特許第5731073号(P5731073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5731073半導体装置の製造方法、及び、半導体装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5731073
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法、及び、半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20150521BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
   H01L29/78 301X
   H01L29/78 301G
【請求項の数】14
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-535845(P2014-535845)
(86)(22)【出願日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】JP2013066559
【審査請求日】2014年7月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】311014428
【氏名又は名称】ユニサンティス エレクトロニクス シンガポール プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Unisantis Electronics Singapore Pte Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】舛岡 富士雄
(72)【発明者】
【氏名】中村 広記
【審査官】 宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−251678(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/110050(WO,A1)
【文献】 特開2003−179132(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/093988(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/069102(WO,A1)
【文献】 特開平09−186332(JP,A)
【文献】 特開昭62−156873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上にフィン状半導体層を形成し、前記フィン状半導体層の周囲に第1の絶縁膜を形成する第1工程と、
前記第1工程の後、柱状半導体層と第1のポリシリコンによる第1のダミーゲートを形成する第2工程と、
前記第2工程の後、前記第1のダミーゲートと前記柱状半導体層の側壁に第2のダミーゲートを形成する第3工程と、
前記第3工程の後、前記第2のダミーゲートの周囲に、サイドウォール状に残存させ、第5の絶縁膜からなるサイドウォールを形成し、前記フィン状半導体層上部と前記柱状半導体層下部に第2の拡散層を形成し、前記第2の拡散層上に金属と半導体の化合物を形成する第4工程と、
前記第4の工程の後、ゲート電極及びゲート配線を形成する第5工程と、
前記第5の工程の後、第6の絶縁膜を堆積し、前記柱状半導体層上部に形成するコンタクト孔のための第3のレジストを形成し、前記第6の絶縁膜をエッチングすることにより前記柱状半導体層上部にコンタクト孔を形成し、前記第3のレジストを除去し、第2のゲート絶縁膜を堆積し、第2の金属を堆積し、エッチバックを行い、前記柱状半導体層上の前記第2のゲート絶縁膜を除去することにより、前記柱状半導体層上部側壁に金属サイドウォールを形成し、第3の金属を堆積することにより、前記金属サイドウォール上部と前記柱状半導体層上部を接続するコンタクトを形成する第6工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第2工程は、
前記フィン状半導体層の周囲に第2の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜の上に前記第1のポリシリコンを堆積し平坦化し、
前記ゲート配線と前記柱状半導体層を形成するための第2のレジストを、前記フィン状半導体層の方向に対して垂直の方向に形成し、
前記第1のポリシリコンと前記第2の絶縁膜と前記フィン状半導体層をエッチングすることにより、前記柱状半導体層と前記第1のポリシリコンによる前記第1のダミーゲートを形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第3工程は、前記柱状半導体層と前記第1のダミーゲートの周囲に第4の絶縁膜を形成し、前記第4の絶縁膜の周囲に第2のポリシリコンを堆積し、エッチングをすることにより、前記第1のダミーゲートと前記柱状半導体層の側壁に残存させ、前記第2のダミーゲートを形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第4工程は、前記第2のダミーゲートの周囲に、前記第5の絶縁膜を形成し、エッチングをし、サイドウォール状に残存させ、前記第5の絶縁膜からなるサイドウォールを形成し、前記フィン状半導体層上部と前記柱状半導体層下部に前記第2の拡散層を形成し、前記第2の拡散層上に前記金属と半導体の化合物を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第5工程は、層間絶縁膜を堆積し化学機械研磨し、前記第2のダミーゲートと前記第1のダミーゲートの上部を露出し、前記第2のダミーゲートと前記第1のダミーゲートを除去し、前記第2の絶縁膜と前記第4の絶縁膜を除去し、第1のゲート絶縁膜を前記柱状半導体層の周囲と前記第5の絶縁膜の内側に形成し、第1の金属を堆積し、エッチバックを行い、前記ゲート電極及び前記ゲート配線を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