特許第5730495号(P5730495)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5730495フィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒の製造方法、触媒スラリーの製造方法、並びに触媒スラリーのフィッシャー・トロプッシュ合成反応器への供給方法
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  • 特許5730495-フィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒の製造方法、触媒スラリーの製造方法、並びに触媒スラリーのフィッシャー・トロプッシュ合成反応器への供給方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5730495
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】フィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒の製造方法、触媒スラリーの製造方法、並びに触媒スラリーのフィッシャー・トロプッシュ合成反応器への供給方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 37/18 20060101AFI20150521BHJP
   C10G 2/00 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
   B01J37/18
   C10G2/00
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-79358(P2010-79358)
(22)【出願日】2010年3月30日
(65)【公開番号】特開2011-206741(P2011-206741A)
(43)【公開日】2011年10月20日
【審査請求日】2013年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】504117958
【氏名又は名称】独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
(73)【特許権者】
【識別番号】509001630
【氏名又は名称】国際石油開発帝石株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】JX日鉱日石エネルギー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591090736
【氏名又は名称】石油資源開発株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000105567
【氏名又は名称】コスモ石油株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】新日鉄住金エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100129403
【弁理士】
【氏名又は名称】増井 裕士
(72)【発明者】
【氏名】田坂 和彦
【審査官】 佐藤 哲
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−069007(JP,A)
【文献】 特開2003−003174(JP,A)
【文献】 特開2009−011938(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/076063(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 − 38/74
C10G 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機担体に活性金属を担持してなるフィッシャー・トロプシュ合成反応用触媒を、水素ガスを含むガスにより還元処理するフィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒の製造方法であって、
前記還元処理を、フィッシャー・トロプシュ合成反応原料である合成ガスを製造するための炭化水素原料の水素化脱硫を行う反応器、及びフィッシャー・トロプシュ合成反応により合成された合成油の水素化処理を行う反応器のいずれかにおいて行なうことを特徴とするフィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒の製造方法。
【請求項2】
前記フィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒がスラリー床反応器において使用されるものであることを特徴とする請求項1に記載のフィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒の製造方法。
