特許第5731009号(P5731009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5731009
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】樹脂封止装置および樹脂供給装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/34 20060101AFI20150521BHJP
   B29C 43/18 20060101ALI20150521BHJP
   B29C 31/06 20060101ALI20150521BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20150521BHJP
   B29K 105/20 20060101ALN20150521BHJP
【FI】
   B29C43/34
   B29C43/18
   B29C31/06
   H01L21/56 R
   B29K105:20
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-542931(P2013-542931)
(86)(22)【出願日】2012年10月29日
(86)【国際出願番号】JP2012077907
(87)【国際公開番号】WO2013069496
(87)【国際公開日】20130516
【審査請求日】2014年8月6日
(31)【優先権主張番号】特願2011-244378(P2011-244378)
(32)【優先日】2011年11月8日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000144821
【氏名又は名称】アピックヤマダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】特許業務法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】大屋 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】朝日 真一
【審査官】 田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−165133(JP,A)
【文献】 特開2007−125783(JP,A)
【文献】 特開2006−156796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/34
B29C 31/06
B29C 43/18
H01L 21/56
B29K 105/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被供給部に顆粒樹脂を投下して供給する樹脂供給部と、
前記被供給部を搬送する搬送ハンドと、
キャビティが形成される一対の金型を備えたプレス部と、を具備し、
前記樹脂供給部は、
前記顆粒樹脂を前記被供給部に投下するトラフと、
前記被供給部を載置し前記トラフの直下に配置される被供給部載置部と、
前記トラフを移動させる駆動機構と、
前記顆粒樹脂を貯留する第1貯留部と、
前記第1貯留部よりも小型で、前記第1貯留部に近接した所定位置に移動させたときに前記顆粒樹脂が供給されることで、前記第1貯留部からの前記顆粒樹脂を一時的に貯留し、前記トラフへ前記顆粒樹脂を供給する第2貯留部と、
前記被供給部載置部に設けられ、前記被供給部が載置された状態で前記顆粒樹脂の投下量を測定する重量計と、を備え、
前記樹脂供給部は、前記第1貯留部が固定され、前記トラフが前記第2貯留部とともに前記駆動機構により移動され、前記被供給部載置部が固定される構成であり、前記トラフを移動させて所望のパターンを形成するように前記被供給部に前記顆粒樹脂を供給し、
前記搬送ハンドは、前記顆粒樹脂が供給された前記被供給部を前記一対の金型内に搬送して載置し、
前記プレス部は、前記顆粒樹脂が供給された前記被供給部を前記一対の金型でクランプし、前記キャビティ内で前記顆粒樹脂を加熱硬化して樹脂封止することを特徴とする樹脂封止装置。
【請求項2】
請求項1記載の樹脂封止装置において、
前記駆動機構により前記被供給部載置部を前記トラフに対して相対的に移動させながら当該トラフより前記被供給部上に前記顆粒樹脂を連続投下するライティングにより下地樹脂部を形成し、前記下地樹脂部の中央部に当該下地樹脂部より高さが高い中高樹脂部を形成するように樹脂供給が行われることを特徴とする樹脂封止装置。
【請求項3】
請求項1記載の樹脂封止装置において、
前記トラフを該トラフの長さ方向に進退させる際に前記顆粒樹脂を投下して前記被供給部へ帯状に樹脂供給する動作を繰り返すことで、前記被供給部の全面に樹脂供給が行われることを特徴とする樹脂封止装置。
【請求項4】
請求項記載の樹脂封止装置において、
先の投下動作における供給量を前記重量計で測定し、予定供給量の誤差を補正するように次の投下動作における供給量を調整しながら樹脂供給動作が繰り返されることを特徴とする樹脂封止装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂封止装置において、
前記樹脂供給部から前記プレス部までの前記被供給部の搬送経路中に設けられ、前記顆粒樹脂が供給された前記被供給部を成形温度よりも低い温度で予備加熱する予熱部を備えていることを特徴とする樹脂封止装置。
【請求項6】
請求項に記載の樹脂封止装置において、
前記予熱部から前記プレス部までの前記被供給部の搬送経路中に設けられ、予備加熱された前記被供給部を冷却する冷却部を備えていることを特徴とする樹脂封止装置。
【請求項7】
被供給部に顆粒樹脂を投下して供給する樹脂供給装置であって、
前記顆粒樹脂を前記被供給部に投下するトラフと、
前記被供給部を載置し前記トラフの直下に配置される被供給部載置部と、
前記トラフを移動させる駆動機構と、
前記顆粒樹脂を貯留する第1貯留部と、
前記第1貯留部よりも小型で、前記第1貯留部に近接した所定位置に移動させたときに前記顆粒樹脂が供給されることで、前記第1貯留部からの前記顆粒樹脂を一時的に貯留し、前記トラフへ前記顆粒樹脂を供給する第2貯留部と、
前記被供給部載置部に設けられ、前記被供給部が載置された状態で前記顆粒樹脂の投下量を測定する重量計と、を備え、
前記樹脂供給部は、前記第1貯留部が固定され、前記トラフが前記第2貯留部とともに前記駆動機構により移動され、前記被供給部載置部が固定される構成であり、前記トラフを移動させて所望のパターンを形成するように前記被供給部に前記顆粒樹脂を供給することを特徴とする樹脂供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂封止装置(樹脂モールド装置)および樹脂供給装置に関し、特に、顆粒状の樹脂や粉状の樹脂程度の大きさの粒体樹脂(本願では、顆粒樹脂という)を用いて樹脂封止する樹脂封止装置に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2009−234000号公報(特許文献1)には、樹脂供給先に顆粒樹脂を供給することのできる技術が開示されている。この技術は、鉛直方向に伸びるシュータおよび該シュータ内に位置し樹脂を拡散するための拡散体を利用して、顆粒樹脂を供給するものである(拡散方式)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−234000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂供給部を備えた樹脂封止装置の一つに、樹脂供給部においてワーク(被供給部)の一面に顆粒樹脂を投下して供給し、このワークをプレス部まで搬送した後、プレス部で顆粒樹脂を加熱硬化させてワークに樹脂封止部を形成するものがある。
