安息香酸エチル(1.65g、0.01mol)を懸濁させた混合物を1時間30分還流させる。混合物を冷却し、熱いヘプタンを、得られた樹脂に添加する。粉砕し、濾過し、乾燥させた後、2.3g(収率:67%)の実施例1の誘導体が、白色粉末の形態で得られる:
融点:106−108℃、
UV(エタノール):λmax=311nm、E1%=1147。
【0087】
実施例2:2,4-ビス(n-ブチル-4'-ジイルアミノベンゾエート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの調製:
【化18】
実施例1の第1工程の生成物(16.74g、0.0391mol)、パラ-アミノ安息香酸n-ブチル(15g、0.0776mol)及び炭酸カリウム(5.36g、0.0388mol)の混合物を、窒素拡散下、170mlのトルエンに懸濁させ、1時間20分還流する。反応混合物を冷却し、150mlのジクロロメタンを添加する。無機生成物を濾過する。濾液を重炭酸水と、ついで水で2回洗浄する。有機相を乾燥させ、溶媒を蒸発させた後、白色粉末が得られる。1:15のEtOAc/ヘプタンの混合物から再結晶させた後、20.1g(収率:69%)の実施例2の誘導体が、白色粉末の形態で得られる:
融点:111−113℃、
UV(エタノール):λmax=312nm、E1%=1055。
【0088】
実施例3:2,4-ビス(n-ペンチル-4'-ジイルアミノベンゾエート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの調製:
【化19】
15mlのトルエンに、実施例1の第1工程の生成物(1g、2.3×10−3mol)、パラ-アミノ安息香酸n-ペンチル(0.97g、4.6×10−3mol)及び重炭酸ナトリウム(0.39g、4.6×10−3mol)の混合物が入ったものを、115℃の温度で20分、CEMディスカバーマイクロ波装置において150ワットの出力で加熱する。ジクロロメタンを反応混合物に添加し、得られた混合物を飽和塩化ナトリウム溶液と、ついで水で2回洗浄する。有機相を乾燥させ、溶媒を蒸発させた後、透明な油が得られる。シリカカラム(溶離液:85:15のヘプタン/EtOAc)での精製後、実施例3の誘導体の透明なフラクション(0.9g、収率:50%)が、白色粉末の形態で回収される:
UV(エタノール):λmax=312nm、E1%=1008。
【0089】
実施例4:2,4-ビス[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-4'-ジイルアミノベンズアミド]-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの調製:
【化20】
第1段階:4-ニトロ-N-(tert-オクチル)ベンズアミドの調製:
260mlのジクロロエタンにtert-オクチルアミン(51.7g、0.4mol)とトリエチルアミン(61.2ml、0.44mol)が入ったものを、反応器中に導入する。混合物を70℃まで加熱し、ついで塩化4-ニトロベンゾイル(77.9g、0.42mol)を、50分で、少しずつ滴下して加える。混合物を4時間還流する。反応混合物を氷冷水に注ぎ;生成物をジクロロメタンで抽出し、乾燥させ、溶媒を蒸発させる。得られたベージュ色の沈殿物を、イソプロピルエーテルとエタノール(比率:10/1)の混合物から再結晶化させる。真空下で乾燥させた後、84.6g(収率:76%)の4-ニトロ-N-(tert-オクチル)ベンズアミドがオフホワイト色の粉末の形態で得られ、次の段階にそのまま使用される。
【0090】
第2段階:4-アミノ-N-(tert-オクチル)ベンズアミドの調製:
500mlの水素化装置において、200mlの酢酸エチルに溶解させた4-ニトロ-N-(tert--オクチル)ベンズアミド(30g、0.108mol)を、触媒として、50%の水分を含む10%のパラジウム炭4.8gの存在下(水素圧:8−10bar)、70−75℃の温度で1時間15分、水素化させる。濾過し、溶媒を濃縮し、真空下で乾燥させた後、20.4g(収率:76%)の4-アミノ-N-(tert-オクチル)ベンズアミドが淡黄色の粉末の形態で得られ、次の段階にそのまま使用される。
【0091】
第3段階:実施例4の誘導体の調製:
