特許第5731083号(P5731083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5731083作業記録装置、作業記録システム、作業記録プログラムおよび作業記録方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5731083
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】作業記録装置、作業記録システム、作業記録プログラムおよび作業記録方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20150521BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20150521BHJP
【FI】
   G06Q50/10 100
   G06Q10/06 130
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-550590(P2014-550590)
(86)(22)【出願日】2014年6月13日
(86)【国際出願番号】JP2014065778
【審査請求日】2014年10月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】勝又 大介
(72)【発明者】
【氏名】杉本 亨
(72)【発明者】
【氏名】村山 直人
(72)【発明者】
【氏名】井堀 宣広
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 直人
(72)【発明者】
【氏名】井口 慎也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 健太
(72)【発明者】
【氏名】藤原 貴之
(72)【発明者】
【氏名】高月 宏明
【審査官】 吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−287145(JP,A)
【文献】 特開2005−085190(JP,A)
【文献】 特開2004−104576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業の状況を記録する記録制御部と、
位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部により検出された位置を用いて、該当する予め定められた状態を特定し、前記状態に応じて前記記録制御部の一部または全部の機能を制限する利用機能制限部と、
を備え、
前記記録制御部は、作業を撮影して映像情報を生成し記録するものであり、
前記記録制御部により生成された前記映像情報の内に所定の画像を検出するマーク検出部を備え、
前記利用機能制限部は、前記マーク検出部が前記所定の画像を検出した場合に前記制限を解除する、
ことを特徴とする作業記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業記録装置であって、
装着者による身体への着脱を検出する着脱検出部を備え、
前記利用機能制限部は、前記着脱検出部により装着が検出されない期間は前記機能の制限を行い、装着が検出される期間は前記制限を解除する、
ことを特徴とする作業記録装置。
【請求項3】
作業記録装置と、前記作業記録装置と通信可能に接続される端末と、前記端末との間で通信を行う管理装置と、を含む作業記録システムであって、
前記作業記録装置は、
作業の状況を取得して前記端末へ送信する記録制御部と、
位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部により検出された位置を用いて、該当する予め定められた状態を特定し、前記状態に応じて前記記録制御部の一部または全部の機能を制限する利用機能制限部と、を備え、
前記端末は、
記録鍵の入力を受け付ける記録鍵入力受付部と、
前記記録鍵を用いて前記記録制御部により送信された前記作業の情報を暗号化する暗号化部と、
前記記録鍵の入力を受け付けると、前記暗号化部により暗号化された前記作業の情報を前記記録鍵を用いて復号して表示させる表示部と、
前記作業の情報の確認入力を受け付ける確認入力受付部と、
前記確認入力受付部により確認入力を受け付けた前記作業の情報について、前記管理装置へ送信する通信部と、を備え、
前記管理装置は、受信した前記作業の情報を格納する記憶部を備える、
ことを特徴とする作業記録システム。
【請求項4】
請求項3に記載の作業記録システムであって、
前記作業記録装置は、
少なくとも装着者に視認可能な内側表示部と、
外部から視認可能な位置に取り付けられた外側表示部と、を備え、
前記端末と前記管理装置との間の通信状況に応じて、
前記内側表示部に所定の映像情報を表示させる、
ことを特徴とする作業記録システム。
【請求項5】
作業記録装置と、前記作業記録装置と通信可能に接続される端末と、前記端末との間で通信を行う管理装置と、を含む作業記録システムであって、
前記作業記録装置は、
作業の状況を取得して前記端末へ送信する記録制御部と、
位置を検出する位置検出部と、
前記位置検出部により検出された位置を用いて、該当する予め定められた状態を特定し、前記状態に応じて前記記録制御部の一部または全部の機能を制限する利用機能制限部と、を備え、
前記端末は、
記録鍵の入力を受け付ける記録鍵入力受付部と、
前記記録鍵を用いて前記記録制御部により送信された前記作業の情報を暗号化する暗号化部と、
前記管理装置へ暗号化された前記作業の情報を送信する通信部と、を備え、
前記管理装置は、
受信した前記暗号化された作業の情報を格納する記憶部と、
前記記録鍵の入力を受け付けると、前記記憶部に格納された暗号化された前記作業の情報を前記記録鍵を用いて復号して出力する出力部と、
前記作業の情報の確認入力を受け付ける確認入力受付部と、
前記確認入力受付部により確認入力を受け付けた前記作業の情報について、前記記録鍵を用いて暗号を復号化して前記記憶部に格納する復号記憶部と、を備える、
ことを特徴とする作業記録システム。
【請求項6】
作業記録装置と、前記作業記録装置と通信可能に接続される端末と、前記端末との間で通信を行う管理装置と、を含む作業記録システムを用いた作業記録方法であって、
前記作業記録装置は、
作業の状況を取得して前記端末へ送信する記録制御ステップと、
位置を検出する位置検出ステップと、
前記位置検出ステップにより検出された位置を用いて、該当する予め定められた状態を特定し、前記状態に応じて前記記録制御ステップにおいて一部または全部の機能を制限する利用機能制限ステップと、を実行し、
前記端末は、
記録鍵の入力を受け付ける記録鍵入力受付ステップと、
前記記録鍵を用いて前記記録制御ステップにおいて送信された前記作業の情報を暗号化する暗号化ステップと、
前記記録鍵の入力を受け付けると、前記暗号化ステップにより暗号化された前記作業の情報を前記記録鍵を用いて復号して表示させる表示ステップと、
前記作業の情報の確認入力を受け付ける確認入力受付ステップと、
前記確認入力受付ステップにより確認入力を受け付けた前記作業の情報について、前記管理装置へ送信する通信ステップと、を実行し、
前記管理装置は、受信した前記作業の情報を所定の記憶部に格納する記憶ステップを実行する、
ことを特徴とする作業記録システムを用いた作業記録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業記録装置、作業記録システム、作業記録プログラムおよび作業記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、着信時に報知手段による報知を行う携帯通信端末装置において、場所に対応して前記報知手段の着信時動作を個別に設定した設定テーブルを記憶したメモリ部と、現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記現在位置情報に基づいて地図情報を取得する地図情報取得手段と、前記現在位置情報と前記地図情報とを照合して、前記携帯通信端末装置が存在する場所を特定し、特定された場所に対応する前記報知手段の着信時動作を前記設定テーブルから読み出して設定する制御手段と、を備えたことを特徴とする携帯通信端末装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−206017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術では、着信動作を位置に応じて制御することは可能であるが、機密情報の流出が懸念される状況等において、作業者等が該状況において取得した作業記録の情報から適切に機密情報の流出を防ぐことは難しい。
