【実施例】
【0024】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体貸出手法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る遊技媒体貸出手法の概要について
図1を用いて説明した後に、本発明に係る遊技媒体貸出手法についての実施例を
図2〜
図12を用いて説明することとする。まず、本発明に係る遊技媒体貸出手法の概要について
図1を用いて説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る遊技媒体貸出手法の概要を示す図である。以下では、まず、同図の(A)を用いて従来技術をそのまま流用した遊技媒体貸出手法の概要を説明し、同図の(B)を用いて本発明に係る遊技媒体貸出手法の概要を説明する。
【0026】
従来、遊技店において提供されるサービスのひとつとして、会員が所有する会員カード等の記録媒体に関連付けて貸出レートの異なる複数の貯玉口座を有することができる貯玉サービスがある。また、その他のサービスとして再プレイ乗り入れサービスの実施が検討されている。
【0027】
ここで、再プレイ乗り入れサービスとは、遊技客が再プレイを行う際、遊技を行おうとする遊技島の貸出レートとは異なるレートの貯玉口座によってパチンコ玉の貸し出し受けることができるサービスである。
【0028】
なお、以下では、従来の貸出レートが4円レートの貯玉口座に1000玉と貸出レートが1円レートの貯玉口座に125玉ある会員カードを用いて、遊技客が1円レートのパチンコ機で遊技する場合について説明する。
【0029】
図1の(A)に示したように、再プレイ時に暗証番号の入力を必須とする従来の遊技媒体貸出手法を適用した台間装置では、会員によって会員カードが挿入されたならば、会員カードの所有者本人であるかを確認するために暗証番号の入力を受け付ける(
図1の(A−1)参照)。
【0030】
そして、従来の台間装置は、入力された暗証番号によって所有者であると確認できたならば、暗証番号による照合をOKとする(
図1の(A−2)参照)。そして、従来の台間装置は、再プレイによるパチンコ玉の貸出指示(以下、「再プレイ指示」と記載する)を受け付けた際(
図1の(A−3)参照)、パチンコ機の貸出レートが1円レートであれば、1円レートの貯玉口座を用いてパチンコ玉を貸し出し、1円貯玉からの再プレイを実行する(
図1の(A−4)参照)。
【0031】
ここで、従来の台間装置では、1回の再プレイ指示につき再プレイ手数料として10%を徴収するものとする。具体的には、1回の再プレイ指示でパチンコ玉を100玉払出す場合、払出数と手数料分として10玉とを1円貯玉から減算する。したがって、1円貯玉の貯玉数は、15玉(125玉−(100玉+10玉))となる。
【0032】
その後、従来の台間装置は、さらに再プレイ指示を受け付けた際(
図1の(A−5)参照)、1円レートの貯玉口座の貯玉数が1回の払出に減算されるパチンコ玉の数に満たない場合、異なる貸出レートの貯玉口座、ここでは4円レートの貯玉口座を用いてパチンコ玉の貸し出しを行う旨を報知する。
【0033】
ここでは、1円レートの貯玉数(15玉)が1回の再プレイ指示に対して減算されるパチンコ玉の数(110玉)に満たないので、従来の台間装置では、4円レートの貯玉口座を用いて再プレイ乗り入れが行われる案内を表示する(
図1の(A−6)参照)。
【0034】
ここで、遊技店側は会員に対してのセキュリティ性を担保するために(たとえば、会員以外の不正使用を防止するために)、会員が再プレイ乗り入れを行う際に、乗り入れに対する認証操作として暗証番号やパスワード等を入力させ認証させるといった対策を図ることが考えられる。
【0035】
この場合、従来の台間装置では、4円レートへ乗り入れを行う際、乗り入れ用の暗証番号の入力を受け付け(
図1の(A−7)参照)、乗り入れに対しての認証を行うこととなる(
図1の(A−8)参照)。
【0036】
そして、従来の台間装置では、乗り入れが認証されたならば、4円レートの貯玉口座を用いてパチンコ玉を貸し出し、4円貯玉からの再プレイを実行することとなる(
図1の(A−9)参照)。
【0037】
具体的には、1回の再プレイ指示でパチンコ玉は100玉払出されるので、払出数を4円レートに換算した玉数25玉(100玉×(1円/4円))と再プレイ手数料分として3玉(25玉×10%を切り上げ)とを4円貯玉から減算する。したがって、4円貯玉の貯玉数は、972玉(1000玉−(25玉+3玉))となる。しかし、従来の台間装置では、会員は再プレイ乗り入れが行われるたびに、暗証番号やパスワード等を入力する必要があり、遊技中の会員に対して非常に煩雑な操作を強いてしまう。
【0038】
そこで、本発明に係る遊技媒体貸出手法では、上記した再プレイ乗り入れサービスの認証にいったん成功すると、かかる認証に成功した旨を保持することで、以後の再プレイ乗り入れ操作時の認証操作を省略することとした。
【0039】
すなわち、
図1の(B)に示したように、本発明に係る遊技媒体貸出手法を適用した台間装置では、たとえば、会員カードの所有者本人であるか否かを確認する手順で入力されたパスワードを用いて乗り入れの事前認証を行う。
【0040】
具体的には、本発明に係る台間装置は、挿入された会員カードの所有者本人であるか否かを確認するために暗証番号の入力を受け付け(
図1の(B−1)参照)、入力された暗証番号によって所有者であると確認できたならば、暗証番号による照合をOKとするとともに、かかる照合結果を保持する(
図1の(B−2)参照)。
【0041】
そして、本発明に係る台間装置では、再プレイ指示を受け付けた際(
図1の(B−3)参照)、パチンコ機の貸出レートが1円レートであれば、1円レートの貯玉口座を用いてパチンコ玉を貸し出し、1円貯玉からの再プレイを実行する(
図1の(B−4)参照)。
【0042】
ここでも、1回の再プレイ指示につき再プレイ手数料として10%を徴収するものとすると、1回の再プレイ指示でパチンコ玉を100玉払出す場合、払出数と手数料分として10玉とを1円貯玉から減算する。したがって、1円貯玉の貯玉数は、15玉(125玉−(100玉+10玉))となる。
