特許第5730996号(P5730996)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5730996デジタル無線インターコムシステム及びその駆動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5730996
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】デジタル無線インターコムシステム及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/26 20090101AFI20150521BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20150521BHJP
   H04W 72/02 20090101ALI20150521BHJP
   H04W 84/04 20090101ALI20150521BHJP
【FI】
   H04W16/26
   H04W56/00 110
   H04W72/02
   H04W84/04
【請求項の数】13
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-524795(P2013-524795)
(86)(22)【出願日】2011年8月18日
(65)【公表番号】特表2013-541865(P2013-541865A)
(43)【公表日】2013年11月14日
(86)【国際出願番号】KR2011006077
(87)【国際公開番号】WO2012023815
(87)【国際公開日】20120223
【審査請求日】2014年6月20日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0080506
(32)【優先日】2010年8月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513037764
【氏名又は名称】ラオン テクノロジー コー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(72)【発明者】
【氏名】ユ チャン ナム
【審査官】 久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−94419(JP,A)
【文献】 特開平11−341562(JP,A)
【文献】 特開2000−324553(JP,A)
【文献】 特表2007−529915(JP,A)
【文献】 特開2003−101646(JP,A)
【文献】 特開平7−264659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのマスター基地局と;
前記少なくとも1つのマスター基地局とLAN、LANインフラ網及びインターネットのうち、少なくとも1つを介して有線で連結され、同期信号及びデジタル形態のデータ信号を送受信する少なくとも1つの遠隔基地局と;
前記少なくとも1つのマスター基地局の伝送半径内に位置し、無線で前記同期信号及び前記データ信号を送受信する複数の第1移動端末と;
前記少なくとも1つの遠隔基地局の伝送半径内に位置し、無線で前記同期信号及び前記データ信号を送受信する複数の第2移動端末と
を備え、
前記少なくとも1つのマスター基地局と前記少なくとも1つの遠隔基地局は、周波数干渉環境を考慮した互いに相違した独立周波数で駆動され、
前記少なくとも1つのマスター基地局と前記少なくとも1つの遠隔基地局が送受信する前記同期信号及び前記データ信号は、互いに相違した周期開始点を持つことを特徴とするデジタル無線インターコムシステム。
【請求項2】
前記同期信号及び前記データ信号は、同一の伝送フレーム構造を持つ時分割無線通信方式で送受信されることを特徴とする請求項1に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのマスター基地局及び前記少なくとも1つの遠隔基地局は、それぞれ使用可能な複数の伝送フレームに対する可用フレームの情報を前記同期信号に付加して、前記複数の第1移動端末及び前記複数の第2移動端末に送信し、前記複数の第1移動端末及び前記複数の第2移動端末は、それぞれ前記可用フレームの情報を利用して、前記複数の伝送フレームのうち、1つを選択し、選択された前記複数の伝送フレームのうち、1つに対する使用フレームの情報を前記データ信号に付加して、前記少なくとも1つのマスター基地局及び前記少なくとも1つの遠隔基地局に送信することを特徴とする請求項1に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのマスター基地局は、前記少なくとも1つの遠隔基地局から受信された前記使用フレームの情報を総合編集して、更新された前記可用フレームの情報を生成し、更新された前記可用フレームの情報を、周期毎に、または前記可用フレームの情報が更新される度に、前記少なくとも1つの遠隔基地局に送信することを特徴とする請求項3に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのマスター基地局と前記少なくとも1つの遠隔基地局は、それぞれ互いに相違した前記周期開始点及び有線遅延を補償するために伝送フレーム毎にバッファメモリを備え、前記バッファメモリは、設定容量を変更することができる複数の可変バッファで構成されることを特徴とする請求項1に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのマスター基地局と前記少なくとも1つの遠隔基地局は、それぞれ前記複数の第1移動端末及び前記複数の第2移動端末から受信した前記データ信号のエラーを復旧した後、有線で送信することを特徴とする請求項1に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのマスター基地局は、前記少なくとも1つの遠隔基地局に有線で補助同期信号を送信し、前記少なくとも1つの遠隔基地局は、有線で受信された前記補助同期信号を利用して、前記少なくとも1つのマスター基地局との同期を維持することを特徴とする請求項1に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【請求項8】
前記複数の第1移動端末及び前記複数の第2移動端末は、それぞれ受信した前記データ信号のうち、予め設定されたオーディオグループに該当する前記データ信号を選択し、選択された前記データ信号を混合して同時に出力することを特徴とする請求項1に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのマスター基地局は、互いに有線で前記同期信号及び前記データ信号を送受信する複数のマスター基地局を含み、前記少なくとも1つの遠隔基地局は、前記複数のマスター基地局のそれぞれと有線で前記同期信号及び前記データ信号を送受信する複数の遠隔基地局を含むことを特徴とする請求項1に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのマスター基地局は、
前記データ信号を有線で送受信する有線インターフェース部と;
前記データ信号を無線で受信する無線受信部と;
前記無線受信部から前記データ信号を受信し、エラーを復旧するエラー復旧演算部と;
前記データ信号を無線で送信する無線送信部と;
前記有線インターフェース部及び前記エラー復旧演算部からデジタル形態の前記データ信号を受信し、アナログ形態の前記データ信号に変換する第1コーデック部と;
前記第1コーデック部から前記アナログ形態の前記データ信号を受信し、オーディオ出力装置に送信するアナログ信号出力部と;
オーディオ入力装置から前記アナログ形態の前記データ信号を受信するアナログ信号入力部と;
前記アナログ信号入力部から前記アナログ形態の前記データ信号を受信し、前記デジタル形態の前記データ信号に変換する第2コーデック部と;
前記有線インターフェース部、前記無線受信部及び前記無線送信部を制御する制御部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのマスター基地局は、
前記データ信号を合成して前記オーディオ出力装置に送信する第1混合器と;
前記オーディオ入力装置から受信した前記データ信号を合成する第2混合器と
を更に備えることを特徴とする請求項10に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの遠隔基地局は、