の絶縁膜の上に前記第1のポリシリコンを堆積し平坦化後、前記第1のポリシリコン上に第3の絶縁膜を形成することをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第4の工程の後、コンタクトストッパ膜を堆積することをさらに有することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第5工程の後、前記第1のゲート絶縁膜を除去する工程をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記金属サイドウォールの金属の仕事関数は、4.0eVから4.2eVの間であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記金属サイドウォールの金属の仕事関数は、5.0eVから5.2eVの間であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
半導体基板上に形成されたフィン状半導体層と、
前記フィン状半導体層の周囲に形成された第1の絶縁膜と、
前記フィン状半導体層上に形成された柱状半導体層と、前記柱状半導体層の前記フィン状半導体層に直交する方向の幅は前記フィン状半導体層自身に直交する方向の前記フィン状半導体層の幅と同じであり、
前記柱状半導体層の周囲に形成された第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜の周囲に形成された金属からなるゲート電極と、
前記ゲート電極に接続された前記フィン状半導体層に直交する方向に延在する金属からなるゲート配線と、
前記ゲート電極と前記ゲート配線の周囲と底部に形成された前記第1のゲート絶縁膜と、前記ゲート電極の外側の幅と前記ゲート配線の幅は同じであり、
前記フィン状半導体層の上部と前記柱状半導体層の下部に形成された第2の拡散層と、
前記柱状半導体層の上部側壁の周囲に形成された第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜の周囲に形成された金属サイドウォールと、
前記金属サイドウォールの上部と前記柱状半導体層上部とを接続するコンタクトと、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
前記金属サイドウォールの周囲と底部に形成された前記第2のゲート絶縁膜をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記金属サイドウォールの金属の仕事関数は、4.0eVから4.2eVの間であることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記金属サイドウォールの金属の仕事関数は、5.0eVから5.2eVの間であることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造方法、及び、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路、特にMOSトランジスタを用いた集積回路は、高集積化の一途を辿っている。この高集積化に伴って、その中で用いられているMOSトランジスタはナノ領域まで微細化が進んでいる。このようなMOSトランジスタの微細化が進むと、リーク電流の抑制が困難であり、必要な電流量確保の要請から回路の占有面積をなかなか小さくできない、といった問題があった。このような問題を解決するために、基板に対してソース、ゲート、ドレインが垂直方向に配置され、ゲート電極が柱状半導体層を取り囲む構造のSurrounding Gate Transistor(以下、「SGT」という。)が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。
【0003】
従来のSGTの製造方法では、シリコン柱を描画するためのマスクを用いて窒化膜ハードマスクが柱状に形成されたシリコン柱を形成し、平面状シリコン層を描画するためのマスクを用いてシリコン柱底部に平面状シリコン層を形成し、ゲート配線を描画するためのマスクを用いてゲート配線を形成している(例えば特許文献4を参照)。
すなわち、3つのマスクを用いてシリコン柱、平面状シリコン層、ゲート配線を形成している。
【0004】
また、従来のMOSトランジスタにおいて、メタルゲートプロセスと高温プロセスを両立させるために、高温プロセス後にメタルゲートを作成するメタルゲートラストプロセスが実際の製品で用いられている(非特許文献1)。ポリシリコンでゲートを作成し、その後、層間絶縁膜を堆積後、化学機械研磨によりポリシリコンゲートを露出し、ポリシリコンゲートをエッチング後、メタルを堆積している。そのためSGTにおいてもメタルゲートプロセスと高温プロセスを両立させるために、高温プロセス後にメタルゲートを作成するメタルゲートラストプロセスを用いる必要がある。
【0005】
メタルゲートラストプロセスでは、ポリシリコンゲートを形成後、イオン注入により拡散層を形成している。SGTでは、柱状シリコン層上部がポリシリコンゲートに覆われるため工夫が必要である。
【0006】
シリコン柱が細くなると、シリコンの密度は5×1022個/cm3であるから、シリコン柱内に不純物を存在させることが難しくなってくる。
【0007】
従来のSGTでは、チャネル濃度を1017cm-3以下と低不純物濃度とし、ゲート材料の仕事関数を変えることによってしきい値電圧を決定することが提案されている(例えば、特許文献5を参照)。
【0008】
平面型MOSトランジスタにおいて、LDD領域のサイドウォールが低濃度層と同一の導電型を有する多結晶シリコンにより形成され、LDD領域の表面キャリアがその仕事関数差によって誘起され、酸化膜サイドウォールLDD型MOSトランジスタに比してLDD領域のインピーダンスが低減できることが示されている(例えば、特許文献6を参照)。その多結晶シリコンサイドウォールは電気的にゲート電極と絶縁されていることが示されている。また図中には多結晶シリコンサイドウォールとソース・ドレインとは層間絶縁膜により絶縁していることが示されている。