【0043】
そして、本発明に係る台間装置は、従来の台間装置と同様に、さらに再プレイ指示を受け付けた際(
図1の(B−5)参照)、パチンコ機の貸出レートである1円レートの貯玉口座の貯玉数が1回の払出に減算されるパチンコ玉の数に満たないため、4円レートの貯玉口座によって再プレイ乗り入れが行われる案内を表示する(
図1の(B−6)参照)。
【0044】
ここで、本発明に係る台間装置では、会員によって再プレイ乗り入れの開始操作、たとえば、再プレイボタンが押下されたならば(
図1の(B−7)参照)、ただちに、乗り入れ後の貯玉口座、すなわち、4円貯玉からの再プレイを実行することとなる(
図1の(B−8)参照)。
【0045】
なお、本発明に係る台間装置では、再プレイ乗り入れの際に、再プレイ手数料に乗り入れ分の手数料を上乗せした再プレイ乗り入れ手数料を徴収するものとする。たとえば、再プレイ乗り入れ手数料を20%とした場合について、以下に説明する。
【0046】
この場合、1回の再プレイ指示でパチンコ玉は100玉払出されるので、払出数を4円レートに換算した玉数25玉(100玉×(1円/4円))と再プレイ乗り入れ手数料分として5玉(25玉×20%)とを4円貯玉から減算する。したがって、4円貯玉の貯玉数は、970玉(1000玉−(25玉+5玉))となる。
【0047】
ここで、再プレイ乗り入れの認証は、
図1の(B−2)で既に照合した照合結果をもって再プレイ乗り入れの認証に成功したものとして取り扱うこととしたので、再プレイ乗り入れの開始操作が行われるたびにパスワード等の入力を求める必要がない。
【0048】
このように、本発明に係る遊技媒体貸出手法を適用した台間装置では、会員カードの所有者本人であるか否かの確認をもって乗り入れの認証に代え、その後の再プレイ乗り入れの認証を省略することとしたので、会員に対して煩雑な操作を強いることなくスムーズに再プレイ乗り入れサービスを提供することができる。
【0049】
なお、
図1では、会員カードの所有者本人であるか否かの確認をもって再プレイ乗り入れの認証に代える場合について説明したが、本人確認と事前の再プレイ乗り入れ認証とを別個に行うこととしてもよい。
【0050】
以下では、
図1を用いて説明した本発明に係る貯蓄遊技媒体管理システムについての実施例を詳細に説明する。まず、本実施例に係る貯蓄遊技媒体管理システムの構成について
図2を用いて説明する。
【0051】
なお、本発明に係る各台対応装置には、遊技台に対応して設けられるいわゆる台間装置や、遊技島の島端に設けられる、いわゆる再プレイ機等がある。以下では、パチンコ機に併設される台間装置を例に説明する。
【0052】
図2は、本実施例に係る貯蓄遊技媒体管理システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、貯蓄遊技媒体管理システムは、台間装置10と、管理装置20とを含んでいる。なお、
図2では、台間装置10および管理装置20の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示している。
【0053】
まず、台間装置10の構成を説明する。
図2に示すように、台間装置10は、通信I/F(インターフェース)11と、カードR/W部(リーダ/ライタ)12と、記憶部13と、表示操作部14と、制御部15とを備えている。また、制御部15は、開始処理部15aと、開始情報取得部15bと、乗入認証部15cと、乗入報知部15dと、終了処理部15eと、再プレイ処理部15fとをさらに備えており、記憶部13は、再プレイ情報13aと、暗証番号13bと、認証フラグ13cとを記憶する。
【0054】
通信I/F11は、管理装置20または図示しないパチンコ機との間で通信データの送受信を行う通信デバイスで構成されている。たとえば、通信I/F11は、会員の貯玉口座の情報を管理装置20から取得するために、会員カードの識別子(以下、「カードID」と記載する)を管理装置20へ送信する。
【0055】
カードR/W部12は、貯玉が関連付けられた会員カード、および、遊技客が獲得したパチンコ玉(以下、「持玉」と記載する)やプリペイド価値が関連付けられた一般カードの発行または受け付けを行う。
【0056】
具体的には、カードR/W部12は、会員カードを所有する会員が再プレイする場合は、複数の貸出レートに対応付けられた貯玉数が関連付けられた会員カードを受け付け、カードIDを読み込み、開始処理部15aへ渡す。
【0057】
一方、制御部15では、受け付けたカードIDに関連付けられている貯玉数を貸出レートごとに管理装置20から取得し、台間装置10が、取得した貯玉数によってパチンコ玉の払出しを行うことによって、会員は再プレイすることとなる。
【0058】
そして、カードR/W部12へ会員カードを挿入して遊技を行っている会員によってカード返却ボタンが押下された場合に、カードR/W部12は、会員カードのカードIDに対応付けて貯玉数、挿入された紙幣の残額、または、プリペイド価値を関連付けて会員カードを返却する。
【0059】
また、カードR/W部12には、予め数枚の一般カードが装填されており、非会員の遊技客によってカード返却ボタンが押下された場合には、カードIDに対応付けて挿入された紙幣の残額を関連付けた一般カードを排出(発行)する。
【0060】
記憶部13は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。この記憶部13は、カードIDに関連付けて貸出レートごとの貯玉数等を再プレイ情報13aとして記憶する。なお、再プレイ情報13aの詳細については後述することとする。
【0061】
また、記憶部13は、挿入された会員カードの所有者本人であるか否かを確認するために管理装置20から取得された暗証番号13bや乗り入れ認証の際に使用する認証フラグ13cを記憶する。
【0062】
