特許第5731149号(P5731149)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5731149
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】リストバンド
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/00 20060101AFI20150521BHJP
【FI】
   A44C5/00 501A
   A44C5/00 502C
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-202966(P2010-202966)
(22)【出願日】2010年9月10日
(65)【公開番号】特開2012-55547(P2012-55547A)
(43)【公開日】2012年3月22日
【審査請求日】2013年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】本田 悟
(72)【発明者】
【氏名】高島 哲也
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 勲
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−234497(JP,A)
【文献】 特表2008−500872(JP,A)
【文献】 特開2005−215470(JP,A)
【文献】 米国特許第1824199(US,A)
【文献】 米国特許第6349493(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/00− 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のバンド基材と、
このバンド基材の裏面側に形成した粘着剤層と、
この粘着剤層の裏面側に仮着した台紙と、を有し、
前記バンド基材は、
特定情報を印字可能な印字領域と、
この印字領域の左右端部にそれぞれ位置し、この印字領域とともに手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能な第1の巻付け領域および第2の巻付け領域と、を有するリストバンドであって、
前記第1の巻付け領域および前記第2の巻付け領域の少なくともいずれか一方に破断用切込み部を形成し、
前記第1の巻付け領域あるいは前記第2の巻付け領域の裏面側の前記台紙を剥離可能として、この巻付け領域の前記粘着剤層を露出可能とし、
この露出した前記粘着剤層を前記第2の巻付け領域あるいは前記第1の巻付け領域の前記バンド基材側に貼り付けて重ね合わせ、前記被巻付け部に巻き掛けるように環状に形成可能としているとともに、
前記第1の巻付け領域に第1の貼付け位置確認用マークと、
前記第2の巻付け領域には、前記第1の貼付け位置確認用マークと対をなす第2の貼付け位置確認用マークと、を形成していることを特徴とするリストバンド。
【請求項2】
前記第1の巻付け領域および前記第2の巻付け領域の重合わせ領域部に前記破断用切込み部を位置させるように、当該リストバンドを前記環状に形成可能としていることを特徴とする請求項1記載のリストバンド。
【請求項3】
前記破断用切込み部は、当該リストバンドの長さ方向に沿って、複数本の切込み線を有していることを特徴とする請求項1または2記載のリストバンド。
【請求項4】
前記破断用切込み部は、その切込み尖端部が当該リストバンドの順方向および逆方向それぞれに向かうジグザグ状切込み線を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項5】
前記破断用切込み部は、前記第1の巻付け領域あるいは前記第2の巻付け領域の少なくともいずれか一方の幅方向に延びる幅方向切込み線を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項6】
前記第1の巻付け領域あるいは前記第2の巻付け領域の裏面側の前記台紙を剥離可能な剥離用切込み線を前記台紙に形成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項7】
前記貼付け位置確認用マークの近傍に前記破断用切込み部を形成していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のリストバンド。
【請求項8】
前記バンド基材には、取外し用ハーフカットを形成していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のリストバンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリストバンドにかかるもので、とくに医療分野や遊技場分野で患者や入場者の手首や足首などに巻き付けるようにして取り付けることにより、人物を特定することができるようにしたリストバンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、リストバンドとしては、その帯状のバンド本体の両端部にそれぞれプラスチック製の留め具を設けて、この両端部を互いに留めることにより手首や足首などの被巻付け部に環状に巻き付け可能とするものが一般的であるが、この留め具が比較的高価であることから、安価に製造可能なリストバンドが求められている。
