(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発泡剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエーテル変性シリコーンから選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の発泡性エアゾール組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の発泡性エアゾール組成物は、油性溶剤、乳化剤、発泡剤、水を含有し、前記乳化剤がHLB2〜7.5の親油性界面活性剤であり、油中水型エマルジョンを形成する原液と、溶解性圧縮ガスとからなることを特徴とする。この発泡性エアゾール組成物は、原液が油中水型エマルジョンでありながら発泡してきめ細かなフォームを形成する。
【0017】
前記原液は、油性溶剤、乳化剤、発泡剤、水を含有し、油相中に水相が乳化した油中水型エマルジョンを形成する。
【0018】
前記油性溶剤は油相の主成分となり、界面活性剤や有効成分などの溶剤として作用するとともに、フォームを皮膚になじみやすくする、皮脂や化粧メイクなどを除去する作用がある。
【0019】
前記油性溶剤としては、たとえば、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルへキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ステアリン酸)グリセリルなどのグリセリンと脂肪酸のトリエステル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルなどの直鎖脂肪酸と低級アルコールのエステル、カプリン酸セチル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシルなどの高級脂肪酸と高級アルコールのエステル、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコールと脂肪酸のモノおよびジエステル、ステアリン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコールなどのエチレングリコールと脂肪酸のモノおよびジエステル、イソオクタン酸セチル、
ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール、ジ−2−エチルへキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、リンゴ酸ジイソステアリルなどのエステル油;オリーブ油、グレープシード油、ツバキ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂、流動パラフィン、軽質流動パラフィンなどの炭化水素、メチルポリシロキサン、カプリリルメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル、オレイン酸などの高級脂肪酸、オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコールなど、常温(5〜35℃)で液状のものがあげられる。特に、発泡性に優れている点からエステル油、油脂、シリコーンオイルを用いることが好ましい。
【0020】
前記油性溶剤の配合量は、原液中10〜85重量%であることが好ましく、さらには15〜80重量%であることが好ましい。前記油性溶剤の配合量が10重量%よりも少ない場合は乳化しにくくなるという問題があり、85重量%よりも多い場合は発泡しにくくなるという問題がある。
【0021】
前記乳化剤は、油相中に水相を乳化して油中水型エマルジョンを形成する。前記乳化剤はHLBが2〜7.5の親油性界面活性剤であり、HLBは3〜7であることが好ましい。HLBが2よりも小さい、または7.5よりも大きい場合は乳化しにくくなる。
【0022】
前記乳化剤としては、たとえば、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール(EO:2〜40)などのポリエチレングリコールジポリヒドロキシ脂肪酸エステル、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油(EO:5〜10)などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ジラウリン酸ポリエチレングリコール(EO:4〜12)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(EO:4〜12)、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール(EO:4〜12)、ジオレイン酸ポリエチレングリコール(EO:4〜12)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EO:2〜5)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(EO:3〜6)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(EO:3〜6)などのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリルなどのモノグリセリン脂肪酸エステルなどがあげられる。なお、EOは(OCH
2CH
2)、数字はn数を示す。
【0023】
前記乳化剤の中でも乳化安定性に優れている点からポリエチレングリコールジポリヒドロキシ脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いることが好ましく、特にポリエチレングリコールジポリヒドロキシ脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
【0024】