表示操作部14は、貯玉口座の残数や複数の貸出レートのうち、いずれの貸出レートの貯玉口座によってパチンコ玉の払出が行われているかを表示したり、再プレイ乗り入れの案内を行う表示部を備えている。また、パチンコ玉の払出指示操作、再プレイ乗り入れの確認操作、カード返却操作といった各種操作を受け付ける操作部をさらに備えている。
【0063】
たとえば、表示操作部14は、会員によって挿入された会員カードの所有者本人であるか否かを確認する手順に必要な暗証番号を入力するためのテンキー、貯玉口座によってパチンコ玉の払出指示を行う再プレイボタン、持玉数によってパチンコ玉の払出指示を行う持玉払出ボタン等を備えている。また、表示操作部14は、パチンコ玉の払出指示操作を受け付けるとともに、払出が行われたパチンコ玉の数が減算された貯玉数や持玉数の残数等を表示する。
【0064】
ここで、台間装置10の概要構成を説明するために、
図3を用いて台間装置10の外観について説明しておく。
図3は、台間装置10の外観図である。なお、同図には、台間装置10が併設されたパチンコ機30を破線で示している。また、同図では、本発明に係る台間装置10の特徴を説明するために必要な構成のみを示しており、装置の外観や構成部品の形状などを限定するものではない。
【0065】
図3に示すように、台間装置10は、台間装置10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部31とパチンコ玉の払出のための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部32とを備えている。なお、パチンコ玉の払出のために硬貨を挿入する硬貨挿入部を備えることとしてもよい。
【0066】
また、台間装置10は、従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部33と乗り入れ認証操作や貯玉払出操作を受け付けたり、再プレイ乗り入れの案内を表示したりする表示操作部14とを備えている。なお、表示操作部14での表示や操作を行う構成部品を限定する必要はない。したがって、指やポインティングデバイスなどの押圧感知により入力を受け付け、かつ表示出力も兼ねるタッチパネル式の液晶ディスプレイなどを用いることとしてもよいし、簡素な表示出力を行う7セグメントLEDなどを表示部品として用いることとしてもよい。
【0067】
さらに、台間装置10は、パチンコ玉を払い出すノズルを備えた玉払出部34と、獲得玉を計数する玉計数部39と、獲得玉を貯留する玉貯留部38とを備えている。台間装置10は、同図に示すパチンコ機30の下皿37から獲得玉を玉貯留部38へ誘導し、玉計数部39で獲得玉の数量を計数する各台計数機能を有する。
【0068】
そして、台間装置10は、表示操作部14に設けられる図示しない再プレイボタンが押下された場合には、会員カードのカードIDに関連付けられた貯玉数から払出数を減算して、ノズルを備えた玉払出部34経由でパチンコ機30の上皿36へパチンコ玉を投出する。
【0069】
また、台間装置10は、表示操作部14に設けられる図示しない持玉払出ボタンが押下された場合には、玉計数部39で計数された計数値から払出数を減算して、玉払出部34経由でパチンコ機30の上皿36へパチンコ玉を投出する。なお、台間装置10の玉払出部34はなくてもよく、その場合は、パチンコ機30からパチンコ玉を投出してもよく、台間装置10の構成の簡素化を図ることができる。
【0070】
また、パチンコ機30の上皿36には、台間装置10の制御部15と電気的に接続されている玉貸ボタンが設けられており、この玉貸ボタンが押下された場合は、紙幣挿入部32へ挿入された各種紙幣の残額あるいはカードR/W部12に挿入されたカードに関連付けられたプリペイド価値から所定額を減算し、所定額に応じた数のパチンコ玉をパチンコ機30から投出する。
【0071】
また、台間装置10は、貯玉数や挿入された紙幣の残額が関連付けられたカード(会員カードまたは一般カード)の受け付け、会員カードの返却、一般カードの発行を行うカードR/W部12を備えている。なお、カードR/W部12の内部には、予め数枚の一般カードが装填されているものとする。
【0072】
さらに、台間装置10は、携帯端末の識別子であるIDmを読み取る携帯読取部35を備えている。ここで、携帯読取部35と携帯端末との通信手段は特に限定する必要はなく、たとえば非接触ICチップを用いることとしてもよいし、赤外線通信を用いることとしてもよい。
【0073】
そして、遊技終了時に、遊技客によってカードの返却要求を行う返却ボタンを押下されたら、台間装置10は、貯玉の残数や挿入された紙幣の残額を会員カードまたは一般カードに関連付けた後、カードR/W部12へカードを返却または排出する。
【0074】
なお、本実施例では、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する各台計数機能付きの台間装置10に対して本発明を適用した場合について説明したが、各台計数機能のない台間装置であってもよい。また、各台計数機能を有する第1の台間装置(計数サンド)と、玉貸機能を有する第2の台間装置(CRユニット)とを併設するシステム(ダブルサンド方式)に対して本発明を適用することとしてもよい。
【0075】
図2の説明に戻り、台間装置10についての説明をつづける。制御部15は、台間装置10の全体制御を行う制御部である。開始処理部15aは、カードR/W部12で読み込んだ会員カードのカードIDを受け付け、開始情報を取得するために管理装置20へ送信する処理を行う処理部である。
【0076】
開始情報取得部15bは、カードIDに関連付けられた貸出レートごとの貯玉数および暗証番号を管理装置20から取得し、記憶部13の再プレイ情報13aおよび暗証番号13bに記憶させる処理を行う処理部である。
【0077】
また、開始情報取得部15bは、パチンコ機30または管理装置20から取得した自パチンコ機30の貸出レートを遊技台レートとして再プレイ情報13aに記憶させる処理を併せて行う。なお、遊技台レートは、遊技島に設けられた一群のパチンコ機30および台間装置10を束ねる中継装置である島コントローラから取得することとしてもよい。