【0005】
本発明の目的は、より適切に機密情報の流出を防ぐ技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決すべく、本発明に係る作業記録装置は、作業の状況を記録する記録制御部と、位置を検出する位置検出部と、上記位置検出部により検出された位置を用いて、該当する予め定められた状態を特定し、上記状態に応じて上記記録制御部の一部または全部の機能を制限する利用機能制限部と、を備え、上記記録制御部は、作業を撮影して映像情報を生成し記録するものであり、上記記録制御部により生成された上記映像情報の内に所定の画像を検出するマーク検出部を備え、上記利用機能制限部は、上記マーク検出部が上記所定の画像を検出した場合に上記制限を解除する。
【0009】
また、上記の作業記録装置においては、装着者による身体への着脱を検出する着脱検出部を備え、上記利用機能制限部は、上記着脱検出部により装着が検出されない期間は上記機能の制限を行い、装着が検出される期間は上記制限を解除するものであってもよい。
【0011】
また、本願に係る作業記録システムは、作業記録装置と、上記作業記録装置と通信可能に接続される端末と、上記端末との間で通信を行う管理装置と、を含み、上記作業記録装置は、作業の状況を取得して上記端末へ送信する記録制御部と、位置を検出する位置検出部と、上記位置検出部により検出された位置を用いて、該当する予め定められた状態を特定し、上記状態に応じて上記記録制御部の一部または全部の機能を制限する利用機能制限部と、を備え、上記端末は、記録鍵の入力を受け付ける記録鍵入力受付部と、上記記録鍵を用いて上記記録制御部により送信された上記作業の情報を暗号化する暗号化部と、上記記録鍵の入力を受け付けると、上記暗号化部により暗号化された上記作業の情報を上記記録鍵を用いて復号して表示させる表示部と、上記作業の情報の確認入力を受け付ける確認入力受付部と、上記確認入力受付部により確認入力を受け付けた上記作業の情報について、上記管理装置へ送信する通信部と、を備え、上記管理装置は、受信した上記作業の情報を格納する記憶部を備える。
【0012】
また、上記の作業記録システムにおいては、上記作業記録装置は、少なくとも装着者に視認可能な内側表示部と、外部から視認可能な位置に取り付けられた外側表示部と、を備え、上記端末と上記管理装置との間の通信状況に応じて、上記内側表示部に所定の映像情報を表示させるものであってもよい。
【0013】
また、本願に係る作業記録システムは、作業記録装置と、上記作業記録装置と通信可能に接続される端末と、上記端末との間で通信を行う管理装置と、を含み、上記作業記録装置は、作業の状況を取得して上記端末へ送信する記録制御部と、位置を検出する位置検出部と、上記位置検出部により検出された位置を用いて、該当する予め定められた状態を特定し、上記状態に応じて上記記録制御部の一部または全部の機能を制限する利用機能制限部と、を備え、上記端末は、記録鍵の入力を受け付ける記録鍵入力受付部と、上記記録鍵を用いて上記記録制御部により送信された上記作業の情報を暗号化する暗号化部と、上記管理装置へ暗号化された上記作業の情報を送信する通信部と、を備え、上記管理装置は、受信した上記暗号化された作業の情報を格納する記憶部と、上記記録鍵の入力を受け付けると、上記記憶部に格納された暗号化された上記作業の情報を上記記録鍵を用いて復号して出力する出力部と、上記作業の情報の確認入力を受け付ける確認入力受付部と、上記確認入力受付部により確認入力を受け付けた上記作業の情報について、上記記憶鍵を用いて暗号を復号化して上記記憶部に格納する復号記憶部と、を備える。
【0016】
また、本願に係る作業記録方法は、作業記録装置と、上記作業記録装置と通信可能に接続される端末と、上記端末との間で通信を行う管理装置と、を含む作業記録システムを用いた作業記録方法であって、上記作業記録装置は、作業の状況を取得して上記端末へ送信する記録制御ステップと、位置を検出する位置検出ステップと、上記位置検出ステップにより検出された位置を用いて、該当する予め定められた状態を特定し、上記状態に応じて上記記録制御ステップにおいて一部または全部の機能を制限する利用機能制限ステップと、を実行し、上記端末は、記録鍵の入力を受け付ける記録鍵入力受付ステップと、上記記録鍵を用いて上記記録制御ステップにおいて送信された上記作業の情報を暗号化する暗号化ステップと、上記記録鍵の入力を受け付けると、上記暗号化ステップにより暗号化された上記作業の情報を上記記録鍵を用いて復号して表示させる表示ステップと、上記作業の情報の確認入力を受け付ける確認入力受付ステップと、上記確認入力受付ステップにより確認入力を受け付けた上記作業の情報について、上記管理装置へ送信する通信ステップと、を実行し、上記管理装置は、受信した上記作業の情報を所定の記憶部に格納する記憶ステップを実行する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、より適切に機密情報の流出を防ぐ技術を提供することができる。ただし、上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る作業記録システムの構成例を示す図である。
図2】通話品質別表示ルール記憶部に格納されるデータ構造の例を示す図である。
図3】状態別機能制限記憶部に格納されるデータ構造の例を示す図である。
図4】状態定義記憶部に格納されるデータ構造の例を示す図である。
図5】作業記録装置のハードウェア構成を示す図である。
図6】着脱認証処理のフローを示す図である。
図7】通信警告処理のフローを示す図である。
図8】記録動作明示処理のフローを示す図である。
図9】機能制限処理のフローを示す図である。
図10】作業記録フローを示す図である。
図11】作業記録装置と作業者携帯端末との間の機器認証のフローを示す図である。
図12】作業記録フロー(顧客端末使用)を示す図である。
図13】作業記録フロー(事後確認)を示す図である。
図14】作業記録フローにおける作業者携帯端末の出力画面の流れを示す図である。
図15】作業記録フロー(事後確認)における顧客携帯端末の出力画面の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る第一の実施形態を適用した作業記録システム1を用いた実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の第一の実施形態に係る作業記録システムの構成例を示す図である。本実施形態において想定する作業記録システム1においては、作業記録装置100と、作業者携帯端末200と、管理装置300と、顧客携帯端末400と、が含まれる。なお、作業者携帯端末200は、作業記録装置100を用いる作業者10が所有する携帯端末であってもよいし、作業者10が属する組織から作業者に貸与される携帯端末であってもよい。また、顧客携帯端末400は、作業記録装置100を用いる作業者10が作業を行う対象を管理する役割を有する顧客20が所有する携帯端末であってもよいし、顧客20が属する組織から顧客20に貸与される携帯端末であってもよい。
【0021】
作業記録装置100は、例えば、眼鏡型等の作業者が身体の一部に着脱可能に取り付け可能な計算機であり、いわゆるウェアラブルデバイスとも呼ばれる装置である。望ましくは、作業記録装置100は、作業者に装着され、作業者の視野と同様あるいはより広角な映像情報を取得可能であり、作業者の知覚する音声情報を得ることができる。
【0022】