10mlの乾燥トルエンに、実施例1の第1段階の生成物(1g、2.3×10−3mol)、先の段階の生成物(1.16g、4.6×10−3mol)及び重炭酸ナトリウム(0.39g、4.6×10−3mol)の混合物が入ったものを、115℃の温度で20分、CEMディスカバーマイクロ波装置において150ワットの出力で加熱する。ジクロロメタンを反応混合物に添加し、得られた混合物を飽和塩化ナトリウム溶液と、ついで水で2回洗浄する。有機相を乾燥させ、溶媒を蒸発させた後、淡黄色の油が得られる。シリカカラム(溶離液:70:30のヘプタン/EtOAc)での精製後、実施例3の誘導体の透明なフラクション(0.9g、収率:45%)が、白色フレークの形態で回収される:
UV(エタノール):λmax=302nm、E1%=775。
【0092】
実施例5:2,4-ビス(メチルトリメチルシリル-4'-ジイルアミノベンゾエート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの調製:
【化21】
第1段階:4-アミノ安息香酸メチルトリメチルシリルの調製:
クロロメチルトリメチルシリル(38.5g、0.314mol)を、反応器において、350mlのDMFにパラ-アミノ安息香酸のカリウム塩(50g、0.285mol)が入った不均一混合物に80℃で滴下して加える。混合物を3時間還流する。冷却後、塩を濾過し、DMFを蒸発させる。残渣をジクロロメタンに溶解させ、乾燥させ、溶媒を蒸発させる。得られた油を蒸留により精製する。0.6mbarの真空下、189℃で蒸留されるフラクションを回収する。油は結晶化する。50.4g(収率:79%)の実施例5の誘導体が白色粉末の形態で得られ、次の工程にそのまま使用される。
【0093】
第2段階:実施例5の誘導体の調製
40mlのトルエンに、実施例1の第1段階の生成物(2.1g、4.9×10−3mol)と先の段階の誘導体(2.19g、9.8×10−3mol)の混合物が入ったものを、窒素を拡散させながら、5時間還流する。混合物を冷却し、溶媒を蒸発させる。残渣をジクロロメタンに溶解させ、乾燥させ、溶媒を蒸発させる。3g(収率:76%)の実施例5の誘導体が、淡黄色のガムの形態で得られる:
UV(エタノール):λmax=311nm、E1%=907。
【0094】
実施例6:2,4-ビス(2-エチルヘキシル-2'-ヒドロキシ-4'-ジイルアミノベンゾエート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの調製:
【化22】
10mlのトルエンに、2-ヒドロキシ-4-アミノ安息香酸2-エチルヘキシル(1.4g、5.57×10−3mol)と実施例1の第1段階の生成物(1.19g、2.78×10−3mol)の混合物が入ったものを、窒素の拡散下、5時間還流する。混合物を冷却し、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカカラム(溶離液:9/1のヘプタン/EtOAc)でクロマトグラフィーにかける。1.58g(収率:64%)の実施例6の誘導体の透明なフラクションが白色ペーストの形態で得られる:
UV(エタノール):λ=300nm、E1%=480
λmax=325nm、E1%=709。
【0095】
実施例7:R=n-ブチル、X=O、n=0、B=A、W=H、Z=CH、R=CH、s=0、r=8.1である式(Ia、III)のランダム誘導体の調製:
【化23】
第1段階:2,4-ビス(n-ブチル-4'-ジイル-アミノベンゾエート)-6-クロロ-s-トリアジンの調製:
パラ-アミノ安息香酸n-ブチル(113.94g、0.59mol)と50mlの水に炭酸カリウム(40.68g、0.295mol)が入った溶液を、pHが3〜6.5になるように、500mlのジオキサンと50mlの水に塩化シアヌリル(54.36g、0.295mol)が入った溶液に、5℃で同時に滴下して加える。混合物を5℃で1時間30分保持する。媒体中に沈殿物が形成され、これは一置換s-トリアジンに相当する。それを70℃まで徐々に加熱し、50mlの水に2当量の炭酸カリウム(40.68g、0.295mol)が入ったものを添加する。ついで、70℃で5時間、攪拌し続ける。反応混合物を冷却し、濾過する。形成された沈殿物を水で洗浄し、スピン-フィルター-乾燥させ、乾燥させる。ジオキサン/水から再結晶させた後、52.5g(収率:36%)の2,4-ビス(n-ブチル-4'-ジイルアミノベンゾエート)-6-クロロ-s-トリアジンの第1の再結晶化産物が、真空下での乾燥後に、白色粉末の形態で得られる。