【0005】
この樹脂供給部の樹脂供給方法の一つとして、底部をシャッタで閉じられた筒状のホルダで保持された顆粒樹脂を、シャッタを開いてワークに顆粒樹脂を投下して供給する方法がある(開放方式)。また、他の樹脂供給方法として、ワークに樹脂投下部を介して顆粒樹脂を投下して供給する方法であって、樹脂投下部またはワークが載置されたテーブルをXY方向に移動させて、ワークの一面に対して一筆書きするように顆粒樹脂を投下して供給する方法がある(ライティング方式)。なお、手動により顆粒樹脂をワークに供給する方法もある。
【0006】
開放方式、ライティング方式、拡散方式などを用いて、ワークの一面に顆粒樹脂を平らに撒くように投下して供給したとしても、顆粒樹脂の投下であるため、実際には堆積表面に凹凸が形成される。具体的には、例えば電子部品が行列状に搭載されたワークに顆粒樹脂を均一な厚みで供給したとしても、供給された樹脂の面には電子部品の配置に応じた凹凸が生じてしまう。このように樹脂が供給されたワークを圧縮成形したときには金型とワークの間にエアポケットが発生し、エアを十分排出することができず、成形品(樹脂封止部)に未充填(ボイド)などの成形不良が発生することも考えられる。
【0007】
本発明の目的は、成形品の成形不良を低減することのできる技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0009】
本発明の一実施形態に係る樹脂封止装置は、被供給部に顆粒樹脂を投下して供給する樹脂供給部と、前記被供給部を搬送する搬送ハンドと、キャビティが形成される一対の金型を備えたプレス部と、を具備し、前記樹脂供給部は、前記顆粒樹脂を前記被供給部に投下するトラフと、前記被供給部を載置し前記トラフの直下に配置される被供給部載置部と、前記トラフを移動させる駆動機構と、前記顆粒樹脂を貯留する第1貯留部と、前記第1貯留部よりも小型で、前記第1貯留部に近接した所定位置に移動させたときに前記顆粒樹脂が供給されることで、前記第1貯留部からの前記顆粒樹脂を一時的に貯留し、前記トラフへ前記顆粒樹脂を供給する第2貯留部と、前記被供給部載置部に設けられ、前記被供給部が載置された状態で前記顆粒樹脂の投下量を測定する重量計と、を備え、前記樹脂供給部は、前記第1貯留部が固定され、前記トラフが前記第2貯留部とともに前記駆動機構により移動され、前記被供給部載置部が固定される構成であり、前記トラフを移動させて所望のパターンを形成するように前記被供給部に前記顆粒樹脂を供給し、前記搬送ハンドは、前記顆粒樹脂が供給された前記被供給部を前記一対の金型内に搬送して載置し、前記プレス部は、前記顆粒樹脂が供給された前記被供給部を前記一対の金型でクランプし、前記キャビティ内で前記顆粒樹脂を加熱硬化して樹脂封止することを特徴とする。
【0010】
これによれば、トラフおよび第2貯留部を含む可動部を軽量化、小型化することができて、トラフの移動がスムーズになる。また、重量計で測定した投下量と、投下予定量との誤差を補正することができる。これらは、未充填などの成形不良を低減することに繋がる
【0011】
また、前記樹脂封止装置において、前記駆動機構により前記被供給部載置部を前記トラフに対して相対的に移動させながら当該トラフより前記被供給部上に前記顆粒樹脂を連続投下するライティングにより下地樹脂部を形成し、前記下地樹脂部の中央部に当該下地樹脂部より高さが高い中高樹脂部を形成するように樹脂供給が行われる。
【0012】
これによれば、下地樹脂部の表面に凹凸がある場合であっても、その凹凸を埋めるように中高樹脂部から溶融した樹脂を下地樹脂部の表面上に流すことができる。したがって、未充填などの成形不良を低減することができる。
【0013】
また、前記樹脂封止装置において、前記トラフを該トラフの長さ方向に進退させる際に前記顆粒樹脂を投下して前記被供給部へ帯状に樹脂供給する動作を繰り返すことで、前記被供給部の全面に樹脂供給が行われる。
【0014】
ここで、先の投下動作における供給量を前記重量計で測定し、予定供給量の誤差を補正するように次の投下動作における供給量を調整しながら樹脂供給動作が繰り返される。
【0015】
これによれば、1回の投下動作により1列の帯状の領域に顆粒樹脂が投下されるため、これを繰り返すことで帯状の領域を並べた領域に顆粒樹脂が均一に供給される。また、投下量の総量の誤差を極力減らすことができる。
【0016】
また、前記樹脂封止装置は、前記樹脂供給部から前記プレス部までの前記ワークの搬送経路中に設けられ、前記顆粒樹脂が供給された前記ワークを成形温度よりも低い温度で予備加熱する予熱部を備えている。
【0017】
これによれば、溶融した樹脂により顆粒樹脂間のエアを低減することができる。すなわち、成形時において樹脂封止部の内部にエアが巻き込まれることを防止することができる。このことは、未充填などの成形不良を低減することに繋がる。
【0018】
また、前記予熱部から前記プレス部までの前記ワークの搬送経路中に設けられ、予備加熱された前記ワークを冷却する冷却部を備えている。
【0019】
これによれば、予熱部により顆粒樹脂が加熱された場合であっても、成形時までのゲルタイムの短縮を抑制することができる。すなわち、成形時に樹脂の流動性を確保することができる。このため、たとえ下地樹脂部の表面に凹凸があっても、その凹凸を埋めるように中高樹脂部から溶融した樹脂が下地樹脂部の表面上を流れる。このことは、未充填などの成形不良を低減することができる。
【発明の効果】
【0020】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、次のとおりである。本発明の一実施形態に係る樹脂封止装置によれば、成形品の成形不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態1に係る樹脂封止装置を構成する各部のレイアウト図である。
図2図1に示す樹脂封止装置の樹脂供給部の動作中における断面図である。
図3図2に示す樹脂供給部の動作を説明するためのワークの平面図である。
図4図2に示す樹脂供給部による樹脂供給後のワークの断面図である。
図5図2に続く樹脂供給部の動作中における断面図である。
図6図5に示す樹脂供給部の動作を説明するためのワークの平面図である。
図7図5に示す樹脂供給部による樹脂供給後のワークの断面図である。
図8図1に示す樹脂封止装置の予熱部の動作中における断面図である。
図9図1に示す樹脂封止装置の冷却部の動作中における断面図である。
図10図1に示す樹脂封止装置のプレス部の動作中における断面図である。
図11図10に続くプレス部の動作中における断面図である。
図12図11に続くプレス部の動作中における断面図である。
図13図12に続くプレス部の動作中における断面図である。
図14図13に続くプレス部の動作中における断面図である。
図15】本発明の実施形態2に係る樹脂封止装置の樹脂供給部の動作中における断面図である。
図16図15に続く樹脂供給部の動作中における断面図である。
図17図16に続く樹脂供給部の動作中における断面図である。
図18図17に続く樹脂供給部の動作中における断面図である。
図19】本発明の実施形態3に係る樹脂封止装置の樹脂供給部における一つのブレードの側面図である。
図20】本発明の実施形態3に係る樹脂封止装置の樹脂供給部における他のブレードの側面図である。
図21】本発明の実施形態4に係る樹脂封止装置の予熱部の動作中における断面図である。
図22】本発明の実施形態4に係る樹脂封止装置の冷却部の動作中における断面図である。