作業者携帯端末200は、例えば、いわゆるパソコンや、情報処理機能を有する携帯機器(例えば、スマートフォンやタブレット、あるいはテザリング端末)である。なお、作業者携帯端末200は、携帯電話網やインターネット等の公衆網を介して管理装置300と通信が可能である。管理装置300は、いわゆるサーバー装置、パソコン機器等である。また、顧客携帯端末400は、例えば、いわゆるパソコンや、情報処理機能を有する携帯機器(例えば、スマートフォン)である。なお、顧客携帯端末400は、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)を通じて、作業者携帯端末200と通信が可能であるのが望ましいが、これに限られない。
【0023】
作業記録装置100と、作業者携帯端末200とは、無線LANやBluetooth、その他USB(Universal Serial Bus)接続等の通信路を通じて、作業者携帯端末200と通信が可能に接続される。
【0024】
作業記録システム1においては、顧客20が所有する、または管理する対象となる機器や設備に対する保守管理作業を作業者10が行う。作業者10は作業記録装置100を身に付けて、作業記録装置100と持参した作業者携帯端末200との接続を行うと、作業記録装置100を用いて、映像および音声による作業記録を取得する。なお、取得する作業記録には、顧客20のシステム設備等の機密に管理すべき情報等が含まれることも多く、顧客20の承諾のないまま外部の管理装置300に読み出し可能に格納することは、機密情報の流出につながるおそれがある。
【0025】
そのため、作業者10は、顧客20に対して、作業記録の内容を確認してもらい、問題なければ承認を受けることで、作業記録装置100から作業記録を受け渡された作業者携帯端末200から管理装置300へ、作業記録を読み出し可能に送信する。このような作業モデルを作業記録システム1により実現する。
【0026】
なお、このようなモデルにおいては、顧客20は、作業者携帯端末200に対して記録鍵の入力等を行うことが想定されるが、作業者10の作業者携帯端末200が信頼に足るものか確認する方法がない等の理由により、セキュリティリスクを感じる可能性がある。これを払拭するために、顧客20自らが管理する顧客携帯端末400により顧客の入力操作を可能としてもよい。
【0027】
なお、その場合には、顧客携帯端末400は、作業者携帯端末200と通信を確立して機器認証を行い、顧客携帯端末400を用いて、記録鍵の入力と、作業記録の内容確認と、作業記録の承認と、を行うものとする。
【0028】
作業記録装置100は、表示制御部120と、記録制御部130と、記憶部140と、認証制御部150と、撮像部160と、録音部170と、通信部180と、が含まれる。表示制御部120は、作業記録装置100の表示に関する処理を制御する。表示制御部120には、装着者である作業者10に向けた視覚表示あるいは音声出力を制御する装着者表示部121と、装着者以外に向けた視覚表示あるいは音声出力を制御する通知出力部122と、を含む。装着者表示部121は、いわば内側の表示部であり、例えば視覚表示情報を眼鏡の装着者側に近いレンズ面に像を投影させることで装着者にレンズ越しの光学映像に重畳させて情報を表示させる。通知出力部122は、例えばLED(Light Emitted Diode)等の発光体の明滅を制御することにより、装着者を外部から視覚的に認識しうる顧客20等に対して、作業記録装置100が稼働中であることを示す、いわば外側の表示部である。
【0029】
記録制御部130には、携帯端末連携部131と、位置検出部132と、利用機能制限部133と、画像認識部134と、データ暗号化部136と、が含まれる。携帯端末連携部131は、作業者携帯端末200とのデータ通信を制御する。位置検出部132は、作業記録装置100が存在する位置を特定し、位置情報として取得する。利用機能制限部133は、位置情報等に応じて、作業記録装置100の記録制御部130が有する記録機能の一部を制限する。すなわち、利用機能制限部133は、位置検出部132により検出された位置を用いて、予め定められた状態のうち該当する状態を特定し、特定した状態に応じて記録制御部130の一部または全部の機能を制限するものである。
【0030】
画像認識部134は、撮像部160により撮像した映像情報を解析して、所定の画像の認識を行い、例えば被写体の顔認識を伴う認証や、機器の特徴点とのマッチングによる機器特定を実現する。特に、画像認識部134には作業領域識別マーク検出部135が含まれている。作業領域識別マーク検出部135は、所定のパターンを含む画像が画面内に含まれる場合にのみ撮像部160が撮像した映像情報を視聴情報として記憶部140に受け渡す。
【0031】
データ暗号化部136は、撮像部160により撮像した映像情報を、記録鍵に応じて暗号化する。
【0032】
記憶部140には、警告コンテンツ記憶部141と、通信品質別表示ルール記憶部142と、状態別機能制限記憶部143と、状態定義記憶部144と、視聴情報記憶部145と、が含まれる。
【0033】
警告コンテンツ記憶部141には、例えば、作業者携帯端末200と管理装置300との間の通信の品質が劣化した旨のメッセージや、通信が途絶しているため通信が回復するまでスタンドアロンで動作する旨のメッセージ等、通信状態の悪化に起因するメッセージが表示される。なお、通信状態の悪化に起因するメッセージに限られず、例えば作業記録装置100の電源不足による作業記録の途絶を警告するメッセージ等、作業記録装置100を用いた作業記録が正常に実施できなくなるおそれを通知するメッセージ全般を含むものであってもよい。
【0034】
図2は、通信品質別表示ルール記憶部142に格納されるデータ構造の例を示す図である。通信品質別表示ルール記憶部142には通信品質(パケットロス率)142Aと、警告表示142Bと、通常表示142Cと、警告コンテンツ142Dと、が対応付けられている。通信品質(パケットロス率)142Aは、作業者携帯端末200と管理装置300との間の通信における総パケット送受信数に対するロスパケット数の割合を所定の幅で区切った情報である。例えば、通信品質(パケットロス率)142Aには、「10%未満」、「10%以上50%未満」、「50%以上」等の区分ごとにレコードが登録される。
【0035】
警告表示142Bには、通信品質(パケットロス率)142Aの区分に応じて、警告表示を行うか否かを示す値が格納される。通常表示142Cには、通信品質(パケットロス率)142Aの区分に応じて、通常表示を行うか否かを示す値が格納される。警告コンテンツ142Dには、警告表示142Bが警告表示を行うことを示す値である場合において、警告コンテンツ記憶部141に格納されている警告コンテンツのうち表示対象となる警告コンテンツを特定する情報が格納される。
【0036】
図3は、状態別機能制限記憶部143に格納されるデータ構造の例を示す図である。状態別機能制限記憶部143には、状態143Aに応じて、記録許可143Bと、画像認識許可143Cと、位置検出許可143Dと、携帯端末連携許可143Eと、動作検出許可143Fと、が対応付けられている。
【0037】
状態143Aには、作業記録装置100および作業者10が置かれている状態について、予め定められた状態のうち該当する状態を特定する情報が格納される。当該状態は、状態定義記憶部144に定義されている。
【0038】
記録許可143Bは、状態143Aにより特定される状態において、記録機能が許可されるか否かを特定する情報である。なお、記録とは、例えば撮像による映像情報の取得および記憶媒体への一時的固定を含む固定、あるいは集音による音声情報の取得および記憶媒体への一時的固定を含む固定、もしくは映像情報及び音声情報の両方の取得および一時的固定を含む固定をいう。
【0039】
画像認識許可143Cは、状態143Aにより特定される状態において、画像認識機能が許可されるか否かを特定する情報である。なお、画像認識とは、例えば撮像により取得した映像情報のうち、写り込んでいる所定の対象物を他の写り込んでいる対象物から識別する処理を含む。
【0040】