【0003】
安価なリストバンドとしては、その裏面側に粘着剤層を有するラベル形態とし、上記留め具を用いることなく、その両端部を貼り合わせるような構造のものがある。
しかしながら、このようなラベル形態のリストバンドを、たとえば、遊技場の入場券として使用する際に、使用者がリストバンドの貼合わせ部分を故意にはがし、複数人が一枚のリストバンドを付け替えて不正使用するような場合があるという問題がある。
【0004】
もちろん、医療の現場でも、一度取り付けたリストバンドについて再度の使用を行おうとした場合には、ある患者から一度取り外したリストバンドを他の患者の手首あるいは足首に間違って取り付けてしまうという問題がある。
【0005】
さらに、ラベル形態としたリストバンドの両端部を貼り合わせる際に、両端部を所定の長さにわたって互いに的確かつ確実に、また注意深く貼り付けないと、不正使用防止用にこの両端部に形成した切込み部がその貼合わせ部(重合わせ部)が位置せずに、その破断機能を十分に発揮することが困難であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−229000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、プラスチック製の留め具などを用いることなく、ラベル形態の構造を採用して安価に製造可能なリストバンドを提供することを課題とする。
【0008】
また本発明は、患者の取り違いや、不正使用を防止可能なリストバンドを提供することを課題とする。
【0009】
また本発明は、とくに不正使用を目的として一時的に貼合わせ部をはがそうとした場合には、確実に破断し、原状に復帰することが困難であるようにしたリストバンドを提供することを課題とする。
【0010】
また本発明は、帯状の形態から環状の形態に確実かつ簡単に作成して、不正使用防止用の破断用切込み部を両端部の貼合わせ部(重合わせ部)に確実に位置させることができるリストバンドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち本発明は、患者や入場者を特定可能な特定情報を印字する印字領域の左右端
部にそれぞれ位置する第1の巻付け領域および第2の巻付け領域の少なくともいずれか一
方に破断用切込み部を形成すること、および第1の巻付け領域および第2の巻付け領域の
少なくともいずれか一方に、貼付け位置確認用マークを形成することに着目したもので、
帯状のバンド基材と、このバンド基材の裏面側に形成した粘着剤層と、この粘着剤層の裏
面側に仮着した台紙と、を有し、上記バンド基材は、特定情報を印字可能な印字領域と、この印字領域の左右端部にそれぞれ位置し、この印字領域とともに手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能な第1の巻付け領域および第2の巻付け領域と、を有するリストバンドであって、上記第1の巻付け領域および上記第2の巻付け領域の少なくともいずれか一方に破断用切込み部を形成し、上記第1の巻付け領域あるいは上記第2の巻付け領域の裏面側の上記台紙を剥離可能として、この巻付け領域の上記粘着剤層を露出可能とし、この露出した上記粘着剤層を上記第2の巻付け領域あるいは上記第1の巻付け領域の上記バンド基材側に貼り付けて重ね合わせ、上記被巻付け部に巻き掛けるように環状に形成可能としているとともに、上記第1の巻付け領域に第1の貼付け位置確認用マークと、上記第2の巻付け領域には、上記第1の貼付け位置確認用マークと対をなす第2の貼付け位置確認用マークと、を形成していることを特徴とするリストバンドである。



【0012】
上記第1の巻付け領域および上記第2の巻付け領域の重合わせ領域部に上記破断用切込み部を位置させるように、当該リストバンドを上記環状に形成可能としていることができる。
【0013】
上記破断用切込み部は、当該リストバンドの長さ方向に沿って、複数本の切込み線を有していることができる。
【0014】
上記破断用切込み部は、その切込み尖端部が当該リストバンドの順方向および逆方向それぞれに向かうジグザグ状切込み線を有していることができる。
【0015】
上記破断用切込み部は、上記第1の巻付け領域あるいは上記第2の巻付け領域の少なくともいずれか一方の幅方向に延びる幅方向切込み線を有していることができる。
【0016】
上記第1の巻付け領域あるいは上記第2の巻付け領域の裏面側の上記台紙を剥離可能な剥離用切込み線を上記台紙に形成することができる。
【0017】
上記貼付け位置確認用マークの近傍に上記破断用切込み部を形成していることができる。