【0009】
また、ゲート配線と基板間の寄生容量を低減するために、従来のMOSトランジスタでは、第1の絶縁膜を用いている。例えばFINFET(非特許文献2)では、1つのフィン状半導体層の周囲に第1の絶縁膜を形成し、第1の絶縁膜をエッチバックし、フィン状半導体層を露出し、ゲート配線と基板間の寄生容量を低減している。そのためSGTにおいてもゲート配線と基板間の寄生容量を低減するために第1の絶縁膜を用いる必要がある。SGTではフィン状半導体層に加えて、柱状半導体層があるため、柱状半導体層を形成するための工夫が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平2−71556号公報
【特許文献2】特開平2−188966号公報
【特許文献3】特開平3−145761号公報
【特許文献4】特開2009−182317号公報
【特許文献5】特開2004−356314号公報
【特許文献6】特開平11−297984号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】IEDM2007 K.Mistry et.al, pp 247-250
【非特許文献2】IEDM2010 CC.Wu, et. al, 27.1.1-27.1.4.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、2個のマスクで、フィン状半導体層、柱状半導体層、ゲート電極とゲート配線を形成し、ゲートラストプロセスであり、柱状半導体層上部を金属と半導体との仕事関数差によってn型半導体層もしくはp型半導体層として機能させる構造を持つSGTの製造方法と、その結果得られるSGTの構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板上にフィン状半導体層を形成し、前記フィン状半導体層の周囲に第1の絶縁膜を形成する第1工程と、前記第1工程の後、柱状半導体層と第1のポリシリコンによる第1のダミーゲートを形成する第2工程と、前記第2工程の後、前記第1のダミーゲートと前記柱状半導体層の側壁に第2のダミーゲートを形成する第3工程と、前記第3工程の後、前記第2のダミーゲートの周囲に、サイドウォール状に残存させ、第5の絶縁膜からなるサイドウォールを形成し、前記フィン状半導体層上部と前記柱状半導体層下部に第2の拡散層を形成し、前記第2の拡散層上に金属と半導体の化合物を形成する第4工程と、前記第4の工程の後、ゲート電極及びゲート配線を形成する第5工程と、前記第5の工程の後、第6の絶縁膜を堆積し、前記柱状半導体層上部に形成するコンタクト孔のための第3のレジストを形成し、前記第6の絶縁膜をエッチングすることにより前記柱状半導体層上部にコンタクト孔を形成し、前記第3のレジストを除去し、第2のゲート絶縁膜を堆積し、第2の金属を堆積し、エッチバックを行い、前記柱状半導体層上の前記第2のゲート絶縁膜を除去することにより、前記柱状半導体層上部側壁に金属サイドウォールを形成し、第3の金属を堆積することにより、前記金属サイドウォール上部と前記柱状半導体層上部を接続するコンタクトを形成する第6工程と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、前記第2工程は、前記フィン状半導体層の周囲に第2の絶縁膜を形成し、前記第2の絶縁膜の上に前記第1のポリシリコンを堆積し平坦化し、前記ゲート配線と前記柱状半導体層を形成するための第2のレジストを、前記フィン状半導体層の方向に対して垂直の方向に形成し、前記第1のポリシリコンと前記第2の絶縁膜と前記フィン状半導体層をエッチングすることにより、前記柱状半導体層と前記第1のポリシリコンによる前記第1のダミーゲートを形成することを特徴とする。
【0015】
また、前記第3工程は、前記柱状半導体層と前記第1のダミーゲートの周囲に第4の絶縁膜を形成し、前記第4の絶縁膜の周囲に第2のポリシリコンを堆積し、エッチングをすることにより、前記第1のダミーゲートと前記柱状半導体層の側壁に残存させ、前記第2のダミーゲートを形成することを特徴とする。
【0016】
また、前記第4工程は、前記第2のダミーゲートの周囲に、前記第5の絶縁膜を形成し、エッチングをし、サイドウォール状に残存させ、前記第5の絶縁膜からなるサイドウォールを形成し、前記フィン状半導体層上部と前記柱状半導体層下部に前記第2の拡散層を形成し、前記第2の拡散層上に前記金属と半導体の化合物を形成することを特徴とする。
【0017】
また、前記第5工程は、層間絶縁膜を堆積し化学機械研磨し、前記第2のダミーゲートと前記第1のダミーゲートの上部を露出し、前記第2のダミーゲートと前記第1のダミーゲートを除去し、前記第2の絶縁膜と前記第4の絶縁膜を除去し、第1のゲート絶縁膜を前記柱状半導体層の周囲と前記第5の絶縁膜の内側に形成し、第1の金属を堆積し、エッチバックを行い、前記ゲート電極及び前記ゲート配線を形成することを特徴とする。
【0018】
また、前記第2の絶縁膜の上に前記第1のポリシリコンを堆積し平坦化後、前記第1のポリシリコン上に第3の絶縁膜を形成することをさらに含むことを特徴とする。
【0019】
また、前記第4の工程の後、コンタクトストッパ膜を堆積することをさらに有することを特徴とする。
【0020】
また、前記第5工程の後、前記第1のゲート絶縁膜を除去する工程をさらに有することを特徴とする。
【0021】
また、前記金属サイドウォールの金属の仕事関数は、4.0eVから4.2eVの間であることを特徴とする。
【0022】