【請求項3】
無機担体に活性金属を担持してなるフィッシャー・トロプシュ合成反応用触媒を、フィッシャー・トロプシュ合成反応原料である合成ガスを製造するための炭化水素原料の水素化脱硫を行う反応器、フィッシャー・トロプシュ合成反応により合成された合成油の水素化処理を行う反応器のいずれかの反応器において、水素ガスを含むガスにより活性化する活性化工程と、
活性化された前記触媒が収容された前記いずれかの反応器に、液体炭化水素を供給してスラリーを調製する触媒スラリー調製工程と、
を備えることを特徴とするフィッシャー・トロプシュ合成反応用触媒スラリーの製造方法。
【請求項4】
無機担体に活性金属を担持してなるフィッシャー・トロプシュ合成反応用触媒を、フィッシャー・トロプシュ合成反応原料である合成ガスを製造するための炭化水素原料の水素化脱硫を行う反応器、フィッシャー・トロプシュ合成反応により合成された合成油の水素化処理を行う反応器のいずれかの反応器において、水素ガスを含むガスにより活性化する活性化工程と、
活性化された前記触媒が充填された前記いずれかの反応器に、液体炭化水素を供給してスラリーを調製する触媒スラリー調製工程と、
前記触媒スラリーを、フィッシャー・トロプシュ合成反応を行う反応器に配管を介して移送する移送工程と、
を備えることを特徴とする触媒スラリーのフィッシャー・トロプシュ合成反応器への供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィッシャー・トロプシュ合成反応において使用される活性化触媒を製造するための製造方法、前記活性化触媒を含む触媒スラリーを製造するための製造方法、並びに前記方法により製造された触媒スラリーのフィッシャー・トロプシュ合成反応器への供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナフサ(粗ガソリン)、灯油、軽油等の液体燃料製品の原料として利用される炭化水素化合物を製造する方法として、一酸化炭素ガス(CO)及び水素ガス(H)を主成分とする合成ガスを原料ガスとしてフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」ということもある。)を利用する方法が知られている。
FT合成反応により炭化水素化合物を合成する合成反応システムとしては、例えば、液体炭化水素に固体の触媒粒子を懸濁させたスラリーに合成ガスが吹き込まれてFT合成反応が行われる気泡塔型スラリー床FT反応システムが開示されている(特許文献1)。
特許文献1に記載のシステムのように、FT合成反応による炭化水素化合物の製造において、触媒を液体炭化水素に懸濁させた触媒スラリーの形態とし、該スラリーと原料である合成ガスとを接触させる方法を採用する場合には、通常、FT合成反応器のスタートアップ時に、触媒を液体炭化水素に懸濁させて触媒スラリーを調製し、これを反応器に導入する工程を有している。
【0003】
FT合成反応を利用する技術としては、例えば天然ガスから製造した合成ガスからFT合成反応により炭化水素化合物を合成し、この炭化水素化合物から液体燃料を製造する所謂GTL(Gas To Liquids)技術が知られている。通常、上記GTL技術を行う設備においては、FT合成反応器の他に、天然ガス中の硫黄化合物を除去するための水素化脱硫反応器、FT合成反応により合成された炭化水素化合物を水素化処理するための反応器等の、加熱された水素ガス及び炭化水素化合物を扱う反応器が備えられている。
【0004】
FT合成反応に使用される触媒としては、コバルト、鉄、ニッケル、ルテニウム等の活性金属が、無機酸化物等の担体に担持された形態のものが知られている。そして、これらの触媒は一般的に、担体に活性金属成分が担持された後、焼成されて調製され、更に水素ガス等の還元剤により還元処理されて活性化された状態でFT合成反応に供される。前記還元処理は、FT合成反応設備とは異なる立地にある設備、例えば触媒製造場所の設備において行われることも多い。その場合、還元処理により活性化された触媒を、還元処理を行う設備から抜き出し、FT合成反応設備まで移送し、FT合成反応設備に投入する等の過程において、活性化された触媒が大気に晒されると不活性化が起こる。この触媒の不活性化を防止する方法として、例えば、大気と非接触下に、活性化された触媒の表面をワックスのような媒体により被覆し、同時にフレーク状に成型し、大気との接触を遮断する安定化を行った上で移送等の取り扱いを行う方法が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0014703号公報