位置検出許可143Dは、状態143Aにより特定される状態において、位置検出が許可されるか否かを特定する情報である。なお、位置検出とは、例えばGPS(Global Positioning System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)等の衛星波を用いた測位により取得した位置情報を用いて、作業記録装置100が存在する位置を識別する処理を含む。
【0041】
携帯端末連携許可143Eは、状態143Aにより特定される状態において、携帯端末との連携通信が許可されるか否かを特定する情報である。なお、携帯端末との連携とは、例えば作業者携帯端末200と無線LANやBluetooth、USB等の接続手段を介して通信する処理を含む。
【0042】
動作検出許可143Fは、状態143Aにより特定される状態において、作業者10の動作の検出が許可されるか否かを特定する情報である。なお、作業者10の動作の検出とは、例えば作業記録装置100により検出する振動や加速度等により動作を検出する処理を含む。
【0043】
図4は、状態定義記憶部144に格納されるデータ構造の例を示す図である。状態定義記憶部144には、状態144Aに応じて、項目144Bと、基準値144Cと、条件144Dと、が対応付けられている。
【0044】
状態144Aには、作業記録装置100および作業者10が置かれている状態について、予め定められた状態を特定する情報が格納される。例えば、状態144Aには、作業者10が作業記録装置100を装着しており、かつ、ユーザー認証に成功している等の状態を特定する情報である。
【0045】
項目144Bには、状態144Aを定義するパラメータ項目が格納される。例えば、項目144Bには、作業者10による作業記録装置100の装着状態、作業者10による作業記録装置100への認証の成功状態、作業記録装置100の位置、作業記録装置100により取得した映像内への所定のマークの写り込みの有無、ユーザー動作の度合い、あるいは顧客20による記録鍵の設定有無等の項目が格納される。
【0046】
基準値144Cには、項目144Bに関する基準となる値が格納される。例えば、項目144Bに作業者10による作業記録装置100の装着状態が格納されている場合には、基準値144Cには、装着状態であることを示す値が格納される。また例えば、項目144Bに作業者10による作業記録装置100への認証の成功状態が格納されている場合には、基準値144Cには、認証済みの状態であることを示す値が格納される。また例えば、項目144Bに作業記録装置100の位置が格納されている場合には、基準値144Cには、作業を実施する場所が属する範囲を特定する情報が格納される。また例えば、項目144Bに作業記録装置100により取得した映像内への所定のマークの写り込みの有無が格納されている場合には、基準値144Cには、写り込みがあることを示す値が格納される。また例えば、項目144Bにユーザー動作の度合いが格納されている場合には、基準値144Cには、ユーザー動作が所定以上に素早い動きをしていることを示す値が格納される。また例えば、項目144Bに顧客20による記録鍵の設定有無が格納されている場合には、基準値144Cには、顧客による記録鍵の設定があったことを示す値が格納される。
【0047】
条件144Dには、基準値144Cに対して実測値が項目の条件を満たすといえる関係が格納されている。例えば、条件144Dには、「未満」、「以上」、「等しい」、「異なる」等の条件を示す情報が格納される。
【0048】
図1の説明に戻る。視聴情報記憶部145には、作業記録装置100において映像あるいは音声により取得した作業記録が格納される。
【0049】
認証制御部150は、作業記録装置100の使用が正当な使用者によるものであるか否かを判定するユーザー認証部151と、接続される作業者携帯端末200に対して成りすましではなく真正な装置による使用であることを示す機器認証部152と、作業記録装置100の作業者への着脱を検知する着脱検知部153と、を含む。
【0050】
着脱検知部153は、例えば作業者10が作業記録装置100を装着した状態にあるか否かを判定する。
【0051】
撮像部160は、作業記録装置100に対して所定の角度で取り付けられ、光学映像を取得する。なお、光学映像に限らず、デジタル処理された映像や、赤外線サーモグラフィによる温度変化を所定の範囲について計測して温度分布を示す映像を取得するものであってもよい。また、取得する映像は、動画像が望ましいが、これに限られず、所定の間隔で取得する静止画像であってもよい。
【0052】
録音部170は、作業記録装置100の周囲を集音し、音声情報を取得する。なお、音声情報は、アナログ−デジタル変換されてデジタル信号として取得される。
【0053】
通信部180は、作業記録装置100と、作業者携帯端末200との通信を制御する。通信部180は、例えばBluetooth、無線LAN、NFC(Near Field Communication)等による近距離電波通信を制御するものであることが望ましい。しかし、USB等の所定の有線通信を制御するものであってもよい。
【0054】
作業者携帯端末200は、表示部210と、音声出力部220と、位置検出部230と、通信部240と、認証部250と、を備える。表示部210は、作業者携帯端末200において処理を行った結果となる出力情報を表示する。なお、表示部210は、使用者による記録鍵等の入力情報を接触入力により受け付ける入力部を兼ねる。
【0055】
音声出力部220は、作業者携帯端末200において処理を行った結果となる音声出力情報を出力する。
【0056】
位置検出部230は、作業者携帯端末200が存在する位置を検出し、所定の座標情報等により出力する。
【0057】
通信部240は、作業記録装置100、管理装置300、顧客携帯端末400等の他の装置と通信を行う。通信部240は、例えばBluetooth、無線LAN、NFC等による近距離電波通信を制御するものであることが望ましい。しかし、USBやLAN等の所定の有線通信を制御するものであってもよい。
【0058】
認証部250は、作業者携帯端末200の使用が正当な使用者によるものであるか否かを判定するユーザー認証部251と、接続される作業記録装置100あるいは顧客携帯端末400に対して成りすましではなく真正な装置による使用であることを示す機器認証部252と、接続する作業記録装置100あるいは顧客携帯端末400のユーザー認証に用いるパスワードを管理するパスワード管理部253と、を含む。
【0059】
管理装置300は、作業者携帯端末200とネットワークを介して接続される。管理装置300には、作業者携帯端末200から送信された情報を格納する記憶部が含まれ、いわゆるサーバー装置として動作する。
【0060】
顧客携帯端末400は、基本的には顧客20が管理するスマートフォンやタブレット端末等の情報処理装置である。
【0061】
顧客携帯端末400には、顧客携帯端末400の使用が正当な使用者によるものであるか否かを判定するユーザー認証部411と、接続される作業者携帯端末200に対して成りすましではなく真正な装置による使用であることを示す機器認証部412と、作業者携帯端末200等の他の装置と通信を行う通信部413と、を含む。
【0062】
図5は、作業記録装置100のハードウェア構成を示す図である。作業記録装置100は、音声受付装置101と、演算装置102と、外部記憶装置103と、主記憶装置104と、撮像装置105と、出力装置106と、通信装置107と、加速度センサ装置108と、位置検出装置109と、着脱検出装置110と、各装置をつなぐバス111と、を少なくとも備える。また、他に、作業記録装置100は、接触入力装置を備えるものであってもよい。なお、接触入力装置は、例えば眼鏡型のウェアラブルデバイスの場合には、眼鏡のつる部分への接触をクリック入力として受け付け、接触状態で摺動させる方向をスクロール入力として受け付けるものであってよいが、これに限られるものではない。
【0063】
音声受付装置101は、作業記録装置100を装着した作業者による発話音声と、周囲の音と、を含む集音を行う。例えば、一つあるいは複数のマイクロフォンである。
【0064】
演算装置102は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置である。
【0065】