また、前記金属サイドウォールの金属の仕事関数は、5.0eVから5.2eVの間であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の半導体装置は、半導体基板上に形成されたフィン状半導体層と、前記フィン状半導体層の周囲に形成された第1の絶縁膜と、前記フィン状半導体層上に形成された柱状半導体層と、ここで、前記柱状半導体層のフィン状半導体層に直交する方向の幅は前記フィン状半導体層自身に直交する方向の幅と同じであり、前記柱状半導体層の周囲に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜の周囲に形成された金属からなるゲート電極と、前記ゲート電極に接続された前記フィン状半導体層に直交する方向に延在する金属からなるゲート配線と、ここで、前記ゲート電極と前記ゲート配線の周囲と底部に形成された前記第1のゲート絶縁膜と、前記ゲート電極の外側の幅と前記ゲート配線の幅は同じであり、前記フィン状半導体層の上部と前記柱状半導体層の下部に形成された第2の拡散層と、前記柱状半導体層の上部側壁の周囲に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜の周囲に形成された金属サイドウォールと、前記金属サイドウォールの上部と前記柱状半導体層上部とを接続するコンタクトと、を有することを特徴とする。
【0024】
また、前記金属サイドウォールの周囲と底部に形成された前記第2のゲート絶縁膜をさらに有することを特徴とする。
【0025】
また、前記金属サイドウォールの金属の仕事関数は、4.0eVから4.2eVの間であることを特徴とする。
【0026】
また、前記金属サイドウォールの金属の仕事関数は、5.0eVから5.2eVの間であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、2個のマスクで、フィン状半導体層、柱状半導体層、ゲート電極とゲート配線を形成し、ゲートラストプロセスであり、柱状半導体層上部を金属と半導体との仕事関数差によってn型半導体層もしくはp型半導体層として機能させる構造を持つSGTの製造方法と、その結果得られるSGTの構造を提供することができる。
【0028】
半導体基板上にフィン状半導体層を形成し、前記フィン状半導体層の周囲に第1の絶縁膜を形成する第1工程と、前記第1工程の後、前記フィン状半導体層の周囲に第2の絶縁膜を形成し、前記第2の絶縁膜の上に第1のポリシリコンを堆積し平坦化し、ゲート配線と柱状半導体層を形成するための第2のレジストを、前記フィン状半導体層の方向に対して垂直の方向に形成し、前記第1のポリシリコンと前記第2の絶縁膜と前記フィン状半導体層をエッチングすることにより、柱状半導体層と前記第1のポリシリコンによる第1のダミーゲートを形成する第2工程と、前記第2工程の後、前記柱状半導体層と前記第1のダミーゲートの周囲に第4の絶縁膜を形成し、前記第4の絶縁膜の周囲に第2のポリシリコンを堆積し、エッチングをすることにより、前記第1のダミーゲートと前記柱状半導体層の側壁に残存させ、第2のダミーゲートを形成する第3工程と、前記第2のダミーゲートの周囲に、第5の絶縁膜を形成し、エッチングをし、サイドウォール状に残存させ、前記第5の絶縁膜からなるサイドウォールを形成し、前記フィン状半導体層上部と前記柱状半導体層下部に第2の拡散層を形成し、前記第2の拡散層上に金属と半導体の化合物を形成する第4工程と、前記第4の工程の後、層間絶縁膜を堆積し化学機械研磨し、前記第2のダミーゲートと前記第1のダミーゲートの上部を露出し、前記第2のダミーゲートと前記第1のダミーゲートを除去し、前記第2の絶縁膜と前記第4の絶縁膜を除去し、第1のゲート絶縁膜を前記柱状半導体層の周囲と前記第5の絶縁膜の内側に形成し、第1の金属を堆積し、エッチバックを行い、ゲート電極及びゲート配線を形成する第5工程と、により、2個のマスクで、フィン状半導体層、柱状半導体層、後にゲート電極とゲート配線となる第1のダミーゲート及び第2のダミーゲートを形成することができ、工程数を削減することができる。
【0029】
柱状半導体層と、ゲート配線との合わせずれをなくすことができる。
【0030】
また、ポリシリコンで第1のダミーゲートと第2のダミーゲートを作成し、その後、層間絶縁膜を堆積後、化学機械研磨により第1のダミーゲートと第2のダミーゲートを露出し、ポリシリコンゲートをエッチング後、金属を堆積する従来のメタルゲートラストの製造方法を用いることができるため、メタルゲートSGTを容易に形成できる。
【0031】
また、前記第5の工程の後、第6の絶縁膜を堆積し、前記柱状半導体層上部に形成するコンタクト孔のための第3のレジストを形成し、前記第6の絶縁膜をエッチングすることにより前記柱状半導体層上部にコンタクト孔を形成し、前記第3のレジストを除去し、第2のゲート絶縁膜を堆積し、第2の金属を堆積し、エッチバックを行い、前記柱状半導体層上の前記第2のゲート絶縁膜を除去することにより、前記柱状半導体層上部側壁に金属サイドウォールを形成し、第3の金属を堆積することにより、前記金属サイドウォール上部と前記柱状半導体層上部を接続するコンタクトを形成する第6工程と、を有することにより、柱状半導体層上部に拡散層を形成することが不要となる。
【0032】
メタルゲートラストプロセスをSGTに適用しようとすると、柱状半導体層上部がポリシリコンゲートに覆われるため、柱状半導体層上部に拡散層を形成することが難しい。従って、ポリシリコンゲート形成前に柱状半導体層上部に拡散層を形成することとなる。一方、本発明では、柱状半導体層上部に拡散層を形成せず、柱状半導体層上部を金属と半導体との仕事関数差によってn型半導体層もしくはp型半導体層として機能させることができる。従って、柱状半導体層上部に拡散層を形成する工程を削減することができる。
【0033】
また、前記ゲート電極と前記ゲート配線の周囲と底部に形成された前記第1のゲート絶縁膜により、ゲート電極とゲート配線とは、柱状半導体層とフィン状半導体層とから絶縁をすることができる。
【0034】