【特許文献2】米国特許第6979663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、還元処理により活性化された触媒を、上記被覆処理による安定化を行うためには、活性化された触媒を大気と非接触下に被覆及びフレーク状に成型するための専用の設備が必要であり、また活性化触媒の製造工程が煩雑化する。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、FT合成反応による炭化水素化合物の合成装置を含むGTL技術を実施するための液体燃料製造システムにおいて、FT合成反応用の触媒の還元処理のための特別な設備、被覆処理による安定化の工程、及びそのための設備を必要とせず、簡略化された工程によるFT合成反応用活性化触媒の製造方法を提供することを目的とする。また、前記活性化触媒を、安定化処理を施すことなく不活性化を防止し、液体炭化水素中に懸濁させてスラリーとする触媒スラリーの製造方法、並びに、前記触媒スラリーを使用するFT合成反応器へ該触媒スラリーを供給する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のフィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒の製造方法は、無機担体に活性金属を担持してなるフィッシャー・トロプシュ合成反応用触媒を、水素ガスを含むガスにより還元処理するフィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒の製造方法であって、前記還元処理を、フィッシャー・トロプシュ合成反応原料である合成ガスを製造するための炭化水素原料の水素化脱硫を行う反応器、フィッシャー・トロプシュ合成反応により合成された合成油の水素化処理を行う反応器のいずれかにおいて行なうことを特徴とする。
【0009】
本発明のフィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒の製造方法においては、前記フィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒がスラリー床反応器において使用されるものであることが好ましい。
前記活性化触媒がスラリー床反応器において使用されるものである場合は、活性化された触媒に液体炭化水素を混合してスラリーとした上で、フィッシャー・トロプシュ合成反応を行なう反応器に容易に移送することができ、また、そのままフィッシャー・トロプシュ合成反応を実施することができる。
【0010】
また、本発明のフィッシャー・トロプシュ合成反応用触媒スラリーの製造方法は、無機担体に活性金属を担持してなるフィッシャー・トロプシュ合成反応用触媒を、フィッシャー・トロプシュ合成反応原料である合成ガスを製造するための炭化水素原料の水素化脱硫を行う反応器、フィッシャー・トロプシュ合成反応により合成された合成油の水素化処理を行う反応器のいずれかの反応器において、水素ガスを含むガスにより活性化する活性化工程と、活性化された前記触媒が収容された前記いずれかの反応器に、液体炭化水素を供給してスラリーを調製する触媒スラリー調製工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の触媒スラリーのフィッシャー・トロプシュ合成反応器への供給方法は、無機担体に活性金属を担持してなるフィッシャー・トロプシュ合成反応用触媒を、フィッシャー・トロプシュ合成反応原料である合成ガスを製造するための炭化水素原料の水素化脱硫を行う反応器、フィッシャー・トロプシュ合成反応により合成された合成油の水素化処理を行う反応器のいずれかの反応器において、水素ガスを含むガスにより活性化する活性化工程と、活性化された前記触媒が充填された前記いずれかの反応器に、液体炭化水素を供給してスラリーを調製する触媒スラリー調製工程と、前記触媒スラリーをフィッシャー・トロプシュ合成反応を行う反応器に配管を介して移送する移送工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のフィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒の製造方法によれば、FT合成反応を利用した炭化水素製造システムにおいて、触媒の還元処理のための特別な設備、活性化された触媒の被覆処理による安定化の工程、及びそのための専用の設備を必要とせず、簡略化された工程によりフィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒が製造される。また、本発明のフィッシャー・トロプシュ合成反応用触媒スラリーの製造方法及び触媒スラリーのフィッシャー・トロプシュ合成反応器への供給方法によれば、特別な設備を必要とせず、前記活性化触媒の大気との接触による不活性化を防止しつつ、前記触媒スラリーが簡便に製造され、該触媒スラリーをFT合成反応器に容易に導入できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る天然ガスの脱硫装置、FT合成反応器、炭化水素化合物の水素化処理反応器を備えた液体燃料合成システムの全体構成を示す概略図である。
図2】本発明のフィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒の製造方法の一実施形態例にて使用する処理ユニットを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<液体燃料合成システム>