図23図23A図23Fは、樹脂供給部の動作の変形例を説明するための図である。
図24図24A図24Gは、ワークの変形例を説明するための図である。
図25】樹脂供給部の動作制御系の変形例を説明するための図である。
図26】樹脂供給部の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、実施形態で示す構成要素は、本発明において必ずしも必須のものとは限らない。また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
【0023】
(実施形態1)
まず、図1を参照して、樹脂封止装置1の概略について説明する。樹脂封止装置1は、ワーク・樹脂供給部Aと、ワーク収納部Bと、成形処理部Cと、予備処理部Dとを備えている。樹脂封止装置1では、ワーク・樹脂供給部Aとワーク収納部Bとの間に、複数(図1では2つ)の成形処理部Cおよび1つの予備処理部Dが並んで設けられている。この樹脂封止装置1内において、ワークWは、各部に跨る搬送レール2上を移動する搬送ハンド4、5(ローダ、アンローダ)を介して、ワーク・樹脂供給部A、予備処理部D、成形処理部C、ワーク収納部Bの順で搬送される。なお、本実施形態では、予備処理部Dを設けているが、仮に設けない場合には、予備処理部Dの位置に成形処理部Cを設けても良い。また、各部の処理能力に応じて成形処理部Cの設置数は適宜増減することができる。
【0024】
ワークWは、矩形状の基板(例えば配線基板)に電子部品(例えば半導体チップ)が実装されたものである。このワークWは、成形処理後、電子部品が樹脂封止部によって封止される。この樹脂封止部として用いられる樹脂は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、シリコーン樹脂など)であって、樹脂組成物(シリカ、アルミナなどの充填剤、離型剤、着色剤など)が所定の含有率に調整されたものである。また、樹脂の形状は、顆粒状樹脂や粉状樹脂程度の大きさの小型樹脂である(本願では、顆粒樹脂という)。
【0025】
ワーク・樹脂供給部Aは、供給マガジン6と、整列部7と、供給テーブル8と、厚さ測定部11と、樹脂供給部12とを備えている。ワーク・樹脂供給部Aでは、ワークWが、供給マガジン6、整列部7、供給テーブル8、厚さ測定部11、樹脂供給部12の順に搬送される。
【0026】
具体的には、供給マガジン6に収納されたワークWが、図示しない搬送機構によって、整列部7で所定の向きに揃えられて、整列部7から供給テーブル8まで搬送される。供給テーブル8まで送り出されたワークWは、搬送レール2上を移動する搬送ハンド4(ローダ)によって、厚さ測定部11へ搬送される。
【0027】
厚さ測定部11は、ワークWへの顆粒樹脂の供給量(投下量)を調整するため、成形前のワークWの厚さを測定する。厚さ測定部11は、供給テーブル8からのワークWが載置されるテーブル13と、搬送レール2側から樹脂供給部12側へ敷かれた搬送レール14と、測定部15とを備えている。
【0028】
測定部15は、例えばレーザ変位計のような光学式測距装置を備えて、電子部品の状態(例えば欠け)や高さ、あるいは基板の厚さなどを測定することができる。ワークWは、テーブル13に載置されたまま搬送レール14上を移動し、測定部15で厚さを測定されて、樹脂供給部12の手前まで搬送される。例えば、測定部15で電子部品の実装数や厚みに応じて樹脂供給部12で供給する樹脂量を増減するように調整することが可能に構成されている。
【0029】
樹脂供給部12(ディスペンサ)は、ワークW上に顆粒樹脂を供給(投下)する。樹脂供給部12では、厚さ測定部11などで得られたデータを参照して決定した量の顆粒樹脂がワークW上に堆積するように供給される。この樹脂供給部12については、後に詳細に説明する。
【0030】
このように、ワーク・樹脂供給部Aにおいて顆粒樹脂が堆積したワークWは、図示しない搬送機構によって、予備処理部Dへ搬送される。この予備処理部Dは、予熱部16と、冷却部17と、テーブル18とを備えている。予備処理部Dでは、樹脂供給部12により顆粒樹脂が供給された状態でワークWが、予熱部16、冷却部17、テーブル18の順に搬送される。
【0031】
予熱部16は、成形処理部Cが有するヒータによる成形温度よりも低い温度でワークWを予備加熱する。また、予熱部16は、樹脂供給部12から成形処理部CまでのワークWの搬送経路中に設けられる。この予熱部16については、後に詳細に説明する。予備加熱されたワークWは、図示しない搬送機構によって、冷却部17へ搬送される。
【0032】
冷却部17は、予熱部16により加熱されたワークWを冷却する。また、冷却部17は、予熱部16から成形処理部CまでのワークWの搬送経路中に設けられる。この冷却部17については、後に詳細に説明する。冷却されたワークWは、図示しない搬送機構によって、テーブル18へ搬送される。
【0033】
このように、予備処理部Dにおいて予備処理が行われたワークWは、搬送ハンド4によって、いずれかの成形処理部Cへ搬送される。成形処理部Cは、プレス部21(金型機構)を備えている。ここで、成形処理部Cでは、搬送レール2側からプレス部21内まで搬送ハンド4、5が伸縮する。搬送ハンド4(ローダ)は、プレス部21内にワークWを搬入するのに用い、搬送ハンド5(アンローダ)は、プレス部21内からワークWを搬出するのに用いる。
【0034】
プレス部21は、顆粒樹脂が供給されたワークWを一対の金型でクランプし、キャビティ内で顆粒樹脂を加熱硬化して樹脂封止する。このプレス部21については、後に詳細に説明する。
【0035】
このように、成形処理部Cにおいて樹脂封止されたワークWは、搬送ハンド5によって、ワーク収納部Bへ搬送される。このワーク収納部Bは、厚さ測定部22と、収納マガジン23とを備えている。ワーク収納部Bでは、ワークW(成形品)が、厚さ測定部22、収納マガジン23の順に搬送される。
【0036】
厚さ測定部22は、ワークWへの顆粒樹脂の供給量(投下量)を調整するため、テーブル24、搬送レール25、測定部26といった厚さ測定部11同様の構成を有して、成形後のワークWの厚さを測定する。
【0037】
なお、樹脂供給部12では、厚さ測定部22で得られたデータも参照して決定した量の顆粒樹脂がワークW上に堆積するように供給される。例えば、測定部26で測定された樹脂封止された部位における厚さデータの予定値からのずれに応じて樹脂供給部Aにおける顆粒樹脂の投下量を増減するようにフィードバック制御が行われる。
【0038】
ワークW(成形品)は、テーブル24に載置されたまま搬送レール25上を移動し、測定部26で厚さを測定されて、収納マガジン23まで搬送されて、収納される。このような樹脂封止装置1により、ワークWに樹脂封止部(成形品)が形成される。
【0039】
次に、図2図7を参照して、樹脂供給部12(ディスペンサ)について詳細に説明する。樹脂供給部12では、ワークWに顆粒樹脂27を面状に堆積させて供給する第1供給工程と、ワークWに顆粒樹脂27を点状に堆積させて供給する第2供給工程とする樹脂供給工程が行われる。この第1および第2供給工程により、樹脂供給部12は、ワークWに一回の樹脂封止量に相当する顆粒樹脂27を供給する。ワークWでは、平面視正方形(矩形状)の基板28に複数の電子部品29がマトリクス状に整列して実装されている。なお、複数の電子部品29がマトリクス状に固定されたキャリア(ワークW)を封止するような構成であってもよい。
【0040】
また、樹脂供給部12は、ワークWに顆粒樹脂27を先端から投下する樹脂投下部32(例えばトラフ)を有している。樹脂投下部32が例えばトラフの場合、ホッパより供給された顆粒樹脂27をトラフが受け、電磁フィーダによりトラフを振動させて顆粒樹脂27をトラフの先端側へ送り出して、ワークWに顆粒樹脂27をトラフの先端から投下する。