前記乳化剤の配合量は、原液中0.5〜10重量%であることが好ましく、さらには1〜8重量%であることが好ましい。前記乳化剤の配合量が0.5重量%よりも少ない場合は油中水型エマルジョンを形成しにくくなるという問題があり、10重量%よりも多い場合は使用後皮膚に残りやすくなるという問題がある。
【0025】
前記発泡剤は、エアゾール組成物を外部に吐出したときに原液中に溶解している溶解性圧縮ガスの揮発により油中水型エマルジョン原液を発泡させる。
【0026】
前記発泡剤としては、たとえば、モノラウリン酸ジグリセリル、モノカプリン酸ジグリセリル、モノラウリン酸ペンタグリセリル、モノミリスチン酸ペンタグリセリル、モノオレイン酸ペンタグリセリル、モノステアリン酸ペンタグリセリル、モノイソステアリン酸ペンタグリセリル、カプリル酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、モノカプリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステル、モノヤシ油脂肪酸POEソルビタン(EO:20)、モノパルミチン酸POEソルビタン(EO:6〜20)、モノステアリン酸POEソルビタン(EO:6)、トリステアリン酸POEソルビタン(EO:20)、モノオレイン酸POEソルビタン(EO:6〜20)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、POEラウリルエーテル(EO:2〜9)、POEセチルエーテル(EO:2〜10)、POEステアリルエーテル(EO:2〜10)、POEオレイルエーテル(EO:2〜10)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE硬化ヒマシ油(EO:20〜80)などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸POEグリセリル(EO:5〜15)、モノオレイン酸POEグリセリル(EO:5〜15)などのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリ(POE・POP)ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体、POE・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(POE・POP)・メチルポリシロキサン共重合体などのポリエーテル変性シリコーンなどがあげられる。なお、EOは(OCH
2CH
2)、数字はn数を示す。
【0027】
前記発泡剤の中でも、発泡性に優れる点から、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのHLBが7.5〜16である親水性非イオン式界面活性剤、HLBが1〜8であるポリエーテル変性シリコーンを用いることが好ましく、特にポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーンが好ましい。
【0028】
前記発泡剤の配合量は、原液中0.1〜20重量%であることが好ましく、さらには0.3〜15重量%であることが好ましい。前記発泡剤の配合量が0.1重量%よりも少ない場合は発泡しにくくなるという問題があり、20重量%よりも多い場合は使用後皮膚に残りやすくなるという問題がある。
【0029】
前記水は水相の主成分であり、油相内に分散し、溶解した圧縮ガスにより油中水型エマルジョン原液を発泡させる。
【0030】
前記水は精製水、イオン交換水などを用いることができ、配合量は原液中5〜85重量%、さらには10〜80重量%であることが好ましい。水の配合量が5重量%よりも少ない場合は発泡しにくくなるという問題があり、85重量%よりも多い場合は油中水型エマルジョンが不安定になりやすいという問題がある。
【0031】
なお、原液には、前記油性溶剤、発泡剤、乳化剤、水以外にも、用途や目的に応じて有効成分、他の界面活性剤、アルコール類、水溶性高分子、パウダーなどを配合することができる。
【0032】
前記有効成分としては、たとえば、パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、オクトクレリン、オキシベンゾン、ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、パラアミノ安息香酸などの紫外線吸収剤、N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)などの害虫忌避剤、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤、レチノール、dl−α−トコフェロールなどのビタミン類、グリチルレチン酸などの抗炎症剤、硝酸ミコナゾール、硝酸スルコナゾール、クロトリマゾールなどの抗真菌剤、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなどの消炎鎮痛剤、l−メントール、カンフルなどの清涼化剤、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸メチルなどの消臭成分、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、ヒアルロン酸、カロニン酸、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチン、尿素などの保湿剤、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、感光素、パラクロルメタクレゾールなどの殺菌消毒剤;ラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジルなどの消臭剤、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどのアミノ酸、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸ナトリウムなどのビタミン類、香料などがあげられ、溶解性に応じて油相および/または水相に配合することができる。
