(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5731203
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】太陽光発電ユニットの取付装置
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20140101AFI20150521BHJP
E04D 13/00 20060101ALI20150521BHJP
H02S 20/23 20140101ALI20150521BHJP
【FI】
E04D13/18ETD
E04D13/00 J
H02S20/23 B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-4035(P2011-4035)
(22)【出願日】2011年1月12日
(65)【公開番号】特開2012-144903(P2012-144903A)
(43)【公開日】2012年8月2日
【審査請求日】2013年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175973
【氏名又は名称】三晃金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 邦男
(72)【発明者】
【氏名】三浦 和也
【審査官】
瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−193231(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3159601(JP,U)
【文献】
特開2007−314955(JP,A)
【文献】
特開2007−297860(JP,A)
【文献】
特開2001−140416(JP,A)
【文献】
特開2003−234492(JP,A)
【文献】
特開2005−068800(JP,A)
【文献】
米国特許第06046399(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
E04D 13/00
H02S 20/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折板屋根板材同士が馳締部を介して連結された金属屋根の前記馳締部の長手方向及び隣接する該馳締部に固定する複数のベース具と、該ベース具上に載置固定する低受台座及び高受台座と、太陽光発電ユニットとからなり、前記ベース具は上面部の幅方向の両端から垂下状に側面部が折曲形成され、いずれか一方の側面部の下端からベース具の幅方向内方且つ上方に向かって係止片が形成されると共に他方の側面部には締付ボルトが具備され、前記係止片の先端と前記締付ボルトとで前記馳締部の首部を押圧する構成とし、前記ベース具と前記低受台座及び前記ベース具と前記高受台座とはボルト・ナットにて固着され、前記両低受台座と両高受台座とで傾斜面が形成された両低受台座と両高受台座に、前記太陽光発電ユニットが配置固着されてなることを特徴とする太陽光発電ユニットの取付装置。
【請求項2】
請求項1において、前記太陽光発電ユニットが複数設置され、それぞれの太陽光発電ユニットの傾斜面を形成する基軸は前記折板屋根板材の長手方向と一致してなることを特徴とする太陽光発電ユニットの取付装置。
【請求項3】
折板屋根板材が馳締部を介して連結された金属屋根の前記馳締部の長手方向及び隣接する該馳締部に固定する複数のベース具と、前記折板屋根板材の長手方向に対して直交する線上に配置された前記複数のベース具上に載置固定された少なくも2本の母屋状部材と、該母屋状部材上に載置固定する低受台座及び高受台座と、太陽光発電ユニットとからなり、前記ベース具は上面部の幅方向の両端から垂下状に側面部が折曲形成され、いずれか一方の側面部の下端からベース具の幅方向内方且つ上方に向かって係止片が形成されると共に他方の側面部には締付ボルトが具備され、前記係止片の先端と前記締付ボルトとで前記馳締部の首部を押圧する構成とし、前記低受台座と前記母屋状部材及び前記高受台座と前記母屋状部材とがボルト・ナットにて固着され、前記両低受台座と両高受台座とで傾斜面が形成された両低受台座と両高受台座に、前記太陽光発電ユニットが配置固着されてなることを特徴とする太陽光発電ユニットの取付装置。
【請求項4】