前記データ信号を有線で送受信する有線インターフェース部と;
前記データ信号を無線で受信する無線受信部と;
前記無線受信部から前記データ信号を受信し、エラーを復旧するエラー復旧演算部と;
前記データ信号を無線で送信する無線送信部と;
前記有線インターフェース部、前記無線受信部及び前記無線送信部を制御する制御部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【請求項13】
前記複数の第1移動端末及び前記複数の第2移動端末のそれぞれは、
前記データ信号を無線で受信する無線受信部と;
前記無線受信部から前記データ信号を受信し、エラーを復旧するエラー復旧演算部と;
前記データ信号を無線で送信する無線送信部と;
前記エラー復旧演算部からデジタル形態の前記データ信号を受信し、アナログ形態の前記データ信号に変換する第1コーデック部と;
前記第1コーデック部から前記アナログ形態の前記データ信号を受信し、オーディオ出力装置に送信するアナログ信号出力部と;
オーディオ入力装置から前記アナログ形態の前記データ信号を受信するアナログ信号入力部と;
前記アナログ信号入力部から前記アナログ形態の前記データ信号を受信し、前記デジタル形態の前記データ信号に変換する第2コーデック部と;
前記無線受信部及び前記無線送信部を制御する制御部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のデジタル無線インターコムシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル無線インターコムシステムに関するものであって、更に詳しくは、相互に有線通信し、少なくとも1つの移動端末(belt pack:BP)と独立して同期され、無線通信するマスター基地局(master base station:MBS)及び少なくとも1つの遠隔基地局(remote base station:RBS)を備えるデジタル無線インターコムシステム及びその駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超短波(very high frequency:VHF)及び極超短波(ultra high frequency:UHF)帯域を用いるアナログ無線インターコムシステムの短所を補完したデジタル無線インターコムシステムとして、最近、許可を得ず使用することができる900MHz/2.4GHzのISM(industrial、scientific and medical)帯域及び5GHzのUNII(unlicensed national information infrastructure)帯域を用いる双方向同時通話機能を備えたデジタル無線インターコムシステムが世界的に多く開発されている。
【0003】
また、既存のIEEE802.11n無線LAN(wireless local area network:WLAN)に続く次世代超高速無線LAN規格として、複数ユーザーの同時接続及びGbps以上の速度を支援するだけでなく、携帯用装置のための電力節約仕様を強化したIEEE802.11ac及びIEEE802.11adの標準化作業も活発に進められている。
【0004】
かかるデジタル無線インターコムシステムは、高速のデータ伝送速度によって高音質のオーディオデータを伝送することができ、時分割方式などによって同時使用可能なオーディオチャンネルを複数確保することができ、様々な付加価値サービスが可能であるという長所を持つ。
【0005】
しかし、そのようなたくさんの長所にも関わらず、デジタル無線インターコムシステムは、超短波及び極超短波帯域を用いるアナログ無線インターコムシステムより無線通信距離が短いという短所を持つ。
【0006】
また、ISM及びUNII帯域は、DECT(digital enhanced cordless telecommunications)、無線LAN、ブルートゥース(bluetooth)、FSK(frequency shift keying)などの無線技術を用いた様々な製品によって用途に限定されず、誰もが使用することができるため、干渉の少ない周波数帯域が使用場所及び使用時間によってそれぞれ異なる特性を持ち、その結果、かかるISM及びUNII帯域を用いるデジタル無線インターコムシステムは、同一周波数を用いては、使用場所及び時間によって常に干渉の少ない最適な周波数帯域を用いることができないという短所を持つ。
【0007】
かかるデジタル無線インターコムシステムの無線通信距離の限界を克服するために、アンテナを色々な所に設置して無線通信距離を拡張する方法などが用いられている。アンテナを備える従来のデジタル無線インターコムシステムを図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、従来のデジタル無線インターコムシステムを示す図面である。
【0009】
図1に示すように、従来のデジタル無線インターコムシステム10は、基地局(base station:BS)20、アンテナ分配器(antenna splitter)30、第1及び第2能動アンテナ(active antenna)40、42、複数の第1移動端末(belt pack)50、複数の第2移動端末52、複数の第3移動端末54を備える。
【0010】
基地局20にはアンテナ分配器30が有線で連結され、アンテナ分配器30には第1及び第2能動アンテナ40、42が有線で連結される。
【0011】
そして、複数の第1移動端末50は、基地局20の無線通信距離である第1伝送半径R1内に位置し、複数の第2移動端末52は、第1能動アンテナ40の無線通信距離である第2伝送半径R2内に位置し、複数の第3移動端末54は、第2能動アンテナ42の無線通信距離である第3伝送半径R3内に位置する。
【0012】
即ち、複数の第1移動端末50は、基地局20の第1信号半径R1内に位置して基地局20と無線でオーディオデータを送受信することができる反面、複数の第2移動端末52及び複数の第3移動端末54は、基地局20の第1信号半径R1の外側に位置して基地局20と直接無線でオーディオデータを送受信することはできない。
【0013】
この場合、複数の第2移動端末52及び複数の第3移動端末54は、基地局20の電波到達圏外地域に位置すると考えられるが、アンテナ分配器30を介して基地局20と有線で連結される第1及び第2能動アンテナ40、42を利用し、基地局20の無線通信距離を拡張することによって、複数の第2移動端末52及び複数の第3移動端末54と基地局20は、無線でオーディオデータを送受信する。
【0014】
従って、従来のデジタル無線インターコムシステム10においては、第1及び第2能動アンテナ40、42を利用して基地局20の電波到達圏外地域を解消することで、無線通信距離の限界をある程度改善することができる。
【0015】
しかし、従来のデジタル無線インターコムシステム10においては、基地局20とアンテナ分配器30との間の連結配線と、アンテナ分配器30と第1及び第2能動アンテナ40、42との間の連結配線として、非シールド撚り対線(unshielded twisted pair:UTP)を用いることはできるが、かかる連結配線の長さによって無線通信の品質に深刻な影響が与えられ、遅延による音切れのような現象が起こることがあり、また、相違したプロトコールなどの原因でビルなどの建物に既設置されているイーサネット(local area network:LANとも呼ばれる)及びインフラ網を使用することができないという短所がある。
【0016】
即ち、従来のデジタル無線インターコムシステム10においては、別途の専用のアンテナ分配器30と、別途の専用の第1及び第2能動アンテナ40、42を用いなければならず、アンテナ分配器30と第1及び第2能動アンテナ40、42との間を別途の専用の非シールド撚り対線で連結しなければならない。
【0017】
従って、従来のデジタル無線インターコムシステム10においては、通信距離を拡張するために専用の装備を用いなければならないため、設置費及び維持補修費が増加し、活用性及び汎用性に制限がある。
【0018】
また、従来のデジタル無線インターコムシステム10をインターネットに繋げる場合においても、別途の信号変換装置が求められるなど、汎用性に多くの制約がある。
【0019】
