【実施例1】
【0017】
本発明の実施例1である電池スタックについて説明する。
【0018】
図1は、電池スタックの外観を示す斜視図である。
図1において、X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する軸であり、本実施例では、鉛直方向に相当する軸をZ軸としている。X軸、Y軸およびZ軸の関係は、他の図面においても同様である。
図1に示す電池スタックは、パックケース(図示せず)に収容され、電池スタックおよびパックケースにより、電池パック(蓄電装置に相当する)が構成される。
【0019】
本実施例の電池パックは、例えば、車両に搭載することができる。電池パックは、車両の走行に用いられるエネルギを出力することができる。具体的には、電池パックから出力された電気エネルギをモータ・ジェネレータによって運動エネルギに変換し、この運動エネルギを用いて車両を走行させることができる。車両の制動時には、モータ・ジェネレータによって生成された回生電力を電池パックに蓄えることができる。
【0020】
電池スタック1は、X方向に並んで配置された複数の単電池(蓄電素子に相当する)10を有する。単電池10としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることができる。電池スタック1を構成する単電池10の数は、電池スタック1の要求出力などを考慮して、適宜設定することができる。
【0021】
本実施例では、複数の単電池10をX方向に並べているが、これに限るものではない。具体的には、複数の単電池を用いて、1つの電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールをX方向に並べることができる。
【0022】
単電池10の内部には、充放電を行う発電要素が収容されている。発電要素は、正極素子と、負極素子と、正極素子および負極素子の間に配置されるセパレータとを有する。セパレータには、電解液が含まれている。正極素子は、集電板と、集電板の表面に形成された正極活物質層とを有する。負極素子は、集電板と、集電板の表面に形成された負極活物質層とを有する。
【0023】
単電池10は、正極端子(電極端子ともいう)11および負極端子(電極端子ともいう)12を有しており、正極端子11および負極端子12は、単電池10の上面から上方に突出している。正極端子11は、発電要素の正極素子と電気的に接続されており、負極端子12は、発電要素の負極素子と電気的に接続されている。
【0024】
複数の単電池10は、2つのバスバーモジュール50によって電気的に直列に接続されている。バスバーモジュール50は、複数のバスバーと、複数のバスバーを保持するホルダとを有する。バスバーは、導電性材料で形成されており、X方向で隣り合う2つの単電池10において、一方の単電池10の正極端子11と、他方の単電池10の負極端子12とに接続されている。ホルダは、樹脂などの絶縁材料で形成されている。
【0025】
X方向で隣り合う2つの単電池10の間には、仕切り板(仕切り部材に相当する)20が配置されている。仕切り板20は、樹脂などの絶縁材料で形成することができる。これにより、X方向で仕切り板20を挟む2つの単電池10を絶縁状態とすることができる。
【0026】
図2は、X方向から見たときの仕切り板20の正面図であり、
図3は、Y方向から見たときの仕切り板20の側面図である。
【0027】
仕切り板20は、X方向で単電池10と対向する面において、複数のリブ21を有する。
図3に示すように、複数のリブ21は、2つの単電池10のうち、一方の単電池10と対向する面だけに形成されている。各リブ21は、X方向に突出しており、
図2に示すように、Z方向に延びている。また、複数のリブ21は、所定の間隔を開けて、Y方向に並んでいる。
【0028】
X方向における各リブ21の先端は、単電池10と接触する。リブ21が単電池10と接触することにより、仕切り板20および単電池10の間には、スペースが形成される。このスペースは、単電池10の温度調節に用いられる熱交換媒体が移動するスペースとなる。リブ21の形状は、
図2に示す形状に限るものではない。すなわち、リブ21は、仕切り板20および単電池10の間にスペースを形成できるものであればよい。
【0029】
単電池10が充放電等によって発熱しているときには、冷却用の熱交換媒体を、上述したスペースに流して単電池10と接触させることにより、単電池10の温度上昇を抑制することができる。また、単電池10が過度に冷却されているときには、加温用の熱交換媒体を、上述したスペースに流して単電池10と接触させることにより、単電池10の温度低下を抑制することができる。熱交換媒体としては、気体又は液体を用いることができる。
【0030】