請求項3において、前記太陽光発電ユニットが複数設置され、それぞれの太陽光発電ユニットの傾斜面を形成する基軸は前記折板屋根板材の長手方向に対して直交する線上に配置されてなることを特徴とする太陽光発電ユニットの取付装置。
【請求項5】
請求項1,2又は3の何れか1項において、前記太陽光発電ユニットの下面には取付材が固着され、該取付材が前記低受台座と高受台座の頂部に固着されてなることを特徴とする太陽光発電ユニットの取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電ユニットを傾斜状態で金属屋根上に極めて簡易に装着することができ、且つ、太陽光発電ユニットの傾斜方向を施工時に選定することができる太陽光発電ユニットの取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属屋根上に、太陽光発電ユニット(太陽光発電パネルとも称する)を取り付けるための装置が種々開発されている。工場,大形ビル等には、多数の太陽光発電ユニットが必要である。特に、屋根が金属製の折板屋根板材で構成されたものでは、多数の部品を必要としている。この種のものとして特許文献1が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−155040
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたものでは、金属屋根の山形頂部にクランプ等を装着し、このクランプに長尺な支持部材を設け、この支持部材に太陽光発電装置を装着するものであった。このような構成のために、部品点数が多く、組付けが面倒であった。そこで、本発明は、これらの欠点及び欠陥を解消するとともに、汎用性ある物とすることを目標とした。つまり、本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、太陽光発電ユニットを簡易且つ迅速に取付けることができると共に、作業効率を向上させ、安価に提供できることを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、折板屋根板材同士が馳締部を介して連結された金属屋根の前記馳締部の長手方向及び隣接する該馳締部に固定する複数のベース具と、該ベース具上に載置固定する低受台座及び高受台座と、太陽光発電ユニットとからなり、前記ベース具は上面部の幅方向の両端から垂下状に側面部が折曲形成され、いずれか一方の側面部の下端からベース具の幅方向内方且つ上方に向かって係止片が形成されると共に他方の側面部には締付ボルトが具備され、前記係止片の先端と前記締付ボルトとで前記馳締部の首部を押圧する構成とし、前記ベース具と前記低受台座及び前記ベース具と前記高受台座とはボルト・ナットにて固着され、前記両低受台座と両高受台座とで傾斜面が形成された両低受台座と両高受台座に、前記太陽光発電ユニットが配置固着されてなる太陽光発電ユニットの取付装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0006】
請求項2の発明を、請求項1において、前記太陽光発電ユニットが複数設置され、それぞれの太陽光発電ユニットの傾斜面を形成する基軸は前記折板屋根板材の長手方向と一致してなることを特徴とする太陽光発電ユニットの取付装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0007】
請求項3の発明を、折板屋根板材が馳締部を介して連結された金属屋根の前記馳締部の長手方向及び隣接する該馳締部に固定する複数のベース具と、前記折板屋根板材の長手方向に対して直交する線上に配置された前記複数のベース具上に載置固定された少なくも2本の母屋状部材と、該母屋状部材上に載置固定する低受台座及び高受台座と、太陽光発電ユニットとからなり、前記ベース具は上面部の幅方向の両端から垂下状に側面部が折曲形成され、いずれか一方の側面部の下端からベース具の幅方向内方且つ上方に向かって係止片が形成されると共に他方の側面部には締付ボルトが具備され、前記係止片の先端と前記締付ボルトとで前記馳締部の首部を押圧する構成とし、前記低受台座と前記母屋状部材及び前記高受台座と前記母屋状部材とがボルト・ナットにて固着され、前記両低受台座と両高受台座とで傾斜面が形成された両低受台座と両高受台座に、前記太陽光発電ユニットが配置固着されてなる太陽光発電ユニットの取付装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0008】