まず、本発明により製造されるフィッシャー・トロプシュ合成反応用活性化触媒(以下、「活性化FT合成触媒」ということもある。)が使用されるFT合成反応器、この活性化FT合成触媒の製造及びフィッシャー・トロプシュ合成反応用触媒スラリー(以下、「触媒スラリー」ということもある。)の製造に使用される天然ガスの脱硫装置、FT合成反応器、炭化水素化合物の水素化処理反応器を含むGTL技術による液体燃料合成システムの一例について説明する。
【0015】
図1に液体燃料合成システムの一例を示す。
この液体燃料合成システム1は、合成ガス製造ユニット3と、FT合成ユニット5と、アップグレーディングユニット7とから構成される。合成ガス製造ユニット3においては、炭化水素原料である天然ガスを改質して一酸化炭素ガスと水素ガスとを含む合成ガスを製造する。FT合成ユニット5においては、合成ガス製造ユニット3により製造された合成ガスからFT合成反応により炭化水素化合物が合成される。アップグレーディングユニット7においては、FT合成ユニットにおいて合成された炭化水素化合物が水素化処理及び分留されて液体燃料製品等(ナフサ、灯油、軽油、ワックス等)が製造される。
【0016】
以下、これら各ユニットの構成要素について説明する。
合成ガス製造ユニット3は、脱硫装置10と改質器12と排熱ボイラー14と気液分離器16,18と脱炭酸装置20と水素分離装置26とを主に備える。
脱硫装置10は、水素化脱硫反応器等により構成され、原料である天然ガスから硫黄化合物が除去される。水素化脱硫反応器には、公知の水素化脱硫触媒が充填され、水素の存在下に天然ガス中に含まれる硫黄化合物が水素化されて硫化水素に転化される。水素化脱硫反応器の後段には、例えば酸化亜鉛等の硫化水素を吸着する脱硫材が充填された吸着脱硫装置が備えられ、天然ガス中の硫化水素が除去される。
前記水素化脱硫反応器は、本発明に係る「フィッシャー・トロプシュ合成反応原料である合成ガスを製造するための炭化水素原料の水素化脱硫を行う反応器」の好適な一例である。
【0017】
改質器12においては、脱硫装置10から供給された天然ガスが改質されて、一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H)とを主成分として含む合成ガスが製造される。
【0018】
排熱ボイラー14においては、改質器12にて製造された高温の合成ガスの排熱が回収されて高圧スチームが得られる。
【0019】
気液分離器16においては、排熱ボイラー14にて高温の合成ガスとの熱交換により加熱された水が気体(高圧スチーム)と液体の水とに分離される。
【0020】
気液分離器18においては、排熱ボイラー14にて冷却された合成ガスから凝縮分が除去され、気体分が脱炭酸装置20に供給される。
【0021】
脱炭酸装置20は、気液分離器18から供給された合成ガスから吸収液を用いて炭酸ガスを除去する吸収塔22と、当該炭酸ガスを含む吸収液から炭酸ガスを放散させて再生する再生塔24とを有する。
【0022】
水素分離装置26においては、脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスから、当該合成ガスに含まれる水素ガスの一部が分離される。
【0023】
FT合成ユニット5は、気泡塔型のFT合成反応器30と気液分離器34と分離器36と気液分離器38と第1精留塔40とを主に備える。
【0024】
FT合成反応器30は、FT合成反応により合成ガスから炭化水素化合物を合成する反応器であり、反応器本体80と、冷却管81とを主に備えている。反応器本体80は、略円筒型の金属製の容器であって、その内部には、液体炭化水素(FT合成反応の生成物)中に固体の活性化FT合成触媒の粒子を懸濁させた触媒スラリーが収容されている。この反応器本体80の下部においては、水素ガス及び一酸化炭素ガスを主成分とする合成ガスが触媒スラリー中に噴射されるようになっている。そして、触媒スラリー中に吹き込まれた合成ガスは、気泡となって触媒スラリー中を反応器本体80の鉛直方向下方から上方へ向かって上昇するようになっている。その過程において、合成ガスは液体炭化水素中に溶解し、触媒粒子と接触して炭化水素化合物の合成(FT合成反応)が進行する。また、合成ガスが気泡として反応器本体80内を上昇することにより、反応器本体80の内部においては触媒スラリーの上昇流(エアリフト)が生じる。これにより、反応器本体80内部に、触媒スラリーの循環流が生じる。なお、反応器本体80内の塔頂まで上昇した未反応の合成ガスは、反応器本体80の塔頂から排出され、気液分離器38に供給される。
このFT合成反応器30は、当然のこととして、本発明に係る「フィッシャー・トロプシュ合成反応を行う反応器」である。
【0025】
気液分離器34においては、FT合成反応器30内に配設された冷却管81内を流通して加熱された水が、水蒸気(中圧スチーム)と液体の水とに分離される。
【0026】
分離器36は、FT合成反応器30の中央部に接続され、触媒スラリーから、触媒と液体の炭化水素生成物を分離する。