【0041】
また、樹脂供給部12は、ワークWを固定状態で載置してXY方向に移動可能なXY駆動ステージ31(ワーク載置部)と、ステージ31をXY方向に移動可能(走査可能)に支持するXY駆動機構33(走査機構)とを有している。このXY駆動機構33では、図示しない駆動源により、X軸レール34上でスライダ35がX方向にスライドし、Y軸レールでもあるスライダ35上でスライダ36がY方向にスライドする。なお、樹脂供給部12では、ステージ31がXY方向に移動可能に設けられているのに対して、樹脂投下部32は固定して設けられている。
【0042】
また、樹脂供給部12は、顆粒樹脂27が樹脂投下部32の先端からワークWへ投下される際の飛散防止のために、開口部37aが形成された飛散防止枠37を有している。この飛散防止枠37は、ステージ31と対向して配置され、ステージ31と連動してXY方向に移動する。飛散防止枠37の枠内、すなわち開口部37a内で顆粒樹脂27が投下される(図2図5参照)。樹脂投下部32からワークWに顆粒樹脂27を落下させても、飛散防止枠37の開口部37aの内壁によって顆粒樹脂27が飛散するのを防止することができる。
【0043】
このように構成される樹脂供給部12において、第1供給工程は、ワークWへの顆粒樹脂27の全供給量のうち大半(例えば90%以上)を1回目の樹脂投下として供給する。この第1供給工程は、樹脂投下部32の先端からワークWに顆粒樹脂27を投下して供給しながら(図2参照)、ステージ31をワークWの水平面内でXY方向に移動させて(図3参照)、ライティングによりワークW上に下地樹脂部27aを形成する(図4参照)。すなわち、ワークWの所定の領域に満遍なく、供給予定量の大半の顆粒樹脂27を撒く。
【0044】
投下部32による顆粒樹脂27の投下の一例について説明する。樹脂投下部32は、平面視矩形状の開口部37a内において、図3の矢印で示すように、一つの隅部Aから隣接する隅部Bまで開口部37aの縁(X方向)に沿って移動する。次いで、樹脂投下部32は、隅部Bから隣接する隅部Cへ開口部37aの縁(Y方向)に沿って所定距離移動した後、辺ADまでX方向に沿って移動する。次いで、樹脂投下部32は、隅部Dへ開口部37aの縁(Y方向)に沿って所定距離移動した後、辺BCまでX方向に沿って移動する。このような動作を繰り返すことにより全面に顆粒樹脂27を供給する。すなわち、ライティング方式によって、樹脂投下部32は、隅部Aから対向する隅部Cまで一筆書きするように顆粒樹脂27をワークW上に投下して供給する。
【0045】
樹脂投下部32が単位時間あたり所定量の顆粒樹脂27をワークW上に投下し、このワークWが載置されたステージ31を単位時間あたり所定量、XY方向に移動することで、ワークWの一面に顆粒樹脂27が均一の厚さで堆積される。なお、ステージ31の移動速度を調整することにより顆粒樹脂27を供給する厚さを調整してもよい。
【0046】
本実施形態では、図2に示すように飛散防止枠37を配置しているため、基板28上にマトリクス状に実装された複数の電子部品29のうち、最外周に配置された電子部品29は一部が顆粒樹脂27で覆われ、その内側の電子部品29は全面が顆粒樹脂27(下地樹脂部27a)で覆われるようにしている。すなわち、複数の電子部品29が実装された実装領域のうち、外周側の領域は顆粒樹脂27で覆っていない。外周側の電子部品29よりも外側に顆粒樹脂27を供給しないことで、外列側の電子部品29によって顆粒樹脂27の広がりを抑えて、搬送中の顆粒樹脂27の脱落防止とモールド時における金型での顆粒樹脂27の噛み込みを防止することができるからである。なお、飛散防止枠37の開口部37aを最適な平面視形状とすることで、外周側の領域まで顆粒樹脂27を飛散させず、外周側の領域を顆粒樹脂27で覆わないようにもしている。
【0047】
樹脂供給部12において、第2供給工程は、ワークWへの顆粒樹脂27の全供給量のうち1回目の樹脂投下量を差し引いた残量(例えば10%以下)を2回目の樹脂投下として供給する。この第2供給工程では、ステージ31を移動させずに、樹脂投下部32の先端からワークWに顆粒樹脂27をワークWの中央部に投下して(図5図6参照)、下地樹脂部27a上に中高樹脂部27bを形成する(図7参照)。
【0048】
このように、XY駆動機構33(走査機構)によりステージ31(ワーク載置部)を樹脂投下部32に対して相対的に走査させながら樹脂投下部32よりワークW上に顆粒樹脂27を連続投下するライティングにより下地樹脂部27aを形成するように樹脂供給が行われる。また、下地樹脂部27aの中央部に下地樹脂部27aより高さが高い中高樹脂部27bを形成するように樹脂供給が行われる。
【0049】
これによれば、ワークWの水平面内へ所定の供給量を所定の位置に顆粒樹脂27を正確かつ簡易に供給することができる。すなわち、下地樹脂部27aとして厚みを均一に供給する動作のみで全面における供給量を正確に制御するのは困難であるが、下地樹脂部27aの供給量として所定の精度で供給した後に残りを中央に供給すればよいので供給量の調整は容易となり、全体としての供給量を正確に制御することができる。
【0050】
次に、図8を参照して、予熱部16について詳細に説明する。予熱部16は、ワークWが載置されるテーブル38と、ヒータ39と、熱効率を高め外部の加熱を防止するためテーブル38およびヒータ39を囲む筐体とを有している。ヒータ39は、例えば赤外線ヒータからなる。なお、熱効率をより高めるため、テーブル38にヒータを内蔵し、テーブル38側からも加熱するようにしても良い。この場合、テーブル38内に吸着機構を内蔵してテーブル38からの熱を伝え易くしても良い。
【0051】
予熱部16では、下地樹脂部27aおよび中高樹脂部27bが形成されたワークWをテーブル38に載置し、ヒータ39からの熱により、成形温度よりも低い温度でワークWを予備加熱する。これにより、顆粒樹脂27が溶融し、表面において粒同士が密着するため搬送時等における顆粒樹脂27からの粉末の飛散を防止することができる。なお、顆粒樹脂27が溶融して樹脂間が密になるので、下地樹脂部27aおよび中高樹脂部27bの厚さが減少し加熱しやすくなる。
【0052】
次に、図9を参照して、冷却部17について詳細に説明する。冷却部17は、ワークWが載置されるテーブル41と、エアブロー42と、冷却効率を高めるためテーブル41およびエアブロー42を囲む筐体とを有している。なお、冷却効率をより高めるため、テーブル41にクーラを内蔵し、テーブル41側からも冷却するようにしても良い。この場合、テーブル41内に吸着機構を内蔵してテーブル41からの熱を伝え易くしても良い。また、予熱部16により加熱されたワークWを自然冷却する場合には、予熱部16から直接テーブル18(図1参照)にワークWを搬送しても良い。
【0053】
この冷却部17によれば、予熱部16により顆粒樹脂27が加熱された場合であっても、プレス部における成形性やハンドリング性を向上しながら成形時までのゲルタイムの短縮を抑制することができる。すなわち、成形時に樹脂の流動性を確保することができる。
【0054】
また、予熱部16により顆粒樹脂27が加熱された場合であっても、予備処理部Dからいずれかのプレス部21(成形処理C)までワークWを搬送する時間差による影響を抑制することができる。すなわち、各プレス部21においてワークWに供給された樹脂の硬化状態を均一化することができる。
【0055】