【0078】
さらに、開始情報取得部15bは、自パチンコ機30の貸出レートを再プレイ情報13aの遊技客選択レートにも記憶させるとともに、会員カードの所有者本人であるか否かを確認するための暗証番号入力を促す旨を表示操作部14へ表示する。
【0079】
ここで、再プレイ情報13aの詳細について
図4を用いて説明しておく。
図4は、再プレイ情報13aの一例を示す図である。再プレイ情報13aは、会員カードの識別子である「カードID」項目と、貸出レートごとの「貯玉数」項目と、「遊技台レート」項目と、「遊技客選択レート」項目とを含んでいる。
【0080】
「カードID」項目は、遊技店の会員が所有する会員カードの識別子であり、会員が所有する会員カードを一意に識別することができる情報である。なお、「カードID」項目は、会員を一意に識別するための会員番号であってもよい。
【0081】
また、携帯端末を会員カードの代わりとして使用している会員(以下、「携帯会員」と記載する)の所有する携帯端末の識別子であるIDmとしてもよい。この場合、携帯会員は、携帯会員の所有する携帯端末をタッチすることによって再プレイを行うことができる。
【0082】
「貯玉数」項目は、「カードID」項目に関連付けられ、貸出レートごとの「貯玉数」項目である。
図4には、カードIDが101に関連付けられて1円レートの貯玉数が125玉および4円レートの貯玉数が1000玉である例について示した。
【0083】
「遊技台レート」項目は、自パチンコ機30の貸出レートである。「遊技客選択レート」項目は、所定の会員が再プレイを行う際には、初期値として遊技台レートが設定され、その後は、再プレイ乗り入れが行われる貸出レートが設定されることとなる。
【0084】
たとえば、1円レートの貯玉口座の貯玉数が所定数(110玉)に満たない場合、4円レートの貯玉口座によって再プレイ乗り入れが行われたならば、
図4に示すように、「遊技客選択レート」項目には、4円と設定される。なお、この所定数(110玉)は、1回の再プレイ指示で払出される100玉に、再プレイ手数料(10%)として10玉を加えた値である。
【0085】
図2の説明に戻り、台間装置10についての説明をつづける。乗入認証部15cは、表示操作部14から入力された暗証番号と記憶部13に記憶される暗証番号13bとが一致した場合には、会員カードの所有者本人であるか否かを確認するとともに再プレイ乗り入れの承認が行われたとして、認証フラグ13cをONにセットする処理を行う処理部である。
【0086】
なお、乗入認証部15cが乗り入れの認証を行うこととしたが、管理装置20で行うこととしてもよい。また、認証フラグ13cは台間装置10で保持することとしたが、管理装置20で保持することとしてもよい。
【0087】
乗入報知部15dは、再プレイの際に払出が行われている貸出レートの貯玉数が予めきめられた閾値に満たない場合、再プレイ乗り入れが行われる旨を表示操作部14へ表示する処理を行う処理部である。
【0088】
たとえば、遊技客選択レートが1円レートである場合、すなわち現在1円レートの貯玉口座によってパチンコ玉の払出が行われている場合について説明する。
【0089】
ここで、閾値を110玉とした場合に、乗入報知部15dは、1円レートの貯玉数が110玉未満であったと判定したら、1円レート以外の貯玉口座によって再プレイ乗り入れが行われる案内を表示操作部14へ表示する。
【0090】
そして、乗入報知部15dは、再プレイ乗り入れを行うために十分な貯玉数を有する貯玉口座の貸出レートを候補レートとして表示操作部14へ表示して、遊技客に再プレイ乗り入れを行う貸出レートの選択を促す旨を表示操作部14へ表示する。なお、候補レートを表示する際、候補レートの貯玉数をパチンコ機30の貸出レートへ換算して、表示操作部14へ表示することとしてもよい。
【0091】
また、乗入報知部15dは、遊技客によって候補レートから選択指示を受け付けたならば、選択された貸出レートを再プレイ情報13aの遊技客選択レートとして登録する処理を併せて行う。
【0092】
終了処理部15eは、カードの返却要求を受け付けたならば、貯玉の残数を会員カードに関連付けた後、カードR/W部12へカードを返却するとともに、かかる会員が遊技を終了したものとして、認証フラグ13cをOFFにリセットする処理を行う処理部である。
【0093】
再プレイ処理部15fは、再プレイボタンが押下されたことを検知した場合に、遊技客選択レートの貯玉口座の貯玉数から払出数を減算して、パチンコ玉をパチンコ機30の上皿36へ投出する処理を行う処理部である。
【0094】
また、再プレイ処理部15fは、管理装置20の貯玉情報22bに記憶される遊技客選択レートの貯玉口座の貯玉数からも払出数を減算するよう減算指示とともに、カードID、遊技台レート、遊技客選択レートおよび払出数を管理装置20へ送信する処理を併せて行う。
【0095】
つぎに、管理装置20の構成について説明する。管理装置20は、通信I/F21と、記憶部22と、制御部23とを備えている。また、制御部23は、開始情報送信部23aと、貯玉減算部23bとをさらに備えており、記憶部22は、会員情報22aと、貯玉情報22bとを記憶する。
【0096】
通信I/F21は、LANカード等の通信デバイスで構成されており、LAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で、台間装置10や遊技店内に設置された各種機器との間のデータ送受信を行う。
【0097】
記憶部22は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。この記憶部22は、会員の所有する会員カードのカードIDに関連付けて会員の氏名および暗証番号等を会員情報22aとして記憶する。
【0098】
また、記憶部22は、カードIDに関連付けて会員が貯玉を行った貯玉数を貸出レートごとに貯玉情報22bとして記憶する。なお、会員情報22aおよび貯玉情報22bの詳細については後述することとする。
【0099】