【0033】
前記有効成分は溶解性に応じて油相、水相いずれに配合してもよく、その配合量は、原液中0.01〜20重量%であることが好ましく、さらには0.05〜10重量%であることが好ましい。前記有効成分の配合量が0.01重量%よりも少ない場合は皮膚に付着する量が少なく、有効成分の効果が不充分になりやすいという問題があり、20重量%よりも多い場合は均一に塗布しにくくなり、配合量に対する効果が不充分になるという問題がある。
【0034】
前記他の界面活性剤は、乳化安定性、発泡性、皮膚へのなじみ、洗浄性を補助するなどの目的で用いられる。
【0035】
前記他の界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸およびその塩などのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアミン、サーファクチンナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミンなどのアミノ酸系界面活性剤などがあげられる。
【0036】
前記他の界面活性剤は溶解性に応じて油相、水相いずれに配合してもよく、その配合量は、原液中0.1〜10重量%であることが好ましく、さらには0.5〜5重量%であることが好ましい。前記他の界面活性剤の配合量が0.1重量%よりも少ない場合は配合効果が得られにくいという問題があり、10重量%よりも多い場合は使用後皮膚に残りやすいという問題がある。
【0037】
前記アルコール類は、圧縮ガスの溶解量を多くして発泡しやすくする、水相の乾燥を調整するなどの目的で用いられ、たとえば、エタノール、イソプロピルアルコールなどの炭素数が2〜3個の1価アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの炭素数が3〜5個の2〜3価アルコールなどがあげられる。
【0038】
前記アルコール類は油相、水相いずれに配合してもよく、その配合量は、原液中0.1〜20重量%、さらには0.5〜10重量%であることが好ましい。前記アルコール類の配合量が0.1重量%よりも少ない場合は配合効果が得られにくいという問題があり、20重量%よりも多い場合はエマルジョンの安定性が低下しやすく、発泡しにくくなるという問題がある。
【0039】
前記水溶性高分子は、水相の粘度を高くしてエマルジョンを安定化させるなどの目的で用いられる。
【0040】
前記水溶性高分子としては、たとえば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ニトルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース類、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、グアガムなどのガム類、デキストリン、ペクチン、デンプン、ゼラチン、ゼラチン加水分解物、アルギン酸ナトリウム、変性ポテトスターチ、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸セテス−20)コポリマーなどのアクリル酸エステルなどがあげられる。
【0041】
前記水溶性高分子の配合量は、原液中0.01〜3重量%、さらには0.05〜2重量%であることが好ましい。水溶性高分子の配合量が0.01重量%よりも少ない場合は前述の効果が得られにくいという問題があり、3重量%よりも多い場合は水相の粘度が高くなりすぎ、油相と混ざりにくく乳化が困難になるという問題がある。
【0042】
なお、カルボキシビニルポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸セテス−20)コポリマーなどの会合型高分子を用いる場合は水相のpHを調整するpH調整剤を用いることが好ましい。前記pH調整剤としては、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1、3−プロパンジオールなどの有機アルカリ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリなどがあげられ、これらpH調整剤を用いて水相のpHを6〜9に調整し、粘度を高くする。
【0043】
前記パウダーは原液中では分散しており、エマルジョンの安定性を良くする、皮膚に塗布されると紫外線を散乱させる紫外線散乱剤として作用したり、水や汗をはじき皮膚に長く付着して日焼けを長時間防止する、またべたつきを抑え使用感を良くするなどの効果を有する。
【0044】
前記パウダーとしては、たとえば、酸化亜鉛、酸化チタン、タルク、セリサイト、シリカ、ナイロンパウダーなどがあげられる。
【0045】
前記パウダーの配合量は、原液中0.1〜10重量%、さらには0.5〜8重量%であることが好ましい。配合量が0.1重量%よりも少ない場合はパウダーの効果が得られにくいという問題があり、10重量%よりも多い場合はパウダー濃度が高くなりすぎて均一に塗布しにくく、白くなりやすいという問題がある。
【0046】
前記原液は、たとえば、乳化剤(親油性界面活性剤)を油性溶剤に配合して油相を調製し、油相とは別に調整した水相を油相に添加して混合することにより油中水型エマルジョン原液を調整することができる。なお、油相の一部に水相を添加して油中水型エマルジョンを形成し、後で油相の残りを添加してもよい。
【0047】
前記油相と水相の重量比は、油相/水相=90/10〜10/90であることが好ましく、さらには85/15〜15/85であることが好ましい。前記重量比が90/10よりも大きい場合、すなわち水相が少ない場合は発泡しにくくなるという問題があり、10/90よりも小さい場合、すなわち水相が多い場合は油中水型エマルジョンが不安定になりやすいという問題がある。
【0048】
本発明の発泡性エアゾール組成物は、前記油中水型エマルジョン原液を耐圧性の容器に充填し、容器の開口部にエアゾールバルブを固着、圧縮ガスを充填することにより調製することができる。
【0049】