次に、図10〜14を参照して、プレス部21について詳細に説明する。このプレス部21は、顆粒樹脂27が供給されたワークWをクランプし、キャビティ凹部45(単に、キャビティともいう)内で顆粒樹脂27を加熱硬化して樹脂封止部27c(図14参照)を形成する一対の金型(金型機構)を有している。この一対の金型は、ヒータ(図示せず)を内蔵し、対向して配置されて公知の昇降機構(例えばトグル機構)により接離動可能な一方の上型43および他方の下型44を有している。ここでは、上型43を固定型とし、下型44を可動型とする。
【0056】
上型43は、上型ベース(図示せず)に固定して組み付けられたキャビティ駒46と、キャビティ駒46を囲んで上型ベースに例えばスプリングを介して組み付けられた上型クランパ47とを有している。キャビティ駒46は、ワークWに形成する樹脂封止部27cの形状に合わせた平面形状(例えば正方形状)を有する金型ブロックからなる。また、上型クランパ47は、キャビティ駒46を囲むための貫通孔が形成された筒状の金型ブロックからなる。なお、上型クランパ47のクランプ面43aには、図示しないエアベントが形成されている。
【0057】
上型43において、キャビティ凹部45の底面は、キャビティ駒46の平面(下面)で形成され、キャビティ凹部45の側面は上型クランパ47の貫通孔の内壁面で形成される。すなわち、キャビティ凹部45(キャビティ)は、上型43に形成されている。なお、上型43のクランプ面43aには、リリースフィルム48が張設されている。
【0058】
下型44は、下型ベース(図示せず)に固定して組み付けられた下型クランパ51を有している。下型クランパ51は、ワークWを載置するための平面形状を有する金型ブロックからなる。
【0059】
この下型クランパ51には、載置したワークWを吸着するための吸着孔52が形成されている。この吸着孔52は、例えばコンプレッサを備えた吸着機構に接続されている。ワークWを下型44に載置する際、吸着機構がワークWを吸着することで、下型44からの加熱効率を向上している。
【0060】
また、下型クランパ51には、クランプ時にキャビティ45内を減圧するための減圧孔53が形成されている。この減圧孔53は、例えば真空ポンプを備えた減圧機構に接続されている。減圧したキャビティ45内で樹脂が流動することで、成形時において樹脂封止部の内部にエアが巻き込まれることを防止することができる。なお、下型クランパ51の外周部(上型クランパ47と当接する部分)には、閉鎖空間(気密空間)を形成するために、シール部材54(例えばOリング)が設けられている。
【0061】
次に、プレス部21の動作について詳細に説明する。図10に示すように、型開きした一対の金型にワークWを供給する。ここでのワークWは、樹脂封止部形成前の被成形品の状態である。ワークWは、予備処理部Dのテーブル18からローダ4によって一対の金型内に搬送され、下型44で吸着孔52によって吸着されて載置される。
【0062】
ワークW(基板28)は、電子部品29が実装された面、すなわち顆粒樹脂27が供給された面を上型43側にし、その反対面が下型44のクランプ面44aと接して下型44に載置される。このようにワークWは、上型43に形成されたキャビティ凹部45と供給された顆粒樹脂27とを位置合わせして下型44に載置される。
【0063】
また、図10に示すように、上型43のクランプ面43aに、リリースフィルム48を吸着保持する。ここで、キャビティ凹部45の底部を構成するキャビティ駒46は、樹脂硬化時のキャビティ底部の位置(成形位置)より相対的に退避した退避位置にある。図10に示すように、リリースフィルム48は、キャビティ凹部45の形状に沿うように上型43に吸着しておく。
【0064】
続いて、搬送ハンド4を一対の金型内から退避移動させた後、図11図12に示すように、上型43と下型44とを近接させる。一対の金型は、図示しないヒータによって顆粒樹脂27が溶融される温度(成形温度)に加熱されている。これにより、ワークW上に形成されている中高樹脂部27bに上型43を当接させて中高樹脂部27bの顆粒樹脂27を溶融させる。なお、下型44のクランプ面44aに設けられたシール部材54が、上型43のクランプ面43aにリリースフィルム48を介して当接し始めたときから、キャビティ凹部45を含む金型空間を外部から遮断して脱気しながら閉鎖空間が形成される。
【0065】
続いて、図13図14に示すように、中高樹脂部27bから溶融した樹脂を下地樹脂部27a上に押し広げて、キャビティ45内を樹脂充填する。具体的には、上型43と下型44とをさらに近接させて、上型クランパ47をスプリングに抗して押し戻すことにより、キャビティ駒46の下面が退避位置から成形位置にきて、キャビティ45の深さが浅くなる。その際、キャビティ駒46の下面が溶融した樹脂を押圧し押し拡げる。これによれば、例えば電子部品29の厚さにより下地樹脂部27a表面の高さが異なって表面に凹凸がある場合であっても、その凹凸を埋めるように中高樹脂部27bから溶融した樹脂を下地樹脂部27aの表面上に流すことができる。すなわち、樹脂封止装置1によれば、エアポケットによる未充填などによる成形品(樹脂封止部27c)の成形不良を低減することができる。
【0066】
このように、上型クランパ47を押し戻して、ワークWが上型43のクランプ面43aと下型44のクランプ面44aに挟み込まれて保持された状態で、型締め動作を完了する。このとき、ワークWの電子部品29がキャビティ45内で樹脂27に覆われる。次いで、キャビティ45内に樹脂27を所定樹脂圧に保圧して加熱硬化(キュア)させる。このようにして、樹脂封止装置1のプレス部21では、ワークWを樹脂封止し、樹脂封止部27cを形成することができる。
【0067】
その後、上型43と下型44とを離間して一対の金型を型開きし、上型43および下型44から樹脂封止されたワークWを離型し、アンローダ5によりワークW(成形品)が取り出される。
【0068】
前述したように、樹脂供給部12において、第1供給工程ではワークW上に顆粒樹脂27による下地樹脂部27aを形成し、第2供給工程では下地樹脂部27a上に下地樹脂部27aを形成した顆粒樹脂27よりも少量の顆粒樹脂27による中高樹脂部27bを形成している。このように、下地樹脂部27aによりワークWのほぼ全体を覆うことで、成形時において、ワークW上での樹脂流動を低減し、下地樹脂部27a上で中高樹脂部27bの顆粒樹脂27を流動させることで樹脂流動によって電子部品29に対して加わる力を小さくしている。なお、電子部品29が基板28とボンディングワイヤで電気的に接続されるような場合には、下地樹脂部27aを形成することでワイヤ流れを防止することができ、成形品の成形品質を向上することができる。
【0069】
また、樹脂供給部12において、第2供給工程で下地樹脂部27aの中央部上に中高樹脂部27bを形成している。このため、プレス部21において、下地樹脂部27aの中央部から外周部に向かって、中高樹脂部27bからの溶融した樹脂27を流すことができる。例えば、平面視四角形状のワークWであっても、成形時に四隅まで溶融した樹脂27を行き渡らせることができる。したがって、成形品の隅部において未充填などの成形不良を低減することができる。
【0070】
(実施形態2)
前記実施形態1では、樹脂供給部において、飛散防止枠を設けて、樹脂投下部の先端からワークに投下して供給された顆粒樹脂を飛散させずに所定量堆積させる場合について説明した。本実施形態では、飛散防止枠を設けずに、ワーク上に顆粒樹脂を所定量堆積させる場合について説明する。なお、前記実施形態1と重複する説明は省略する場合がある。
【0071】
図1図1図18を参照して、本実施形態における樹脂供給部12A(ディスペンサ)について説明する。樹脂供給部12Aは、前記実施形態1の樹脂供給部12と同様に、ワーク・樹脂供給部Aに設けられている。
【0072】