【0018】
上記バンド基材には、取外し用ハーフカットを形成していることができる。
【0019】
上記台紙には、エンボス加工を施して、人肌などに直接接触しても通気性を確保し、違和感がないようにすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるリストバンドにおいては、特定情報を印字する印字領域の左右端部にそれぞれ位置する第1の巻付け領域および第2の巻付け領域の少なくともいずれか一方に破断用切込み部を形成するとともに、第1の巻付け領域および第2の巻付け領域の少なくともいずれか一方に、貼付け位置確認用マークを形成ようにしたので、貼付け位置確認用マークを目印として、破断用切込み部を有する第1の巻付け領域および第2の巻付け領域の少なくともいずれか一方を他方の第2の巻付け領域および第1の巻付け領域に確実にかつ簡単に貼り合わせることができるため、この貼合わせ部を不正にはがそうとしても、第1の巻付け領域および第2の巻付け領域の重合わせ領域部における破断用切込み部が確実に破断する結果、貼合わせ部の原形状を維持してはがすことが困難であり、とくにその不正使用を確実に防止することができる。
もちろん、医療分野におけるリストバンドの取付けおよび取外しの際の過誤を回避可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例によるリストバンド1の平面図である。
図2】同、リストバンド1の裏面図である。
図3】同、図1のIII−III線断面図である。
図4】同、図1のIV−IV線断面図である。
図5】同、帯状のリストバンド1を環状のリストバンド1に形成する状態を説明する断面図である。
図6】同、リストバンド1を環状として被巻付け部Wに巻き付けた状態の断面図である。
図7】同、第1の巻付け領域6ないし半円形状の目印部14が位置している部分から、リストバンド1を被巻付け部Wから取り外そうとしている場合を説明する斜視図である。
図8】同、第2の巻付け領域7が位置している部分から、リストバンド1を被巻付け部Wから取り外そうとしている場合を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、破断用切込み部を有する第1の巻付け領域および第2の巻付け領域の少なくともいずれか一方に、貼付け位置確認用マークを形成ようにしたので、この貼付け位置確認用マークを見ながら、第1の巻付け領域および第2の巻付け領域の少なくともいずれか一方を他方の第2の巻付け領域および第1の巻付け領域に確実に貼り付けることができるため、貼付け操作自体にそれほどの注意力を払うことなく、第1の巻付け領域および第2の巻付け領域の重合わせ領域部における破断用切込み部の機能を確実に発揮させることが可能となり、とくに不正使用を確実に防止可能なリストバンドを実現した。
【実施例】
【0023】
つぎに本発明の実施例によるリストバンド1を図1ないし図8にもとづき説明する。
図1は、リストバンド1の平面図、図2は、同、裏面図、図3は、図1のIII−III線断面図、図4は、図1のIV−IV線断面図である。
とくに図3に示すように、リストバンド1は、帯状のバンド基材2と、このバンド基材2の裏面側に形成した粘着剤層3と、この粘着剤層3の裏面側に仮着した台紙4と、を有する。
【0024】
バンド基材2は、たとえばポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)などをベースとした合成紙であって、白色顔料を混入したり、その裏面に塗布したりして、不透明性、印字適性および平滑性などを加味したもので、耐候性、耐水性および印字性に優れている。
このバンド基材2は、その長さ方向ほぼ中央部に位置する印字領域5と、印字領域5の左右端部にそれぞれ位置する第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7と、を有する。
【0025】
印字領域5は、患者や入場者を特定するための特定情報をバーコードその他任意の文字や記号などにより印字可能であるとともに、必要ならば、より多くの情報を保持可能なICチップ(図示せず)などを組み込み可能である。
第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7は、印字領域5とともに患者や入場者の手首や足首などの被巻付け部W(図5図6)に巻き付け可能である。
【0026】
粘着剤層3は、必要な強度の粘着度ないし接着度を有する任意のタイプのものであって、一般糊あるいは強粘着糊などが好ましい。
【0027】
台紙4は、フィルム系の比較的薄い透明材料などからこれを構成し、必要な強度を有するとともに、その裏面側にエンボス加工面8を形成して、人肌などに直接接触しても人肌との間に通気性を確保し、装着時の違和感がないようにしている。