外部記憶装置103は、デジタル情報を記憶可能な、いわゆるフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0066】
主記憶装置104は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0067】
撮像装置105は、作業記録装置100を装着した作業者の視野と同様あるいはより広角な映像情報を取得するカメラ装置である。
【0068】
出力装置106は、外部から視認可能に発行する発光装置と、装着者から視認可能なように光学レンズ面に画像を投影するプロジェクション装置、あるいは光学レンズ面に応じて設けられた半透過型のディスプレイ装置等の表示装置である。しかし、これに限定されるものではなく、例えば作業者の網膜に結像させる光を照射可能な表示装置であってもよい。
【0069】
通信装置107は、無線ネットワーク等を介して作業者携帯端末200等の他の装置と通信経路を確立し、情報を送受信する装置である。
【0070】
加速度センサ装置108は、所定の次元の加速度を取得して加速方向と加速の大きさとを特定することで、装着者である作業者10の移動や姿勢の変化を検出する装置である。
【0071】
位置検出装置109は、GPS等の3つ以上の人工衛星から送信された衛星波をアンテナを用いて受信し、受信した情報に基づき現在地の3次元座標を割り出す装置である。
【0072】
着脱検出装置110は、作業者10が作業記録装置100を装着しているか、解除しているかを特定する装置である。例えば、着脱検出装置110は、電極をつるに備え、つるの電極間を通電する対象(すなわち、人間の頭部)があれば装着と特定し、通電する対象がなければ解除と特定するものであってもよい。
【0073】
上記した作業記録装置100の表示制御部120は出力装置106によって、また記録制御部130、認証制御部150は、演算装置102に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、主記憶装置104、外部記憶装置103または図示しないROM装置内に記憶され、実行にあたって主記憶装置104上にロードされ、演算装置102により実行される。また、位置検出部132は、位置検出装置109により実現される。また、着脱検知部153は、着脱検出装置110により実現される。
【0074】
また、作業記録装置100の記憶部140は、主記憶装置104及び外部記憶装置103により実現される。また、作業記録装置100の撮像部160は、撮像装置105により実現される。また、作業記録装置100の録音部170は、音声受付装置101により実現される。また、作業記録装置100の通信部180は、通信装置107により実現される。
【0075】
以上が、作業記録装置100のハードウェア構成例である。なお、作業者携帯端末200、顧客携帯端末400についても、形状や構成は一部異なるが略同様のハードウェア構成を備えるものであるため、詳細な説明は省略する。
【0076】
なお、作業者携帯端末200の表示部210は、出力装置106により実現され、音声出力部220は図示しないスピーカー装置によって、位置検出部230は位置検出装置109によって、通信部240は通信装置107によって、認証部250は、演算装置102に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、主記憶装置104、外部記憶装置103または図示しないROM装置内に記憶され、実行にあたって主記憶装置104上にロードされ、演算装置102により実行される。
【0077】
また、顧客携帯端末400のユーザー認証部411および機器認証部412は、演算装置102に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、主記憶装置104、外部記憶装置103または図示しないROM装置内に記憶され、実行にあたって主記憶装置104上にロードされ、演算装置102により実行される。通信部413は、通信装置107によって実現される。
【0078】
また、管理装置300についても、一部の構成については大きさや構成する要素技術は異なるが、略同様のハードウェア構成を備えるものであるため、詳細な説明は省略する。
【0079】
なお、作業記録装置100、作業者携帯端末200、管理装置300のそれぞれの構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0080】
また、各制御部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各制御部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0081】
[動作の説明]次に、本実施形態における作業記録システム1の動作を説明する。図6は、本実施形態における着脱認証処理のフロー図である。
【0082】
着脱認証処理は、作業記録装置100が起動すると、開始される。
【0083】
まず、着脱検知部153は、作業記録装置100が作業者10により装着されたことを検知したか否かを判定する(ステップS001)。具体的には、着脱検知部153は着脱検出装置110の通電状態等を確認し、装着状態にあるか否かを判定する。装着状態にない場合(ステップS001にて「No」の場合)には、着脱検知部153は、ステップS001を再度実施する。
【0084】
装着されたことを検知した場合(ステップS001にて「Yes」の場合)には、ユーザー認証部151は、作業記録装置100で独立して作業者認証を実施可能か否かを判定する(ステップS002)。具体的には、ユーザー認証部151は、作業記録装置100にユーザー認証のためのID、パスワード等の登録がなされているか否かを判定する。
【0085】
作業者認証を実施可能である場合(ステップS002にて「Yes」の場合)には、ユーザー認証部151は、作業者10の認証を実施する(ステップS003)。具体的には、ユーザー認証部151は、作業者10からのパスワードを受け付けて所定のパスワードと比較することで、作業者10の認証を行う。
【0086】
そして、ユーザー認証部151は、認証に成功したか否かを判定する(ステップS004)。具体的には、ユーザー認証部151は、パスワードの比較の結果、一致する場合には、認証成功と判定する。
【0087】
作業者認証を実施不可能である場合(ステップS002において「No」の場合)には、機器認証部152は、作業者携帯端末200へ接続要求を行う(ステップS005)。
【0088】
そして、作業者携帯端末200の機器認証部252は、作業記録装置100へ認証画面を表示するよう情報を送り、認証を実行するよう指示する(ステップS006)。
【0089】
そして、ユーザー認証部251は、作業記録装置100のユーザー認証部151を介して認証に必要な情報の入力を受け付ける(ステップS007)。そして、ユーザー認証部251は、制御をステップS004へ進める。
【0090】
認証に成功した場合(ステップS004にて「Yes」の場合)には、利用機能制限部133は、記録制御部130の各機能を有効化する(ステップS008)。具体的には、利用機能制限部133は、使用可能な記録制御部130の各種の機能部を起動可能な状態にさせる。
【0091】
利用機能制限部133は、ステップS003における認証に成功しなかった場合(ステップS004にて「No」の場合)には、作業記録装置100にエラーを表示させる(ステップS009)。具体的には、利用機能制限部133は、所定の認証エラーが発生したことを伝えるメッセージが含まれる画面情報を生成して作業記録装置100に対して送信し、着脱認証処理を終了させる。
【0092】
そして、着脱検知部153は、作業記録装置100が作業者10から取り外されたことを検知したか否かを判定する(ステップS010)。具体的には、着脱検知部153は着脱検出装置110の通電状態等を確認し、装着解除状態にあるか否かを判定する。装着解除状態にない場合(ステップS010において「No」の場合)には、着脱検知部153は、ステップS010を再度実施する。
【0093】