この樹脂供給部12Aでは、上述の実施例と同様に、ワークWに顆粒樹脂27を面状に堆積させて供給する第1供給工程と、ワークWに顆粒樹脂27を点状に堆積させて供給する第2供給工程とを有する樹脂供給工程が行われる。この第1および第2供給工程により、樹脂供給部12は、ワークWに一回の樹脂封止量に相当する顆粒樹脂27を供給する。なお、ワークWでは、平面視短冊状(矩形状)の基板28に複数の電子部品29がマトリクス状に整列して実装されている。
【0073】
また、樹脂供給部12Aは、ワークWを載置し、XYZ方向に移動可能なXYZ駆動ステージ31Aと、ステージ31AをXYZ方向に移動可能に支持するXYZ駆動機構33Aと、ワークWの重量(ワークWに供給された樹脂の重量を含む)を測定する重量センサ57とを有している。
【0074】
ステージ31Aは、中央部に厚さ方向に貫通孔31aが形成されている。このため、ステージ31Aは、外周部でワークWを吸着保持する。すなわち、ステージ31Aは、ワークW外周を保持する部分を除いて貫通している。重量センサ57は、ステージ31Aの貫通孔31aを貫通した状態でワークWの重量を測定する。
【0075】
XYZ駆動機構33Aでは、図示しない駆動源により、X軸レール34上でスライダ35がX方向にスライドし、Y軸レールでもあるスライダ35上でスライダ36がY方向にスライドする。このスライダ36上にはZ軸レール55が設けられており、Z軸レール55上でスライダ56がZ方向にスライドする。なお、樹脂供給部12Aでは、ステージ31AがXYZ方向に移動可能に設けられているのに対して、樹脂投下部32Aは固定して設けられている。
【0076】
また、樹脂供給部12Aは、ワークWに顆粒樹脂27を先端から投下する樹脂投下部32A(例えばシュータ)を有している。樹脂投下部32Aが例えばシュータの場合、ホッパより供給された顆粒樹脂27をトラフが受け、電磁フィーダによりトラフを振動させて顆粒樹脂27をトラフの先端側へ送り出して、顆粒樹脂27をトラフの先端からシュータを介してワークWへ投下する。シュータを用いて樹脂投下部32Aの先端を小径にし、ワークWの水平面内へ所定の供給量を所定の位置に顆粒樹脂27をより正確に供給(ライティング)することができる。このため、部位毎に供給量の調整をより精密に行うことができる。また、下方に延出したシュータをワークWに近づけて供給するため、前記実施形態1で用いた飛散防止枠37を用いずに、顆粒樹脂27からなる下地樹脂部27aおよび中高樹脂部27bを容易に形成することができる。
【0077】
このように構成される樹脂供給部12Aにおいて、まず、ステージ31AでワークWを受け取って、図15に示すように、ステージ31Aを下降させることで重量センサ57に載置しワークWの重量を測定する。次いで、スライダ56をZ軸方向に上昇させ、ワークWを重量センサ57からテーブル31Aに受け渡す。
【0078】
次いで、樹脂供給情報(樹脂供給量)に基づいてワークW上に顆粒樹脂を供給(投下)する。樹脂供給部12Aでは、第1供給工程として、ワークWへの顆粒樹脂27の全供給量のうち大半(例えば90%)を1回目の樹脂投下として供給する。この第1供給工程では、樹脂投下部32Aの先端からワークWに顆粒樹脂27を投下して供給しながら(図16参照)、ステージ31AをワークWの水平面内でXY方向に移動させて、ワークW上に下地樹脂部27aを形成する(図17参照)。すなわち、ワークWの所定の領域に満遍なく、供給予定量の大半の顆粒樹脂27を撒く。
【0079】
次いで、樹脂供給部12Aにおいて、第2供給工程は、ワークWへの顆粒樹脂27の全供給量のうち1回目の樹脂投下量を差し引いた残量(例えば10%)を2回目の樹脂投下として供給する。この第2供給工程では、ステージ31Aを移動させずに、樹脂投下部32Aの先端からワークWに顆粒樹脂27を投下して供給して、下地樹脂部27a上に中高樹脂部27bを形成する(図18参照)。
【0080】
このように、ワークW上に顆粒樹脂27を規定量供給した後、ステージ31Aを所定の位置に移動させて、再度重量センサ57で顆粒樹脂27が供給された状態のワークWの重量を測定する。この測定値と、先の測定値との差が、実際にワークW上に供給された顆粒樹脂27の供給量となる。この供給量に基づいてまだ不足があるときには残りの顆粒樹脂27を精密に供給する。このため、樹脂供給部12Aでは、常に所望の供給量でワークWへ顆粒樹脂27を確実に供給することができる。したがって、本実施形態における樹脂供給部12Aを備えた樹脂封止装置1によれば、未充填などによる成形品の成形不良を低減することができる。
【0081】
(実施形態3)
前記実施形態1では、下型に載置させたワークに対して、上型と下型とを近接させることにより、上型を中高樹脂部に当接させて溶融した樹脂を下地樹脂部上に押し広げてキャビティ内を樹脂充填する場合について説明した。これにより、下地樹脂部の表面に凹凸がある場合であっても、下地樹脂部の表面を均さずとも、その凹凸を埋めるように中高樹脂部から溶融した樹脂を下地樹脂部の表面上に流すことができる。本実施形態では、下地樹脂部の表面の凹凸差をより低減するために、ブレードを用いて下地樹脂部の表面を均して整える場合について説明する。なお、前記実施形態1と重複する説明は省略する場合がある。
【0082】
図19に、本実施形態におけるブレード58を示す。このようなブレード58を樹脂供給部12は有しており、ワークWに供給された顆粒樹脂27を均して整えるために用いる。ブレード58は、棒状の板部材の一部を曲折したものである。具体的には、ブレード58には、樹脂供給されるワークWの供給面に平行となる平行部58aおよび平行部58aの中央部から突き上がった曲折部58bが形成されている。
【0083】
例えば、上述の実施例における第2供給工程のようにステージ31Aを移動させずに樹脂投下部32AからワークWに顆粒樹脂27を投下して供給することで、全量の顆粒樹脂27に山盛り状に供給した後、樹脂供給部12では、ワークW上に供給された顆粒樹脂27を、回転軸59で回転させたブレード58で均すことができる。すなわち、平行部58aで下地樹脂部27aを均して整え、曲折部58bで中高樹脂部27bを維持して整える。
【0084】
これによれば、下地樹脂部27aに相当する部位の表面を均すと共に、中高樹脂部27bの形状を形成することができる。このため、下地樹脂部27aに相当する部位の表面には凹凸は発生せず均した表面に中高樹脂部27bから溶融した樹脂を流すことができる。したがって、エアポケットを極めて少なくすることができ、未充填などの成形不良を低減することができる。
【0085】
このようなブレード58に限らず、図20に示すようなブレード58Aであっても良い。ブレード58Aは、棒状の板部材の一部を曲折したものである。具体的には、ブレード58Aは、回転軸59側へ突き上がるように樹脂供給されるワークWの供給面に対して数度程度傾斜(角度θ)したものである。
【0086】
例えば、図5を参照して説明した工程後、樹脂供給部12では、ワークW上に供給された顆粒樹脂27を、回転軸59で回転させたブレード58Aで均す。すなわち、ワークW上に錐状となるように顆粒樹脂27を均して整える。このため、成形時において、均した表面に錐の頂部から溶融した樹脂を流すことができる。このため、中央から外側に向けてボイドを流しつつエアポケットによる未充填などの成形不良を低減することができる。
【0087】
(実施形態4)
前記実施形態1では、ワーク上に樹脂を堆積させたままの状態で、予熱部および冷却部での処理を行った場合について説明した。本実施形態では、予熱部および冷却部において、ワーク上に堆積させた樹脂を型決めして処理を行う場合について説明する。
【0088】