このように、従来のデジタル無線インターコムシステムは、高速データ伝送による高音質確保及び時分割方式などによる複数のオーディオチャンネル確保という長所にも関わらず、短い通信距離や周波数干渉現象などの短所のため、高価な放送システムなどに限られて適用されており、レストランなどへの汎用的な適用には深刻な障害があるのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、前述した問題点を解決するためのものであって、その目的は、イーサネットを利用して相互に有線でデータ信号を送受信し、少なくとも1つの移動端末とは独立して同期され、無線でデジタル形態のデータ信号を送受信するマスター基地局及び少なくとも1つの遠隔基地局を備えることで、通信距離が拡張され、無線電波到達圏外地域が解消されて、周波数干渉現象及び通信品質が改善されたデジタル無線インターコムシステム及びその駆動方法を提供することである。
【0021】
また、本発明の他の目的は、複数の伝送フレームを含む時分割方式でデジタル形態のデータ信号を伝送するにおいて、マスター基地局及び少なくとも1つの遠隔基地局の伝送フレームが非同期状態で通信できるようにすることで、相互独立性を維持し、マスター基地局及び少なくとも1つの遠隔基地局の内部メモリバッファを利用して、ネットワーク網のトラフィック状況によって変わる信号遅延による切れ現象のような品質低下を防止するデジタル無線インターコムシステム及びその駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前述した目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つのマスター基地局と;前記少なくとも1つのマスター基地局とLAN、LANインフラ網及びインターネットのうち、少なくとも1つを介して有線で連結され、同期信号及びデジタル形態のデータ信号を送受信する少なくとも1つの遠隔基地局と;前記少なくとも1つのマスター基地局の伝送半径内に位置し、無線で前記同期信号及び前記データ信号を送受信する複数の第1移動端末と;前記少なくとも1つの遠隔基地局の伝送半径内に位置し、無線で前記同期信号及び前記データ信号を送受信する複数の第2移動端末とを備え、前記少なくとも1つのマスター基地局と前記少なくとも1つの遠隔基地局は、周波数干渉環境を考慮した互いに相違した独立周波数で駆動され、前記少なくとも1つのマスター基地局と前記少なくとも1つの遠隔基地局が送受信する前記同期信号及び前記データ信号は、互いに相違した周期開始点を持つデジタル無線インターコムシステムを提供する。
【0023】
前記同期信号及び前記データ信号は、同一の伝送フレーム構造を持つ時分割無線通信方式で送受信することができる。
【0024】
前記少なくとも1つのマスター基地局及び前記少なくとも1つの遠隔基地局は、それぞれ使用可能な複数の伝送フレームに対する可用フレームの情報を前記同期信号に付加して、前記複数の第1移動端末及び前記複数の第2移動端末に送信し、前記複数の第1移動端末及び前記複数の第2移動端末は、それぞれ前記可用フレームの情報を利用して、前記複数の伝送フレームのうち、1つを選択し、選択された前記複数の伝送フレームのうち、1つに対する使用フレームの情報を前記データ信号に付加して、前記少なくとも1つのマスター基地局及び前記少なくとも1つの遠隔基地局に送信することができる。
【0025】
前記少なくとも1つのマスター基地局は、前記少なくとも1つの遠隔基地局から受信された前記使用フレームの情報を総合編集して、更新された前記可用フレームの情報を生成し、更新された前記可用フレームの情報を、周期毎に、または前記可用フレームの情報が更新される度に、前記少なくとも1つの遠隔基地局に送信することができる。
【0026】
前記少なくとも1つのマスター基地局と前記少なくとも1つの遠隔基地局は、それぞれ互いに相違した前記周期開始点及び有線遅延を補償するために伝送フレーム毎にバッファメモリを備え、前記受信バッファメモリは、設定容量を変更することができる可変バッファで構成することができる。
【0027】
前記少なくとも1つのマスター基地局と前記少なくとも1つの遠隔基地局は、それぞれ前記複数の第1移動端末及び前記複数の第2移動端末から受信した前記データ信号のエラーを復旧した後、有線で送信することができる。
【0028】
前記少なくとも1つのマスター基地局は、前記少なくとも1つの遠隔基地局に有線で補助同期信号を送信し、前記少なくとも1つの遠隔基地局は、有線で受信した前記補助同期信号を利用して、前記少なくとも1つのマスター基地局と同期を維持することもできる。
【0029】
前記複数の第1移動端末及び前記複数の第2移動端末は、それぞれ受信した前記データ信号のうち、予め設定されたオーディオグループに該当する前記データ信号を選択し、選択された前記データ信号を混合して同時に出力することができる。
【0030】
前記少なくとも1つのマスター基地局は、互いに有線で前記同期信号及び前記データ信号を送受信する複数のマスター基地局を含み、前記少なくとも1つの遠隔基地局は、前記複数のマスター基地局のそれぞれと有線で前記同期信号及び前記データ信号を送受信する複数の遠隔基地局を含むことができる。
【0031】
前記少なくとも1つのマスター基地局は、前記データ信号を有線で送受信する有線インターフェース部と;前記データ信号を無線で受信する無線受信部と;前記無線受信部から前記データ信号を受信し、エラーを復旧するエラー復旧演算部と;前記データ信号を無線で送信する無線送信部と;前記有線インターフェース部及び前記エラー復旧演算部からデジタル形態の前記データ信号を受信し、アナログ形態の前記データ信号に変換する第1コーデック部と;前記第1コーデック部から前記アナログ形態の前記データ信号を受信し、オーディオ出力装置に送信するアナログ信号出力部と;オーディオ入力装置から前記アナログ形態の前記データ信号を受信するアナログ信号入力部と;前記アナログ信号入力部から前記アナログ形態の前記データ信号を受信し、前記デジタル形態の前記データ信号に変換する第2コーデック部と;前記有線インターフェース部、前記無線受信部及び前記無線送信部を制御する制御部とを備えることができる。
【0032】
前記少なくとも1つのマスター基地局は、前記データ信号を合成して前記オーディオ出力装置に送信する第1混合器と;前記オーディオ入力装置から受信した前記データ信号を合成する第2混合器とを更に備えることができる。
【0033】
前記少なくとも1つの遠隔基地局は、前記データ信号を有線で送受信する有線インターフェース部と;前記データ信号を無線で受信する無線受信部と;前記無線受信部から前記データ信号を受信し、エラーを復旧するエラー復旧演算部と;前記データ信号を無線で送信する無線送信部と;前記有線インターフェース部、前記無線受信部及び前記無線送信部を制御する制御部とを備えることができる。
【0034】
前記複数の第1移動端末及び前記複数の第2移動端末のそれぞれは、前記データ信号を無線で受信する無線受信部と;前記無線受信部から前記データ信号を受信し、エラーを復旧するエラー復旧演算部と;前記データ信号を無線で送信する無線送信部と;前記エラー復旧演算部からデジタル形態の前記データ信号を受信し、アナログ形態の前記データ信号に変換する第1コーデック部と;前記第1コーデック部から前記アナログ形態の前記データ信号を受信し、オーディオ出力装置に送信するアナログ信号出力部と;オーディオ入力装置から前記アナログ形態の前記データ信号を受信するアナログ信号入力部と;前記アナログ信号入力部から前記アナログ形態の前記データ信号を受信し、前記デジタル形態の前記データ信号に変換する第2コーデック部と;前記無線受信部及び前記無線送信部を制御する制御部とを備えることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係るデジタル無線インターコムシステム及びその駆動方法においては、マスター基地局と少なくとも1つの遠隔基地局とをイーサネット(LAN)などを利用して互いに有線で連結し、マスター基地局と少なくとも1つの遠隔基地局を、少なくとも1つの移動端末と無線で連結することにより、汎用装置を利用して通信距離を拡張することができ、無線電波到達圏外地域を解消することができる。
【0036】
また、マスター基地局と少なくとも1つの遠隔基地局は、各伝送フレームの周期開始点が非同期状態の時分割方式の同期信号及びデジタル形態のデータ信号を伝送するが、マスター基地局と少なくとも1つの遠隔基地局のそれぞれの位置によって干渉のない周波数を選択し、互いに相違した独立周波数の同期信号及びデジタル形態のデータ信号を伝送することによって周波数干渉現象を改善し、マスター基地局及び少なくとも1つの遠隔基地局に伝送フレームの数に対応する有線受信用の内部メモリバッファを形成することによって、有線遅延による切れ現象のような品質低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】従来のデジタル無線インターコムシステムを示す図面である。