一方、X方向におけるリブ21の先端が単電池10と接触することにより、後述するように、単電池10に対して荷重を与えることができる。これにより、充放電に伴う単電池10の膨張や収縮を抑制することができる。複数のリブ21は、単電池10の内部に配置される発電要素とX方向で対向する位置に設けられている。単電池10の膨張および収縮は、発電要素の膨張および収縮によるため、発電要素と対向する位置に複数のリブ21を設けることにより、発電要素の膨張および収縮を効率良く抑制することができる。
【0031】
仕切り板20の上部には、2つの収容部22が設けられており、2つの収容部22は、Y方向に並んでいる。各収容部22の内側には、後述する連結バンド(連結部材に相当する)40を貫通させるための貫通孔22aが形成されている。貫通孔22aに連結バンド40を挿入することにより、収容部22は、連結バンド40を覆うことができる。
【0032】
複数の仕切り板20は、X方向に並んで配置されているため、これらの仕切り板20における収容部22も、X方向に並んで配置される。X方向で隣り合う2つの収容部22は、互いに接触しており、2つの収容部22における貫通孔22aは、互いにつながっている。複数の収容部22がX方向に並ぶことにより、連結バンド40の全体を覆うことができる。
【0033】
収容部22の上端は、アッパーケース61の内壁面と接触している。アッパーケース61は、電池スタック1を収容するパックケースの一部を構成する部材である。本実施例では、収容部22をアッパーケース61に直接、接触させているが、これに限るものではない。すなわち、収容部22およびアッパーケース61の間に、他の部材(例えば、弾性体)を介在させることができる。
【0034】
Y方向に並んだ2つの収容部22とアッパーケース61とによって囲まれたスペースS1は、単電池10の温度調節に用いられる熱交換媒体が移動するスペースとなる。ここで、スペースS1は、例えば、熱交換媒体を単電池10に供給するための通路(供給通路)として用いることができる。
【0035】
収容部22の上端は、電極端子11,12の上端よりも上方に位置しており、電極端子11,12は、アッパーケース61の内壁面から離れている。また、収容部22の上端は、バスバーモジュール50よりも上方に位置しており、バスバーモジュール50は、アッパーケース61の内壁面から離れている。
図2には、電極端子11,12およびバスバーモジュール50の位置を点線で示している。本実施例において、収容部22の上端は、電池スタック1の最も上方に位置している。
【0036】
仕切り板20の下部には、2つの収容部23が設けられており、2つの収容部23は、Y方向に並んでいる。各収容部23の内側には、連結バンド40を貫通させるための貫通孔23aが形成されている。貫通孔23aに連結バンド40を挿入することにより、収容部23は、連結バンド40を覆うことができる。
【0037】
収容部22と同様に、複数の収容部23は、X方向に並んで配置される。X方向で隣り合う2つの収容部23は、互いに接触しており、2つの収容部23における貫通孔23aは、互いにつながっている。これにより、複数の収容部23によって、連結バンド40の全体を覆うことができる。
【0038】
収容部23の下端は、ロアーケース62の内壁面と接触している。Y方向に並んだ2つの収容部23とロアーケース62とによって囲まれたスペースS2は、単電池10の温度調節に用いられる熱交換媒体が移動するスペースとなる。ここで、スペースS2は、例えば、単電池10の温度調節で用いられた熱交換媒体を排出するための通路(排出通路)として用いることができる。ここで、スペースS1,S2の一方を熱交換媒体の供給通路として用い、他方を熱交換媒体の排出通路として用いることができる。
【0039】
X方向における電池スタック1の両端には、一対のエンドプレート30が配置されている。また、連結バンド40は、X方向に延びており、X方向(長手方向)における連結バンド40の両端は、一対のエンドプレート30に固定される。連結バンド40は、平板状に形成されている。
【0040】
図4は、連結バンド40をY−Z平面で切断したときの断面図である。
図4に示すように、連結バンド40の幅W(Z方向の長さ)は、連結バンド40の厚さT(Y方向の長さ)よりも大きくなっている。本実施例では、連結バンド40の幅方向がZ方向となるように、連結バンド40が配置されている。連結バンド40の幅方向は、電池スタック1の上面および下面にそれぞれ配置された2つの連結バンド40が、複数の単電池10を挟む方向に相当する。
【0041】
本実施例では、
図4に示すように、連結バンド40の断面形状が矩形状に形成されているが、これに限るものではない。すなわち、連結バンド40の長手方向(X方向)と直交する平面(Y−Z平面)で連結バンド40を切断したときの断面に関して、Z方向の長さがY方向の長さよりも長ければよい。したがって、例えば、連結バンド40の断面形状を、楕円形状に形成することもできる。
【0042】