【0027】
気液分離器38は、FT合成反応器30に接続され、未反応合成ガス及びFT合成反応により生成した反応器内の条件において気体状の軽質炭化水素を冷却し、液体の炭化水素成分と未反応合成ガス及びC以下の気体状炭化水素を含む気体成分とを気液分離する。
【0028】
第1精留塔40においては、FT合成反応器30から分離器36又は気液分離器38を介して供給された液体の炭化水素化合物が沸点に応じて各留分に分留される。
【0029】
アップグレーディングユニット7は、ワックス留分水素化分解反応器50と中間留分水素化精製反応器52とナフサ留分水素化精製反応器54と気液分離器56、58、60と第2精留塔70とナフサ・スタビライザー72とを主として備える。
【0030】
ワックス留分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の塔底に接続されている。中間留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部に接続されている。ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の塔頂に接続されている。気液分離器56、58、及び60は、これら反応器50、52、及び54のそれぞれに対応して設けられている。第2精留塔70においては、気液分離器56及び58から供給された液体炭化水素が沸点に応じて分留される。ナフサ・スタビライザー72においては、気液分離器60及び第2精留塔70から供給されたナフサ留分に含まれる液体の炭化水素化合物が精留されて、C以下の軽質炭化水素化合物はフレアガスとして排出され、炭素数が5以上の炭化水素化合物は製品のナフサとして分離・回収される。
【0031】
ワックス留分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の塔底から供給されるワックス留分を、水素ガスの存在下に、主として水素化分解(分子量の低減)するための反応器である。一般的に、該反応器には固体酸を含む担体に水素化活性を有する金属が担持された公知の水素化分解用触媒が固定床として充填されている。具体的な水素化分解用触媒の例としては、USY型ゼオライトに代表されるゼオライトと、シリカアルミナ、シリカジルコニア、アルミナボリア等の複合金属酸化物とを含む担体に、白金及び/又はパラジウムに代表される周期表第8〜10族に属する金属が担持されたものが挙げられる。
【0032】
中間留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部から供給される中間留分を、水素ガスの存在下に、主として水素化精製(FT合成反応の副生成物であるオレフィン類及びアルコール類等の含酸素化合物の除去)及び水素化異性化(中間留分の主成分であるノルマルパラフィンのイソパラフィンへの転化)するための反応器である。一般的に、該反応器には固体酸を含む担体に水素化活性を有する金属が担持された公知の水素化精製用触媒が充填されている。具体的な水素化精製用触媒の例としては、シリカアルミナ、シリカジルコニア、アルミナボリア等の複合金属酸化物を含む担体に、白金及び/又はパラジウムに代表される周期表第8〜10族に属する金属が担持されたものが挙げられる。
【0033】
ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の塔頂から供給されるナフサ留分を、水素ガスの存在下に、主として水素化精製(FT合成反応の副生成物であるオレフィン類及びアルコール類等の含酸素化合物の除去)するための反応器である。一般的に、該反応器には固体酸を含む/又は含まない担体に水素化活性を有する金属が担持された公知の水素化精製用触媒が充填されている。具体的な水素化精製用触媒の例としては、前記中間留分水素化精製反応器52に使用される触媒と同様のものが挙げられる。
【0034】
本発明に係る「水素化処理を行う反応器」とは、前記水素化分解、水素化精製、水素化異性化等の水素を用いて炭化水素化合物の精製を行なう反応器をいう。前記ワックス留分水素化分解反応器50、中間留分水素化精製反応器52、及びナフサ留分水素化精製反応器54は、本発明に係る「フィッシャー・トロプシュ合成反応により合成された合成油の水素化処理を行う反応器」の好適な例である。
なお、前記の天然ガスの脱硫装置10を構成する水素化脱硫反応器、及び水素化処理を行うための各反応器は、通常はそれぞれの触媒が充填され、それぞれの反応が行なわれている。しかし、前記液体燃料製造システム1が運転を停止し、例えば触媒の交換等により、各反応器に充填された触媒が抜き出された場合には、これらの反応器のいずれかを本発明の方法に利用することが可能となる。
【0035】
<活性化FT合成触媒を製造するための処理ユニット>
図2に、本実施形態例の活性化FT合成触媒の製造方法において、活性化FT合成触媒の製造及び触媒スラリーの製造に使用される処理ユニットについて説明する。この処理ユニット100として、上記液体燃料合成システム1を構成するワックス留分水素化分解反応器50を使用する例に沿って詳細を説明する。
