【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、第1の発明は、芯材に
活性質を塗布して形成した積層体
である電極板の端面を検査する端面検査方法であって、
前記端面を撮影する撮影過程と、
前記撮影過程で取得した画像データから前記
電極板の領域を求める第1領域抽出過程と、
前記第1領域抽出過程で求めた
電極板の領域の画像データを利用して当該領域に近似する矩形を求める第1矩形近似過程と、
前記
電極板の領域から前記矩形の領域の差分をとり、余った領域を予め決めた基準値との比較から
活性質の積層方向に生じている欠陥部位を求める第1欠陥部位算出過程と、
前記撮影過程で取得した画像データから前記芯材の領域を求める第2領域抽出過程と、
前記第2領域抽出過程で求めた芯材の領域の画像データを利用して当該領域に近似する矩形を求める第2矩形近似過程と、
前記芯材の領域から前記矩形の領域の差分をとり、余った領域を予め決めた基準値との比較から芯材
の積層方向に生じている欠陥部位を求める第2欠陥部位算出過程と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
(作用・効果) この方法によれば、積層体の断面、端面の領域と当該領域を形成する画像データを利用して矩形を近似し、実際の積層体の領域と当該矩形の差分をとる。差分により余った領域と予め決めた基準値との比較から
芯材および活性質で発生しているバリなどの欠陥部位を検出することができる。すなわち、
電極板を構成する芯材および
活性質の端面を正面視したとき、
電極板の表裏面側に向かって発生している上向きおよび下向きのバリなどの欠陥部位を精度よく検出することができる。
【0011】
上記方法において、前記第1矩形近似過程で求めた矩形と
電極板の領域と合わせ込む第1フィッティング過程と、
前記第2矩形近似過程で求めた矩形と芯材の領域を合わせ込む第2フィッティング過程とを含み、
前記第1欠陥部位算出過程は、前記
電極板の領域からフィッティング後の前記矩形の領域の差分をとり、余った領域を予め決めた基準値との比較から
活性質の欠陥部位を求め、
第2欠陥部位算出過程は、前記芯材の領域からフィッティング後の前記矩形の領域の差分をとり、余った領域を予め決めた基準値との比較から芯材の欠陥部位を求めることが好ましい。
【0012】
この方法によれば、実際の
芯材および活性質のそれぞれの領域に矩形をフィッティングさせるので、バリを精度よく検出することができる。つまり、本来矩形内に収まっていなければならない、芯材および
活性質の両端面形状からはみ出る部位が求められる。当該部位のバリなどを芯材および
活性質の欠陥部位とみなすことができる。
【0013】
上記方法において、前記第1領域抽出過程で求めた
電極板の領域と第1矩形近似過程で求めた矩形領域の差分をとり、余った領域の面積に応じて
電極板の長手方向に沿って画像を所定数に分割する分割過程を含み、
前記分割した画像ごとに第1矩形近似過程から第1欠陥部位算出過程を繰り返して
活性質の欠陥部位を求めるとともに、
当該分割した画像ごとに、第2矩形近似過程から第2欠陥部位算出過程を繰り返して芯材の欠陥部位を求めることが好ましい。
【0014】
この方法によれば、
電極板を長手方向に分割してから再度矩形近似をするので、矩形を長方形または正方形に近い形状として求めることができる。すなわち、
電極板が長手方向に波打っている場合や湾曲している場合に発生しがちな誤差を無くすことができ、欠陥部位をより精度よく求めることができる。
【0015】
また、上記方法において、第1領域抽出過程の後に、芯材および
電極板のうち少なくとも
電極板の領域を強調する領域強調処理過程を備えることが好ましい。
【0016】
この方法によれば、正確に取得しきれていない画像データ部分を補完し、芯材および
電極板の領域を強調することができる。
【0017】
また、上記方法において、第2領域抽出過程の後に、芯材以外のノイズを除去するノイズ除去過程を備えることが好ましい。
【0018】
つまり、ノイズを除去することにより、芯材の形状がより精度よく特定され、当該芯材から連続的に上向きまたは下向きに伸びるバリなどの欠陥部位をより精度よく求めることができる。
【0019】
なお、上記方法において、所定幅にスリットされた帯状の
電極板の端面を検査するのに適用させることができる。
【0020】
また、この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
【0021】
すなわち、芯材に
活性質を塗布して形成した積層体である
電極板の端面を検査する端面検査装置であって、
前記積層体の端面に向けて光を照射する照射ユニットと、
光の照射された芯材の端面を撮影する撮影ユニットと、
前記撮影ユニットで取得した画像データを利用して芯材および
活性質の欠陥部位を検査する画像処理ユニットとを備え、
前記画像処理ユニットは、撮影ユニットで取得した画像データを記憶する記憶部と、
前記記憶部から画像データを読み出し、当該画像データから前記
電極板および芯材の領域を求める領域抽出部と、
前記
電極板および芯材の領域の画像データを利用して各領域に近似する矩形を求める矩形近似部と、
前記芯材および
電極板の領域から前記各矩形の領域の差分をとり、余った領域を予め決めた各基準値との比較から芯材および
活性質の
積層方向に生じている欠陥部位を求める欠陥部位算出部と
を備えたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、上記方法を好適に実施することができる。
【0023】
なお、当該構成において、前記画像処理ユニットは、矩形近似部で求めた各矩形を芯材および
電極板の各領域に合わせ込むフィッティング部を備え、
前記欠陥部位算出部は、前記芯材および
電極板の領域ごとにフィッティングにより求めた各矩形の領域との差分をとり、余った領域を予め決めた各基準値との比較から芯材および
活性質の
積層方向の欠陥部位を求めることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、
電極板が湾曲または波打っている場合、近似した矩形も湾曲の傾きに応じて傾く。このとき、実際の
電極板および芯材の画像領域の四隅に近似した矩形の四隅は重ならない。しかしながら、フィッティングした矩形は重なる。したがって、画像領域全体から欠陥部位をより精度よく検出することができる。
【0025】
なお、当該構成において、画像処理ユニットは、
電極板領域と矩形領域の差分をとり、余った領域の面積に応じて
電極板の長手方向に沿って画像を所定数に分割する分割判定部を備えることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、表示されている
電極板を長手方向に沿って複数個に画像に分割することにより、当該
電極板の領域にフィッティングさせる近似矩形を長方形または正方形に近づけることができる。したがって、
電極板が湾曲または波打っている場合であっても、その端面に発生している欠陥部位をより精度よく検出することができる。
【0027】
また、この構成において、領域抽出部で求めた芯材および
電極板の画像のうち少なくとも
電極板の領域を強調する領域強調部を備えることが好ましい。
【0028】
この構成によれば、正確に取得しきれていない画像データ部分を補完し、芯材および
電極板の領域を強調することができる。