また、前記金属サイドウォールの周囲と底部に形成された前記第2のゲート絶縁膜をさらに有することにより、コンタクト孔エッチング後にゲート電極とゲート配線が露出していたとしても、その後に第2のゲート絶縁膜が形成されることから、金属サイドウォールは、ゲート電極とゲート配線と絶縁することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】(a)は本発明に係る半導体装置の平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図2】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図3】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図4】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図5】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図6】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図7】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図8】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図9】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図10】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図11】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図12】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図13】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図14】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図15】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図16】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図17】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図18】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図19】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図20】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図21】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図22】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図23】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図24】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図25】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図26】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図27】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図28】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図29】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図30】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図31】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図32】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図33】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図34】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図35】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図36】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図37】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図38】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図39】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図40】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図41】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
図42】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法に係る平面図である。(b)は(a)のX−X’線での断面図である。(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に、本発明の実施形態に係るSGTの構造を形成するための製造工程を、図2図42を参照して説明する。
【0037】
まず、半導体基板上にフィン状半導体層を形成し、前記フィン状半導体層の周囲に第1の絶縁膜を形成する第1工程を示す。本実施例では、シリコン基板としたが、他の半導体からなる基板とすることもできる。
【0038】
図2に示すように、シリコン基板101上にフィン状シリコン層を形成するための第1のレジスト102を形成する。
【0039】
図3に示すように、シリコン基板101をエッチングし、フィン状シリコン層103を形成する。今回はレジストをマスクとしてフィン状シリコン層を形成したが、酸化膜や窒化膜といったハードマスクを用いてもよい。
【0040】