【0096】
第2段階:実施例7の誘導体の調製:
40mlのトルエンに、先の生成物(2g、4×10−3mol)、アミノプロピル末端ポリジメチルシロキサン(ゲレスト社(Gelest)のDMS-A-11)(2.13g、2×10−3mol)とピリジン(0.32ml、4×10−3mol)の混合物が入ったものを、窒素を拡散させながら、70℃で5時間加熱する。混合物を冷却し、ジクロロメタンを添加し、有機相を水で3回洗浄する。有機相を乾燥させ、溶媒を蒸発させた後、褐色の油が得られる。熱いエタノール中でカーボンブラックで処理し、セライト(Celite)を通して濾過した後、3.3g(収率:70%)の実施例7の誘導体が、淡褐色のガムの形態で得られる:
UV(エタノール):λmax=311nm、E1%=916。
【0097】
実施例8:4-{[4-{[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]アミノ}-6-({3-[ジエトキシ(メチル)シリル]プロピル}アミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ}安息香酸ブチルの調製:
【化24】
実施例7の第1段階の生成物(20g、0.04mol)とアミノプロピルジエトキシメチルシラン(15.37g、0.08mol)の不均一混合物を、窒素を拡散させながら、70℃まで徐々に加熱する。1時間後、混合物を冷却し、ジクロロメタンを添加し、有機相を水で3回洗浄する。有機相を乾燥させ、溶媒を蒸発させた後、続いてヘプタンから再結晶化させたところ、21g(収率80%)の実施例8の誘導体の白色固形物が得られる:
UV(エタノール):λmax=311nm、E1%=1197。
【0098】
実施例9:R=n-ブチル、X=O、n=0、W=H、a=1、b=2、R=CH、Z=CHである:D5+MMを用いて実施例(8)の誘導体を重合することにより得られる式(Ia、III)のランダム誘導体の調製:
【化25】
実施例8の生成物(1g、1.53×10−3mol)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)(0.57g、1.53×10−3mol)、ヘキサメチルジシロキサン(MM)(0.062g、0.38×10−3mol)、及び濃塩酸(0.1ml)の不均一混合物を、窒素を拡散させながら、10mlのトルエンと1mlの水の混合物中において激しく攪拌する。混合物を70℃まで徐々に加熱し、この温度で2時間放置する。周囲温度まで冷却し、水で希釈した後、全体を濾過する。得られた沈殿物を水で洗浄し、乾燥させる。このようにして、0.56gの白色粉末の実施例9の誘導体が得られる:
UV(エタノール):λmax=311nm、E1%=892。
【0099】
実施例10a及び10b:実施例(2)の誘導体の酸処理により得られる誘導体:4-[(4-{[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]アミノ}-6-{(3-(1-ヒドロキシ-1,3,3,3-テトラメチルジシロキサニル)プロピル]アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]安息香酸ブチル及び4,4'-{[6-({3-[ジヒドロキシ(メチル)シリル]プロピル}アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ジイミノ}ジ安息香酸ジブチルの調製:
【化26】
160mlの0.1N塩酸と340mlの比率80:20のエタノール/イソプロパノール混合物を、500mlの比率80:20のエタノール/イソプロパノール混合物に、実施例2の誘導体(10g、0.013mol)が溶解したものに添加する。混合物を研究室の温度で5時間攪拌する。この溶液を0.4%の水酸化ナトリウムを用い、pH7に中和する。そこに1リットルの水を添加し、溶液を凍結乾燥させる。凍結乾燥されたバッチを組合せると、HPLCによる相対的パーセントで約28%の実施例10aの誘導体と約10%の実施例10bの誘導体を含む淡いベージュ色の粉末が6.5g得られる。この粉末を遠心分配クロマトグラフィーにより分画し(様々な割合のヘプタン、酢酸エチル、メタノール及び水からなる2相系を用いる)たところ、白色粉末の形態で、実施例10aの誘導体が0.58g得られる:
UV(エタノール):λmax=312nm、E1%=1228。
また、白色粉末の形態で、実施例10bの誘導体が0.42g得られる。
【0100】
実施例11:4-({4-{[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]アミノ}-6-[(2-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)安息香酸ブチルと2,4-ビス(エチル-4'-ジイルアミノベンゾエート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イル-アミノ}-s-トリアジンの7:93混合物の調製:
【化27】
2-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロパン-1-アミンと3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロパン-1-アミン(30g、0.11mol)の7/93混合物を、100mlの酢酸エチルに塩化シアヌリル(19.8g、0.11mol)及びルチジン(11.5g、0.11mol)が入った溶液に、30分、0℃で滴下して加える。混合物を0℃で30分、ついで10℃で30分、最後に20℃で30分攪拌する。ついで、ピリジン(17.4g、0.22mol)とパラ-アミノ安息香酸n-ブチル(41.4g、0.22mol)を添加し、混合物を70℃で3時間加熱する。反応混合物を冷却した後、100mlの飽和塩化ナトリウム溶液で2回洗浄する。この有機相をシリカ床に通し、ケーキを80mlの酢酸エチルですすぐ。この有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。得られた残渣をヘプタンから結晶化させる。このようにして50.2gの淡黄色の固形物が得られる。この固形物を98:2のヘプタン/EtOAc混合物から再結晶させたところ、実施例11の2つの異性体の7:93混合物が、白色粉末の形態で49g(収率:60%)得られる:
融点:165−167℃、
UV(エタノール):λmax=312nm、E1%=1040。
【0101】
実施例12:4-({4-{[4-(ブトキシカルボニル)フェニル]アミノ}-6-[(2-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2-イル}アミノ)安息香酸ブチルと2,4-ビス-(エチル-4'-ジイルアミノベンゾエート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの50:50混合物の調製:
【化28】
第1段階:4,6-ジクロロ-N-(2-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル-1,3,5-トリアジン-2-アミンと4,6-ジクロロ-N-(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)-1,3,5-トリアジン-2-アミンの50:50混合物の調製:
2-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロパン-1-アミンと3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロパン-1-アミン(49.3g、0.176mol)の15/85混合物と、210mlの水に重炭酸ナトリウム(14.8g、0.176mol)が入った溶液を、pHが4〜5.8になるように、180mlのアセトンに塩化シアヌリル(32.5g、0.176mol)が入った溶液に、0℃で滴下して加える。導入が完了したところで、pHは5.3である。ついで、10℃で1時間30分攪拌し続け、混合物を研究室の温度に放置する。形成された沈殿物を濾過し、水で洗浄し、スピン-フィルター-乾燥させ、乾燥させる。72.4g(収率:96%)の予想された異性体誘導体が、白色粉末の形態で15/85の比率で得られる(融点:59℃)。2つの連続するシリカクロマトグラフィーカラム(溶離液:95:5のヘプタン/EtOAc)で20gの上述の混合物の分画を実施した。3.54gの50/50異性型混合物を得ることができ、次の工程にそのまま使用した。