電池スタック1の上面には、2つの連結バンド40が配置されており、電池スタック1の下面には、2つの連結バンド40が配置されている。すなわち、連結バンド40は、Z方向において、電池スタック1を挟む位置にそれぞれ配置されている。連結バンド40およびエンドプレート30を用いることにより、一対のエンドプレート30によって挟まれた複数の単電池10に対して拘束力(荷重)を与えることができる。拘束力は、X方向における両側から、各単電池10を押さえ付ける力である。
【0043】
本実施例では、電池スタック1の上面および下面に、連結バンド40を配置しているが、これに限るものではない。例えば、Y方向において電池スタック1を挟む位置に、連結バンド40をそれぞれ配置することができる。この場合には、連結バンド40の位置に応じて、エンドプレート30の構造を変更すればよい。また、本実施例では、電池スタック1の上面又は下面に、2つの連結バンド40を配置しているが、連結バンド40の数は、適宜設定することができる。例えば、電池スタック1の上面および下面のそれぞれに、1つの連結バンド40を配置するだけでもよい。
【0044】
次に、エンドプレート30の構造について説明する。
図5および
図6は、互いに異なる方向から見たときのエンドプレート30の外観を示す斜視図である。
【0045】
エンドプレート30は、樹脂プレート31および金属プレート32を有する。樹脂プレート31は、X方向における電池スタック1の端部に配置された単電池10と接触する。樹脂プレート31は、仕切り板20の収容部22,23と同様に、連結バンド40を収容する収容部311を有する。
【0046】
樹脂プレート31は、金属プレート32の側に向かって突出する2つの爪部312を有する。爪部312は、樹脂プレート31を金属プレート32に固定するために用いられる。また、樹脂プレート31は、金属プレート32の側に向かって突出する2つのピン313を有する。ピン313は、金属プレート32に対して樹脂プレート31を位置決めするために用いられる。
【0047】
金属プレート32は、第1金属プレート321と、第2金属プレート322と、第3金属プレート323と、第4金属プレート324とを有する。
図7は、金属プレート32をX−Y平面で切断したときの断面を示す概略図である。
図7に示すように、第1金属プレート321、第2金属プレート322および第3金属プレート323は、第4金属プレート324に対して、溶接などによって固定される。
【0048】
第4金属プレート324は、一対の脚部324aを有する。各脚部324aには、貫通孔324bが形成されている。貫通孔324bには、脚部324aをロアーケース62(
図2参照)に固定するためのボルト(図示せず)が貫通する。第4金属プレート324は、樹脂プレート31の爪部312が挿入される貫通孔324cを有する。爪部312は、貫通孔324cを貫通した状態において、第4プレート324と係合する。これにより、樹脂プレート31を第4金属プレート324に固定することができる。
【0049】
第4金属プレート324は、樹脂プレート31のピン313が挿入される貫通孔324dを有する。ピン313を貫通孔324dに挿入することにより、樹脂プレート31を第4金属プレート324に対して位置決めすることができる。第4金属プレート(プレート本体に相当する)324の外縁には、X方向に突出するフランジ部324eが形成されている。フランジ部324eは、X方向に関して、電池スタック1の外側に向かって突出している。
【0050】
第1金属プレート321は、Y方向の両端において、X方向に突出する一対のリブ321aを有する。リブ321aは、X方向に関して、電池スタック1の外側に向かって突出している。リブ321aは、Y方向と直交する平面内(X−Z平面内)に位置している。リブ321aの幅(X方向の長さ)は、リブ321aの厚さ(Y方向の長さ)よりも大きくなっている。各リブ321aには、2つの貫通孔321bが形成されている。
【0051】
第2金属プレート322および第3金属プレート323は、Y方向において、第1金属プレート321を挟む位置に配置されている。第2金属プレート322および第3金属プレート323は、第1金属プレート321を基準として、対称の形状を有している。
【0052】
第2金属プレート322は、Y方向において、第1金属プレート321のリブ321aと対向するリブ322aを有する。リブ322aは、X方向に突出している。言い換えれば、リブ322aは、X方向に関して、電池スタック1の外側に向かって突出している。リブ322aの幅(X方向の長さ)は、リブ322aの厚さ(Y方向の長さ)よりも大きくなっている。リブ322aには、2つの貫通孔322bが形成されている。リブ321a,322aが重なっているとき、貫通孔321b,322bは、同軸上に位置しており、Y方向で互いに向かい合っている。
【0053】
第3金属プレート323は、Y方向において、第1金属プレート321のリブ321aと対向するリブ323aを有する。リブ323aは、X方向に突出している。言い換えれば、リブ323aは、X方向に関して、電池スタック1の外側に向かって突出している。リブ323aの幅(X方向の長さ)は、リブ323aの厚さ(Y方向の長さ)よりも大きくなっている。リブ323aには、2つの貫通孔323bが形成されている。リブ323a,リブ321aが重なっているとき、貫通孔321b,323bは、同軸上に位置しており、Y方向で互いに向かい合っている。