この台紙4の裏面には、位置検出用マーク9(図2図3)をあらかじめ印刷してあって、複数枚のリストバンド1を連接した状態のリストバンド連続体を所定のプリンター(図示せず)に装填して矢印のような移送方向R(図1)に移送して任意のセンサー(図示せず)によりこの位置検出用マーク9を検出して、印字領域5における所定部位に上記特定情報などを印字可能としている。
【0028】
さらに台紙4の裏面における第1の巻付け領域6の境界部分に、剥離用切込み線10をリストバンド1の幅方向に形成して第1の巻付け領域6の裏面側の台紙4のはがし領域部4Aを剥離可能としている。あるいは、第2の巻付け領域7の裏面の台紙4を取り除く場合には第2の巻付け領域7の境界部分に剥離用切込み線10を形成すればよい。
すなわち、リストバンド1においては、第1の巻付け領域6あるいは第2の巻付け領域7の裏面側の台紙4のはがし領域部4Aを剥離可能として、この巻付け領域の粘着剤層3を露出可能としている。
【0029】
第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7の少なくともいずれか一方に破断用切込み部11を形成している。図示の例では、第1の巻付け領域6に破断用切込み部11を形成した構成を示している。
破断用切込み部11は、当該リストバンド1の長さ方向に沿って、複数本のジグザグ状切込み線12(切込み線)と、第1の巻付け領域6の幅方向に延びる、より短い幅方向切込み線13(切込み線)と、を有している。
【0030】
ジグザグ状切込み線12は、ミシン目あるいは全カット線その他任意の形態の切込み線であればよいが、通常の外力では破断しにくく、第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7の貼合わせ部を無理矢理はがそうとする外力に対しては、容易に破断する構成のものであればよい。
また、ジグザグ状切込み線12は、第1の巻付け領域6の左右両端縁からわずかに内方部に位置した部分から中央部に向かってこれを形成することもできるし、これをミシン目などから構成する場合には、その端部が左右両端縁に臨むようにすることもできる。
ただし図1に要部を拡大して示すように、ジグザグ状切込み線12は、好ましくは、その一方の切込み尖端部12Aが当該リストバンド1の順方向(たとえば、プリンターにおける移送方向R)に向かっているとともに、他方の切込み尖端部12Bがリストバンド1の逆方向(移送方向Rの逆方向)に向かっている。
幅方向切込み線13は、下記の半円形状の目印部14の基端部にこれを形成するために、これをミシン目により構成することが望ましい。
【0031】
第1の巻付け領域6の上流側端部には、半円形状の目印部14を突出形成し、その基端部に形成した幅方向切込み線13が、第1の巻付け領域6の幅方向に延びている。
【0032】
第1の巻付け領域6における目印部14の中央部には、円形状を呈した第1の貼付け位置確認用マーク15(貼付け位置確認用マーク)をあらかじめ印刷してある。
したがって、この第1の貼付け位置確認用マーク15の近傍に破断用切込み部11としての上記幅方向切込み線13を形成していることになる。
第2の巻付け領域7には、第1の貼付け位置確認用マーク15と対をなす環状を呈した第2の貼付け位置確認用マーク16(貼付け位置確認用マーク)を形成している。
【0033】
図5は、帯状のリストバンド1を環状のリストバンド1に形成する状態を説明する断面図、図6は、リストバンド1を環状として被巻付け部Wに巻き付けた状態の断面図である。
なお、第1の巻付け領域6の上流側に位置する他のリストバンド1との間の連結領域部1Aにおける台紙4には、分離用のカットを形成していないので、この連結領域部1Aと第1の巻付け領域6の裏面部における台紙4(はがし領域部4A)とは互いに一体的に連続した構成であり、連結領域部1Aから第1の巻付け領域6の目印部14をはがすようにすれば、連結領域部1Aおよびはがし領域部4Aをリストバンド1(第1の巻付け領域6)から容易に剥離することができる。
【0034】
図5に示すように、はがし領域部4Aを剥離して第1の巻付け領域6の裏面において露出した粘着剤層3を第2の巻付け領域7におけるバンド基材2の表面側に貼り付けて重ね合わせ、重合わせ領域部17(貼合わせ領域部)を構成し、被巻付け部Wに巻き掛けるように環状に形成する。
かくして、第1の巻付け領域6には破断用切込み部11が形成されているので、第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7の重合わせ領域部17に破断用切込み部11を位置させるように、帯状のリストバンド1を環状(閉鎖円形状)に形成可能としている。
【0035】
なお、図4に仮想線による引出し線で示すように、バンド基材2には、取外し用ハーフカット18を形成して、使用完了後のリストバンド1を正常な処理として破断しやすくしておくことができる。
【0036】
こうした構成のリストバンド1の使用にあたって、図6に示すように、被巻付け部Wに環状のリストバンド1を取り付けることになるが、上述のように、第1の巻付け領域6の半円形状の目印部14側に位置するリストバンド1の連結領域部1Aを持って第1の巻付け領域6の半円形状の目印部14の部分から台紙4のはがし領域部4Aを簡単にはがすことができる。
