【実施例1】
【0023】
本発明の一実施例を
図3と
図8によって説明する。
図3は、本発明の受信システムの一実施例で、FPU(Field Pick-up Unit)を用いた基地局間の固定無線伝送を含むマイクロ受信基地局システムの構成を示すブロック図である。
図3の実施例は、本発明に係る複数架台による基地局内シームレス信号切り替えシステムの一実施例である。従来例で説明した
図1の基地局12に、回転受信アンテナ12−1と同様に遠隔制御により回転が可能な回転架台を備えた回転受信アンテナ32−1、および当該アンテナ32−1に接続する受信部32−2を増設し、受信部12−2および32−2双方より伝送される素材信号をシームレスに切り替え可能な素材切替部32−9を設けた。また、回転受信アンテナ12−1と32−1、受信部12−2と32−2、および素材切替部32−9は、それぞれ被制御端局12−4と接続している(図示しない)。
図3および後述する
図4〜
図6等の本発明の受信システムでは、
図1の従来例で説明した伝送システムの受信システムと同様に、電界追尾方式やGPS追尾方式等による追尾が行われている。また、少なくとも2つ以上の回転受信アンテナが連動して同一の移動送信体を自動追尾する。ただし、
図3では、2組の回転受信アンテナ12−1および32−1、並びに受信部12−2および32−2以外の回転受信アンテナと受信部を省略している。また、基地局32において、被制御端局12−4は、基地局32の他の機器と図示しない伝送線にて接続されている。
なお、移動送信体は、例えば、ヘリコプターや中継車等である。また、
図1と同様に、本社内の通信は、ARCNET等のネットワーク13−11で行い、屋外通信のためのネットワーク15は、例えば、専用回線またはVPNである。
【0024】
基地局32の回転受信アンテナ12−1は、移動送信体(
図8の移動送信体81)から送信された素材の電波を受信し、受信部12−2に出力する。受信部12−2は、マイクロ波帯の信号を中間周波数帯の信号に周波数変換し、TS信号に復調し、SDI信号へ復号し、素材切替器32−9に出力する。また同様に、基地局32の回転受信アンテナ32−1は、当該移動送信体(
図8の移動送信体81)から送信された素材の電波を受信し、受信部32−2に出力する。受信部32−2は、マイクロ波帯の信号を中間周波数帯の信号に周波数変換し、TS信号に復調し、SDI信号へ復号し、素材切替器32−9に出力する。ただし、基地局32内の受信部12−2および32−2では、最低限信号劣化のないTS信号に変換する機能があれば良い。
【0025】
素材切替器32−9は、被制御端局12−4の制御に基づいて制御され、今、受信部12−2から入力された回転受信アンテナ12−1が受信した信号による素材のTS信号を、送信部12−3に出力している。
送信部12−3は、入力されたTS信号を固定アンテナ12−6から電波として送信する。受信部12−2と同様、基地局12内の送信部12−3は、最低限TS信号をマイクロ波帯に変換する機能があれば良い。
本社13の固定アンテナ13−1は、基地局32から送信された電波を受信し、受信部13−2に出力する。
受信部13−2は、入力されたマイクロ波帯の信号を中間周波数帯の信号に周波数変換し、復号部13−5および情報生成部13−6に出力する。復号部13−5は、入力された信号をSDI信号に復号し、本線に送信する。
【0026】
情報生成部13−6は、入力された中間周波数帯の信号からTS信号と支援データを分離し、分離した支援データを情報編集部13−7に出力する。支援データには、受信アンテナの方向調整を行うための情報も含まれている。情報編集部13−7は、入力された支援データを編集し、ネットワーク13−11を介して操作端末13−10に送信する。操作端末13−10は、入力された支援データを表示部に表示する。
また、操作端末13−10は、入力された支援データから、回転受信アンテナ12−1の回転架台を回転させてアンテナ方向を制御するための制御パケットを、ネットワーク13−11を介して制御端局13−9に送信する。この時、回転受信アンテナ12−1および32−1それぞれの方向調整の他に、初期設定(動作開始時)としてどちらの回転受信アンテナからの受信信号を素材切替部32−9が選択して出力するかを、支援データに基づいて決定して制御パケットに含める。