【0036】
上記のように、ワックス留分水素化分解反応器50は本来、ワックス留分を水素化分解するための反応器として使用されるものであるが、加熱された水素の供給及び液体炭化水素の供給・排出が可能になっているため、該反応器の運転が停止され、充填されていた水素化分解用触媒が抜き出されている期間であれば、活性化FT合成触媒及び触媒スラリー製造用の処理装置として好ましく使用することができる。
【0037】
処理ユニット100は、ワックス留分水素化分解反応器50と、ワックス留分水素化分解反応器50に接続された供給管151と、供給管151に取り付けられた加熱器152とを備える。ワックス留分水素化分解反応器50の内部には、例えば、触媒を積載するためのメッシュ状の棚50aが設置されている。なお、メッシュ状の棚50aの目開きは、触媒粒子が通過できない大きさとなっている。また、ワックス留分水素化分解反応器50の側面には、内部に活性化処理を行う前のFT合成反応に用いる触媒(以下、単に「FT合成触媒」ということもある。)を充填するためのノズル50bが設けられている。供給管151は、ワックス留分水素化分解反応器50に水素及び液体炭化水素を供給するために使用される配管である。そのため、供給管151には、水素導入管151a及び液体炭化水素導入管151bが接続されている。加熱器152としては、例えば、熱交換器、加熱炉等を用いることができる。また、ワックス留分水素化分解反応器50には、メッシュ状の棚50aの直上の位置に、詳細には後述する触媒スラリーを排出するための排出管153が接続されていることが好ましい。
【0038】
上記処理ユニット100においては、水素導入管151aから供給管151に水素ガスが供給され、その水素ガスが加熱器152により加熱され、加熱された水素ガスがワックス留分水素化分解反応器50に供給されるようになっている。また、液体炭化水素導入管151bから供給管151に液体炭化水素が供給され、必要に応じてこの液体炭化水素が加熱器152により加熱され、ワックス留分水素化分解反応器50に供給されるようになっている。
前記加熱された水素によりFT合成触媒を還元処理することにより、活性化FT合成触媒が製造される。
【0039】
<活性化FT合成触媒の製造方法>
上記実施形態例の処理ユニット100を用いた活性化FT合成触媒の製造方法について説明する。
【0040】
本発明の活性化FT合成触媒の製造方法には、活性金属が無機担体に担持された公知の担持型FT合成触媒が用いられる。無機担体としては、シリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニア等の多孔性酸化物が用いられ、シリカ又はアルミナが好ましく、シリカがより好ましい。活性金属としては、コバルト、ルテニウム、鉄、ニッケル等が挙げられ、コバルト及び/又はルテニウムが好ましく、コバルトがより好ましい。活性金属の担持量は、担体の質量を基準として、3〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。活性金属の担持量が3質量%未満の場合には活性が不充分となる傾向にあり、また、50質量%を超える場合には、活性金属の凝集により活性が低下する傾向にある。また、FT合成触媒は上記活性金属の他に、活性を向上させる目的、あるいは生成する炭化水素の炭素数及びその分布を制御する目的で、その他の成分が担持されていてもよい。その他の成分としては、ジルコニウム、チタニウム、ハフニウム、ナトリウム、リチウム、マグネシウム等の金属元素を含む化合物が挙げられる。FT合成触媒の平均粒径は、該触媒がスラリー床反応器においてFT合成反応に供せられる場合には、液体炭化水素中に懸濁されたスラリーとして反応器中で流動し易いように、40〜150μmであることが好ましい。
【0041】
前記活性金属は公知の方法により前記担体に担持される。担持の際に使用される活性金属元素を含む化合物としては、前記活性金属元素の硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等の鉱酸の塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸の塩、アセチルアセトナート錯体等の錯化合物などを挙げることができる。
担持の方法としては特に限定されないが、前記の活性金属元素を含む化合物の溶液を用いた、Incipient Wetness法に代表される含浸法が好ましく採用される。
活性金属元素を含む化合物が担持された担体は、公知の方法により乾燥され、更に好ましくは空気雰囲気下に、公知の方法により焼成される。焼成温度としては特に限定されないが、一般的に300〜600℃程度である。
前記焼成により、担体上の活性金属元素を含む化合物は金属酸化物に転化される。
本発明の活性化FT合成触媒の製造方法において使用するFT合成触媒は、前記の活性金属原子が酸化物の状態にあるものであることが好ましい。
【0042】