図4に示すように、第1のレジスト102を除去する。
【0041】
図5に示すように、フィン状シリコン層103の周囲に第1の絶縁膜104を堆積する。第1の絶縁膜として高密度プラズマによる酸化膜や低圧CVD(Chemical Vapor Deposition)による酸化膜を用いてもよい。
【0042】
図6に示すように、第1の絶縁膜104をエッチバックし、フィン状シリコン層103の上部を露出する。ここまでは、非特許文献2のフィン状シリコン層の製法と同じである。
【0043】
以上によりシリコン基板101上にフィン状シリコン層103を形成し、前記フィン状シリコン層103の周囲に第一の絶縁膜104を形成する第1工程が示された。
【0044】
次に、前記フィン状半導体層の周囲に第2の絶縁膜を形成し、前記第2の絶縁膜の上に第1のポリシリコンを堆積し平坦化し、ゲート配線と柱状半導体層を形成するための第2のレジストを、前記フィン状半導体層の方向に対して垂直の方向に形成し、前記第1のポリシリコンと前記第2の絶縁膜と前記フィン状半導体層をエッチングすることにより、柱状半導体層と前記第1のポリシリコンによる第1のダミーゲートを形成する第2工程を示す。
【0045】
図7に示すように、前記フィン状シリコン層103の周囲に第2の絶縁膜105を形成する。第2の絶縁膜105は、酸化膜が好ましい。
【0046】
図8に示すように、前記第2の絶縁膜105の上に第1のポリシリコン106を堆積し平坦化する。
【0047】
図9に示すように、前記第1のポリシリコン106上に第3の絶縁膜107を形成する。第3の絶縁膜107は、窒化膜が好ましい。
【0048】
図10に示すように、ゲート配線と柱状シリコン層を形成するための第2のレジスト108を、前記フィン状シリコン層103の方向に対して垂直の方向に形成する。
【0049】
図11に示すように、前記第3の絶縁膜107と前記第1のポリシリコン106と前記第2の絶縁膜105と前記フィン状シリコン層103をエッチングすることにより、柱状シリコン層109と前記第1のポリシリコンによる第1のダミーゲート106を形成する。このとき、第2のレジストがエッチング中に除去された場合、第3の絶縁膜107がハードマスクとして機能する。第2のレジストがエッチング中に除去されないとき、第3の絶縁膜を使用しなくてもよい。
【0050】
図12に示すように、第2のレジスト108を除去する。
【0051】
以上により、前記フィン状半導体層の周囲に第2の絶縁膜を形成し、前記第2の絶縁膜の上に第1のポリシリコンを堆積し平坦化し、ゲート配線と柱状半導体層を形成するための第2のレジストを、前記フィン状半導体層の方向に対して垂直の方向に形成し、前記第1のポリシリコンと前記第2の絶縁膜と前記フィン状半導体層をエッチングすることにより、柱状半導体層と前記第1のポリシリコンによる第1のダミーゲートを形成する第2工程が示された。
【0052】
次に、前記第2工程の後、前記柱状半導体層と前記第1のダミーゲートの周囲に第4の絶縁膜を形成し、前記第4の絶縁膜の周囲に第2のポリシリコンを堆積し、エッチングをすることにより、前記第1のダミーゲートと前記柱状半導体層の側壁に残存させ、第2のダミーゲートを形成する第3工程を示す。
【0053】
図13に示すように、前記柱状シリコン層109と前記第1のダミーゲート106の周囲に第4の絶縁膜110を形成する。第4の絶縁膜110は、酸化膜が好ましい。
【0054】
図14に示すように、前記第4の絶縁膜110の周囲に第2のポリシリコン113を堆積する。
【0055】
図15に示すように、第2のポリシリコン113をエッチングすることにより、前記第1のダミーゲート106と前記柱状シリコン層109の側壁に残存させ、第2のダミーゲート113を形成する
【0056】
以上により、前記第2工程の後、前記柱状半導体層と前記第1のダミーゲートの周囲に第4の絶縁膜を形成し、前記第4の絶縁膜の周囲に第2のポリシリコンを堆積し、エッチングをすることにより、前記第1のダミーゲートと前記柱状半導体層の側壁に残存させ、第2のダミーゲートを形成する第3工程が示された。
【0057】
次に、前記第2のダミーゲートの周囲に、第5の絶縁膜を形成し、エッチングをし、サイドウォール状に残存させ、前記第5の絶縁膜からなるサイドウォールを形成し、前記フィン状半導体層上部と前記柱状半導体層下部に第2の拡散層を形成し、前記第2の拡散層上に金属と半導体の化合物を形成する第4工程を示す。
【0058】
図16に示すように、前記第2のダミーゲート113の周囲に、第5の絶縁膜114を形成する。第5の絶縁膜114は、窒化膜が好ましい。
【0059】
図17に示すように、第5の絶縁膜114をエッチングし、サイドウォール状に残存させ、前記第5の絶縁膜からなるサイドウォール114を形成する。
【0060】
図18に示すように、不純物を導入し、前記フィン状シリコン層103上部と前記柱状シリコン層109下部に第2の拡散層115を形成する。n型拡散層のときは、砒素やリンを導入することが好ましい。p型拡散層のときは、ボロンを導入することが好ましい。不純物導入は、第5の絶縁膜を形成する前に行ってもよい。
【0061】
図19に示すように、前記第2の拡散層115上に金属と半導体の化合物116を形成する。このとき、第2のダミーゲート113上部にも金属と半導体の化合物117が形成される。
【0062】
以上により、前記第2のダミーゲートの周囲に、第5の絶縁膜を形成し、エッチングをし、サイドウォール状に残存させ、前記第5の絶縁膜からなるサイドウォールを形成し、前記フィン状半導体層上部と前記柱状半導体層下部に第2の拡散層を形成し、前記第2の拡散層上に金属と半導体の化合物を形成する第4工程が示された。
【0063】
次に、前記第4の工程の後、層間絶縁膜を堆積し化学機械研磨し、前記第2のダミーゲートと前記第1のダミーゲートの上部を露出し、前記第2のダミーゲートと前記第1のダミーゲートを除去し、前記第2の絶縁膜と前記第4の絶縁膜を除去し、第1のゲート絶縁膜を前記柱状半導体層の周囲と前記第5の絶縁膜の内側に形成し、第1の金属を堆積し、エッチバックを行い、ゲート電極及びゲート配線を形成する第5工程を示す。
【0064】