図2】本発明の第1実施例に係るデジタル無線インターコムシステムを示す図面である。
図3】本発明の第1実施例に係るデジタル無線インターコムシステムのマスター基地局を示す図面である。
図4】本発明の第1実施例に係るデジタル無線インターコムシステムの少なくとも1つの遠隔基地局を示す図面である。
図5】本発明の第1実施例に係るデジタル無線インターコムシステムの複数の第1移動端末のうち、1つを示す図面である。
図6】本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステムを示す図面である。
図7】本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステムの伝送フレームを示す図面である。
図8】本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステムのマスター基地局及び第1遠隔基地局を示す図面である。
図9】本発明の第3実施例に係るデジタル無線インターコムシステムを示す図面である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0039】
図2は、本発明の第1実施例に係るデジタル無線インターコムシステムを示す図面である。
【0040】
図2に示すように、本発明の第1実施例に係るデジタル無線インターコムシステム110は、マスター基地局(master base station:MBS)120と、少なくとも1つの遠隔基地局(remote base station:RBS)130と、イーサネット140と、複数の第1移動端末(belt pack:BP)150と、複数の第2移動端末(BP)152とを備える。
【0041】
マスター基地局120及び遠隔基地局130は、互いに相違した独立周波数の運営によってそれぞれの無線通信可能距離である第1及び第2伝送半径R1、R2を持つが、複数の第1移動端末150は、マスター基地局120の第1伝送半径R1内に位置して、マスター基地局120と無線で同期制御のための同期信号及びオーディオデータに対するデジタル形態のデータ信号を送受信し、複数の第2移動端末152は、遠隔基地局130の第2伝送半径R2内に位置して、遠隔基地局130と無線で同期信号及びデジタル形態のデータ信号を送受信する。
【0042】
複数の第1移動端末150及び複数の第2移動端末152の一部によって複数のオーディオ通話グループが定義され得るが、オーディオ通話グループとは、互いにオーディオデータを送受信することを目的とする移動端末の集合を意味する。
【0043】
また、マスター基地局120と遠隔基地局130は、イーサネット140を介して互いに有線で連結される。
【0044】
イーサネット140は、近距離通信網(local area network:LAN)のために開発されたコンピュータネットワークであって、単純にLANとも呼ばれる。
【0045】
イーサネット140に連結される機器は固有の住所を持って、互いにデータを送受信することができ、データ伝送媒体としてはBNCケーブル、シールド撚り対線(shielded twisted pair:STP)、非シールド撚り対線(unshielded twisted pair:UTP)などを用いる。
【0046】
かかるイーサネット140は、建物内事務室のコンピュータ同士のデータ通信を行うために既に設置されている場合が殆どなため、本発明の第1実施例に係るデジタル無線インターコムシステム110においては、既設置されているイーサネット140を利用してマスター基地局120と遠隔基地局130を有線で連結することにより、別途設置費及び維持補修費を節減することを特徴とする。
【0047】
即ち、マスター基地局120と第1伝送半径R1内の複数の第1移動端末150は、周波数干渉環境を考慮した独立周波数で、無線でデジタル形態のデータ信号を送受信(双方向通信)する。
【0048】
また、マスター基地局120と第1伝送半径R1外の複数の第2移動端末152は、複数の第2移動端末152と遠隔基地局130との間の独立周波数による無線連結及び遠隔基地局130とマスター基地局120との間のイーサネット140を介した有線連結によって、デジタル形態のデータ信号を送受信(双方向通信)する。
【0049】
従って、マスター基地局120は、別途追加設置費及び維持補修費なしで、電波到達圏外地域である第1伝送半径R1外の複数の第2移動端末152まで通信距離を拡張することができる。
【0050】
また、複数の第1移動端末150及び複数の第2移動端末152は、互いに位置が変更された場合(hand−over)においても、マスター基地局120または遠隔基地局130と無線でデジタル形態のデータを送受信することが可能である。
【0051】
例えば、遠隔基地局130の第2伝送半径R2内にあった複数の第2移動端末152のうち、1つがマスター基地局120の第1伝送半径R1内に位置が変更された場合、該第2移動端末152は、マスター基地局120と独立周波数によって無線でデジタル形態のデータ信号を送受信(双方向通信)することができる。
【0052】
かかるデジタル無線インターコムシステム110のマスター基地局120、少なくとも1つの遠隔基地局130、複数の移動端末150、152の構造について図面を参照して説明する。
【0053】
図3図4及び図5は、それぞれ本発明の第1実施例に係るデジタル無線インターコムシステムのマスター基地局、少なくとも1つの遠隔基地局、複数の第1移動端末のうち、1つを示す図面であり、図5は第1移動端末を例示して示す図面であって、第2移動端末も同一構造を持つ。
【0054】
図3に示すように、本発明の第1実施例に係るデジタル無線インターコムシステムのマスター基地局120は、有線インターフェース部161、無線受信部162、無線送信部163、エラー復旧演算部164、アナログ信号出力部165、アナログ信号入力部166、第1コーデック部167、第2コーデック部168、制御部169及び制御パネル部170を備える。
【0055】
有線インターフェース部161は、マスター基地局120に有線で連結される少なくとも1つの遠隔基地局(図2の130)とデジタル形態のデータ信号を送受信するが、受信されたデジタル形態のデータ信号を、マスター基地局120内での信号処理に適した形態に変調して、第1コーデック部167及び無線送信部163に伝達し、第2コーデック部168からデータ信号を受信し、伝送に適した形態に変調して送信することができる。
【0056】
無線受信部162は、マスター基地局120に無線で連結される複数の第1移動端末(図2の150)からデジタル形態のデータ信号を受信し、エラー復旧演算部164に伝達する。
【0057】
無線送信部163は、有線インターフェース部161、エラー復旧演算部164及び第2コーデック部168からデータ信号を受信し、マスター基地局120に無線で連結される複数の第1移動端末150にデジタル形態のデータ信号及び同期信号を送信する。
【0058】
エラー復旧演算部164は、無線受信部162からデータ信号を受信し、信号伝送中に発生したエラーを復旧して、有線インターフェース部161、無線送信部163及び第1コーデック部167に伝達する。
【0059】
アナログ信号出力部165は、第1コーデック部167からアナログ形態のデータ信号を受信し、スピーカーなどのオーディオ出力装置に送信するが、複数のデータ信号を第1混合器(mixer)165aを介して合成して送信したり、または別途変調せずにそのまま送信することができる。
【0060】
アナログ信号入力部166は、マイクなどのオーディオ入力装置からアナログ形態のデータ信号を受信して第2コーデック部168に伝達するが、複数のデータ信号を第2混合器166aを介して合成して受信したり、または別途変調せずにそのまま受信することができる。
【0061】
第1コーデック部167は、有線インターフェース部161及びエラー復旧演算部164からデジタル形態のデータ信号を受信し、アナログ形態のデータ信号に変換して(digital to analog:D/A)アナログ信号出力部165に伝達する。
【0062】
第2コーデック部168は、アナログ信号入力部166からアナログ形態のデータ信号を受信し、デジタル形態のデータ信号に変換して(analog to digital:A/D)有線インターフェース部161及び無線送信部163に伝達する。
【0063】
制御部169は、主機能としてユーザーの命令や既設定されたプログラムによって有線インターフェース部161、無線受信部162及び無線送信部163を制御し、制御パネル部170は、ユーザーの命令を入力され、命令遂行結果またはマスター基地局120の状態を表示する。