前記FT合成触媒をワックス留分水素化分解反応器50に充填する方法としては、例えば、ワックス留分水素化分解反応器50に設けられたノズル50bを通して、ワックス留分水素化分解反応器50の内部に設けられたメッシュ状の棚にFT合成触媒を積載する方法等が挙げられる。
【0043】
還元処理は、ワックス留分水素化分解反応器50内にてFT合成触媒中の活性金属を還元性ガスにより還元して活性化する処理である。還元性ガスとしては、例えば、水素ガス、水素ガスと窒素ガス等の不活性ガスとの混合ガス等の水素ガスを含むガス、一酸化炭素ガス等が挙げられ、好ましくは水素を含むガスであり、より好ましくは水素ガスである。
還元処理における温度(還元温度)は特に限定されないが、一般的に200〜550℃であることが好ましい。還元温度が200℃よりも低い場合、活性金属原子が充分に還元されず触媒活性が充分に発現しない傾向にあり、550℃を超える場合には、活性金属の凝集等に起因して触媒活性が低下する傾向にある。
還元処理における圧力は特に限定されないが、一般的に0.1〜10MPaであることが好ましい。圧力が0.1MPa未満の場合には、活性金属原子が充分に還元されず触媒活性が充分に発現しない傾向にあり、10MPaを超える場合には、装置の耐圧を高める必要から設備コストが上昇する傾向にある。
還元処理の時間は特に限定されないが、一般的に0.5〜50時間であることが好ましい。還元時間が0.5時間未満の場合には、活性金属原子が充分に還元されず触媒活性が充分に発現しない傾向にあり、50時間を超える場合には、活性金属の凝集等に起因して触媒活性が低下する傾向にあり、また効率が低下する傾向にある。
還元処理の終了後、水素ガス等の還元性ガスの流通を停止し、活性化FT合成触媒が得られる。
【0044】
<触媒スラリーの製造方法>
上記実施形態例の処理ユニット100を用いた触媒スラリーの製造方法について説明する。
上記活性化FT合成触媒の製造方法によって製造された活性化FT合成触媒は、必要により所定の温度まで冷却される。そして該触媒がワックス留分水素化分解反応器50内に収容されている状態において、大気に接触させることなく、液体炭化水素導入管151bから供給管151を介して、ワックス留分水素化分解反応器50に液体炭化水素が供給される。ここで液体炭化水素とは、ワックス留分水素化分解反応器50に供給された状態で液体であればよく、例えば常温において固体又は半固体であっても、加熱されてワックス留分水素化分解反応器50に導入され、ここで液体の状態となっていればよい。
【0045】
液体炭化水素としては、流動パラフィン、石油系炭化水素溶剤等であってもよいが、実質的に硫黄分、芳香族炭化水素を含まないとの観点、外部から調達することなしに利用できるとの観点、及びFT合成反応系内に存在する成分であるとの観点から、FT合成反応により製造される液体炭化水素が好ましい。FT合成反応により製造される液体炭化水素としては、FT合成反応工程から得られる未分留・未精製の粗油であってもよく、前記粗油を分留して得られるナフサ留分、中間留分、ワックス留分等であってもよく、また、前記ナフサ留分又は中間留分を水素化精製したもの、あるいは前記ワックス留分を水素化分解したもの、更にこれらを分留した各留分、あるいは前記の各留分の混合物等であってもよい。
液体炭化水素供給管151bから供給管151を介して供給される液体炭化水素は、必要により加熱器152により加熱されてワックス留分水素化分解反応器50に供給される。特に、用いる液体炭化水素がワックス留分あるいはワックス留分を含有するものである場合には、流動性を維持するために加熱することが好ましい。液体炭化水素の加熱器152出口における温度は、液体炭化水素の組成にもよるが、常温〜300℃が好ましく、常温〜250℃がより好ましい。液体炭化水素がワックス成分を含有するものである場合には、80〜300℃が好ましい。なお、ワックス留分水素化分解反応器50への液体炭化水素の供給に際しては、ワックス留分水素化分解反応器50の底部に接続された、通常は流出油が排出される配管154、及び排出管153は閉止しておく。
【0046】
ワックス留分水素化分解反応器50へ液体炭化水素が供給され、その内部に収容されている活性化FT合成触媒と混合されることにより、触媒スラリーが形成される。
上記触媒スラリーの製造方法により製造された触媒スラリーは、活性化FT合成触媒と液体炭化水素から構成され、気泡塔型スラリー床FT合成反応装置によるFT合成反応に供することができる。
なお、ワックス留分水素化分解反応器50に供給される液体炭化水素の量は、FT合成反応初期における触媒スラリー中の活性化FT合成触媒濃度に依存する。すなわち、ワックス留分水素化分解反応器50内で製造される触媒スラリー中の活性化FT合成触媒の濃度が、少なくとも、FT合成反応初期における、FT合成反応に使用される触媒スラリー中の活性化FT合成触媒の濃度以上となるように、供給する液体炭化水素の量を調整する。
【0047】
<触媒スラリーのFT合成反応器への移送方法>
上記触媒スラリーの製造方法によって製造された触媒スラリーは、FT合成反応器30へと移送される。