図20に示すように、コンタクトストッパ膜118を堆積し、層間絶縁膜119を堆積する。コンタクトストッパ膜118として、窒化膜が好ましい。なお、コンタクト孔エッチングの制御ができるときは、コンタクトストッパ膜を用いなくてもよい。
【0065】
図21に示すように、化学機械研磨し、前記第2のダミーゲートと前記第1のダミーゲートの上部を露出する。このとき、第2のダミーゲート113上部に形成された金属と半導体の化合物117を除去する。
【0066】
図22に示すように、前記第2のダミーゲート113と前記第1のダミーゲート106を除去する。
【0067】
図23に示すように、前記第2の絶縁膜105と前記第4の絶縁膜110を除去する。
【0068】
図24に示すように、第1のゲート絶縁膜120を前記柱状シリコン層109の周囲と前記第5の絶縁膜114の内側に形成し、第1の金属121を堆積する。柱状シリコン層109の周囲にゲート電極121aが形成される。また、ゲート配線121bが形成される。前記ゲート電極121aと前記ゲート配線121bの周囲と底部に形成された前記第1のゲート絶縁膜120により、ゲート電極121aとゲート配線121bとは、柱状シリコン層109とフィン状シリコン層103とから絶縁をすることができる。
【0069】
図25に示すように、第1の金属121のエッチバックを行い、柱状シリコン層109上部を露出する。
【0070】
以上により、前記第4の工程の後、層間絶縁膜を堆積し化学機械研磨し、前記第2のダミーゲートと前記第1のダミーゲートの上部を露出し、前記第2のダミーゲートと前記第1のダミーゲートを除去し、前記第2の絶縁膜と前記第4の絶縁膜を除去し、第1のゲート絶縁膜を前記柱状半導体層の周囲と前記第5の絶縁膜の内側に形成し、第1の金属を堆積し、エッチバックを行い、ゲート電極及びゲート配線を形成する第5工程が示された。
【0071】
次に、前記第5の工程の後、第6の絶縁膜を堆積し、前記柱状半導体層上部に形成するコンタクト孔のための第3のレジストを形成し、前記第6の絶縁膜をエッチングすることにより前記柱状半導体層上部にコンタクト孔を形成し、前記第3のレジストを除去し、第2のゲート絶縁膜を堆積し、第2の金属を堆積し、エッチバックを行い、前記柱状半導体層上の前記第2のゲート絶縁膜を除去することにより、前記柱状半導体層上部側壁に金属サイドウォールを形成し、第3の金属を堆積することにより、前記金属サイドウォール上部と前記柱状半導体層上部を接続するコンタクトを形成する第6工程を示す。
【0072】
図26に示すように、第6の絶縁膜122を堆積する。第6の絶縁膜122として酸化膜が好ましい。
【0073】
図27に示すように、前記柱状シリコン層106上部に形成するコンタクト孔124のための第3のレジスト123を形成する。
【0074】
図28に示すように、前記第6の絶縁膜122をエッチングすることにより前記柱状シリコン層109上部にコンタクト孔124を形成する。
【0075】
図29に示すように、第3のレジスト123を除去する。
【0076】
図30に示すように、露出した第1のゲート絶縁膜120を除去する。
【0077】
図31に示すように、第2のゲート絶縁膜125を堆積する。
【0078】
図32に示すように、第2の金属126を堆積する。コンタクト孔エッチング後にゲート電極とゲート配線が露出していたとしても、第2のゲート絶縁膜125により、第2の金属126はゲート電極121aとゲート配線121bと絶縁される。第2の金属126の金属の仕事関数は、トランジスタがn型のときは、4.0eVから4.2eVの間であることが好ましい。また、第2の金属126の仕事関数は、トランジスタがp型のときは、5.0eVから5.2eVの間であることが好ましい。
【0079】
図33に示すように、第2の金属126のエッチバックを行い柱状シリコン層の上部を露出する。
【0080】
図34に示すように、柱状シリコン層109上の第2のゲート絶縁膜125を除去することにより、柱状シリコン層109上部側壁に金属サイドウォール126を形成する。
【0081】
図35に示すように、第3の金属127を堆積することにより、金属サイドウォール126上部と柱状シリコン層109上部を接続するコンタクト127を形成する。柱状シリコン層109上部に拡散層を形成せず、柱状シリコン層上部を第2の金属とシリコンとの仕事関数差によってn型シリコン層もしくはp型シリコン層として機能させることができる。従って、柱状シリコン層上部に拡散層を形成する工程を削減することができる。
【0082】
以上により、前記第5の工程の後、第6の絶縁膜を堆積し、前記柱状半導体層上部に形成するコンタクト孔のための第3のレジストを形成し、前記第6の絶縁膜をエッチングすることにより前記柱状半導体層上部にコンタクト孔を形成し、前記第3のレジストを除去し、第2のゲート絶縁膜を堆積し、第2の金属を堆積し、エッチバックを行い、前記柱状半導体層上の前記第2のゲート絶縁膜を除去することにより、前記柱状半導体層上部側壁に金属サイドウォールを形成し、第3の金属を堆積することにより、前記金属サイドウォール上部と前記柱状半導体層上部を接続するコンタクトを形成する第6工程が示された。
【0083】
図36に示すように、コンタクト孔を形成するための第4のレジスト128を形成する。
【0084】
図37に示すように、第6の絶縁膜122、第1のゲート絶縁膜120、層間絶縁膜119、コンタクトストッパ膜118をエッチングすることにより、コンタクト孔129、130を形成する。
【0085】
図38に示すように、第4のレジスト128を除去する。
【0086】
図39に示すように、金属131を堆積し、コンタクト132、133を形成する。
【0087】
図40に示すように、金属配線を形成するため第5のレジスト134、135、136を形成する。
【0088】
図41に示すように、金属131をエッチングし、金属配線137、138、139を形成する。
【0089】
図42に示すように、第5のレジスト134、135、136を除去する。
【0090】
以上により、2個のマスクで、フィン状半導体層、柱状半導体層、ゲート電極とゲート配線を形成し、ゲートラストプロセスであり、柱状半導体層上部を金属と半導体との仕事関数差によってn型半導体層もしくはp型半導体層として機能させる構造を持つSGTの製造方法が示された。