開始情報送信部23aは、開始処理部15aから受信したカードIDに関連付けられた貸出レートごとの貯玉数および暗証番号を会員情報22aおよび貯玉情報22bから検索し、開始情報取得部15bへ送信する。
【0100】
貯玉減算部23bは、再プレイ処理部15fから減算指示とともに受信したカードID、遊技客選択レートおよび払出数に基づいて貯玉情報22bに記憶される遊技客選択レートの貯玉数から払出数を遊技台レートから遊技客選択レートへ換算した玉数を減算する。
【0101】
なお、乗り入れではない再プレイの場合と、再プレイ乗り入れの場合とによる減算手法が異なるので、以下にそれぞれ説明する。乗り入れではない再プレイの場合、たとえば、遊技客選択レートが1円、払出数が100玉、遊技台レートが1円、再プレイ手数料が10%であったとする。この場合、貯玉減算部23bは、払出数の100玉と再プレイ手数料分の10玉(100玉×10%)とを合わせた110玉を、1円レートの貯玉数から減算する。
【0102】
また、再プレイ乗り入れの場合、遊技客選択レートが4円、払出数が100玉、遊技台レートが1円、再プレイ乗り入れ手数料が20%であったとする。この場合には、貯玉減算部23bは、1円レートでの払出数100玉を4円レートへ換算した玉数25玉(100玉×(1円/4円))と再プレイ乗り入れ手数料分の5玉(25玉×20%)とを合わせた30玉を、4円レートの貯玉数から減算する。
【0103】
なお、再プレイ処理部15fから減算指示とともにカードID、遊技客選択レートおよび遊技客選択レートへ換算した玉数を受信して、貯玉減算部23bでは貯玉情報22bに記憶される遊技客選択レートの貯玉数から換算された玉数を減算することとしてもよい。
【0104】
つぎに、本実施例に係る貯蓄遊技媒体管理システムの構成について
図5を用いて説明する。
図5は、本実施例に係る貯蓄遊技媒体管理システムのシステム構成図である。同図に示すように、遊技店に設置された管理装置20には、LAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で、島コントローラ40と、島端計数機50と、精算機60と、景品管理装置70と、カード・携帯処理機80とが接続されている。
【0105】
また、島コントローラ40の配下には、複数組の台間装置10およびパチンコ機30が接続されている。なお、
図5には、2台の島コントローラ40のみを示しているが、管理装置20には所定数の島コントローラ40が接続されるものとする。また、台間装置10は、島コントローラ40と各パチンコ機30との間に介在し、一つの島コントローラ40に対して、所定数の台間装置10が接続されるものとする。
【0106】
さらに、遊技島ごとに貸出レートの異なるパチンコ機30が接続されている。たとえば、
図5の左下に示した島コントローラには1円レートのパチンコ機30が接続される1円コーナーが、
図5の中央下に示した島コントローラには4円レートのパチンコ機30が接続される4円コーナーが混在するものとする。
【0107】
管理装置20は、会員情報22aおよび貯玉情報22bを記憶部22に記憶しており、会員カードまたはIDmに関連付けられた貯玉に関する情報や会員登録の際に登録された暗証番号等を管理している。
【0108】
島コントローラ40は、遊技島に設けられた一群のパチンコ機30および台間装置10を束ねる中継装置である。パチンコ機30は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行う装置である。
【0109】
島端計数機50は、遊技島端等に設けられ、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数し、計数値を会員カードまたは携帯端末に関連付けて貯玉処理する、若しくは、計数レシートへ計数値を印字し、発行する。
【0110】
精算機60は、紙幣挿入部32に挿入された各種紙幣の残額が会員カードまたは一般カードに関連付けられている場合に、残額が関連付けられているカードが挿入されると、残額に相当する現金の払出を行う。また、精算機60は、紙幣挿入部32に挿入された各種紙幣の残額が携帯端末に関連付けられている場合に、携帯端末のタッチを受け付けると、残額に相当する現金の払出を行う。
【0111】
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、図示しない交換玉数管理情報を用いて獲得玉と景品との交換を管理する。なお、交換玉数管理情報は、景品毎にその景品との交換に要する交換玉数を対応付けた情報である。カード・携帯処理機80は、一般カードや会員カードを受け付けてカードデータを読み取ったり、携帯端末のIDmを読み取ったりして、読み取ったデータを景品管理装置70へ送る。
【0112】
ここで、非携帯会員が、一般カードや会員カードを持参し、景品管理装置70に接続されたカード・携帯処理機80へ一般カードや会員カードを挿入したりした場合には、貯玉または計数値に応じた景品を受け取ることができる。また、景品管理装置70では、遊技客が計数レシートを持参し、持参した計数レシートに印字された計数値によって景品の交換を行うこともできる。
【0113】
また、携帯会員は、景品交換カウンタへ携帯端末を持参し、景品管理装置70または景品管理装置70に併設されたカード・携帯処理機80に携帯端末をタッチすることで、IDmに関連付けられた貯玉または計数値に応じた景品を受け取ることができる。
【0114】
その際、景品交換カウンタ内の従業員が、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下する。交換ボタンの押下を受け付けた景品管理装置70は、指定された景品に相当する交換玉数を計数値から減算する交換制御を実行する。その後、従業員が手作業によって遊技客に指定された景品を渡すこととなる。
【0115】
つぎに、会員情報22aおよび貯玉情報22bの詳細について
図6〜7を用いて説明する。
図6は、会員情報22aの一例を示す図である。
【0116】