【0054】
図8に示すように、第1金属プレート321の一方のリブ321aと、第2金属プレート322のリブ322aとの間には、連結バンド40が配置される。連結バンド40は、リブ321aの貫通孔321bおよびリブ322aの貫通孔322bとY方向で対向する貫通孔を有する。
【0055】
連結バンド40およびリブ321a,322aにおける貫通孔が同軸上に位置しているとき、これらの貫通孔には、リベット(締結部材に相当する)70が挿入される。リベット70は、リブ321a,322aと直交する方向(Y方向)に沿って配置される。リベット70を用いることにより、連結バンド40およびリブ321a,322aを互いに固定することができる。
【0056】
連結バンド40は、電池スタック1の上面および下面に配置されているため、2つの連結バンド40がリブ321a,322aの間に挟まれた状態において、リベット70によって固定される。本実施例では、リベット70を用いて、連結バンド40をエンドプレート30(金属プレート32)に固定しているが、これに限るものではない。すなわち、連結バンド40をエンドプレート30に固定できればよく、例えば、リベット70の代わりに、ボルトを用いることができる。
【0057】
第1金属プレート321の他方のリブ321aと、第3金属プレート323のリブ323aとの間には、連結バンド40が配置される。連結バンド40は、リブ321aの貫通孔321bおよびリブ323aの貫通孔323bとY方向で対向する貫通孔を有する。連結バンド40およびリブ321a,323aにおける貫通孔が同軸上に位置しているとき、これらの貫通孔には、リベット70が挿入される。リベット70を用いることにより、連結バンド40およびリブ321a,323aを互いに固定することができる。
【0058】
連結バンド40は、電池スタック1の上面および下面に配置されているため、2つの連結バンド40がリブ321a,323aの間に挟まれた状態において、リベット70によって固定される。
【0059】
一方、連結バンド40およびエンドプレート30(金属プレート32)を固定する方法としては、SPR(セルフピアスリベット)を用いた接合方法や、メカニカルクリンチによる接合方法がある。また、溶接によって、連結バンド40およびエンドプレート30を固定することもできる。溶接としては、公知の技術を適宜用いることができ、例えば、スポット溶接や超音波溶接を用いることができる。
【0060】
SPRを用いた接合方法では、SPRリベットを用いて、連結バンド40およびエンドプレート30を機械的に接合することができる。すなわち、SPRリベットを用いることにより、連結バンド40およびエンドプレート30の間において、後述するインターロック(引っ掛かり)を形成して、連結バンド40およびエンドプレート30を機械的に接合することができる。
【0061】
ここでは、連結バンド40およびリブ321a,322a(
図8参照)を接合する方法について、具体的に説明する。なお、同様の方法によって、連結バンド40およびリブ321a,323a(
図8参照)を接合することができる。
【0062】
まず、リブ321a,322aの間に連結バンド40を挟んだ後に、リブ321a,322aおよび連結バンド40を、ダイ(図示せず)およびレシーバ(図示せず)によって挟んでおく。ここでは、リブ322aがレシーバと接触し、リブ321aがダイと接触しているものとする。なお、リブ321aがレシーバと接触し、リブ322aがダイと接触していてもよい。
【0063】
レシーバには、パンチが設けられており、パンチの先端には、SPRリベット71(
図9参照)が配置される。パンチをダイに向かって移動させると、SPRリベット71の先端部71a(
図9参照)が、リブ322aおよび連結バンド40を加圧した後に、リブ322aおよび連結バンド40を貫通する。ダイには溝が形成されており、リブ321aは、リブ322aおよび連結バンド40を貫通したSPRリベット71に押し込まれて、ダイの溝に沿って変形する。
【0064】
また、SPRリベット71の先端部71aもダイの溝に沿って変形する。具体的には、SPRリベット71は、2つの先端部71aを有しており、2つの先端部71aは、互いに離れる方向に変形する。SPRリベット71の先端部71aは、リブ321aを貫通しない状態において、リブ321aに食い込んでおり、
図9に示すように、インターロックが形成される。
【0065】
図9には、SPRリベット71によって、リブ321a,322aおよび連結バンド40が接合された状態(断面)を示す。
図9に示す接合状態とすることにより、リブ321a,322aおよび連結バンド40を固定することができる。言い換えれば、連結バンド40およびエンドプレート30を固定することができる。ここで、SPRリベット71は、