【0064】
また、制御部169は、エラー復旧演算部164、アナログ信号出力部165、アナログ信号入力部166、第1コーデック部167及び第2コーデック部168を更に制御することもでき、必要なデータを無線受信部162から受信したり、または無線送信部163に伝達することができる。
【0065】
そして、図4に示すように、本発明の第1実施例に係るデジタル無線インターコムシステムの少なくとも1つの遠隔基地局130は、有線インターフェース部171、無線受信部172、無線送信部173、エラー復旧演算部174、アナログ信号出力部175、アナログ信号入力部176、第1コーデック部177、第2コーデック部178、制御部179及び制御パネル部180を備える。
【0066】
有線インターフェース部171は、少なくとも1つの遠隔基地局130に有線で連結されるマスター基地局(図2の120)とデジタル形態のデータ信号を送受信するが、受信されたデジタル形態のデータ信号を、少なくとも1つの遠隔基地局130内での信号処理に適した形態に変調して、第1コーデック部177及び無線送信部173に伝達し、第2コーデック部178からデータ信号を受信して伝送に適した形態に変調し、送信することができる。
【0067】
無線受信部172は、少なくとも1つの遠隔基地局130に無線で連結される複数の第2移動端末(図2の152)からデジタル形態のデータ信号を受信し、エラー復旧演算部174に伝達する。
【0068】
無線送信部173は、有線インターフェース部171、エラー復旧演算部174及び第2コーデック部178からデータ信号を受信し、少なくとも1つの遠隔基地局130に無線で連結される複数の第2移動端末152にデジタル形態のデータ信号及び同期信号を送信する。
【0069】
エラー復旧演算部174は、無線受信部172からデータ信号を受信し、信号伝送中に発生したエラーを復旧して有線インターフェース部171、無線送信部173及び第1コーデック部177に伝達する。
【0070】
アナログ信号出力部175は、第1コーデック部177からアナログ形態のデータ信号を受信し、スピーカーなどのオーディオ出力装置に送信するが、複数のデータ信号を第1混合器(mixer)175aを介して合成して送信したり、別途変調せずにそのまま送信することができる。
【0071】
アナログ信号入力部176は、マイクなどのオーディオ入力装置からアナログ形態のデータ信号を受信して第2コーデック部178に伝達するが、複数のデータ信号を第2混合器176aを介して合成して受信したり、または別途変調せずにそのまま受信することができる。
【0072】
第1コーデック部177は、有線インターフェース部171及びエラー復旧演算部174からデジタル形態のデータ信号を受信し、アナログ形態のデータ信号に変換して(digital to analog:D/A)アナログ信号出力部175に伝達する。
【0073】
第2コーデック部178は、アナログ信号入力部176からアナログ形態のデータ信号を受信し、デジタル形態のデータ信号に変換して(analog to digital:A/D)有線インターフェース部171及び無線送信部173に伝達する。
【0074】
制御部179は、主機能としてユーザーの命令や既設定されたプログラムによって有線インターフェース部171、無線受信部172及び無線送信部173を制御し、制御パネル部180は、ユーザーの命令を入力され、命令遂行結果または少なくとも1つの遠隔基地局130の状態を表示する。
【0075】
また、制御部179は、エラー復旧演算部174、アナログ信号出力部175、アナログ信号入力部176、第1コーデック部177及び第2コーデック部178を更に制御することもでき、必要なデータを無線受信部172から受信したり、または無線送信部173に伝達することができる。
【0076】
アナログ信号出力部175、アナログ信号入力部176、第1及び第2混合器175a、176a、第1及び第2コーデック部177、178及び制御パネル部180のうち、1つ以上は、応用分野によって省略することができる。
【0077】
例えば、少なくとも1つの遠隔基地局130がオーディオ入出力機能を持たないように設計された場合、少なくとも1つの遠隔基地局130に連結されるスピーカーなどのオーディオ出力装置とマイクなどのオーディオ入力装置を省略し、少なくとも1つの遠隔基地局130のアナログ信号出力部175、アナログ信号入力部176、第1及び第2混合器175a、176aと第1及び第2コーデック部177、178は省略することができる。
【0078】
また、図5に示すように、本発明の第1実施例に係るデジタル無線インターコムシステムの複数の第1移動端末150のそれぞれは、無線受信部182、無線送信部183、エラー復旧演算部184、アナログ信号出力部185、アナログ信号入力部186、第1コーデック部187、第2コーデック部188、制御部189及び制御パネル部190を備える。
【0079】
無線受信部182は、マスター基地局(図2の120)からデジタル形態のデータ信号を無線で受信し、エラー復旧演算部184に伝達する。
【0080】
また、無線受信部182は、マスター基地局120からデジタル形態の同期信号を受信する。
【0081】
無線送信部183は、第2コーデック部188からデータ信号を受信し、マスター基地局120にデジタル形態のデータ信号を送信する。
【0082】
エラー復旧演算部184は、無線受信部182からデータ信号を受信し、信号伝送中に発生したエラーを復旧して第1コーデック部187に伝達する。
【0083】
アナログ信号出力部185は、第1コーデック部187からアナログ形態のデータ信号を受信し、スピーカーなどのオーディオ出力装置に送信するが、複数のデータ信号を第1混合器(mixer)185aを介して合成して送信したり、別途変調せずにそのまま送信することができる。
【0084】
アナログ信号入力部186は、マイクなどのオーディオ入力装置からアナログ形態のデータ信号を受信して第2コーデック部188に伝達する。
【0085】
第1コーデック部187は、エラー復旧演算部184からデジタル形態のデータ信号を受信し、アナログ形態のデータ信号に変換して(digital to analog:D/A)アナログ信号出力部185に伝達する。
【0086】
第2コーデック部188は、アナログ信号入力部186からアナログ形態のデータ信号を受信し、デジタル形態のデータ信号に変換して(analog to digital:A/D)無線送信部183に伝達する。
【0087】
制御部189は、主機能としてユーザーの命令や既設定されたプログラムによって無線受信部182及び無線送信部183を制御し、制御パネル部190は、ユーザーの命令を入力され、命令遂行結果またはマスター基地局120の状態を表示する。
【0088】
また、制御部189は、エラー復旧演算部184、アナログ信号出力部185、アナログ信号入力部186、第1コーデック部187及び第2コーデック部188を更に制御することもでき、必要なデータを無線受信部182から受信したり、または無線送信部183に伝達することができる。
【0089】
一方、建物内事務室のコンピュータはイーサネット140を介してハブに連結することができ、建物内の複数のハブは建物インフラ網(building infrastructureまたはLANインフラ網)に連結することができ、本発明の実施例に係るデジタル無線インターコムシステムは、イーサネット(またはLAN)及びハブを介して建物インフラ網(またはLANインフラ網)及びインターネットに連結することで、他の建物内の移動端末まで通信距離を拡張することができるが、それを図面を参照して説明する。
【0090】
図6は、本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステムを示す図面である。
【0091】
図6に示すように、第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステム210は、マスター基地局(MBS)220と、少なくとも1つの第1遠隔基地局(RBS)230、232、234、236及び少なくとも1つの第2遠隔基地局(RBS)231、233、235、237と、少なくとも1つの第1ハブ(HUB)260、262及び少なくとも1つの第2ハブ(HUB)264、266と、第1及び第2インフラ網(infrastructure)270、272と、インターネット280と、複数の第1ないし第5移動端末(BP)250、252、254、256、258及び複数の第6ないし第9移動端末(BP)251、253、255、257とを備える。