図21に示すように、予熱部16Aは、予熱用ヒータ(図示せず)を内蔵し、対向して配置されて接離動可能な予熱用上型61および予熱用下型62と、熱効率を高めるため上型61および下型62を囲む筐体とを有している。予熱部16Aでは、上型61に形成された凹部61aと、顆粒樹脂27による中高樹脂部27bとを位置合わせして下型62に載置されたワークWに対して、上型61と下型62とを近接させることにより、中高樹脂部27b側から上型61を当接させて(押し付けて)顆粒樹脂27を溶融する。
【0089】
この予熱部16Aの凹部61aにより中高樹脂部27bを残し、中央部の電子部品に対してストレスを加えることなく全体を上側からも直接加熱することができる。また、予熱部16Aの金型面61bにより下地樹脂部27aを平らに型決めすることができる。このような予熱部16Aによれば、迅速に加熱すると共に厚みを減らして加熱しやすくすることができる。また、溶融した樹脂により顆粒樹脂27間のエアを押し出して低減することができる。
【0090】
なお、上型61の凹部61aおよび金型面61bには、樹脂の貼り付き防止のために、テフロン(登録商標)加工を施すことや、離型フィルムを吸着させることなどを行っても良い。
【0091】
図22に示すように、冷却部17Aは、冷却用クーラ(図示せず)を内蔵し、対向して配置されて接離動可能な冷却用上型63および冷却用下型64と、冷却効率を高めるため上型63および下型64を囲む筐体とを有している。冷却部17Aでは、上型63に形成された凹部63aと、顆粒樹脂27による中高樹脂部27bとを位置合わせして下型64に載置されたワークWに対して、上型63と下型64とを近接させることにより、中高樹脂部27b側から上型63を当接させて(押し付けて)ワークWを冷却する。なお、冷却用上型63の凹部63aと、予熱用上型61の凹部61aとは同一の形状である。
【0092】
この冷却部17Aの凹部63aにより、予熱部16Aで加熱された中高樹脂部27bの形状を維持しながら上側からも直接冷却することで迅速に冷却することができる。このため、成形時までのゲルタイムの短縮を抑制することができる。
【0093】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0094】
例えば、前記実施形態1では、1回目および2回目の樹脂投下を、樹脂投下部を用いたライティング方式により行う場合について説明した。これに限らず、1回目および2回目の樹脂投下を、ホルダおよびシャッタを用いた開放方式や、シュータおよび拡散体を用いた拡散方式により行う場合であっても良い。すなわち、樹脂供給部において、1回目の樹脂投下でワーク上に顆粒樹脂による下地樹脂部を形成し、2回目の樹脂投下で下地樹脂部上に顆粒樹脂による中高樹脂部が形成できれば、樹脂投下方法は問わない。したがって、1回目および2回目の樹脂投下を、ライティング方式、開放方式、拡散方式を組み合わせても良い。
【0095】
このような場合であっても、同様に、成形品の成形不良を低減することができる。ただし、拡散方式や開放方式を用いる場合は、1回目および2回目の樹脂投下する領域(すなわち、下地樹脂部の領域と中高樹脂部の領域)に合わせたシュータや、ホルダなどの部材が2組必要となってくる。この点、ライティング方式では、1回目および2回目の樹脂投下の際も、一つの樹脂投下部を用いれば済むので、樹脂封止装置(樹脂供給部)の部品点数を抑制することができる。
【0096】
例えば、前記実施形態1では、下地樹脂部形成の1回目の樹脂投下がされた被供給部(ワーク)に対して、中高樹脂部形成の2回目の樹脂投下を、被供給部の1箇所(中央部)に行う場合について説明した。これに限らず、平面視矩形状のワークに対して、2回目の樹脂投下を複数箇所(例えば被供給部の長手方向に2箇所)に行う場合であっても良い。
【0097】
平面視矩形状(特に短冊状)の被供給部では、中央部の1箇所に2回目の樹脂投下を行ったとしても、成形時に被供給部の隅まで樹脂が行き渡らないことも考えられる。これに対して、2回目の樹脂投下を複数箇所に行うことで、成形時に平面視矩形状の被供給部の隅まで樹脂を行き渡らせることができる。したがって、未充填などの成形品の成形不良を低減することができる。
【0098】
例えば、前記実施形態1では、被供給部(ワーク)の平面視形状が矩形状の場合について説明した。これに限らず、平面視形状が矩形状を含む多角形状や、円形状の場合であっても良い。平面視形状が異なる被供給部であっても、1回目の樹脂投下により下地樹脂部を形成し、2回目の樹脂投下により中高樹脂部を形成すれば、同様に、成形品の成形不良を低減することができる。
【0099】
例えば、前記実施形態1では、被供給部(ワーク)として、電子部品が実装された基板を適用した場合について説明した。これに限らず、被供給部として、ウェハ、キャリアステージ、短冊式やロール式のフィルムを適用する場合であっても良い。供給対象が異なっても、1回目の樹脂投下により下地樹脂部を形成し、2回目の樹脂投下により中高樹脂部を形成すれば、同様に、成形品の成形不良を低減することができる。
【0100】
例えば、前記実施形態1では、基板上にマトリクス状に実装された複数の電子部品のうち、内列側の電子部品は全てが顆粒樹脂で覆われ、外列側の電子部品は一部が顆粒樹脂で覆われるようにした場合について説明した。これに限らず、外列側の電子部品も全て顆粒樹脂で覆っても良い。成形品として最終的には全ての電子部品が顆粒樹脂で覆われるからである。
【0101】
例えば、前記実施形態1では、予備処理部において、予熱部および冷却部を設けた場合について説明した。これに限らず、予備処理部では、冷却部を設けなくとも良い。これにより、ワークを予熱しておくことで、プレス部のキャビティ内で顆粒樹脂を加熱硬化して樹脂封止部を形成する際、成形温度まで昇温すべき温度を小さくすることができる。また、ワークを予熱しておくことで、ワーク全体が熱を帯びるので、成形時において熱伝導し易くなる。したがって、樹脂封止装置が行う処理の中で、最も時間の掛かるプレス部による処理時間を短縮することができ、成形品の製造コストを低減することができる。
【0102】
例えば、樹脂投下部よりワーク面内に顆粒樹脂を投下するライティングとしては、図23A図23Fに示すような種々の供給形状のパターンも考えられる。図23A図23Cは平面視矩形状のワークに対してのパターン、図23D図23Fは平面視円形状のワークに対してのパターンを示す。図23A図23Dは一方向の走査を繰り返して面内全体を走査させたパターンである。図23B図23Eはワーク形状に相似した走査をワークの中心で同心を描くように面内全体を走査させたパターンである。図23C図23Fはワーク形状に沿うように、中心をワークの中心とした渦巻きを描くように面内全体を走査させたパターンである。
【0103】
図23B図23C図23E図23Fのようなパターンでは、ワーク面内に所定量の顆粒樹脂を均一に供給したい場合、例えばワークの外周部から中央部に走査させたときは、一定の投下量、一定の走査速度で顆粒樹脂を外周部に供給し、中央部に対しては投下量、走査速度を調整して、中央部で顆粒樹脂が過不足なく供給することもできる。また、図23B図23C図23E図23Fのようなパターンでは、ワーク中央部に中高樹脂部を形成するように供給したい場合、例えばワークの外周部から中央部に走査させたときは、一定の投下量、一定の走査速度で顆粒樹脂を外周部に供給し、中央部に対しては投下量、走査速度を調整して、中央部で顆粒樹脂を多く供給することもできる。
【0104】
