特許第5730931号(P5730931)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5730931
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】自動車の制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 17/00 20060101AFI20150521BHJP
   B60K 6/54 20071001ALI20150521BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20150521BHJP
   B60W 20/00 20060101ALI20150521BHJP
   B60W 10/08 20060101ALI20150521BHJP
   B60K 6/485 20071001ALI20150521BHJP
   F02D 41/04 20060101ALI20150521BHJP
   B60L 11/14 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
   F02D17/00 QZHV
   B60K6/54
   B60K6/20 310
   B60K6/20 320
   B60K6/485
   F02D41/04 305A
   B60L11/14
【請求項の数】4
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-56233(P2013-56233)
(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公開番号】特開2013-204587(P2013-204587A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2013年3月19日
(31)【優先権主張番号】10 2012 102 654.8
(32)【優先日】2012年3月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】フローリアーン グリューナー
【審査官】 有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−104615(JP,A)
【文献】 特開2000−110650(JP,A)
【文献】 特開2011−001859(JP,A)
【文献】 特開2010−265867(JP,A)
【文献】 特開2008−019780(JP,A)
【文献】 特開2008−045428(JP,A)
【文献】 特開2000−257498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 13/00―28/00
F02D 41/00―41/40
F02D 29/00─29/06
B60K 6/20─ 6/547
B60L 1/00─ 3/12
B60L 7/00─13/00
B60L 15/00─15/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも自動車の内燃機関(2)の運転を制御および/または調整するための前記自動車の制御装置であって、
前記内燃機関(2)が作動している時および前記自動車の各部分に対する診断機能が実行されていない時、前記制御装置が、前記内燃機関(2)の少なくとも1つの運転パラメータに依存する定義された特性変数を決定し、
前記自動車がハイブリッド車両の形態にあり、前記内燃機関(2)に加えて少なくとも1台の電気機械(3)を備える場合、前記制御装置が、前記定義された特性変数に応じて、前記自動車の駆動出力部に作用する一定のトルクを維持しながら、前記内燃機関(2)と前記電気機械(3)を異なる負荷点で運転させ、
前記制御装置が、前記定義された特性変数に応じて、前記内燃機関(2)の停止禁止か非停止禁止のどちらかを決定し、
前記制御装置が、前記定義された特性変数として、前記内燃機関(2)が作動している状態で走行した走行距離と前記内燃機関(2)が停止した状態で走行した走行距離との比、または、前記内燃機関(2)が作動している状態での走行時間と前記内燃機関(2)が停止した状態での走行時間との比を決定することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記定義された特性変数に応じて、前記内燃機関(2)の燃焼空燃比を決定することを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記診断機能が既に実行された場合に限り、前記自動車の機能停止または運転停止時に、前記制御装置が前記定義された特性変数を初期化またはリセットすることを特徴とする、請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