前記溶解性圧縮ガスは、エアゾール容器内では原液の油相と水相いずれにも溶解するが、大気中に吐出されると内相の水相に溶解した圧縮ガスが気化して油中水型エマルジョン原液を発泡させる。前記溶解性圧縮ガスとしては、25℃における水への溶解度が0.3以上であるものを用いることが好ましく、たとえば、炭酸ガス(0.759ml/ml)、亜酸化窒素ガス(0.575ml/ml)、およびこれらの混合物などがあげられる。溶解度が0.3よりも小さい場合は発泡しにくくなる。
【0050】
前記溶解性圧縮ガスにより、容器内の圧力を0.4〜1.0MPa、さらには0.5〜0.9MPa(25℃)にすることが好ましい。圧力が0.4MPaよりも小さい場合は発泡が小さくなりやすいという問題があり、1.0MPaよりも大きい場合は吐出時の勢いが強くなり飛び散りやすくなるという問題がある。
【0051】
以下、実施例により、本発明の発泡性エアゾール組成物をより詳細に説明するが、本発明は、なんらこれらに限定されるものではない。
【0052】
実施例1
表1に示す油相1、油相2、水相をそれぞれ調製し、水相を油相1に添加して攪拌した。さらに油相2を添加して攪拌し、油中水型エマルジョン原液1を調製した。この原液1をアルミニウム性耐圧容器に100g充填し、エアゾールバルブを取り付け、容器内の圧力が0.6MPa(25℃)となるように炭酸ガスを充填し、発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0053】
実施例2
原液2を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0054】
参考例3
原液3を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0055】
実施例4
原液4を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0056】
参考例5
原液5を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0058】
実施例6
表2に原液6を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0059】
参考例7
原液7を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0060】
実施例8
原液8を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0061】
実施例9
原液9を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0062】
実施例10
原液10を用いたこと以外は実施例1と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0064】
実施例11
表3に示す油相、水相をそれぞれ調製し、水相を油相に添加して攪拌し、油中水型エマルジョン原液11を調製した。この原液11をアルミニウム性耐圧容器に100g充填し、エアゾールバルブを取り付け、容器内の圧力が0.6MPa(25℃)となるように炭酸ガスを充填し、発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0065】
実施例12
原液12を用いたこと以外は実施例11と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0066】
実施例13
原液13を用いたこと以外は実施例11と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0067】
実施例14
原液14を用いたこと以外は実施例11と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0068】
参考例15
原液15を用いたこと以外は実施例11と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0070】
実施例16
表4に示す油相、水相をそれぞれ調製し、水相を油相に添加して攪拌し、油中水型エマルジョン原液16を調製した。この原液16をアルミニウム性耐圧容器に100g充填し、エアゾールバルブを取り付け、容器内の圧力が0.6MPa(25℃)となるように炭酸ガスを充填し、発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0071】
実施例17
原液17を用いたこと以外は実施例16と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0072】
実施例18
原液18を用いたこと以外は実施例16と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0073】
実施例19
原液19を用いたこと以外は実施例16と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0074】
実施例20
原液20を用いたこと以外は実施例16と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0076】
実施例21
表5に示す油相、水相をそれぞれ調製し、水相を油相に添加して攪拌し、油中水型エマルジョン原液21を調製した。この原液21をアルミニウム性耐圧容器に100g充填し、エアゾールバルブを取り付け、容器内の圧力が0.6MPa(25℃)となるように炭酸ガスを充填し、発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0077】
実施例22
原液22を用いたこと以外は実施例21と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0078】
実施例23
原液23を用いたこと以外は実施例21と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0080】
実施例24