請求項4の発明を、請求項3において、前記太陽光発電ユニットが複数設置され、それぞれの太陽光発電ユニットの傾斜面を形成する基軸は前記折板屋根板材の長手方向に対して直交する線上に配置されてなることを特徴とする太陽光発電ユニットの取付装置としたことにより、前記課題を解決した。
【0009】
請求項5の発明を、請求項1,2又は3の何れか1項において、前記太陽光発電ユニットの下面には取付材が固着され、該取付材が前記低受台座と高受台座の頂部に固着されてなることを特徴とする太陽光発電ユニットの取付装置としたことにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、太陽光発電ユニットを金属屋根に取り付けるための主要なる部材は、ベース具と、低受台座及び高受台座とを取り付けるのみで、太陽光発電ユニットの取付装置ができる。詳しくは、該太陽光発電ユニットを構成する太陽光発電パネルの枠材及び取付材をも工場などでは加工する必要もあるが、現場での取付はあくまでも、ベース具と、低受台座及び高受台座とを取付と、該低受台座及び高受台座と前記太陽光発電ユニットとの取付である。
【0011】
さらに、該太陽光発電ユニットの受光面を太陽向けて簡単に脊置できる。つまり、金属屋根に対して太陽光発電ユニットの傾斜方向を全部で4方向のいずれか最も好ましい方向に向けて設置することができ、地形,環境等の種々の条件に簡単に対応させることができる。請求項2の発明では、特に、傾斜面を形成する基軸は前記折板屋根板材の長手方向と一致してなることで、一般に縦葺タイプの太陽光発電ユニット取付ができる。
【0012】
また、請求項3の発明では、母屋部材を介して、太陽光発電ユニットの取付であるため、構造が簡易ながら、強度ある取付施工できる最大の効果を奏する。また、請求項4の発明では、傾斜面を形成する基軸は前記折板屋根板材の長手方向に対し直交する方向と設けられており、一般に横葺タイプの太陽光発電ユニット取付ができる。さらに、請求項5の発明では、前記太陽光発電ユニットの下面には取付材が固着されているため、その取付材と前記低受台座及び高受台座との取付が簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(A)は本発明の第1実施形態の正面図、(B)は(A)のX1−X1矢視平面図、(C)は(A)の要部拡大図である。
【
図2】(A)は本発明の第1実施形態の要部斜視図、(B)は(A)から太陽光発電ユニットを除いた要部斜視図、(C)は太陽光発電ユニットを下面側から見た斜視図、(D)は(C)のY1−Y1矢視断面図である。
【
図3】(A)は本発明の第1実施形態において構成部材を分離した状態の正面図、(B)及び(C)は高受台座及び低受台座の斜視図、(D)はベース具の斜視図、(E)は金属屋根において馳締部を丸馳タイプとした要部正面図、(F)は金属屋根において馳締部を角馳タイプとした要部正面図、(G)は金属屋根において馳締部を縦馳タイプとした要部正面図である。
【
図4】(A)は本発明の第2実施形態における要部正面図、(B)は(A)のX2−X2矢視平面図、(C)は(B)のY2−Y2矢視拡大断面図である。
【
図5】(A)は本発明の第2実施形態の斜視図、(B)は(A)から太陽光発電ユニットを除いた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。本発明の第1実施形態の主な構成は、
図1、
図2等に示すように、ベース具1と、低受台座3A及び高受台座3Bと、太陽光発電ユニットA等とから構成される。特に、前記太陽光発電ユニットAは、太陽光発電パネル4と枠材5とが結合されたものである。
【0015】
前記ベース具1は、
図2、
図3に示すように、上面部11と、側面部12と、係止片13と、締付ボルト14から構成されている。前記上面部11は、金属屋根Bの折板屋根板材7としての上片部71,71箇所に載置できるような長さに形成されている。前記上面部11の幅方向の両端には、側面部12,12が略垂下状に折曲形成されている。
【0016】
いずれか一方の側面部12の下端からベース具1の幅方向内方且つ上方に向かって係止片13が形成されている。該係止片13の先端は、ベース具1の幅方向の略中央箇所まで延在形成されている。前記上面部11,両側面部12,12及び係止片13は、金属薄板材にて一体形成されたものである。
【0017】
さらに、他方側の側面部12には、螺子孔12aが形成され、該螺子孔12aには締付ボルト14が装着されている〔