移送方法としては、ワックス留分水素化分解反応器50内に収容されている触媒スラリーを、一旦外部に抜き出し、FT合成反応器30へ投入してもよい。但し、その場合には、触媒スラリーが大気と接触することにより、活性化FT合成触媒が不活性化するおそれ、及び触媒スラリーが加熱されている場合にはその温度の低下により流動性が損なわれるおそれがある。よって、触媒スラリーの移送方法としては、外部に抜き出すことなく、配管を通じて直接FT合成反応器30へと移送することが好ましい。触媒スラリーのワックス留分水素化分解反応器50からの排出は、排出管153から行なわれることが好ましい。排出管153はFT合成反応器30に接続されているが(図示略。)、触媒スラリー移送のための専用の配管であることが、触媒スラリー移送後の、配管に残留した触媒によるコンタミネーション防止の観点から好ましい。また、スラリー移送後に、排出管153に液体炭化水素を通じる(フラッシング)ことにより、残留する活性化触媒を除去することが好ましい。
【0048】
触媒スラリーのワックス留分水素化分解反応器50からの排出に際しては、ワックス留分水素化分解反応器50の底部に接続された通常は流出油の排出に使用される配管154から、窒素等の不活性ガスをワックス留分水素化分解反応器50へ供給してもよい。これにより、ワックス留分水素化分解反応器50内の触媒スラリーが圧送されると同時に、気体のバブリングにより触媒スラリーが混合され、触媒スラリーをより均一な状態で移送することが可能となる。
【0049】
ワックス留分水素化分解反応器50から移送された触媒スラリーを収容するFT合成反応器30においては、FT合成反応を開始するためのスタートアップ作業が開始される。なお、FT合成反応器30内に収容された触媒スラリーには、その触媒濃度、スラリー液面高さ等の調整を目的として、液体炭化水素が更に混合されてもよい。
その後、FT合成反応器30に、所定の圧力(例えば、1〜5MPaG)に昇圧された合成ガス(H、CO)が供給され、所定の温度170〜400℃にされて、FT合成反応が開始される。FT合成反応においては、一酸化炭素ガス及び水素ガスから液体炭化水素が合成される。
【0050】
以上、ワックス留分水素化分解反応器50を用いた本実施形態の例について説明してきたが、中間留分水素化精製反応器52及びナフサ留分水素化精製反応器54も、ワックス留分水素化分解反応器50と同様の固定床反応器であり、加熱された水素ガス及び液体炭化水素を扱う。したがって、これら反応器の場合も、上記処理ユニット100について説明したものと同様な付帯設備を設置することにより、同様の処理ユニットとすることができる。そして該処理ユニットを用いて、上記と同様の操作により、活性化FT合成触媒及び触媒スラリーを製造することができる。
【0051】
また、液体燃料製造システム1の合成ガス製造ユニット3に設置される天然ガスの脱硫装置10を構成する水素化脱硫反応器もまた固定床反応器であり、加熱された水素ガス及び炭化水素化合物を扱う点で、前記水素化処理を行う反応器に類似しており、上記処理ユニット100について説明したものと同様な付帯設備を設置することにより、同様の処理ユニットとすることができる。そして該処理ユニットを用いて、上記と同様の操作により、活性化FT合成触媒及び触媒スラリーを製造することができる。
【0052】
また、FT合成反応器30は、通常は前記の触媒スラリーが収容されているが、該スラリーを抜き出し、FT合成触媒のみを収容し、これを加熱水素により還元処理することにより、活性化FT合成触媒が製造できる。また、前記活性化FT合成触媒が収容された該反応器に液体炭化水素を供給することにより、触媒スラリーが製造される。そしてこの場合は、当然のこととして、触媒スラリーを移送することなく、該反応器においてFT合成反応が実施される。
【0053】
本発明の活性化FT合成触媒の製造方法により、FT合成反応を利用した液体燃料製造システムの設備において、FT合成触媒の還元処理のための特別な設備、被覆処理による安定化の工程及びそのための設備を必要とせず、簡略化された工程により活性化FT合成触媒が製造される。また、それに続いて、本発明の触媒スラリーの製造方法及び触媒スラリーのFT合成反応器への供給方法により、前記活性化FT合成触媒の大気との接触による不活性化を防止しつつ触媒スラリーが製造され、該触媒スラリーをFT合成反応器に容易に導入できる。また、これにより、安定化処理が施された活性化FT合成触媒を用いる場合と同様の触媒活性及び生成物選択性によりFT合成反応が実施できる。
【0054】
以上、好ましい実施形態に沿って本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 液体燃料製造システム
3 合成ガス製造ユニット
5 FT合成ユニット
7 アップグレーディングユニット
10 脱硫装置
30 FT合成反応器
50 ワックス留分水素化分解反応器
52 中間留分水素化精製反応器
54 ナフサ留分水素化精製反応器
100 処理ユニット
151 供給管
151a 水素導入管
151b 液体炭化水素導入管
152 加熱器
153 排出管
図1
図2