表6に示す油相、水相をそれぞれ調製し、水相を油相に添加して攪拌し、油中水型エマルジョン原液24を調製した。この原液24をアルミニウム性耐圧容器に100g充填し、エアゾールバルブを取り付け、容器内の圧力が0.6MPa(25℃)となるように炭酸ガスを充填し、発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0081】
実施例25
原液25を用いたこと以外は実施例24と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0082】
実施例26
原液26を用いたこと以外は実施例24と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0084】
比較例1
表7に示す油相、水相をそれぞれ調製し、水相を油相に添加して攪拌し、油中水型エマルジョン原液27を調製した。この原液27をアルミニウム性耐圧容器に100g充填し、エアゾールバルブを取り付け、容器内の圧力が0.6MPa(25℃)となるように炭酸ガスを充填し、発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0085】
比較例2
原液28を用いたこと以外は比較例1と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0086】
比較例3
原液29を用いたこと以外は比較例1と同様にして発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0088】
比較例4
原液1をアルミニウム性耐圧容器に100g充填し、エアゾールバルブを取り付け、容器内の圧力が0.6MPa(25℃)となるように窒素ガスを充填し、発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0089】
比較例5
原液1をアルミニウム性耐圧容器に90g充填し、エアゾールバルブを取り付け、液化石油ガス10gを充填し、発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0090】
比較例6
原液1をアルミニウム性耐圧容器に90g充填し、エアゾールバルブを取り付け、ジメチルエーテル10gを充填し、発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0091】
比較例7
原液1をアルミニウム性耐圧容器に90g充填し、エアゾールバルブを取り付け、液化石油ガス10gを充填した。さらに、容器内の圧力が0.6MPa(25℃)となるように炭酸ガスを充填し、発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0092】
比較例8
原液1をアルミニウム性耐圧容器に90g充填し、エアゾールバルブを取り付け、ジメチルエーテル10gを充填し、容器内の圧力が0.6MPa(25℃)となるように炭酸ガスを充填し、発泡性エアゾール組成物を製造した。
【0093】
試験評価
得られたサンプルを25℃の恒温水槽に1時間浸漬し、下記の試験項目について評価した。
【0094】
1.乳化状態
油相に水相を添加し、ホモミキサーを用いて1分間攪拌したときの乳化状態を評価した。
◎:乳化し、3時間静置しても安定している。
○:乳化し、3時間静置すると一部が分離する。
△:一時的に乳化しているが、すぐに分離する。
×:乳化していない。
【0095】
2.発泡性
エアゾール組成物を1g吐出したときの発泡性を評価した。
◎:きめ細かく立体的なフォームを形成した。
○:立体的なフォームを形成した。
△:平面的なフォームを形成した。
×:ほとんど発泡もしくは崩れた粗いフォームであり、すぐに液状になった。
【0097】
処方例1.日焼け止め用フォーム
下記の油中水型原液を調整し、アルミニウム製容器に充填した。容器にエアゾールバルブを取り付け、容器内部の平衡圧力が0.6MPaとなるようにステムから炭酸ガスを充填した。
<油中水型エマルジョン原液>
ホホバオイル(*1) 31.8
ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30(*2) 2.5
モノラウリン酸ジグリセリル(*4) 5.0
トリオレイン酸ペンタグリセリル(*5) 3.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(*24) 8.0
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(*25) 1.0
メチルパラベン 0.1
精製水 48.6
合計 100.0(重量%)
*24:ユビナールMC80(商品名)、BAFS(株)製
*25:パルソール1789(商品名)、BAFS(株)製
【0098】
処方例2.パック用フォーム
下記の油中水型原液を調整し、アルミニウム製容器に充填した。容器にエアゾールバルブを取り付け、容器内部の平衡圧力が0.6MPaとなるようにステムから炭酸ガスを充填した。
<油中水型エマルジョン原液>
ホホバオイル(*1) 38.8
セタノール 2.0
ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30(*2) 2.5
モノラウリン酸ジグリセリル(*4) 5.0
トリオレイン酸ペンタグリセリル(*5) 3.0
メチルパラベン 0.1
精製水 48.6
合計 100.0(重量%)
【0099】
処方例3.クレンジング用フォーム
下記の油中水型原液を調整し、アルミニウム製容器に充填した。容器にエアゾールバルブを取り付け、容器内部の平衡圧力が0.6MPaとなるようにステムから炭酸ガスを充填した。
<油中水型エマルジョン原液>
ホホバオイル(*1) 37.8
コハク酸ジエトキシエチル 3.0
ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30(*2) 2.5
モノラウリン酸ジグリセリル(*4) 5.0
トリオレイン酸ペンタグリセリル(*5) 3.0
メチルパラベン 0.1
精製水 48.6
合計 100.0(重量%)