例えば、本発明に係る樹脂封止装置に適用されるワークとしては、図24A図24Gに示すような種々のもの(破線は封止後の外形状を示す)も考えられる。図24Aはウェハ上に複数のバンプが実装されたワークである。図24Bはウェハ上に複数の半導体チップまたはTSV(Through Silicon Via)の積層チップが実装されたワークである。図24Cはウェハ(基板)上に複数の受発光チップ(半導体チップ)が実装されたワークである。図24Dはウェハ上に複数のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)チップが実装されたワークである。図24Eはインタポーザ基板上に複数の半導体チップとバンプまたはピアが実装されたワークである。図24Fは基板上に複数の積層チップとビアが実装されたワークである。図24Gはキャリア(例えばステンレス、ガラス、ウェハ)上に熱剥離シートなどの剥離シートを介して複数の半導体チップが固定されたワークである。これらに同図に破線で示すような形状のパッケージに類似する形状に樹脂を供給することもできる。
【0105】
例えば、樹脂供給部の動作制御系としては、図25に示すような構成も考えられる。この構成では、入力部、制御部、送信部および表示部を備えたPC(Personal Computer)と、受信部、制御部、記憶部およびテーブル(ステージ)駆動部を備えた樹脂封止装置とが通信可能に接続されている。パターンID毎に駆動制御パターンをPC側で作成し、樹脂封止装置に送信し、記憶させる。樹脂封止装置側では、製品(ワーク)毎にパターンIDを設定しておき、これを読み出して所望のパターン(実供給パターン)となるように樹脂を供給する。テーブルの動き始めでは速度が安定しないので、駆動制御パターンにダミーパターンを含めておき、テーブルの移動速度が一定になってから、樹脂を供給することもできる。
【0106】
例えば、前記実施形態1では、樹脂投下部が固定され、ワーク載置部が移動(走査)される場合について説明した。これに限らず、樹脂投下部が移動(走査)され、ワーク載置部が固定される場合であっても良い。この場合、顆粒樹脂の供給を精度良く行う場合には樹脂投下部およびその周辺の可動部が大型化し、必ずしも適当ではないが、樹脂投下部をワーク載置部に対してXY方向に走査して顆粒樹脂を投下することができる。
【0107】
以下では、ワーク載置部を固定し、樹脂投下部を移動した構成であっても、顆粒樹脂の供給を精度良く行うことができる技術について、図26を参照して説明する。図26は、樹脂供給部12の変形例(以下、樹脂供給部12Bと記す)を説明するための図である。なお、ワークWへ顆粒樹脂をトラフ102(破線で示した位置)の先端から投下する際には、その先端の直下にステージ110(ワーク載置部)が配置されることとなる。
【0108】
樹脂供給部12Bは、少なくとも1回のモールド成形に要する分量以上の顆粒樹脂を保持して移動し、顆粒樹脂をワークWに投下して供給する可動部100と、顆粒樹脂を貯留し可動部に供給する、固定された第1貯留部101(固定部)とを備えている。また、樹脂供給部12Bは、テーブル110(ワーク載置部)に設けられ、ワークWが載置された状態で、ワークWに投下される顆粒樹脂の重さを計量する、言い換えると顆粒樹脂の投下量を測定する重量計111を備えている。
【0109】
可動部100は、先端からワークWに顆粒樹脂を投下するトラフ102(樹脂投下部)と、トラフ102を振動させて顆粒樹脂をトラフ102の先端側へ送り出し投下させる電磁フィーダ103と、トラフ102に送り出す顆粒樹脂を少なくともワークWの成形1回分を一時的に貯留(保持)する第2貯留部104(樹脂保持部)とを備えている。この可動部100は、駆動機構105により吊り下げ支持されXYZ方向に移動可能に構成されている。また、可動部100は、保持する顆粒樹脂の重量や体積を計測することで保持している顆粒樹脂の総量が1回のモールド成形に要する分量を下回ったときには、固定部側に移動し顆粒樹脂を受け取り補充するように、制御される。なお、第2貯留部104に貯留する顆粒樹脂はワークWの成形1回分よりも少ない量であってもよく、この場合にはワークWに対して部分的な供給を繰り返し行うことで、より大型のワークWの成形を行うこともできる。
【0110】
第1貯留部101は、作業者により補充されて多数のワーク成形に用いられる顆粒樹脂を貯留するホッパ107を備え、可動部100が第1貯留部101に近接した所定位置に移動してきたときに第2貯留部104に顆粒樹脂を供給する。
【0111】
樹脂供給部12Bによれば、トラフ102およびその周辺を含めた可動部100を軽量化、小型化することができて、トラフ102の移動がスムーズになり、駆動機構105の小型化もできる。また、重量計111で測定した投下量と、投下予定量との誤差を補正することができる。これらは、未充填などの成形不良を低減することに繋がる。
【0112】
次に、樹脂供給部12Bを用いた樹脂供給工程(樹脂投下工程)について説明する。この樹脂供給工程では、例えば底面が平面のトラフ102を用い、幅方向において均一な量の顆粒樹脂を投下しながら等速で移動させることで、ワークW上に均一な厚みで顆粒樹脂を投下することができる。
【0113】
具体的には、顆粒樹脂を投下しながらトラフ102の長さ方向に進退させることでワークW上にトラフ102の幅に相当する幅で顆粒樹脂を投下する動作と、顆粒樹脂を投下させずに可動部100を移動させながら先に投下した領域に隣接する領域に投下できる所定の投下開始位置まで移動させる動作とを繰り返し行うことで、ワークの全面に顆粒樹脂を供給する(図23A参照)。
【0114】
これにより、1回の投下動作により1列の帯状の領域に顆粒樹脂が投下されるため、これを繰り返すことで帯状の領域を並べた領域に顆粒樹脂が均一に供給される。この場合、領域1列ごとの供給量を重量計111で測定し予定量との誤差を補正するように次の領域における投下量を調整していくことで1つのワークWにおける投下量の総量の誤差を極力減らすことができる。
【0115】
また、1回の投下動作により形成される1列の帯状の領域が部分的または全体的に重なるように投下してもよい。例えば、ワークW上においてマトリックス状に実装された半導体チップの間に顆粒樹脂を投下するときは帯状の領域を繰り返し形成するように投下することで、チップ上に顆粒樹脂を投下するときと比較して供給量を増やすこともできる。これにより、ワークW上に投下された顆粒樹脂の上面の凹凸を少なくして圧縮成形における樹脂流動を減らすことで成形品質を向上することもできる。また、帯状の領域が重なるように顆粒樹脂を供給することで、この帯状の領域の幅の半分相当ずらしていきながら投下動作を繰り返すことで同一の厚みで供給したり、部分的に厚みを変えることもできる。
【0116】
このような構成によれば、少量の顆粒樹脂を保持した可動部100のみを駆動することで、装置の大型化を防止すると共にワークW上の顆粒樹脂からの飛散を防止し、またワークWにストレスを与えることなく投下動作を行うことができる。また、部分的に投下した顆粒樹脂が飛散してもトラフ102や第2貯留部104よりも上側に配置される駆動機構105が汚されることはなく、メンテナンス性を向上することができる。
【0117】
なお、ワークWの大きさなどにより幅の異なるトラフ102を交換可能な構成とするのが好ましい。この場合、大きなワークWでは幅広のトラフ102を使用すると共に小さなワークWでは幅狭のトラフ102を使用することで、ワークWが大きくなったときに投下動作の回数を減らし投下に要する時間を短くしたり、投下する形状に合わせて投下しやすくしたりといったように、ワークWに応じた対応が可能となる。
【0118】
また、樹脂供給部12Bを用いて、前記実施形態1で説明した技術のような樹脂供給を行うこともできる。具体的には、駆動機構105によってテーブル110に対してトラフ102を相対的に移動させながら、トラフ102の先端からワークW上に顆粒樹脂を連続投下するライティングにより下地樹脂部を形成し、この中央部に中高樹脂部を形成することもできる。
図1
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