図9に示すように、先端部71aおよび基端部71bによって、リブ321a,322aおよび連結バンド40を挟んでいる。
【0066】
一方、メカニカルクリンチによる接合方法では、パンチおよびダイを用いて、連結バンド40およびエンドプレート30を変形させて、連結バンド40およびエンドプレート30の間にインターロック(引っ掛かり)を形成する。インターロックによって、連結バンド40およびエンドプレート30を接合することができる。
【0067】
ここでは、連結バンド40およびリブ321a,322a(
図8参照)を接合する方法について、具体的に説明する。なお、同様の方法によって、連結バンド40およびリブ321a,323a(
図8参照)を接合することができる。
【0068】
まず、リブ321a,322aの間に連結バンド40を挟んだ後に、リブ321a,322aおよび連結バンド40を、ダイ(図示せず)およびレシーバ(図示せず)によって挟んでおく。ここでは、リブ322aがレシーバと接触し、リブ321aがダイと接触しているものとする。なお、リブ321aがレシーバと接触し、リブ322aがダイと接触していてもよい。
【0069】
レシーバには、パンチが設けられており、パンチをダイに向かって移動させると、パンチの先端がリブ322a,321aおよび連結バンド40を加圧する。ダイには溝が形成されており、リブ322a,321aおよび連結バンド40(特に、リブ321aおよび連結バンド40)は、ダイの溝に沿って変形する。
【0070】
ここで、リブ322aの一部が連結バンド40に食い込んだり、連結バンド40の一部がリブ321aに食い込んだりすることにより、インターロックが形成される。
図10には、連結バンド40およびリブ321aの間に形成されるインターロックを示している。
【0071】
図10には、メカニカルクリンチによって、リブ321a,322aおよび連結バンド40が接合された状態(断面)を示す。
図10に示す接合状態とすることにより、リブ321a,322aおよび連結バンド40を固定することができる。言い換えれば、連結バンド40およびエンドプレート30を固定することができる。
【0072】
SPRやメカニカルクリンチによる接合方法を用いれば、連結バンド40や金属プレート32(リブ321a,322a)に対して、リベット70(
図8参照)を挿入するための貫通孔を形成する必要がない。
図11に示すように、連結バンド40の長手方向における両端に貫通孔41,42を形成するときには、少なくとも一方の貫通孔42は、連結バンド40の長手方向に延びる形状に形成しておく必要がある。言い換えれば、貫通孔42を長孔とする必要がある。
【0073】
電池スタック1を製造するときには、X方向に並べられた複数の単電池10および仕切り板20を一対のエンドプレート30によって挟み、これらのエンドプレート30に対して、連結バンド40を固定することになる。単電池10や仕切り板20は、個体差を有しているため、リベット70を貫通孔41,42に挿入させるためには、個体差を考慮して貫通孔42を長孔としておく必要がある。貫通孔42を長孔としなければ、連結バンド40の貫通孔41,42と、金属プレート32(リブ321a,322a,323a)の貫通孔とがずれてしまうこともあり、これらの貫通孔にリベット70を挿入することができなくなってしまう。
【0074】
貫通孔42を長孔にすると、貫通孔42の範囲内において、リベット70が移動してしまうことがある。
図12に示すように、単電池10に拘束力Lを与えるときには、拘束機80を用いて、一対のエンドプレート30を互いに近づく方向に移動させる。
図12において、エンドプレート30(金属プレート32のリブ321a,322a,323a)には、リベット70を挿入するための貫通孔30Aが形成されている。貫通孔30Aは、
図5および
図6で説明した貫通孔321b,322b,323bに相当する。貫通孔30Aは、リベット70の外形に沿った形状に形成されており、長孔にはなっていない。
【0075】
一対のエンドプレート30を介して、複数の単電池10に拘束力Lを与えた状態において、連結バンド40をエンドプレート30に固定する。具体的には、エンドプレート30(リブ321a,322a,323a)の貫通孔30Aおよび連結バンド40の貫通孔41,42にリベット70を挿入することにより、
図13に示すように、連結バンド40およびエンドプレート30を固定する。このとき、リベット70は、連結バンド40の貫通孔(長孔)42に対して、
図14に示す位置P1に位置することがある。
図14は、
図13の領域Rを示す拡大図であり、連結バンド40の貫通孔(長孔)42およびリベット70の位置関係を示す図である。
【0076】
連結バンド40およびエンドプレート30を固定した後は、拘束機80を一対のエンドプレート30から離す。連結バンド40およびエンドプレート30は、リベット70によって固定されているため、複数の単電池10に対する拘束力は維持される。ここで、拘束機80をエンドプレート30から離したときには、単電池10や仕切り板20が元の状態に戻ろうとする反力によって、一対のエンドプレート30は互いに離れる方向に変位しようとする。