図6(B)参照〕。該締付ボルト14及び前記螺子孔12aは、ベース具1の長手方向(奥行方向)に、一般には、2箇所設けられている。1箇所のみにする場合もある。
【0018】
上面部11及び両側面部12,12によって形成された断面は、略門形状に形成されている〔
図6(A)参照〕。前記ベース具1は、前記馳締部Jに被せられるようにして金属屋根Bの山形頂部箇所に配置され、上面部11及び両側面部12,12によって、前記馳締部Jが包囲される構造となる〔
図6(A),(E)参照〕。また、前記係止片13の先端は、馳締部Jの下馳首部54aと上馳首部55aからなる部位を押圧し、その反対側の面が締付ボルト14の先端に押圧されるようになっている。
【0019】
また、前記低受台座3A及び高受台座3Bは、帯板材が側面から見て方形状に屈曲形成されており、その高さが低いのが前記低受台座3Aであり、高さが高く形成されているのが高受台座3Bである。特に、平面的に見た形状は、前記低受台座3A及び高受台座3Bは同一である。具体的には、前記低受台座3Aは、底部31A,両側部32B,32A及び頂部33Aにて、前記高受台座3Bは、底部31B,両側部32B,32B及び頂部33Bにてそれぞれ構成されている。
【0020】
太陽光発電ユニットAは、
図1及び
図8等に示すように、平板状の太陽光発電パネル4と枠体5とが結合されたものである。前記太陽光発電パネル4は、太陽光発電セル41a,41a,・・・が多数集合されて太陽光発電アレイ41が構成され、該太陽光発電アレイ41が複数集合されて構成されている。具体的には、例えば、太陽光発電セル41aが数cm平方であり、太陽光発電アレイ41が約30cm平方である。太陽光発電パネル4が約1m内外の平方又は長方形(約1m×約1.5m)である。この大きさには限定されない。
【0021】
前記枠体5は、
図7(A)に示すように、上側枠フレーム51と、下側枠フレーム52とが一体して方形枠として形成されている。上側枠フレーム51は、前記太陽光発電パネル4の周囲を額縁状に囲うもので断面コ字状をなしている。この下側に同じく断面コ字状の下側枠フレーム52が設けられている。最下側の片は広幅片521として形成されている。前記枠体5の上側枠フレーム51及び下側枠フレーム52の断面はE字状をなしている。前記太陽光発電パネル4と前記枠体5とからなる太陽光発電ユニットAは、予め工場にて取付構成されている。
【0022】
符号6は、取付材であって、前記枠体5の下面に取付けられる部材であり、断面門形状をなしている。つまり、頂部61及び両側部62,62とで門形をなし、この門形内に、前記低受台座3Aの頂部33A箇所及び前記高受台座3Bの頂部33B箇所がそれぞれ挿入するように構成されている。また、前記取付材6は、前記枠体5の対向辺間に跨るようにして下面にボルト・ナットなどにて取付けられている。
【0023】
金属屋根Bは、
図4等に示すように、折板屋根板材7,受金具8A及び構造材8Bによって構成される。本発明においては、金属屋根Bは、大形工場や、大形ビル,大形施設等の大形建築物に適応する大きさの屋根とする。折板屋根板材7は、金属薄板から形成された折板タイプのものであり、主板71の幅方向両側より立上り側部72,72が形成されている。該立上り側部72の上端には、略平坦状とした上片部73が形成されている。そして、該上片部73の外端から下馳部74が形成され、他方の上片部73には上馳部75が形成されている。
【0024】
前記折板屋根板材7 ,7 ,…が複数並設され、隣接する折板屋根板材7 ,7同士の前記下馳部74と上馳部75とを馳締連結して馳締部J〔
図5(A)〕を構成し、金属屋根Bを施工する。前記主板71と、立上り側部72,72は、断面略有底V字状の谷形状を構成する。前記下馳部74及び上馳部75からなる馳締部Jは、具体的には、
図5(A)に示すように、断面略「?」状をなしている。その他にも、断面略四角形状〔
図5(B)参照〕、或いは、断面逆L形状〔
図5(C)参照〕に形成されることもある
【0025】
下馳部74及び上馳部75の下部には垂直状部位が形成され、下馳首部と上馳首部と称する。前記馳締部Jでは、前記下馳首部と上馳首部とが略当接状態となり略垂直状に形成された首部を構成する。前記構造材8Bに受金具8Aを介して複数の折板屋根板材7,7,…が並設され、隣接する折板屋根板材7,7の下馳部74と上馳部75とが馳締されて馳締部Jとして形成される。
【0026】