【0091】
上記製造方法によって得られる半導体装置の構造を図1に示す。
この半導体装置は、シリコン基板101上に形成されたフィン状シリコン層103と、前記フィン状シリコン層103の周囲に形成された第1の絶縁膜104と、前記フィン状シリコン層103上に形成された柱状シリコン層109と、ここで、前記柱状シリコン層109のフィン状シリコン層と直交する方向の幅は前記フィン状シリコン層103自身に直交する方向の幅と同じであり、前記柱状シリコン層109の周囲に形成された第1のゲート絶縁膜120と、前記第1のゲート絶縁膜120の周囲に形成された金属からなるゲート電極121aと、前記ゲート電極121aに接続された前記フィン状シリコン層103に直交する方向に延在する金属からなるゲート配線121bと、前記ゲート電極121aと前記ゲート配線121bの周囲と底部に形成された前記第1のゲート絶縁膜120と、ここで、前記ゲート電極121aの外側の幅と前記ゲート配線121bの幅は同じであり、前記フィン状シリコン層103の上部と前記柱状シリコン層109の下部に形成された第2の拡散層115と、前記柱状シリコン層109の上部側壁の周囲に形成された第2のゲート絶縁膜125と、前記第2のゲート絶縁膜125の周囲に形成された金属サイドウォール126と、前記金属サイドウォール126の上部と前記柱状シリコン層109上部とを接続するコンタクト127と、を有する。
【0092】
本発明では、柱状シリコン層109上部に拡散層を形成せず、柱状シリコン層109上部を第2の金属126とシリコンとの仕事関数差によってn型シリコン層もしくはp型シリコン層として機能させることができる。従って、柱状シリコン層上部に拡散層を形成する工程を削減することができる。
【0093】
前記第2の金属126の仕事関数が4.0eVから4.2eVの間であるとき、n型シリコンの仕事関数4.05eVの近傍であるため、柱状シリコン層109上部は、n型シリコンとして機能する。金属126としては、例えば、タンタルとチタンの化合物(TaTi)や窒化タンタル(TaN)が好ましい。
【0094】
前記第2の金属126の仕事関数が5.0eVから5.2eVの間であるとき、p型シリコンの仕事関数5.15eVの近傍であるため、柱状シリコン層106上部は、p型シリコンとして機能する。金属126としては、例えば、ルテニウム(Ru)や窒化チタン(TiN)が好ましい。
【0095】
また、前記ゲート電極121aと前記ゲート配線121bの周囲と底部に形成された前記第1のゲート絶縁膜120により、ゲート電極121aとゲート配線121bとは、柱状シリコン層109とフィン状シリコン層103とから絶縁をすることができる。
【0096】
また、前記金属サイドウォール126の周囲と底部に形成された前記第2のゲート絶縁膜125をさらに有することにより、コンタクト孔エッチング後にゲート電極121aとゲート配線121bが露出していたとしても、その後に第2のゲート絶縁膜125が形成されることから、金属サイドウォール126は、ゲート電極121aとゲート配線121bと絶縁することができる。
【0097】
さらに、セルフアラインで形成されるので、柱状シリコン層109と、ゲート配線121bとの合わせずれをなくすことができる。
【0098】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明の一実施例を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0099】
例えば、上記実施例において、p型(p+型を含む。)とn型(n+型を含む。)とをそれぞれ反対の導電型とした半導体装置の製造方法、及び、それにより得られる半導体装置も当然に本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
101.シリコン基板
102.第1のレジスト
103.フィン状シリコン層
104.第1の絶縁膜
105.第2の絶縁膜
106.第1のポリシリコン、第1のダミーゲート
107.第3の絶縁膜
108.第2のレジスト
109.柱状シリコン層
110.第4の絶縁膜
113.第2のポリシリコン、第2のダミーゲート
114.第5の絶縁膜、第5の絶縁膜からなるサイドウォール
115.第2の拡散層
116.金属と半導体の化合物
117.金属と半導体の化合物
118.コンタクトストッパ膜
119.層間絶縁膜
120.第1のゲート絶縁膜
121.第1の金属
121a.ゲート電極
121b.ゲート配線
122.第6の絶縁膜
123.第3のレジスト
124.コンタクト孔
125.第2のゲート絶縁膜
126.第2の金属、金属サイドウォール
127.第3の金属、コンタクト
128.第4のレジスト
129.コンタクト孔
130.コンタクト孔
131.金属
132.コンタクト
133.コンタクト
134.第5のレジスト
135.第5のレジスト
136.第5のレジスト
137.金属配線
138.金属配線
139.金属配線
【要約】
2個のマスクで、フィン状半導体層、柱状半導体層、ゲート電極とゲート配線を形成し、ゲートラストプロセスであり、柱状半導体層上部を金属と半導体との仕事関数差によってn型半導体層もしくはp型半導体層として機能させる構造を持つSGTの製造方法と、その結果得られるSGTの構造を提供することを課題とする。半導体基板上にフィン状半導体層を形成し、周囲に第1の絶縁膜を形成する工程と、第1のダミーゲートを形成する工程と、第2のダミーゲートを形成する工程と、絶縁膜からなるサイドウォールを形成し、拡散層を形成し、拡散層上に金属と半導体の化合物を形成する工程と、ゲート電極及びゲート配線を形成する工程と、柱状半導体層上部にコンタクト孔を形成し、柱状半導体層上部側壁に金属サイドウォールを形成し、第3の金属を堆積することにより、金属サイドウォール上部と柱状半導体層上部を接続するコンタクトを形成する工程とを有することにより、上記課題を解決する。
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