制御端局13−9は、受信した制御パケットをシリアル信号に変換し、変復調部13−8に出力する。
変復調部13−8は、シリアル信号をさらに変調し(例えば、アナログ信号に変調し)、ネットワーク15を介して基地局12の変復調部12−5に送信する。
【0027】
基地局12の変復調部12−5は、ネットワーク15を介して受信したアナログ信号をシリアル信号に復調して、被制御端局12−4に出力する。被制御端局12−4は、変復調部12−5から入力された制御信号(制御パケット)を解読し、回転受信アンテナ12−1および32−1の回転制御を行う。また被制御端局12−4は素材切替部32−9を制御し、素材切替部32−9が初期設定時または動作開始時にどちらの回転受信アンテナからの受信信号を選択して出力させる。
なお、回転(旋回)制御は、水平方向のパン角の角度情報について説明するが、チルト角方向にも実行されている。
【0028】
なお、回転受信アンテナ12−1の水平方向の向き(旋回角度)を示す角度θ等の情報は、回転受信アンテナの監視信号として、被制御端局12−4に出力されている。同様に、基地局12を監視制御している被制御端局12−4には、受信部12−2および32−2から監視信号が送られ、被制御端局12−4は、監視信号から、例えば受信電界強度(受信レベル)等を検出している。被制御端局12−4は、その情報(回転受信アンテナの監視信号)をシリアル信号として変復調部12−5に出力し、変復調部12−5は、例えばアナログ信号に変調し、ネットワーク15を介して、本社13に送信する。
本社13内の変復調部13−8は、受信した監視信号をシリアル信号へ復調し、制御端局13−9に出力する。制御端局13−9は、入力されたシリアル信号を解読し、監視パケットをネットワーク13−11を介して操作端末13−10に送信する。
操作端末13−10は、ネットワーク13−11を介して監視パケットを受信し、操作端末13−10のディスプレイ上に情報として表示する。
以上のようにして、初期設定後または動作開始後には、基地局12内の回転受信アンテナ12−1および32−1の制御監視(追尾または方向調整)、および素材切替部32−9での受信信号の切り替えが可能である。
【0029】
この受信システム(マイクロ受信基地局システム)では、基地局12に設置された受信部12−2や送信部12−3における受信レベルや送信レベル、送受信チャンネル(周波数帯)、変調方式、送信出力、復号方式、また例えば、信号切替器の接点選択、信号多重/分離装置の信号入力/出力選択などは、上述の回転受信アンテナ装置12−1の制御監視と同様に制御でき、操作端末13−10、制御端局13−9、および被制御端局12−5と、制御装置(受信部12−2、32−2、素材切替部32−9、送信部12−3)間の一連の信号伝達によって制御監視することができる。
【0030】
この時、移動送信体との距離に対して、各回転受信アンテナ12−1の設置位置と32−1の設置位置間の距離が十分に小さければ、各回転受信アンテナ12−1および32−1からみた移動送信体への角度(アンテナ方向)は、ほぼ等しいと考えることができる。つまり、移動送信体が、一方の回転受信アンテナに照準を合わせて送信している場合にも、他方の回転受信アンテナでも、間に障害物がなければ、十分に電波を受信可能である。
また、例えば、各回転受信アンテナが全く異なる位置に設置されている場合においては、移動送信体が各々のアンテナにそれぞれ照準を合わせ(例えば周波数を別の周波数にするなどして)同時に送信することによって、それぞれの回転受信アンテナで同時に受信することが可能となる。これら、複数のアンテナが同時に同一の信号(電波)を受信している場合において、
図3の実施例では、一方の回転受信アンテナ12−1が旋回不可能または電波の受信が不可能のどちらか一方となり受信映像信号が破綻し正常受信不可能となる状況を考える。この時、他方の回転受信アンテナ32−1では、その後想定される移動送信体の移動方向に十分旋回可能でかつ電波の受信が可能であり受信映像信号が破綻を起こさず正常受信が可能とする。
【0031】
当該システムでは、回転受信アンテナ12−1がまだ旋回可能な範囲では、受信部12−2および受信部32−2は、どちらも、回転受信アンテナが受信した信号を受信し、素材切替部32−9に出力している。つまり、素材切替部32−9は、入力信号レベルは異なるが、全く同一の信号が2素材伝送されてきていることが分かる。