【0092】
図面には示していないが、マスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237は、それぞれの無線通信可能距離である伝送距離を持つ。
【0093】
そして、複数の第1移動端末250は、マスター基地局220の独立周波数による伝送半径内に位置し、複数の第2ないし第5移動端末252、254、256、258は、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236のそれぞれの独立周波数による伝送半径内に位置し、複数の第6ないし第9移動端末251、253、255、257は、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237のそれぞれの独立周波数による伝送半径内に位置して、マスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236または少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237と無線で同期信号を受信し、無線でデジタル形態のデータ信号を送受信する。
【0094】
複数の第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257の一部によって複数のオーディオ通話グループが定義され得り、マスター基地局220と少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236は、第1イーサネット240及び少なくとも1つの第1ハブ260、262を介して相互連結され、少なくとも1つの第1ハブ260、262は、第1建物(不図示)内のデータ通信網である第1インフラ網270に連結される。
【0095】
即ち、第1建物には内部のデータ通信のために第1インフラ網270が構築されていることがあるが、例えば、第1建物内の複数の事務室のそれぞれには少なくとも1つの第1ハブ260、262が配置され、該事務室のコンピュータは、第1イーサネット240を介して少なくとも1つの第1ハブ260、262に連結することができ、少なくとも1つの第1ハブ260、262は、第1イーサネット240を介して第1インフラ網270に連結することができる。
【0096】
従って、本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステム210においては、第1建物に既設置された第1イーサネット240、少なくとも1つの第1ハブ260、262、第1インフラ網270を利用して、マスター基地局220と少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236は、互いに有線でデジタル形態のデータ信号を送受信することができ、その結果、マスター基地局220と少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236のそれぞれの伝送半径内に位置する複数の第1ないし第5移動端末250、252、254、256、258は、互いに有線及び無線でデジタル形態のデータ信号を送受信することができる。
【0097】
そして、第1建物の第1インフラ網270は、インターネット280を介して第2建物(不図示)の第2インフラ網272に連結される。
【0098】
第1建物と同様に、第2建物内の複数の事務室のそれぞれには少なくとも1つの第2ハブ264、266が配置され、該事務室のコンピュータは、第2イーサネット242を介して少なくとも1つの第2ハブ264、266に連結することができ、少なくとも1つの第2ハブ264、266は、第2イーサネット242を介して第2インフラ網272に連結することができる。
【0099】
また、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237は、第2イーサネット242及び少なくとも1つの第2ハブ264、266を介して第2インフラ網272に連結される。
【0100】
従って、本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステム210においては、第1建物に既設置された第1イーサネット240、少なくとも1つの第1ハブ260、262、第1インフラ網270及び第2建物に既設置された第2イーサネット242、少なくとも1つの第2ハブ264、266、第2インフラ網272を利用して、マスター基地局220と少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237は、互いに有線でデジタル形態のデータ信号を送受信することができ、その結果、マスター基地局220と少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237のそれぞれの伝送半径内に位置する複数の第1移動端末250及び複数の第6ないし第9移動端末251、253、255、257は、互いに有線及び無線でデジタル形態のデータ信号を送受信することができる。
【0101】
そのため、本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステム210においては、マスター基地局220は、別途追加設置費及び維持補修費なしで第1建物内の電波到達圏外地域である伝送半径外の複数の第2ないし第5移動端末252、254、256、258まで通信距離を拡張することができるだけでなく、マスター基地局220が位置する第1建物と相違した第2建物内の複数の第6ないし第9移動端末251、253、255、257まで通信距離を拡張することができる。
【0102】
一方、本発明の第1及び第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステムにおいては、同期信号及びデジタル形態のデータ信号が時分割方式で伝送される。第2実施例を挙げ、図面を参照して説明する。
【0103】
図7は、本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステムの伝送フレームを示す図面である。図6と共に説明する。
【0104】
図7に示すように、マスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237のそれぞれの伝送フレームは、送信される同期信号のための送信同期フレームと、送受信されるデジタル形態のデータ信号のための複数の受信データフレーム及び複数の送信データフレームを有し、送信同期フレーム、複数の受信データフレーム及び複数の送信データフレームが1周期(period)を構成する。
【0105】
そして、マスター基地局220の伝送半径内の複数の第1移動端末250、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236の伝送半径内の複数の第1ないし第5移動端末250、252、254、256、258、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237の伝送半径内の複数の第6ないし第9移動端末251、253、255、257のそれぞれの伝送フレームは、受信される同期信号のための受信同期フレームと、送受信されるデジタル形態のデータ信号のための複数の送信データフレーム及び複数の受信データフレームを有し、受信同期フレーム、複数の送信データフレーム及び複数の受信データフレームが1周期(period)を構成する。
【0106】
複数の第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257の受信同期フレーム、複数の送信データフレーム及び複数の受信データフレームは、マスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237のうち、移動端末自身が属した伝送半径の該当基地局の送信同期フレーム、複数の受信データフレーム及び複数の送信データフレームにそれぞれ対応する。
【0107】
即ち、複数の第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257のそれぞれは、マスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237のうち、移動端末自身が属した該当基地局から同期信号を無線で受信し、受信された同期信号に同期(synchronization)される。
【0108】