自動車を作動させる方法であって、請求項1〜のいずれか一項に記載の制御装置を使用して前記自動車の少なくとも1つの内燃機関を制御および/または調整する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車の制御装置に関する。本発明は自動車を作動させる方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、自動車の、具体的にはハイブリッド車両の、または自動始動停止システムを備えた自動車の燃料蒸気保持装置を運転する方法を開示している。この方法では、車両の作動中、燃料霧化に影響を持つ係数が、監視され、活性炭素フィルターの望ましくない溢流または漏出を阻止するように使用される。活性炭素フィルターの溢流または漏出が差し迫っている場合、内燃機関のまたは自動車の燃料エンジンの停止または非作動が禁止される。ここで、燃料蒸気保持装置の方法は、活性炭素フィルターの溢流または漏出が、確定された基準に基づいて制御器によって確認される場合、同一手段、具体的には内燃機関または燃料エンジンの停止または非作動の禁止が常に実行されるようにハードコード化(hard−coded)される。
【0003】
下記特許文献2は、ハイブリッド車両の蒸気管をパージする方法を開示しており、この方法では、蒸気管の最新パージから経過した時間が決定され、蒸気管の最新パージからの前記時間がタイムステージと、すなわち確定された基準と比較され、前記比較に応じて内燃機関が始動される。前記方法においても、ハードコード化が、具体的には、固定されたタイムステージを超えた場合、同一手段、具体的には内燃機関の始動が常に実行されるようにハードコード化が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2009 035 845 A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102 00 016 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上を出発点として、自動車の新しい制御装置および自動車を作動させる新しい方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的は、特許請求項1に記載される自動車の制御装置により達成される。
【0007】
本発明によれば、各定義された機能が実行されていない時間の長さに応じて、および/または内燃機関の定義された運転状態が生じていない時間の長さに応じて、制御装置が、定義された特性変数を決定(測定)し、それに基づき、制御装置は、時間的に可変な方法で、内燃機関の運転状態に影響を及ぼすための異なるおよび/または可変な手段を決定する。
【0008】
本発明は自動車の制御装置を提案する。この制御装置は、制御装置の制御器機能が実行されていない時間の長さに応じて、および/または内燃機関の定義された運転状態が生じていない時間の長さに応じて、および時間的に可変な方法で、内燃機関の運転状態に影響を及ぼすための異なる手段を決定する。
【0009】
従って本発明による制御装置において、内燃機関の運転状態に影響を及ぼすための、常に同じであり、従ってハードコード化された手段の厳密な時間的コード化はない。実際に、制御装置は、各機能のおよび/または内燃機関の各運転状態の緊急度を判定し、緊急度に応じて、内燃機関の運転状態に影響を及ぼすための可変な手段を決定する。これにより自動車の柔軟かつ有利な作動が可能になる。
【0010】
制御装置が、定義された特性変数に応じて内燃機関の停止禁止(stop prohibition)か非停止禁止(no stop prohibition)のどちらかを決定する場合、および/または、制御装置が、定義された特性変数に応じて内燃機関の運転の燃焼空燃比を決定する場合が好ましい。
【0011】
内燃機関の運転状態に影響を及ぼすために、制御装置が時間的に可変な方法で実行可能な上記の手段は、内燃機関だけを備える従来式の自動車で使用する場合、および内燃機関に加えて少なくとも1台の電気機械を備えるハイブリッド車両で使用する場合の両方に好適である。
【0012】