【0077】
貫通孔42が長孔であるときには、一対のエンドプレート30が互いに離れる方向に変位することに伴い、リベット70が貫通孔42に沿って移動してしまうおそれがある。具体的には、リベット70は、
図14に示す位置P1から位置P2に移動してしまうことがある。この場合には、リベット70が移動した分だけ、単電池10に加えられる拘束力が低下してしまう。
【0078】
拘束機80を用いて単電池10に所望の拘束力を与えても、リベット70の移動に伴う拘束力の低下によって、単電池10に所望の拘束力を与えられなくなってしまう。
【0079】
SPRやメカニカルクリンチによる接合方法を用いれば、連結バンド40やエンドプレート30に貫通孔を形成しておく必要がないため、リベット70の移動に伴う拘束力の低下を抑制することができる。すなわち、SPRやメカニカルクリンチによる接合方法では、連結バンド40およびエンドプレート30を接合した位置がずれることはないため、拘束機80によって単電池10に与えられる荷重が大幅に低下してしまうのを抑制することができる。
【0080】
ここで、単電池10の拘束力が低下するのであれば、拘束力が低下する分だけ、拘束機80を用いた単電池10の拘束力を予め高めておくことが考えられる。しかし、この場合には、拘束力を高めた分だけ、単電池10や仕切り板20の構造を拘束力に耐える構造としておかなければならず、コストが上昇してしまう。
【0081】
SPRやメカニカルクリンチによる接合方法を用いれば、拘束機80を用いた単電池10の拘束力を不必要に高めなくてもよく、単電池10や仕切り板20の構造を必要以上に強固な構造とする必要もない。したがって、単電池10や仕切り板20の構造を強固な構造とすることに伴うコストアップを抑制することができる。
【0082】
上述したように、連結バンド40を一対のエンドプレート30(金属プレート32)に固定することにより、一対のエンドプレート30によって挟まれた複数の単電池10に対して拘束力を与えることができる。すなわち、X方向における一対のエンドプレート30の間隔を、複数の単電池10および仕切り板20をX方向に並べたときのX方向の全長よりも短くすれば、複数の単電池10に拘束力を与えることができる。単電池10に拘束力を与えることにより、単電池10の膨張を抑制することができる。
【0083】
連結バンド40を一対のエンドプレート30(金属プレート32)に固定するときには、まず、連結バンド40の一端を一方のエンドプレート30に固定しておく。次に、複数の単電池10に対してX方向で荷重を与えながら、連結バンド40の他端を他方のエンドプレート30に固定する。ここで、連結バンド40は、X方向に延びているだけであり、連結バンド40の端部を、リブ321a,322aの間や、リブ321a,323aの間に挿入するだけで、連結バンド40の端部をエンドプレート30に容易に固定することができる。
【0084】
単電池10が膨張するときには、
図15の矢印で示す方向の荷重E1が発生する。
図15は、電池スタック1をY方向から見たときの概略図である。
【0085】
荷重E1は、エンドプレート30に作用する。ここで、エンドプレート30(金属プレート32)は、上述したように、リブ321a,322a,323aを有しており、Z方向における各リブ321a,322a,323aの両端は、連結バンド40に固定されている。
【0086】
このため、エンドプレート30が荷重E1を受けても、リブ321a,322a,323aによって、エンドプレート30の変形を抑制することができる。リブ321a,322a,323aは、荷重E1を受ける平面(Y−Z平面)に対して直交する方向に延びているため、荷重E1を受けても、リブ321a,322a,323aは変形し難くなっている。
【0087】
リブ321a,322a,323aを省略すると、エンドプレート30は、Y−Z平面内に位置する平板で構成されることになる。この場合には、平板の全面で、荷重E1を受けることになり、
図16の点線F1で示すように、平板が屈曲しやすくなる。平板で構成されたエンドプレート30の変形を抑制するためには、エンドプレート30の厚さ(X方向の長さ)を厚くしなければならない。
【0088】
本実施例では、リブ321a,322a,323aの幅(X方向の長さ)を確保しておくだけで、リブ321a,322a,323aの変形、言い換えれば、エンドプレート30の変形を抑制することができる。本実施例において、リブ321a,322a,323aの厚さ(Y方向の長さ)は、リブ321a,322a,323aの幅(X方向の長さ)よりも小さくすることができる。リブ321a,322a,323aの厚さ(Y方向の長さ)は、必要最低限の値に設定することができ、リブ321a,322a,323aの材料を低減することができる。
【0089】