また、複数の第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257のそれぞれは、該当基地局とデジタル形態のデータ信号を無線で送受信する。
【0109】
具体的に、マスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237のそれぞれは、複数の第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257からデジタル形態のデータ信号を複数の受信データフレームで受信し、受信された複数の受信データフレームと1:1でマッピングされた複数の送信データフレームを生成して、複数の第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257には無線で送信し、自分自身を除いたマスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237には有線で送信する。
【0110】
一方、マスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237の伝送フレームは、互いに相違した周期開始点(starting timing)を持つ。
【0111】
例えば、マスター基地局220は、第1時刻t1を伝送フレームの開始点にする反面、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、236、238及び少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237は、第1時刻t1と相違した第2ないし第9時刻t2ないしt9のそれぞれを伝送フレームの開始点にする。
【0112】
従って、マスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、236、238及び少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237は、互いに非同期され、有線でデジタル形態のデータ信号を送受信し、マスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、236、238及び少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237とそれぞれの移動端末は、互いに同期されて無線でデジタル形態のデータ信号を送受信する。
【0113】
かかる本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステム210において、複数の第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257のそれぞれは、伝送フレームの複数の送信データフレームのうち、使用可能な(割り当てられていない)1つと複数の受信データフレームのうち、使用可能な1つを利用してマスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237のうち、該当する基地局とデジタル形態のデータ信号を送受信する。
【0114】
そのために、複数の第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257のそれぞれは、使用可能な送信フレーム及び受信フレームに対する可用フレームの情報をマスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237のうち、該当する基地局から受信し、受信した可用フレームの情報を利用して、移動端末自身が使用する送信フレーム及び受信フレームを選択する。
【0115】
また、第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257のそれぞれは、選択した送信フレーム及び受信フレームに対する使用フレームの情報を生成し、生成された使用フレームの情報をマスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237のうち、該当する基地局に送信する。
【0116】
例えば、マスター基地局220が、使用可能な送信データフレーム及び受信データフレームに対する可用フレームの情報を、送信及び受信同期フレームの同期信号に付加して複数の第1移動端末250に送信すると、複数の第1移動端末250のそれぞれは、可用フレームの情報を利用して、使用可能な送信データフレーム及び受信データフレームのうち、1つをデジタル形態のデータ信号送受信用として選択し、選択された送信データフレーム及び受信データフレームに対する使用フレームの情報を生成し、生成された使用フレームの情報を送信データ信号に付加してマスター基地局220に送信することができる。
【0117】
使用フレームの情報は、選択された送信及び受信データフレームのフレーム識別番号及びオーディオ通話グループの識別番号を含むことができる。
【0118】
そして、マスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237は、互いに可用フレームの情報を有線で送受信するが、伝送フレームの周期毎に、または可用フレームの情報が更新される度に送受信することができる。
【0119】
それによって、本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステム210のマスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237と複数の第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257は、使用可能な送信データフレーム及び受信データフレームに対する可用フレームの情報を共有することになり、複数の第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257が新しいデジタル形態のデータ信号を送信する場合、可用フレームの情報を利用して、使用可能な送信データフレーム及び受信データフレームのうち、1つを選択することができる。
【0120】
特に、マスター基地局220は、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237からデジタル形態のデータ信号に付加された使用フレームの情報を受信し、受信された使用フレームの情報を総合編集して、更新された可用フレームの情報を生成し、生成された可用フレームの情報を、周期毎に、または可用フレームの情報が更新される度に、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237に送信することによって、信号遅延及び通信障害などで発生し得る伝送フレームの不整合(mismatching、例えば、複数の移動端末による同一データフレームの同時選択)を未然に防止することができる。
【0121】
そして、複数の第1ないし第9移動端末250、252、254、256、258、251、253、255、257のそれぞれは、マスター基地局220、少なくとも1つの第1遠隔基地局230、232、234、236、少なくとも1つの第2遠隔基地局231、233、235、237のうち、該当基地局から無線で受信したデジタル形態のデータ信号の複数の受信データフレームのうち、移動端末自身に対応する少なくとも1つを選択し、選択された少なくとも1つの受信データフレームのデジタル形態のデータ信号をアナログに変換(digital to analog converting:DAC)して、混合(mixing)することで、ユーザーは、同一オーディオ通話グループの複数の移動端末のオーディオを同時聴取することができる。
【0122】
一方、本発明の第1及び第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステムは、イーサネット(LAN)、インフラ網(LANインフラ網)、インターネットなどを介して有線でデジタル形態のデータ信号を送受信するが、かかる有線送受信の相違した遅延時間を改善するために、各基地局は伝送フレーム毎に受信バッファメモリを備えることができる。第2実施例を挙げ、図面を参照して説明する。
【0123】
図8は、本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステムのマスター基地局及び第1遠隔基地局を示す図面である。
【0124】