作業者10から解除されたことを検知した場合(ステップS010において「Yes」の場合)には、利用機能制限部133は、記録制御部130の各機能を無効化する(ステップS011)。具体的には、利用機能制限部133は、使用可能な記録制御部130の各種の機能部で起動しているものについて起動不可能な状態にさせる。
【0094】
そして、ユーザー認証部151は、作業者10の認証を無効化する(ステップS012)。具体的には、ユーザー認証部151は、作業者10の認証の状態を未認証状態に変化させる。
【0095】
以上が、着脱認証処理の処理フローである。着脱認証処理によれば、作業者10が作業記録装置100を装着すると認証が行われ、認証されれば各種の記録機能を使用可能な状態になる。そして、作業者10から作業記録装置100が取り外されると、認証状態が解除され、各種の記録機能を利用不可能な状態にすることができる。
【0096】
図7は、本実施形態における通信警告処理のフロー図である。通信警告処理は、作業記録装置100が起動すると、所定の間隔等において開始される。
【0097】
まず、利用機能制限部133は、現状の通信パケットロス率が直近の通信品質別表示ルールと異なるルールに該当したか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、利用機能制限部133は、作業者携帯端末200に対して、所定の最新の期間における作業者携帯端末200のパケットロス率を要求し、作業者携帯端末200の通信部240は総通信パケット数に対するロスパケット数に基づくパケットロス率を作業記録装置100に送信する。利用機能制限部133は、受信した現状のパケットロス率に関する通信品質別表示ルール記憶部142の通信品質142Aの該当する区分を特定し、該区分が直近の通信区分から変化している場合には、異なるルールに該当したものとする。異なるルールに該当しない場合(ステップS101にて「No」の場合)には、再度ステップS101に制御を移す。
【0098】
異なるルールに該当する場合(ステップS101にて「Yes」の場合)には、利用機能制限部133は、該当するルールでは通常表示が不許可であるか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、利用機能制限部133は、受信した現状のパケットロス率に関する通信品質別表示ルール記憶部142の通信品質142Aの該当する区分に応じた通常表示142Cの情報を取得して、通常表示を行うか否かを示す値が通常表示を行わない値であるか否かを判定する。通常表示が不許可である場合、ステップS104へ制御を進める。
【0099】
通常表示が不許可でない場合(ステップS102において「No」の場合)には、利用機能制限部133は、通常コンテンツを基準レイヤーに表示させるよう指示する(ステップS103)。具体的には、利用機能制限部133は、装着者表示部121に対して、通常コンテンツを基準レイヤーに表示させるよう指示する。そして、利用機能制限部133は、制御をステップS104に進める。
【0100】
そして、利用機能制限部133は、該当するルールでは警告表示が不許可であるか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、利用機能制限部133は、受信した現状のパケットロス率に関する通信品質別表示ルール記憶部142の通信品質142Aの該当する区分に応じた警告表示142Bの情報を取得して、警告表示を行うか否かを示す値が警告表示を行わない値であるか否かを判定する。警告表示が不許可である場合、利用機能制限部133は、通信警告処理を終了させる。
【0101】
警告表示が不許可でない場合(ステップS104において「No」の場合)には、利用機能制限部133は、警告コンテンツを重畳レイヤーに表示させるよう指示する(ステップS105)。具体的には、利用機能制限部133は、警告コンテンツ142Dを用いて特定される警告コンテンツを警告コンテンツ記憶部141から取得し、装着者表示部121に対して、警告コンテンツを重畳レイヤーに表示させるよう指示する。そして、利用機能制限部133は、通信警告処理を終了させる。
【0102】
以上が、通信警告処理の処理フローである。通信警告処理によれば、作業者携帯端末200の通信状況を特定し、状況に応じて警告コンテンツを重畳表示させる等利用機能を制御することができる。
【0103】
図8は、本実施形態における記録動作明示処理のフロー図である。記録動作明示処理は、作業記録装置100が起動すると、開始される。
【0104】
まず、記録制御部130は、撮像部160あるいは録音部170のいずれかまたは両方が記録動作開始を検出したか否かを判定する(ステップS201)。検出しない場合(ステップS201にて「No」の場合)には、記録制御部130は、再度ステップS201に制御を移す。
【0105】
記録動作開始を検出した場合(ステップS201にて「Yes」の場合)には、通知出力部122は、出力を開始する(ステップS202)。具体的には、通知出力部122は、作業記録装置100に外部から視認可能に取り付けられたLED等により構成される発光部を所定のパターン等により明滅させる。
【0106】
そして、記録制御部130は、顧客携帯端末400へ動作開始通知を通知する必要があるか否かを判定する(ステップS203)。具体的には、記録制御部130は、記憶部140の図示しない記録領域等にあらかじめ格納された顧客携帯端末400へ動作開始通知を通知する必要があるか否かを特定する情報を取得して判定する。通知が不要であれば、記録制御部130は、制御をステップS205に進める。
【0107】
通知が必要である場合(ステップS203にて「Yes」の場合)には、記録制御部130は、顧客携帯端末400へ動作開始通知を行う(ステップS204)。具体的には、記録制御部130は、顧客携帯端末400に対して「記録を開始しました」等のメッセージを送信するよう、作業者携帯端末200の通信部を介してピアツーピアのメッセージ等により送信する。
【0108】
そして、記録制御部130は、撮像部160および録音部170の両方が記録動作終了となったか否かを判定する(ステップS205)。検出しない場合(ステップS205にて「No」の場合)には、記録制御部130は、再度ステップS205に制御を移す。
【0109】
記録動作終了を検出した場合(ステップS205にて「Yes」の場合)には、通知出力部122は、出力を終了する(ステップS206)。具体的には、通知出力部122は、作業記録装置100に外部から視認可能に取り付けられたLED等により構成される発光部の明滅を終了させる。
【0110】
そして、記録制御部130は、顧客携帯端末400へ動作終了通知を通知する必要があるか否かを判定する(ステップS206)。具体的には、記録制御部130は、記憶部140の図示しない記録領域等にあらかじめ格納された顧客携帯端末400へ動作開始通知を通知する必要があるか否かを特定する情報を取得して判定する。通知が不要であれば、記録制御部130は、記録動作明示処理を終了させる。
【0111】
通知が必要である場合(ステップS207にて「Yes」の場合)には、記録制御部130は、顧客携帯端末400へ動作終了通知を行う(ステップS208)。具体的には、記録制御部130は、顧客携帯端末400に対して「記録を終了しました」等のメッセージを送信するよう、作業者携帯端末200の通信部を介してピアツーピアのメッセージ等により送信する。そして、記録制御部130は、記録動作明示処理を終了させる。
【0112】
以上が、記録動作明示処理の処理フローである。記録動作明示処理によれば、作業者が記録を行っている状態にあるか否かを通知出力部122を介して明示させることができる。そのため、例えば作業者が作業に直接的に関連しない情報の記録等を行っている場合に、発見を容易にすることができる。
【0113】
図9は、本実施形態における機能制限処理のフロー図である。機能制限処理は、作業記録装置100が起動すると、開始される。
【0114】
まず、利用機能制限部133は、位置、装着状態、作業者認証状態、顧客承認状態の情報を取得する(ステップS301)。具体的には、利用機能制限部133は、位置検出部132に位置を検出させて位置の情報を取得し、着脱検知部153に装着状態を検知させて装着状態の情報を取得し、ユーザー認証部151から作業者の認証状態の情報を取得し、作業者携帯端末200に入力された顧客の記録鍵を取得する。