一方、連結バンド40の幅(Z方向の長さ)は、連結バンド40の厚さ(Y方向の長さ)よりも大きくなっており、連結バンド40の幅方向がZ方向となるように、連結バンド40が配置されている。このように連結バンド40を配置することにより、連結バンド40において、
図17の点線F2で示す変形を発生させにくくすることができる。
【0090】
ここで、連結バンド40の幅方向がY方向となるように、言い換えれば、連結バンド40の厚さ方向がZ方向となるように、連結バンド40を配置すると、連結バンド40は、荷重E2を受けたときに、
図17の点線F2で示すように変形しやすくなってしまう。
図17の点線F2で示す変形は、
図17の上方向に荷重E2が作用したときの変形である。
図17の下方向に荷重が作用したときには、点線F2で示す変形とは逆の変形となる。
【0091】
本実施例の電池パックを車両に搭載したときには、車両で発生した振動、特に、Z方向の振動(荷重E2に相当する)が電池パック(電池スタック1)に作用する。このような振動を受けたときでも、連結バンド40の変形を抑制することができる。
【0092】
上述したように、エンドプレート30および連結バンド40の変形を抑制することにより、複数の単電池10に対して所望の拘束力を与えた状態を維持させることができる。
【0093】
一方、本実施例では、
図2を用いて説明したように、仕切り板20の収容部22が連結バンド40を収容しており、収容部22の上端がアッパーケース61に接触している。このため、アッパーケース61に荷重(外力)が加わったときに、アッパーケース61だけでなく、電池スタック1でも荷重を受けることができる。すなわち、本実施例によれば、電池パックの強度を向上させることができる。
【0094】
アッパーケース61に外力(荷重)が加わったときの荷重の伝わり方について、
図18を用いて説明する。
図18は、電池パックの内部構造を示す図であり、電池スタック1をX方向から見た図である。
【0095】
アッパーケース61に荷重E3が加わると、仕切り板20の収容部22を介して、連結バンド40に荷重E3が伝達される。ここで、
図2を用いて説明したように、電極端子11,12やバスバーモジュール50は、アッパーケース61の内壁面から離れているため、アッパーケース61に加わった荷重E3が電極端子11,12やバスバーモジュール50に伝達するのを抑制することができる。
【0096】
連結バンド40は、X方向における両端において、エンドプレート30に連結されているため、荷重E3は、連結バンド40を介して、エンドプレート30に伝達される。エンドプレート30は、第4金属プレート324の脚部324aを介して、ロアーケース62に固定されているため、エンドプレート30に伝達された荷重E3は、ロアーケース62に伝達される。
【0097】
このように、アッパーケース61に荷重E3が作用したときには、アッパーケース61だけでなく、電池スタック1における複数の箇所で荷重E3を受けることができ、荷重E3を分散させることができる。これにより、電池パックの強度を向上させることができる。
【0098】
アッパーケース61に加わった荷重E3を電池スタック1(特に、連結バンド40)に伝達させるためには、電極端子11,12よりも連結バンド40をアッパーケース61に近づけておけばよい。また、本実施例では、電極端子11,12に対してバスバーモジュール50が接続されるため、バスバーモジュール50よりも連結バンド40をアッパーケース61に近づけておけばよい。
【0099】
ここで、連結バンド40およびエンドプレート30は、リベット70によって固定されているため、リベット70にも荷重E3が作用することになる。連結バンド40は、リブ321a,322a(又は、リブ321a,323a)の間に挟まれた状態において、リベット70によって固定されており、連結バンド40からリベット70に作用する荷重は、リブ321a,322a(又は、リブ321a,323a)に分散する。これにより、リベット70が受ける荷重を低減することができる。
【0100】
なお、アッパーケース61だけを変形させて荷重E3を吸収することも考えられる。この場合には、変形後のアッパーケース61が電極端子11,12と接触するのを防止するために、アッパーケース61および電極端子11,12の間隔を広げておく必要がある。しかし、アッパーケース61および電極端子11,12の間隔を広げると、電池パックが大型化してしまう。
【0101】
一方、エンドプレート30の第4金属プレート324には、フランジ部324eが形成されているため、エンドプレート30の強度を向上させることができる。本実施例では、複数の単電池10に拘束力を与えており、拘束力が伝達される領域内にフランジ部324eの一部が位置している。拘束力が伝達される領域とは、エンドプレート30および単電池10が接触する領域である。以下、具体的に説明する。
【0102】
図19は、エンドプレート30のうち、樹脂プレート31の構成を示す正面図である。