次に、本発明の第1実施形態の施工手順について説明する。隣接する折板屋根板材7,7同士の馳締連結によって複数の馳締部J,J,…が並設されている金属屋根Bには、該金属屋根Bを構成する折板屋根板材7の長手方向に沿って勾配を設けられ、その勾配の傾斜方向を流れ方向とし、該流れ方向の上方を水上側とし、下方を水下側とする。
図1(B)の金属屋根Bの上側が水上側とし、その下側を水下側とする。
【0027】
その他の図面でも、金属屋根Bにおいて、水上側、水下側は必ず存在するが、本発明においては、前記太陽光発電ユニットAの傾斜面(傾斜角θ)が何れかの側に向くように設置される。このように、金属屋根Bの水上側、水下側のどちら側でも取り付けることができ、実施形態に制限されない。
【0028】
ベース具1が金属屋根Bの隣接する複数の馳締部Jの長手方向に沿って配置され、馳締部Jがベース具1の両側面部12,12によって挟持される。また、係止片13の先端は馳締部Jの付け根部に当接又は近接した状態となる。そして、締付ボルト14を締め付けると、締付ボルト14の先端が馳締部Jの首部付け根部に当接し、且つ押圧することによって、ベース具1が馳締部Jに固着される。特に、馳締部Jの長手方向において適宜の間隔をおいてベース具1が固着されている。少なくとも2個に固着される。
【0029】
また、隣接する複数の馳締部J,J,…においてもベース具1が固着されている。そして、馳締部Jの長手方向において適宜の間隔をおいて固着されている2つのベース具1,1上に載置され、前記低受台座3A,3Aがボルト・ナットにて固着されている。また、隣接する馳締部Jの長手方向にも、前記2つの低受台座3A,3Aに対応して前記高受台座3B,3Bがボルト・ナットにて固着され、4箇所にて適宜な傾斜面が形成される。
【0030】
そして、前記低受台座3A,3A及び前記高受台座3B,3B上に前記太陽光発電ユニットAの取付材6,6が載置され、それぞれがボルト・ナットにて固着されて施工完了する。そのとき、前記太陽光発電ユニットAの太陽光発電ユニットAの太陽光発電パネル4の傾斜面となる傾斜する基本線としての基軸P〔
図1(B)参照〕は、前記金属屋根Bの折板屋根板材7の長手方向と同一となるように施工されている。これを太陽光発電ユニットAの「縦葺き」と称する。
【0031】
次に、本発明の第2実施形態について
図4及び
図5に基づいて説明する。特に、母屋状部材2が新規に設けられた構成である。つまり、主な構成は、
図4及び
図5に示すように、ベース具1と、母屋状部材2と、低受台座3A及び高受台座3Bと、太陽光発電ユニットAと、金属屋根Bとから構成されている。前記ベース具1、低受台座3A及び高受台座3B、太陽光発電ユニットA及び金属屋根Bについては、第1実施形態の構成部材と同一であり、その説明を省略する。
【0032】
前記母屋状部材2は、断面ハット形をなし、門形部21と、両側下端より外側に水平縁22,22が一体形成されて適宜の長さを有している。前記母屋状部材2は、前記金属屋根Bにおける隣接する複数の馳締部J,J,…上に固着されたベース具1上に取り付けられる。つまり、前記母屋状部材2は、前記金属屋根Bの折板屋根板材7の長手方向に直交するようにベース具1上に、少なくとも2本取り付けられる。
【0033】
前記母屋状部材2の1本目の上に載置されて、所定間隔をおいて、前記2つの低受台座3A,3Aがボルト・ナットにて固着される。そして、2本目の前記母屋状部材2上に載置されて、所定間隔をおいて、前記2つの前記高受台座3B,3Bがボルト・ナットにて固着される。4箇所にて適宜な傾斜面が形成される。
【0034】
同様に、前記低受台座3A,3A及び前記高受台座3B,3B上に前記太陽光発電ユニットAの取付材6,6が載置され、それぞれがボルト・ナットにて固着されて施工完了する。今度は、前記太陽光発電ユニットAの太陽光発電ユニットAの太陽光発電パネル4の傾斜面となる傾斜する基本線としての基軸Pは、前記金属屋根Bの折板屋根板材7の長手方向と直交するように施工されている。これを太陽光発電ユニットAの「横葺き」と称する。
【0035】
第1実施形態及び第2実施形態でも、主に、ベース具1、低受台座3A及び高受台座3Bとで、又は、ベース具1、母屋状部材2、低受台座3A及び高受台座3Bとで、太陽光発電ユニットAを、簡易且つ迅速に金属屋根Bに取付施工できるという最大の利点がある。さらに、太陽光発電ユニットAの傾斜方向(受光面)を施工時に適宜選定して設置することができる効果も備えている。
【符号の説明】
【0036】
1…ベース具、2…母屋状部材、3A…低受台座、3B…高受台座、
A…太陽光発電ユニット、B…金属屋根、J…馳締部、7…折板屋根板材。