第1の巻付け領域6の下面側の粘着剤層3を露出した状態で、図5に示したように、第1の巻付け領域6の第1の貼付け位置確認用マーク15を第2の巻付け領域7の第2の貼付け位置確認用マーク16に合わせるように第1の巻付け領域6を第2の巻付け領域7に貼り付ければ、それほどの注意を払わなくでも、上述のように、第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7の重合わせ領域部17に破断用切込み部11が確実に位置した状態で、簡単な操作でリストバンド1を被巻付け部Wに環状に取り付けることができる。
【0037】
このリストバンド1を不正に取り外して再使用しようとする場合について述べる。
図7は、第1の巻付け領域6ないし半円形状の目印部14が位置している部分から、リストバンド1を被巻付け部Wから取り外そうとしている場合を説明する斜視図、図8は、逆に、第2の巻付け領域7が位置している部分から、リストバンド1を被巻付け部Wから取り外そうとしている場合を説明する斜視図である。
【0038】
図7に示すように、第1の巻付け領域6ないし半円形状の目印部14が位置している部分から取り外そうとしている場合には、目印部14の幅方向切込み線13(破断用切込み部11)が簡単に切れて、目印部14が第1の巻付け領域6から分離してしまい、原状に貼り直すことが困難となり、不正使用を防止可能である。
たとえ幅方向切込み線13が切れない場合であっても、さらに第1の巻付け領域6を第2の巻付け領域7からはがしていく際に、とくにジグザグ状切込み線12(破断用切込み部11)の切込み尖端部12Bの部分からバンド基材2が切れ始め、同様に、原状に貼り直すことが困難となり、不正使用を防止可能である。
【0039】
図8に示すように、第2の巻付け領域7が位置している部分から取り外そうとしている場合には、とくにジグザグ状切込み線12の切込み尖端部12Aの部分からバンド基材2が切れ始め、同様に、原状に貼り直すことが困難となり、不正使用を防止可能である。
【0040】
かくして、不正使用を防止可能であることはもちろん、ラベル形態としたリストバンド1は安価に製造可能であるため、医療現場などにおいても、一度使用したリストバンド1を再使用することなく、第1の巻付け領域6ないし第2の巻付け領域7の部分をはがして被巻付け部Wから取り外し、そのまま破棄することができる。
【0041】
なお、既述した実施例では、第1の巻付け領域6に破断用切込み部11を形成した例を説明したが、本発明においては、第2の巻付け領域7に破断用切込み部11を形成するとともに、第1の巻付け領域6の裏面における台紙4のはがし領域部4Aを取り除くようにして、第1の巻付け領域6を第2の巻付け領域7に貼り付けるようにすることもできる。
【0042】
また、本発明における破断用切込み部の形状ないし形態については、既述の実施例のものに限らず、不正使用を目的として一時的に貼合わせ部をはがそうとした場合には、確実に破断し、原状に復帰することが困難なものであれば、任意のものを採用可能である。
さらに、貼付け位置確認用マークについても、第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7を互いに十分な重合わせ領域部17(貼合わせ領域部)を形成することができるものであれば、任意のものを採用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 リストバンド(実施例、図1
1A リストバンド1の連結領域部(図1図5
2 バンド基材(図3
3 粘着剤層
4 台紙
4A 台紙4のはがし領域部(図3図4図5
5 印字領域
6 第1の巻付け領域
7 第2の巻付け領域
8 台紙4の裏面におけるエンボス加工面
9 位置検出用マーク
10 台紙4の剥離用切込み線
11 破断用切込み部(ジグザグ状切込み線12、幅方向切込み線13)
12 ジグザグ状切込み線(切込み線)
12A ジグザグ状切込み線12においてリストバンド1の順方向に延びる一方の切込み尖端部
12B ジグザグ状切込み線12においてリストバンド1の逆方向に延びる他方の切込み尖端部
13 幅方向切込み線(切込み線)
14 第1の巻付け領域6における半円形状の目印部
15 第1の巻付け領域6における第1の貼付け位置確認用マーク(貼付け位置確認用マーク)
16 第7の巻付け領域7における第2の貼付け位置確認用マーク(貼付け位置確認用マーク)
17 第1の巻付け領域6および第2の巻付け領域7の重合わせ領域部(貼合わせ領域部)
18 バンド基材2に形成することができる取外し用ハーフカット(図4
R 複数枚のリストバンド1を連接した状態のリストバンド連続体のプリンターにおける移送方向(図1
W 手首や足首などの被巻付け部(図5ないし図8
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8