【0115】
そして、利用機能制限部133は、該当する「状態」を特定する(ステップS302)。具体的には、利用機能制限部133は、状態定義記憶部144を参照して、ステップS301にて取得した情報を用いて、項目144Bの基準値144Cが条件144Dで示す関係を満たす状態144Aを特定する。
【0116】
そして、利用機能制限部133は、制限される機能を停止させる(ステップS303)。具体的には、利用機能制限部133は、ステップS302において特定した状態のそれぞれについて、状態別機能制限記憶部143を参照して、記録許可143B、画像認識許可143C、位置検出許可143D、携帯端末連携許可143E、動作検出許可143Fの許可状況を特定し、一つ以上の該当する「状態」について「不許可」とされている機能を停止させる。
【0117】
そして、画像認識部134および作業領域識別マーク検出部135は、記録動作が稼動しており、かつ記録映像内に所定の図形が含まれるか否かを判定する(ステップS304)。なお、所定の図形とは、例えば予め定められたカラーパターンを備える画像により表される図形であり、撮影可能な位置に予め該画像がステッカー等により貼られている図形であるとする。すなわち、そのような画像を視認可能な位置に作業者が存在するか否かを判定しているといえる。記録動作が稼動しており、かつ記録映像内に所定の図形が含まれる場合(「Yes」の場合)には、制御はステップS306へ移る。
【0118】
記録動作が稼動していないか、記録映像内に所定の図形が含まれない場合(ステップS304にて「No」の場合)には、利用機能制限部133は、記録動作を停止させる(ステップS305)。そして、利用機能制限部133は、制御をステップS306へ進める。
【0119】
利用機能制限部133は、作業者10の動作を検出可能であるか否かを判定する(ステップS306)。具体的には、利用機能制限部133は、加速度センサ装置108から加速度の情報を取得可能か否かを判定する。取得不可能であれば、利用機能制限部133は、ステップS308へ制御を移す。
【0120】
加速度センサ装置108から加速度の情報を取得可能である場合(ステップS306にて「Yes」の場合)には、利用機能制限部133は、作業者動作を検出し制限される機能を停止する(ステップS307)。具体的には、利用機能制限部133は、加速度センサ装置108から加速度の情報を取得し、加速度の単位時間あたりの変化量に基づき所定の閾値と比較し、作業者10の動作が「ゆっくり」であるのか「激しい」のかを特定する。そして、利用機能制限部133は、状態定義記憶部144を参照して、作業者10の動作の情報を用いて、項目144Bの基準値144Cが条件144Dで示す関係を満たす状態144Aを特定する。そして、利用機能制限部133は、状態に応じて制限される機能を停止させる。
【0121】
そして、利用機能制限部133は、作業記録装置100の移動が検出されたか否かを判定する(ステップS308)。具体的には、利用機能制限部133は、位置検出部132から位置情報を取得し、ステップS301にて取得した位置と比較して、所定以上の移動が検出されたか否かを判定する。移動が検出されない場合(ステップS308にて「No」の場合)には、利用機能制限部133は、ステップS306へ制御を戻す。
【0122】
移動が検出された場合(ステップS308にて「Yes」の場合)には、利用機能制限部133は、ステップS001へ制御を戻す。
【0123】
以上が、機能制限処理の処理フローである。機能制限処理によれば、作業記録装置100が使用される状態に応じて、適切な機能制限をかけることができるため、例えば作業者が撮影禁止地域において秘密裏に機密情報等の撮影を行うことを防ぐことができる。
【0124】
図10は、作業記録フローを示す図である。作業記録フローにおいては、作業者10が顧客20の元を訪れて作業内容の承諾をもらい、作業現場で作業を行った後作業記録の承諾を得て管理装置300で作業記録を収集する。
【0125】
予め、管理装置300から顧客20に対して、顧客ごとに固有の顧客キーコードを送信しているものとする(ステップS1001)。
【0126】
そして、作業者10は、顧客(作業場所)を訪問し、作業内容と作業記録装置動作許可を依頼する(ステップS1002)。
【0127】
依頼を受けた顧客20は、作業記録装置100の動作許可と、記録鍵と、を作業者携帯端末200に入力する(ステップS1003)。
【0128】
そして、作業者10は作業記録装置100を装着する(ステップS1004)。装着後、作業記録装置100と作業者携帯端末200との間の機器認証を行い(ステップS1005)、認証が終わると、作業者携帯端末200から作業記録装置100へ作業記録装置動作許可情報が送られる(ステップS1006)。
【0129】
そして、作業者10は作業場所に移動する(ステップS1007)。
【0130】
作業場所においては、作業記録装置100は、作業エリアマークとしてあらかじめ設定された画像が、作業記録装置100により撮像された映像情報に含まれる場合、映像の記録を開始する(ステップS1008)。そして、作業記録装置100は、記録した映像情報を作業者携帯端末200へ随時送信する(ステップS1009)。
【0131】
作業者携帯端末200においては、受信した映像情報を記録鍵で暗号化する(ステップS1011)。これと非同期に、作業者10は、顧客20に作業完了報告を行う(ステップS1010)。作業完了報告を受けた顧客20は、作業者携帯端末200に記録鍵を入力する(ステップS1012)。
【0132】
記録鍵の入力を受け付けた作業者携帯端末200は、暗号化して記録された記録情報を、記録鍵を用いて復号化し再生する(ステップS1013)。再生された映像情報は、顧客20が内容確認を行う。再生された映像情報に機密情報の漏えいがないことを顧客20が確認すると共に、顧客20は顧客に固有の顧客キーコードを作業者携帯端末200に入力する(ステップS1014)。顧客キーコードの入力を受け付けると、作業者携帯端末200は、記録情報を復号して、管理装置300へ送信する(ステップS1015)。
【0133】
以上が、作業記録フローの例である。これにより、作業者10が顧客20の元を訪れて作業内容の承諾をもらい、作業現場で作業を行った後作業記録の承諾を得て管理装置300で作業記録を収集することができる。
【0134】
図11は、作業記録装置100と、作業者携帯端末200と、の間の機器認証のフローを示す図である。当該フローを実行することで、作業記録装置100と、作業者携帯端末200と、の間の通信が可能となる。
【0135】
作業記録装置100は、作業者携帯端末200に接続要求を行う(ステップS2001)。そして、作業者携帯端末200は、認証成功の結果情報を送信する(ステップS2002)。そして、作業記録装置100は、搭載機能一覧と、利用要求機能一覧と、を送付する(ステップS2003)。作業者携帯端末200は、利用要求機能一覧のうち作業記録装置100へ提供可能な機能の一覧を通知する(ステップS2004)。
【0136】
このようにすることで、作業記録装置100は、不足する機能について、作業者携帯端末200に委譲することで補完することができる。
【0137】
図12は、作業記録フロー(顧客端末使用)を示す図である。作業記録フロー(顧客端末使用)においては、作業者10が顧客20の元を訪れて作業内容の承諾をもらい、作業現場で作業を行った後作業記録の承諾を得て管理装置300で作業記録を収集する点においては、上述の作業記録フローと同様であるが、顧客による作業記録の確認を、顧客携帯端末400において行う点に相違がある。以下においては、作業記録フローと差異のある処理を中心に説明する。なお、上述の作業記録フローと同じ番号が付されたステップについては、同内容の処理であるため、説明を省略する。
【0138】
作業者10は、顧客(作業場所)を訪問し、作業記録装置の動作と、作業内容の許可を依頼する(ステップS3001)。顧客20は、顧客携帯端末400のユーザー認証を行い(ステップS3002)、顧客携帯端末400は作業者携帯端末200との間で機器認証を行う(ステップS3003)。