この状況において、もし素材切替部32−9が、後に旋回不可能または電波の受信が不可能となる回転受信アンテナに接続する受信部の信号を出力としていた場合には、旋回が不可能な状態若しくは電波の受信が不可能な状態の少なくともどちらか一方の状態となった瞬間に受信映像信号が破綻する。
【0032】
本発明の一実施例では、このような状況(破綻)を回避するため、例えば
図3において、予め認識している各回転受信アンテナの旋回可能範囲の角度限界θoutに到達する前の(一定の角度余裕を考慮した)所定の角度θthを被制御端局12−4に予め登録し、アンテナ角度を被制御端局12−4により周知の技術で監視し、当該回転受信アンテナが登録された角度に到達した時に、システム内の被制御端局12−4によって、連動するもう一方の回転受信アンテナに接続する受信部の信号に自動的に切り替える。または、当該回転受信アンテナが登録された角度に到達した時に、素材切替部が現在出力している素材の電波と他の回転受信アンテナが受信している素材の電波との合成ダイバーシチ受信の信号に自動的に切り替える。
合成ダイバーシチは、誤り訂正符号と受信電波の最大比合成ダイバーシチ受信を有機的に結合した符号合成ダイバーシチ受信が好ましいが、受信電波の選択合成、等利得合成、最大比合成等、他の合成ダイバーシチでも効果を発揮する。このように、合成ダイバーシチを行う回転受信アンテナを自動的に切り替えても良い。
このとき、切り替えに伴うショック(映像破綻)が懸念されるが、シームレスな切り替え機能を具備する素材切替部として、当該素材切替部が、多少の期間内をFS機能(フレーム同期)および信号のバッファリング機能により破綻無しに処理することでシームレスな切り替えを実現する。
【0033】
図8は、本発明の受信システムの回転受信アンテナの動作の一実施例を説明するための図である。21は建造物、12−1、12−2、22−3および22−4は基地局12の回転受信アンテナ、23−1は回転受信アンテナ12−1の旋回可能範囲(受信可能範囲)、23−2は回転受信アンテナ12−2の旋回可能範囲、24は複数の回転受信アンテナで受信可能な共通受信可能角度範囲、81は時刻t0での移動送信体の位置、82は時刻t1での移動送信体の位置、83は時刻t2での移動送信体の位置、88は時刻t0から時刻t1までの間に移動送信体が位置81から位置82まで移動した軌跡、89は時刻t1から時刻t2までの間に移動送信体が位置82から位置83までが移動した軌跡、81−1と82−1は回転受信アンテナ12−1の向き(旋回角度)を示す矢印、81−2と82−2は回転受信アンテナ32−1の向き(旋回角度)を示す矢印、81−3と82−3は回転受信アンテナ22−3の向き(旋回角度)を示す矢印、81−4と82−4は回転受信アンテナ22−4の向き(旋回角度)を示す矢印である。説明の都合上、回転受信アンテナ12−1の向き(旋回角度)を示す矢印81−1は、回転受信アンテナ12−1の初期化時の向き(旋回角度)と同じ(角度θ=0[°])としている。また、85は回転受信アンテナ12−1の旋回可能範囲の角度限界までの角度θout、84は矢印81−1と矢印82−1間の角度で、角度限界θoutに到達する前の(一定の角度余裕を考慮した)予め登録された所定の角度θthである。
【0034】
図8において、建造物21の四辺には、
図2と同様に、回転受信アンテナ12−1、32−1、22−3、および22−4が設けられ、それぞれの回転受信アンテナは、時刻t0には、移動送信体の位置81の方向(矢印81−1、81−2、81−3、および81−4)を向いている。この位置81にある移動送信体が送信する素材は、時刻t0現在、回転受信アンテナ12−1が受信している素材の電波が基地局12から本社13に送信され、本線信号となっている(
図3参照。)。そして、時刻t1には、移動送信体は、位置82に移動している。さらに移動送信体は、時刻t3には、位置83に移動し、さらにその延長軌道上を移動すると旋回可能範囲23−1から外れ、回転受信アンテナ12−1では受信できない。
そこで、
図3と
図8の実施例では、予め認識している各回転受信アンテナの旋回可能範囲の角度限界θoutに到達する前の(一定の角度余裕を考慮した)所定の角度θthを予め登録し、アンテナ角度を被制御端局12−4により周知の技術で監視し、当該回転受信アンテナが登録された角度に到達した時に、システム内の被制御端局12−4によって、自動的にもう一方の回転受信アンテナに接続する受信部の信号に自動的に切り替える。