本発明の1つの有利な改良形態によれば、自動車がハイブリッド車両の形態にあり、内燃機関に加えて少なくとも1台の電気機械を備える場合、制御装置が、定義された特性変数に応じて、内燃機関と電気機械との間に受動的な負荷点シフトを、または、内燃機関と電気機械との間に能動的な負荷点シフトを要求する。
【0013】
受動的な負荷点シフトおよび/または能動的な負荷点シフトの利用は、ハイブリッド車両に好適であり、自動車の駆動出力部に作用する一定の駆動トルクを維持する一方で、ハイブリッド駆動部の内燃機関およびハイブリッド駆動部の1つのまたは各電気機械を、異なる負荷点で運転させることができる。
【0014】
好ましくは、内燃機関が作動している時および定義された機能が実行されていない時および/または内燃機関の定義された運転状態が存在しない時、制御装置が、内燃機関の少なくとも1つの運転パラメータに依存する特性変数を決定(測定)し、前記制御装置が、時間的に可変な方法で、すなわち可変時間間隔で、定義された特性変数に応じて、内燃機関の運転状態に影響を及ぼすための可変な手段を決定する。
【0015】
制御装置は、特性変数として、内燃機関の排気ガス質量積算量(exhaust gas mass integral)または燃焼空気質量積算量(combustion air mass integral)を好ましくは決定(測定)する。特性変数として、内燃機関の排気ガス質量積算量または内燃機関の燃焼空気質量積算量を使用することは、緊急の機能として、内燃機関の運転状態に影響を及ぼすための少なくとも1つの可変な手段を時間的に可変な方法で決定するために、機能として、排気システムの診断機能を緊急度に関して評価しなければならない場合に特に有利である。
【0016】
本発明の1つの有利な改良形態によれば、自動車がハイブリッド車両の形態にある場合、かつ、特性変数が低い方の閾値未満である場合、制御装置は受動的な負荷点シフトを要求し、特性変数が低い方の閾値を超える場合、制御装置は能動的な負荷点シフトを要求し、詳細には、特性変数が高い方の閾値を超える場合、前記制御装置は、内燃機関の永続的停止禁止とともに能動的な負荷点シフトを要求するが、特性変数が高い方の閾値未満でありかつ低い方の閾値を超える場合、前記制御装置は、能動的な負荷点シフトと、(積極的な)運転者要求時の内燃機関の停止禁止を要求する。
【0017】
前記の、内燃機関の運転状態に影響を及ぼすための異なる手段を、3つの異なる段階において決定することにより、ハイブリッド車両において、特に好ましく、緊急度に依存しかつ可変に、内燃機関の運転状態に影響を及ぼすことが可能になる。
【0018】
自動車を作動させるための本発明による方法は、特許請求項12に定義されている。
【0019】
本発明の好ましい改良形態が従属項からおよび以下の記載から明らかになる。本発明の例示的実施形態が、図面に基づきより詳しく説明されるが、本発明はこれらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】ハイブリッド駆動部を有し、かつ、ハイブリッド駆動部の制御システムを有するハイブリッド車両の概略図を示す。
図2】本発明による制御装置の運転モードを示す信号フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、ハイブリッド車両として設計された自動車の極めて概略的な図面を示し、ハイブリッド車両は、内燃機関2と電気機械3とを備えたハイブリッド駆動部1を備える。ハイブリッド車両1は、内燃機関1と駆動出力部5との間に接続された変速機4も備える。
【0022】
図1はハイブリッド駆動部1の制御装置6も示し、制御装置6はエンジン制御器7とハイブリッド制御器8とを備える。
【0023】
制御装置6のエンジン制御器7は、内燃機関2の運転を制御および/または調整する。制御装置6のハイブリッド制御器8は、電気機械3の運転を制御および/または調整する。
【0024】
図1において、エンジン制御器7とハイブリッド制御器8は、同一の制御装置6の中に実装されている。
【0025】
これと対照的に、エンジン制御器7とハイブリッド制御器8を別個の制御装置の中に実装することも可能である。
【0026】
ハイブリッド駆動の場合、駆動出力部5に作用する駆動トルクを一定に維持しながら、内燃機関2を異なる負荷点で運転すること、および、内燃機関2の各エンジン負荷の余剰分または不足分を、電気機械3を利用して相殺する(補う)ことができる。例えば、運転者の要求に比して余剰な駆動トルクが内燃機関2によって供給されている場合、余剰分を活用して、電気機械3の発電機モードにおいて、電気エネルギー蓄電装置を充電することができる。運転者の要求に比して少な過ぎる駆動トルクが内燃機関2によって供給されている場合、電気エネルギー蓄電装置をより強力に放電することにより、電気機械3の原動機モードにおいて、電気機械3によって差分を供給することができる。