【0139】
そして、顧客20は、作業記録装置動作許可情報と、記録鍵と、の入力を顧客携帯端末400に対して行う(ステップS3004)。顧客携帯端末400は、入力された作業記録装置動作許可情報と記録鍵とを作業者携帯端末200へ送信する(ステップS3005)。
【0140】
顧客20は、作業完了報告を作業者10から受けると、顧客携帯端末400に記録鍵を入力する(ステップS3006)。作業者携帯端末200は、暗号化された記録データを顧客携帯端末400に送信し(ステップS3007)、顧客携帯端末400は記録鍵を用いて、記録情報の復号を行い、再生する(ステップS3008)。顧客20は作業記録の内容確認を顧客携帯端末400にて行うと、作業承認入力を行い(ステップS3009)、顧客携帯端末400は作業承認情報を作業者携帯端末200へ送信する(ステップS3010)。
【0141】
以上が、作業記録フロー(顧客端末使用)である。作業記録フロー(顧客端末使用)によれば、作業者携帯端末200に対して記録鍵等の秘密情報を直接入力することにセキュリティリスクを感じる顧客20の担当者に対して、顧客20の管理下にある端末を用いて入力可能となるため、セキュリティリスクに対する不安を緩和しやすくなる。
【0142】
図13は、作業記録フロー(事後確認)を示す図である。作業記録フロー(事後確認)においては、作業者10が顧客20の元を訪れて作業内容の承諾をもらい、作業現場で作業を行った後作業記録の承諾を得て管理装置300で作業記録を収集する点においては、上述の作業記録フローと同様であるが、顧客による作業記録の確認を、事後に顧客携帯端末400において行う点に相違がある。以下においては、作業記録フローと差異のある処理を中心に説明する。なお、上述の作業記録フローと同じ番号が付されたステップについては、同内容の処理であるため、説明を省略する。また、作業者10が顧客20を訪問し、作業開始前の承認をもらう点についても同様のため、説明を省略する。
【0143】
作業者携帯端末200は、記録データを記録鍵で暗号化(ステップS1011)した後、管理装置300へ暗号化した記録情報を送信する(ステップS4001)。そして、顧客20は、顧客携帯端末400に記録鍵を入力する(ステップS4002)。顧客携帯端末400は管理装置300へ記録鍵を送信する(ステップS4003)と、管理装置300は、記録情報を記録鍵で復号して顧客携帯端末400へ送信する(ステップS4004)。顧客携帯端末400は、記録情報を再生する(ステップS4005)と、顧客20からの作業承認を受け付け(ステップS4006)、管理装置300へ作業承認情報を送信する(ステップS4007)。作業承認情報を受け付けると、管理装置300は、復号された記録情報を保存する(ステップS4008)。
【0144】
以上が、作業記録フロー(事後確認)である。作業記録フロー(事後確認)によれば、作業者の作業終了後であればいつでも顧客20の都合のよい時に作業記録の確認が可能となるため、効率よく作業確認を行うことが可能となる。
【0145】
図14は、作業記録フローにおける作業者携帯端末200の出力画面の流れを示す図である。画面600は、ステップS1003において記録鍵を入力するとともに、記録を許可する入力を行う画面600の例である。画面600においては、作業者601、作業場所602、作業内容603、作業予定時間604、記録鍵入力エリア605、記録許可入力ボタン606を含む。記録鍵入力エリア605に記録鍵の情報が入力され、記録許可入力ボタン606に入力がなされることで、作業開始前の顧客による作業許可がなされたといえる。
【0146】
記録確認画面610は、作業記録の内容を確認するために必要となる復号化のための記録鍵の入力エリア611と、記録確認を行うための再生ボタン612と、を備える。該画面は、ステップS1012において表示される入力画面であるといえる。
【0147】
作業内容確認画面620は、作業記録装置100により撮影された映像情報の再生欄621と、撮影時間等の録画情報表示領域622と、録画情報を時系列で可視化して整理したグラフ表示領域623と、顧客キーコードの入力欄624と、作業内容の承認とともに作業者携帯端末200からの作業記録の削除を指示する承認および削除ボタン625と、作業内容の承認とともに管理装置300への情報の送信を指示する承認および送信許可ボタン626と、を含む。
【0148】
図15は、作業記録フロー(事後確認)における顧客携帯端末400の出力画面の流れを示す図である。画面650は、ステップS4005において作業記録を再生し作業承認を行う入力を行う画面650の例である。画面650においては、作業記録装置100により撮影された映像情報の再生欄651と、撮影時間等の録画情報表示領域652と、録画情報を時系列で可視化して整理したグラフ表示領域653と、作業内容の承認を指示する承認ボタン654と、承認に際して顧客20がメッセージを付帯させたい場合に入力を受け付ける特記事項入力エリア655と、作業内容の不承認を指示する不承認ボタン656と、不承認に際して顧客20による理由の説明等を付帯させたい場合に入力を受け付ける不承認特記事項入力エリア657と、を含む。
【0149】
以上が、第一の実施形態に係る作業記録システム1である。第一の実施形態によれば、より適切に機密情報の流出を防ぐことができる。
【0150】
本発明は、上記の第一の実施形態に制限されない。上記の第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記の第一の実施形態においては、作業記録装置100は眼鏡型ウェアラブル装置を想定しているが、これに限られない。例えば、頭部をより広く覆うヘルメット型のウェアラブル装置であってもよいし、片眼のみに取り付けるウェアラブル装置であってもよい。また、作業者携帯端末200と作業記録装置100とが一体化したものであってもよい。
【0151】
また、上記第一の実施形態においては、作業記録装置100は、所定のマークを撮影すると記録可能となるようにしているが、これに限られない。例えば、所定のマークを撮影すると強制的に記録を停止して関連する記録情報が破棄されるものであってもよい。また例えば、所定のマークを撮影すると、所定の時間だけ撮影を行うものであってもよい。
【0152】
また、上記第一の実施形態においては、作業記録装置100は、作業手順ごとに固有の所定のマークを撮影すると記録可能となるようにしてもよい。このようにすることで、作業対象の機器に貼り付けられた固有のシール等の撮影がなされると当該作業手順を記録可能となるものとすることができるため、作業対象機器の取り違えや順序間違いの抑止に効果がある。
【0153】
また、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品のような複数の部分に分けられて適用されるようにしてもよい。
【0154】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。
【符号の説明】
【0155】
1・・・作業記録システム、10・・・作業者、20・・・顧客、100・・・作業記録装置、120・・・表示制御部、130・・・記録制御部、140・・・記憶部、150・・・認証制御部、160・・・撮像部、170・・・録音部、180・・・通信部、200・・・作業者携帯端末、210・・・表示部、220・・・音声出力部、230・・・位置検出部、240・・・通信部、250・・・認証部、300・・・管理装置、400・・・顧客携帯端末
【要約】
より適切に機密情報の流出を防ぐ技術を提供する。
作業記録装置であって、作業の状況を記録する記録制御部と、位置を検出する位置検出部と、位置検出部により検出された位置を用いて、該当する予め定められた状態を特定し、状態に応じて記録制御部の一部または全部の機能を制限する利用機能制限部と、を備えることを特徴とする。
図1
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図10
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図15