【実施例3】
【0038】
本発明の別の実施例を、
図4によって説明する。
図4は、本発明の受信システムの一実施例で、FPUを用いた基地局間の固定無線伝送を含むマイクロ受信基地局システムの構成を示すブロック図であって、本発明に係る複数架台による本社側シームレス信号切り替えシステム例である。
基地局42は、回転受信アンテナ12−1、受信部12−2、送信部12−3、および送信用の固定アンテナ12−6と、回転受信アンテナ32−1、受信部32−2、送信部42−3、および送信用の固定アンテナ42−6と、被制御端局12−4と、変復調部12−5とを備える。また、本社43は、受信用の固定アンテナ13−1および受信部13−2と、受信用の固定アンテナ43−1および受信部43−2と、素材切替部43−4および復号部13−5とを備える。なお、
図4の実施例において、本社43では、情報生成部13−6、情報編集部13−7、変復調部13−8、制御端局13−9、操作端末13−10、ネットワーク13−11を省略し、図示していない。
【0039】
図4に示すように、移動送信体から伝送される素材を、回転受信アンテナ12−1と42−1は、それぞれ受信し、それぞれ、受信部12−2と32−2に出力する。
受信部12−2と32−2は、それぞれ、マイクロ波帯の信号を中間周波数帯の信号に周波数変換し、TS信号に復調し、さらにSDI信号へ復号し、送信部12−3、42−3に出力する。ただし、基地局42内の受信部12−2、32−2では、最低限信号劣化のないTS信号へ変換する機能があれば良い。
送信部12−3と42−3は、それぞれ、入力されたTS信号を固定アンテナ12−6または42−6から電波として送信する。受信部12−2および32−2と同様、基地局12内の送信部12−3および32−3は、最低限TS信号をマイクロ波帯へ変換する機能があれば良い。
本社43の固定アンテナ13−1および43−1は、それぞれ、基地局42から送信された電波を受信し、受信部13−2、43−2に出力する。受信部13−2、43−2は、入力されたマイクロ波帯の信号をそれぞれ、中間周波数帯の信号に周波数変換し、素材切替部43−4に出力する。
素材切替部43−4は、図示しない制御端局13−9の制御により、自動的にもう一方の受信部13−2または43−2のいずれかの信号にシームレスに切り替える。なお、切り替え可能な基地局42の回転受信アンテナ−受信部−送信部−固定アンテナ、および本社43の固定アンテナ−受信部、の組み合わせが2式以上ある場合には、信号レベルの高い回転受信アンテナの方に切り替える。素材切替部43−4から出力された信号は、復号部13−5に入力され、SDI信号へ復号され、本線へ送られる。
【0040】
図4の実施例のように、基地局42側に送信部42−3と送信固定アンテナ42−6、本社43側に受信固定アンテナ43−1と受信部43−2を備えることにより、素材切替部43−4を本社43側に移行させるようにしても良い。
即ち、実施例1と同様に、
図4において、予め認識している各回転受信アンテナの旋回可能範囲の角度限界θoutに到達する前の(一定の角度余裕を考慮した)所定の角度θthを被制御端局12−4に予め登録し、アンテナ角度を被制御端局12−4により周知の技術で監視し、当該回転受信アンテナが登録された角度に到達した時に、システム内の被制御端局12−4によって、自動的にもう一方の回転受信アンテナに接続する受信部の信号に自動的に切り替える。
なお、素材切替部43−4の制御は、例えば、被制御端局12−4が、切り替え前の送信部12−3のTSストリームに付加する支援データに、出力信号に切り替え終了コマンドの添付させ、次に切り替える送信部42−3のTSストリームに付加する支援データに、出力信号に切り替え開始コマンドの添付させる。本社43では、素材切替部43−4がそのコマンドを受信して、シームレスにその出力を切り替える。
【実施例6】
【0043】
本発明の別の実施例を、
図6によって説明する。
図6は、本発明の受信システムの一実施例で、FPUを用いた基地局間の固定無線伝送を含むマイクロ受信基地局システムの構成を示すブロック図であって、本発明に係るIP及び光回線を用いたシステム例である。