【0102】
第2段階:実施例12の誘導体の調製:
30mlのトルエンに懸濁させた上述の生成物(3g、0.007mol)、パラ-アミノ安息香酸n-ブチル(2.7g、0.014mol)、及び重炭酸ナトリウム(1.18g、0.014mol)の混合物を、70℃で5時間加熱する。混合物を冷却し、ジクロロメタンを添加する。水で2回洗浄した後、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させる。得られた残渣を50:5のヘプタン/EtOAc混合物から結晶化させる。ついで、沈殿物をシリカクロマトグラフィーカラム(溶離液:95/5のCHCl/EtOAc)により精製したところ、実施例12の2つの異性体の50:50混合物が、白色粉末の形態で3.7g(収率:71%)得られる。
融点:165−167℃、
UV(エタノール):λmax=312nm、E1%=1149。
【0103】
実施例13:R=n-ブチル、X=O、n=0、B=CH、W=H、Z=CH、R=CH、s=1、r=0である式(Ia、III)の誘導体の調製:
【化29】
第1段階:4,6-ジクロロ-N-(2-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)-1,3,5-トリアジン-2-アミンの調製:
実施例12の合成の第1段階の15:85異性体混合物を、遠心分配クロマトグラフィー(2相系:50:49:1のヘプタン/アセトニトリル/水)により分画したところ、次の段階でそのまま使用される2.0gの4,6-ジクロロ-N-(2-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル}プロピル)-1,3,5-トリアジン-2-アミンが得られた。
【0104】
第2段階:実施例13の誘導体の調製:
上述の生成物(2g、0.0047mol)を、18mlのトルエンに溶解させる。ピリジン(0.8ml、0.009mol)とパラ-アミノ安息香酸n-ブチル(1.8g、0.009mol)をそこに添加する。攪拌しつつ、混合物を70℃で3時間加熱する。溶液を冷却し、シリカ床にそそぎ、ケーキを80mlのトルエンですすぐ。溶媒を蒸発させた後、得られた褐色-ベージュ色の固形物を、30mlのヘプタンから結晶化させる。このようにして、2.2g(収率:63%)の実施例13の誘導体が、淡いベージュ色の粉末の形態で得られる:
融点:149−151℃、
UV(エタノール):λmax=312nm、E1%=955。
【0105】
実施例14:R=n-ブチル、X=O、n=0、B=CH、W=H、Z=CH、R=CH、s=2、r=0である式(Ia、III)の誘導体の調製:
【化30】
25mlの1N塩酸を、80:20の比率のエタノール/イソプロパノール混合物50mlに実施例2の誘導体(1g、0.0013mol)を溶解させたものに添加する。混合物を研究室の温度で4時間放置する。この溶液を35%の水酸化ナトリウムで、pH7に中和する。真空下で溶媒を蒸発させる。HPLCによる相対的パーセントで約37%の実施例14の誘導体を含む淡いベージュ色の粉末が0.8g得られる。この粉末を遠心分配クロマトグラフィーにより分画し(ヘプタン、酢酸エチル、メタノール及び水からなる2相系を用いる)たところ、白色粉末の形態で、実施例14の誘導体が0.18g得られる:
UV(エタノール):λmax=312nm、E1%=1109。
【0106】
処方例15から20
【表1】
【表2】
【0107】
プロトコル
脂肪相(A)を70℃まで加熱する。水相(B)を最終ビーカーで加熱する。(C)相を、油に粉末を分散させることで調製する。ローター-ステーターを使用して攪拌することにより、脂肪相を水相に乳化させる。素早く攪拌しつつ、(C)相を導入し、ついで、混合物を周囲温度に戻るまでゆっくりと攪拌する。それを(D)で中和し、ついで包装する。