図6に示すように、会員情報22aは、「カードID」項目と、「氏名」項目と、「暗証番号」項目とを含んでいる。「カードID」項目は、遊技店の会員の所有する会員カードの識別子であり、遊技店の会員を一意に識別することができる情報である。
【0117】
なお、「カードID」項目は、携帯会員の場合は、携帯会員が所有する携帯端末のIDmと同じであってもよいし、会員番号のような会員を一意に識別することができる会員識別子と同じであってもよい。また、携帯会員の場合の識別子は、IDm以外の携帯端末を一意に識別することができる情報、たとえば、電話番号やメールアドレスを用いることとしてもよい。
【0118】
「氏名」項目は、会員の氏名であり、「暗証番号」項目は、セキュリティ性を担保するために会員本人であるか否かを確認するために用いる会員認証用の番号である。なお、本実施例では、「暗証番号」項目は、番号であることとしたが、文字や数字の組み合わせからなる符号としてもよい。
【0119】
つづいて、貯玉情報22bの詳細について
図7を用いて説明する。
図7は、貯玉情報22bの一例を示す図である。
【0120】
図7に示すように、貯玉情報22bは、「カードID」項目と、貸出レートごとに「貯玉数」項目とを含んでいる。「カードID」項目は、遊技店の会員の所有する会員カードの識別子であり、遊技店の会員を一意に識別することができる情報である。
【0121】
「貯玉数」項目は、会員の所有する貯玉数であり、貸出レートごとに複数の貯玉口座ごとに貯玉数が管理される。会員は、自身の所有する貯玉数から払出数を引き落とすことによって再プレイを行うことができる。また、貸出レートごとに貯メダル数、たとえば、「5円レート貯メダル数」、「20円レート貯メダル数」等を登録し、パチスロコーナーで再プレイできるようにしてもよい。
【0122】
具体的には、貯玉減算部23bが、再プレイ処理部15fから減算指示とともに受信したカードID、遊技客選択レートおよび払出数に基づいて貯玉情報22bに記憶される遊技客選択レートの貯玉数から払出数を遊技台レートから遊技客選択レートへ換算した玉数を減算する。
【0123】
たとえば、乗り入れではない再プレイの場合、遊技客選択レートが1円、払出数が100玉、遊技台レートが1円、再プレイ手数料が10%であったとする。この場合、貯玉減算部23bは、払出数の100玉と再プレイ手数料分の10玉(100玉×10%)とを合わせた110玉を、1円レートの貯玉数から減算する。
【0124】
また、再プレイ乗り入れの場合、遊技客選択レートが4円、払出数が100玉、遊技台レートが1円、再プレイ乗り入れ手数料が20%であったとする。この場合には、貯玉減算部23bは、1円レートでの払出数100玉を4円レートへ換算した玉数25玉(100玉×(1円/4円))と再プレイ乗り入れ手数料分の5玉(25玉×20%)とを合わせた30玉を、4円レートの貯玉数1000玉から減算する。
【0125】
つぎに、乗入報知部15dが表示操作部14へ表示する乗入報知画面について
図8を用いて説明する。
図8は、乗入報知画面の一例を示す図である。以下では、まず、同図の(A)を用いて再プレイ時の表示について、つぎに、同図の(B)を用いて1円レートから4円レートへ再プレイ乗り入れされる報知画面について、最後に、同図の(C)を用いて複数の貸出レートへ再プレイ乗り入れされる報知画面について説明する。
【0126】
まず、
図8の(A)に示すように、1円レートの貯玉数を1200玉所有する会員が、1円レートのパチンコ機30で、再プレイを開始した場合、表示操作部14は、1円レートの貯玉口座の貯玉数から払出が行われることを表示する。
【0127】
つづいて、1円レートの貯玉数を25玉、4円レートの貯玉数を250玉所有する会員が、1円レートのパチンコ機30で、再プレイを開始した場合について説明する。
【0128】
この場合、
図8の(B)に示すように、1円レートの貯玉口座の貯玉数が所定数(ここでは、100玉)に満たないので、4円レートの貯玉口座によって再プレイ乗り入れが行われる案内として、表示操作部14は、乗り入れ可能レートである4円レートを候補レートとして表示する。
【0129】
また、候補レートを表示する際、候補レートの貯玉数(250玉)をパチンコ機30の貸出レート(1円)へ換算して、表示操作部14は、1000玉(250玉×(4円/1円))と表示する。これによって、会員は、1円レートのパチンコ機30での再プレイ可能玉数を容易に知ることができる。
【0130】
なお、再プレイ処理部15fでは、再プレイ開始時に、遊技台レートの貯玉口座から最初に引き落とすこととした。しかし、再プレイ開始時から、遊技台レート以外の貸出レートの貯玉数によって払出を行うことができるよう遊技客によって選択できることとしてもよい。
【0131】
つづいて、1円レートの貯玉数を25玉、2円レートの貯玉数を1500玉、4円レートの貯玉数を250玉所有する会員が、1円レートのパチンコ機30で、再プレイを開始した場合について説明する。
【0132】
この場合、
図8の(C)に示すように、1円レートの貯玉口座の貯玉数が所定数(ここでは、100玉)に満たないので、再プレイ乗り入れを行うために十分な貯玉数を有する2円および4円の貸出レートを候補レートとして表示する。
【0133】
ここで、
図8の(B)と同様に、候補レートの貯玉数はパチンコ機30の貸出レートへ換算して、2円レートの貯玉数を3000玉(1500玉×(2円/1円))、4円レートの貯玉数を1000玉(250玉×(4円/1円))と表示する。
【0134】
そして、再プレイ処理部15fは、候補レートから遊技客によって乗り入れが行われる貸出レートを選択されたレート、すなわち、遊技客選択レートの貯玉数によって再プレイによるパチンコ玉の払出を行う。
【0135】
また、
図8の(C)に示すように、表示操作部14に乗入ボタンを備えることとしてもよい。この場合、遊技客によって乗入ボタンを押下されることにより、台間装置10は、候補レートの選択指示および再プレイ乗り入れ指示の双方の指示を受け付けたとみなし、パチンコ玉の払出を行う。
【0136】