図19は、
図5および
図6に示す樹脂プレート31を反対側から見たときの図である。
図19に示すように、樹脂プレート31には、複数のリブ313が形成されている。樹脂プレート31は、仕切り板20と同様の構造を有しており、リブ313は、リブ21(
図2参照)に相当する。
【0103】
樹脂プレート31のリブ313は、単電池10と接触する。ここで、領域Aは、複数のリブ313が含まれる領域であり、樹脂プレート31および単電池10が互いに接触する領域となる。樹脂プレート31のうち、リブ313が形成された面とは反対側の面には、
図20に示すように、金属プレート32(321〜324)が固定される。
図20に示すように、金属プレート32(第4金属プレート324)におけるフランジ部324eの一部は、接触領域Aの内側に位置している。
【0104】
フランジ部324eを接触領域Aの内側に位置させることにより、エンドプレート30の変形を抑制することができる。すなわち、接触領域Aから伝達される荷重を、フランジ部324eで受けることができ、エンドプレート30(金属プレート32)の変形を抑制することができる。ここで、フランジ部324eが接触領域Aの外側に位置しているときには、接触領域Aから伝達される荷重がフランジ部324eよりも内側の領域に作用してしまい、フランジ部324eよりも内側の領域が変形し易くなってしまう。
【0105】
本実施例では、連結バンド40が、2つのリブ321a,322aによって挟まれたり、2つのリブ321a,323aによって挟まれたりしているが、これに限るものではない。具体的には、1つのリブに対して連結バンド40を固定することができる。例えば、リブ321aだけを設けておき、このリブ321aに対して連結バンド40を連結することができる。このような構造であっても、本実施例と同様の効果を得ることができる。
【0106】
本実施例では、
図4に示す断面形状を有する連結バンド40を用いているが、これに限るものではない。リブ321a,322a,323aに対する連結バンド40の取り付けやすさを考慮すれば、例えば、連結バンド40を
図21に示す形状とすることもできる。
図21において、連結バンド40は、円柱状に形成されており、長手方向(X方向に相当する)における両端部だけが平板状に形成されている。
図22Aは、
図21のB1−B1断面図であり、
図22Bは、
図21のB2−B2断面図である。連結バンド40の両端部を平板状に形成することにより、本実施例と同様に、連結バンド40の両端部をリブ321a,322a,323aに連結することができる。
【0107】
本実施例では、エンドプレート30(金属プレート32)に、リブ321a,322a,323aを設けているが、これに限るものではない。例えば、リブ321a,322a,323aと直交する平面(X−Y平面)に沿って配置されるリブを、エンドプレート30(金属プレート32)に設けることもできる。これにより、エンドプレート30(金属プレート32)の強度を向上させることができる。
【0108】
本実施例では、連結バンド40がリブ321a,322a(又は、リブ321a,323a)によって挟まれているが、リブが連結バンドによって挟まれていてもよい。具体的には、長手方向における連結バンドの端部を二叉に形成しておき、二叉の間にリブを配置することもできる。
【0109】
図23は、本実施例の変形例であるエンドプレート30をX方向から見たときの正面図である。
図23において、本実施例で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一符号を用いており、詳細な説明は省略する。以下、本実施例と異なる点について、主に説明する。
【0110】
本変形例では、エンドプレート30における金属プレート32の構成が、本実施例と異なっている。本変形例でも、第4金属プレート324に対して、第1金属プレート321、第2金属プレート322および第3金属プレート323が固定される。第4金属プレート324は、この外縁において、フランジ部324eを有しており、フランジ部324eは、接触領域Aの内側に位置している。これにより、本実施例と同様に、エンドプレート30の強度を向上させることができる。
【0111】
第2金属プレート322は、リブ322aおよび脚部322cを有しており、リブ322aおよび脚部322cは、一体的に形成されている。第3金属プレート323は、リブ323aおよび脚部323cを有しており、リブ323aおよび脚部323cは、一体的に形成されている。リブ322a,323aおよび脚部322c,323cを一体的に形成することにより、脚部322c,323cの強度を向上させることができる。
【0112】
ここで、リブ322a,323aは、X−Z平面内に配置されているため、Y方向に関して、脚部322c,323cを設けるためのスペースを確保しやくなる。Y方向における脚部322c,323cのサイズを確保することにより、エンドプレート30をロアーケース62に対して固定させやすくなる。