【0027】
エンジン制御器7には、複数の機能、例えば診断機能が実装されており、それらの機能はハイブリッド駆動部1の内燃機関2が作動している時に限り実行可能である。これらには、例えば、エンジン温度センサの診断機能、および、排気ガス触媒コンバータのラムダプローブ(a lambda probe)の診断機能が含まれる。
【0028】
制御装置の定義された制御器機能が実行されていない時間の長さ、および/または内燃機関2の定義された運転状態が生じていない時間の長さに応じて、本発明による制御装置6、特にエンジン制御器7が、定義された特性変数を決定(測定)し、それに基づき、制御装置は、時間的に可変な方法で、内燃機関2の運転状態に影響を及ぼすための異なるおよび/または可変な手段を決定する。
【0029】
例えば、定義された特性変数に応じて、従って定義された各制御器機能が実行されていない時間の長さに応じて、および/または、内燃機関の定義された運転状態が生じていない時間の長さに応じて、内燃機関2の停止禁止か非停止禁止のどちらかを第1の可変な手段として要求することができる。
【0030】
停止禁止が要求される場合、これは永続的に要求されても、積極的な運転者の要求トルクがある間のみ要求されてもよい。
【0031】
第2の可変な手段として、制御装置6、特にエンジン制御器7は、定義された特性変数に応じて、従って定義された各機能が実行されていない時間の長さに応じて、および/または、内燃機関の定義された運転状態が生じていない時間の長さに応じて、内燃機関2の運転について燃焼空燃比を予め定めることができる。
【0032】
例えば、内燃機関2が火花点火機関の場合、燃焼空燃比を利用して、約1の燃焼空燃比によるいわゆる定量的負荷運転範囲、または1をかなり超える燃焼空燃比による層状負荷運転範囲のいずれかを、内燃機関2の運転に対して予め定めてもよい。
【0033】
定義された各機能が実行されていない時間の長さに応じて、および/または、内燃機関2の定義された運転状態が生じていない時間の長さに応じて、制御装置6、特にエンジン制御器7が要求できる第3の手段として、受動的な負荷点シフトまたは能動的な負荷点シフトが要求または利用されてもよい。
【0034】
受動的な負荷点シフトとは、制御器機能が内燃機関の定義された負荷点で実行される時、前記負荷点が各制御器機能のさらなる実行のために保持されること、という意味に理解されるべきである。
【0035】
能動的な負荷点シフトとは、制御器機能を実行できるように、各制御器機能を実行できる内燃機関のその負荷点に対して制御装置が能動的に適応すること、という意味に理解されるべきである。
【0036】
前記制御装置の各制御器機能が実行されていない時間の長さに応じて、および/または、内燃機関の定義された運転状態が生じていない時間の長さに応じて、制御装置によって実行または要求される上述の異なる手段は、制御装置、特にエンジン制御器7によって、互いに組み合わせて実行または要求されてもよい。例えば、負荷点シフトが内燃機関の停止禁止と一緒に要求されることは、特にハイブリッド車両の場合有利である。
【0037】
内燃機関2が作動している時、かつ定義された各機能が実行されていない時および/または内燃機関2の定義された運転状態が存在していない時、制御装置は内燃機関2の少なくとも1つのさらなる運転パラメータに依存する定義された特性変数を決定(測定)し、内燃機関2の運転状態に影響を及ぼす1つのまたは各対策が、前記特性変数に応じて、制御装置によって、可変な方法で決定される。
【0038】
第1の変形によれば、制御装置6、特にエンジン制御器7は、この関連において、特に内燃機関2が作動している時、かつ各制御器機能が実行されていない時または内燃機関の各運転状態が生じていない時、特性変数として内燃機関2の排気ガス質量積算量または燃焼空気質量積算量を決定(測定)してもよい。
【0039】
制御装置は、代替特性変数として、内燃機関2が作動している状態で走行した走行距離と内燃機関2が停止した状態で走行した走行距離との比、または内燃機関2が作動している状態での走行時間と内燃機関2が停止した状態での走行時間との比を決定(測定)してもよい。
【0040】
さらなる代替特性変数として、制御装置は、内燃機関が一度起動される走行サイクルの数を決定(測定)してもよく、そこで、各制御器機能は実行されていないおよび/または内燃機関の各運転状態は生じていない。
【0041】