なお、台間装置10は、再プレイ乗り入れの案内を表示する際、候補レートを表示して、遊技客に選択させるようにしたが、予め複数の貸出レートの再プレイ乗り入れを行う優先順位を台間装置10または管理装置20等に予め設定させてもよい。そして、台間装置10は、予め設定された優先順位に従って、再プレイ乗り入れ時に遊技客選択レートを決定することとしてもよい。
【0137】
また、台間装置10は、貸出レートごとに再プレイ乗り入れを行うこととした。しかし、再プレイ乗り入れを行うために十分な貯玉数を有するすべての貸出レートの貯玉数を遊技客選択レートへ変換し、変換した玉数の合算値を表示操作部14へ表示し、かかる合算値から再プレイ時の払出数を減算することとしてもよい。
【0138】
つぎに、本実施例に係る台間装置10が実行する処理について
図9〜11を用いて説明する。以下では、まず、
図9を用いて乗入認証処理を説明し、
図10を用いて乗入報知処理を説明し、
図11を用いて再プレイ処理を説明する。
【0139】
図9は、本実施例に係る台間装置10が実行する乗入認証処理手順の概要を示すフローチャートである。同図に示すように、カードR/W部12は、貯玉数が関連付けられた会員カードが挿入されたならば、会員カードのカードIDの読取を行い(ステップS101)、カードIDを開始処理部15aへ渡す。
【0140】
そして、開始処理部15aは、受け付けたカードIDを管理装置20へ送信することによって、開始情報取得部15bは、カードIDに関連付けられた貸出レートごとの貯玉数および暗証番号を開始情報として管理装置20から取得する(ステップS102)。
【0141】
開始情報取得部15bは、取得した開始情報を、再プレイ情報13aおよび暗証番号13bへ登録するとともに、自パチンコ機30の貸出レートを再プレイ情報13aの遊技台レートおよび遊技客選択レートへ登録する(ステップS103)。
【0142】
その後、表示操作部14は、挿入された会員カードの所有者であることを確認するため暗証番号の入力を促す旨を報知し(ステップS104)、暗証番号の入力を検知したか否かを判定する(ステップS105)。
【0143】
乗入認証部15cは、表示操作部14で暗証番号の入力を検知された場合(ステップS105,Yes)、入力された暗証番号と暗証番号13bとが一致するか否かを判定する(ステップS106)。
【0144】
一方、表示操作部14は、暗証番号の入力が所定時間検知されない場合(ステップS105,No)、ステップS104へ移行して、暗証番号の入力を促す旨を報知する。
【0145】
乗入認証部15cは、入力された暗証番号と暗証番号13bとが一致した場合(ステップS106,Yes)、再プレイおよび乗入の認証が行われたものと判定し、認証フラグ13cをONにセットする(ステップS107)。
【0146】
つづいて、乗入報知部15dでは、遊技台レートの貯玉で再プレイが可能か否かを判定し(ステップS108)、再プレイができないと判定した場合(ステップS108,No)、乗入報知処理を行い(ステップS109)、台間装置10が実行する一連の乗入認証処理を終了する。
【0147】
また、乗入報知部15dは、遊技台レートの貯玉で再プレイが可能であると判定した場合(ステップS108,Yes)、当該レートの貯玉を使った再プレイ処理を行う(ステップS110)。
【0148】
一方、乗入認証部15cは、入力された暗証番号と暗証番号13bとが一致しなかった場合(ステップS106,No)、挿入された会員カードの所有者であることが確認できないと判定し、会員カードを返却する(ステップS111)。なお、入力された暗証番号と暗証番号13bとが一致しなかった場合(ステップS106,No)、ステップS104へ移行して、所定回数入力された暗証番号と暗証番号13bとが一致しなかった場合に、会員カードを返却することとしてもよい。
【0149】
つぎに、本実施例に係る台間装置10が実行する乗入報知処理について
図10を用いて説明する。
図10は、本実施例に係る台間装置10が実行する乗入報知処理手順の概要を示すフローチャートである。
【0150】
図10に示すように、乗入報知部15dは、認証フラグ13cがONであるか否かを判定し(ステップS201)、認証フラグ13cがONであった場合(ステップS201,Yes)、再プレイ情報13aを取得する(ステップS202)。一方、乗入認証部15cは、ステップS201の判定で認証フラグ13cがOFFであった場合(ステップS201,No)、乗入報知処理を終了する。
【0151】
つづいて、乗入報知部15dは、再プレイ乗り入れが可能な貯玉数、すなわち、所定数を超える貯玉数を有するレートの貯玉口座があるか否かを判定し(ステップS202)、再プレイ乗り入れが可能なレートがある場合(ステップS202,Yes)、再プレイ乗り入れが可能であると判定し、以下の処理を行う。乗入報知部15dは、再プレイ乗り入れを行うために十分な貯玉数を有する貯玉口座の貸出レートを候補レートとして表示操作部14へ表示する(ステップS203)。
【0152】
一方、乗入報知部15dは、再プレイ乗り入れが可能なレートがない場合(ステップS202,No)、乗入報知処理を終了する。
【0153】
つづいて、乗入認証部15cは、再プレイボタンの押下を促す旨を表示操作部14へ表示し(ステップS204)、表示操作部14は、再プレイボタンの押下を検知したか否かを判定する(ステップS205)。
【0154】
そして、乗入認証部15cは、表示操作部14で再プレイボタンの押下が検知された場合(ステップS205,Yes)、再プレイ情報13aの遊技客選択レートを候補レートへ更新する(ステップS206)。
【0155】
そして、乗入認証部15cは、再プレイ情報13aの遊技客選択レートと同じ貸出レートの貯玉数を遊技台レートへ換算した玉数を表示操作部14へ表示し(ステップS207)、台間装置10が実行する一連の乗入報知処理を終了する。
【0156】
一方、表示操作部14は、ステップS206の判定で、再プレイボタンの押下を検知されない場合(ステップS205,No)、再プレイボタンの押下を促す旨の表示を続ける(ステップS205)。