図8に示すように、本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステムのマスター基地局220と第1遠隔基地局230は、互いにイーサネット240及びインフラ網270のうち、少なくとも1つを介して有線で可用フレームの情報を含む同期信号及びデジタル形態のデータ信号を送受信する。
【0125】
第1遠隔基地局230は、少なくとも1つの第1遠隔基地局(図6の230、232、234、236)及び少なくとも1つの第2遠隔基地局(図6の231、233、235、237)のうち、1つであり、少なくとも1つの第2遠隔基地局である場合、イーサネット240、インフラ網(図6の270、272)、インターネット(図6の280)を介してマスター基地局220と有線で同期信号及びデジタル形態のデータ信号を送受信する。
【0126】
そして、マスター基地局220は、伝送半径内の複数の第1移動端末250と無線で同期信号及びデジタル形態のデータ信号を送受信し、第1遠隔基地局230は、伝送半径内の複数の第2移動端末252と無線で同期信号及びデジタル形態のデータ信号を送受信するが、各移動端末が各基地局に送信するデジタル形態のデータ信号は、オーディオデータ及び使用フレームの情報を含むことができ、各基地局が各移動端末に送信する同期信号は、可用フレームの情報を含み、各基地局が各移動端末に送信するデジタル形態のデータ信号は、オーディオデータを含むことができる。
【0127】
マスター基地局220及び第1遠隔基地局230は、それぞれ伝送フレーム毎に受信バッファメモリ220a、230aを備え、バッファメモリ220a、230aは、同時に使用可能なチャンネル数である伝送フレームの数(n個)と同一数の複数のバッファ(第1ないし第nマスターバッファ、第1ないし第n遠隔バッファ)で構成することができる。
【0128】
マスター基地局220は、第1遠隔基地局230から有線で受信したデジタル形態のデータ信号を伝送半径内の複数の第1移動端末250に無線で伝送するが、マスター基地局220と第1遠隔基地局230との間の有線ネットワークの種類及び状態によって相違した有線遅延が発生する。
【0129】
例えば、マスター基地局220及び第1遠隔基地局230がイーサネット240で連結された場合、有線遅延は相対的に少なく、マスター基地局220及び第5遠隔基地局231がインフラ網270及びインターネット280で連結された場合、トラフィック状態によって有線遅延が相対的に多く変動し得る。
【0130】
そして、マスター基地局220及び第1遠隔基地局230が送信するデジタル形態のデータ信号の伝送フレームは、周期開始点が相違するだけでなく、時間ずれ(time shift)現象によって周期開始点が変動し得り、かかる相違した有線遅延及び相違した周期開始点は、各移動端末におけるオーディオ切れのような不良を引き起こす。
【0131】
有線ネットワークによる相違した有線遅延及び相違した周期開始点を補償してオーディオ切れのような不良を防止するために、本発明の第2実施例に係るデジタル無線インターコムシステム210においては、マスター基地局220及び第1遠隔基地局230が有線で受信するデジタル形態のデータ信号を、複数(n個)の伝送フレーム毎に複数のバッファ(第1ないし第nマスターバッファ、第1ないし第n遠隔バッファ)にセーブした後、予め設定された受信遅延基準を満たした場合、複数バッファのそれぞれにセーブされた伝送フレームのデジタル形態のデータ信号を複数の第1及び第2移動端末250、252に送信する。
【0132】
例えば、複数のバッファは容量を設定することができる可変バッファで構成することができ、可変バッファの設定容量が伝送フレームで一杯になった場合、該当デジタル形態のデータ信号を複数の第1及び第2移動端末250、252に送信することを送信基準として設定することができる。
【0133】
従って、マスター基地局220及び第1遠隔基地局230のバッファメモリ220a、230aの複数バッファの容量を調節することで、遅延を最小化し、オーディオ切れのような不良を防止することができる。
【0134】
そして、示してはいないが、インフラ網のトラフィック状態が劣悪な場合、有線遅延を最小化し、複数バッファの最大容量を低減するために、イーサネット240が連結されるハブ(図6の260、262、264、266)を利用して別途回線を設けたり、またはイーサネット240の既存配線のうち、一部の配線を同期維持のための信号伝送専用として用いることができる。
【0135】
また、伝送フレームの周期開始点の非同期によって発生し得る遅延を低減するために、マスター基地局220が有線で別途の補助同期信号を第1遠隔基地局230に伝送すると、第1遠隔基地局230は一定時間偏差内にある補助同期信号だけを遅延のないものとして判断し、同期を再調整することで、有線同期を維持することができる。
【0136】
一方、マスター基地局を複数形成し、それら複数のマスター基地局同士を有線で連結して使用周波数に対する情報などを共有し、同時に使用可能な移動端末の数を増加させることもできるが、それについて図面を参照して説明する。
【0137】
図9は、本発明の第3実施例に係るデジタル無線インターコムシステムを示す図面である。
【0138】
図9に示すように、本発明の第3実施例に係るデジタル無線インターコムシステム310は、複数のマスター基地局(MBS)320、322、324と、複数の遠隔基地局(RBS)330、331、332、333、334、335と、複数の移動端末(BP)350、351、352、353、354、355、356、357、358とを備える。
【0139】
具体的に第1、第2、…、第nマスター基地局320、322、…、324は、イーサネットなどのような専用有線で相互連結され、同期信号及びデジタル形態のデータ信号を送受信し、使用周波数に対する情報を共有して相互同期を維持することができる。
【0140】
また、第1、第2、…、第nマスター基地局320、322、…、324は、それぞれ互いに相違した独立周波数による伝送半径内の複数の移動端末350、351、352と無線で同期信号及びデジタル形態のデータ信号を送受信する。
【0141】
そして、第1、第2、…、第nマスター基地局320、322、…、324は、それぞれ少なくとも1つの第1、第2、…、第n遠隔基地局(330、331)、(332、333)、…、(334、335)にイーサネットなどのような有線で連結され、同期信号及びデジタル形態のデータ信号を送受信し、少なくとも1つの第1、第2、…、第n遠隔基地局(330、331)、(332、333)、…、(334、335)は、それぞれ相違した独立周波数による伝送半径内の複数の移動端末353、354、355、356、…、357、358と無線で同期信号及びデジタル形態のデータ信号を送受信する。
【0142】
それによって、第1マスター基地局320の伝送半径内の複数の移動端末350は、第1マスター基地局320と有線で連結される少なくとも1つの第1遠隔基地局330、331の伝送半径内の複数の移動端末353、354と互いにオーディオ情報を交換することができるだけでなく、第nマスター基地局324と有線で連結される少なくとも1つの第n遠隔基地局334、335の伝送半径内の複数の移動端末357、358と互いにオーディオ情報を交換することもでき、それを通じて、マルチメディア装置の同時ユーザー数を増加させることができる。
【0143】
以上のように、本発明の実施例に係るデジタル無線インターコムシステムにおいては、従来のデジタル無線インターコムシステムの短所である設置の制約を解消し、高音質/双方向/中央モニタリングなどの様々な機能を提供することができ、それによって既存のアナログ無線機を代替する汎用機器としてのデジタル無線インターコムシステムを製作することが可能になる。
【0144】
特に、現在使用中の無線LAN、DECT、FSKトランシーバーなどの無線を用いるデジタル無線インターコムシステムの根本的な問題、即ち、小出力・高周波数による伝送距離の限界に起因する無線電波到達圏外地域を解消し、高価な専用設備を追加することなく、簡単に設置することができるため、汎用化を加速化することができる。
【0145】
また、製品化が加速しているMIMOアンテナ技術及びUWB、現在、標準化進行中の802.11ac及び802.11adなどの今後の技術を採用したデジタル無線インターコムシステムにおいても本発明を適用して品質及び距離を向上させ、既存のインフラ網を簡単に使用できるようにすることで、高品質の様々なデジタル無線インターコムシステムの製品化を加速することができる。
【0146】
本発明は、前記の実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9