図6の基地局62において、回転受信アンテナ12−1および32−1、受信部32−1および32−2、被制御端局12−4、並びに変復調部12−5の動作は、
図3乃至
図5と同様である。また、
図6の本社63において、復号部13−5および53−5から後段の動作は、
図5と同様である。
図6は、
図5の実施例と異なり、基地局から本社に送信するデータを光通信で行うものである。
例えば、受信部12−2は、回転受信アンテナ12−1の素材の信号をマイクロ波帯の信号を中間周波数帯の信号に周波数変換し、TS信号に復調し、SDI信号へ復号し、IP変換部62−31に出力する。IP変換部62−31は、入力された信号をIP変換して、光変換部62−6に出力する。また、受信部32−2は、回転受信アンテナ32−1の素材の信号をマイクロ波帯の信号を中間周波数帯の信号に周波数変換し、TS信号に復調し、SDI信号へ復号し、IP変換部62−32に出力する。IP変換部62−32は、入力されたTS信号をIP変換して、光変換部62−6に出力する。
【0044】
光変換部62−6は、入力された信号を光変換して、光ケーブルを介して本社63の光変換部63−1に送信する。光変換部63−1は、受信した光データを電気信号に変換して、該当するIP変換部63−21または63−22に出力する。IP変換部63−21は、入力された信号をTS進法に変換して復号部13−5に出力する。復号部13−5は、入力された信号をSDI信号に変換して素材切替部53−4に出力する。同様に、IP変換部63−22は、入力された信号をTS進法に変換して復号部53−5に出力する。復号部53−5は、入力された信号をSDI信号に変換して素材切替部53−4に出力する。
素材切替部53−4の動作は、
図5の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0045】
図6に示したように、基地局と本社間の信号伝送形態は、IP変換部及び、光変換部を通じてTS信号、または基地局内でデコードしたSDI信号を伝送する形式等様々な形態に適応できる。勿論、IP網を通じた形態、またはTS,SDI信号を直接光に変換するような形態でも構わない。
【実施例7】
【0046】
図7は、本発明の受信システムの回転受信アンテナの一実施例を説明するための図である。
図4や
図8では、建造物21の四辺に回転受信アンテナを設けた例を示したが、
図7の実施例のように、建造物21のコーナー部に回転受信アンテナ22−1および22−4を配置した。このよう配置したことにより、1つの回転受信アンテナの受信可能角度範囲が広がり、設置する回転受信アンテナの数を減らすことができる。その上、制御も容易になる。
【0047】
また、
図4および
図8の本発明の実施例では、建造物の断面が四角形であった。しかし、四角形である必要はなく、5角形以上の多角形でも良い。また円形や3角形でも良い。またさらに、回転受信アンテナを各辺に設ける必要もなく、コーナに設ける必要もない。本発明の回転受信アンテナの配置の条件は、少なくとも2台以上の回転受信アンテナで1つの移動送信体からの素材の電波を受信できるように、配置することである。例えば、円形の水平断面を有する建造物の4箇所に回転受信アンテナを設置しても良い。また例えば、3角形の水平断面を有する建造物の3箇所に回転受信アンテナを設置しても良い。
【0048】
さらに、
図3〜
図8の実施例では、本発明の素材切替部は、回転受信アンテナの受信する素材の電波を、いずれか1台の回転受信アンテナが受信する素材の電波に切り替えている。しかし、共通受信可能範囲が、3台以上の回転受信アンテナに渡っている場合には、本発明の素材切替部を合成ダイバーシチ動作に切り替えるようにしても良い。
【0049】
またさらに、回転受信アンテナが3台以上設置されている受信システムの場合には、別の移動送信体から送信された素材の電波を受信している手動設定の非連動の回転受信アンテナを切り替え対象から除いて、連動の回転受信アンテナの入力を切り替えるようにしても良い。
【0050】
上記実施例1〜実施例7によれば、旋回が限定的なアンテナを複数用いることにより、移動体受信においても周囲一帯からの送信電波をシームレスに受信することが可能となる。総じて、本システムの機能性を大幅に拡張させる格別の効果を奏する。