【0157】
つぎに、本実施例に係る台間装置10が実行する再プレイ処理について
図11を用いて説明する。
図11は、本実施例に係る台間装置10が実行する再プレイ処理手順の概要を示すフローチャートである。
【0158】
図11に示すように、表示操作部14は、再プレイボタン押下を検知したか否かを判定する(ステップS301)。表示操作部14は、再プレイボタンの押下が検知されない場合(ステップS301,No)、再プレイボタン押下が検知されるまでステップS301の処理を続ける。
【0159】
一方、再プレイ処理部15fは、表示操作部14で再プレイボタンの押下が検知された場合(ステップS301,Yes)、払出玉数を遊技台レートから遊技客選択レートへ換算して再プレイ情報13aに記憶される遊技客選択レートの貯玉数から減算する(ステップS302)。
【0160】
再プレイ処理部15fは、払出玉数のパチンコ玉を払出し(ステップS303)、表示操作部14へ減算した貯玉数を再表示する(ステップS304)。
【0161】
また、再プレイ処理部15fは、貯玉情報22bに記憶される遊技客選択レートの貯玉口座の貯玉数から払出玉数を減算するよう減算指示を管理装置20へ送信する(ステップS305)。そして、再プレイ処理部15fは、遊技客選択レートの貯玉数が所定数を超えて再プレイが可能であるか否かを判定する(ステップS306)。遊技客選択レートの貯玉数が所定数未満であり、再プレイ処理部15fによって再プレイできないと判定された場合(ステップS306,No)、乗入報知部15dは、乗入報知処理を行う(ステップS307)。一方、再プレイ処理部15fによって再プレイが可能であると判定された場合(ステップS306,Yes)、ステップS308へ処理を移行する。
【0162】
つづいて、表示操作部14は、カード返却ボタンの押下を検知したか否かを判定する(ステップS308)。乗入報知部15dは、表示操作部14でカード返却ボタンの押下が検知された場合(ステップS308,Yes)、認証フラグ13cをOFFにリセットする(ステップS309)。
【0163】
そして、台間装置10は、貯玉数等を関連付けたカードを返却し(ステップS310)、台間装置10が実行する一連の再プレイ処理を終了する。一方、乗入報知部15dは、表示操作部14でカード返却ボタンの押下が検知されない場合(ステップS308,No)、ステップS301へ処理を移行して、再プレイ処理を続ける。
【0164】
上述してきたように、本実施例に係る貯蓄遊技媒体管理システムおよび各台対応装置は、一つの会員識別情報について複数の貸出レートにそれぞれ対応する貯蓄遊技媒体数を口座情報として管理し、当該貯蓄遊技媒体数に基づいて再遊技用の遊技媒体を払い出す貯蓄遊技媒体管理システムであって、一つの貸出レートに対応する貯蓄遊技媒体数に基づいて当該貸出レートに対応する遊技媒体の貸与処理を行う第1の再遊技処理手段と、一つの貸出レートに対応する貯蓄遊技媒体数に基づいて他の貸出レートに対応する遊技媒体の貸与処理を行う第2の再遊技処理手段と、を備え、予め設定される会員であるか否かを認証するための
会員認証情報と新たに入力される
会員認証情報との対応関係が正当であることを
判定する会員認証処理が行なわれたことを条件として、貯蓄遊技媒体数に基づく前記遊技媒体の貸与処理を第1の再遊技処理手段により実行するとともに、所定条件を満たした場合には、新たな
会員認証情報の入力がなくとも遊技媒体の貸与処理を第1の再遊技処理手段により実行し、
前記会員認証処理が行われている条件のもとで、他の貸出レートの貯蓄遊技媒体数を用いて貸与処理を行う旨の所定の
乗入確認処理が行なわれたことを条件として、貯蓄遊技媒体数に基づく遊技媒体の貸与処理を第2の再遊技処理手段により実行するとともに、所定条件を満たした場合には、新たな
乗入確認処理を条件とせず遊技媒体の貸与処理を第2の再遊技処理手段により実行することとした。
【0165】
したがって、本発明に係る貯蓄遊技媒体管理システムおよび各台対応装置は、会員がレートの異なる複数の口座に遊技媒体価値を有している場合、セキュリティ性を担保しつつ、会員に煩雑な操作を強いることなく再プレイ乗り入れの認証を行うことができる。
【0166】
なお、本発明の請求項に記載の各台対応装置は台間装置10、管理装置は管理装置20、口座情報取得手段は開始情報取得部15b、認証手段は乗入認証部15c、再遊技手段は乗入報知部15dおよび再プレイ処理部15fの一例として挙げられる。
【0167】
なお、上述した実施例では、会員カードの所有者本人であるか否かを確認するとともに再プレイ乗り入れの承認されたものとした。しかし、会員入会時、すなわち会員カード作成時に再プレイ乗り入れの承認を行い、会員情報として登録しておくことで、再プレイ乗り入れ時の操作手順を簡素化できるようにしてもよい。
【0168】
また、上述した実施例では、カード返却ボタンが押下された際に、認証フラグをOFFにリセットすることとした。しかし、カード返却ボタンが押下されてカード返却された後も、認証フラグをONに保持しておいて、返却された会員カードと同じ会員カードが再挿入された場合、カード返却されてから再挿入されるまでの時間が所定時間以内であれば、認証フラグをONにセットして、再プレイ乗り入れの承認されているものとしてもよい。ただし、ここで、所定時間以内に、かかる会員カードが他の各台対応装置で使用された場合には、認証フラグをONにセットしないこととする。
【0169】
また、上述した実施例では、会員が貸出レートの異なる複数の貯玉口座に貯玉数を有している場合について説明したが、異なる複数の貸出レートに対応する持玉が関連付けられた持玉カードや会員カードを用いて、持玉による払出を行う場合にも同様に適用することとしてもよい。
【0170】
また、上述した実施例では、パチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合、または、パチスロ遊技のみを対象とした場合にも同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。