すでに言及したように、制御装置は、決定(測定)された特性変数に応じて、時間的に可変な方法で、内燃機関の運転状態に影響を及ぼす手段を決定する。ここで、同じくすでに言及したように、決定(測定)された特性変数は、各制御器機能の緊急度または内燃機関2の定義された各運転状態の緊急度を反映している。
【0042】
1つの有利な改良形態において、ハイブリッド車両の場合、制御装置6によって決定(測定)された各特性変数が低い方の閾値未満である場合、前記制御装置は受動的な負荷点シフトを要求するが、特性変数が低い方の閾値を超える場合、制御装置は能動的な負荷点シフトを要求する。
【0043】
特性変数が低い方の閾値を超え、同時に高い方の閾値を超える場合、内燃機関2の永続的停止禁止とともに能動的な負荷点シフトが要求される。対照的に、特性変数が低い方の閾値を超えるが、高い方の閾値未満である場合、制御装置は、運転者要求が(積極的で)ある場合に限り、アクティブである停止禁止とともに能動的な負荷点シフトを要求する。
【0044】
図2は信号フローチャートに基づき本発明をより詳しく示す。信号フローチャートのステップ9において、内燃機関2が作動中か停止中かが検査される。
【0045】
ステップ9において内燃機関が停止中であると判断された場合、ステップ9から進み、帰線の形態にある分岐線を辿りステップ9へ戻る。
【0046】
対照的に、ステップ9において内燃機関2が作動中またはアクティブであると判断された場合、ステップ10への分岐線を辿る。ステップ10において、現在の走行サイクル中、制御装置の各機能が完全におよび/または首尾よく実行されたかどうかが確認される。
【0047】
このような場合には、ステップ10から進み、ステップ11への分岐線を辿る。ステップ11において、内燃機関2が作動中でありかつ定義された各機能が実行され時に、制御装置が決定(測定)した特性変数はリセットまたは初期化される。
【0048】
対照的に、ステップ10において、内燃機関の作動中、各制御器機能が実行されていない、または不完全に実行されていると判断された場合、ステップ10から進み、特性変数、特に排気ガス質量積算量を決定(測定)するためにステップ12への分岐線を辿る。
【0049】
各特性変数の値は、その後に確認される。
【0050】
ステップ13において、制御装置6、特にエンジン制御器7によって決定(測定)される特性変数、特に排気ガス質量積算量が、低い方の閾値未満かまたはそれを超えるかが確認される。
【0051】
ステップ13において、特性変数が低い方の閾値未満であると判断された場合、ステップ13から進み、ステップ14への分岐線を辿り、制御装置6が、内燃機関2の運転状態に影響を及ぼす手段として受動的な負荷点シフトを、特に好ましくは停止禁止のない状態で、あるいは、(積極的な)運転者要求が存在する時は停止禁止がある状態で、予め決定する。
【0052】
対照的に、ブロック13において、特性変数が低い方の閾値を超えると判断された場合、ステップ15への分岐線を辿る。ステップ15において、特性変数、特に排気ガス質量積算量が、高い方の閾値を超えるかまたはそれ未満かが確認される。
【0053】
ステップ15において、特性変数が、低い方の閾値を超えるが高い方の閾値未満であると判断された場合、ステップ16への分岐線を辿る。ステップ16において、能動的な負荷点シフト、特に、(積極的な)運転者要求が存在する間に限った内燃機関2の停止禁止とともに能動的な負荷点シフトが、内燃機関2の作動状態に影響を及ぼす手段として、制御装置6によって、すなわちエンジン制御器7によって予め決定される。
【0054】
ステップ15において、特性変数、特に排気ガス質量積算量が、低い方の閾値を超えかつ高い方の閾値も超えていると判断された場合、ステップ15から進み、ステップ17への分岐線を辿り、内燃機関2の永続的停止禁止とともに能動的な負荷点シフトが、制御装置6、すなわちエンジン制御器7によって要求される。
【0055】
上記の特性変数は、それに基づき制御装置6、すなわちエンジン制御器7が内燃機関2の作動状態に影響を及ぼす異なる手段を実行または要求するものであるが、移動毎でも走行サイクル毎でもなく、内燃機関2の動作中、各制御器機能が一回完全に実行された時および/または内燃機関の定義された運転状態が生じた時だけ、リセットまたは初期化される。
【0056】
従って制御器機能の実行が中断された場合、決定(測定)される特性変数のリセットおよび初期化は起こらない。
【0057】
本発明がハイブリッド車両向けに記載されかつハイブリッド車両に特に好適ではあるが、本発明は、例えば自動始動停止システムを備えた従来式の自動車にも利用できることが指摘される。しかし、従来式の自動車の場合、負荷点シフトを利用することはできない。
【符号の説明】
【0058】
2 内燃機関
6 制御装置
図1
図2